JPH0747888B2 - セルフクライミングケーソン型枠工法、その装置、及びケーソン型枠剥離装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、コンクリートケーソ
ンを構築するために用いるセルフクライミングケーソン
型枠工法、及びその装置、さらにこれら工法や装置に用
いるためのケーソン型枠剥離装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来コンクリートケーソンを構築するに
あたっては、まずケーソン型枠で四面を構成し、これを
一定間隔のもとに配置してケーソン型枠外側にコンクリ
ートを打設し、躯体乾燥後にこれらのケーソン型枠をク
レーンで吊り上げて、乾燥したコンクリート躯体側壁の
所定の位置でケーソン型枠を固定する。そして再びコン
クリートを打設して、以後同様な作業を繰り返すことに
よってコンクリートの層を最下層のものから順次形成し
ていき、コンクリート層を幾層にも積み重ねることによ
って、巨大なコンクリートケーソンを構築している。従
ってそのようにしてケーソン型枠を吊り上げて固定する
までの間、常にクレーンでケーソン型枠を吊下していな
ければならず、作業性、安全性の点で問題があった。

【０００３】この点、本願出願人が先に開示した「ケー
ソン型枠ストッパー工法及び自動ストッパー」（特開平
１−１５１６１７）によれば、ケーソン型枠をクレーン
で吊り上げていくと乾燥躯体の上端を通過した時点で、
自動的に所定の位置にケーソン型枠が係止されるので、
クレーンの吊下を解除しても以後の取付け作業が行な
え、効率よくかつ安全に型枠取付け作業ができるもので
あった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら前出「ケ
ーソン型枠ストッパー工法及び自動ストッパー」によっ
ても依然として、ケーソン型枠の引き上げ自体はクレー
ンに拠っており、そのことに伴うクレーンの設置やクレ
ーンでの引き上げ作業自体に労力、費用がかかることは
否めない。また近年の人手不足を鑑みれば、作業にあた
ってはできるだけ省力化、省人化が望まれるところであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明はそのような点
に鑑みてなされたものであり、クレーンを全く使用せず
にケーソン型枠の引き上げ固定作業が行なえるセルフク
ライミングケーソン型枠工法、装置、及びこれらに用い
るのに適したケーソン型枠剥離装置を提供して問題の解
決を図るものである。

【０００６】まずこの発明では、請求項１において以下
の構成を有するセルフクライミングケーソン型枠工法を
提供する。即ち、コンクリートケーソン製作用の四面を
囲う型枠における各型枠隣接相互間で、隣合う一の型枠
の側端部付近にはラックを垂直方向に設け、隣合う他の
型枠の側端部付近には当該ラックと噛合する形状のピニ
オンを有するモータを設け、前記四面の型枠のうち、ま
ず対向する二面の型枠のコンクリート躯体への固定を解
除して、これらをコンクリート躯体から剥離させて内側
に移動させてピニオンをラックと噛合させ、モータを回
転させて当該二面の型枠を所定の高さまで上昇させて、
その後ピニオンとラックの噛合を解除して当該二面の型
枠をコンクリート躯体の所定の位置に固定し、次に残り
の二面の型枠の固定を解除して、これらをコンクリート
躯体から剥離させて内側に移動させてピニオンをラック
と噛合させ、モータを回転させて当該残りの二面の型枠
を所定の高さまで上昇させて、その後ピニオンとラック
の噛合を解除して当該二面の型枠をコンクリート躯体の
所定の位置に固定することを特徴とする、セルフクライ
ミングケーソン型枠工法である。

【０００７】次に請求項２では、上記セルフクライミン
グケーソン型枠工法を実施するためのセルフクライミン
グケーソン型枠装置として、コンクリートケーソン製作
用の四面を囲う各型枠の両側端部のハンチ型枠に、横断
面略コ字形の支柱を夫々垂直に設け、さらに隣接するハ
ンチ型枠相互間では支柱の開口部背面を相互に向け合う
ようにし、隣接するハンチ型枠相互間の各支柱のうち、
一の支柱にはその背面に長手方向に沿ってラックを固定
し、他の支柱の上方には、当該ラックと噛合する形状の
ピニオンを有するモータを固定し、２本のジャッキの伸
縮部に夫々車輪を設け、当該２の車輪は隣接するハンチ
型枠相互間の各支柱のうちいずれか一の支柱の側板を挾
んで対向するようにし、これら２本のジャッキを適宜の
取付け金具によって他の支柱に固定したことを特徴とす
る、セルフクライミングケーソン型枠装置を提案する。

