JPH0739211B2 - 光記録媒体の製造方法 - Google Patents

光記録媒体の製造方法

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JPH0739211B2
JPH0739211B2 JP61169677A JP16967786A JPH0739211B2 JP H0739211 B2 JPH0739211 B2 JP H0739211B2 JP 61169677 A JP61169677 A JP 61169677A JP 16967786 A JP16967786 A JP 16967786A JP H0739211 B2 JPH0739211 B2 JP H0739211B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、半導体レーザの集束ビームを用い追記するこ
とが可能な光記録媒体の製造方法に関するものであり、
さらに詳しくはコンピューター外部メモリー、画像、音
声等の各種情報の記録に用いられる光記録媒体の製造方
法に関する。
〔従来技術〕
上記した追記可能な光記録媒体としては、テルル、テル
ル合金、ビスマス合金等の低融点金属薄膜の無機系記録
層を有する記録媒体や、例えば米国特許4,298,975号に
開示されているようなフタロシアニン色素膜を記録層と
する記録媒体が提案されている。
また、光記録媒体においては、昭和60年3月発行の「光
ディスク技術動向調査(財団法人、光産業技術振興協編
集・発行)65〜69頁に種々の記録層構成の媒体、例えば
光吸収層単層、光吸収層/反射層2層構成等が開示され
ており、光吸収層(本願発明における記録層に相当)単
層媒体も光吸収層/反射層の2層構成媒体も公知であ
る。
しかしながら、これら記録媒体は真空蒸着、スパッタリ
ング等の真空中での記録層の形成を必要とするために生
産性が低く、かつ無機系記録層を有する媒体は記録層の
熱伝導率が大きいために記録密度の点で限界がある。ま
たこれらはテルル等の有毒物質を用いるので毒性の面で
不安がもたれている。
一方フタロシアニン色素を記録層とする媒体は、記録層
の光学特性が半導体レーザの発振波長とマッチングしな
いため、通常蒸着によって得られる記録膜を熱又は有機
溶媒の蒸気に曝す処理、いわゆるシフト化処理を行わな
ければならず、このシフト化処理は煩雑であり、かつ1
〜72時間にも及ぶ長時間の処理を必要とするために実用
に供されていない。
上記したような問題を解決するために、可溶性の有機色
素を用いて塗布方法により記録膜を形成した媒体が提案
されている。例えばジチオール金属錯体、ポリメチン色
素、スクアリリウム色素やナフトキノン色素等の半導体
レーザ域に吸収を有し有機溶剤に可溶な有機色素をスピ
ンコート法で塗布する方法が開発され一部実用化されて
いる。
しかしながら、これまでに提案されている色素の中で、
例えばシアニン系色素やスクアリリウム色素を記録層と
する媒体は耐久性に乏しいという欠点があった。またジ
チオール金属錯体のように該色素膜単独では反射率が本
質的に低いために別途金属薄膜や金属酸化物薄膜等の無
機系化合物からなる反射層を必要とするという問題があ
った。
例えば米国特許4,492,750号はアルキル置換ナフタロシ
アニン色素を用いる媒体に関するものであるが、該特許
においてはガラスやポリメチルメタクリレートの基板上
にAl等の反射層を設けその上に有機溶媒蒸気処理した0.
005μ〜0.1μの粒径のアルキル置換ナフタロシアニン色
素粒子を樹脂バインダー中に分散させた光学記録層組成
物を設けた光記録媒体が開示されている。このように基
板上に直接有機色素からなる記録層を形成することがで
きず、Al等の無機系化合物からなる反射層を記録層とは
別に基板上にわざわざ蒸着等の真空プロセスで形成せざ
るを得ないということは光記録媒体の製造工程をより煩
雑にしている。また、それにもまして問題であるのは、
Al等の無機系の化合物からなる反射層を設けた場合は当
然のことながら、信号の記録や読み出しのためのレーザ
ビームを基板側から照射すると、たとえ基板自体は透明
であっても該レーザビームは光を実質的に透過しない金
属の反射層で遮られて記録層には達しない。したがって
反射層を設けた場合は、必然的に信号の記録・再生は基
板を通して行うことができず、記録層側から行わざるを
得ない。このような場合、記録層表面上のわずかなゴミ
やキズでさえも、凹凸からなる信号の正常な記録及び再
生を大きく妨害する。それ故に実用に供するにあたり記
録層の上に保護層としてオーバーコート等が必要とな
る。もし透明な基板を通してレーザビームを照射して信
号の記録及び再生を行うことができれば、レーザ光が入
射する側、つまり、レーザ光が焦点を結ぶ前の媒体面上
のゴミやキズの存在は基板の厚み相当分の隔たりのため
に信号の記録・再生に実質的に影響しないために保護層
は必要でなくなる。
また、前記したようなジチオール金属錯体、ポリメチン
色素、スクアリリウム色素やナフトキノン色素等は塗布
法により記録膜の形成は可能であっても、記録位置制御
