JPH0747641A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JPH0747641A
JPH0747641A JP5197322A JP19732293A JPH0747641A JP H0747641 A JPH0747641 A JP H0747641A JP 5197322 A JP5197322 A JP 5197322A JP 19732293 A JP19732293 A JP 19732293A JP H0747641 A JPH0747641 A JP H0747641A
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film
nitrogen
laminated
laminated film
coating
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JP5197322A
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Kazuhiro Abe
和洋 阿部
Teizo Harima
貞三 播磨
Toshitake Suzuki
利武 鈴木
Chikao Morishige
地加男 森重
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、透明で低湿度下における帯電防止
性に優れ、かつ耐水性、塗膜強度に優れた熱可塑性フィ
ルムを提供することにある。 【構成】 熱可塑性フィルムの塗布面のESCAから求
まるカチオン性窒素とイオン化されていない窒素のピー
クの面積比がある一定の範囲になるようにして、かつ該
塗布面が、40℃以下に熱刺激電流によるピークが観測
されることにより、反積層面及びラミネート後にも、低
湿度において極めて良好な帯電防止性を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明で低湿度下での帯電
防止性に優れ、かつ帯電防止層が積層されていない面及
びラミネートした面にも帯電防止性が現れ、さらに耐水
性、塗膜強度にも優れた帯電防止性熱可塑性積層フィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の熱
可塑性樹脂よりなるフィルム、特に配向されたポリプロ
ピレン、ポリエステル、及びポリアミド等のフィルム
は、優れた力学的性質や耐熱性、透明性等を有してお
り、広く包装材料、工業材料として用いられている。
【0003】しかしながら、これらのフィルムは樹脂自
体が絶縁体であるので、極めて帯電しやすく、特に低湿
度下において静電気による問題を起こし易いという欠点
を有している。
【0004】従来より、これらのフィルムに対し種々の
方法で帯電防止性を付与する工夫がなされてきた。たと
えば、帯電防止性を有する界面活性剤、イオン性の化合
物、金属粉または金属酸化物等よりなる導電性の物質等
を、フィルム組成物中に練り込んだり、塗剤中に配合し
てフィルム表面に塗布したりする方法が取られていた。
しかし、帯電防止剤として界面活性剤及びイオン性の化
合物を用いる方法は、低湿度下で帯電防止性が低下し、
帯電防止層が積層されていない面やさらにラミネートし
た面に帯電防止性がでず、用途が限定されるという問題
があった。さらに界面活性剤及びイオン性の化合物の量
を多くして帯電防止性を十分満足させると、耐水性、耐
ブロッキング性、塗膜強度が不十分になるという相反す
る問題があった。一方、導電性の物質を用いる方法は、
低湿度下や帯電防止層が積層されていない面やさらにラ
ミネートした面でも帯電防止性が低下するという問題は
ないが、帯電防止性を付与するためには多量の導電性物
質を添加する必要があり、透明性が低下するという問題
があった。また、このような導電性物質は高価であると
いう問題も有していた。
【0005】したがって、従来より透明で低湿度下での
帯電防止性に優れ、かつ帯電防止層が積層されていない
面及びラミネートした面にも帯電防止性が現れ、さらに
耐水性、塗膜強度にも優れた熱可塑性フィルムの開発が
要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の課
題を解決するものであり、その目的とするところは、透
