JPH07335216A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JPH07335216A
JPH07335216A JP6124979A JP12497994A JPH07335216A JP H07335216 A JPH07335216 A JP H07335216A JP 6124979 A JP6124979 A JP 6124979A JP 12497994 A JP12497994 A JP 12497994A JP H07335216 A JPH07335216 A JP H07335216A
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JP
Japan
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lithium
binder
aggregate
negative electrode
density
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Application number
JP6124979A
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English (en)
Inventor
Takashi Suzuki
貴志 鈴木
Kohei Yamamoto
浩平 山本
Yoshihisa Hino
義久 日野
Yoshiro Harada
吉郎 原田
Hideaki Nagura
秀哲 名倉
Nozomi Narita
望 成田
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FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【構成】 リチウムを含んだ正極1と、炭素質材料から
なる負極2と、非水系リチウムイオン導電性電解質を備
えた非水電解質二次電池において、前記負極2は、主と
して骨材および結合材の2成分を出発原料として得られ
た高密度等方性黒鉛成形体が粉砕された炭素質粉末とす
る。ここで、前記高密度等方性黒鉛成形体は、Baco
nの異方性因子が1.0〜1.1となるようにし、前記
炭素質粉末は、真密度が1.8g/cm3 以上で、かつX
線広角回折法によって求めた002面の面間隔が3.4
Å以下となるようにする。 【効果】 特に高電流密度で充放電を行なった場合のリ
チウムの吸蔵・放出量が多くて充放電容量が大きく、か
つ第1サイクルの充電時に発生する容量損失が小さく、
体積エネルギー密度が大きい非水電解質二次電池を提供
することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウムをドープ・脱
ドープする負極炭素質材料を改良した非水電解質二次電
池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非水電解質二次電池の炭素質材料からな
る負極は、充放電サイクル中での容量劣化が少なく、優
れた耐久性を示すことで注目されている。これは、炭素
質材料が卑な電位でリチウムの吸蔵・放出を可逆的に行
なうことが可能であるためで、リチウムと炭素質材料と
の層間化合物が可逆的に形成されることを利用したもの
である。
【0003】例えば、セパレータを介して十分な量のリ
チウムを含有する正極、炭素質材料および非水系リチウ
ムイオン導電性電解質で電池を構成すると、この電池は
放電状態で組立が完了することになる。このため、この
主の電池は組立後に充電しないと放電可能状態にならな
い。この電池に対して第1サイクルの充電を行なうと、
正極中のリチウムは電気化学的に負極炭素質材料の層間
にドープされる。そして放電を行なうと、ドープされて
いたリチウムは脱ドープし、再び正極中に戻る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この場合の
炭素質材料の単位重量当たりの電気容量(mAh/g)
は、リチウムの吸蔵・放出可能容量によって決まるた
め、このような負極ではリチウムの電気化学的な可逆的
吸蔵量を可及的に大きくすることが望ましい。この種の
電池のように、電池内で電気化学的にリチウムと炭素の
層間化合物を生成させる場合(充電操作に相当)、理論