のため案内溝(グルーブ)やプレフォーマット信号用の
凹凸を有する熱可塑性樹脂基板(該凹凸部ももつ可塑性
樹脂よりなる基板)に塗布した場合、我々が検討したと
ころによると、なぜかしばしばトラッキングエラー信号
に異常を生じ、記録位置制御がうまく行えず信号の記録
及び読み出しができないことがわかった(塗布時に溶剤
等に起因してグルーブに何らかの異常が生じていると思
われるが詳細は勿論不明である)。
そこで前記した従来の有機色素の場合は、フラットな熱
可塑性樹脂基板に、例えば紫外線硬化性樹脂等の熱硬化
性樹脂を用いて案内溝やプレフォーマット信号等の凹凸
を別にわざわざ形成し該基板に色素溶液を塗布する手段
を採用していた。
しかしながら、前記したような紫外線硬化性樹脂等の熱
硬化性樹脂を用いて凹凸部を形成するには余計な工程が
増えて煩雑であり、生産性及び経済性の点で好ましくな
い。かかる点から塗布法により記録膜を形成する際に、
基板を形成する際に、スタンパー等を用いて同時に凹凸
が付与された熱可塑性樹脂基板(凹凸部も熱可塑性樹脂
からなる基板)の使用を可能にならしめる方法の開発が
強く望まれていた。
〔基本的着想〕
本発明者等は有機系色素膜を記録層とした光記録媒体の
前記したような欠点を改良すべく鋭意検討を行った結
果、特定のフタロ/ナフタロシアニン系色素と特定の有
機溶剤とからなる有機色素をを用いることにより、従来
の有機色素では実現し得なかった案内溝やプリフォーマ
ット用の凹凸を有する透明な熱可塑性樹脂基板に直接塗
布により記録層を形成することができ、かつ、得られた
光記録媒体は耐久性に優れる光記録媒体が形成できるこ
とを見出し本発明を完成した。
〔発明の開示〕
すなわち本発明は、透明な基板を通しての光ビームによ
り信号の記録及び読み出しが行える光記録媒体の製造方
法であって、 (a)一般式(I) 〔式中、Mは金属、金属の酸化物又は金属のハロゲン化
物を表し、L1,L2,L3及びL4は、無置換又は1つ以上の一
価の置換基−Zを有するベンゼン環又はナフタレン環骨
格を表す。ただし、−Zは以下の置換基からなる群より
選択される: −R1, −OR2, −SiR3R4R5, −SR6, −COR7, −COOR8, −CONHR9, −NR10R11, −R12OR13及び −R14X (式中、R1−R14は炭素数1〜12個の炭化水素基を、X
はハロゲンを表す。)〕で示されるフタロ/ナフタロシ
アニン色素を (b)溶解度パラメーターが8.5未満の有機溶剤に溶解
した液を、案内溝やプリフォーマット信号用の凹凸を有
する透明な熱可塑性樹脂基板に接触せしめ、該樹脂基板
の凹凸を有する面に前記一般式(I)で表されるフタロ
/ナフタロシアニン色素を含有する記録層を形成するこ
とを特徴とする光記録媒体の製造方法を提供する。
本発明においては、透明な樹脂基板を通しての光ビーム
により信号の書き込みや読み出しを行うことがゴミやキ
ズ等による影響を受けにくくなるので好ましい。したが
って、本発明において用いられる透明な樹脂基板とは、
信号の書き込みや読み出しを行うための光の透過率が好
ましくは85%以上であり、かつ光学的異方性の小さいも
のが望ましい。
これらの透明な樹脂基板には記録及び読み出しの際の位
置制御のための案内溝や、アドレス信号や各種マーク等
のプレフォーマットのための凹凸を通常有しているが、
本発明においてはこれらの凹凸は熱可塑性樹脂を用いて
基板を形成(射出、圧縮等)する際にスタンバー等を用
いて同時に付与されたものである。これらの樹脂基板の
厚さは特に制限がなく板状でもフィルム状でもよいが、
通常、約50μ〜5mm程度のものが使用される。また、そ
の形状は円形やカード状のものでもよく、その大きさに
は特に制限はない。
本発明において用いられる透明な樹脂基板に用いられる
樹脂の具体例としてはアクリル系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリアミド系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルエステ
ル樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリ−4−メチルペンテ
ン等)、ポリエーテルスルフォン樹脂等の熱可塑性樹脂
が挙げられる。これらのうち光学特性や機械的特性の点
からポリカーボネート系樹脂が好ましい。
本発明においては、かかる基板上に、下記一般式(I) 〔式中、Mは金属、金属の酸化物又は金属のハロゲン化
物を表し、L1,L2,L3及びL4は、無置換又は1つ以上の一
価の置換基−Zを有するベンゼン環又はナフタレン環骨
格を表す。ただし、−Zは以下の置換基からなる群より
選択される: −R1, −OR2, −SiR3R4R5, −SR6, −COR7, −COOR8, −CONHR9, −NR10R11, −R12OR13及び −R14X (式中、R1−R14は炭素数1〜12個の炭化水素基を、X
はハロゲンを表す。)〕で示されるフタロ/ナフタロシ
アニン色素を溶解度パラメーターが8.5未満の有機溶剤
