JPH0753896Y2 - 連打式釘打機の自動釘供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は連打式釘打機において、
連打による釘の打ち込み作動終了後に自動的に釘を供給
する自動釘供給装置に関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】通常の連打式釘打機では、一
本の釘に対し連続的に繰り返して打撃を与えて完全に打
ち込む、いわゆる増し打ちが行なわれている。増し打ち
においては、一回の打撃動作毎に釘を自動供給すること
はできないから、一本の釘の打ち込み作動が終了する度
に釘供給レバーを手動操作して釘供給を行なうように構
成されている。しかしながら、木材等の施工作業には増
し打ちの必要のない場合がある。これらの作業に通常の
連打式釘打機を使用すると、打ち込みの終了の都度手動
操作によって釘供給レバーを操作しなければならず、作
業性が阻害される欠点がある。

【０００３】

【考案の目的】本考案は、連打による釘打ち込みの終了
時に被打込み材から離れるコンタクトアームの作動と連
動して釘を自動供給する連打式釘打機の自動釘供給装置
を提供することをその目的とする。

【０００４】

【目的を達成するための手段】前記目的を達成するた
め、本考案に係る連打式釘打機の自動釘供給装置は、手
動操作されるトリガレバーと被打込み材に係合して操作
されるコンタクトアームとの協働により打撃ピストンを
連続して繰り返し駆動させる起動用トリガバルブと、連
結釘と係合して釘を一本ずつ打撃位置へ供給するフィー
ドピストン・シリンダ機構と、該フィードピストン・シ
リンダ機構に対して圧縮空気を供給、排気させて作動さ
せるフィードバルブとを備え、該フィードバルブを作動
させる圧縮空気供給源と前記フィードバルブとを接続す
るエア通路上に、開閉バルブとコンタクトバルブとを各
々前記エア通路を開閉するように配置し、前記開閉バル
ブは前記トリガバルブの非作動時に供給される圧縮空気
により保持された初期位置で前記エア通路を遮断し、作
動端位置で連通させるバルブステムを有し、前記コンタ
クトバルブは前記コンタクトアームの操作に連動して初
期位置から作動端位置へ作動されるバルブステムを有す
るとともに、該バルブステムは、前記エア通路のうち前
記圧縮空気供給源と開閉バルブとの間を初期位置におい
て遮断し作動端位置において連通させる第１の弁機構
と、前記開閉バルブとフィードバルブとの間を初期位置
と作動端位置において遮断する第２の弁機構を備え、且
つ第１の弁機構と第２の弁機構において前記バルブステ
ムが作動端位置から初期位置に復帰移動する途中で同時
に圧縮空気供給源・開閉バルブ間及び開閉バルブ・フィ
ードバルブ間を連通させることを特徴とする。

【０００５】

【考案の作用、効果】前記構成によれば、トリガレバー
の手動操作と被打込み材に対するコンタクトアームの係
合操作との協働により起動用トリガバルブが作動し、打
撃ピストンが連続して繰り返し駆動される。この場合、
トリガバルブの作動に伴なって開閉バルブのバルブステ
ムが作動端位置に移動し、圧縮空気供給源と前記フィー
ドバルブとを接続するエア通路を連通させる。また、コ
ンタクトバルブにおいては、第２の弁機構により圧縮空
気供給源・開閉バルブ間エア通路が連通する。しかし、
第１の弁機構により開閉バルブ・フィードバルブ間エア
通路は遮断される。その後、トリガレバーを手動操作
し、打撃ピストンを繰り返し駆動するとともに、開閉バ
ルブにより圧縮空気供給源と前記フィードバルブとを接
続するエア通路を連通させる。この場合、開閉バルブ・
フィードバルブ間エア通路は遮断されているので、フィ
ードバルブは作動しない。

【０００６】その後、コンタクトアームを被綴り材から
解放すると、コンタクトバルブのバルブステムがバネ力
によって作動端位置から元の初期位置に復帰移動する。
その途中で同時に圧縮空気供給源・開閉バルブ間及び開
閉バルブ・フィードバルブ間が連通するから、圧縮空気
供給源からフィードバルブまでのエア通路が全通するの
で、フィードバルブに圧縮空気が供給され、フィードバ
ルブが作動してフィードピストン・シリンダ機構に対し
て圧縮空気を供給、排気させて作動させ、連結釘と係合
して釘が打撃位置へ供給される。なお、コンタクトアー
ムの開放操作後にトリガバルブを開放すれば、トリガバ
ルブも初期の初期位置に復帰移動し、圧縮空気供給源・
フィードバルブ間のエア通路は再び遮断される。