【０００８】さらに請求項３においては、これらセルフ
クライミングケーソン型枠工法や装置を実施する際に、
ケーソン型枠を効率よく剥離、移動させるために、２本
のジャッキを並列に固定し、これら２本のジャッキのう
ちの一のジャッキの伸縮部の先端には車輪を回転自在に
設け、他のジャッキの伸縮部には車輪支持金具を設け、
当該車輪支持金具に回転自在に支持される車輪を、前記
一のジャッキの伸縮部の車輪と対向するように構成した
ことを特徴とする、ケーソン型枠用剥離装置をも提供す
るものである。

【０００９】

【作用】請求項１に記載のセルフクライミングケーソン
型枠工法によれば、コンクリート躯体が乾燥した後に、
二面の型枠のコンクリート躯体への固定を解除して、こ
れらをコンクリート躯体から剥離させて内側に移動させ
てピニオンをラックと噛合させ、モータを回転させる
と、上昇反力を残りの二面の型枠が持つので、モータが
前記解除した型枠に固定されている場合には、モータご
と当該解除した型枠が上昇していき、モータが固定され
ている残りの二面の型枠に固定されている場合には、ラ
ックごと当該解除した型枠が上昇していく。また上昇中
バランスがくずれてもモータを適宜独立して作動させる
ことにより即座に調整ができる。このようにして、四面
のケーソン型枠を対向する２面の型枠ずつ２回に分けて
上昇固定させることができる。

【００１０】請求項２に記載のセルフクライミングケー
ソン型枠装置によれば、請求項１の方法を効果的に実施
できる。即ち、一の支柱が設けられている側の型枠を剥
離させる場合、他の支柱が設けられている側の型枠を固
定したままにしておき、２本のジャッキのうちの１本を
操作して、剥離させる型枠の支柱を手前に引き寄せれ
ば、反力は固定型枠に持たせられるから、一の支柱ごと
型枠は剥離し、内側に移動する。このときにピニオンが
ラックと噛合するようにしておけば、後は、モータを作
動するだけで型枠は上昇する。そして２本のジャッキの
伸縮部の車輪は、一の支柱の側板を挾んで対向している
ので、ジャッキ操作によって当該２つの車輪で該側板を
挾み込むようにすれば、上昇中これら車輪が該側板に当
接して回転するので、ガタつかずスムーズに型枠が上昇
する。次に残り２面の型枠を上昇させる場合には、２本
のジャッキのうちの１本を操作して既に上昇固定させた
型枠の支柱を押し出せば、ジャッキ自体は残り２面の型
枠の支柱に固定されており、かつ反力は当該上昇固定し
た型枠が担うので、残り２面の型枠が剥離して内側に移
動するのである。そしてモータのピニオンをラックに噛
合させてこれを回転させることにより、残り２面の型枠
は上昇する。

【００１１】請求項３のケーソン型枠用剥離装置によれ
ば、上記請求項２のジャッキ操作において、同一側から
の伸縮で一の支柱を引き寄せたり、押し出したりするこ
とができる。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の１実施例を図について説明
する。図１は施工中の平面の状態を示しており、１は前
回打設されて既に乾燥しているコンクリート躯体、２は
先に上昇させるＡ型枠である（なおケーソン型枠は平面
が方形となるように設置されるが、Ａ型枠２の対面に位
置しているＡ'型枠の図示は省略している）。３はＡ型
枠２及びＡ'型枠の引き上げ並びにその固定が完了した
後に上昇させるＢ型枠、４は同じくＢ’型枠である。こ
れら各型枠は図２に示したように、夫々長方形の型枠材
を横長にしてこれを縦に複数継ぎ足して構成され、さら
に各型枠両側のコーナー部分にはそれに応じて適宜折曲
した形状を有するコーナー専用のハンチ型枠材５、６が
夫々固着されている。また隣接する各ハンチ型枠５、６
相互間の隙間には、平面台形の抜き型枠７が夫々挿入さ
れている。

