JPH0750711Y2 - 薄鋼帯の磁気探傷装置 - Google Patents

薄鋼帯の磁気探傷装置

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JPH0750711Y2
JPH0750711Y2 JP2325090U JP2325090U JPH0750711Y2 JP H0750711 Y2 JPH0750711 Y2 JP H0750711Y2 JP 2325090 U JP2325090 U JP 2325090U JP 2325090 U JP2325090 U JP 2325090U JP H0750711 Y2 JPH0750711 Y2 JP H0750711Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、走行状態の薄鋼帯の欠陥を検出する磁気探
傷装置、特に欠陥検出精度の向上に関するものである。
[従来の技術] 薄鋼帯の内部あるいは表面に存在する疵,気泡等の欠陥
を検出する磁気探傷装置が従来から用いられている。
この磁気探傷装置は、被探傷体としての薄鋼帯を静止し
た状態で探傷するのみならず、例えば工場等の製造ライ
ン等に設置され、一定速度で走行中の薄鋼帯に存在する
欠陥を連続的に検出できるものが開示されている(実開
昭63-107849号公報)。
第10図は、走行中の薄鋼帯の欠陥を連続的に検出する従
来の磁気探傷装置の構造を示し、(a)は側面断面図、
(b)は正面断面図である。
図に示すように、非磁性材料で形成され、円筒部が均一
の厚さtを有する中空ロール1の中心には固定軸2の一
端が貫通されている。この固定軸2の他端は図示しない
フレームに固定されている。中空ロール1の両端面は、
ころがり軸受3a,3bを介して固定軸2に支持されてい
る。したがって、この中空ロール1は固定軸2を回転中
心軸として自由に回転する。
この中空ロール1内の固定軸2には、略コ字断面形状を
有した磁化鉄心4が、支持部材5を介して固定されてい
る。この磁化鉄心4の各自由端は中空ロール1の内周面
に近接する姿勢で配置されている。
この磁化鉄心4に磁化コイル6が巻装されている。ま
た、磁化鉄心4の自由端の間には、例えばホール素子や
磁気抵抗効果素子等からなる複数の磁気センサ7が配列
され、固定軸2に固定されている。
磁化コイル6に励磁電流を供給するための電源ケーブル
8および磁気センサ7から出力される検出信号を取り出
すための信号ケーブル9は固定軸2内を経由して外部へ
導出されている。したがって、磁化鉄心4および磁気セ
ンサ7は固定され、中空ロール1が磁化鉄心4および磁
気センサ7と微小間隙を置いて回転する。
このように構成された磁気探傷装置の中空ロール1の外
周面を、例えば矢印A方向に走行状態の薄鋼帯10の一面
に所定圧力で押し当てると、中空ロール1は固定軸2を
中心にして時計方向に回転する。
そして、励磁コイル6に励磁電流を供給すると、磁化鉄
心4と走行中の薄鋼帯10とで閉じた磁路が形成される。
そして、薄鋼帯10の内部あるいは表面に前述した欠陥が
存在すると、薄鋼帯10内の磁束が乱れ、漏洩磁束が生じ
る。この漏洩磁束が磁気センサ7で検出し、間接的に欠
陥信号を得る。
検出された欠陥信号は、その信号レベルが薄鋼帯10内部
または表面の欠陥の大きさと対応するので、欠陥信号の
信号レベル変化で薄鋼帯10の内部または表面の欠陥の存
在とその大きさを判定することができる。
しかし、欠陥信号の信号レベルは薄鋼帯10と磁気鉄心4
と励磁コイル6からなる磁化器によって形成される磁路
の状態や、リフトオフと呼ばれる薄鋼帯10と磁気センサ
7との間の距離dによって大きく変化する。第11図は上
記距離dと欠陥信号の信号レベルの関係を示す特性図で
ある。図に示すように距離dが大きくなると、欠陥信号
の信号レベルは急激に低下する。
