JPH0752556A

JPH0752556A - 熱転写用受像シート

Info

Publication number: JPH0752556A
Application number: JP5198292A
Authority: JP
Inventors: Yukio Tokunaga; 幸雄徳永; Hiroshi Tomimasu; 弘冨増; Hideki Sekiguchi; 英樹関口
Original assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Current assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date: 1993-08-10
Filing date: 1993-08-10
Publication date: 1995-02-28

Abstract

(57)【要約】【目的】優れた感度とカール性を有し、受像層の塗布
面表示やメーカーのロゴ表示等の裏面印刷の可視性が良
好で、使用中に消えることのない保存性が良好な熱転写
用受像シートを得ること。【構成】支持体上に、熱転写媒体からの熱移行性染料
を受容する受像層を設けた熱転写用受像シートにおい
て、該支持体が、片面に印刷が施された基材で該基材の
両面にフィルム層を設けたものであり、該支持体の非印
刷面側のフィルム層が溶融押出法で塗設された特定の密
度と厚さを有する２軸延伸ポリオレフィンフィルム、且
つ該支持体の印刷面側のフィルム層が特定の厚さと不透
明度を有するポリオレフィンフィルムからなることを特
徴とする熱転写用受像シート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、サーマルプリンター等
の熱転写記録において、熱移行性染料を移行させて記録
を行うために使用される熱転写用受像シートに関するも
のであり、更に詳しくは、優れた感度とカール性を有
し、受像層の塗布面表示やメーカーのロゴ表示等の裏面
印刷の可視性が良好で、使用中に消えることのない保存
性が良好な熱転写用受像シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、カラーハードコピーの一手段とし
て、熱転写記録方式を利用する装置が軽量、且つコンパ
クトで騒音が無く、操作性、保守性にも優れている等の
利点から広く普及している。この熱転写記録方式には、
大きく分けて熱溶融型と熱移行型又は昇華型と呼ばれる
２種類の方式がある。特に、後者は、多色階調性画像の
再現性に優れており、昇華型感熱転写方式のプリンター
を用いて印字される。このような昇華型感熱転写方式の
プリンターの原理は、画像を電気信号に変換し、更に、
この電気信号をサーマルヘッドにより熱信号に変換して
熱移行性染料が塗布された熱転写媒体（以下、インクド
ナーシートという）を加熱し、昇華又は媒体中での拡散
により、インクドナーシートから熱転写用受像シートの
受像層へ染料が転写することで情報を記録するものであ
る。

【０００３】又、カラーハードコピーの需要が増加し、
プリント速度の高速化が必要になってきたため、印加エ
ネルギーが低くても鮮明な画像が得られるように、感
度、即ち転写濃度の向上が要求されている。高感度記録
は、インクドナーシートのフィルム支持体の薄膜化、プ
ラテン圧の上昇、インクドナーシートと受像シートの密
着性の向上、受像シートの断熱性の向上、インクドナー
シートの色素の熱移行性の向上、受像層の染着性の向上
等により達成されることが知られている。中でもインク
ドナーシートと受像シートの密着性及び受像シートの断
熱性は、感度に大きな影響を及ぼすため、断熱性やクッ
ション性の高い低密度ポリオレフィンフィルムを支持体
として使用することが一般的になっている。

【０００４】しかし、プリント速度の高速化に伴って、
受像シートのプリンターの搬送ロールにおける食い込み
不良や搬送ガイドにおける折れ曲がり等のトラブルが多
発するようになってきた。これは、特に受像シートのカ
ールに起因することが多く、いかなる状況下でもカール
の無い受像シートが要求されている。