に溶解した液を、案内溝やプリフォーマット信号用の凹
凸を有する透明な熱可塑性樹脂基板に接触せしめること
により基板上にフタロ/ナフタロシアニン色素の記録層
を設けるものである。
本発明において記録層に用いられる前記一般式(I)で
示されるフタロ/ナフタロシアニン色素において、置換
基−Z中のR1〜R14で表される炭化水素基の具体例とし
ては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピ
ル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、n−アミル、iso−アミル、sec−アミル、tert−
アミル、n−ヘキシル、iso−ヘキシル、1−メチル−
1−エチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘプ
チル、tert−ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシ
ル、ノニル、デシル、ドデシル、等のアルキル基;ビニ
ル、アリル等のアルケニル基;フェニル、トリル(=メ
チルフェニル)、キシリル(=ジメチルフェニル)等の
置換フェニル基が挙げられ、ハロゲンXの具体例として
は弗素、塩素、臭素、沃素等が挙げられる。
置換基−Zのより具体的な例としては、−R1としては、
前記したよえな、アルキル基、アルケニル基もしくは置
換フェニル基;−OR2としては、メトキシ基、エトキシ
基、ブトキシ基、オクトキシ基、ドデカンオキシ基、ア
リルオキシ基、フェノキシ基もしくはジメチルフェニル
オキシ基;−SiR3R4R5としては、トリメチルシリル基、
トリエチルシリル基もしくはトリフェニルシリル基;−
SR6としては、メチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチ
オ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基もしくはフェニ
ルチオ基;−COR7としては、アセチル基、エチルカルボ
ニル基、ブチルカルボニル基、オクチルカルボニル基、
ドデシルカルボニル基もしくはベンゾイル基;−COOR8
としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ブトキシカルボニル基、オクトキシカルボニル基、
ドデシルオキシカルボニル基もしくはフェノキシカルボ
ニル基;−CONHR9としては、メチルカルボキシアミド
基、エチルカルボキシアミド基、ブチルカルボキシアミ
ド基、オクチルカルボキシアミド基、ドデシルカルボキ
シアミド基もしくはフェニルカルボキシアミド基;−NR
10R11としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基もしくはジ
フェニルアミノ基;−R12OR13としては、メトキシメチ
ル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基もしくはフ
ェノキシエチル基及び−R14Xとしては、クロルメチル
基、クロルエチル基、クロルブチル基、クロルオクチル
基、クロルドデシル基もしくはクロルフェニル基等が挙
げられる。
一方、前記一般式(I)で表されるフタロ/ナフタロシ
アニン色素におけるMの具体例としてはCu等の周期律表
のIb族金属;Mg,Ca,Sr,Zn,Cd等のII族金属;Al、Ga,In,Tl
等のIII族金属;Ge,Sn,Pb,Ti等のIV族金属;Sb,Bi,V,Nb,T
a等のV族金属;Se,Ta,Cr,Mo,W等のVI族金属;Mn,Tc等のV
II族金属;Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt等のVIII族金属
や、これらの金属の酸化物や塩化物、臭化物、ヨウ化物
等のハロゲン化物が挙げられる。これらの金属、金属の
酸化物、金属のハロゲン化物は通常2価であるが、1価
と3価の混合であってもよい。また酸素を介して2量体
となっていてもよい。
本発明においては一般式(I)で表されるフタロ/ナフ
タロシアニン色素を溶解度パラメーターが8.5未満の有
機溶剤に溶解して使用するが、この有機溶剤に対する溶
解性の点から、一般式(I)のフタロ/ナフタロシアニ
ン色素の一分子中の全ての置換基−Z中の炭素原子数の
合計が20以上が好ましく、24以上がさらに好ましい。一
方、前記した色素の一分子中の置換基−Zの炭素原子数
の合計が48を越える場合は、形成される色素膜の反射率
が小さくなり好ましくない。この置換基−Zの導入のさ
れ方には特に限定はなく、例えばフタロ/ナフタロシア
ニン色素の4つのベンゼン環又はナフタレン環に平均し
て入っていても、また1つのベンゼン環又はナフタレン
環だけに1個又は複数個導入されていてもよい。さらに
ベンゼン環、ナフタレン環に結合している置換基の結合
位置も特に制限はない。
本発明のフタロ/ナフタロシアニン色素における“フタ
ロ/ナフタロ”という表現は、一般式(I)における
L1,L2,L3及びL4の具体的な組み合わせにおいて、例えば
