JPH0751326A - ***物処理方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ***物処理装置において、真空ポンプを大型
化することなしに、必要な汚物吸引力を得ることを可能
とする。 【構成】 股間部に密着状に当てがうカップユニット２
に、股間部に向かって洗浄水を噴出するノズル２７，２
８と、下部に形成した貯留部２３と、該貯留部の底部連
絡口２４と連通し所定の高さレベルまで立ち上げられた
汚物吸引口２６とを設け、使用前に開閉弁７１を開いて
洗浄水タンク７からノズル２７，２８を介して洗浄水を
上記貯留部２３に供給し、該洗浄水で上記底部連絡口２
４を閉塞し、使用後に上記ピンチバルブ４１を開いて洗
浄水及び***物から成る貯留部２３内の汚物を上記汚物
吸引口２６から汚物タンク５へ一気に吸引する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、老齢、病気等により起
きあがって***が困難な者が、仰臥した状態で***でき
るカップユニットを用いた***物処理方法及び装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、寝たきり老人等のために開発され
た***物処理装置としては、例えば、特開昭６１−１４
９１４８号に開示されたものがある。これは、***物を
トレー状カップユニットで受け、この汚物を真空ポンプ
に連なった汚物ホースで吸引すると共に、吐出した温水
を上方から流して股を洗浄している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の装置に
おいて、***物をトレー状カップユニット内の汚物を真
空ポンプに連なった汚物ホースで吸引除去する場合、き
れいに汚物を除去するには比較的大きな吸引力が必要と
なる。即ち、従来の***物処理装置では、真空ポンプが
大型化しているだけでなく、吸引された場合の安全性に
ついての保障がなく、これを使用する病人等に不安を与
えるという問題があった。またこれからの高齢化時代に
おいて高齢者向け病院等では必ずしも広いスペースがと
れるとは限らず***物処理装置として小型化したものの
提供が不可欠である。更に汚物を除去する装置であるこ
とより、装置自体に汚物が残って療養の環境条件が悪く
なる点も留意する必要がある。

【０００４】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、真空ポンプを大型化すること
なく、悪臭のもととなる汚物を残らず吸引できる汚物吸
引力を得ることができる***物処理方法及び装置を提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の***物処理方法は、股間部に密着状に当て
がうカップユニットに、給水口と、下部に形成した貯留
部と、該貯留部の底部連絡口と連通し所定の高さレベル
まで立ち上げられた汚物吸引口とを設け、使用前或いは
使用中に上記給水口から水を上記貯留部に供給して該水
で上記底部連絡口を閉塞し、使用後に上記水及び***物
から成る貯留部内の汚物を上記汚物吸引口から汚物タン
クへ急激に吸引することを特徴とする（請求項１）。

【０００６】上記給水口は股間部に向かって洗浄水を噴
出するノズルとし（請求項２）、また上記洗浄水は温水
であることが望ましい（請求項３）。

【０００７】また本発明の***物処理装置は、股間部に
密着状に当てがうカップユニットに、股間部に向かって
洗浄水を噴出するノズルと、下部に形成した貯留部と、
該貯留部の底部連絡口と連通し所定の高さレベルまで立
ち上げられた汚物吸引口とを設け、上記ノズルには開閉
弁を介して洗浄水タンクを連絡し、上記汚物吸引口に
は、汚物ホース及びピンチバルブを介して、吸引ポンプ
により吸引される汚物タンクを連結し、使用前に上記開
閉弁を開いて上記ノズルから洗浄水を上記貯留部に供給
して該洗浄水で上記底部連絡口を閉塞し、使用後に上記
ピンチバルブを開いて洗浄水及び***物から成る貯留部
内の汚物を上記汚物吸引口から汚物タンクへ吸引する制
御手段を設けた構成のものである（請求項４）。

【０００８】上記洗浄水タンクが加温用のヒータを具備
する構成とすることでき（請求項５）、また、上記洗浄
水タンクから上記ノズルへの洗浄水の供給圧力源とし
て、上記洗浄水タンクに上記吸引ポンプの排気圧を加え
ることができる（請求項６）。