【０００５】一方、受像シートには、受像層の塗布面表
示やメーカーのロゴ表示等の目的で裏面に印刷を施され
ることが一般的である。しかし、受像シート同士或は受
像シートと他のシートを重ね合わせるうちに、摩滅によ
りこの印刷が薄くなったり、消えたりする問題がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な熱
転写用受像シートに関する諸問題を解決し、優れた感度
とカール性を有し、受像層の塗布面表示やメーカーのロ
ゴ表示等の裏面印刷の可視性が良好で、使用中に消える
ことのない保存性が良好な熱転写用受像シートを提供す
ることを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、支持体の表面
に、熱転写媒体からの熱移行性染料を受容する受像層を
設けた熱転写用受像シートが特定の構成を有する時、感
度とカール性に優れ、受像層の塗布面表示やメーカーの
ロゴ表示等の裏面印刷が使用中に消えることのない保存
性が良好な熱転写用受像シートの得られることを発見
し、本発明を完成するに至った。

【０００８】即ち、本発明の熱転写用受像シートは、支
持体上に、熱転写媒体からの熱移行性染料を受容する受
像層を設けた熱転写用受像シートにおいて、該支持体
が、片面に印刷が施された基材で該基材の両面にフィル
ム層を設けたものであり、受像層を設ける非印刷面側の
フィルム層が、密度０．４〜０．８ｇ／ｃｍ³、厚さ２
０〜６０μｍの２軸延伸ポリオレフィンフィルム、且つ
印刷面側のフィルム層が、溶融押出法により該基材上に
設けられた厚さ２０〜６０μｍ、不透明度３０％以下の
ポリオレフィンフィルムからなることを特徴とするもの
である。

【０００９】本発明において、基材としては、上質紙、
中質紙、スーパーカレンダー処理紙、片艶原紙、トレー
シングペーパー等の非塗工紙、アート紙、コート紙、軽
量コート紙、微塗工紙、キャストコート紙等の塗工紙、
ポリエステルフィルム、セルロースアセテートフィルム
等のプラスチックフィルムを用いることができる。

【００１０】本発明において、基材の受像層を設けない
側（基材の印刷面側）には、受像層の塗布面表示やメー
カーのロゴ表示等のために印刷が施される。印刷方法と
しては、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印
刷、スクリーン印刷等の一般的な印刷方法を用いること
ができ、単色又は多色印刷のいずれでも良い。

【００１１】本発明において、基材の厚さは５０〜２０
０μｍであることが好ましい。基材の厚さが５０μｍ未
満の場合には、熱転写用受像シートの剛直度が低下し、
プリンターの搬送ガイドにおける折れ曲がりが発生し易
く、２００μｍを超える場合には、剛直度が高くなり過
ぎ、プリンターの搬送ロールにおける食い込み不良が発
生し易い。

【００１２】本発明において、支持体の受像層を設ける
側（非印刷面側）のフィルム層は、密度０．４〜０．８
ｇ／ｃｍ³、厚さ２０〜６０μｍの２軸延伸ポリオレフ
ィンフィルムであることが好ましい。ここで、フィルム
の密度が０．４ｇ／ｃｍ³未満の場合には、クッション
性が高くなり過ぎ、受像シート表面が傷つき易く、０．
８ｇ／ｃｍ³を超える場合には、クッション性が低下
し、ハーフトーン部分の画像濃度のムラが発生し易い。
又、フィルムの厚さが２０μｍ未満の場合には、断熱性
が低下するため感度が低下し、６０μｍを超える場合に
は、支持体の厚さ制限の関係で剛直度が低下し、プリン
ターの搬送ガイドにおける折れ曲がりが発生し易い。

【００１３】本発明において、２軸延伸ポリオレフィン
フィルムとしては、エチレン、プロピレン等のα−オレ
フィンのホモポリマーや２種類以上のα−オレフィンか
らなるコポリマーからなるフィルムを用いることができ
る。特に、平滑性と断熱性の良好なフィルムが好まし
く、例えば、発泡性ポリプロピレンフィルム、発泡性ポ
リエチレンフィルム等の使用が好ましい。又、これらの
フィルムには、必要に応じて白色顔料、着色顔料、安定
化剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤等を添加することがで
きる。