全てがベンゼン環の場合(フタロシアニン色素)、全て
がナフタレン環の場合(ナフタロシアニン色素)やベン
ゼン環とナフタレン環の混合の組み合わせがあり、これ
ら全てを含むことを意味する。すなわち、一般式(I)
のフタロ/ナフタロシアニン色素において、L1,L2,L3
びL4は上記したごとくベンゼン環又はナフタレン環骨格
を表すが、色素膜の吸収と反射の波長の点からは、L1,L
2,L3,L4のうち3ケ以上が上記したナフタレン環からな
るのが好ましく、また全部が上記したナフタレン環から
なるいわゆるナフタロシアニン色素が最も好ましい。
前記した色素膜のレーザ光に対する吸収と反射の点から
は、一般式(I)で表されるフタロ/ナフタロシアニン
色素における前記したMの中で、Cu,Ni,Mg,Pd,Co,Nb,S
n,In,Ge,Ga,V,Ti,Al,W等の金属やこれら金属の酸化物及
びこれら金属の塩化物が好ましい。
本発明においては一般式(I)で表されるフタロ/ナフ
タロシアニン色素は1種または2種以上を混合して使用
できる。
なお、本発明で用いられる前記フタロ/ナフタロシアニ
ン色素は、例えば、Zh.Obs.Khim.,42696−699(1972)
等に記載の公知の方法に準じて容易に合成することがで
きる。
次に本発明において前記したフタロ/ナフタロシアニン
色素を溶解するのに用いられる有機溶剤はその溶解度パ
ラメーターが8.5未満の有機溶剤が好ましい。溶解度パ
ラメーターが8.5以上の有機溶剤を用いた場合は、有機
溶剤の種類、塗布条件及び記録位置制御用の案内溝やプ
レフォーマット信号の凹凸の形成等によって異なるが、
記録位置制御を十分に行うことができず、信号の記録や
読み出しがうまく行えない場合が生じ好ましくない。お
そらく塗布時に基板のグルーブになんらかのダメージが
生じるものと推定される。
なお、本発明における溶解度パラメーターとは、δ=
((ΔHV−RT)/VL1/2〔ここでδ:溶解度パラメータ
ー、ΔHV:蒸発熱、VL:モル体積を表す〕の式により求め
た値とし、ΔHVはHildebrand ruleにより沸点より計算
されるΔHV 298=23.7Tb+0.020Tb2−2950の値とする
(ただし、Tb:沸点)。従って、溶解度パラメーターも2
98゜Kの値とする。なお、Hildebrand ruleにより沸点
が求められた溶解度パラメーターの具体例は例えば浅原
照三編、講談社発行、溶剤ハンドブック62〜63頁に一部
具体的に記載されている。またHildebrand ruleによる
溶解度パラメーターの計算方法に関してはJ.H.Hildebra
nd,“Solubility of Nonelectorolytes"424−427(195
0),Reinhold Publishing Co.に記載されている。
本発明に用いられる溶解度パラメーターが8.5未満の有
機溶剤の具体例としては、例えばペンタン、n−ヘキサ
ン、イソヘキサン、3−メチルペンタン、ネオヘキサ
ン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、2−メチル
ヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、
2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4
−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,2,3−
トリメチルブタン、n−オクタン、イソオクタン及びオ
クタンの他の異性体、ノナン及びその異性体、デカン及
びその異性体、ウンデカン、ドデカン等の飽和脂肪族炭
化水素;ペンテン、ヘキセン及びその異性体、ヘキサジ
エン及びその異性体、ヘキサトリエン、ヘプテン及びそ
の異性体、ヘプタジエン及びその異性体、ヘプタトリエ
ン、オクテン及びその異性体、オクタジエン、オクタト
リエン、ノネン、ノナジエン、ノナトリエン、デセン、
ウンデセン、ドデセン等の不飽和脂肪族炭化水素;シク
ロペンタン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペ
ンタン、エチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、シクロヘ
プタン、シクロオクタン等の飽和脂環式炭化水素;シク
ロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、メ
チルシクロヘキセン、ジメチルシクロヘキセン、エチル
シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、メチルシクロヘ
キサジエン、シクロヘプテン等の不飽和脂環式炭化水
素;さらにテルペン系炭化水素;ジエチルエーテル、ジ
プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチル
エーテル、ジイソブチルエーテル、ジペンチルエーテル
等の鎖状エーテル類;トリクロロトリフルオロエタン、