【０００９】

【作用】請求項１の方法及び請求項４の装置において
は、まずカップユニットを病人等が使用するに先立ち、
カップユニットの貯留部内に水を溜め、該貯留部の底部
連絡口を水で閉塞する。この前後において、病人等は股
間部にカップユニットを密着状に当てがう。カップユニ
ットの使用後、上記水及び***物から成る貯留部内の汚
物を上記汚物吸引口から汚物タンクへ急激に吸引する。
このとき、貯留部の底部連絡口は水で閉塞されているの
で、大きな負圧が一時的に加わり、貯留部内の汚物は全
てきれいに汚物吸引口から一気に吸引される。

【００１０】また、汚物ホースからの異臭は上記貯留部
内に溜まった水により予め遮断されると共に、***物は
貯留水中に落下されて異臭がカットさせれるため、衛生
面においても効果がある。

【００１１】請求項２は、貯留部内に水を供給する手段
として、専用の給水口を具備させる代りに、股間部に向
かって洗浄水を噴出するノズルと兼用する構成を採用し
たもので、これによりノズルの数を減らすことができ
る。

【００１２】請求項３は、病人等は股間部にカップユニ
ットを密着状に当てがうことになる点に鑑み、洗浄水に
温水を用いることで、先にカップユニットを暖めておく
ことを可能としている。これには請求項５の如く、洗浄
水タンクに加温用のヒータを具備させればよい。

【００１３】請求項６は、洗浄水の供給圧力源として吸
引ポンプの排気圧を用い、一種の送水ポンプを構成する
ものであるので、装置をコンパクトなものとすることが
でき、装置の移動や保守等の簡便化が図られる。

【００１４】

【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を説明す
る。図１〜図３に示す***物処理装置１は、採尿採便用
カップユニット２と、該カップユニット２の汚物吸引口
２６に汚物ホース３及びピンチバルブユニット４を介し
て連結された汚物タンク５と、該汚物タンク５に接続さ
れた吸引ポンプとして機能する真空ポンプ６（図１２）
と、カップユニット２の洗浄水噴出ノズル連結口２７ｂ
又は２８ｂに洗浄ホース８を介して連結された洗浄水タ
ンク７とを有する。ピンチバルブユニット４，汚物タン
ク５，真空ポンプ６及び洗浄水タンク７は、図１に外観
を示す収納ケース９内に納められ、制御装置９０（図１
２）の作用下でリモコン１０により操作できるようにな
っている。

【００１５】カップユニット２は、図４〜図６に示すよ
うに、股間部に当てがう開口部２１と、開口部２１から
奥に向かって形成した凹室２２と、開口部２１の下部か
ら凹室２２の下部にかけて形成した貯留部２３とを有す
る。具体的には、図７に示すように、カップユニット２
は、アウターカバー２ａの内側にインナーカバー２ｂを
有する二重構造となっており、インナーカバー２ｂによ
って上記凹室２２及び貯留部２３が形成されている。

【００１６】そして、貯留部２３の底部後端のほぼ中央
には底部連絡口２４が設けられ、該底部連絡口２４は、
使用時に貯留部２３の貯留物が流出しないように、アウ
ターカバー２ａとインナーカバー２ｂ間に設けた管路２
５によって、貯留部２３の上縁近傍の高さレベルまで立
ち上げられた汚物吸引口２６と連通されている。また、
インナーカバー２ｂの凹室２２の内面には、上下にずれ
た位置にて２つの洗浄水噴出ノズル２７，２８が設けら
れ、それぞれ配管２７ａ，２８ａによって、アウターカ
バー２ａ背面の連結口２７ｂ，２８ｂに接続されてい
る。

【００１７】なお、採尿採便用カップユニット２は、図
示しないが例えば患者用ベットの股間部分等のマットレ
スをくり抜いた部分に装着したり、或いはベットの股間
部分等を開閉可能としベット下方より上下機構により出
入り可能に設ける。ただしこの場合、カップユニットが
股間部に当てがう開口部２１が使用者の股間に位置する
よう設定することは当然である。

【００１８】（１）洗浄水噴出ノズル 図８に上記洗浄水噴出ノズル２７，２８の部分を拡大し
て示す。このうち上位に位置する洗浄水噴出ノズル２７
は女性用であって、尿道口の上部から尿道口の下部に向
かって縦平面内で扇形に広がる洗浄水を噴出する。この
女性用の扇形の噴出広がり角度は、以下に示す実施例の
形状では洗浄液の噴射圧力、噴射量により異なるが約６
０゜〜１００゜程度である。これに対し、下位に位置す
る洗浄水噴出ノズル２８は男性用であり、こちらは肛門
に向けられるが、噴出広がりはほとんどなくは直線的に
噴出する。