【０００７】以上のように、本考案によれば、連打によ
る釘打ち込みの終了時に被打込み材から離れるコンタク
トアームの作動と連動して自動的にフィードピストン・
シリンダ機構が作動し、釘が供給される。したがって、
いちいち手動操作により釘送りをする必要がないので、
作業能率が格段に向上する。

【０００８】

【実施例】以下、図面によって本考案の実施例について
説明すると、図１は圧縮空気によって駆動される連打式
釘打機における自動釘供給装置を示す。連打式釘打機は
起動用トリガバルブ１の作動に基づいて図示しない打撃
ピストンを連続して繰り返し駆動させた後に停止させる
もので、連結釘と係合して釘を一本ずつ打撃位置へ供給
するフィードピストン・シリンダ機構２と、該フィード
ピストン・シリンダ機構２に対して圧縮空気を供給・排
気させるフィードバルブ３とを備えている。

【０００９】トリガバルブ１は、公知の釘打機と同じ
く、トリガレバー４の手動による引き操作とコンタクト
アーム５の被打込み材に対する係合操作との協働により
バルブシリンダ６内に設けたバルブステム７の突出端を
バネ８に抗して押し込み摺動させることにより、圧縮空
気供給源９を図示しないヘッドバルブに供給して作動さ
せ、これにより打撃ピストンを駆動させるものである
が、それとともに、非作動時に後述の開閉バルブ１０に
通じるエア通路１１を圧縮空気供給源９に接続し、作動
時に大気に接続させるように構成されている。なお、コ
ンタクトアーム５は被打込み材に対する係合操作によ
り、後述のコンタクトバルブ１２も作動操作できるよう
に構成されている。

【００１０】フィードピストン・シリンダ機構２はフィ
ードシリンダ１３内に釘を供給駆動するフィードピスト
ン１４を摺動自在に収容し、その先端に連結釘の送り爪
（図示せず）を取付けてなり、フィードピストン１４を
往復動させることにより送り爪が連結釘の釘を一本ずつ
打撃位置に送るものである。上記フィードシリンダ１３
の前後部にはそれぞれエア通路１５、１６が形成され、
前部エア通路１５からの圧縮空気はフィードピストン１
４の周面に形成された膨出部１７の前端面のみに作用
し、後部エア通路１６からの圧縮空気は、フィードピス
トン１４の後端面に作用するように構成されている。通
常は前後部に圧縮空気が供給され、上記後端面の方が圧
縮空気の受圧有効面積が大きいので、フィードピストン
１４は前進位置に保持されている。

【００１１】フィードバルブ３は上記フィードシリンダ
１３の上記前部エア通路１５を常時圧縮空気供給源１８
に接続させるとともに、上記後部エア通路１６を圧縮空
気供給源１８と大気とに選択的に接続させるもので、バ
ルブステム２０は常に上記前部エア通路１５を圧縮空気
供給源１８に接続させるようにバネ２１によって後退方
向に付勢されている。フィードバルブ３の前進方向への
作動はバネ２１側の膨出部１９に圧縮空気供給源１８か
ら圧縮空気が供給されることによって行なわれる。

【００１２】ところで、圧縮空気供給源１８とフィード
バルブ３とを接続するエア通路２２ａ、２２ｂ上には、
開閉バルブ１０とコンタクトバルブ１２とが配置されて
いる。

【００１３】開閉バルブ１０は前記トリガバルブ１に連
動するバルブステム２３を有するもので、該バルブステ
ム２３は大径部２３ａと小径部２３ｂとからなってい
る。バルブステム２３が非作動状態のトリガバルブ１を
介して圧縮空気供給源９から供給された圧縮空気が小径
部２３ｂに作用してバネ２４に抗して押し込まれた初期
位置にあるときは、そのシール部３０によって上記エア
通路２２ａ、２２ｂを遮断し、トリガバルブ１の作動操
作に基づいて上記圧縮空気が排出されると、上記バルブ
ステム２３がバネ２４により上記エア通路２２ａ、２２
ｂを連通する作動端位置に移動する。

【００１４】コンタクトバルブ１２は上記コンタクトア
ーム５の操作に連動して初期位置から作動端位置に移動
し、バネ２７の力により復帰移動するバルブステム２５
を有するもので、該バルブステム２５は第１の弁機構と
第２の弁機構とを有している。第１の弁機構は、バルブ
ステム２５が初期位置にあるときに上記エア通路２２
ａ、２２ｂのうち圧縮空気供給源・開閉バルブ間エア通
路２２ａを遮断し、作動端位置にあるときに連通する弁
機構である。第２の弁機構は、バルブステム２５が初期
位置及び作動端位置にあるときに開閉バルブ・フィード
バルブ間エア通路２２ｂを遮断させる弁機構である。そ
して、第１の弁機構と第２の弁機構において上記バルブ
ステム２５が作動端位置から初期位置に復帰移動する途
中で同時に圧縮空気供給源・開閉バルブ間エア通路２２
ａ及び開閉バルブ・フィードバルブ間エア通路２２ｂを
連通させるように構成されている。