この距離dの変化による信号レベルの変動を防止するた
めに、一定厚さtを有した中空ロール1を用い、薄鋼帯
10と磁気センサ7との間の距離dを常時一定に維持する
ようにしている。
したがって、中空ロール1の厚さtを薄くすればするほ
ど、薄鋼帯10と磁気鉄心4の自由端との間の磁気ギャッ
プが小さくなり、磁気抵抗が小さくなる。また、厚さt
を薄くすれば薄鋼帯10と磁気センサ7との間の距離dが
短くなるので、欠陥信号の信号レベルが高くなり、S/N
比が上昇して、欠陥検出精度が上昇する。
したがって、中空ロール1の厚さtを薄くするのが望ま
しい。
[考案が解決しようとする課題] 上記従来の磁気探傷装置においては、ホール素子や磁気
抵抗効果素子等からなる磁気センサ7を使用している
が、この磁気センサ7の出力電圧は小さく、数mvのオー
ダである。このため、高精度の測定を行なうときには高
感度増幅器を必要とするとともに、測定精度に外部ノイ
ズの影響が受けやすいという短所があった。
また、測定精度を上げるために、中空ロール1の厚さt
を薄くするのが望ましい。一方、薄鋼帯10表面と中空ロ
ール1の外周面とが常時接触している必要があり、中空
ロール1には薄鋼帯10の張力に起因する下向きの力や、
薄鋼帯10自体の重量による下向きの力が加えられる。こ
のため、中空ロール1の円筒部の厚さtを薄くすると中
空ロール1が変形したり損傷したりし、薄鋼帯10と磁気
センサ7との間の距離dを一定に維持できなくなり、欠
陥検出精度が低下する。
このため、中空ロール1の円筒部の均一な厚さtを薄く
することができず、小さな疵等を精度よく検出すること
ができないという短所があった。
この考案はかかる短所を解決するためになされたもので
あり、小さな疵等の検出精度を大幅に向上することがで
きる薄鋼帯の磁気探傷装置を得ることを目的とするもの
である。
[課題を解決するための手段] この考案に係る薄鋼帯の磁気探傷装置は、非磁性材料で
形成され、薄鋼帯の走行路の両側に薄鋼帯を挟持するよ
うに配設された一対の中空ロールと、この一対の中空ロ
ールの一方の中空ロール内に収納され、磁界を発生させ
る磁化器と、他方の中空ロール内に収納された磁気セン
サとを有する。
磁気センサは、強磁性体コアに巻き回されたコイルと、
コイルに固定インピーダンスを介して一定周波数,一定
電圧の交流電力を供給する交流電力供給手段と、コイル
の両端から出力する電圧の正側電圧と負側電圧をそれぞ
れ検出する直流電圧検出手段と、検出した正側電圧と負
側電圧の差を演算し漏洩磁束を検出する磁気検出手段と
からなる。
また、一対の中空ロールの薄鋼帯と接触する領域は、厚
さが非接触領域の厚さより薄く形成するとよい。
また、磁気センサのコイルに、直流バアイスを加算した
パルス電流を供給することにより、漏洩磁束の測定スパ
ンを拡大することができる。
さらに、パルス電流に加算する直流バイアスを磁気セン
サの出力信号に応じて可変制御することにより、磁気セ
ンサの動作点を自動的に補償することができる。
[作用] この考案における磁気センサは、強磁性体コアに巻き回
されコイルに一定周波数,一定電圧の交流電力を供給
し、このコイルに流れる交流電流により生じる磁界によ
ってヒステリシス特性を示す強磁性体コアの透磁率によ
りコイルのインピーダンスを変化させ、コイルの両端出
力電圧を正負対称のほぼ矩形波形に変化させる。このコ
イルを鋼板に近接して配置し鋼板からの漏洩磁束によ
り、コイルの両端出力電圧の正側電圧と負側電圧の電圧
値を変化させる。この変化する正側電圧と負側電圧をそ
れぞれ検出し、検出した正側電圧と負側電圧の差を算出
し、鋼板の漏洩磁束を電気信号として検出する。これに
より、漏洩磁束を極めて高感度に検出できる。
この磁気センサを、薄鋼帯を挟んで対向配設された一対
の中空ロールの一方の中空ロール内に収納し、他方の中