【００１９】上記女性用の洗浄水噴出ノズル２７は、半
球状頭部２７１，円筒状胴部２７２及び後部開口２７３
を有する前部ノズル体２７０（図９）とその後部開口２
７３に嵌入接着した配管取付体２７４（図１０）とから
成る。なお、図９及び図１０において（ａ）は正面図、
（ｂ）縦断面図、（ｃ）は背面図である。前部ノズル体
２７１の半球状頭部２７１は円錐形内面２７５を有する
と共に、この半球状頭部２７１の中央には最先端の部分
２７６を残して、幅Ｗの縦スリット２７７が形成され、
これによって上述した扇形の噴出ができるようになって
いる。

【００２０】一方、男性用の洗浄水噴出ノズル２８は、
図１１に拡大して示すように、半球状頭部２８１と，円
筒状胴部２８２と、そして後部の配管取付部２８３とを
具備し、半球状頭部２８１の中央部には、やや先広がり
状にノズル孔２８７が形成されている。なお、図１１に
おいて（ａ）は正面図、（ｂ）縦断面図、（ｃ）は背面
図である。

【００２１】（２）温水供給機構 さて、図１２において、洗浄水噴出ノズル２７，２８の
連結口２７ｂ，２８ｂのいずれか一方に、洗浄ホース８
の先端を連結し（使用する患者の性別によりあらかじめ
設定しておき、不使用の方の連結口を図示しないキャッ
プで蓋をしている）、洗浄ホース８の後端は洗浄水タン
ク７の洗浄水の液面以下に連絡している。この洗浄水タ
ンク７は、下部に加熱ヒータを有し温水タンクとして機
能する。

【００２２】また、洗浄水タンク７の洗浄水の液面の上
方には、洗浄水の供給圧力源として、真空ポンプ６の排
気管６２が連絡してあり、排気管６２から第１開閉弁６
３を介して与えられる真空ポンプ６の排気圧により、洗
浄水タンク７の温水が洗浄ホース８へ吐出されるように
なっている。即ち、真空ポンプ６が送水ポンプとして機
能し、洗浄水タンク７に貯留した洗浄水を洗浄水噴出ノ
ズル２７，２８から噴出させる。

【００２３】尚、本実施例では、排気管６２に開閉弁６
４を介して開放管６５が設けてある。したがって、洗浄
水を噴出させないように開閉弁６３を操作して排気管６
２を閉鎖した場合であっても、開閉弁６４，開放管６５
を介して排気が排出され、真空ポンプ６を正常に駆動す
ることができる。更に、洗浄ホース８には第２開閉弁７
１を設けてあり、第２開閉弁７１を閉鎖することによ
り、洗浄水の供給停止と洗浄水タンク７内の加圧を行う
ことができるようにしてある。

【００２４】（３）汚物吸引機構 図２，図３及び図１２において、汚物吸引口２６には、
汚物ホース３の先端を連結し、この汚物ホース３の後端
は後述する大径の第１のピンチバルブ４１を介して汚物
タンク５に連絡している。そして、図１２に示すよう
に、汚物タンク５には吸引ポンプとして機能する真空ポ
ンプ６が、連結管６１により連結してある。

【００２５】汚物タンク５は、図１３に示すように、取
手５２の付いたタンク下部５１と、これに対しＯリング
５３を介して完全密封できるように蓋されるタンク上部
５４とを有し、タンク上部５４には、その中央から内部
にかけて吸引ジョイント管５５が設けられ、またタンク
上部５４内には、吸引ジョイント管５５の先端周囲から
タンク上部５４の内部周壁にかけて可撓性の膜から成る
内蓋５６が張られている。また、タンク上部５４には、
真空ポンプ６（図１２）への接続端５７が設けられてい
る。

【００２６】図１４〜図１６は、ピンチバルブユニット
４の部分を示したもので、汚物ホース３と汚物タンク５
との間に介在される大径の第１のピンチバルブ４１と、
汚物ホース３内の残水を、汚物ホース３の途中に介設し
た残水吸引管３０から、残水吸引チューブ３１を介して
吸引するための小径の第２のピンチバルブ４５とを有す
る。

