JP2617605B2 - 磁気測定装置及び磁気探傷装置の診断方法 - Google Patents

磁気測定装置及び磁気探傷装置の診断方法

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JP2617605B2 JP11528590A JP11528590A JP2617605B2 JP 2617605 B2 JP2617605 B2 JP 2617605B2 JP 11528590 A JP11528590 A JP 11528590A JP 11528590 A JP11528590 A JP 11528590A JP 2617605 B2 JP2617605 B2 JP 2617605B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁束を飽和型の磁気センサでもって検出する
磁気測定装置の診断方法、およびこの磁気測定装置が組
込まれ磁気探傷装置の診断方法に関する。
[従来の技術] 磁気を利用して、走行中の帯状形状を有する鋼板の内
部あるいは表面に存在する疵,ピンホール等の欠陥を連
続的に検出する磁気探傷装置として例えば第6図のよう
な装置が提唱されている(実開昭63−107849号公報)。
第6図(a)(b)はそれぞれ異なる方向から見た磁
気探傷装置の断面模式図である。非磁性材料で形成され
た中空ロール1の中心軸に固定軸2の一端が貫通されて
おり、この固定軸2の他端は図示しない建屋のフレーム
に固定されている。そして、固定軸2は中空ロール1の
中心軸に位置するように一対のころがり軸受3a,3bでも
って中空ロール1の両端の内周面に支持されている。し
たがって、この中空ロール1は固定軸2を回転中心軸と
して自由に回転する。
この中空ロール1内において、略コ字断面形状を有し
た磁化鉄心4が、その各自由端に形成された磁極4a,4b
が中空ロール1の内周面に近接する姿勢で、支持部材5
を介して固定軸2に固定されている。そして、この磁化
鉄心4に磁化コイル6が巻装されている。磁化鉄心4の
磁極4a,4bの間に複数の磁気センサ7が軸方向に配列さ
れている。そして、各磁気センサ7は前記固定軸2に固
定されている。
磁化コイル6に励磁電流を供給するための電源ケーブ
ル8および各磁気センサ7から出力される各検出信号を
取出すための信号ケーブル9が固定軸2内を経由して外
部へ導出されている。したがって、磁化鉄心4および各
磁気センサ7の位置は固定され、中空ロール1が磁化鉄
心4および各磁気センサ7の外周を微小間隙を有して回
転する。
このような構成の磁気探傷装置の中空ロール1の外周
面を例えば矢印A方向に走行状態の鋼板10の一方面に所
定圧力でもって押し当てると、固定軸2はフレームに固
定されているので、中空ロール1が矢印方向に回転す
る。
そして、励磁コイル6に励磁電流を供給すると、磁化
鉄心4と走行中の鋼板10とで閉じた磁路が形成される。
よって、磁化鉄心4および磁化コイル6は鋼板10を磁化
する磁化器を構成する。鋼板10の内部あるは表面に前述
した欠陥が存在すると、欠陥部分の磁気抵抗が増加し
て、漏洩磁束が生じる。この漏洩磁束が該当位置の磁気
センサ7でもって欠陥信号として検出される。
検出された欠陥信号はその信号レベルが鋼板10内部ま
たは表面の欠陥の大きさと対応するので、欠陥信号の信
号レベル変化で鋼板10の内部または表面に存在する欠陥
の幅方向の発生位置とその規模が把握できる。
このような鋼板の内部または表面に存在する欠陥の規
模を線状に配設された各磁気センサ7で検出された漏洩
磁束の強度で判定している。したがって、各磁気センサ
7の感度を全部の磁気センサ7に亘って均一になるよう
に調整する必要がある。また、他の磁気探傷装置の各磁
気センサ7との間における感度も一致させる必要があ
る。また、経時的な感度の変化に対しては定期的に調整
する必要がある。さらに、検出量と欠陥規模の絶対値と
の対応も把握しておく必要がある。
このため、従来は、第7図に示すように、それぞれ規
模の異なる線状の人工欠陥11を有した標準欠陥試料12を
鋼板10と同一材料で複数枚作成し、作成された各標準欠
陥試料12を磁気探傷装置の中空ロール1上を移動させ
て、その時に人口欠陥11に起因する各磁気センサ7の欠
