JP2663767B2 - 変態率測定方法及びその装置 - Google Patents

変態率測定方法及びその装置

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JP2663767B2 JP28673091A JP28673091A JP2663767B2 JP 2663767 B2 JP2663767 B2 JP 2663767B2 JP 28673091 A JP28673091 A JP 28673091A JP 28673091 A JP28673091 A JP 28673091A JP 2663767 B2 JP2663767 B2 JP 2663767B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は相互誘導方法を用いて鋼
板等の金属板における変態率を測定する変態率測定方法
及び変態率測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】製鉄所で製造される鋼板の各種機械的特
性及び物理的特性に大きく影響を与える最終的な組織を
常に一定状態に維持するとは高い品質を維持するために
非常に重要な事項である。
【0003】例えば、磁気的特性のうち透磁率は、硬
度,結晶粒度等の機械的特性に対して高い相関関係を有
している。このため、透磁率と機械的特性との相関関係
を予め測定しておけば、透磁率の測定を行う事によっ
て、鋼板の機械的特性をある程度推定することが可能と
なる。
【0004】また、製造工程管理においても、熱間鋼の
熱処理過程でオーステナイト相からフェライト相に変態
するが、その変態時期や変態率を正確に監視できれは、
熱間圧延ライン,熱処理ラインを用いた各種鋼材の製造
分野において極めて大きな製造品質上の効果を期待でき
る。また、製造工程で実際に連続して流れている鋼板に
対して磁気的特性の測定を行うためには、非接触でかつ
オンライン状態でこれらの測定を実施する必要がある。
【0005】そして、この相変態の測定においては、当
然磁気的特性が変化するので、この磁気的変化を検出す
ればよい。従来、このような鋼板における磁気的特性を
非接触でかつオンライン状態で測定する場合、検査対象
の鋼板を通過する磁束の減衰率が鋼板の磁気的特性によ
り変化するという性質を利用する図6に示す変態率測定
装置が提唱されている(特開昭56−82443号公
報)。
【0006】すなわち、検査対象としての鋼板1の一方
面側に所定距離d1をあけて磁化鉄心2と励磁コイル3
からなる磁化器4が、一対の磁極4a,4bが鋼板1に
対向するように配設されている。磁化器4の励磁コイル
3には磁化電源5から励磁電流が印加される。そして、
この鋼板1の他方側に距離d2 だけ離間して磁気検出素
子6が配設されている。また、鋼板1の表面温度は温度
計7で測定される。磁気検出素子6にて検出された磁束
は演算装置8へ送信される。
【0007】このような構成の変態率測定装置によれ
ば、磁化器4の一方の磁極4aから出力された磁束の大
部分は鋼板1内を通過して他方の磁極4bに入力される
が、磁化器4の発生磁界が大きい場合は、磁化器4の一
方の磁極4aから出力された磁束9の一部はこの鋼板1
を貫通して反対側の空間を経由して、再度鋼板1を逆方
向に貫通して他方の磁極4bに入力する。
【0008】そして、鋼板1の変態率が変化すると、鋼
板1の透磁率等の磁気特性が変化して、鋼板1を貫通す
る磁束9の強度Φが変化する。したがって、予め既知の
変態率を有する試験用鋼板における基準磁束強度を求め
ておき、測定された磁束強度Φと基準磁束強度とを比較
することによって変態率が求まる。また、鋼板1を一定
方向へ移動させながら、磁気検出素子6で鋼板1の反対
側に漏れた磁束9の強度Φを連続測定して、その磁束強
度Φが大きく変化した地点を鋼板上の変態率の変化地点
と見なすことが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示した従来の変態率測定装置においてもまだ次のような
課題があった。
【0010】すなわち、磁気検出素子6には前述した磁
化器4の各磁極4a,4bから出力されて鋼板1を貫通
した磁束9の他に周辺機器から出力される浮遊磁束が検
出される。特に、この変態率測定装置を前述した製鉄工
場における製造ラインに設置した場合においては、周囲
に多数のモータや各種電気機器が配設されているので、
これらの機器から周囲に漏れる磁束が大きい。これらの
磁束が前記磁気検出素子6に交差すると、磁気検出素子