【００１３】各型枠は図１乃至図４に示したように垂直
方向に設置される型枠支持材８及び、横端太材と呼ばれ
る水平方向に渡される型枠支持材９によって支持され
て、ケーソン型枠を構成している。各型枠支持材８の上
下端には、当該各端部を結んで通し材１０、１１が夫々
水平に固着されており、これら各通し材１０、１１はそ
の両端部が先端角度４５度になるように夫々斜めに成形
されている。そして各ハンチ型枠５、６には、これら各
通し材１０、１１の各端部の上下斜辺間に沿って、断面
略コ字形の支柱１２、１３がその開口部背面を相互に向
け合って型枠支持材８と平行に固着されている。即ち、
Ａ型枠２及びＡ'型枠のハンチ型枠５、６には支柱１２
が、Ｂ型枠３及びＢ’型枠４のハンチ型枠５、６には支
柱１３が、夫々その側板を各ハンチ型枠５、６の内側面
に密着させるようにして固定されている。なお図２及び
図４に示したように、型枠支持材８の上方、下方には夫
々足場取付材１４によって足場１５が水平に渡って取付
けられている。

【００１４】Ａ型枠２及びその対面に位置するＡ'型枠
（図外）の各支柱１２にはその背面長手方向に沿ってラ
ック１６が夫々固定され、一方Ｂ型枠３及びＢ’型枠４
の各支柱１３の側板には、ラック１６と噛合するピニオ
ン１７を有するモータ１８が固定されている。このモー
タ１８は減速機を内蔵しており、側板外方に適宜の取付
金具によって固定され、回転シャフト１９は側板外方か
ら内部に向けて遊貫され、さらに支柱１３の適宜箇所に
窓２０が穿設されて当該窓２０からピニオン１７をラッ
ク１６側へ突出させている。また各モータ１８は２個一
組で同期回転自在に構成されている。即ち、Ｂ型枠３及
びＢ’型枠４におけるＡ型枠２側のモータ１８、１８は
夫々同期回転自在であり、またＢ型枠３及びＢ’型枠４
におけるＡ'型枠側のモータ１８、１８は夫々同期回転
自在である。もちろんこれら各４個のモータ１８は独立
して作動させることもできるようになっている。

【００１５】このようにして取付けられているモータ１
８の上方には、図５に示したように引き寄せガイド車輪
２１が支柱１３に固定されている。この引き寄せガイド
車輪２１は図６にその詳細を示したように、基本的に外
側ジャッキ２２と内側ジャッキ２３を略Ｌ形の固定金具
２４に平行に固着し、この固定金具２４が前出モータ１
８の上方で支柱１３にボルト止めされている。外側ジャ
ッキ２２の伸縮部２５は、車輪２６を回転自在に支持し
ている車輪支持材２７を先端部側方に有し、内側ジャッ
キ２３の伸縮部２８の先端に支持されている車輪２９と
車輪２６は対向している。そしてこのような構成を有す
る引き寄せジャッキ車輪２１を支柱１３に固定するにあ
たっては、車輪２６と車輪２９とが支柱１２の側板を両
者で挾み込むようにして固定する。

【００１６】各型枠における両側の各型枠支持材８、８
の下方には、図３に示したように、下部ジャッキ車輪３
０が型枠支持材８、８間に渡って水平に固着されてい
る。この下部ジャッキ車輪３０は、図７に示したよう
に、上下に渡した水平支持材３１、３２間の中央に、ジ
ャッキ３３が固着され、その伸縮部３４の先端に車輪３
５を回転自在に支持している構成を有している。そして
これら各下部ジャッキ車輪３０の上方には、型枠受材３
６が型枠支持材８、８に渡って固定されている。

【００１７】本実施例は以上のように構成されており、
実際の施工手順を以下に述べると、まずＡ型枠２及び
Ａ’型枠に対して締付固定されている全てのフォームタ
イを外し取ると共に、抜き型枠７も抜き取る。そして下
部ジャッキ車輪３０を操作して、伸縮部３４を伸長さ
せ、Ａ型枠２及びＡ’型枠を乾燥コンクリート躯体１か
ら剥離する。剥離幅は約３０mm程度とする。