陥信号の信号レベルを測定していた。
また、上記標準欠陥試料12の代りに、同じく第7図に
示すように、予め既知の磁界強度を有する柱状の基準電
磁石13を、全部の磁気センサ7を一度に覆うように磁気
探傷装置上に載置して、この基準電磁石13で強制的に欠
陥に相当する擬似漏洩磁束を発生させて、この擬似漏洩
磁束に起因する各磁気センサ7の欠陥信号の信号レベル
を測定していた。
[発明が解決しようとする課題] しかし、標準欠陥試料12を用いて各磁気センサ7の動
作を調べる診断方法においては、標準欠陥試料12に形成
した人口欠陥11の刻設精度が問題となる。すなわち、例
えば1mを超す幅方向に亘って、例えば0.5mmや0.2mm等の
溝深や溝幅を有する均一な人口欠陥11を作成することは
非常に困難である。また、たとえ精度良い人口欠陥11の
標準欠陥試料12が製造できたとしても、鋼板10と同一材
料で形成されているので、腐食や取扱い上の不注意によ
る損傷や劣化等の経時変化が発生し、長期間に亘って同
一欠陥規模状態を維持することは困難である。
また、基準電磁石13を用いる診断方法においては、基
準電磁石13が形成する磁界による磁束が全部の磁気セン
サ7に対して同一条件でかつ均一に分布される必要があ
る。しかし、各磁気センサ7から得られる検出信号は、
各磁気センサ7と基準電磁石13との相対位置関係に大き
く依存するので、基準電磁石13の磁気探傷装置に対する
位置決め作業を細心の注意を払って行う必要がある。し
たがって、1回目の診断作業に多大の時間と労力が必要
となるで、磁気探傷装置の診断作業の作業能率が大幅に
低下する問題があった。
なお、鋼板の欠陥を漏洩磁束でもって検出する磁気探
傷装置について説明したが、特に欠陥検出に限らなく、
一般の磁界強度を測定する磁気測定装置においても上述
した問題が存在する。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであ
り、飽和型の各磁気センサの検出コイルに流す交流励磁
電流にバイアス電流を加算することによって、磁気セン
サの出力信号に磁気センサに交差する磁束密度に対応す
る信号レベル変化量を検出でき、結果として、短時間で
かつ容易に磁気センサの動作の確認ができ、診断作業能
率を大幅に向上できる磁気測定装置の診断方法およびこ
の磁気測定装置が組込まれた磁気探傷装置の診断方法を
提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解消するするために第1の発明は、強磁性
体のコアに検出コイルを巻装してなる磁気センサを測定
磁界に近接させ、交流励磁電流を固定インピーダンスを
介して磁気センサのコイルに印加してコアを飽和域まで
磁化して、磁気センサの検出コイルの両端に発生する電
圧の正負のピーク値をそれぞれ検出し、この検出された
正負のピーク値を加算し、この加算値で測定磁界の磁束
密度を検出する磁気測定装置に適用される診断方法であ
って、 交流励磁電流に標準磁束密度に対応したバイアス電流を
加算して、加算値に所定の変化が生じることを確認する
ようにしたものである。
また、第2の発明は、上記第1の発明を複数の磁気セ
ンサを用いた磁気測定装置に適用したものである。
さらに、第3の発明は、上述した第1の発明をこの磁
気測定装置が組込まれた磁気探傷装置に適用したもので
ある。すなわち、磁化器でもって鋼板に磁界を交差さ
せ、強磁性体のコアに検出コイルを巻装してなる磁気セ
ンサを鋼板に近接させ、交流励磁電流を固定インピーダ
ンスを介して磁気センサのコイルに印加してコアを飽和
域まで磁化して、各磁気センサの検出コイルの両端に発
生する電圧の正負のピーク値をそれぞれ検出し、この検
出された正負のピーク値を加算し、この加算値で鋼板の
欠陥に起因して生じる漏洩磁束の密度を検出する磁気探
傷装置に適用される診断方法であって、 交流励磁電流に標準欠陥に起因する漏洩磁束密度に対
応したバイアス電流を加算して、加算値に所定の変化が
生じることを確認するようにしたものである。
さらに、第4の発明は、上記第3の発明を複数の磁気
センサを用いた磁気探傷装置に適用したものである。
[作用] まず、この診断方法が適用される磁気測定装置の動作
原理を説明する。すなわち、磁気センサを構成する検出