6から検出される前記正規の磁束9に起因する信号成分
にこれらの浮遊磁束に起因する信号が雑音成分として重
畳する。
【0011】したがって、磁気検出素子6の出力信号の
なかに占める正規磁束9による信号成分比率が小さくな
って、出力信号全体のS/Nが低下して、磁束9の磁束
強度Φにおける微細な変化を正確に検出できない。した
がって、鋼板1の変態率の測定精度が低下する。
【0012】このような不都合を解消するためには、磁
気検出素子6と鋼板1との間の距離d2 を短く設定し
て、磁気検出素子6に交差する磁束9の数を多くすれば
よいが、鋼板1は振動しながらかなりの速度で移動して
いるので、過度に磁気検出素子6を接近させると、接触
事故等が発生する懸念がある。また、鋼板1の温度が高
い場合は、過度に接近させると、磁気検出素子6の磁気
検出特性が変化したり、検出信号の信号レベルが変動す
る懸念がある。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、検査対象の金属板を挟んで磁化器の一対の
磁極と一対の磁気センサとを互いに対向させて配置する
ことによって、外部の浮遊磁束に起因する雑音成分を相
殺でき、金属板を貫通した磁束の強度を正確に検出で
き、変態率の測定精度を大幅に向上できる変態率測定方
法及びその装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明の変態率測定方法によれば、検査対象の金属板
の一方面に近接してこの金属板を磁化する磁束を発生す
る磁化器を一対の磁極が金属板に対向するように配設
し、金属板を挟んで各磁極の各対向位置でかつ各磁気感
応方向が金属板に直交する方向に一対の磁気センサを配
設し、この一対の磁気センサにて検出された金属板を貫
通した各磁束相互間の減算磁束を求め、この減算磁束値
でもって金属板の変態率を測定する。
【0015】また、本発明の変態率測定装置は、検査対
象の金属板の一方面に一対の磁極が対向するように配設
され、金属板を磁化する磁束を発生する磁化器と、金属
板を挟んで各磁極の各対向位置でかつ各磁気感応方向が
金属板に直交する方向に配設され、金属板を貫通した磁
束を検出する一対の磁気センサと、この一対の磁気セン
サの各検出信号を減算する減算回路と、減算回路にて得
られた減算磁束値に基づいて金属板の変態率を求める信
号処理部とを備えたものである。
【0016】
【作用】このように構成された変態率測定方法及びその
装置の動作原理を図2を用いて説明する。
【0017】図2において、磁化器10の各磁極10
a,10bは検査対象の金属板12の一方面に対向して
いる。そして、金属板11を挟んだ各磁極10a,10
bの対向位置には一対の磁気センサ13a,13bが配
設されている。各磁気センサ13a,13bの磁気感応
方向は図中Y方向で示す金属板11と直交する方向に設
定されている。そして、例えば磁化器10の一方の磁極
10aから出力された磁束の大部分は金属板11内を経
由して他方の磁極10bに入力される。しかし、磁化器
10の磁極10aから出力された磁束の一部は金属板1
1を貫通する。金属板11を貫通した磁束14は金属板
11の反対側の空間を経由して、再度金属板11を逆方
向に貫通して他方の磁極10bに入力する。
【0018】各磁気センサ13a,13bは金属板11
を貫通した磁束14のY方向成分の磁束強度Φa,Φb
を検出する。この変態率測定装置の周囲の機器から出力
される浮遊磁束が存在すると、この浮遊磁束の前記Y方
向の磁束強度Φnが各磁気センサ13a,13bにて検
出される。したがって、各磁気センサ13a,13bで
検出される各Y方向の磁束強度ΦA ,ΦB は下記のよう
になる。 ΦA =Φa+Φn ΦB =Φb+Φn したがって、各磁気センサ13a,13bで検出された
各磁束強度ΦA ,ΦBの磁束強度差ΔΦを算出すると浮
遊磁束強度Φnは相殺される。 ΔΦ=Φa−Φb
【0019】各磁気センサ13a,13bは磁化器10
の各磁極10a,10bの対向位置に配設されているの
で、磁束14の磁束強度Φa,Φbは値が等しくて極性
が互いに逆となる(Φb=−Φa)。よって、各磁気セ
ンサ13a,13bで検出された磁束強度ΦA ,ΦB
磁束強度差ΔΦを算出することによって、浮遊磁束が含
まれない正しい磁束強度を測定できる。 ΔΦ=Φa−Φb=Φa−(−Φa)=2Φa このように、各磁気センサにて検出された浮遊磁束を相
殺できるので、高いS/Nでもって金属板の変態率を測
定できる。
【0020】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。図1は実施例の変態率測定方法を適用した変態率測