【００１４】本発明において、２軸延伸ポリオレフィン
フィルムは、印字の際のブリスターの発生を抑えるため
に、基材に強固に貼合されていることが必要である。フ
ィルムの貼合せ方法としては、酢酸ビニル系、ポリウレ
タン系、アクリル系樹脂等の有機溶剤溶液を接着剤とし
て用いるドライラミネート法、澱粉、ポリビニルアルコ
ール、カゼイン等の水溶液や酢酸ビニル系、ポリウレタ
ン系、アクリル系樹脂等のエマルジョンを接着剤として
用いるウェットラミネート法、ワックス系樹脂を溶融さ
せて接着剤として用いるホットメルト法、Ｔダイから押
し出される溶融ポリオレフィン系樹脂を接着剤として用
いるポリラミネート法等があるが、中でも高い接着強
度、耐熱性及び耐水性の得られるドライラミネート法が
好ましい。

【００１５】本発明において、ドライラミネート用接着
剤としては、接着強度の点から室温硬化型ポリウレタン
系樹脂が特に好ましい。ここでいう室温硬化型ポリウレ
タン系樹脂とは、最終的な硬化塗膜１分子中にウレタン
基を１個以上含むポリウレタン構造を有し、硬化に加温
を必要としないものである。これらの接着剤はイソシア
ネート基を末端に持つ樹脂を単独で使用する一液型接着
剤と、水酸基を末端に持つ樹脂からなる主剤と、イソシ
アネート基を末端に持つ化合物からなる硬化剤を組み合
わせて使用する二液型接着剤に分類される。二液型接着
剤は、一液型接着剤に比べて耐水性や耐熱性が良好であ
る、硬化反応が湿度の影響を受けにくい、炭酸ガスによ
る発泡が少ない等の点で優れているため使用が好まし
い。

【００１６】本発明において、接着剤の塗布方式として
は、グラビア方式、ワイヤーバー方式、ロッド方式、リ
バースロール方式、エクストルージョンダイ方式、ブレ
ード方式等の一般的な塗布方式が用いられる。

【００１７】本発明において、接着剤の塗布量は、少な
過ぎる場合には接着強度が低下し、多過ぎる場合にはコ
ストが嵩むため、乾燥固形分で１〜１０ｇ／ｍ²の範囲
が適当である。

【００１８】本発明において、支持体の受像層を設けな
い側のフィルム層は、溶融押出法により基材上に設けら
れた厚さ２０〜６０μｍ、不透明度３０％以下のポリオ
レフィンフィルムであることが好ましい。ポリオレフィ
ンフィルムの厚さが２０μｍ未満の場合には、支持体の
プラスカールを抑制することが難しく、６０μｍを超え
る場合には、支持体のマイナスカールを抑制することが
難しい。又、ポリオレフィンフィルムの不透明度が３０
％を超える場合には、受像層の塗布面表示或はメーカー
のロゴ表示のための裏面印刷が見え難くなってしまう。

【００１９】本発明において、ポリオレフィンフィルム
用の樹脂としては、エチレン、プロピレン等のα−オレ
フィンのホモポリマー、２種類以上のα−オレフィンか
らなる共重合体、α−オレフィンを主成分としてそれと
共重合可能な他のモノマーとの共重合体、及びそれらの
混合物を用いることができる。又、ポリオレフィンフィ
ルムには、必要に応じて着色剤、安定化剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を添加することができる。

【００２０】本発明において、ポリオレフィンフィルム
は、走行する基材の上に加熱溶融した樹脂を流延する、
いわゆる押出塗工法により製造される。

【００２１】本発明において、支持体上に直接又は中間
層を介して、熱により溶融又は昇華して移行する染料に
対して染着性を有する樹脂を含む受像層を設け、熱転写
用受像シートを作製する。このような染料染着性を有す
る樹脂としては、染料との相互作用が強く、染料が安定
して樹脂中へ拡散しうるものであれば、いずれも好適に
使用できる。例えば、ポリエステル樹脂、ポリアクリル
酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、ポリカプロラクトン樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロ
ニトリル樹脂等が使用可能である。又、これらの樹脂の
構成単位の内の１種以上を主成分とする、塩化ビニル／
酢酸ビニル共重合体、スチレン／ブタジエン共重合体等
の共重合体も使用可能である。更に、これらの樹脂は単
独で又は２種以上混合して使用することができる。

