JPH0738039U - 硬貨等の整流装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 整流ローラー前のブリッジ現象を防止するこ
とのできる硬貨の整流装置に関する。 【構成】 整流コンベアの入側に供給された硬貨等を整
流コンベア上に配設した整流ローラーで整流し、その出
側１５から硬貨等を一枚ずつ排出するものであって、整
流コンベアの入側を出側より低くなるように傾斜して設
けると共に搬送コンベアと整流コンベアとの間にストッ
パーを設けて、搬送コンベアから立った状態のまま供給
された硬貨等を横に倒して整流コンベア終端から排出で
きるように構成し、立った状態の硬貨が整流ローラー手
前に溜るのを防いでカウントミスを防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願考案は、整流コンベアの入側に供給された硬貨等を整流コンベア上に所定 の間隔をもって配設した整流ローラーで整流し、その出側から硬貨等を一枚づつ 排出する硬貨等の整流装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、実公昭６３−２４５１９号の硬貨整流搬送装置が周知である。 このものは、図４に示すように、水平に配設した硬貨搬送コンベア４の上方に 所定の間隔をもって設けた整流ローラー１７で硬貨ａを一枚づつ整流するように なっている。整流された硬貨ａはコンベア終端から落下し、センサー７でその枚 数が検出される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、以上のように水平に配設された硬貨搬送コンベア４で整流を行うと、 横になっている硬貨ａは整流できるが、ａ’のように立った状態で搬送されてき た硬貨を整流できない欠点があった。そのため図５のように、立った状態の硬貨 ａ’が整流ローラー１７の手前に何枚も溜ってコンベア内でブリッジの原因にな ると共に、これらがセンサー７で検出されないため、カウントミスの原因となっ ていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで以上の技術的課題の解決を図るべく、搬送コンベアの終端に硬貨のスト ッパーを介して整流コンベアを配設したものであり、該整流コンベアは上記搬送 コンベアからの硬貨の入側を出側より低くなるよう所定の傾斜角度を持たせて配 設し、該整流コンベア上方には先端の軸を支点として基端のネジでカバーを揺動 自在に設け、該カバー先端に軸架した整流ローラーと整流コンベアとの間隔調整 ができるように構成し、かつストッパーは両コンベア間の隙間からの硬貨の落下 を防止し、かつ硬貨を横倒しするもので構成した硬貨等の整流装置を考案した。

【０００５】

【作用】

整流コンベアの入側に横になった状態で供給された硬貨等は、整流コンベアの 周動によって出側に移動し、その途中で整流ローラーで整流されて整流コンベア 終端から一枚づつ排出される。また、搬送コンベアから整流コンベアに立った状 態のまま供給された硬貨等はコンベアの傾斜により出側に移動することなく、一 旦は整流コンベア入側に止まった状態となるが、搬送コンベアの終端に配設され たストッパーを利用することにより、次々と供給される硬貨等にぶつかってやが て倒され、こうして横になって整流コンベアの周動で出側に移動し、整流ローラ ーで整流されて整流コンベア終端から一枚づつ排出される。 しかして、整流コンベア終端から排出された硬貨等は、落下中に一枚づつ正確 に検出され、カウントミスを生じない。

【０００６】

【実施例】

以下、パチンコ島内に設けられた整流装置を例にとって本考案の実施例を説明 する。 図３において、１は多数のパチンコ台２と玉貸機３を備えたパチンコ島であっ て、その内部に各玉貸機３から排出された硬貨ａを矢印５方向に搬送する搬送コ ンベア４があり、この搬送コンベア４の終端に本考案の実施例にかかる整流装置 ６が配設してある。７は硬貨ａの枚数をカウントするセンサーであり、８は硬貨 ａのタンクである。

【０００７】 図１は以上のような整流装置６の詳細を示し、１０は駆動ローラー１１と従動 ローラー１２に捲回された整流コンベアであり、この整流コンベア１０の入側１ ３に搬送コンベア４の終端から落下した硬貨ａが供給される。１４は両コンベア の隙間から硬貨ａを落下するのを防ぐと共に、硬貨ａの横倒しに利用するストッ パーである。図示のものはくの字形傾斜板１４ａと側板１４ｂとで形成されてい る。整流コンベア１０の入側１３が出側１５より低くなるように傾斜して設けて ある。この傾斜角度θは硬貨ａと整流コンベア１０の摩擦係数μに基づいて決定 され、例えば整流コンベア１０を革などにした場合には、μが約０．５６と大き いので、傾斜角度θを２９．２°程度以下の傾斜にしておけば、一枚の硬貨ａが ベルトを滑ることはない。 また、硬貨ａが重なり合った場合には、金属どうしのμが約０．１５乃至０．２ ０と小さいので、傾斜角度θを１２°程度にすれば、重なり合った硬貨ａは滑り 落ちて一枚づつ整流ローラー１７に入り込み整流が容易となる。 また、整流コンベア１０の下方にテンションローラー１６が設けてある。 整流コンベア１０の上方に硬貨ａよりも僅かに広い程度の間隔をもって整流ロ ーラー１７が配設してある。整流ローラー１７を軸架しているカバー１８は軸１ ９で揺動自在になっていて、カバー上面基端に螺入されたネジ２０を回すことに より整流コンベア１０と整流ローラー１７の間隔を調節できる。２１はカバー１ ８を閉じるように付勢しているスプリングで、カバー１８の途中に設けられてい る。 そして軸１９は整流ローラー１７近くのカバー１８の先端に設けられ、ネジ２ ０はカバー１８の基端に設けられていて搬送コンベア４のフレームに取付けられ ている。 そこで、ネジ２０をしめることにより、カバー１８の基端が下がり、その反力 として整流ローラー１７が上がる。 又、ネジ２０をゆるめることによりカバー１８の基端が上がり、整流ローラー １７が下がるようになっている。ここで、整流ローラー軸と軸１９との間の距離 よりも整流ローラー軸からネジ２０に至る距離が長いので僅かな力で微調整がで きる。しかして整流コンベア１０の出側１５にはガイド２２があり、その上方に 駆動モーター２３が配設してある。