的には炭素原子6個に対してリチウム原子1個の割合で
吸蔵された状態が上限、つまりリチウムと炭素質材料の
層間化合物の飽和組成となる。
【0005】このような条件を満たす負極炭素質材料と
して、従来より或る種の有機系高分子化合物またはその
複合物を種々の方法によって炭素化または黒鉛化したも
のが使用されてきた。また、天然黒鉛のように、天然に
存在する炭素質物質も検討されている。
【0006】しかし、従来の炭素質材料では、特に高電
流密度でリチウムの吸蔵・放出を行なった場合(電池の
操作では、各々急速充電・重負荷放電に相当)、リチウ
ムを吸蔵・放出できる量、即ち電池を構成した場合にお
ける容量が不十分で、上述の電気化学的な可逆的吸蔵量
の理論値の半分程度にしか過ぎないのが実情であった。
【0007】また、この種の炭素質材料にあっては、非
水系リチウムイオン導電性電解質の種類によって程度の
差はあるものの、第1サイクルにおけるリチウムのドー
プ量に対して脱ドープ量が100%とはならない。この
主な原因については、ドープされたリチウム量の何%か
は不活性化して炭素質材料中に残存するためだと考えら
れる。また、非水系リチウムイオン導電性電解質として
リチウム塩を含む非水電解液を用いた場合は、前記理由
に加えて、充電過程でリチウムがドープされると同時
に、この電気化学反応に関与しているリチウムの一部が
非水電解液の還元分解に消費されることも考えられる。
このため、以後のサイクル全てに容量が減少したままで
充放電が繰り返されることになる。
【0008】一方、充放電反応は、リチウムイオンが正
極側から負極側、及び負極側から正極側に移動すること
によって行なわれるので、移動可能なリチウム量が当該
電池の充放電容量となる。しかしながら、前述のよう
に、第1サイクルにおける脱ドープ時に移動可能な量が
減少するため、以後のサイクル全てに容量が減少したま
まで充放電が繰り返され、電池のエネルギー密度が減少
するという欠点があった。
【0009】本発明は以上の問題点を解決するものであ
り、その目的は、特に高電流密度で充放電を行なった場
合のリチウムの吸蔵・放出量が多いと同時に、第1サイ
クルの充電時に発生する容量損失が小さいような負極炭
素質材料を開発することによって、重量および体積エネ
ルギー密度が大きい非水電解質二次電池を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、リチウ
ムを含んだ正極と、炭素質材料からなる負極と、非水系
リチウムイオン導電性電解質を備えた非水電解質二次電
池において、前記負極は、主として骨材および結合材の
2成分を出発原料として得られた高密度等方性黒鉛成形
体が粉砕された炭素質粉末であり、前記高密度等方性黒
鉛成形体は、Baconの異方性因子が1.0〜1.1
であり、前記炭素質粉末は、真密度が1.8g/cm3
上で、かつX線広角回折法によって求めた002面の面
間隔が3.4Å以下であることを要旨とする。
【0011】一般的に、2成分系の黒鉛成形体は以下の
ような工程を経て実際に製造されている。
【0012】まず、炭素質原料(骨材)に結合材を添加
した原料組成物を加熱混捏およびガス抜きを行なった
後、粉砕して混合し、次いで加圧成形して炭素化処理を
行なった後、得られた炭化物に更に液体(結合材)含浸
処理を行なって再度炭素化処理を行ない、黒鉛化するこ
とによって得る方法である。
【0013】本発明等は、このようにして得られた黒鉛
成形体の中でも、高密度かつ光学的等方性を有し、Ba
conの異方性因子(BAF値)が1.0〜1.1であ
り、この黒鉛成形体を粉砕して得られる炭素質粉末は、
X線広角回折法によって求めた002面の面間隔d(0
02)が3.4Å以下、真密度が1.8g/cm3 以上で
ある場合、このような炭素質粉末が非水電解液二次電池
用負極炭素質材料として用いられると、特に高電流密度
で充放電を行なった場合のリチウムの吸蔵・放出量が多
いと同時に、第1サイクルの充電時に発生する容量損失
が小さいことを見出した。
【0014】主として骨材および結合材の2成分からな
る2成分系の黒鉛成形体の代表的な炭素質原料である骨
材としての各種コークス粒は、多少なりとも異方的形状
を持っているので、従来のような押し出し成形やモール
ド成形では、加圧方向に対してコークス粒子が一定の方
向に配向して異方性を示すようになるため、このような