コイルには交流励磁電流が常時通流されている。そし
て、コアは常時飽和域まで磁化されている。したがっ
て、この磁気センサは飽和型の磁気センサとなり、出力
信号の振幅は飽和磁界で定まる所定振幅値を有する。そ
して、磁気センサに外部磁界の磁束が交差すると、この
磁束が前記飽和磁界に加算されるので、前記出力信号波
形が上方または下方にシフトされる。よって、この出力
信号波形のシフト量(信号レベル変化量)を、前述した
ように、磁気センサの検出コイルの両端に発生する電圧
の正負のピーク値をそれぞれ検出し、この検出された正
負のピーク値を加算し、この加算値でもって磁束密度を
評価できる。
このような磁気測定装置において、検出コイルに流す
交流励磁電流にバイアス電流を加算すると、検出コイル
に流れる励磁電流はバイアス成分に交流信号成分が重畳
した波形となる。したがって、コアには、前記交流励磁
電流の磁界にバイアス電流の磁界が加算されるので、こ
の磁気センサの出力信号波形がバイアス電流分だけ一方
にシフトする。このシフト量(信号レベル変化量)は前
記外部磁界に起因する信号レベル量と対応する。よっ
て、予め磁界強度とバイアス電流値との関係を把握して
おけば、バイアス電流を擬似磁界として利用できる。
なお、複数の磁気センサが組込まれている磁気測定装
置の診断方法においては、各磁気センサの各信号レベル
変化量の値の他に、各信号レベル変化量が一致すること
を確認すればよい。
次に、この磁気測定装置が組込まれた磁気探傷装置に
おいては、鋼板に欠陥が存在すると、欠陥の規模に対応
した漏洩磁束が生じる。そして、この漏洩磁束が前記磁
気センサに交差する。
したがって、欠陥規模とバイアス電流値との関係を把
握しておけば、バイアス電流を擬似欠陥として利用でき
る。すなわち、磁気センサに通流する交流励磁電流に既
知規模の欠陥に起因する漏洩磁束密度に対応したバイア
ス電流を加算して、磁気センサの出力信号に所定の信号
レベル変化が生じることを確認すればよい。
なお、複数の磁気センサが組込まれている磁気探傷装
置の診断方法においては、各磁気センサの出力信号にそ
れぞれ所定の信号レベル変化が生じることを確認すれば
よいことは言うまでもない。
[実施例] 以下本発明の一実施例の診断方法を図面を用いて説明
する。なお、この実施例においては、複数の磁気センサ
を用いた磁気測定装置が組込まれた磁気探傷装置に対し
てこの診断方法を適用した場合につてい説明する。
第1図は実施例の診断方法を適用した磁気探傷装置の
制御回路構成を示すブロック図である。なお、制御回路
以外の機械的構成は第6図に示した従来の磁気探傷装置
とほぼ同一であるので重複する部分の詳細説明を省略す
る。
図中21は矩形波発生回路であり、この矩形波発生回路
12は、交流励磁電流としての、周波数fを有する高周波
矩形波信号e1を出力する。矩形波発生回路21から出力さ
れた高周波矩形波信号e1は次の微分回路22で微分され、
周期1/fを有したトリガ状の高周波パルス信号e2に波形
変換されて加算器23の一方端へ入力される。この加算器
23の他方端には、直流バイアス回路24から直流バイアス
電圧Ebが入力される。加算回路23はパルス信号e2と直流
バイアス電圧Ebとを波形合成する。加算器24の出力信
号、すなわち各磁気センサ71,72,…,7Nに対する励磁信
号e3は増幅器25で増幅されたのちインピーダンス素子と
しての抵抗26およびマルチプレクサ27へ入力される。マ
ルチプレクサ27は、外部制御回路28から送出される同期
信号に同期して、抵抗26を介して入力された前記励磁信
号e3を各磁気センサ71,72,…,7Nへ順次印加していく。
各磁気センサ71〜7Nは図示するように棒状のコア29に
検出コイル30を巻装して形成されている。そして、検出
コイル30の一端は接地され、他端がマルチプレクサ27を
介して前記抵抗26に接続されている。
マルチプレクサ27を介した前記抵抗26との接続点31か
ら取出される各磁気センサ71〜7Nの出力信号e0はレベル
変動検出回路32へ入力される。このレベル変動検出回路
32から出力された直流のレベル変化量VLは例えばオシロ
スコープ等の表示装置33に欠陥の大きさに変換されて表
示される。また、この表示装置33には前記外部制御回路
28から同期信号が入力される。