空ロールには磁界を発生させる磁化器を収納し、磁化器
を収納した中空ロールに薄鋼帯の張力や重力が印加され
ようにすることにより、磁気センサを収納した中空ロー
ルの円筒部の厚さを薄くすることができから、磁気セン
サと薄鋼帯との間の距離が短縮され、欠陥の測定精度を
より向上させる。
また、一対の中空ロールの円筒部のなかで、薄鋼帯と接
触する中央部の厚さを、大きな応力がかかる周辺部の非
接触領域の厚さより薄く形成することにより、中空ロー
ルの慣性モーメントを小さくすることができる。
また、磁気センサのコイルに直流バイアスを加算したパ
ルス電流を供給することにより、漏洩磁束の測定スパン
を拡大することができる。
さらに、パルス電流に加算する直流バイアスを磁気検出
手段からの磁気検出信号に応じて可変制御することによ
り、磁気センサの動作点を自動的に補償して、測定条件
が変化しても常に良好な測定スパンを確保することがで
きる。
[実施例] 第1図(a),(b)は、この考案の一実施例を示し、
(a)は側面断面図、(b)は正面断面図である。
図に示すように、一対の中空ロール11a,11bは薄鋼帯10
の走行路の両側に薄鋼帯10を挟持するように配設されて
いる。この一対の中空ロール11a,11bは非磁性材料から
なり、同じ外径に形成されている。そして、上側の中空
ロール11aの厚さt1が下側の中空ロール11bの厚さt2より
薄くなっている。
各中空ロール11a,11bの中心には、中空の固定軸12a,12b
の一端がころがり軸受13a,13b,14a,14bを介して貫通さ
れている。この下側の中空ロール11bを貫通した固定軸1
2bの他端はフレーム(不図示)に固定されている。一
方、上側の中空ロール11aの固定軸12aの他端は下側の固
定軸12bに対して、ごく弱いばねで付勢されている。し
たがって、中空ロール11a,11bは固定軸12a,12bを回転中
心として自由に回転できるようになっている。
下側の中空ロール11b内には、略コ字断面形状を有した
磁化鉄心15が、各自由端15aを上方を向く姿勢で、支持
部材16を介して固定軸12bに固定されている。そして、
磁化鉄心15の各自由端15aが中空ロール11bの内周面に微
小間隔を有して対向している。この磁化鉄心15の下部に
磁化コイル17が巻装されている。この磁気コイル17の励
磁電流は、磁化電源装置(不図示)から固定軸12b内を
経由した電源ケーブル18を介して供給される。
一方、上側の中空ロール11a内には、複数の磁気センサ2
0の磁気検出部である強磁性体コア21に巻き回されたコ
イル22が下方を向く姿勢で配列され、固定軸12aに支持
部材19を介して固定されている。そして、コイル22の先
端は上側中空ロール12aの内周面に微小間隙を有して対
向している。
したがって、上側の中空ロール12a内に収納されたコイ
ル22の先端は薄鋼帯10を介して下側の中空ロール12b内
に収納された磁気鉄心15と磁化コイル17からなる磁化器
に対向している。また、コイル22と薄鋼帯10との間の距
離d1及び磁気鉄心15と薄鋼帯10との間の距離は固定され
ている。
磁気センサ20は第2図のブロック図に示すように、棒状
の強磁性体コア21と、強磁性体コア21に巻き回されたコ
イル22、コイル22に固定インピーダンス24を介して一定
周波数,一定電圧の交流電力を供給する交流電力供給手
段23、コイル22の両端に接続された直流電圧検出手段25
及び磁気検出手段26とを有する。
直流電圧検出手段25は正極性検波器と負極性検波器とを
有し、コイル22の出力電圧の正側電圧と負側電圧をそれ
ぞれ検出する。磁気検出手段26は直流電圧検出手段25の
出力を受けてコイル22の正側電圧と負側電圧の差を求
め、漏洩磁束を検出する。
この磁気センサ20で検出した漏洩磁束の検出信号は信号
処理部27に送られ処理される。信号処理部27は比較手段