特性を持つ黒鉛成形体は、一般的に前記製造方法に加え
て下記製造方法に限定されている。
【0015】まず、骨材としてのコークス粒は、粒内内
孔を排除し、充填密度を上げて高密度化を図ること、ま
た成形体の内部組織を等方化するために、骨材である炭
素質原料の最大粒子径を10μm以下に超微粉砕し、好
ましくは最大粒子径が6〜8μm程度とする。前述のよ
うに、骨材としての各種コークス粒は多少とも異方的形
状を持っているので、このような原料からは異方的形状
を持った粒子が得られるが、微粒化と共に順次異方性が
小さくなる。また、骨材の充填密度を大きくするために
は、骨材に対して10〜25重量%のカーボンブラック
を加えてもよい。
【0016】前述の超微粉砕によって炭素質原料の表面
積が増大し、これに伴ないその全表面積を結合材で被覆
するためには多量の結合材を必要とし、そのため多量の
結合材を添加することによって炭素粒子間の結合を一層
強固なものにすることが出来る。従来の製品で使用され
る結合材量は、吸油量や水銀ポロシメータ等のデータか
ら求められるような粒子表面を単分子膜で蔽い、粒子間
隙を填めるに足る量であるのに対し、この方法では、遥
かに多量の結合材を加え、むしろ骨材粒子が結合材中に
分散しているとも言える混合物から出発するものであ
る。
【0017】勿論、多量の結合材を添加することは過剰
の揮発分を含有させることとなり、焼成時の膨張を招く
ため、前記高密度成形体を得る目的上好ましくない。こ
のため、長時間の高温混捏や空気吹き込み等によるガス
抜きを行なって所定量まで揮発分を減少させることが必
要である。この際、結合材成分の重縮合を行なわせても
よい。また、結合材は当然骨材との密着性が良くなけれ
ばならず、このため互いのヌレ特性を考慮する必要があ
る。結合材として代表的なコールタールピッチの各種コ
ークスとの接触角の測定では、180℃以上で接触角が
殆ど0になることからしても、180℃以上のかなり高
温で混捏するのが望ましい。このような観点から、炭素
質原料100重量部に加える結合材の量は20〜130
重量部程度が好ましい。
【0018】このようにして得られた混捏物を数十μm
以下、更に好ましくは20μm以下程度に粉砕して成形
粉とすると、成形粉は準等方的なモザイク構造になって
実現される。
【0019】これらの成形粉は、冷間静水圧成形法(C
IP成形法)で成形することにより、光学的等方性の成
形体を得ることが可能となる。これは、CIP成形法で
は成形粉はモールド成形や押し出し成形のように一定方
向の圧力を受けるのではなく、全ての方向から一様な圧
力を受けるので、粒子の選択的配向が起こらないからで
ある。また、CIP成形法には、モールド成形のように
型と成形粉の間の摩擦がないので、圧力の伝達が良く、
同じ成形圧力を加えた場合よりも高密度の成形体が得ら
れる。従って、それを熱処理した炭素材料は一層高密度
で等方性となる特徴がある。操作は、成形粉をゴム性
の型容器に入れ、容器を密封し、必要な場合には脱気
し、これを加圧容器中の圧力媒体に沈めて加圧し、
一定時間保持した上で除圧し、型から取り出す、という
ように比較的簡単である。この場合の成形圧力は約0.
7〜2.0t/cm2 程度が好ましい。
【0020】このようにして得られたCIP成形体を不
活性雰囲気中で900〜1600℃程度に熱処理して炭
素化し、得られた焼成体に液体含浸処理を行なった後、
再度炭素化を行なう。CIP成形体は、通常900〜1
600℃の炭素化過程で最も良く収縮し、亀裂を生じる
場合がある。このような部分に、結合材に用いられてい
るピッチ等の液体含浸処理を行ない、再度900〜16
00℃で炭素化を行なうことによって、高密度の焼成体
が得られる。骨材および結合材の種類によっては、液体
含浸およびそれに続く炭素化の操作は省略してもよい
が、高密度化を達成する目的から必要に応じて2回以上
繰り返しても一向に構わない。
【0021】以上の操作の後、前記焼成体を約2500
℃以上で黒鉛化することによって2成分系の高密度等方
性黒鉛成形体が得られる。黒鉛化処理の前に炭素化処理
過程を経ているため、黒鉛化処理過程での成形体の収縮
による亀裂、或いは膨張による粒内内孔などの生成を最
小限度に抑制することが出来る。黒鉛化温度は、最終的
に得られる黒鉛成形体の002面の面間隔d(002)
が3.4Å以下となるように任意に設定すればよい。
【0022】前記骨材コークスとしては、2成分系の高