【００１５】ここで、上記構成の釘供給機構の作動態様
について説明する。トリガバルブ１の作動前は各バルブ
は図１の状態にあり、フィードピストン・シリンダ機構
２のフィードピストン１４は前進位置に保持されてい
る。ここで、釘打機を起動させるために作業者がコンタ
クトアーム５を被綴り材に押し付け操作すると、これに
連動してコンタクトバルブ１２のバルブステム２５が作
動し、図２のように、第１の弁機構により初期位置から
作動端位置に移動し、圧縮空気供給源・開閉バルブ間エ
ア通路２２ａが連通する。第２の弁機構により開閉バル
ブ・フィードバルブ間エア通路２２ｂは遮断される。な
お、第２の弁機構において上記バルブステム２５が初期
位置から作動端位置に移動する途中で開閉バルブ・フィ
ードバルブ間エア通路２２ｂは連通する。しかし、エア
通路２２ａ、２２ｂは開閉バルブ１０によって遮断され
ているので、フィードバルブ３は作動しない。

【００１６】コンタクトアーム５の操作に続いて図３の
ようにトリガレバー４を引いてトリガバルブ１を作動さ
せると、釘打機が駆動されて釘の打ち込みが行なわれる
とともに、開閉バルブ１０に通じるエア通路が大気に開
かれるため、これに連動して開閉バルブ１０のバルブス
テム２３がバネ２４により初期位置から作動端位置に移
動し、圧縮空気供給源・フィードバルブ間エア通路２２
ａ、２２ｂが連通する。ところが、エア通路２２ｂは既
にコンタクトバルブ１２の第２の弁機構により遮断され
ているので、フィードバルブ３は作動しないが、第１の
弁機構により圧縮空気供給源・開閉バルブ間エア通路２
２ａとは連通しているので、開閉バルブ１０のバルブス
テム２３の大径部２３ａの端部に圧縮空気が供給されて
作用する。

【００１７】その後、釘打ち込み作動が終了して作業者
がトリガレバー４の操作を解除すると、図４のようにト
リガバルブ１のバルブステム７が作動端位置から初期位
置に戻り、開閉バルブ１０に通じるエア通路１１が圧縮
空気供給源９に連通し、開閉バルブ１０のバルブステム
の小径部２３ｂの端面に圧縮空気が供給される。しか
し、この段階では、上記バルブステム２３の大径部２３
ａの端面にも圧縮空気が供給されているから、開閉バル
ブ１０は動かない。さらに、コンタクトアーム５を被綴
り材から解放すると、コンタクトバルブ１２のバルブス
テム２５がバネ力によって元の初期位置に復帰移動す
る。ところで、復帰移動の途中で同時に圧縮空気供給源
１８・開閉バルブ１０間及び開閉バルブ１０・フィード
バルブ３間が図４のように同時に連通するから、圧縮空
気供給源１８からフィードバルブ３までのエア通路２２
ａ、２２ｂが全通する。その結果、圧縮空気がフィード
バルブ３のバルブステム２０のバネ２１側の膨出部１９
に供給され、該バルブステム２０はバネ２１に抗して作
動端位置に前進移動し、後部エア通路１６を大気に接続
させる。そしてその作動端で、図５のように上記開閉バ
ルブ・フィードバルブ間エア通路２２ｂは大気に接続す
るので、バルブステム２０は再びバネ２１により図１に
示す初期位置に後退移動する。なお、開閉バルブ・フィ
ードバルブ間エア通路２２ｂが排出されると、開閉バル
ブ１０のバルブステム２３の大径部２３ａと小径部２３
ｂの両端面に対する作用圧が逆転し、バルブステム２３
は再び初期位置に移動する。

【００１８】フィードバルブ３のバルブステム２０が前
進作動したとき、フィードピストン・シリンダ機構２の
フィードシリンダ１３の後部エア通路１６から排気が行
なわれ、前部エア通路１５から圧縮空気が供給されてフ
ィードピストン１４の膨出部１７の前端面に作用し、フ
ィードピストン１４は後退して連結釘に係合する。次
に、フィードバルブ３のバルブステム２０が後退する
と、図１に示すように、圧縮空気供給源１８からの圧縮
空気はフィードシリンダ１３の前後部エア通路１５、１
６から供給され、フィードピストン１４はその有効面積
差により再び前進位置に戻り、釘を打撃位置に供給す
る。