28と、しきい値設定手段29及び表示手段30を有する。
上記のように構成された磁気探傷装置の動作を説明する
にあたり、まず上記磁気センサ20の原理を第3図の電圧
波形図と第4図の強磁性体コアの磁化特性図を参照して
説明する。
第3図(a)の電圧波形図に示すように一定周期数,一
定電圧の交流電圧Eをコイル22に供給すると、コイル22
の両端に発生する電圧Eoは固定インピーダンス24の抵抗
値Rとコイル22のインピーダンスZsにより次式で決定さ
れる。
Eo=E・ZS/(R+Zs) で示される。
このコイル22のインピーダンスZsは強磁性体コア21の透
磁率に比例して変化する。すなわち外部磁界を加えない
状態でコイル22に交流電流を流すると、コイル22の磁束
により強磁性体コア21が磁化される。強磁性体コア21の
透磁率は一定でなく、磁界の強さによって変化し、第4
図に示すように磁化曲線がヒステリシス特性を示す。な
お、第4図において、Bは磁束密度、nはコイル2の巻
数、iはコイル電流である。
このためコイル22の両端に発生する出力電圧Eoは第3図
(b)に示すように、正負対称のほぼ矩形波状の波形に
なる。そして外部磁界が加えられない状態では正側電圧
V1と負側電圧V2は等しくなる。
この状態でコイル22に外部磁界を加えると強磁性体コア
21を交差する磁束はコイル22で発生する磁束と外部磁界
の磁束の合成磁束となる。このためコイル22の両端に発
生する波形は第3図(c)に示すように、正側電圧V1
負側電圧V2に差が生じる。このコイル22の両端に発生す
る出力電圧の正側電圧V1と負側電圧V2を比較しその差を
求めることによって間接的に外部磁界を計測できる。
そして、この磁気センサ20で外部磁界の磁束密度を測定
すると、第5図に示すように、0〜10ガウスという微小
な磁束密度に対して0〜500mVという高い出力電圧を得
ることができ、従来のホール素子の出力電圧数mVと比べ
て非常に高い検出感度で磁束密度を測定することができ
る。
次に上記原理に基ずく磁気センサ20を使用した磁気探傷
装置の動作を説明する。
薄鋼帯10を第1図に示す矢印方向へ一定速度で走行させ
ると、下側の中空ロール11bには薄鋼帯10の張力に起因
する下向きの力および重力による下向きの力が印加され
ているので、下側の中空ロール11bが時計方向に回転す
る。また、上側の中空ロール11aも下方へばねで付勢さ
れているので、反時計方向に回転する。
そして、磁化電源装置から励磁コイル17に励磁電流を供
給し磁化鉄心15を励磁すると、磁化鉄心15と走行中の薄
鋼帯10とで閉じた磁路が形成される。この状態で、薄鋼
帯10の内部あるいは表面に疵や気泡等の欠陥が存在する
と、薄鋼帯10内の磁束が乱れ漏洩磁束が生じる。
そこで、磁気センサ20のコイル22に交流電力供給手段23
から固定インピーダンス24を介して、第3図(a)の波
形図に示すような一定周波数,一定電圧の交流電力を供
給する。コイル22は供給された交流電流により磁界を生
じ、その磁束が強磁性体コア21を、第4図に示すよう
に、磁束密度Bが飽和状態になるまで磁化する。この強
磁性体コア21の磁界の強さはコイル22に流れる交流電流
によりヒステリシス特性を繰返し、コイル22のインピー
ダンスを交流電流の周波数と同じ周波数で変化させる。
一方、コイル22には薄鋼帯10に生じた漏洩磁束が加えら
れる。この薄鋼帯10からの漏洩磁束は薄鋼帯10の疵と疵
の大きさにより変化する。このため、第3図(c)に示
すようにコイル21の両側出力電圧の正側電圧V1と負側電
圧V2に差が生じる。そこで、直流電圧検出手段25でコイ
ル22の正側電圧V1と負側電圧V2をそれぞれ検出し磁気検
出手段26に送る。磁気検出手段26は送られた正側電圧V1
と負側電圧V2の電圧差を演算し、薄鋼帯10の漏洩磁束に
比例した磁気検出信号Sを得る。