明で低湿度下での帯電防止性に優れ、かつ帯電防止層が
積層されていない面及びラミネートした面にも帯電防止
性が現れ、さらに耐水性、塗膜強度にも優れた熱可塑性
フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の積層フィルム
は、熱可塑性フィルムの少なくとも片面に、帯電防止層
が積層されたフィルムであって、該帯電防止層のESC
A測定から求まる窒素スペクトルが、カチオン性窒素と
イオン化されていない窒素による2種類のピークが観測
され、かつ該帯電防止層の分極によるTSC(熱刺激電
流)ピークが40℃以下に観測されることを特徴とする
ものである。
【0008】本発明において用いられる熱可塑性フィル
ムは、透明なフィルム形成能を有する熱可塑性樹脂であ
れば特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、シンジオタクティックポリスチレン等のポリオレフ
ィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンイソフタレート、ポリエチレン2,6-ナフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート及びそれらの共重合体などに
代表されるポリエステル樹脂、ポリオキシメチレンに代
表されるポリエーテル樹脂、ナイロン-6、ナイロン-6
6、ポリメタキシレンアジパジドなどに代表されるポリ
アミド系樹脂、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸
エステル、ポリアクリルニトリル、ポリ酢酸ビニルおよ
びそれらの共重合体に代表されるビニル系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂などならびにセロファン、アセテート
などに代表されるセルロース系樹脂、さらにはポリイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、
ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテ
ルケトン、ポリエーテルケトンケトン、フッ素含有重合
体、その他の多くの樹脂の単体、共重合体、混合体、お
よび積層体からなる、未延伸あるいは一軸または直交す
る二軸方向に延伸された配向フィルムなどを挙げること
ができる。
【0009】基材フィルムとしては、耐熱寸法変化及び
機械的強度、さらには成形性及び経済性の面から、二軸
延伸されたポリプロピレン、ポリエステル、及びポリア
ミドなどのフィルムが好適である。フィルムの厚みは特
に限定はされないが、通常は1〜250μmであり、工
業材料としては3〜150μmが特に好ましい。基材フ
ィルムは、単体であっても複合された多層フィルムであ
ってもよく、多層フィルムにおける複合方法および層の
数などは任意である。
【0010】本発明の積層フィルムの帯電防止層として
は、40℃以下に熱刺激電流によるピークが観測される
ものが好ましい。また、帯電防止層中のカチオン性窒素
に起因する物質としては、有機のカチオン性の化合物が
挙げられる。さらには4級化された窒素を有する化合物
であり低分子、高分子どちらでも構わない。好ましくは
カチオン性ポリマーが好ましい。カチオン性ポリマーと
しては、ポリエチレンイミン、ポリジメチルジアリルア
ンモニウムクロライド、ポリアルキレンポリアミンジシ
アンジアミドアンモニウム縮合物、ポリビニールピリジ
ウムハライド、(メタ)アクリル酸アルキル4級アンモ
ニウム塩、(メタ)アクリルアミドアルキル4級アンモ
ニウム塩、ω−クロロ−ポリ(オキシエチレン−ポリメ
チレン−アルキル4級アンモニウム塩)、ポリビニール
ベンジルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。カ
チオン性ポリマー、特に4級アンモニウム塩ポリマーと
してはポリスチレン系カチオン性ポリマー、アクリル系
カチオン性ポリマー、ポリビニルピリジン系ポリマー、
環状インテグラル型ポリマー、直線状インテグラル型ポ
リマー、いわゆるペンダント型に4級アンモニウムイオ
ン基を2個以上有する芳香族ビニル単量体の重合体、更
には主鎖にピロリジウム環を有するポリマー等である。