【００２７】大径の第１のピンチバルブ４１は、その一
端に汚物ホース３とのジョイント部４２が設けられ、ま
た他端にはＬ字管４３の一端が取り付けられている。Ｌ
字管４３は、図１７に断面で示すように、一端に取付フ
ランジ４３０を有し、また他端には、上記吸引ジョイン
ト管５５への差込口部４３１及びジョイントロック４３
３を有し、更に、途中に分岐ジョイント４３４を有して
構成されている。なお、４３２は差込口部４３１の周囲
に設けたＯリングを示す。

【００２８】小径の第２のピンチバルブ４５は、その一
端に残水吸引チューブ３１とのジョイント部４６が設け
られ、また他端には上記分岐ジョイント４３４に連結さ
れた中継チューブ４３５とのジョイント部４７が設けら
れている。

【００２９】図１８（ａ）及び図１９（ａ）に上記ピン
チバルブ４１，４５の断面構造を、図２０に端面形状を
示す。サイズ的に相違があるだけで、全く同一構成であ
り、円筒状の外筒４１１，４５１内に、弾性材料より成
りＯ形断面の中間部４１３，４５３と両端フランジ部４
１４，４５４とを有する内筒４１２，４５２（図１８
（ｂ）及び図１９（ｂ））を挿入し、内筒４１２，４５
２の両端フランジ部４１４，４５４を外筒４１１，４５
１の内側両端に密接したものを、ケーシング４４内に装
置して成る。内筒４１２，４５２の中間部４１３，４５
３は断面が円形ではなくＯ形（楕円形）であることか
ら、外筒４１１，４５１及び内筒４１２，４５２間に
は、制御室用の隙間４１５，４５５が形成される。

【００３０】この制御室用の隙間４１５，４５５は、カ
ップリング４８，４９から、図１２に示すように、制御
弁４８０，４９０を介して、配管４８１，４９１により
上記真空ポンプ６の排気管６２と接続されている。この
構成のピンチバルブ４１，４５は、制御弁４８０，４９
０が開かれて真空ポンプ６の排気圧が外筒４１１，４５
１と内筒４１２，４５２との間の隙間４１５，４５５に
与えられたとき、内筒４１２，４５２がＯ形断面の両外
側から中心に向って弾性的に押し潰されて通路を閉塞
し、また、その排気圧が解除されたときは、元のＯ形断
面に戻ろうとする内筒４１２，４５２の弾性復帰力によ
り通路を開く構成となっている。

【００３１】なお、図１２に示す制御装置９０は、使用
前に開閉弁７１を開いてノズル２７から洗浄水を貯留部
２３に供給して該洗浄水で底部連絡口２４を閉塞し、使
用後にピンチバルブ４１を開いて洗浄水及び***物から
成る貯留部２３内の汚物を汚物吸引口２４から汚物タン
ク５へ吸引する制御手段を構成する。

【００３２】図２１及び図２２は、汚物ホース３内の残
水を吸引するため、汚物ホース３の途中に介設した残水
吸引管３０の部分を示したものである。残水吸引管３０
は、中間部に残水吸引チューブ３１のジョイント３２を
有すると共に、両端にジョイント３３，３４を有する。
また、残水吸引管３０の中間部に下面には、設置台３５
が設けられ、残水吸引チューブ３１のジョイント３２の
部分が残水吸引管３０の底面又は下位に開口するように
構成されている。

【００３３】（４）動作 次に図１２を参照しながら、上記構成の動作について順
を追って説明する。 (1)貯留水による底部連絡口２４の閉塞 まず、カップユニット２の貯留部２３内に洗浄水を供給
して、貯留部２３内を、その後端下部の底部連絡口２４
が閉塞されるレベルまで満たす。これは次の様にして行
う。

【００３４】リモコン１０の“作動開始”ボタンを押す
ことにより、ピンチバルブ４１，４５が“閉”（制御弁
４８０，４９０が“開”）、第１開閉弁６３及び第２開
閉弁７１が“開”の状態で真空ポンプ６を駆動する。真
空ポンプ６の排気圧が洗浄水タンク７に送られるため、
洗浄水タンク７内の圧を高まり、その圧力で洗浄水タン
ク７内の洗浄水（温水）が、洗浄ホース８に接続されて
いる洗浄水噴出ノズル（本実施例では女性用の洗浄水噴
出ノズル２７）から流出する。従って、洗浄水噴出ノズ
ル２７は、ここでは貯留部２３に対する給水口として機
能することになる。