この磁気検出信号Sが比較手段28に送られ、しきい値設
定手段29にあらかじめ設定されているしきい値THと比較
され、しきい値THを越えた磁気検出信号Sを欠陥信号と
して表示手段30に送り表示する。
このように、磁気センサ20で高検出感度で検出した薄鋼
帯10からの漏洩磁束検出信号Sにより薄鋼帯10の欠陥を
検出するようにしたから、薄鋼帯10の欠陥検出精度を大
幅に向上させることができる。
さらに、漏洩磁束の測定の際に温度が変動してコイル22
の巻線抵抗と強磁性体コア21の透磁率が変化しても、こ
の変化によるコイル22のインピーダンスは磁化電流の正
側極性とも等しく変化するので相互に補償し合うから、
温度変化によるコイル22の正側電圧と負側電圧の差にド
リフトは発生せず、温度変動の影響なしに精度良く漏洩
磁束を測定することができる。
また強磁性体コア21をコイル22に流す電流で充分飽和す
るまで磁化することにより、コイル22の両端に発生する
出力電圧は一定値にクリップされ、コイル両端の出力電
圧は外部磁界の強弱のみによって正極と負極との振幅及
び位相が変化するようにしたから、交流電力供給手段23
の出力電圧や固定インピーダンス24の抵抗値が多少変化
しても検出感度は変化せず、高感度で漏洩磁束を測定す
ることができる。
また、薄鋼帯10の張力や重力が作用する下側の中空ロー
ル11bの厚さt2と、張力等が作用しない上側の中空ロー
ル11aの厚さt1とをそれぞれの中空ロール14a,14bに印加
される外力に対応した値に設定できるから、下側の中空
ロール11bの厚さt2を、薄鋼帯10の張力や重力が作用し
たとしても変形や損傷が生じない十分な厚さに設定でき
る。なお、下側の中空ロール11bの厚さt2を厚くする
と、薄鋼帯10が磁化されにくくなるが、これは、磁化コ
イル17に通電する励磁電流の電流値を増加することによ
って簡単に解消できる。したがって、長期間使用しても
下側中空ロール14bの変形や損傷が生じることを防ぐこ
とができ、薄鋼帯10内に安定した磁路を形成することが
できる。
一方、上側の中空ロール11aには大きな外力が印加され
ることはないので、厚さt1を薄くしても、変形したり損
傷することがなく、厚さt1を薄くすることによって、コ
イル22と薄鋼帯10との間の距離d1を小さく設定できる。
このためコイル22と薄鋼帯10との間の距離d1を小さくす
ることができ、磁気センサ20で検出した信号のS/N比を
大幅に向上することができる。その結果、小さい欠陥で
も正確に検出でき、磁気探傷装置全体の欠陥検出精度を
大幅に向上できる。
また、薄鋼帯10内に磁路を形成するための磁化器と薄鋼
帯10内の磁路の漏洩磁束を検出するコイル22とを別々の
中空ロール11a,11b内に収納しているので、磁化器から
漏洩して直接コイル22へ入力される、欠陥には全く関係
しない漏洩磁束が大幅に減少するので、磁気センサ20か
ら出力される信号のS/N比がより向上でき、欠陥検出精
度をさらに向上できる。
なお、上記実施例においては、中空ロール11a,11bの円
筒部を均一な厚さt1,t2で形成した場合について説明し
たが、第6図に示すように、薄鋼帯10と接触する領域61
の厚さt3を例えば1〜4mmとし、薄鋼帯10と接触しない
円筒部端部の応力がかかる領域62の厚さt4を例えば6〜
10mmと厚くすることにより、中空ロール11a,11bの重量
を少なくして、慣性モーメントを小さくすることができ
る。このように中空ロール11a,11bの慣性モーメントを
小さくすることにより、中空ロール11a,11bが走行中の
薄鋼帯10と接触としているときのスリップを防ぐことが
でき、薄鋼帯10に中空ロール11a,11bが疵等を付けるこ
とを防ぐことができる。
また、応力の影響をあまり受けない薄鋼帯10と接触する
領域61の厚さt3を薄くすることにより、欠陥検出精度を