【００２２】この様な受像層には、インクドナーシート
とのブロッキングを防止するために、離型剤を添加する
ことができる。離型剤としては、高級脂肪酸又はそのエ
ステル、アミド又はその金属塩、セラックワックス、モ
ンタンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワッ
クス等のワックス類、テフロンパウダー、フッ素系又は
燐酸エステル系の界面活性剤、シリコーンオイル、アミ
ノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルキッ
ド変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン等の変
性シリコーンオイル等が使用可能である。又、シリコー
ン化合物として、反応硬化型、電離放射線硬化型、触媒
硬化型等のシリコーン化合物も必要により用いることが
できる。

【００２３】更に、受像層には必要に応じて染料、顔
料、湿潤剤、消泡剤、分散剤、帯電防止剤、蛍光増白
剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の添加剤を添加するこ
とができる。

【００２４】本発明において、受像層の塗布量は、乾燥
固形分で０．５〜３０ｇ／ｍ²の範囲が好ましい。又、
受像層の塗布方法としては、エアーナイフ方式、グラビ
ア方式、ワイヤーバー方式、ロッド方式、リバースロー
ル方式、エクストルージョンダイ方式、ブレード方式、
スライドホッパー方式等の一般的な塗布方式が用いられ
る。

【００２５】本発明において、支持体と受像層の接着性
を向上させるために、中間層を設けることができる。中
間層には、支持体と受像層の両方に対して接着性の良好
な樹脂を使用することが好ましく、例えば、アクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、
スチレン／ブタジエン共重合体等が使用可能である。こ
のような中間層の塗布方法としては、エアーナイフ方
式、グラビア方式、ワイヤーバー方式、ロッド方式、リ
バースロール方式、エクストルージョンダイ方式、ブレ
ード方式、スライドホッパー方式等の一般的な塗布方式
が用いられる。

【００２６】本発明において、支持体と受像層の接着性
を向上させるために、中間層を設ける代わりに、コロナ
放電処理、プラズマ処理、火炎処理等により支持体表面
を改質することも可能である。

【００２７】本発明において、印字の際の熱転写用受像
シートの搬送性向上や裏面への筆記性や導電性の付与を
目的として、支持体の受像層と反対側に無機顔料、有機
顔料、帯電防止剤等を含む裏塗層を設けることができ
る。裏塗層に添加される無機顔料としては、シリカ、ア
ルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、酸化亜鉛、硫酸バリウム等、帯電防止剤としては、
第４級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン
性界面活性剤、アルキルホスフェート等のアニオン性界
面活性剤、スルホベタイン等の両性界面活性剤、ポリエ
チレングリコール等ノニオン性界面活性剤等が挙げられ
る。裏塗層の塗布方法としては、エアーナイフ方式、グ
ラビア方式、ワイヤーバー方式、ロッド方式、リバース
ロール方式、エクストルージョンダイ方式、ブレード方
式、スライドホッパー方式等の一般的な塗布方式が用い
られる。

【００２８】

【作用】本発明によれば、支持体の表面に、熱転写媒体
からの熱移行性染料を受容する受像層を設けた熱転写用
受像シートにおいて、該支持体が基材とその両側に設け
られたフィルム層からなり、該基材の該受像層を設けな
い側には印刷が施され、該受像層を設ける側（基材の非
印刷面側）のフィルム層が密度０．４〜０．８ｇ／ｃｍ
³、厚さ２０〜６０μｍの２軸延伸ポリオレフィンフィ
ルムであり、且つ該受像層を設けない側（基材の印刷面
側）のフィルム層が溶融押出法により該基材上に設けら
れた厚さ２０〜６０μｍ、不透明度３０％以下のポリオ
レフィンフィルムであれば、感度とカール性に優れ、受
像層の塗布面表示やメーカーのロゴ表示等の裏面印刷の
可視性が良好で、使用中に消えることのない保存性が良
好な熱転写用受像シートが得られる。