カチオンの対アニオンとしては、例えばF‐,Cl‐,
Br‐及びI‐などのハロゲンイオンやメトキシサルフ
ェート、エトキシサルフェート、ドデシルベンゼンスル
フォン酸、ドデシルスルフォン酸などのアルキルサルフ
ェート類及びジオクチルリン酸エステル等である。これ
らのポリマーはホモポリマーであっても共重合体であっ
ても構わない。共重合可能な単量体は公知のものを使用
できる。
【0011】本発明のイオン化されていない窒素に起因
する物質としては、前記カチオン性窒素が3級化された
もの、その他の化合物が挙げられる。その他の化合物と
しては塗膜の耐水性、塗膜強度を考慮すると架橋剤が好
ましい。架橋剤としてはイオン化されていない窒素を有
していれば特に限定されないが、好ましくはイソシアネ
ート系、メラミン系等の架橋剤が挙げられる。本発明の
ESCAスペクトルから求まるカチオン性窒素とイオン
化されていない窒素のピークの面積比は10/90〜9
9/1であることが好ましい。さらに好ましくは、面積
比が10/90〜90/10である。最も好ましいのは
面積比が10/90〜60/40である。ピークの面積
比が10/90未満の場合はカチオン化された窒素成分
が少ないため、帯電防止性が不足する。一方、ピークの
面積比が99/1を越える場合、イオン化されていない
窒素が少ないため塗膜の水溶性が大きくなり、耐水性が
不足し、また塗膜強度も不足する。前記面積比は皮膜の
厚み方向の構造を制御していることにあり、すなわち皮
膜の全体としてのカチオン性窒素とイオン化されていな
い窒素の面積比に比べて、皮膜の極表層部の該面積比、
要するに組成比を制御することにある。具体的方法とし
ては、カチオン性窒素とイオン化されていない窒素を含
んだ各々の物質のHLB値の差が1以上になるようにす
ることが好ましい。さらには2以上にすることが好まし
い。つまりHLB値の差が大きいことによる水溶性溶媒
への各々の相溶性の差を利用して、乾燥工程で各々の物
質の厚み方向の分布に勾配をもたすことにある。なお本
発明の塗膜形成用組成物を使用して塗膜を形成する場
合、架橋剤の架橋反応を促進させるために、有機もしく
は無機のアルカリ性化合物、例えば、アミン、ポリアミ
ン、アミドアミン、ポリアミドアミン、イミダゾール、
及びアルカリ金属炭酸塩、ならびにこれらの誘導体から
なる架橋硬化剤等を少量使用することが望ましい。
【0012】本発明の帯電防止層は、熱刺激電流による
ピークが40℃以下に、好ましくは25℃以下に、さら
には、0℃以下に観測されるものが好ましい。また該誘
電体層の25℃以下の熱刺激電流によるピーク面積から
求めた電荷密度が1.0×10-8C/m2以上、さらには
1.0×10-7C/m2以上であることが好ましい。さら
にまた25℃、15%RHにおける表面抵抗値が1013
Ω/□以下、さらには1012C/□以下であることが好
ましい。熱刺激電流によるピークが40℃以上に観測さ
れる場合、電荷密度が1.0×10-8C/m2以下の場
合、さらには表面抵抗値が1013Ω/□以上の場合に
は、帯電防止性が不良であり、特に反積層面及びラミネ
ート後の帯電防止性が劣る。
【0013】本発明において、上記化合物は1種類のも
のを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ま
た、従来公知の他の帯電防止剤と併用してもよい。更
に、溶剤へ可溶性、或は分散性の有機ポリマーからなる
バインダー樹脂に混合して積層してもよい。必要に応じ
て架橋剤、着色剤、耐ブロッキング剤、架橋剤、酸化防
止剤、紫外線防止剤、無機または有機粒子よりなる滑剤
などの添加剤を含有させてもかまわない。ここで上記ア
クリルポリマーにさらに架橋剤を添加することが好まし
く、具体的には架橋剤としてエポキシ化合物及びイソシ
アネートを添加することが好ましい。まずエポキシ化合
物を上記アクリルポリマーに対して重量比で0.02〜
0.2の割合で添加することが好ましい。上記割合が
0.02以下であるとフィルムの耐水性及び耐ブロッキ
ング性が劣り、0.2以上であると帯電防止性が不良と
なる。次にイソシアネートを上記アクリルポリマーに対
して0.1〜0.4の割合で添加することが好ましい。
上記割合が0.1以下であるとフィルムの塗膜強度が劣
り、0.4以上であると帯電防止性が不良となる。さら
には、該誘電体層のガラス転移温度(Tg)が40〜7