【００３５】所定量の洗浄水がカップユニット２の貯留
部２３内に溜まり、この貯留水により底部連絡口２４が
閉塞されると、第２開閉弁７１は閉じられる。従って、
この第２開閉弁７１の閉鎖により、洗浄水の供給は停止
され、洗浄水タンク７内がそれまでより少し高めの所定
圧に加圧されて行く。

【００３６】(2)洗浄 ***後、リモコン１０の“洗浄開始”ボタンを押すこと
により、再び第２開閉弁７１が開かれ、上記高めの所定
圧により、洗浄水タンク７内の洗浄水（温水）が洗浄ホ
ース８に送り出され、女性用の洗浄水噴出ノズル２７か
ら勢いよく噴出される。この噴出される洗浄水は、図８
で説明したように、尿道口の上部から尿道口の下部に向
かって縦平面内で偏平状に且つ扇形に広がる温水となっ
て股間を広範囲に洗浄し、女子の尿道口から肛門まで広
く洗浄することができる。従って、洗浄水を上部から流
下させる形式に比べ、洗浄後の汚染された洗浄水が尿道
口等にかかることがなく、このため、大腸菌等が尿道口
等に進入することにより尿道炎や膀胱炎等が発症すると
いう不都合を防止することができる。

【００３７】(3)汚物ホースによる吸引 これは、上記の洗浄後において、リモコン１０の“吸引
開始”ボタンを押すことにより、汚物ホース３による汚
物の吸引と、その後に続く残水吸引チューブ３１による
残水吸引とがなされる。まず上記したように制御弁４８
０，４９０の両者とも“開”状態として真空ポンプ６の
排気圧をピンチバルブ４１，４５に引き込み、両ピンチ
バルブ４１，４５が“閉”状態となる。この状態で真空
ポンプ６を駆動すると、連結管６１，接続端５７を介
し、汚物タンク５内のタンク上部５４及び吸引ジョイン
ト管５５と内蓋５６の隙間を介しタンク下部５１の真空
度が高められる。

【００３８】次に、真空状態が高められた後に汚物の吸
引を行う。即ち前記制御弁４８０，４９０のうち、制御
弁４８０が“開”状態から“大気開放”状態とする。こ
れにより、ピンチバルブ４１の汚物タンク５側とカップ
ユニット２側の圧力差により、又それまでピンチバルブ
４１の外筒及び内筒間の隙間４１５に与えられていた真
空ポンプ６の排気圧が消失して大気圧となるので、内筒
４１２が弾性復帰力により元のＯ形断面に戻ろうとする
力とにより内筒４１２の通路が開く。このため、洗浄水
及び***物から成る汚物で閉塞されている貯留部２３の
底部連絡口２４までの空間内が一気に汚物タンク５と同
一の真空度となりこの圧力差により、一時的に大きな負
圧力が汚物にかかるため、一気に汚物は余すところなく
貯留部２３から汚物ホース３を介して汚物タンク５に吸
引される。

【００３９】汚物が汚物タンク５に吸引される際、吸引
ジョイント管５５からタンク下部５１に吸引される。こ
の時タンク下部５１は、タンク上部５４と内蓋５６によ
り仕切られているため、汚物はタンク上部５４に入るこ
とがなく、真空ポンプ６に汚水が入ることがなく寿命の
短縮化を防止できる。なおタンク上部５４に脱臭剤等の
薬剤をいれ真空ポンプ６に有害な物質の除去を行うこと
が好ましい。

【００４０】次に、汚物ホース３内に残っている残水を
除去する手順について述べる。まず、制御弁４８０，４
９０の両者とも“開”状態として真空ポンプ６の排気圧
をピンチバルブ４１，４５に引き込み、両ピンチバルブ
４１，４５が“閉”状態となる。この状態で真空ポンプ
６を駆動し、連結管６１，接続端５７を介し、汚物タン
ク５内のタンク上部５４及び吸引ジョイント管５５と内
蓋５６の隙間を介しタンク下部５１の真空度が高められ
る。

