JPH074201B2 - 良質な海苔の製造方法及び良質な海苔 - Google Patents

良質な海苔の製造方法及び良質な海苔

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JPH074201B2
JPH074201B2 JP4232829A JP23282992A JPH074201B2 JP H074201 B2 JPH074201 B2 JP H074201B2 JP 4232829 A JP4232829 A JP 4232829A JP 23282992 A JP23282992 A JP 23282992A JP H074201 B2 JPH074201 B2 JP H074201B2
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seaweed
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dried
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典孝 吉川
英樹 植原
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典孝 吉川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良質な海苔の製造方法
及び良質な海苔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、海苔は海藻中で蛋白質の含有量が
一番多く、繊維素やビタミンAも多量に含み、乾燥海
苔、海苔佃煮等の栄養価の高い食品として食されてい
る。特に、採集した海苔原藻を洗浄水で洗浄してカット
し、この洗浄カットした海苔原藻を調合水で調合した後
に海苔抄き工程で抄成処理し、次に海苔乾燥工程で乾燥
処理した乾燥海苔は、独特の風味と香りを有して副食品
として多くの人に嗜好されているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、近年
海水の汚染が進行して海苔原藻や海水を利用した洗浄水
内に混入した不純物や有害な雑菌が増加して乾燥海苔は
次第に高品質の製品が少なくなり、表面や裏面の全面や
一部につやがなく真黒な状態で乾燥される低品質の製品
が増加しつつある。この低品質の製品は乾燥海苔として
市場に提供できず、味付け海苔や海苔佃煮として2次加
工して、出荷せねばならないものであった。したがっ
て、品質の高い、高付加価値の乾燥海苔等を製造供給す
るため生産現場において日夜努力しているにもかかわら
ず、海水条件等により高品質の乾燥海苔製造について極
めてばらつきが生じて生産性が上がらず、よって、安定
して高い品質の乾燥海苔を製造し得るための手法の出現
が嘱望されていた。
【0004】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、採集した海苔原藻を洗浄あ
るいは調合する工程でキトサン溶解水で処理することに
より、海苔原藻に混入している不純物や有害な雑菌類が
浄化され、海苔原藻自体も活性化されて高品質の乾燥海
苔を得ることができ、生産者の増収を企図し得る良質の
海苔の製造方法及び良質の海苔を提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、本発明は、海苔原藻の洗浄工程あるいは調合工程
において、洗浄水あるいは調合水内に所定の割合でキト
サンを溶解させて水内に混濁している不純物を凝集沈殿
させる工程と、このキトサンが溶解されたキトサン溶解
水に海苔原藻を投入して洗浄あるいは調合する工程とを
含み、このキトサン溶解水で処理した海苔原藻を通常の
海苔抄き工程で抄成処理し、次に海苔乾燥工程で乾燥処
理して成る良質な海苔の製造方法から構成される。次
に、海苔原藻の洗浄工程あるいは調合工程において所定
の割合でキトサンが溶解されたキトサン溶解水に海苔原
藻を投入して洗浄あるいは調合し、このキトサン溶解水
により洗浄あるいは調合処理した海苔原藻を抄成、乾燥
させて成る良質な海苔から構成される。
【0006】
【作用】本発明の良質の海苔の造方法及び良質な海苔に
おいては、タンク内に貯留した海苔原藻の洗浄水あるい
は調合水内にまえもって所定の割合でキトサンを溶解さ
せて水内に混濁している不純物を凝集沈殿させる。そし
て、採集した海苔原藻をキントサンが溶解された洗浄水
で攪拌しつつ海苔原藻に付着している不純物や有害な雑
菌類を浄化する。洗浄後に海苔原藻をカットし、このカ
ットした海苔原藻を調合水で調合して通常の海苔抄き工
程で抄成処理し、次に海苔乾燥工程で乾燥処理するもの