塩化プロピル等が挙げられるが、中でも前記した飽和脂
肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素、飽和脂環式炭化
水素、不飽和脂環式炭化水素や鎖状エーテル類が好まし
く、それらの中でも沸点が180℃以下のものが記録層の
形成のしやすさの点で特に好ましい。これらの溶剤は1
種又は2種以上を混合して用いてもよい。
なお、溶解度パラメーターの下限に関しては特に限定は
ないがフタロ/ナフタロシアニン色素に対する溶解性の
点から6.8以上が好ましい。
本発明においては前記した溶解度パラメーターが8.5未
満の有機溶剤以外に溶解度パラメーターが8.5以上の溶
解を該8.5未満の溶剤と混合して使用してもよい。例え
ばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロ
ン等のケトン系溶剤;エチルアルコール、プロピルアル
コール、ブチルアルコール、アミルアルコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングルコール
モノブチルエーテル、ベンジルアルコール等のアルコー
ル系溶剤;クロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレン、
メチルクロロホルム、トリクレン、テトラクロルエチレ
ン、ジクロルエチレン、ジクロルエタン、テトラクロル
エタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグラム、
ジメチルホルムアミド等の溶解度パラメーターが8.5以
上の溶解を8.5未満の溶剤と混合して使用してもよいの
である。勿論この場合でも、混合した溶剤の溶解度パラ
メーターが8.5未満になるように混合割合を調整しなけ
ればならないことは言うまでもない。
本発明においては、溶剤を混合して用いる場合には、混
合した溶剤の溶解度パラメーターは混合した各溶剤の体
積分率と各溶剤の溶解度パラメーターとの積の和すなわ
ち下記の(I)式で求めた値とする。
δ=V1δ+V2δ+V3δ+・・・・+Vnδn・・・
・(1) ここで、 V1,V2,V3,…,Vn:混合溶剤中の各溶剤の体積分率 δ123,…,δn:混合溶剤中の各溶剤の溶解度パラ
メーター 本発明における前記色素溶液の濃度は溶剤の種類及び記
録膜の形成方法によって異なるが、通常0.1〜10重量
%、好ましくは0.3%〜5重量%である。この際本発明
においては、記録膜の反射率を高くしたり、感度の向上
のために前記色素液に他の可溶性色素を本発明の効果を
阻害しない範囲において、例えば使用色素合計の大略50
%未満の範囲で混合して使用することもできる。混合し
て使用できる色素としては既に公知の例えば芳香族又は
不飽和脂肪族ジアミン系金属錯体、芳香族又は不飽和脂
肪族ジオール系金属錯体、ポリメチン系色素、スクアリ
リウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系
色素類等が挙げられる。これらの色素を添加する際はこ
れらと本発明の色素との両方の色素を溶解するように溶
剤を選択しなければならない。
本発明においては記録膜を形成する際に記録膜の平滑性
を高めるためやピンホール等の欠陥を少なくするために
本発明のフタロ/ナフタロシアニン色素の溶液もしくは
必要ならばフタロ/ナフタロシアニン色素と前記した他
の色素との溶液にニトロセルロース、エチルセルロー
ス、アクリル樹脂、ポリスチレン、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラー
ル、ポリエステル樹脂等の可溶性の樹脂やレベリング
剤、消泡剤等の添加剤を加えてもよい、しかしながら、
これらの樹脂や添加剤を必要以上に多量に添加すると、
記録層の反射率が低下したり、記録膜において色素が均
一に溶解せず分散状態になったりして記録感度が低下し
たり反射率が低下することになる。これらの点より樹脂
バインダー及び添加剤の添加量は記録膜中の20重量%未
満、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量
%以下である。言い換えれば、本発明において記録層中
のフタロ/ナフタロシアニン色素の量と前記したような
混合して用いることの可能な色素の合計量は少にくとも
80重量%〜100重量%、好ましくは90重量%〜100重量
%、さらに好ましくは95重量%〜100重量%である。
本発明の光記録媒体の製造方法において記録層を透明な
基板上に定着(形成)するには、例えば、前記したフタ
ロ/ナフタロシアニン色素と有機溶剤からなる色素溶液
を基板に接触させて色素を基板上に定着することによ
る。より具体的には、例えば、基板上に前記色素液を流
下せしめたのち又は基板表面を色素液の液面に接触せし
めてから引き上げたのち基板を回転させながら余剰の液
を除去する方法や、基板を回転させながら色素液を該基
板上に流下せしめる方法等がある。この際記録層中のフ
タロ/ナフタロシアニン色素を溶解するのに用いた有機