定装置の概略構成を示す模式図である。なお、この実施
例の変態率測定装置は製鉄工場における熱処理ラインに
組込まれ、高速で連続移動される鋼板の変態率を測定す
るために用いる。
【0021】磁化電源21は一定周波数f1 を有した交
流の励磁電流Iを出力する。磁化電源21から出力され
た励磁電流Iは磁化器22の磁化鉄心23に巻装された
励磁コイル24に印加される。この磁化器22は、略コ
字型形状を有した磁化鉄心23の各磁極23a,23b
が検査対象の金属板としての鋼板25の下面に距離La
(リフトオフ)だけ離れて対向するように配設されてい
る。なお、鋼板25は紙面に対して直交する方向に搬送
される。
【0022】鋼板25の上面に距離Lbだけ離れた位置
で、かつ磁化器22の各磁極23a,23bに対抗する
位置に同一構成の一対の磁気センサ26a,26bが配
設されている。各磁気センサ26a,26bの各出力信
号a1 ,a2 はそれぞれ磁気検出回路27a,27bへ
入力される。各磁気センサ26a,26bの各出力信号
1 ,a2 は磁気検出回路27a,27bにて各磁気セ
ンサ26a,26bに交差する各磁束の強度ΦA ,ΦB
に対応した検出信号b1 ,b2 に変換される。各磁気検
出回路27a,27bから出力された各検出信号b1
2 は次の差動増幅器28へ入力される。この差動増幅
器28は各検出信号b1 ,b2 の差信号cを検出して次
の信号処理部29へ送出する。
【0023】信号処理部29は例えば増幅器と記録計と
で構成されており、入力された差信号cに含まれる磁束
強度ΔΦから予め実験的に求められている校正曲線を用
いて、変態率Aを求めて記録計に出力する。記録計は変
態率Aの経時変化を記録する。
【0024】前記磁気センサ26a,26bとして特開
平1−308982号公報に記載された過飽和型の磁気
センサを採用している。すなわち、この磁気センサ26
a,26bにおいては、強磁性体材料で形成された棒状
コア30a,30bに検出コイル31a,31bが巻装
されている。また、この検出コイル26a,26bにそ
れぞれ同一構成の各高周波電源32a,32bから抵抗
33a,33bを介して高周波励磁電流が継続して流さ
れている。各棒状コア30a,30bは過飽和域まで励
磁された状態である。したがって、各検出コイル31
a,31bの両端の出力電圧波形の振幅値は一定とな
る。
【0025】このような過飽和に励磁された棒状コア3
0a,30bに外部磁束が接近すると、前記両端電圧波
形の振幅値は変化しないが、正負の各波高値Va,−V
bが変化する。そこで、前記磁気検出回路27a,27
b内において、この各波高値Va,−Vbを検波器で検
波して直流に変換して、加算器で加算することによっ
て、差電圧(Va−Vb)を求める。すなわち、この差
電圧(Va−Vb)がこの磁気センサ26a,26bに
加えられた外部磁束に対応する。よって、各磁気検出回
路27a,27bからそれぞれの磁気センサ26a,2
6bに印加された各磁束の磁束強度ΦA ,ΦB に対応し
た検出信号b1 ,b2 が出力される。なお、この磁気セ
ンサ26a,26bにおける各磁気検出回路27a,2
7bから出力される各検出信号b1 ,b2 の周波数応答
性能は前記励磁電流Iの周波数f1より十分高い。した
がって、差動増幅器28から出力される差信号cは各磁
束強度ΦA ,ΦBの差の磁束強度ΔΦを示す。 ΔΦ=ΦA −ΦB
【0026】このように構成された変態率測定装置にお
いて、磁化電源21を起動すると、磁化器22によって
鋼板25が磁化される。そして、例えば一方の磁極23
aから出力された磁束の大部分は鋼板25内を経由して
た他方の磁極23bに入力するが、一部の磁束は鋼板2
5を貫通して、鋼板25の磁気センサ26a,26b側
の空間を経由して再度鋼板25を逆方向に貫通して他方
の磁極23bへ入力される。
【0027】そして、各磁気センサ26a,26bの磁
気感応方向は鋼板25に直交しているので、各磁気セン
サ26a,26bは、鋼板25を貫通した磁束の鋼板2
5に直交する方向の各強度Φa,Φbおよび周囲の電気
機器から出力される浮遊磁束のうちの鋼板25に直交す
る方向の磁束強度Φnを検出する。よって、前述したよ
うに、各磁気センサ26a,26bにて検出される磁束
強度ΦA ,ΦB は下記のようになる。 ΦA =Φa+Φn ΦB =Φb+Φn
【0028】よって、差動増幅器28にて得られる磁束
強度差(減算磁束)ΔΦ(=Φa−Φb)から浮遊磁束
強度Φnの成分を除去できる。また、各磁気センサ26