【００２９】

【実施例】次に、本発明を実施例によって、更に詳細に
説明するが、本発明の内容はこれらに限定されるもので
はない。又、実施例及び比較例に於いて示す「部」は、
いずれも重量部を示す。尚、評価用のインクドナーシー
トは、以下のようにして作製した。

【００３０】［インクドナーシート］膜厚５μｍの耐熱
処理を施した２軸延伸ポリエステルフィルム上に、下記
配合の耐熱滑性層塗液を、ワイヤーバーで、乾燥塗布量
が０．５ｇ／ｍ²となるよう塗布乾燥し、１４０Ｗ／ｃ
ｍ²の高圧水銀灯で紫外線照射を行い硬化せしめた。（耐熱滑性層塗液配合）ＴＭＰＴＡ（第一工業製薬）１０部リポキシＳＰ１５０９（昭和高分子）２０部トレフィルＥ５００（東レ、シリコーン微粒子）９部ＫＦ−３９３（信越シリコーン、アミノ変性シリコーンオイル）０．３部コロネートＬ（日本ポリウレタン、イソシアネート）０．３部Ｄａｒｏｃｕｒ１１７３（メルク、開始剤）０．４部酢酸エチル４０部イソプロピルアルコール２０部

【００３１】更に、耐熱滑性層と反対側の面に下記配合
の昇華性染料塗液をボールミルで２日間粉砕後、ワイヤ
ーバーで、乾燥塗布量が１．５ｇ／ｍ²となるよう塗布
乾燥し、ドナーシートを作製した。（昇華性染料塗液配合）カヤセットブルー９０６（日本化薬製、昇華性染料）１０部エチルセメロース１０部サイロイド２４４（富士デビソン性シリカゲル）１０部イソプロピルアルコール３０部

【００３２】実施例１坪量１３５ｇ／ｍ²のコート紙の片面に、グラビア印刷
機で塗布面表示用の灰色印刷と、コロナ処理を施した
後、下記配合のポリオレフィン樹脂を厚さ４０μｍとな
るように溶融押出法で塗設した。（裏面樹脂フィルム層配合１）高密度ポリエチレン７１部低密度ポリエチレン２９部

【００３３】又、コート紙のもう一方の面には下記配合
の接着剤塗液を、乾燥塗布量が５．０ｇ／ｍ²となるよ
うにグラビアコーターにて塗布し、密度０．６０ｇ／ｃ
ｍ³、厚さ３５μｍの発泡ポリプロピレンフィルムをド
ライラミネート法によりラミネートし、支持体を作製し
た。（接着剤塗液配合）ポリエステルポリオール（タケラックＡ−６０６：武田薬品）９０部ポリウレタンポリイソシアネート（タケネートＡ−１２：武田薬品）１０部酢酸エチル９０部

【００３４】更に、この支持体の発泡ポリプロピレンフ
ィルム表面をコロナ放電処理したのち、エアーナイフコ
ーターにより下記配合の受像層塗液を乾燥塗布量が５．
０ｇ／ｍ²になるように塗布乾燥し、実施例１の熱転写
用受像シートを作製した。（受像層塗液配合）ポリエステルエマルジョン（バイロナールＭＤ−１２２０：東洋紡）６０部ポリエリレンエマルジョン（ハイドリンＧ−３１４：中京油脂）１５部コロイダルシリカ（スノーテックスＯ：日産化学）２５部アミノ変性シリコンエマルジョン５部界面活性剤４部架橋剤１部

