JPH0742030U - コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロック爪が機器側に確実に係合するようにし
て装着状態の安定化を図る。 【構成】 雄側ハウジング４の側面に撓み変形可能なロ
ック爪１５を形成しておき、雄側ハウジング４を機器ｍ
側の装着凹所１６に嵌合した時にロック爪１５が係止凹
部２４に緩く係合するようにしておく。そして、雌側ハ
ウジング３が嵌合されたときに雌側ハウジング３に形成
された突起１３がロック爪１５を内側から押し、係止凹
部２４に対してより深く係合するようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はコネクタに関し、特に機器側に直結される形式のコネクタに関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、雌雄両コネクタのうちの雄側コネクタを予め機器側に組み込んでお き、その後雌側コネクタを嵌合させる形式のものが知られている。図６は両コネ クタの嵌合状況を示すものである。簡単に説明すると、機器ｍ側には図示左方へ 開口して雄側コネクタのハウジング３０を嵌合可能とする装着凹所３２が予め形 成されている。装着凹所３２の内壁面の一部には雄側コネクタハウジング３０に 対する抜け止め用の係止凹部３３が形成されている。これに対応して雄側コネク タハウジング３０の側面には係止凹部３３に対して解離可能に係合するロック爪 ３４が形成されている。このロック爪３４は先端側（係止凹部３３に対して係合 する側）が内外方向へ撓み変形するようになっていて、雄側コネクタハウジング ３０を装着凹所３２へ嵌合して行く過程では内向きに変形しながら装着凹所３２ の内壁面に摺接し、嵌合が完了した時点で復帰して係止凹部３３に係合する。こ のようにして、雄側コネクタハウジング３０が予め機器ｍ側に抜け止めされた状 態で装着されれば、続いて雌側コネクタのハウジング３１の嵌合がなされる、と いうものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のようにして雌雄両コネクタの嵌合がなされた後に、雌コネクタから引き 出されている電線３５が配線作業等、何らかの事情で引っ張りを受けることがあ る。こうした場合に、両コネクタが機器ｍ側から簡単に抜けてしまわないように しておかねばならない。そのためには、係止凹部３３に対するロック爪３４の引 掛り代を大きくしておくことが考えられる。具体的には、ロック爪３４の自由端 に形成された爪部３４ａの張り出し幅を大きくすることになる。

【０００４】 しかし、このようにするとコネクタ同士の嵌合の際のロック爪の撓み量を大き く設定しておくことになる。このため、壁面に作用する弾発力が大きくなって装 着凹所３２の内壁面との摺動抵抗が増し、円滑な作業が阻害されてしまう。また 、ロック爪３４が短い場合に大きな撓み量を設定したのでは、ロック爪３４の折 損の可能性も生じる。

【０００５】 このようなことが原因で、従来ではロック爪３４の引掛かり代を大きく設定す ることができなかった。このため、電線３５が引っ張られた場合には僅かな引掛 かり部分で引っ張り力を受承することになり、ロック爪３４の爪部３４ａが折れ て、雌側ハウジング３１が抜けてしまうことがあった。

【０００６】 本考案は上記した事情に鑑みて開発工夫されたものであり、その目的とすると ころはロック爪が機器側に確実に係合するようにして装着状態の安定化を図るこ とができるコネクタを提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するための請求項１の考案の構成は、相互に嵌合可能なコネ クタのうちの一方のコネクタのハウジングは機器側に形成された装着凹所に嵌め 込み可能に形成されるとともに、この一方のハウジングには前記装着凹所側の内 壁面に弾性的に係合する撓み変形可能なロック爪が形成されるものにおいて、 前記他方側のコネクタのハウジングには両コネクタハウジングの嵌合時に前記 ロック爪を係合方向へ押圧する突部が形成されていることを特徴とするものであ る。

【０００８】 この場合、前記ロック爪は自然状態では内向きに延出形成されているものであ ってもよい（請求項２の考案）。

【０００９】

【作用】 まず、一方のコネクタのハウジングを機器側に形成された装着凹所内に嵌め込 むと、ロック爪は装着凹所の内壁面側に緩く係合する。次に、他方のコネクタの ハウジングが嵌め込まれると、突部がロック爪と適合してロック爪を押すため、 ロック爪は装着凹所に対してより深く引っ掛かる。