【００４１】次に、汚物タンク５内の真空状態が高めら
れた後に、上記制御弁４８０，４９０のうちの制御弁４
９０が“開”状態から“大気開放”状態に切り替える。
これにより、ピンチバルブ４５の汚物タンク５側と残水
引込管３０側の圧力差により、又それまでピンチバルブ
４５の隙間４５５に与えられていた真空ポンプ６の排気
圧が消失して大気圧となり、内筒４５２が元のＯ形断面
に弾性復帰し、内筒４５２の通路が開く。このとき、残
水吸引チューブ３１のジョイント２は残水吸引管３０の
底面又は下位に開口しており、管内の最低レベルの残水
であってもこれにより閉塞されるように構成されている
ため、残水で閉塞されている残水吸引管３０の開口部ま
での空間内が一気に汚物タンク５と同一の真空度となり
この圧力差により、大きな負圧力で残水は余すところな
く吸引除去される。

【００４２】上記実施例では、洗浄水噴出ノズル２７又
は２８を、使用前に貯留部２３を満たすための給水口と
して用いたが、このように洗浄水噴出ノズル２７又は２
８を兼用することなく、貯留部２３への専用の給水口を
設けることもできる。またこの場合の洗浄水噴出ノズル
に供給する洗浄水を身体を洗浄する洗浄液と成分を異な
らせ、例えばカップユニットの貯留部或いは汚物ホース
内に汚物がつきにくい成分或いは洗浄能力の高い成分の
洗浄水としてもよいことはいうまでもない。

【００４３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような優れた効果が得られる。 １）請求項１の方法及び請求項４の装置においては、カ
ップユニットの貯留部の底部連絡口が予め水で閉塞され
ているので、これに連結されている汚物吸引口から吸引
する際に、閉塞されていない場合よりも遥かに大きな大
きな負圧が一時的に作り出され、貯留部内の全ての汚物
が汚物吸引口から一気に吸引される。この結果、従来よ
りも小さな真空ポンプを用いて所望の吸引動作を行わせ
ることができる。また、汚物ホースからの異臭は上記貯
留部内に溜まった水により予め遮断されると共に、***
物は貯留水中に落下されて異臭がカットさせれるため、
衛生面においても効果がある。 ２）請求項２によれば、貯留部内への給水口が、股間部
に向かって洗浄水を噴出するノズルで兼用されるため、
ノズルの数を減らすことができる。 ３）請求項３又は５によれば、病人等が股間部にカップ
ユニットを当てがう前に、予めカップユニットを暖めて
おくことができる。 ４）請求項６によれば、洗浄水の供給圧力源として吸引
ポンプの排気圧を用い、一種の送水ポンプを構成するも
のであるので、装置をコンパクトなものとすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る***物処理装置を一部
を切欠いて示した外観図である。