【００３５】かくして得た熱転写用受像シートの裏面樹
脂フィルム層を剥離し、ＪＩＳＰ−８１３８に記載さ
れている試験方法により不透明度を測定したところ、１
８％であった。

【００３６】実施例２実施例１の裏面樹脂フィルム層厚さを２９μｍとし、発
泡ポリプロピレンフィルムを密度０．４３ｇ／ｃｍ³、
厚さ３５μｍのものに変更した以外は、実施例１と全く
同様にして実施例２の熱転写用受像シートを作製した。
この熱転写用受像シートの裏面樹脂フィルム層の不透明
度を測定したところ、１３％であった。

【００３７】実施例３実施例１の裏面樹脂フィルム層厚さを５４μｍとし、発
泡ポリプロピレンフィルムを密度０．７８ｇ／ｃｍ³、
厚さ３５μｍのものに変更した以外は、実施例１と全く
同様にして実施例３の熱転写用受像シートを作製した。
この熱転写用受像シートの裏面樹脂フィルム層の不透明
度を測定したところ、２４％であった。

【００３８】実施例４実施例１の裏面樹脂フィルム層厚さを２３μｍとし、発
泡ポリプロピレンフィルムを密度０．６０ｇ／ｃｍ³、
厚さ２１μｍのものに変更した以外は、実施例１と全く
同様にして実施例４の熱転写用受像シートを作製した。
この熱転写用受像シートの裏面樹脂フィルム層の不透明
度を測定したところ、１０％であった。

【００３９】実施例５実施例１のコート紙を坪量９０ｇ／ｍ²のものに変更
し、裏面樹脂フィルム層厚さを５８μｍとし、発泡ポリ
プロピレンフィルムを密度０．６０ｇ／ｃｍ³、厚さ５
７μｍのものに変更した以外は、実施例１と全く同様に
して実施例５の熱転写用受像シートを作製した。この熱
転写用受像シートの裏面樹脂フィルム層の不透明度を測
定したところ、２７％であった。

【００４０】比較例１実施例１の裏面樹脂フィルム層厚さを２５μｍとし、発
泡ポリプロピレンフィルムを密度０．３８ｇ／ｃｍ³、
厚さ３５μｍのものに変更した以外は、実施例１と全く
同様にして比較例１の熱転写用受像シートを作製した。
この熱転写用受像シートの裏面樹脂フィルム層の不透明
度を測定したところ、１１％であった。

【００４１】比較例２実施例１のコート紙を坪量９０ｇ／ｍ²のものに変更
し、裏面樹脂フィルム層厚さを５８μｍとし、発泡ポリ
プロピレンフィルムを密度０．８２ｇ／ｃｍ³、厚さ３
５μｍのものに変更した以外は、実施例１と全く同様に
して比較例２の熱転写用受像シートを作製した。この熱
転写用受像シートの裏面樹脂フィルム層の不透明度を測
定したところ、２７％であった。

【００４２】比較例３実施例１の裏面樹脂フィルム層厚さを２３μｍとし、発
泡ポリプロピレンフィルムを密度０．６０ｇ／ｃｍ³、
厚さ１８μｍのものに変更した以外は、実施例１と全く
同様にして比較例３の熱転写用受像シートを作製した。
この熱転写用受像シートの裏面樹脂フィルム層の不透明
度を測定したところ、１０％であった。

【００４３】比較例４実施例１のコート紙を坪量９０ｇ／ｍ²のものに変更
し、裏面樹脂フィルム層厚さを５８μｍとし、発泡ポリ
プロピレンフィルムを密度０．６０ｇ／ｃｍ³、厚さ６
２μｍのものに変更した以外は、実施例１と全く同様に
して比較例４の熱転写用受像シートを作製した。この熱
転写用受像シートの裏面樹脂フィルム層の不透明度を測
定したところ、２７％であった。