a,26bは磁化器22の各磁極23a,23bの対向
位置に配設されているので、磁束強度Φa,Φbは値が
等しくて極性が互いに逆となる(Φb=−Φa)。よっ
て、各磁気センサ26a,26bで検出された磁束
ΦA ,ΦB の磁束強度差ΔΦを算出することによって、
浮遊磁束が含まれない正しい磁束強度を測定できる。 ΔΦ=Φa−Φb=2Φa
【0029】したがって、この磁束強度差ΔΦが鋼板2
5の変態率Aに対応した値となる。信号処理部29はこ
の磁束強度差ΔΦから校正曲線を用いて変換された変態
率Aの時間変換を記録する。
【0030】図3は、0〜100%の既知の変態率Aを
有する多数の試験用鋼板に対して実施例装置で変態率測
定した場合における差動増幅器27の磁束強度差ΔΦに
対応する差信号cの出力レベル(mV)と前記変態Aと
の関係を特性図である。但し、試験用鋼板の厚さTは
5.6mmであり、各磁極23a,23bから各磁気セン
サ26a,26bまでの距離Bは500mmであり、磁化
器22の磁化周波数f1は10Hzに設定している。ま
た、高周波電源32a,32bから出力される高周波信
号の平均電圧em は3mVである。そして、図中実線で
示す特性はリフトオフLaが100mmの条件下の特性で
あり、破線で示す特性はリフトオフLaが100mm条件
下の特性であである。したがって、この図3の特性が校
正特性となる。
【0031】図3の特性に示すように、変態率が0〜1
00%の変化範囲に対して出力電圧は83〜240mV
と非常に広い測定レンジが得られた。したがって、磁気
センサ26a,26bと鋼板25との間の距離Lbを、
たとえ大きく設定しても十分高い検出レベルを確保でき
る。また、リフトオフLaが100〜125mm(25
%)も変化したとしても、出力信号レベルは変態率Aに
換算して5%未満であり、非常に良好な値が得られた。
また、図3のグラフには示していないが、前述したよう
に浮遊磁束の成分が除されているるので、高い繰返し測
定精度を確保できた。
【0032】図4において、磁化器22の励磁コイル2
4に印加する励磁電流Iの励磁周波数f1 を0Hz(直
流)から240Hzまで変化させた場合における実施例装
置の差動増幅器28の出力レベル変化と、実施例の過飽
和型の磁気センサ26a,26bの代りに、過飽和型磁
気センサでない従来の通常のサーチコイル型磁気センサ
を用いた場合の出力レベル変化との比較を示す。なお、
従来のサーチコイル型磁気センサは、フェライトコアに
コイルを巻装して、外部磁界によってサーチコイルに発
生する誘起電圧を検出する磁気センサである。サーチコ
イル型磁気センサは、図4に示すように、検出感度が測
定磁束の周波数に大きく依存し、約220Hz以下の周波数
では、過飽和型磁気センサより大きく低下する。なお、
このサーチコイル型磁気センサにおけるコイル巻数は15
00回である。
【0033】これに対して、本実施例の過飽型磁気セン
サの検出感度は巻数に依存せず、この従来のサーチコイ
ル型磁気センサより遥かに少ないコイル巻数(この実施
例では200 回)で済む。
【0034】一般に励磁周波数f1 は検査目的や鋼板2
5の厚みTに応じて最適周波数に設定される。そして、
検査目的が変態率測定であり、鋼板25の厚みTが1〜
10mmの範囲においては、励磁周波数f1 は数Hz 〜数
十Hz の範囲に設定される場合が多い。そこで、図4の
周波数特性図に示すように、磁気センサ26a,26b
に過飽和型磁気センサを用いることによって、広い周波
数範囲で一定した出力信号レベルが得られる。図5は本
発明の他の実施例に係わる変態率測定装置の概略構成図
である。図1の実施例と同一部分には同一符号が付して
ある。
【0035】この実施例においては、磁化器22の各磁
極23a,23bにそれぞれ対向して配設された各磁気
センサ34a,34bの各棒状コア35a,35bにそ
れぞれ検出コイル36a,36bが巻装されている。な
お、各検出コイル36a,36bの巻回方向は同一方向
である。そして、高周波電源32から出力される高周波
信号は抵抗33を介して一方の磁気センサ34aの検出
コイル36aの巻始端子Stに印加される。検出コイル
36aの巻終端子Enは他方の磁気センサ36bの検出
コイル34bのの検出コイル36bの巻終端子Enに接
続されている。そして、検出コイル36bの巻始端子S
tは接地されている。
【0036】磁気センサ34aの巻始端子Stから取出
される出力信号aは磁気検出回路27へ入力される。磁
気検出回路27は出力信号aから磁束強度を検出して次
の信号処理部29へ送出する。