0℃の範囲であることが好ましい。上記温度が40℃以
下の場合は耐ブロッキング性が劣り、70℃以上の場合
は帯電防止性が不良となる。
【0014】本発明における塗膜形成用の溶液は水溶性
であるので水溶液で用いるのが好適であるが、ポリエス
テルとの濡れ性を改良する等の目的でアルコール等の有
機溶剤を併用しても良い。また、必要に応じてさらに他
の架橋剤、触媒、塗れ剤等を加えることができる。ま
た、本発明の目的を阻害しない限り紫外線吸収剤、顔
料、有機フィラー、無機フィラー、潤滑剤、ブロッキン
グ防止剤等を併用してもよい。また他のバインダー樹脂
を併用し、接着性やブロッキング性等の特性を改良を行
っても良い。また多成分を混合して積層する場合の混合
のための手段も制限はなく、高速撹はん法、高圧分散
法、超音波分散法等の公知の方法が任意に使用できる。
これらの方法を組み合わせた方法も好適である。
【0015】該化合物または化合物を含む組成物を基材
フィルム表面に積層する方法としては、特に限定はない
が溶液あるいは分散液を基材フィルム表面に塗布するコ
ーティング法が特に好適である。すなわち基材フィルム
表面に塗布した後、乾燥、熱処理をする方法が好まし
い。コーティング方法としては、グラビアやリバースな
どのロールコーティング法、ドクターナイフ法やエアー
ナイフ、ノズルコーティング法などの通常の方法を用い
ることができる。またスプレー法で塗布する方法を用い
てもよい。該塗布は、製造終了後のフィルムの表面に行
ってもよいし、例えば二軸延伸フィルムの場合、フィル
ム製造過程すなわちキャスト原反あるいは一軸延伸後に
塗布し、その後延伸処理を行うほうが好ましい。特に、
キャスト原反あるいは一軸延伸後に塗布後の塗膜の水分
率が2%以下の状態で延伸処理を行うほうが好ましい。
このような方法で積層される化合物を含む層の厚みは、
特に限定されるものではないが0.01〜5.0μmが
好ましい。0.01μm未満の場合は十分な帯電防止性
が得られず、5.0μm以上の場合は耐ブロッキング性
が劣る。
【0016】上記組成物の溶液を塗布する前に、基材フ
ィルムにコロナ放電処理を施すことによって、溶液の塗
布性が改良されたり基材フィルムと塗膜との間の接着性
を改善する等の手段を採用することができる。また積層
後の塗膜層にコロナ放電処理、窒素雰囲気下でのコロナ
放電処理、紫外線照射処理などを施すことによってフィ
ルム表面の濡れ性や接着性を向上させることができる。
化合物の積層は片面であっても両面であってもかまわな
いが、本発明の方法の特徴として塗布面の反対面も帯電
しなくなるという特性が付与できるので片面に塗布する
方法が推奨される。上記の方法によって製造された積層
フィルムは、特に磁気記録媒体、例えばビデオテープ、
オーディオテープ、コンピューターテープ、フロッピィ
ディスク等の基材として有用である。また、一般工業用
フィルム、例えばメンブレン、テレホンカード、ラベ
ル、マイクロフィルム、ジアゾフィルム、OHPフィル
ム等の基材としても有用である。
【0017】実施例 次に本発明の実施例及び比較例を示す。本発明に用いる
評価法を以下に示す。 1)ESCA測定 フィルムの積層面の、ESCAスペクトルを島津製作所
製ESCA−850を用いて光源にMg−Kαを使用し
出力8kW×30mA、真空度5×10Paで測定し
た。カチオン性窒素のピークは403eV付近、イオン
化されていない窒素のピークは400eV付近に各々検
出される。各々のピークの面積を求め面積比を計算し
た。 2)熱刺激電流 塗膜形成用組成物を基材フィルムにコートして、積層フ
ィルムを作成し、米国SOLOMAT社製熱刺激電流
(TSC)測定装置にて、上部電極(面積38mm 2 )と
下部電極の間に積層フィルムをはさみ、He雰囲気中で
温度25℃にて300V/mmの電界を2分間印加した後
−150℃まで冷却し、電界を除去した後、昇温速度7
℃/min.で−150〜100℃の範囲で測定を行った。 3)表面抵抗 タケダ理研社製固有抵抗測定器で印加電圧500V、2
5℃、15%RHの条件下で測定した。 4)耐水性 積層フィルムを水中に浸漬し、26℃で16時間放置し
た時の浸漬後と浸漬前の誘電体層の表面抵抗値の比で表
した。 5)帯電減衰時間 米国ETS社製スタティックディケイメーターを用い、
23℃、15%RH雰囲気で電極間にサンプルをはさみ