【００４４】比較例５実施例１の裏面樹脂フィルム層厚さを１８μｍとし、発
泡ポリプロピレンフィルムを密度０．６０ｇ／ｃｍ³、
厚さ２２μｍのものに変更した以外は、実施例１と全く
同様にして比較例５の熱転写用受像シートを作製した。
この熱転写用受像シートの裏面樹脂フィルム層の不透明
度を測定したところ、８％であった。

【００４５】比較例６実施例１のコート紙を坪量９０ｇ／ｍ²のものに変更
し、裏面樹脂フィルム層厚さを６２μｍとし、発泡ポリ
プロピレンフィルムを密度０．６０ｇ／ｃｍ³、厚さ５
７μｍのものに変更した以外は、実施例１と全く同様に
して比較例６の熱転写用受像シートを作製した。この熱
転写用受像シートの裏面樹脂フィルム層の不透明度を測
定したところ、２９％であった。

【００４６】比較例７実施例１の裏面樹脂フィルム層を下記配合に変更した以
外は、実施例１と全く同様にして比較例７の熱転写用受
像シートを作製した。この熱転写用受像シートの裏面樹
脂フィルム層の不透明度を測定したところ、３２％であ
った。（裏面樹脂フィルム層配合２）高密度ポリエチレン７０部低密度ポリエチレン２７部酸化チタン３部

【００４７】比較例８実施例１のコート紙の片面に裏面印刷を行った後、基材
の両面に、密度０．６０ｇ／ｃｍ³、厚さ３５μｍの発
泡ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により
ラミネートし支持体とした以外は、実施例１と全く同様
にして比較例８の熱転写受像シートを作製した。この熱
転写用受像シートの裏面の発泡ポリプロピレンフィルム
の不透明度を測定したところ、５９％であった。

【００４８】比較例９実施例１の裏面裏面樹脂フィルム層厚さを３５μｍと
し、もう一方の面に密度０．９２ｇ／ｃｍ³の低密度ポ
リエチレン樹脂を厚さ５０μｍとなるように溶融押出法
で塗設し支持体とした以外は実施例１と全く同様にして
比較例９の熱転写受像シートを作製した。この熱転写用
受像シートの受像層を設けない側のフィルム層の不透明
度を測定したところ、１６％であった。

【００４９】比較例１０実施例１のコート紙の片面に、実施例１の配合の裏面樹
脂を厚さ４０μｍになるように溶融押出塗工をした後、
グラビア印刷機で塗布面表示用の灰色印刷を行った以外
は実施例１と全く同様にして比較例１０の熱転写受像シ
ートを作製した。この熱転写用受像シートの受像層を設
けない側のフィルム層の不透明度を測定したところ、１
８％であった。

【００５０】［評価方法］以上のようにして得た熱転写
用受像シートを以下のような方法で評価した。（１）感度熱転写用受像シートにインクドナーシートを重ね、三菱
電機製、昇華型熱転写プリンターＳ３６００−３０で印
画したのち、印画部の最高印字濃度をマクベスＲＤ−９
１９光学濃度計にて測定した。（２）受像層表面の傷つき熱転写用受像シートにインクドナーシートを重ね、三菱
電機製、昇華型熱転写プリンターＳ３６００−３０で印
画したのち、受像層表面の傷つき度を目視で評価し、受
像層の傷が無いものを○、存在するもの×とした。（３）ハーフトーン部分の濃度ムラ熱転写用受像シートにインクドナーシートを重ね、三菱
電機製、昇華型熱転写プリンターＳ３６００−３０で印
画したのち、ハーフトーン部分の濃度ムラを目視で評価
し、濃度ムラが無いものを○、濃度ムラがあるものを×
とした。（４）カール１０枚の熱転写用受像シートを昇華型熱転写プリンター
Ｓ３６００−３０で印画した場合に、カール性が良く１
０枚とも全てスムーズに搬送されるものを○、２〜３枚
がカール性が悪く搬送されないものを△、カール性が非
常に悪く５枚以上搬送されないものを×として評価し
た。（５）プリンターにおける受像シートの折れ曲がり１０枚の熱転写用受像シートを昇華型熱転写プリンター
Ｓ３６００−３０で印画した場合に、１０枚とも折れ曲
がりがないものを○、２〜３枚がプリンターの搬送ガイ
ドで折れ曲がるものを△、５枚以上プリンターの搬送ガ
イドで折れ曲がるものを×として評価した。（６）塗布面表示用印刷の可視性塗布面表示用印刷が鮮明に見えるものを○、印刷がぼや
けて見え難くなるものを×として評価した。（７）裏面印刷の保存性熱転写用受像シートを重ね合わせて幾度擦り合わせて
も、塗布面表示用印刷が消えないものを○、擦り合わせ
るうちに印刷が消えてしまうものを×として評価した。