溶剤は、用いた有機溶剤の種類にもよるが記録層の膜厚
が非常に薄いために、通常回転等による余剰の液の除去
の際に好都合にも実質的に殆ど揮発してしまう。しかし
ながら溶剤の揮発が不十分であったりする場合はこのあ
と強制的な乾燥を行ってもよい。
本発明の方法で作られた光記録媒体においては前記した
ように透明な基板を通してのレーザ光ビーム(基板側か
ら照射された光ビーム)により信号の記録及び再生を行
うのが好ましい。このような場合には記録層の膜厚があ
まり厚くなると、書き込み用の光が厚い記録層を通過す
るにつれて吸収されることにより相当減衰してしまい、
記録層表面(空気と接している面)にまで十分到達しな
い。したがってこの表面での光量が不足し温度上昇が不
十分で信号に対応する凹凸の形成を満足に行うことがで
きない。その結果感度が低下したり、またたとえなんと
か記録できたとしても、信号を読み出す際のS/N(信号
と雑音比)値が小さく実用に供し得ない。
一方記録層の膜厚があまり薄い場合には後に述べるよう
に、光の干渉により記録層での反射率が十分得られずし
たがって大きなS/N値を得ることはできない。
したがって、適当な厚みの記録層を形成する必要がある
が、本発明の光記録媒体における記録層の膜厚はその目
安として40〜400nmが好ましく、さらに好ましくは60〜2
50nmである。
膜厚の測定には種々の方法があり、また正確な測定値を
得るにはかなり難しいものであるが、本発明を実施する
にあったては、エリプソメーター又は媒体の断面を顕微
鏡を用いて測定した値を使用するのが好ましい。なお、
基板上に案内溝がある場合の膜厚の測定は特に難しい
が、同じ基板内で案内溝の凹凸(pregroove)を有しな
い部分の膜厚で代用することも十分可能である。
本発明の1つの特徴とするところは、このようにして形
成した記録層は、それ自身かなり高い反射率を有してい
ることであり、したがって、該記録層そのものが同時に
反射層としての機能をも兼ね備えていることである。
したがって、本発明の方法で作られた光記録媒体は従来
のごとく特に金属薄膜や金属酸化物もしくは金属合金薄
膜等の無機化合物からなる反射層をなんら設けなくとも
信号を記録したり読み出す際の、レーザビームの焦点制
御や信号の書き込み位置のトラック制御が可能となるも
のである。
一般に、光記録媒体において信号を書き込むには記録層
に焦点を合わせてレーザビームを照射する。該照射部の
記録層の色素がレーザ光を吸収し熱を発生するため記録
層が変質し、凹凸が形成され反射率が変化することによ
り書き込みが行われる。この反射率の変化を、レーザビ
ーム光で検出することにより信号の読み出しを行うが、
一般にこの反射率の変化が小さいと、S/N(信号と雑音
の比)値が小さく好ましくない。
しかしてここで注意すべきことは、記録が行われた際の
光記録媒体の反射率の変化の仕方(mode)すなわち凹凸
が形成された場合の反射率の変化の仕方は、当該光記録
媒体の記録層の構成によって全く異なることである。例
えば、米国特許4,219,826号に開示されているような光
反射層と光吸収層の2層からなる媒体の場合は光吸収層
中に凹凸が形成されることにより該光吸収層に覆われて
いた反射層が露出し、したがって記録後は凹凸の部分の
反射率が増加する。それ故にこのような場合は初期(つ
まり凹凸が形成される前の)反射率はレーザビームの制
御が可能な程度であればよいのである。一方、反射層を
有さず記録層が光反射層と光吸収層を兼ねたいわゆる単
層(monolayer)からなる光記録媒体において事情は全
く逆となり、凹凸の形成によりその部分の反射率は低下
するのである。すなわち、凹凸の部分の反射率は元々記
録層が有していた特有の反射率より低くなる。このよう
な場合には、大きなS/N値を得るためには、基板を通し
て元々の反射率が信号が書き込まれる前の状態において
少なくとも10%以上、好ましくは15%以上あることが望
ましい。この10%以上好ましくは15%以上の反射率は、
本発明の色素を用い、かつ記録層の膜厚を適切に選択す
ることによって容易に達成することができるのである。
しかして反射率は、記録層の表と裏からの反射光による
干渉等により膜厚に応じて変化する。この場合における
反射率の測定は記録に用いるのと同じ波長の光源を用い
て、かつ案内溝等の凹凸を有しない透明な基板に記録層
を定着し、5゜正反射付属設備を備えた分光光度計を用
いて、透明な基板を通して測定したものであるが、本発
明における反射率はこのようにして測定した値を意味す
るものとする。基板を通して光を照射した際、反射は基
板と記録膜との界面及び記録膜と空気との界面で起こ
る。そしてこれら2つの反射光が互いに干渉仕合い記録
層の膜厚によって変化する。それ故に本発明においては
膜厚を適切に選択することにより、十分大きな反射率が
得られる。
例えば、本発明においては用いられるテトラ−6−tert
−ヘプチル−2,3−ナフタロシアニンバナジル色素のオ
クタン溶液を1.2mmのフラットなアクリル樹脂板上に塗
布して得られた120nmの膜厚を有する記録膜のアクリル
樹脂板を通して測定した記録層の反射率、透過率の波長