5.0kVの電圧を印加し、加電圧が5.0kVになっ
たところで電極をアースし、アースしてから加電圧が
0.05kVになるまでの減衰時間t99を測定した。 6)塗膜強度 テスター産業製学振型摩擦堅牢度試験機にガーゼを取り
付け、荷重200gで誘電体層表面上を10往復させた
時に、誘電体層が剥離しないものを○、するものを×と
した。
【0018】実施例1 常法によりメチルメタアクリレート/エチルアクリレー
ト/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ジメチルア
ミノエチルメタクリレート4級化物を、重量組成比とし
て44/20/6/30の割合で共重合して共重合体水
溶液を得た。この共重合体水溶液に、エポキシ化合物と
してグリセロールポリグリシジルエーテルを共重合体の
固形分75に対して5重量%添加し、さらに架橋硬化剤
として2−メチルイミダゾールを前記グリセロールポリ
グリシジルエーテルに対して3.0重量%添加混合し
た。次にブロックイソシアネート化合物としてエラスト
ロンMF9(第一工業(株)製)を共重合体の固形分7
5に対して20重量%添加し、さらに架橋硬化剤として
Cat64(第一工業(株)製)を前記ブロックイソシ
アネート化合物に対して5.0重量%添加混合して固形
分7重量%塗膜形成用組成物の水溶液を得た。極限粘度
0.65のポリエチレンテレフタレートを280〜30
0℃で溶融押し出して、15℃の冷却ロールで冷却して
未延伸フィルムを得、この未延伸フィルムを周速の異な
る85℃の一対のロール間で縦方向に3.5倍に延伸し
た後、前記の塗膜形成用組成物の水溶液を、キスコート
法で乾燥後の厚みとして0.15μmになるように塗布
し、次いで70℃のテンターで塗膜の水分率が2%以下
になるように予備乾燥を行いさらに98℃で横方向に
3.5倍延伸し、次いで200〜220℃で熱固定し厚
さ20μmの二軸延伸コーティングポリエステルフィル
ムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0019】実施例2 実施例1の共重合体水溶液に、共重合体の固形分70に
対してエポキシ化合物を5重量%、ブロックイソシアネ
ート化合物を25%添加するように変更する以外は同様
にして行った。
【0020】実施例3 実施例1の共重合体水溶液に、共重合体の固形分80に
対してエポキシ化合物を3重量%、ブロックイソシアネ
ート化合物を17%添加するように変更する以外は同様
にして行った。
【0021】実施例4 実施例1の共重合体水溶液をポリビニルピリジン系ポリ
マー水溶液に変え、該ポリマーの固形分75に対してエ
ポキシ化合物を5重量%、ブロックイソシアネート化合
物を20%添加するように変更する以外は同様にして行
った。
【0022】実施例5 実施例1の共重合体水溶液を環状インテグラル型ポリマ
ー水溶液に変え、該ポリマーの固形分75に対してエポ
キシ化合物を5重量%、ブロックイソシアネート化合物
を20%添加するように変更する以外は同様にして行っ
た。
【0023】実施例6 実施例1の基材フィルムを表1に示すように変更し、延
伸及び熱固定条件を適宜変更する以外は同様にして行っ
た。
【0024】比較例1 実施例1の共重合体水溶液を100重量%に変更する以
外は同様にして行った。
【0025】比較例2 実施例1の共重合体を0重量%にして、エポキシ化合物
を30重量%、ブロックイソシアネート化合物を70%
の水溶液に変更する以外は同様にして行った。
【0026】比較例3 実施例1の共重合体水溶液に、共重合体の固形分50に
対してエポキシ化合物を15重量%、ブロックイソシア
ネート化合物を35%添加するように変更する以外は同
様にして行った。
【0027】比較例4 実施例1の共重合体水溶液をポリビニルピリジン系ポリ
マーのみの水溶液に変更する以外は同様にして行った。
【0028】比較例5 実施例1の塗膜形成用組成物をケミスタット6300H
(三洋化成製)にする以外は同様にして行った。
【0029】比較例6 実施例1の塗膜形成用組成物の水溶液を塗布しない以外
は同様にして行った。表1、2に示すように実施例の帯
電防止性フィルムは、いずれも40℃以下にコート層の
熱刺激電流によるピークが観測され、低湿度でも帯電減
衰特性が現れており、反コート面でも良好な帯電減衰特