【図２】本発明の一実施例に係る***物処理装置の概略
構成を示す側面図である。

【図３】本発明の一実施例に係る***物処理装置の概略
構成を示す上面図である。

【図４】股間部に当てがうカップユニットの正面図であ
る。

【図５】同じくカップユニットの上面図である。

【図６】同じくカップユニットの側面図である。

【図７】同じくカップユニットの縦断面図である。

【図８】図７の部分拡大図である。

【図９】女性用の洗浄水噴出ノズルの前部ノズル体を示
したもので、（ａ）はその正面図、（ｂ）は縦断面図、
（ｃ）は背面図である。

【図１０】女性用の洗浄水噴出ノズルの後部の配管取付
体を示したもので、（ａ）はその正面図、（ｂ）は縦断
面図、（ｃ）は背面図である。

【図１１】男性用の洗浄水噴出ノズルを示したもので、
（ａ）はその正面図、（ｂ）は縦断面図、（ｃ）は背面
図である。

【図１２】本発明の***物処理装置の配管系統を示した
図である。

【図１３】汚物タンクの断面図である。

【図１４】ピンチバルブの部分の上面図である。

【図１５】ピンチバルブの部分の側面図である。

【図１６】ピンチバルブの部分の端面図である。

【図１７】ピンチバルブの部分のＬ字管の断面図であ
る。

【図１８】第１のピンチバルブの本体を示したもので、
（ａ）はその縦断面図、（ｂ）そのＡＡ縦断面図であ
る。

【図１９】第２のピンチバルブの本体を示したもので、
（ａ）はその縦断面図、（ｂ）そのＡＡ縦断面図であ
る。

【図２０】ピンチバルブユニットを示した端面図であ
る。

【図２１】汚物ホース途中の残水吸引管の部分を一部断
面で示した上面図である。

【図２２】残水吸引管の部分を示した側面図である。

【符号の説明】

１ ***物処理装置 ２ 股間部に当てがう採尿採便用カップユニット ２ａ アウターカバー ２ｂ インナーカバー ３ 汚物ホース ４ ピンチバルブユニット ５ 汚物タンク ６ 真空ポンプ ７ 洗浄水タンク ８ 洗浄ホース ９ 収納ケース １０ リモコン ２１ 開口部 ２２ 凹室 ２３ 貯留部 ２４ 底部連絡口 ２５ 管路 ２６ 汚物吸引口 ２７，２８ 股間部に向かって洗浄水を噴出する洗浄水
噴出ノズル ２７ｂ，２８ｂ 洗浄水噴出ノズル連結口 ３０ 残水吸引管 ３１ 残水吸引チューブ ３２，３３，３４ ジョイント ３５ 設置台 ４１ 第１のピンチバルブ ４２ ジョイント部 ４３ Ｌ字管 ４５ 第２のピンチバルブ ４６，４７ ジョイント部 ４８，４９ カップリング ５１ タンク下部 ５２ 取手 ５３ Ｏリング ５４ タンク上部 ５５ 吸引ジョイント管 ５６ 内蓋 ５７ 接続端 ６１ 連結管 ６２ 排気管 ６３ 第１開閉弁 ６４ 開閉弁 ６５ 開放管 ７１ 第２開閉弁 ９０ 制御装置（制御手段） ２７０ 前部ノズル体 ２７１ 球状頭部 ２７２ 円筒状胴部 ２７３ 後部開口 ２７４ 配管取付体 ２７５ 円錐形内面 ２７６ 最先端の部分 ２８１ 半球状頭部 ２８２ 円筒状胴部 ２８３ 配管取付部 ２８７ ノズル孔 ４３０ 取付フランジ ４３１ 差込口部 ４３２ Ｏリング ４３３ ジョイントロック ４３４ 分岐ジョイント ４１１，４５１ 外筒 ４１２，４５２ 内筒 ４１３，４５３ 中間部 ４１４，４５４ 両端フランジ部 ４１５，４５５ 隙間 ４８０，４９０ 制御弁 ４８１，４９１ 配管

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】股間部に密着状に当てがうカップユニット
   に、給水口と、下部に形成した貯留部と、該貯留部の底
   部連絡口と連通し所定の高さレベルまで立ち上げられた
   汚物吸引口とを設け、使用前或いは使用中に上記給水口
   から水を上記貯留部に供給して該水で上記底部連絡口を
   閉塞し、使用後に上記水及び***物からなる貯留部内の
   汚物を上記汚物吸引口から急激に汚物タンクへ吸引する
   ことを特徴とする***物処理方法。
2. 【請求項２】上記給水口が股間部に向かって洗浄水を噴
   出するノズルであることを特徴とする請求項１記載の排
   泄物処理方法。
3. 【請求項３】上記洗浄水が温水であることを特徴とする
   請求項２記載の***物処理方法。
4. 【請求項４】股間部に密着状に当てがうカップユニット
   に、股間部に向かって洗浄水を噴出するノズルと、下部
   に形成した貯留部と、該貯留部の底部連絡口と連通し所
   定の高さレベルまで立ち上げられた汚物吸引口とを設
   け、 上記ノズルには開閉弁を介して洗浄水タンクを連絡し、 上記汚物吸引口には、汚物ホース及びピンチバルブを介
   して、吸引ポンプにより吸引される汚物タンクを連結
   し、 使用前に上記開閉弁を開いて上記ノズルから洗浄水を上
   記貯留部に供給して該洗浄水で上記底部連絡口を閉塞
   し、使用後に上記ピンチバルブを開いて洗浄水及び***
   物から成る貯留部内の汚物を上記汚物吸引口から汚物タ
   ンクへ急激に吸引する制御手段を設けたことを特徴とす
   る***物処理装置。
5. 【請求項５】上記洗浄水タンクが加温用のヒータを具備
   することを特徴とする請求項４記載の***物処理装置。
6. 【請求項６】上記洗浄水タンクから上記ノズルへの洗浄
   水の供給圧力源として、上記洗浄水タンクに上記吸引ポ
   ンプの排気圧を加えることを特徴とする請求項４記載の
   ***物処理装置。