【００１８】次に図８の矢印で示したように、引き寄せ
ガイド車輪２１のうちの外側ジャッキ２２の伸縮部２５
を縮め、依然としてコンクリート躯体１に固定されてい
るＢ型枠３、Ｂ’型枠４に反力を持たせてＡ型枠２及び
Ａ’型枠を３０mm程度剥離させて、図９に示したように
ピニオン１７とラック１６との噛み合わせを行なう。噛
み合わせが確認できれば、引き寄せガイド車輪２１のう
ちの内側ジャッキ２３の伸縮部２８を伸ばして、外側ジ
ャッキ２２の車輪２７と内側ジャッキ２３の車輪２９と
で支柱１２の側板を挾み込む。

【００１９】その後、モータ１８、１８を作動させて同
期回転させれば、Ｂ型枠３及びＢ’型枠４はコンクリー
ト躯体１に固定されているので、これらＢ型枠３及び
Ｂ’型枠４に反力を持たせてＡ型枠２及びＡ’型枠は上
昇していく。もし上昇バランスがくずれた場合には、適
宜独立してモータ１８を作動させて調整させればよい。
１０cm程度上昇した時点でコンジョイントを取って、型
枠受材３６を外し取り、再び上昇させ所定の位置で停止
させ、外し取った型枠受材３６をコンクリート躯体１の
所定の位置に固定して、上昇させたＡ型枠２及びＡ’型
枠を支持させる。

【００２０】そして引き寄せガイド車輪２１の各ジャッ
キを解放し、フォームタイを締めてＡ型枠２及びＡ’型
枠をコンクリート躯体１に密着させて固定し、また下部
ジャッキ車輪３０を解放し、両端部の各型枠支持材８の
下段に位置するフォームタイを固定し、Ａ型枠２及び
Ａ’型枠の上昇、固定が完了する。

【００２１】次にＢ型枠３及びＢ’型枠４の上昇、固定
を行なうのであるが、基本的な手順は上述のＡ型枠２及
びＡ’型枠と同様であって、今度は剥離、上昇のための
反力をＡ型枠２及びＡ’型枠に持たせる。そして剥離の
際の引き寄せガイド車輪２１の操作については、図１０
の矢印で示したように、内側ジャッキ２３の伸縮部２８
伸ばしてＢ型枠３及びＢ’型枠４を剥離させる。そして
図１１に示したように、ラック１６とピニオン１７を噛
み合わせてモータ１８を作動させれば、Ａ型枠２及び
Ａ’型枠がコンクリート躯体１に固定されているから、
これらに反力を持たせて、今度はＢ型枠３及びＢ’型枠
４がモータ１８ごと上昇していくのである。

【００２２】このようにして、Ａ型枠２及びＡ’型枠の
上昇、固定、その後はＢ型枠３及びＢ’型枠４の上昇、
固定というように、四面の型枠を２回に分けて上昇、固
定させることによって全ての型枠の上昇が完了する。

【００２３】

【発明の効果】請求項１によれば、クレーンを全く使用
せずにケーソン型枠引き上げができる。従って従来のよ
うにクレーンを使っての作業と比較すれば、はるかに効
率がよく、人手も省ける。また対向する二面ずつ上昇さ
せるので、安定した引き上げが可能である。モータの回
転により上昇の微調整ができるので、作業性もよく、迅
速なケーソン型枠の引き上げ、固定作業ができるもので
ある。

【００２４】請求項２によれば、請求項１の方法を効果
的に実施でき、しかも上昇させる前段階の型枠の剥離、
内側移動がジャッキ操作だけで簡単にできる。また対向
する車輪が一の支柱を挾み込む構成であるから、型枠上
昇の際の一種のガイド車輪を構成し、ガタつかず安定し
た上昇が実現できるものである。

【００２５】請求項３によれば、請求項２のジャッキ操
作において、同一側からの伸縮で一の支柱を引き寄せた
り、押し出したりすることができるので、スペース的に
みてコンパクトにできる。しかも全体としてみれば１個
の部材であって、固定型枠を交互に巧みに利用してこれ
に反力を持たせることにより、型枠の剥離をさせるもの
であるから、取付け固定箇所が対向するいずれか二面の
型枠側だけで済む。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例によってＡ型枠を上昇させて
いる様子を示す平面図である。