依存性を第1図に示す。この記録層は、730〜850nmにブ
ロードな吸収を有する。この吸収波長域は半導体レーザ
の発振波長とよく合致している。またこの波長域におけ
る反射率も13%以上あり特に780〜850nm域においては15
%以上の反射率を有する。第1図から明らかなように、
本発明の記録膜はなんら有機溶媒蒸気処理(シフト化処
理)しなくてもレーザの発振波長域に大きな吸収と反射
率を有することがわかる。勿論、より大きな反射率を得
るために、光記録膜の上に金属等の反射層を設けてもよ
い。
米国特許4,492,750号に開示されているように、樹脂バ
インダー量が40〜99重量%、好ましくは60〜90重量%と
多い領域では、色素がバインダー中に均一に溶解してお
らず、色素粒子が分散した状態となるため有機溶媒蒸気
処理しなければ色素の分光特性がレーザの発振波長にマ
ッチングしない。これに対し、本発明のように樹脂バイ
ンダー量が0〜20重量%未満とはるかに少ない領域で
は、意外なことに同じような色素を用いているにもかか
わらず、有機溶媒蒸気処理しなくてもレーザの発振波長
域に多きな吸収を持つことを我々は発見した。この理由
は正確には不明であるが、おそらく色素の分子間の会合
状態又は結晶構造が樹脂バインダー量の多少によって大
きく異なるものと考えられる。本発明においてはさらに
大きな特徴として、樹脂バインダー(結着剤)を実質的
に使用せず、実質的にフタロ/ナフタロシアニン色素の
みで記録層を形成することも可能なことが挙げられる。
通常真空蒸着等により有機色素単独の膜を作成した場
合、得られた膜は機械的強度の点で劣っている。それ故
に、有機色素にバインダーとして多量の樹脂を添加して
色素膜の機械的強度を改良していたが、本発明の特定の
色素では、バインダー量がはるかに少ないか、もしくは
全く無いにかかわらず、実質的にフタロ/ナフタロシア
ニン色素単独の記録膜は光記録媒体として用いるに十分
な機械的強度を有していることがわかった。
本発明の方法で作られた光記録媒体を実用に供するに当
たってはS/N値を向上させるために反射層を設けたり、
記録層を保護する目的で記録層の上に紫外線硬化樹脂等
を塗布したり、記録層面に保護シートを張り合わせた
り、また記録層面同志を内側にして2枚を張り合わせる
等の手段を併用してもよい。張り合わせる際には、記録
層上にエアーギャップを設けて張り合わせる方が望まし
い。
なお、記録及び読み出し用に使用するレーザ光とは、73
0〜870nm好ましくは750〜860nmに発振波長を有する半導
体レーザである。そして例えば5m/sで記録する場合の基
板面上におけるレーザ出力は4mW〜12mW程度とすればよ
く、また読み出し出力は記録時の1/10程度でよく0.4mW
〜1.2mW程度とすればよい。
〔発明を実施するための好適な形態〕
以下、実施例により本発明の好適な具体化の例を説明す
る。
実施例1 (1)厚さ1.2mm、直径130mmでらせん状の案内溝(深さ
70nm、幅0.6μm、ピッチ1.6μm)を基板の射出成形時
に付与したポリカーボネート樹脂板の案内溝を有する面
にテトラ−6−tert−ヘプチル−2,3−ナフタロシアニ
ンバナジル色素3重量部とオクタン(溶解度パラメータ
ー:7.54)97重量部からなる溶液を滴下したのち、この
ポリカーボネート樹脂板を1000rpmの速度で10秒間回転
し記録層を形成した。次にこのポリカーボネート樹脂板
を40℃の雰囲気で10分間乾燥し、ポリカーボネート樹脂
板に記録層を定着した。なお凹凸のないフラットな部分
で測定した記録層の厚さは顕微鏡による断面の測定で90
nmであった。またポリカーボネート樹脂板を通しての83
0nmの波長を有する光に対する反射率は21%であった。
(2)このようにして作った光記録媒体を記録層を上に
してターンテーブルに載せ、900rpmの速度で回転させな
がら、830nmの発振波長と基板面での出力が8mWを有する
半導体レーザを装備した光学へッドを用いて、光記録媒
体の下側からレーザビームがポリカーボネート樹脂板を
通して記録層に集束するように制御しながら1メガヘル
ツのパルス信号の記録を行った。次に同じ装置を用いて
半導体レーザの出力を基板面で1.0mWにして同じように
記録した信号の再生を行った。この時のS/N(信号・雑
音比)値は54デシベルで極めて良好な信号の書き込みと
読み出しが行えた。
(3)この光記録媒体の耐久性を調べるために60℃、95
%RHの雰囲気に4ケ月間放置したのち、未記録部に前記
と同じ方法で信号の記録を行い、耐久性テストをする前
に記録した信号と、耐久性テスト後に記録した信号の再
生を行ったところそれぞれ53,52デシベルのS/N値が得ら
れ、耐久性テストによる変化は十分に小さいことがわか
った。
(4)なお、耐久テスト後の信号の記録部のピットの形
状を走査型電子顕微鏡で観察したが、耐久性テスト前に
記録したピットも耐久性テスト後に記録したピットもほ
ぼ同じような形状であり、Te系等の無機薄膜を記録層と
する光記録媒体において熱伝導率が大きいために発生す
ると考えられる雑音の原因となるピットの縁の盛り上が