前記レベル変動検出回路32は入力された各磁気センサ
71〜7Nの出力信号e0における信号波形の0電位以上の波
高値Vaを検波する正極性検波器34aと、同じく出力信号e
0の信号波形の0電位以下の波高値−Vbを検波する負極
性検波器34bと、各検波器34a,34bから出力された直流の
検波値Va,−Vbを加算してレベル変化値VL[=Va+(−V
b)]を算出する加算器35とで構成されている。
また、外部制御部28はマルチプレクサ27,各検波器34
a,34b、および表示器33へ同期信号を送出して、マルチ
プレクサ27による各磁気センサ71〜7Nの切換タイミング
に同期して各検波器34a,34bの検波値(ホールド値)を
クリアし、かつ表示装置33に表示されているレベル変動
量に対応する欠陥の大きさの表示位置を移動させる。
また、磁化器を構成する磁化コイル6には励磁電源36
から常時励磁電流が供給されている。
次に、このように構成された磁気探傷装置の診断方法
の動作説明を行う。
まず、直流バイアス回路24から出力される直流バイア
ス電圧Ebが0の場合(Eb=0)、微分回路22から出力さ
れた交流励磁電流としての高周波パルス信号e2はそのま
ま励磁信号e3としてマルチプレクサ27にて選択された1
個の磁気センサ7の検出コイル30に供給される。なお、
励磁信号e3の電流値は検出コイル30が巻装されたコア29
が飽和域まで磁化される値である。
したがって、鋼板10に欠陥が発生していない状態にお
いては、磁気センサ7のコア29bは前記高周波の励磁信
号e3にて交互に所定値まで磁化されるので、前記接続点
31から出力される出力信号e0は、第2図の左側波形に示
すように、0電位を中心に正極側波高値Vaと負極側波高
値Vbとが互いに等しくなる出力信号e0Aとなる。よっ
て、この出力信号e0Aを正極性検波器34aおよび負極性検
波器34bとでそれぞれ検波して各波高値Va,−Vbを検波し
て加算器35で加算したレベル変化量VLは0となる。
次に、直流バイアス回路24か直流バイアス電圧Eb(電
流Ib)が出力された場合(Eb≠0)、微分回路22から出
力された高周波パルス信号e2は加算器23にて直流バイア
ス電圧Ebが加算される。その結果、加算器23から出力さ
れる励磁信号e3の信号波形は直流バイアス電圧Ebに前記
高周波パルス信号e2が重畳した波形となる。よって、マ
ルチプレクサ27にて選択されている磁気センサ7の検出
コイル30に通流する励磁電流は直流成分に高周波パルス
信号成分が重畳した波形となる。したがって、コア29に
は前記交流励磁電流の交流磁界に前記直流バイアス電圧
Ebに対応する直流バイアス電流Ibによる直流磁界が加算
される。したがって、この磁気センサ7の出力信号e0B
の信号波形は第2図の右側に示したように一方方向へシ
フトする。そこで、一対の検波器で直流変換して、加算
器35で加算して得られるレベル変化量VLは0ではなく、
直流バイアス電流値Ib(直流バイアス電圧Eb)で定まる
一定値[Va+(−Vb)]となる。したがって、この信号
レベル変化量VL[=Va+(−Vb)]を測定することによ
って、直流バイアス電流Ibを間接的に測定できる。
直流バイアス電流Ibと磁気センサ7の周囲に発生する
磁界強度とは直線関係で1対1に対応する。また、漏洩
磁束の磁束密度は欠陥の規模に対応する。よって、予め
欠陥規模と直流バイアス電流Ibとの関係を把握しておけ
ば、直流バイアス電流Ibを印加すれば、その電流Ibに相
当する規模の欠陥が存在したと見なせる。したがって、
直流バイアス電流Ibを印加した状態で所定の信号レベル
変化量VLが得られれば、該当磁気センサ7は正常である
と評価できる。
具体的には、外部制御回路28からの同期信号でもって
マルチプレクサ27を駆動して、各磁気センサ71〜7Nの出
力信号e0をレベル変動検出回路32で順次解析して、各磁
気センサ71〜7Nのレベル変化量VL1〜VLNを表示装置33へ
グラフまたは一覧表の形式で表示させる。
したがって、操作者は直流バイアス電源24を操作して
一定の直流バイアス電流Ibを出力させて、表示装置33に
表示されるレベル変化量VL1〜VLNを監視して、異常なレ
ベル変化量VLが存在すれば、該当磁気センサ7に故障ま
たは利得調整不良が生じていると判断できる。
