JPH074932Y2 - リボン案内装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、プリンタに使用されるリボン案内装置に関
する。

従来の技術 従来、第４図に示すように、プラテン50とサーマルヘツ
ド51とを保持する側板52に、回転軸53,54を回転自在に
支承するとともに案内軸55の一端を固定し、さらに、リ
ボン58の終端を検出する発光素子56と発光素子57とを対
向させて設け、リボン58を両端から巻回状態で保持する
一対のスプール59,60を有するリボンカセツト61を設
け、スプール59,60を回転軸53,54に嵌合することにより
リボンカセツト61を側板52に装着し、この装着時に、リ
ボン58を発光素子56と受光素子57との間に通し易くする
ために、これらの発光素子56と受光素子57との上流側と
下流側とに位置してリボン58の経路を直線状に維持する
複数のガイドローラ62,63をリボンカセツト61に設けた
ものがある。

考案が解決しようとする問題点 しかし、このようなものは、発光素子56と受光素子57と
の間にリボン58を通すためだけにリボンカセツト61に複
数のガイドローラ62,63を取付けなければならない。ま
た、回転軸53,54とスプール59,60との嵌合部には遊びが
あつて側板52とリボンカセツト61の側面とは必ずしも平
行ではなく、プラテン50とガイドローラ62,63とを平行
に維持することが困難である。このため、リボン58の幅
方向の全域をプラテン50に対して均一に接触させること
が困難となり、印字品質に影響を及ぼす問題が有る。

問題点を解決するための手段 少なくとも一方が駆動部に駆動される平行な二本の回転
軸の一端を回転自在に支承する側板を設け、リボンを両
端から巻回状態で保持してそれぞれ前記回転軸に嵌合さ
れる一対のスプールを有するリボンカセツトを設け、一
端が前記側板に保持されて前記リボンを供給側の前記ス
プールから印字部に案内する案内軸を設け、前記リボン
を間にして対向する発光素子と受光素子とを有してこの
案内軸の上流側の位置で一端が前記側板に固定された検
出器を設け、前記検出器の上流側の近傍に位置して前記
リボンに当接する回動支点と前記案内軸の下流側の近傍
に位置して前記リボンに当接する当接部とを有して前記
発光素子及び前記受光素子の間及び前記案内軸の外周に
前記リボンを直線状に導くリボンガイドを前記リボンカ
セツトに回動自在に設け、一端が前記側板に固定されて
前記回転軸と前記スプールとの嵌合時に前記リボンガイ
ドに当接してこのリボンガイドを前記リボンから退避さ
せる押圧体を設ける。

作 用 したがつて、リボンカセツトが側板に装着される前は、
リボンの一部の経路がリボンガイドの回動支点と当接部
とに支えられて直線状に定められ、したがつて、スプー
ルと回転軸との嵌合動作時に、リボンは手で経路を修正
することなく発光素子と受光素子との間及び案内軸の外
周に導かれる。これにより、側板へのリボンカセツトの
装着が容易となる。また、回動支点と当接部とを有する
一つのリボンガイドにより検出器と案内軸とに対するリ
ボンの位置決めを行いうるため、リボンカセツトの部品
点数を少なくし構造を簡略化することが可能となる。さ
らに、スプールと回転軸との嵌合動作時に、押圧体によ
りリボンガイドがリボンから退避されるため、側板に支
持されてプラテンに対する平行度の正確な案内軸により
リボンはプラテンに導かれ、これにより、リボンの幅方
向の全域をプラテンに均一に接触させることが可能とな
る。

実施例 この考案の一実施例を第１図ないし第３図に基づいて説
明する。１は側板で、この側板１には外周に複数の突条
２を有する二本の回転軸3,4が回転自在に支承されてい
る。一方の回転軸３は駆動部に連結されている。５はリ
ボンカセツトで、このリボンカセツト５は、複数の筒軸
６を有する二枚の支持板７を対向させ、これらの筒軸６
の内方端を接触させて螺子により結合し、これらの支持
板７にスプール8,9の両端を回転自在に装着し、一方の
スプール９に巻回されたリボン13の先端を他方のスプー
ル８に止着したものである。また、筒軸６は先端に向か
うに従い次第に細くなるようにテーパーが形成されてい
る。また、これらのスプール8,9は回転軸3,4に嵌合され
るもので、内周面には回転軸3,4の突条２に噛合される
複数の突条10が形成されている。

次いで、側板１には二本の案内軸11,12の一端が片持状
態で支持されているとともにリボン13を間にして対向す
る発光素子14と受光素子15とを有する検出器16の一端が
固定されている。そして、これらの案内軸11,12の自由
端側の端部には球状の拡開部17が一体的に形成されてい
る。また、支持板７の下部には案内軸12と検出器16とを
逃すための切欠18が形成されている。さらに、複数の軸
６の内の切欠18の近傍に位置する軸6aに回動自在に嵌合
された回動支点19とリボン13を当接する当接部20とを有
するリボンガイド21がリボンカセツト５に設けられてい
る。このリボンガイド21は軸6aに巻回された捻じりスプ
リング（図示せず）により反時計方向（下方向）へ付勢
されているが支持板７に形成されたストツパ（図示せ
ず）により定位置に位置決めされている。さらに、側板
１にはプラテン22とこのプラテン22に弾発的に接触する
サーマルヘツド23とが装着されているとともに、リボン
ガイド21の下面の一側を押圧する押圧体24の一端が固定
されている。この押圧体24は軸状のもので、その自由端
側にはテーパー25が形成されている。