である。キトサン溶解水で海苔原藻を洗浄処理するた
め、海苔原藻に付着していた不純物や有害な雑菌類が浄
化され、更に海苔原藻の細胞がキチン成分を吸収して海
苔原藻が活性化されて抵抗力が増大し、海苔原藻が腐敗
するのを抑制できる。この様に、不純物や有害な雑菌類
が浄化され、更に活性化された海苔原藻を通常の海苔抄
き工程で抄成処理し、次に海苔乾燥工程で乾燥処理する
ことにより、光沢や風味に優れた高品質の乾燥海苔とな
る。なお、海苔原藻の調合工程においてキトサン溶解水
を使用して海苔原藻を浄化したり、或は海苔原藻の洗浄
工程と調合工程とに共にキトサン溶解水を使用して海苔
原藻を浄化してもよい。
【0007】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明する。本
発明の実施例に係る良質な海苔の製造方法においては、
海苔原藻の洗浄工程あるいは調合工程において、洗浄水
あるいは調合水内に所定の割合でキトサンを溶解させて
水内に混濁している不純物を凝集沈殿させる工程と、こ
のキトサンが溶解されたキトサン溶解水に海苔原藻を投
入して洗浄あるいは調合する工程とを含み、このキトサ
ン溶解水で処理した海苔原藻を通常の海苔抄き工程で抄
成処理し、次に海苔乾燥工程で乾燥処理して成るもので
ある。
【0008】キトサンは、カニ、エビ等の甲殻を化学処
理してキチンを抽出し、更にキチンをN−脱アルカリ処
理して得られるものである。このキトサンは、凝集性、
吸湿性、抗菌性、殺菌性等の性質を有するために、近
年、その有効利用が各分野において活発に研究されつつ
ある。本発明の特徴的なことは、前記キトサンを溶解さ
せて混入している不純物を凝集沈殿させたキトサン溶解
水を、海苔原藻の洗浄水あるいは調合水として利用する
ことにあり、キトサンの作用により、海苔原藻に混入し
ている不純物を凝集させて沈殿浄化させ、更に、海苔原
藻等に付着している嫌気性菌の様な有害な雑菌をも除去
できることとなる。これにより、海苔抄き工程に供給す
る海苔原藻は、不純物や有害な雑菌が浄化され、また海
苔原藻の細胞がキチン成分を吸収して活性化され、海苔
抄き工程や海苔乾燥工程の途中で海苔原藻が変質するこ
となく、光沢や風味等に優れた高品質の乾燥海苔とな
る。この高品質の乾燥海苔の増加により生産者の収入が
増大される。
【0009】具体的な実施例として、例えば洗浄タンク
内に海水5000リットルを貯留し、この海水内にキト
サン(可溶性)3〜4%、乳酸1.5%、紅コウジ0.
25%及び水からなる溶液の1リットルを投入して攪拌
し、少くなくとも1時間程度静置する。これにより、キ
トサン溶解水中に混濁している不純物はキトサン成分に
より凝集されて沈殿され、この凝集沈殿物をタンク内よ
り排出除去させる。海水の混濁度が高い場合には濃度の
高いキトサン溶液を、海水の混濁度が低い場合には濃度
の低いキトサン溶液を使用する。また、赤ぐされ病等に
汚染され成育がやや不良な海苔原藻を加工する場合には
濃度の高いキトサン溶液を多めに投入するものである。
【0010】次に、採集した海苔原藻を前記洗浄タンク
内のキトサン溶解水5000リットル内に乾燥海苔10
000枚分程度の海苔原藻を投入して攪拌洗浄し、少な
くとも1時間程度静置する。これにより、海苔原藻に混
入している不純物は凝集沈殿され、また海苔原藻に付着
している腐敗菌の様な有害な雑菌はキトサン成分の殺菌
作用により浄化される。また、海苔原藻の細胞内にキト
サン成分が吸収されて海苔原藻が活性化され、以後の処
理工程において海苔原藻の変質を防止できる。前記キト
サン溶解水で洗浄する海苔原藻の割合は、キトサン溶解
水5000リットルに対し乾燥海苔10000枚分程度
の海苔原藻を投入することを目安とするが、生産する乾
燥海苔の枚数によって適宜調整するものである。
【0011】更に、洗浄タンク内のキトサン溶解水で洗
浄した海苔原藻を洗浄タンク内より引上げてカットし、
これを通常の調合タンク内の調合水に投入して調合す
る。なお、前記海苔原藻の洗浄工程でキトサン溶解水を
使用する代わりに、調合工程の調合水としてキトサン溶
解水を使用したり、或は海苔原藻の洗浄工程と調合工程
との両工程においてキトサン溶解水を使用し、海苔原藻
の浄化、活性化の度合いを海苔原藻の状態に合わせて高
めてもよい。
【0012】この様に、キトサン溶解水で洗浄あるいは
調合処理した海苔原藻を通常の海苔抄き工程で抄成処理
する。この抄成した海苔原藻を海苔乾燥工程で乾燥処理
する。この乾燥工程においては、乾燥温度を40〜50
℃で略2時間程度の時間をかけて低温乾燥させる。この
低温乾燥中において海苔原藻はキトサン溶解水で処理し
て活性化されているため、腐敗する様な変質の発生もな
く、光沢や風味に優れた良質の乾燥海苔として仕上るこ