より向上させることができる。
なお、上記実施例においては、磁気センサ20の強磁性体
コア21に巻き回したコイル22に交流電力供給手段23か
ら、第3図(a)に示すような連続した交流電力を供給
する場合について説明したが、交流電力供給手段23から
パルス電流を出力し、このパルス電流に直流バイアスを
加算することにより、強磁性体コア21の磁化曲線の基準
点を変えて、磁束密度検出の測定スパンをシフトして移
動し、疵の検出精度をより向上させることができる。
第7図はコイル22に直流バイアスを加えたパルス電流を
供給する場合の実施例の磁気センサ20を示す。図に示す
ように、交流電力供給手段23から高周波電圧パルス電流
が加算器31に供給されるとともに直流電源32から直流バ
イアスが加算器31に供給される。加算器31では高周波電
圧に直流バイアスを加算して合成電圧を発生し、その合
成電圧が電力増幅器33で増幅され、抵抗からなる固定イ
ンピーダンス24を介してコイル22に供給される。
この実施例において、直流電源32からの直流バイアス電
流の値を0mA,50mA,100mA,150mA,200mAと変化させて、外
部磁界の磁束密度の変化に対するコイル22の出力電圧を
測定した結果、第8図に示す検出感度特性が得られた第
8図からわかるように、パルス電流に直流バイアス電流
を加算すると、直流バイアス電流の値を変えても出力電
圧は極めて良好な線形特性を得ることができ、例えば直
流バイアス電流を100mA供給すると線形特性が得られる
範囲が0〜40ガウス程度となり、直流バイアス電流が0m
Aのときの0〜20ガウス程度と比べて磁束密度の測定ス
パンを移動することができ、測定エリアの変更を容易に
行うことができる。
また、直流電源32からの直流バイアス電流を磁気検出手
段26が出力する検出信号Sに応じて可変可能とし、測定
条件が変化しても常に良好な測定スパンを得るようにし
ても良い。
第9図は直流バイアス電流を可変する場合の実施例を示
すブロック図である。図に示すように、磁気検出手段26
の検出信号Sをローパスフィルタ34を介して差動増幅器
35に送る。差動増幅器35は検出信号Sと基準電圧発生器
36からの基準電圧とを比較し、その差電圧を直流電源32
に送る。この差電圧により直流電源32は直流バイアス電
流を可変して加算器31に送る。
このように磁気検出手段26の検出信号Sにより磁気セン
サ20の動作点を検出し、基準電圧発生器36の基準電圧と
の差電圧を差動増幅器35で求めて直流電源32からの直流
バイアスを制御することにより、欠陥が無い状態での磁
気検出手段26の検出信号Sが常にOVになるように自動的
に補償する。
このように磁気センサ20の測定スパンの中央に動作点を
自動的に補償することにより、測定条件が変化しても常
に良好な測定スパンを確保でき、探傷性能をさらに向上
させることができる。
[考案の効果] 以上説明したように、この考案における磁気センサは、
強磁性体コアに巻き回されコイルに一定周波数,一定電
圧の交流電力を供給し、このコイルに流れる交流電流に
より生じる磁界によってヒステリシス特性を示す強磁性
体コアの透磁率によりコイルのインピーダンスを変化さ
せ、コイルの両端出力電圧を正負対称のほぼ矩形波状に
変化させる。このコイルを鋼板に近接して配置し鋼板か
らの漏洩磁束により、コイルの両端出力電圧の正側電圧
と負側電圧の電圧値を変化させる。この変化する正側電
圧と負側電圧をそれぞれ検出し、検出した正側電圧と負
側電圧の差を算出し、鋼板の漏洩磁束を電気信号として
検出するようにしたので、漏洩磁束を極めて高感度に検
出できる。
また、磁気センサのコイルと磁路形成用の磁化器とを別
々の中空ロールに収納することにより、磁気センサのコ
イルを収納した中空ロールの厚さを薄くすることができ
るから、漏洩磁束の検出感度を高めるとともに、検出し