【０００８】 図２に示すように、駆動モーター２３の駆動軸２４にスプロケット２５が取り 付けてあり、整流コンベア１０の駆動ローラー１１にはスプロケット２６、チェ ーン２７を介して駆動モーター２３の動力が伝達される。整流ローラー１７には スプロケット２８、チェーン２９、スプロケット３０を介して駆動ローラー１１ の回転が伝達される。また、搬送コンベア４の駆動ローラー３１にはスプロケッ ト３２、チェーン３３、スプロケット３４を介して駆動ローラー１１の回転が伝 達される。以上の動力伝達機構により、各ローラーは図１において反時計方向に それぞれ回転する。

【０００９】 しかして、以上の構成からなる本考案実施例の整流装置において、各玉貸機３ から排出された硬貨ａはパチンコ島１内の搬送コンベア４によってその終端まで 搬送されて落下し、整流コンベア１０の入側１３に供給される。 こうして整流コンベア１０に横になった状態で供給された硬貨ａは、整流コン ベア１０の周動によって出側１５に順次移動し、その途中で整流ローラー１７で 整流されて整流コンベア１０終端から一枚づつ排出される。 また、ａ’に示されるように、整流コンベア１０の入側１３に立った状態のま ま供給された硬貨は、整流コンベア１０に傾斜が設けられていることとストッパ ー１４とにより出側に移動することがなく、一旦はコンベア入側１３に止まった 状態となるが、搬送コンベア４から次々と供給されてくる硬貨ａにぶつかってや がて倒され、しかもストッパー１４により両コンベアの隙間から硬貨が落下しな い。 こうして横になって整流コンベア１０の周動で出側１５に移動し、その途中で 整流ローラー１７で整流されて整流コンベア１０終端から一枚づつ排出される。 そして、整流コンベア１０終端から排出された硬貨ａは、ガイド２２に受け渡 されて落下し、その落下中にセンサー７によって一枚づつ正確に検出される。

【００１０】 しかして、本考案は以上の実施例に限定されるものではなく、硬貨以外の例え ばゲーム用メタル、コイン等の整流装置にも同様に実施できるものである。 なお、実施例のように搬送コンベア４の終端から整流コンベア１０の入側１３ に硬貨ａを落下させて供給するように構成すると、その落下のショックを利用し て硬貨ａを横に倒すこともできるので更に都合がよく、また、搬送コンベア４の 出口側と整流コンベア１０の入口側との落差を利用して整流コンベア１０の入側 １３に硬貨ａを貯められるので、ストック容積を増やせるといった特徴がある。

【００１１】

【考案の効果】

以上何れにしても本考案の硬貨等の整流装置にあっては、立った状態のまま供 給された硬貨等をストッパーで横に倒し、さらに傾斜を有する整流コンベアと整 流ローラーを介して確実に整流し、一枚づつ排出させることができるので、従来 のように立った状態の硬貨が整流ローラーの手前に溜ることがなく、カウントミ スを生じない。従って、パチンコ店などに於ける管理がしやすくなり、作業効率 の向上を図ることができる。 又、ストッパーは搬送コンベアと整流コンベアとの間の隙間から硬貨が落下す るのを防止するものであるから整流コンベアが傾斜していることと相俊って硬貨 は整流コンベアの入側に止まり、搬送コンベアから次々と供給されてくる硬貨に ぶつかって倒れ、横倒し作用が倍加される。 更に整流コンベアに対応する整流ローラーは揺動自在なカバーに軸架されてい るので、整流コンベアとの間隔調整ができ、整流効果を上げることができるし、 先端の軸を支点として基端のネジでカバーは揺動自在でそのカバーの先端に整流 ローラーは軸架されているので僅かな力で調整できる。 また、カバーが整流ローラーの調整機構を兼用しているので、別の調整機構を 備える必要がなく、装置をコンパクトに形成できる。 更に、搬送コンベアと整流装置が別体の構成となるので、メンテナンスがしや すいといった特徴がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】整流装置の内部機構を表す正面図

【図２】整流装置の駆動伝達機構を表す平面図

【図３】パチンコ島内部の説明図

【図４】従来技術の説明図

【図５】考案が解決しようとする課題を説明する斜面図

【符号の説明】

６ 整流装置 １０ 整流コンベア １３ 整流コンベア入側 １５ 整流コンベア出側 １７ 整流ローラー ａ 硬貨

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送コンベアの終端に硬貨のストッパー
   を介して整流コンベアを配設したものであり、該整流コ
   ンベアは上記搬送コンベアからの硬貨の入側を出側より
   低くなるよう所定の傾斜角度を持たせて配設し、該整流
   コンベア上方には先端の軸を支点として基端のネジでカ
   バーを揺動自在に設け、該カバー先端に軸架した整流ロ
   ーラーと整流コンベアとの間隔調整ができるように構成
   し、かつストッパーは両コンベア間の隙間からの硬貨の
   落下を防止し、かつ硬貨を横倒しするもので構成した硬
   貨等の整流装置。