【００１０】 ロック爪が自然状態で内向きに形成されたものでは（請求項２の考案）、ロッ ク爪を備えたコネクタを装着凹所に嵌合する過程での撓みが小さく、軽い力で嵌 合作業を行うことができる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案の効果は次のようである。請求項１の考案によれば、突部によってロッ ク爪と装着凹所との係合状態がより深いものとなるため、コネクタの抜けが確実 に防止される。また、ロック爪を備えた側のコネクタを装着凹所に嵌合して行く 過程ではロック爪の撓み量を大きくする必要はないため、摺動抵抗は小さく、同 時にロック爪の折損の問題も併せて解消される。

【００１２】 また、請求項２の考案によれば装着凹所への嵌合過程での嵌合力をより低減で きる効果が得られる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案を具体化した実施例を図面にしたがって詳細に説明する。図面に おいて１は雌コネクタであり、そのコネクタハウジング３の内部には雌端子収容 室５が形成され、さらにこの雌端子収容室５の後部に連続して２個の筒部６が形 成されている。そして、両筒部６からは先端に雌端子金具７が取り付けられた電 線８がそれぞれ挿入され、雌端子収容室５内に形成されたランス９が対応する雌 端子金具７にそれぞれ係合することによってこれらの抜け止めがなされている。 また、電線８には雌端子金具７の後部においてゴム栓１０がそれぞれ嵌合され、 筒部６の内壁面に密着させて水密性を確保するようにしている。さらに、雌側ハ ウジング３の上面には雄側コネクタ２とのロックを行うためのロックアーム１１ が配されている。このロックアーム１１は前端側が基端となって後方へ片持ち状 に延出しており、上下方向への撓み変形が可能となっているとともに、その基端 側の上面にはロック凸部１２が形成されている。

【００１４】 また、雌側ハウジング３の両側面には一対の突条１３が設けられている。両突 条１３は所定長さを有して前後方向に沿って形成され、雄側ハウジング４との嵌 合動作を案内する役割を果たす。さらに、雌側ハウジング３の一方の側面（図１ で示されている側の側面）において突条１３の下側前部には突起１４が形成され ており、後述するようにして雄側ハウジング４のロック爪１５を押圧可能となっ ている。

【００１５】 一方、雄コネクタ２のコネクタハウジング４は機器ｍ側に形成された装着凹所 １６に対して嵌め込み可能に形成されている。また、雄側ハウジング４の前部に は雌側ハウジング３が嵌合可能な筒状のフード部４ａが形成され、かつその内部 には図示しない雄端子が収容される雄端子収容室１７が形成され、その内部には 図５に示すようにシールパッキン１８が嵌め込まれ、両ハウジング３、４の間の シールが図られている。さらに、雄側ハウジング４の上面には係止孔１９が貫通 しており、両ハウジング３、４が完全嵌合したときにロックアーム１１のロック 凸部１２が係合するようにしてある。また、雄側ハウジング４の両側面の対称位 置には一対の膨出部２０が張り出し状に形成されており、その内面にはガイド溝 ２１が凹設されている。

【００１６】 さらにまた、一方の膨出部２０の外面側にはロック爪１５が横向きに配されて いる。この膨出部２０においてロック爪１５が設けられている側面には窓部２２ が開口しており、ロック爪１５は窓部２２の開口縁のうち雌側ハウジング３の差 し込み側に位置する側縁を基端とし、窓部２２の対向する側縁に向けて延出され ている。但し、ロック爪１５の基端側の内面には突起１４との干渉を回避するた めの逃がし凹部２３が形成されている。

【００１７】 また、ロック爪１５の先端縁には外方へ爪部１５ａが張り出し形成されており 、機器ｍ側の装着凹所１６の対応位置に形成された係止凹部２４に係合可能とし てある。さらに、ロック爪１５は自然状態では爪部１５ａ側が窓部２２側へ向け て緩やかに屈曲して形成され、このために雄側ハウジング４を装着凹所１６に嵌 合したときには爪部１５ａが緩く係止凹部２４に引掛かる程度であるが、雌側ハ ウジング３の嵌合に伴って突起１４によって押された場合には、図２（Ｂ）に示 すように、ロック爪１５全体がほぼストレートの姿勢となって係止凹部２４に対 して深く引掛かるように設定されている。

