JPH0741306Y2 - 歩行型作業機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、歩行型芝刈機や歩行型耕耘機等の自走式の歩
行型作業機に関する。

〔従来の技術〕

歩行型作業機の一例である歩行型芝刈機においては、左
右一対の走行駆動用の車輪（走行装置に相当）のうち、
一方の車輪への伝動を断つサイドクラッチを備えて容易
に旋回が行えるように構成しているものがある。

このような歩行型作業機ではループ状の固定の操縦ハン
ドルを備えているので、サイドクラッチ入切操作用とし
てグリップ型式のクラッチレバーを、操縦ハンドルにお
いて機体前後方向に沿う左右の縦杆部に各々取り付けて
いるものがある（実開昭62-74436号公報の第３図及び第
４図参照）。

〔考案が解決しようとする課題〕 前述のように固定の操縦ハンドルを左右の縦杆部と、こ
の両縦杆部に亘る横杆部とのループ状に構成するのは、
各種の作業状態に対応できるように操縦ハンドルを手で
持てる範囲を広くする為である。しかしながら、前述の
ように小さなグリップ型式のクラッチレバーであると、
サイドクラッチの入切を頻繁に行うような場合、操縦ハ
ンドルにおいてクラッチレバー付近の部分しか実質的に
手で持てないような状態となるので、操縦ハンドルをル
ープ状に構成した意味が薄れる。

そこで、第５図に示すようにクラッチレバー（11
R′），（11L′）を、操縦ハンドル（８）における縦杆
部（8a）と横杆部（8b）との接続部付近にまで延出させ
たものが提案されたが、これでも不十分な点があり操作
性の面で改善の余地がある。

本考案は、歩行型作業機において、操縦ハンドル付近の
操作性の向上を図ることを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴は以上のような歩行型作業機において、次
のように構成することにある。つまり、サイドクラッチ
の各々に連係された左右一対のクラッチレバーの基部
を、操縦ハンドルの機体前後方向に沿う左右の縦杆部に
各々取り付け、両クラッチレバーを縦杆部から操縦ハン
ドルの機体左右方向に沿う横杆部に沿って延出すると共
に、左右のクラッチレバーの先端同志が前記横杆部の中
央付近にて近接するようにしてあることにあり、その作
用及び効果は次のとおりである。

〔作用〕

前述のように構成すると、例えば第１図に示すように操
縦ハンドル（８）の縦杆部（8a）から横杆部（8b）の略
全長に亘って、クラッチレバー（11R），（11L）が対向
するような状態となる。従って、操縦ハンドル（８）の
縦杆部（8a）又は横杆部（8b）のどこの位置を持ってい
ても、クラッチレバー（11R），（11L）の一方を手で操
作できることになる。

又、操縦ハンドル（８）の横杆部（8b）の中央付近を持
てば、片手で左右のクラッチレバー（11R），（11L）を
同時に操作したり、クラッチレバー（11R），（11L）の
一方を操作したりすることができるのである。

〔考案の効果〕

以上のように、操縦ハンドルのどこの位置を持っていて
もクラッチレバーの操作ができるようになり、サイドク
ラッチの入切を頻繁に行う作業でも操縦ハンドルの任意
の位置を持つことができるようになって、操作性の向上
を図ることができた。

又、操縦ハンドルの横杆部の中央を持てば、片手で左右
のクラッチレバーの操作が可能になるので、さらに操作
性の向上が図れる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第４図に示すように左右一対の前輪（１）及び左右一対
の後輪（２）（走行装置に相当）で支持された機体
（３）の下部に、３組の回転式の刈刃（４）を備えたモ
ーア（５）が取り付けられ、機体（３）の中央にエンジ
ン（６）、機体（３）の横側部に集草容器（７）、機体
（３）の後部に操縦ハンドル（８）が備えられて、歩行
型作業機の一例である自走式の歩行型芝刈機が構成され
ている。

次に、この歩行型芝刈機の走行系の伝動構造について説
明する。第４図に示すようにエンジン（６）の動力は後
側の走行用のミッションケース（９）に、ベルト伝動機
構（図示せず）を介して伝達される。このミッションケ
ース（９）内には正逆転切換え可能なギヤ変速機構（図
示せず）が備えられており、その正転又は逆転の動力を
左右のサイドクラッチ（10R），（10L）を介して左右の
後輪（２）に伝達するように構成している。