りは殆ど見られず、非常にきれいなピット形状であっ
た。
実施例2 実施例1で用いたポリカーボネート樹脂板を用い、第1
表に示した置換基4個とMを有するナフタロシアニン色
素と有機溶剤を用いて実施例1と同じ方法で光記録媒体
を作り反射率及びS/N値を調べた。結果を第1表にまと
めた。
実施例3 実施例1におけるオクタンの代わりに第2表に示した混
合溶剤を用いる以外は実施例1と同様の方法で光記録媒
体を作り、反射率、膜厚及び記録・再生評価を行いS/N
値を求めた。結果は第2表にまとめた。
実施例4 分子中に平均3ケのジアミルナフタレン環と1ケの無置
換ベンゼン環からなるフタロ/ナフタロシアニンバナジ
ル色素を用いる以外は実施例1と同様の方法で光記録媒
体を作った。記録膜の厚さは約90nm,780nmの波長の光に
対する反射率は19%であった。
次に780nmの発振波長の半導体レーザを装備した装置を
用いて実施例1と同様にして記録評価した。この時のS/
N値は52デシベルであり極めて良好であった。
〔発明の効果〕
以上のように本発明においては凹凸を有する熱可塑性樹
脂基板に色素液を直接塗布して記録層を形成することが
でき、かつ、かくして製造された本発明の光記録媒体は
記録層自身が十分な反射率を有するために金属薄膜や金
属化物薄膜等による反射層を設けなくても信号の書き込
みや読み出しを行うことができ、かつ反射率が大きいた
め大きなS/N値が得られる。また、本発明により製造さ
れた光記録媒体は熱や湿度に対して安定で長期間にわた
る使用が可能である。
さらに、記録部のビットの形状は縁の盛り上がりが見ら
れないことからも大きなS/Nが得られることが裏付けら
れると同時に記録密度の向上の可能性が認められる。
【図面の簡単な説明】
第1図はテトラ−6−tert−ヘプチル−2,3−ナフタロ
シアニンバナジル色素膜の透過率、反射率の波長依存性
を示すグラフである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な基板を通しての光ビームにより信号
    の記録及び読み出しが行える光記録媒体の製造方法であ
    って、 (a)一般式(I) 〔式中、Mは金属、金属の酸化物又は金属のハロゲン化
    物を表し、L1,L2,L3及びL4は、無置換又は1つ以上の一
    価の置換基−Zを有するベンゼン環又はナフタレン環骨
    格を表す。ただし、−Zは以下の置換基からなる群より
    選択される: −R1, −OR2, −SiR3R4R5, −SR6, −COR7, −COOR8, −CONHR9, −NR10R11, −R12OR13及び −R14X (式中、R1−R14は炭素数1〜12個の炭化水素基を、X
    はハロゲンを表す。)〕で示されるフタロ/ナフタロシ
    アニン色素を (b)溶解度パラメータが8.5未満の有機溶剤に溶解し
    た液を、案内溝やプリフォーマット信号用の凹凸を有す
    る透明な熱可塑性樹脂基板に接触せしめ、該樹脂基板の
    凹凸を有する面に前記一般式(I)で表されるフタロ/
    ナフタロシアニン色素を含有する記録層を形成すること
    を特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(I)で表されるフタロ/ナフタロ
    シアニン色素において、一分子中に含まれる全ての置換
    基−Z中の炭素原子数の合計が20〜48である特許請求の
    範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】一般式(I)で表されるフタロ/ナフタロ
    シアニン色素において、一分子中に含まれる全ての置換
    基−Z中の炭素原子数の合計が24〜48である特許請求の
    範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】一般式(I)で表されるフタロ/ナフタロ
    シアニン色素において、置換基−Zが−R1,−OR2,−SiR
    3R4R5もしくは−SR6から選択される特許請求の範囲第1
    項記載の方法。
  5. 【請求項5】一般式(I)で表されるフタロ/ナフタロ
    シアニン色素において、L1,L2,L3及びL4の3つ以上が無
    置換又は置換されたナフタレン環である特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】一般式(I)で表されるフタロ/ナフタロ
    シアニン色素において、L1,L2,L3及びL4が無置換又は置
    換されたナフタレン環である特許請求の範囲第5項記載
    の方法。
  7. 【請求項7】基板上の凹凸が熱可塑性樹脂により形成さ
    れたものである特許請求の範囲第1項記載の方法。
  8. 【請求項8】該凹凸が基板を形成する際に同時に形成さ
    れたものである特許請求の範囲第7項記載の方法。
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