【図２】この発明の実施例によって上昇が完了してＡ型
枠をコンクリート躯体に固定した様子を示す側面の説明
図である。

【図３】この発明の実施例によって上昇が完了してＡ型
枠をコンクリート躯体に固定した様子を示す正面の説明
図である。

【図４】この発明の実施例によるケーソン型枠の構成を
示す、ラック、モータ、引き寄せガイド車輪を除いた状
態の平面説明図である。

【図５】この発明の実施例における型枠のラックとピニ
オンの噛合状態を示すハンチ型枠上部付近の正面図であ
る。

【図６】この発明の実施例における引き寄せガイド車輪
の平面図である。

【図７】この発明の実施例における下部ジャッキ車輪の
平面図である。

【図８】この発明の実施例におけるＡ型枠を剥離してい
る状態を示すハンチ型枠付近一部断面平面図である。

【図９】この発明の実施例によってＡ型枠を上昇させる
際のラックとピニオンの噛合状態を示すモータ付近の平
面断面図である。

【図１０】この発明の実施例におけるＢ型枠を剥離して
いる状態を示すハンチ型枠付近一部断面平面図である。

【図１１】この発明の実施例によってＢ型枠を上昇させ
る際のラックとピニオンの噛合状態を示すモータ付近の
平面断面図である。

【符号の説明】

１ コンクリート躯体 ２ Ａ型枠 ３ Ｂ型枠 ４ Ｂ’型枠 ８ 型枠支持材 １２ 支柱 １３ 支柱 １６ ラック １７ ピニオン １８ モータ ２１ 引き寄せガイド車輪 ２２ 外側ジャッキ ２３ 内側ジャッキ ２５ 伸縮部 ２６ 車輪 ２８ 伸縮部 ２９ 車輪 ３０ 下部ジャッキ車輪 ３３ ジャッキ ３４ 伸縮部 ３５ 車輪

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コンクリートケーソン製作用の四面を囲う
   型枠における各型枠隣接相互間で、隣合う一の型枠の側
   端部付近にはラックを垂直方向に設け、隣合う他の型枠
   の側端部付近には当該ラックと噛合する形状のピニオン
   を有するモータを設け、前記四面の型枠のうち、まず対
   向する二面の型枠のコンクリート躯体への固定を解除し
   て、これらをコンクリート躯体から剥離させて内側に移
   動させてピニオンをラックと噛合させ、モータを回転さ
   せて当該二面の型枠を所定の高さまで上昇させて、その
   後ピニオンとラックの噛合を解除して当該二面の型枠を
   コンクリート躯体の所定の位置に固定し、次に残りの二
   面の型枠の固定を解除して、これらをコンクリート躯体
   から剥離させて内側に移動させてピニオンをラックと噛
   合させ、モータを回転させて当該残りの二面の型枠を所
   定の高さまで上昇させて、その後ピニオンとラックの噛
   合を解除して当該二面の型枠をコンクリート躯体の所定
   の位置に固定することを特徴とする、セルフクライミン
   グケーソン型枠工法。
2. 【請求項２】コンクリートケーソン製作用の四面を囲う
   各型枠の両側端部のハンチ型枠に、横断面略コ字形の支
   柱を夫々垂直に設け、さらに隣接するハンチ型枠相互間
   では支柱の開口部背面を相互に向け合うようにし、隣接
   するハンチ型枠相互間の各支柱のうち、一の支柱にはそ
   の背面に長手方向に沿ってラックを固定し、他の支柱の
   上方には、当該ラックと噛合する形状のピニオンを有す
   るモータを固定し、２本のジャッキの伸縮部に夫々車輪
   を設け、当該２つの車輪は隣接するハンチ型枠相互間の
   各支柱のうちいずれか一の支柱の側板を挾んで対向する
   ようにし、これら２本のジャッキを適宜の取付け金具に
   よって他の支柱に固定したことを特徴とする、セルフク
   ライミングケーソン型枠装置。
3. 【請求項３】２本のジャッキを並列に固定し、これら２
   本のジャッキのうちの一のジャッキの伸縮部の先端には
   車輪を回転自在に設け、他のジャッキの伸縮部には車輪
   支持金具を設け、当該車輪支持金具に回転自在に支持さ
   れる車輪を、前記一のジャッキの伸縮部の車輪と対向す
   るように構成したことを特徴とする、ケーソン型枠用剥
   離装置。