次に、操縦ハンドル（８）付近の構造について説明す
る。第１図に示すように操縦ハンドル（８）は機体前後
方向に沿う左右の縦杆部（8a）と、機体左右方向に沿う
横杆部（8b）とで構成されたループ状をしている。そし
て、平面視Ｌ字状のクラッチレバー（11R），（11L）が
左右一対備えられ、縦杆部（8a）の横軸芯（P₁）周りに
クラッチレバー（11R），（11L）の基部が揺動操作自在
に取り付けられると共に、両クラッチレバー（11R），
（11L）の先端が横杆部（8b）の中央付近で互いに近接
するように構成している。

そして、第２図に示すように左右のサイドクラッチ（10
R），（10L）とクラッチレバー（11R），（11L）とが各
々、ワイヤ（12）を介して連動連結されており、クラッ
チレバー（11R），（11L）を位置（Ａ）まで持ち上げる
とサイドクラッチ（10R），（10L）が切り操作される。
これにより、歩行型芝刈機を緩旋回させたり、両サイド
クラッチ（10R），（10L）を切り操作することによって
歩行型芝刈機の手押しが行える。又、クラッチレバー
（11R），（11L）を位置（Ｂ）まで持ち上げると、後輪
（２）に備えられたサイドブレーキ（図示せず）が入り
操作されて、急旋回が行えるのである。

又、クラッチレバー（11R），（11L）の基部にはこのク
ラッチレバー（11R），（11L）をサイドブレーキが入り
操作される位置（Ｂ）に保持可能なロック構造を備えて
おり、次にそのロック構造について説明する。第２図に
示すように縦杆部（8a）の横軸芯（P₂）周りに揺動自
在、且つ、つる巻きバネ（13）により紙面時計方向に付
勢された係合部材（14）が備えられており、通常の状態
ではクラッチレバー（11R），（11L）のピン（11a）は
係合部材（14）の長穴（14a）内に位置している。これ
により、クラッチレバー（11R），（11L）の揺動操作が
行える。

そして、クラッチレバー（11R），（11L）を二点鎖線で
示す位置（Ｂ）にまで操作した後に、係合部材（14）か
ら延出された操作アーム（15）を押し下げる。これによ
り、係合部材（14）の係止穴（14b）がピン（11a）の下
側に入り込むことになり、クラッチレバー（11R），（1
1L）は位置（Ｂ）で保持されるのである。

又、第１図に示すように操縦ハンドル（８）の上側に
は、操縦ハンドル（８）と略同形状の安全ハンドル（1
6）が配置されている。つまり、作業中においては安全
ハンドル（16）を操縦ハンドル（８）まで下げて、両者
をまとめて握りながら作業を行う。そして、作業者が転
倒して操縦ハンドル（８）から手を離すと、安全ハンド
ル（16）が上方に移動してエンジン（６）が自動的に停
止するように構成しているのである。

この場合、第３図に示すように安全ハンドル（16）を支
持するアーム（17）の付近に、リミットスイッチ（18）
を配置している。これにより、操縦ハンドル（８）から
手が離れて安全ハンドル（16）が上方に移動すると、ア
ーム（17）がリミットスイッチ（18）に接触するように
して、手が離れたことを検出しているのである。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型作業機の実施例を示し、第１
図は操縦ハンドル付近の全体斜視図、第２図はクラッチ
レバー基部付近の側面図、第３図は安全ハンドル基部の
アーム付近の横断平面図、第４図は歩行型芝刈機の全体
側面図、第５図は本考案と比較する為に示した操縦ハン
ドルの全体斜視図である。 （２）……走行装置、（８）……操縦ハンドル、（8a）
……操縦ハンドルの縦杆部、（8b）……操縦ハンドルの
横杆部、（10R），（10L）……サイドクラッチ、（11
R），（11L）……クラッチレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】左右一対の走行装置（２），（２）のうち
   の一方への伝動を断つサイドクラッチ（10R），（10L）
   と、ループ状の操縦ハンドル（８）とを備えた歩行型作
   業機であって、 前記サイドクラッチ（10R），（10L）の各々に連係され
   た左右一対のクラッチレバー（11R），（11L）の基部
   を、前記操縦ハンドル（８）の機体前後方向に沿う左右
   の縦杆部（8a）に各々取り付け、両クラッチレバー（11
   R），（11L）を縦杆部（8a）から操縦ハンドル（８）の
   機体左右方向に沿う横杆部（8b）に沿って延出すると共
   に、左右のクラッチレバー（11R），（11L）の先端同志
   が前記横杆部（8b）の中央付近にて近接するようにして
   ある歩行型作業機。