第3図はこの実施例に用いた磁気センサ7の磁気検出
感度特性図である。すなわち、磁気センサ7の近傍に別
途磁束測定装置を配設して、励磁電源36を制御して磁化
鉄心4の磁極4a,4b近傍に発生する外部磁界の磁束密度
を順次変化させていった場合の前記磁束測定装置で測定
された磁束密度(ガウス)とレベル変動検出回路32から
得られる信号レベル変化量VLとの関係を実験的に求め
た。さらに、直流バイアス電流Ibの値をIb=0,5mA,10m
A,20mAの4水準に変化させた場合における出力電圧(信
号レベル変化量VL)の変化を調べた。
この実験結果からも明らかなように直流バイアス電流
Ibを変化させると、出力電圧特性が上下に平行移動す
る。すなわち、直流バイアス電流Ibを変化させれば、印
加磁界が変化したことと等価になることが理解できる。
したがって、各磁気センサ7が正常であるか否かを、
直流バイアス回路24を駆動することによって各磁気セン
サ7における欠陥が存在したと見なせる出力信号の値か
ら即座に把握できる。このように、直流バイアス電流Ib
を印加することは欠陥によって漏洩磁束が発生したと見
なせるので、別途専用の標準欠陥試料や標準電磁石を用
いる必要がない。したがって、従来の手法に比較して、
診断作業の作業能率を格段に上昇できる。
また、電気信号を欠陥と見なして信号処理が行われる
ので、診断精度を大幅に向上できる。
さらに、操作者がマニアル操作で標準欠陥試料や標準
電磁石の取付け、取外しを行う必要がないので、上述し
た診断処理業務をマイクロコンピュータ等を用いて自動
的に実行させることが可能となる。よって、より簡単に
診断を実行できる。
第4図は本発明の他の実施例の診断方法を適用した磁
気探傷装置の要部を取出して示すブロック図である。な
お、第1図と同一部分には同一符号を付して重複部分の
説明を省略する。
この実施例においては、第1図の直流バイアス回路24
の代りにに、低周波の正弦波形状を有した交流バイアス
信号ebを出力する低周波発振回路24aを用いている。す
なわち、この実施例においては、加算器23において微分
回路22から出力されるパルス信号e2に交流バイアス信号
ebが波形合成される。よって各磁気センサ7から出力さ
れる出力信号e0は、第5図の右側に示すように、前記交
流バイアス信号ebの波形にて振幅変調された波形とな
る。その結果、レベル変動検出回路32の出力信号は図示
するようにレベル変化量VLを振幅とする正弦波形状の信
号となる。したがって、このレベル変化量VLを評価する
ことによって、該当磁気センサ7の良否を評価できる。
よって、先の実施例とほぼ同様の効果を得ることができ
る。
さらに、この実施例においては、第5図に示すよう
に、レベル変化量VLをレベル変動検出回路32の出力信号
の振幅値で検出しているので、周囲温度変化等に起因す
る出力信号e0の零点変動等の影響を除去できる。よっ
て、別途温度補償回路を設けることなく診断精度をより
向上できる。
なお、本発明の診断方法は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例においては、磁気測定装置を
組込んだ磁気探傷装置に適用した場合を説明したが、漏
洩磁束以外の通常の磁界強度を測定する一般の磁気測定
装置にも適用できることは勿論である。
さらに、実施例診断方法が適用できる磁気測定装置お
よび磁気探傷装置の磁気センサの検出コイルに印加する
交流励磁電流として、高周波励磁信号を使用したが、例
えば直流磁界を測定する場合や、被測定体としての鋼板
の移動速度が低い場合には、発生する漏洩磁束波形の周
波数も低いので、前記交流励磁電流として低周波の励磁
電流を用いても十分高い診断精度を得ることができる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明の診断方法によれば、飽和
型の各磁気センサの検出コイルに流す交流励磁電流にバ
イアス電流を加算することによって、磁気センサに磁束
を擬似的に印加できる。したがって、磁気センサの出力
信号に磁束密度に対応する信号レベル変化量を検出で
き、結果として、短時間でかつ容易に磁気センサの動作
の確認ができ、診断作業能率を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の診断方法を適用した磁気探