性を示している。また良好な耐水性、塗膜強度も示して
いる。一方、比較例1、4、5は、40℃以下にコート
層の熱刺激電流によるピークが観測され、帯電防止性が
現れているが、耐水性、塗膜強度が不十分であり、比較
例2、3は帯電防止性が不十分である。また、比較例6
は帯電防止性が全くない。
【0030】
【発明の効果】以上より本発明の帯電防止性ポリエステ
ルフィルムは、低湿度での帯電防止性に優れ、反積層面
およびラミネート後の帯電防止性にも優れ、かつ耐水
性、塗膜強度にも優れているので、磁気記録媒体の基
材、一般工業用フィルム、及び各種包装用フィルム等に
広く好適に使用できる。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で求まるESCAスペクトルで
ある。図1の縦軸はピークの強度を表し、横軸は結合エ
ネルギーを表している。縦軸は2つのピークの内大きい
ピークの強度を100%として表している。図1のピー
クは、スペクトルを機械的にスムージングを行い得られ
たものである。
【図2】図2は熱刺激電流(TSC)のスペクトルを示
しており、横軸は温度を表し、縦軸は電流を表してい
る。また、面積は電荷量を表す。
【符号の説明】
1:カチオン性窒素のピーク 2:イオン化されていない窒素のピーク 3:熱可塑性フィルム(基材フィルム)の分極によるT
SCピーク 4:積層体(誘電体)の分極によるTSCピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森重 地加男 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性フィルムの少なくとも片面に、
    帯電防止層が積層されたフィルムであって、該帯電防止
    層のESCA測定から求まる窒素スペクトルが、カチオ
    ン性窒素とイオン化されていない窒素による2種類のピ
    ークが観測され、かつ該帯電防止層の分極による熱刺激
    電流ピークが40℃以下に観測されることを特徴とする
    積層フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の該カチオン性窒素とイオ
    ン化されていない窒素のピーク面積比が10/90〜9
    9/1の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の
    積層フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1、2記載の該帯電防止層の25
    ℃以下の熱刺激電流によるピーク面積から求めた電荷密
    度が1.0×10-8C/m2以上となるような請求項1ま
    たは2記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の該帯電防止層の25
    ℃、15%RHにおける表面抵抗値が1013Ω/□以下
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の該積層フィルムの2
    5℃の水中に24時間浸漬した後と浸漬する前の帯電防
    止層の25℃、15%RHにおける表面抵抗値の比が1
    00以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の積層フィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997037843A1 (fr) * 1996-04-11 1997-10-16 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Stratifie conducteur electriquement

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1997037843A1 (fr) * 1996-04-11 1997-10-16 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Stratifie conducteur electriquement

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