【００５１】

【表１】

【００５２】（評価）表１の結果から明らかなように、
本発明による実施例１〜５の熱転写用受像紙は、優れた
感度とカール性を有し、受像層の塗布面表示やメーカー
のロゴ表示等の裏面印刷の可視性が良好で、使用中に消
えることのない保存性が良好な熱転写用受像シートが得
られた。これに対して、比較例１の熱転写用受像シート
は、受像層を設ける側のフィルム層の密度が小さかった
ため、クッション性が高くなり過ぎ受像層表面が傷つい
た。比較例２の熱転写用受像シートは、受像層を設ける
側のフィルム層の密度が大きすぎたため、クッション性
が低下しハーフトーン部分の濃度ムラが発生した。比較
例３の熱転写用受像シートは、受像層を設ける側のフィ
ルム層の厚みが小さかったため、断熱性が低下し感度が
低下した。比較例４の熱転写用受像シートは、受像層を
設ける側のフィルム層の厚みが大きすぎたため、感度は
高いが剛直度が低下し、受像シートのプリンターの搬送
ガイドにおいて折れ曲がりが発生した。比較例５の熱転
写用受像シートは、裏面樹脂フィルム層の厚みが小さか
ったため、受像シートのプラスカールが抑制できず、プ
リンターで搬送されない場合が発生した。比較例６の熱
転写用受像シートは、裏面樹脂フィルム層の厚みが大き
過ぎたため、受像シートのマイナスカールが抑制できず
プリンターで搬送されない場合が発生した。比較例７及
び８の熱転写用受像シートは、受像層を設けない側のフ
ィルム層の不透明度が高過ぎたため、塗布面表示用印刷
のロゴがぼやけて見え難くなった。比較例９の熱転写用
受像シートは、受像層を設ける側のフィルムが２軸延伸
ポリオレフィンフィルム層ではなく密度の高いポリオレ
フィンフィルムであったため、断熱性が低下し感度が低
下した。比較例１０の熱転写用受像シートは、基材表面
に印刷を行わず、裏面樹脂フィルム層を設けた後に印刷
を行ったため、印刷の保存性が劣り、擦り合わせるうち
に印刷が消えてしまった。

【００５３】

【発明の効果】本発明によれば、優れた感度とカール性
を有し、受像層の塗布面表示やメーカーのロゴ表示等の
裏面印刷の可視性が良好で、使用中に消えることのない
保存性が良好な熱転写用受像シートが得られる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】支持体上に、熱転写媒体からの熱移行性
染料を受容する受像層を設けた熱転写用受像シートにお
いて、該支持体が、片面に印刷が施された基材で該基材
の両面にフィルム層を設けたものであり、受像層を設け
る非印刷面側のフィルム層が、密度０．４〜０．８ｇ／
ｃｍ³、厚さ２０〜６０μｍの２軸延伸ポリオレフィン
フィルム、且つ印刷面側のフィルム層が、溶融押出法に
より該基材上に設けられた厚さ２０〜６０μｍ、不透明
度３０％以下のポリオレフィンフィルムからなることを
特徴とする熱転写用受像シート。