傷装置の概略構成を示すブロック図、第2図は同実施例
方法の動作を示すタイムチャート、第3図は同実施例方
法に使用する磁気センサの検出感度特性図、第4図は本
発明の他の実施例の診断方法を適用した磁気探傷装置の
要部を取出して示すブロック図、第5図は同実施例方法
の動作を示すタイムチャート、第6図は一般的な磁気探
傷装置の構成を示す断面図、第7図は従来の診断方法を
示す図である。 4……磁化鉄心、6……磁化コイル、7……磁気セン
サ、10……鋼板、21……矩形波発生回路、22……微分回
路、23……加算器、24……直流バイアス回路、24a……
低周波発振器、26……抵抗、27……マルチプレクサ、29
……コア、30……検出コイル、32……レベル変動検出回
路、33……表示装置。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性体のコアに検出コイルを巻装してな
    る磁気センサを測定磁界に近接させ、交流励磁電流を固
    定インピーダンスを介して前記磁気センサのコイルに印
    加して前記コアを飽和域まで磁化して、前記磁気センサ
    の検出コイルの両端に発生する電圧の正負のピーク値を
    それぞれ検出し、この検出された正負のピーク値を加算
    し、この加算値で前記測定磁界の磁束密度を検出する磁
    気測定装置に適用される診断方法であって、 前記交流励磁電流に標準磁束密度に対応したバイアス電
    流を加算して、前記加算値に所定の変化が生じることを
    確認することを特徴とする磁気測定装置の診断方法。
  2. 【請求項2】強磁性体のコアに検出コイルを巻装してな
    る複数の磁気センサをそれぞれ測定磁界に近接させ、交
    流励磁電流を固定インピーダンスを介して前記各磁気セ
    ンサのコイルに印加して前記コアを飽和域まで磁化し
    て、前記各磁気センサの検出コイルの両端に発生する電
    圧の正負のピーク値をそれぞれ検出し、この検出された
    正負のピーク値を加算し、この各加算値で前記測定磁界
    の各磁束密度を検出する磁気測定装置に適用される診断
    方法であって、 前記交流励磁電流に標準磁束密度に対応したバイアス電
    流を加算して、前記各加算値にそれぞれ所定の変化が生
    じることを確認することを特徴とする磁気測定装置の診
    断方法。
  3. 【請求項3】磁化器でもって鋼板に磁界を交差させ、強
    磁性体のコアに検出コイルを巻装してなる磁気センサを
    前記鋼板に近接させ、交流励磁電流を固定インピーダン
    スを介して前記磁気センサのコイルに印加して前記コア
    を飽和域まで磁化して、前記各磁気センサの検出コイル
    の両端に発生する電圧の正負のピーク値をそれぞれ検出
    し、この検出された正負のピーク値を加算し、この加算
    値で前記鋼板の欠陥に起因して生じる漏洩磁束の密度を
    検出する磁気探傷装置に適用される診断方法であって、 前記交流励磁電流に標準欠陥に起因する漏洩磁束密度に
    対応したバイアス電流を加算して、前記加算値に所定の
    変化が生じることを確認することを特徴とする磁気探傷
    装置の診断方法。
  4. 【請求項4】磁化器でもって鋼板に磁界を交差させ、強
    磁性体のコアに検出コイルを巻装してなる複数の磁気セ
    ンサを前記鋼板に近接させ、交流励磁電流を固定インピ
    ーダンスを介して前記各磁気センサのコイルに印加して
    前記コアを飽和域まで磁化して、前記各磁気センサの検
    出コイルの両端に発生する電圧の正負のピーク値をそれ
    ぞれ検出し、この検出された正負のピーク値を加算し、
    この各加算値で前記鋼板の欠陥に起因して生じる各漏洩
    磁束の密度を検出する磁気探傷装置に適用される診断方
    法であって、 前記交流励磁電流に標準欠陥に起因する漏洩磁束密度に
    対応したバイアス電流を加算して、前記各加算値にそれ
    ぞれ所定の変化が生じることを確認することを特徴とす
    る磁気探傷装置の診断方法。
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