た信号のS/N比を向上させることができる。
また、一対の中空ロールの円筒部のなかで、薄鋼帯と接
触する中央部の厚さを、大きな応力がかかる周辺部の非
接触領域の厚さより薄く形成することにより、中空ロー
ルの慣性モーメントを小さくすることができ、中空ロー
ルのスリツプを防止し、中空ロールによって鋼帯に疵を
付けることを防ぐことができる。
また、磁気センサのコイルに直流バイアスを加算したパ
ルス電流を供給することにより、漏洩磁束の測定スパン
を拡大することができ、疵検出精度をより向上させるこ
とができる。
さらに、パルス電流に加算する直流バイアスを磁気検出
手段からの磁気検出信号に応じて可変制御することによ
り、磁気センサの動作点を自動的に補償して、測定条件
が変化しても常に良好な測定スパンを確保することがで
き、探傷精度をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は各々のこの考案の実施例を示
し、(a)は側面断面図、(b)は正面断面図、第2図
は上記実施例の磁気センサを示すブロック図、第3図,
第4図は上記実施例の磁気センサの原理を示し、第3図
(a),(b),(c)はそれぞれ電圧波形図、第4図
は強磁性体コアの磁化特性図、第5図は上記実施例の磁
気センサの出力特性図、第6図は他の実施例の中空ロー
ルを示す断面図、第7図は第3の実施例を示すブロック
図、第8図は第7図に示した実施例の出力特性図、第9
図は第4の実施例を示すブロック図、第10図(a),
(b)は従来例を示し、(a)は側面断面図、(b)は
正面断面図、第11図は従来例の出力特性図である。 10……鋼板、11a,11b……中空ロール、15……磁化鉄
心、17……磁化コイル、20……磁気センサ、21……強磁
性体コア、22……コイル、23……交流電力供給手段、24
……固定インピーダンス、25……直流電圧検出手段、26
……磁気検出手段、31……加算器、32……直流電源、35
……差動増幅器、36……基準電圧発生器。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄鋼帯の走行路に沿って配設され、薄鋼帯
    からの漏洩磁束を検出して薄鋼帯の欠陥を検出する薄鋼
    帯の磁気探傷装置において、 上記走行路の両側に薄鋼帯を挟持するように配設される
    とともに、非磁性材料で形成された一対の中空ロール
    と、 該一対の中空ロールの一方の中空ロール内に収納され、
    磁界を発生させる磁化器と、 他方の中空ロール内に収納され、強磁性体コアに巻き回
    されたコイルと、該コイルに固定インピーダンスを介し
    て一定周波数,一定電圧の交流電力を供給する交流電力
    供給手段と、上記コイルの両端から出力する電圧の正側
    電圧と負側電圧をそれぞれ検出する直流電圧検出手段
    と、該直流電圧検出手段で検出した正側電圧と負側電圧
    の差を演算し漏洩磁束を検出する磁気検出手段とからな
    る磁気センサと、 を備えたことを特徴とする薄鋼帯の磁気探傷装置。
  2. 【請求項2】上記一対の中空ロールの薄鋼帯と接触する
    領域の厚さが非接触領域の厚さより薄く形成された請求
    項1記載の薄鋼帯の磁気探傷装置。
  3. 【請求項3】上記磁気センサの交流電力供給手段がパル
    ス電流を出力し、該パルス電流に直流バイアスを加算す
    る直流バイアス加算手段を設けた請求項1又は2記載の
    薄鋼帯の磁気探傷装置。
  4. 【請求項4】上記磁気検出手段からの磁気検出信号に応
    じて上記直流バイアス加算手段で加算する直流バイアス
    を可変制御する制御手段を設けた請求項3記載の薄鋼帯
    の磁気探傷装置。
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