ととなる。
【0013】実験例として、(A)海水5000リット
ルに海苔海苔5000枚分程度の海苔原藻を投入して攪
拌洗浄し、これを直に調合水で調合して海苔抄き工程
と、海苔乾燥工程とで仕上げた乾燥海苔5000枚と、
(B)海水5000リットルに3.0%キトサン溶液1
リットルを投入攪拌して略1時間後に、乾燥海苔500
0枚分程度の海苔原藻を投入して攪拌洗浄して1時間静
置し、これを調合水で調合して海苔抄き工程と、海苔乾
燥工程とで仕上げた乾燥海苔5000枚と、の市場にお
ける乾燥海苔価格の比較表を下記に示す。
【0014】比較表 1 枚数 1枚単価 金額 B 5000枚 19円66銭 98,300円 A 5000枚 14円46銭 72,300円 差益 26,000円 比較表 2 枚数 1枚単価 金額 B 4000枚 23円 92,000円 A 4000枚 0円 0円 差益 92,000円
【0015】上の比較表1では、キトサン溶解水で処理
しない乾燥海苔(A)は1枚の単価14円46銭、総金
額72,300円となり、キトサン溶解水で処理した乾
燥海苔(B)は1枚の単価19円66銭、総金額98,
300円となってその差益は26,000円となった。
また、比較表2の場合では、(A)被験資料では、結果
は真っ黒いスミ海苔となり、全くの不良海苔しか得られ
ず、途中で乾燥工程を中止した。一方、(B)被験資料
では、結果はすばらしい光沢で仕上がり、検査結果は特
等と評価され、上記のように23円/枚で評価された。
このように、本発明の良質な海苔の製造方法で製造した
乾燥海苔の方が高品質の乾燥海苔が得られ、生産性を向
上させて、収入を増大させることが解る。
【0016】次に、本発明の実施例に係る良質な海苔
は、海苔原藻の洗浄工程あるいは調合工程において所定
の割合でキトサンが溶解されたキトサン溶解水に海苔原
藻を投入して洗浄あるいは調合し、このキトサン溶解水
により洗浄あるいは調合処理した海苔原藻を抄成、乾燥
させて成ることにより、採集した海苔原藻に混入してい
る不純物や有害な雑菌類が浄化され、またキトサン成分
を海苔原藻が吸収して抵抗力が増大されて後の海苔抄き
工程や乾燥処理工程中に海苔原藻が変質することなく、
良質の乾燥海苔を生産でき、生産者の収入を増大でき
る。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る良
質の海苔の製造方法によれば、海苔原藻の洗浄工程ある
いは調合工程において、洗浄水あるいは調合水内に所定
の割合でキトサンを溶解させて水内に混濁している不純
物を凝集沈殿させる工程と、このキトサンが溶解された
キトサン溶解水に海苔原藻を投入して洗浄あるいは調合
する工程とを含み、このキトサン溶解水で処理した海苔
原藻を通常の海苔抄き工程で抄成処理し、次に海苔乾燥
工程で乾燥処理して成ることにより、採集した海苔原藻
内に混入した不純物や有害な雑菌類が浄化され、海苔原
藻自体も活性化されて抵抗力が増大されて海苔抄き工程
や乾燥処理工程中に海苔原藻が変質することなく、高品
質の乾燥海苔を得ることができ、生産者の増収を企図し
得ることとなる。
【0018】次に、請求項2に係る良質の海苔によれ
ば、海苔原藻の洗浄工程あるいは調合工程において所定
の割合でキトサンが溶解されたキトサン溶解水に海苔原
藻を投入して洗浄あるいは調合し、このキトサン溶解水
により洗浄あるいは調合処理した海苔原藻を抄成、乾燥
させて成ることにより、海苔原藻に混入している不純物
や有害な雑菌類が浄化され、また海苔原藻が活性化され
て変質することなく、良質の乾燥海苔となり、生産者の
収入を増大できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海苔原藻の洗浄工程あるいは調合工程に
    おいて、洗浄水あるいは調合水内に所定の割合でキトサ
    ンを溶解させて水内に混濁している不純物を凝集沈殿さ
    せる工程と、 このキトサンが溶解されたキトサン溶解水に海苔原藻を
    投入して洗浄あるいは調合する工程とを含み、 このキトサン溶解水で処理した海苔原藻を通常の海苔抄
    き工程で抄成処理し、 次に海苔乾燥工程で乾燥処理して成る良質な海苔の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 海苔原藻の洗浄工程あるいは調合工程に
    おいて所定の割合でキトサンが溶解されたキトサン溶解
    水に海苔原藻を投入して洗浄あるいは調合し、このキト
    サン溶解水により洗浄あるいは調合処理した海苔原藻を
    抄成、乾燥させて成る良質な海苔。
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