【0037】このような構成の変態率測定装置におい
て、各磁気センサ34a,34bは外部磁界に対して互
いに逆方向に信号レベルがシフトするように作用する。
したがって、各磁気センサ34a,34bで検出された
浮遊磁束強度Φnは互いに逆極性となる。よって、直列
接続された磁気センサ34a,34bの出力信号a内に
おいては浮遊磁束強度Φnは互いに相殺される。また、
磁化器22から鋼板25を貫通した磁束は互いに逆方向
に各磁気センサ36a,36bに作用するので、出力信
号aには各磁束の加算強度2Φaの情報が含まれる。
【0038】したがって、この実施例においては、各磁
気センサ34a,34bの各検出コイル36a,36b
との間の配線が減算回路を構成する。よって、図1の差
動増幅器28を除去して、磁気検出回路27の出力信号
gを直接信号処理部29へ印加することが可能となる。
【0039】したがって、図1の実施例とほぼ同様の効
果を得ることができる。さらに、この実施例において
は、図1の実施例に比較して、高周波電源32を1台で
実施でき、かつ差動増幅器28を除去できるので、装置
全体を小型軽量に、かつ低い製造費で製造できる。
【0040】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。実施例装置においては、磁気センサ2
6として温度特性や検出感度特性が優れている過飽和型
の磁気センサを用いたが、例えば温度保証回路が附加さ
れたホール素子を用いた半導体磁気センサであってもよ
い。また、検出感度は小さいか通常のサーチコイル型の
磁気センサを用いても本願発明の効果は十分達成でき
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の変態率測定
方法および変態率測定装置によれば、検査対象の金属板
を挟んで磁化器の一対の磁極と一対の磁気センサとを互
いに対向させて配置している。したがって、各磁気セン
サの各出力の差を取ることによって、外部の浮遊磁束に
起因する雑音成分を相殺できる。また、金属板を貫通し
た磁束は各磁気センサに互いに逆方向に作用するので、
差を取ることによって、金属板を貫通した磁束を2倍の
感度で検出できる。よって、金属板を貫通した磁束の強
度を高いS/Nでもって正確に検出できるので、結果と
して金属板の変態率をより精度よく測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる変態率測定方法を
適用した変態率測定装置の概略構成を示す模式図、
【図2】 本発明の動作原理を示す図、
【図3】 実施例装置にて測定されたサンプル鋼板の変
態率と出力電圧レベルとの関係を示す図、
【図4】 実施例装置に採用される異なる種類の磁気セ
ンサの周波数特性を示す図、
【図5】 本発明の他の実施例に係わる変態率測定装置
の概略構成を示す模式図、
【図6】 従来の変態率測定装置の概略構成を示す模式
図。
【符号の説明】
21…磁化電源、22…磁化器、23…磁化鉄心、23
a,23b…磁極、24…励磁コイル、25…鋼板、2
6a,26b,34a,34b…磁気センサ、27,2
7a,27b…磁気検出回路、28…差動増幅器、29
…信号処理部、32,32a,32b…高周波電源。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象の金属板の一方面に近接してこ
    の金属板を磁化する磁束を発生する磁化器を一対の磁極
    が前記金属板に対向するように配設し、前記金属板を挟
    んで前記各磁極の各対向位置でかつ各磁気感応方向が前
    記金属板に直交する方向に一対の磁気センサを配設し、
    この一対の磁気センサにて検出された前記金属板を貫通
    した各磁束相互間の減算磁束を求め、この減算磁束値で
    もって前記金属板の変態率を測定する変態率測定方法。
  2. 【請求項2】 検査対象の金属板の一方面に一対の磁極
    が対向するように配設され、前記金属板を磁化する磁束
    を発生する磁化器と、前記金属板を挟んで前記各磁極の
    各対向位置でかつ各磁気感応方向が前記金属板に直交す
    る方向に配設され、前記金属板を貫通した磁束を検出す
    る一対の磁気センサと、この一対の磁気センサの各検出
    信号を減算する減算回路と、減算回路にて得られた減算
    磁束値に基づいて前記金属板の変態率を求める信号処理
    部とを備えた変態率測定装置。
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