【００１８】 次に、上記のように構成された本例の作用効果を具体的に説明する。まず、雄 側ハウジング４をその後部側から機器ｍ側の装着凹所１６に適合させて押し込む 。これにより、ロック爪１５は窓部２２側へ撓み装着凹所１６の内壁面に摺接し ながら押し込められてゆき、爪部１５ａが係止凹部２４に適合した時点で復帰し 、図２（Ａ）に示すように緩く係合する。この間、ロック爪１５は前述したよう に予め内方へ向けて（窓部２２側へ向けて）成形されているため、押し嵌め作業 を行う時の撓み量が少なくて済み、したがって、摺動抵抗が小さくなって、押し 嵌め作業が容易に行われる。

【００１９】 そして、雄側ハウジング４の装着が完了すれば、続いて雌コネクタ１の嵌合が 行われる。雌側ハウジング３の嵌合に当たっては、両突条１３を対応するガイド 溝２１にそれぞれ適合させ、これらの案内を受けながら嵌合を行う。そして、両 ハウジング３、４が完全に嵌合した状態になると、ロックアーム１１のロック凸 部１２が雄側ハウジング４の係止孔１９に係合して雌側ハウジング３の抜け止め がなされる。一方、これと同時に突起１４は逃がし凹部２３を通ってロック爪１ ５の内面に摺接しながら前進するため、ロック爪１５は次第に外方へ強制的に撓 み変形させられ、上記したロックアーム１１の係合がなされた時点で突起１４は 爪部１５ａの内側に位置して爪部１５ａを外側へ押圧する（図２（Ｂ）状態）。 これにより、ロック爪１５は窓部２２の開口面に沿ったストレートな姿勢に強制 変形させられる結果、爪部１５ａは係止凹部２４に深く係合する。したがって、 雄側ハウジング４は機器ｍ側に対して確実に抜け止めがなされる。また、従来に 比較してより深い係合状態が実現されるため、雌コネクタ１の電線８が引っ張ら れるようなことがあっても、爪部１５ａの折損の事態が有効に回避される。さら にまた、突起１４を設けたことによって雌雄両ハウジング３、４間のクリアラン スが解消され、ハウジング３、４間のがたつきも解消できる。

【００２０】 なお、本考案は種々の変更例が考えられ、次のようなものも本考案の技術的範 囲と言える。本例ではロック爪１５は雄側ハウジング４の一方の側面に設定した が、対称位置に一対設けるようにしてもよく、またロック爪１５の位置は機器ｍ 側の係止凹部２４に変更に伴って、例えば下面側に配置換えさせるようなことも できる。さらに、雄側ハウジング４ではなく雌側ハウジング３を機器ｍ側に装着 させるようにしてもよい。さらにまた、ロック爪１５は窓部２２を設定すること なく形成することも可能である。例えば、本例ではロック爪１５は雌側ハウジン グ３が差し込まれてくる側を基端としたが、逆に差し込み側を自由端とし、突起 １４がハウジングとの間の隙間に侵入するようにしてロック爪１５を外方へ強制 変形させるようにすることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】コネクタの分解斜視図

【図２】ロック過程を示す拡大断面図

【図３】雌雄両コネクタの側面図

【図４】機器側との係合状態を示す概略断面図

【図５】機器側を省略して両コネクタの結合状態を示す
断面図

【図６】従来のコネクタの装着状態を示す断面図

【符号の説明】

３…雌側ハウジング ４…雄側ハウジング ８…電線 １４…突起 １５…ロック爪 １６…装着凹所 ２４…係止凹部 ｍ…機器

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 相互に嵌合可能なコネクタのうちの一方
   のコネクタのハウジングは機器側に形成された装着凹所
   に嵌め込み可能に形成されるとともに、この一方のハウ
   ジングには前記装着凹所側の内壁面に弾性的に係合する
   撓み変形可能なロック爪が形成されるものにおいて、 前記他方側のコネクタのハウジングには両コネクタハウ
   ジングの嵌合時に前記ロック爪を係合方向へ押圧する突
   部が形成されていることを特徴とするコネクタ。
2. 【請求項２】 前記ロック爪は自然状態では内向きに延
   出形成されていることを特徴とするコネクタ。