【００１９】以上の釘供給機構によれば、連打による釘
打ち込みの終了時に被打込み材から離れるコンタクトア
ーム５の作動と連動して自動的にフィードピストン・シ
リンダ機構２が作動し、釘が供給される。このように、
トリガバルブ１が釘打機を駆動状態から停止状態に移行
させたときに自動的にフィードピストン・シリンダ機構
２が作動するので、連打式の釘打機においては連打によ
る一連の打撃が終了した時点で釘が自動供給される。し
たがって、いちいち手動操作により釘送りをする必要が
ないので、作業能率が格段に向上する。

【００２０】なお、前述の例では、釘打ち込み終了後に
トリガバルブ１を開放操作した後も開閉バルブ１０は圧
縮空気供給源・フィードバルブ間エア通路２２ａ、２２
ｂの連通状態が保持されるように構成されている。しか
し、上記エア通路の連通はコンタクトアーム５の開放操
作に伴なってコンタクトバルブ１２のバルブステム２５
が作動端位置から初期位置に戻る途中のわずかな時間に
行なわれるものであるから、このわずかな時間に開閉バ
ルブ１０のバルブステム２３が上記エア通路を連通状態
にしていればよい。したがってトリガバルブ１による開
放操作に連動して開閉バルブ１０のバルブステム２３が
作動端位置から初期位置に復帰移動するようにしても、
操作手順をコンタクトアーム５の開放操作した後にトリ
ガバルブ１を開放操作するようにしておけば、開閉バル
ブ１０のバルブステム２３が復帰移動して上記エア通路
２２ａ、２２ｂを遮断する前に上記エア通路はコンタク
トバルブ１２のバルブステム２５の復帰移動途中のエア
通路連通により全通状態が実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る連打式釘打機の自動釘供給装置の
非作動状態の説明図である。

【図２】上記自動釘供給装置においてコンタクトアーム
を操作したときの自動釘供給装置の作動状態説明図であ
る。

【図３】上記自動釘供給装置においてコンタクトアーム
操作後に起動用トリガバルブを作動させたときの自動釘
供給装置の作動状態説明図である。

【図４】上記自動釘供給装置において釘打ち込み終了時
にトリガバルブとコンタクトアームの操作を解放したと
きのコンタクトアームバルブの移動途中の作動状態説明
図である。

【図５】上記自動釘供給装置において上記コンタクトバ
ルブが初期位置に移動した状態の作動態様説明図であ
る。

【符号の説明】

１ トリガバルブ ２ フィードピストン・シリンダ機構 ３ フィードバルブ ４ トリガレバー ５ コンタクトアーム １０ 開閉バルブ １２ コンタクトバルブ ２０ （フィードバルブの）バルブステム ２２ａ 圧縮空気源・開閉バルブ間エア通路 ２２ｂ 開閉バルブ・フィードバルブ間エア通路 ２３ （開閉バルブの）バルブステム ２５ （コンタクトバルブの）バルブステム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 手動操作されるトリガレバーと被打込み
   材に係合して操作されるコンタクトアームとの協働によ
   り打撃ピストンを連続して繰り返し駆動させる起動用ト
   リガバルブと、連結釘と係合して釘を一本ずつ打撃位置
   へ供給するフィードピストン・シリンダ機構と、該フィ
   ードピストン・シリンダ機構に対して圧縮空気を供給、
   排気させて作動させるフィードバルブとを備え、該フィ
   ードバルブを作動させる圧縮空気供給源と前記フィード
   バルブとを接続するエア通路上に、開閉バルブとコンタ
   クトバルブとを各々前記エア通路を開閉するように配置
   し、 前記開閉バルブは前記トリガバルブに連動して初期位置
   で前記エア通路を遮断し、作動端位置で連通させるバル
   ブステムを有し、前記コンタクトバルブは前記コンタク
   トアームの操作に連動して初期位置から作動端位置へ作
   動されるバルブステムを有するとともに、該バルブステ
   ムは、前記エア通路のうち前記圧縮空気供給源と開閉バ
   ルブとの間を初期位置において遮断し作動端位置におい
   て連通させる第１の弁機構と、前記開閉バルブとフィー
   ドバルブとの間を初期位置と作動端位置において遮断す
   る第２の弁機構を備え、且つ第１の弁機構と第２の弁機
   構において前記バルブステムが作動端位置から初期位置
   に復帰移動する途中で同時に圧縮空気供給源・開閉バル
   ブ間及び開閉バルブ・フィードバルブ間を連通させるこ
   とを特徴とする連打式釘打機の自動釘供給装置。