このような構成において、リボンカセツト５を側板１に
装着する前は、巻取側のスプール８を手で巻取側に回転
することにより、スプール９から引き出されたリボン13
は第２図に示すように、テンシヨンが付与される。した
がつて、この状態でスプール8,9を回転軸3,4に嵌合する
時に、リボン13の一部が検出器16の上流側に位置する回
動支点19と案内軸12の下流側に位置する当接部20とに直
線状に維持されるため、リボン13を検出器16と案内軸12
とに干渉させることなくボンカセツト５を側板１に装着
することができる、すなわち、リボン13の経路を手で修
正しなくても発光素子14と受光素子15との間に挿通させ
るとともに案内軸12の下側に導くことができる。また、
スプール8,9を回転軸3,4の根本まで嵌合させる過程の後
半には、第３図に示すように、リボンガイド21は押圧体
24のテーパー25により少しずつ押し上げられて時計方向
へ回動するためリボン13から離れる。そして、スプール
９からリボン13を少し引き出してプラテン22とサーマル
ヘツド23との間に通すとともに上部の案内軸11に巻回す
る。そして、サーマルヘツド23により用紙26に印字し、
プラテン22の回転により用紙26とリボン13とを重ねた状
態で送り、回転軸３を時計方向へ回転させることにより
リボン13を送られた分だけスプール８に巻き取る。

このように、回動支点19と当接部20とを有する一つのリ
ボンガイド21により検出器16及び案内軸12に対するリボ
ンの位置決めを行いうるため、リボンカセツト５の部品
点数を少なくし構造を簡略化することができる。また、
リボンカセツト５を側板１に装着した状態では、押圧体
24によりリボンガイド21をリボン13から退避させるた
め、側板１に支持されてプラテン22に対する平行度の正
確な案内軸12によりリボン13をプラテン22に導き、これ
により、リボン13の幅方向の全域をプラテン22に均一に
接触させて印字品質を向上させることができる。

考案の効果 この考案は上述のように構成したので、リボンカセツト
を側板に装着する前は、リボンの一部の経路をリボンガ
イドの回動支点と当接部とにより直線状に定めることが
でき、したがつて、スプールと回転軸との嵌合動作時
に、リボンを手で経路を修正することなく発光素子と受
光素子との間及び案内軸の外周に導くことができ、これ
により、側板へのリボンカセツトの装着を容易にするこ
とができ、また、回動支点と当接部とを有する一つのリ
ボンガイドにより検出器及び案内軸に対するリボンの位
置決めを行いうるため、リボンカセツトの部品点数を少
なくし構造を簡略化することができ、さらに、スプール
と回転軸との嵌合動作時に、押圧体によりリボンガイド
をリボンから退避させるため、側板に支持されてプラテ
ンに対する平行度の正確な案内軸によりリボンをプラテ
ンに導き、これにより、リボンの幅方向の全域をプラテ
ンに均一に接触させて印字品質を向上させることができ
る等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案の一実施例を示すもの
で、第１図は分解斜視図、第２図はリボンカセツトを側
板に装着する過程を示す縦断側面図、第３図はリボンカ
セツトを側板に装着した状態を示す縦断側面図、第４図
は従来例を示す側面図である。 １…側板、3,4…回転軸、５…リボンカセツト、8,9…ス
プール、12…案内軸、13…リボン、14…発光素子、15…
受光素子、16…検出器、19…回動支点、20…当接部、21
…リボンガイド、23…サーマルヘツド（印字部）、24…
押圧体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも一方が駆動部に駆動される平行
   な二本の回転軸の一端を回転自在に支承する側板を設
   け、リボンを両端から巻回状態で保持してそれぞれ前記
   回転軸に嵌合される一対のスプールを有するリボンカセ
   ツトを設け、一端が前記側板に保持されて前記リボンを
   供給側の前記スプールから印字部に案内する案内軸を設
   け、前記リボンを間にして対向する発光素子と受光素子
   とを有してこの案内軸の上流側の位置で一端が前記側板
   に固定された検出器を設け、前記検出器の上流側の近傍
   に位置して前記リボンに当接する回動支点と前記案内軸
   の下流側の近傍に位置して前記リボンに当接する当接部
   とを有して前記発光素子及び前記受光素子の間及び前記
   案内軸の外周に前記リボンを直線状に導くリボンガイド
   を前記リボンカセツトに回動自在に設け、一端が前記側
   板に固定されて前記回転軸と前記スプールとの嵌合時に
   前記リボンガイドに当接してこのリボンガイドを前記リ
   ボンから退避させる押圧体を設けたことを特徴とするリ
   ボン案内装置。