密度等方性黒鉛の骨材として使用されているものであれ
ばいずれも採用可能であるが、偏光顕微鏡の下で観察さ
れる微細組織がいわゆる“粒状モザイク組織”であっ
て、モザイク構成単位が数μm〜十数μm程度であるこ
とが望ましい。モザイク構成単位が数十μm以上の繊維
状であって、広範囲に亙って異方性領域を持つ流れ構造
を示すような骨材コークスを用いて得られた黒鉛成形体
は強い異方性を示し、Baconの異方性因子が1.1
を越えるため好ましくない。
【0023】特定の有機化合物を用いて炭素化処理を行
なうことによっても、前記した微粒モザイク組織が多
く、微細組織が複雑で、光学的等方性に近い組織を有す
る骨材コークスを得ることが出来る。
【0024】例えば、2〜4環芳香族炭化水素(ナフタ
レン、フェナンスレン、クリセン、アントラセン、ベン
ザンスレン、トリフェニレン又はピクセン等)またはそ
の誘導体を不活性ガスによる加圧下で焼成・炭化して得
たコークス、又はコールタールピッチを不活性ガスによ
る加圧下で焼成・炭化し、上下2層に分離したコークス
のうち下層のコークスである。
【0025】その他の有機化合物の例としては、縮合性
多環多核芳香族(いわゆるCOPNA樹脂)も良好な骨
材コークスとなり得る場合がある。縮合性多環多核芳香
族とは、縮合多環芳香族炭化水素の重縮合体の巨大分子
を指す。例えば、ピレン、ペリレン、イソビオラントロ
ン等の有機化合物(主材)と、ベンズアルデヒド、9,
10−ジハイドロアントラセン等の有機化合物(架橋
材)とを、パラトルエンスルホン酸、無水マレイン酸な
どの有機酸触媒下で100〜200℃程度で加熱・混合
し、得られた重合物を必要に応じて中和処理を行なっ
て、残留溶液を吸引濾過などの手段で除去することによ
って得られる。このようにして得られた縮合性多環多核
芳香族を炭素化したものの中には、その組織が流れ模様
主体の繊維状となる場合と、微粒モザイク組織を多く有
していて微細組織が複雑となる場合、又はその中間の組
織を示す場合とがあるが、前述のように、微粒モザイク
組織を多く有している縮合性多環多核芳香族炭化物を骨
材として用いるのが好ましい。
【0026】また、特定の炭素繊維(特に、汎用グレー
ドのピッチ系カーボンファイバー)も骨材として使用可
能である。汎用グレードのピッチ系カーボンファイバー
は、微粒モザイク組織を多く有していて微細組織が複雑
で、モザイク構成単位が10μm以下である。
【0027】前記結合材としては、易黒鉛化性でソフト
カーボンを与えるような有機高分子化合物、例えばコー
ルタールピッチ、縮合性多環多核芳香族樹脂などが好ま
しい。
【0028】このようにして得られた2成分系の高密度
等方性黒鉛成形体は、002面の面間隔d(002)が
3.4Åを越えると、リチウムの吸蔵・放出量(充放電
容量)が減少するため好ましくない。また、Bacon
の異方性因子が1.1を越えると、分極が大きくなって
特に高電流密度で充放電を行なった場合の充放電容量が
低下すると共に、第1サイクルの充電時に発生する容量
損失が大きくなるため好ましくない。更に、黒鉛成形体
の密度が高いほど、それを粉砕して得られる炭素質粉末
の真密度が高くなり、これを用いて得られた電池は体積
エネルギー密度が大きくなるため望ましく、最低でも
1.8g/cm3 以上でなければ、この種の電池特性を満
足するものが得られない。
【0029】以上詳細に説明してきた炭素質材料に結合
材を混ぜ合わせて混練・造粒して負極を構成する一方、
正極として、リチウムを吸蔵・放出可能であり、かつリ
チウムを含有した酸化物、硫化物などを用いて、セパレ
ータ、非水系リチウムイオン導電性電解質を組み合わせ
れば、本発明による非水電解質二次電池が得られる。電
池形態は、偏平形、スパイラル形のいずれであっても採
用可能である。
【0030】この場合、正極材料としては、この種の電
池に使用されるものであれば如何なるものであってもよ
いが、特に十分な量のリチウムを含有した材料が好まし
い。例えば、LiMn2 4 や一般式LiMO2 (但
し、MはCo、Niの少なくとも一種を表わす。従っ
て、例えばLiCoO2 、LiCo0.8 Ni0.2
2 等)で表わされる複合金属酸化物やリチウムを含んだ
層間化合物が好適である。
【0031】非水系リチウムイオン導電性電解質として
は、非水溶媒中に電解質としてのリチウム塩を含んだ非
水電解液およびリチウムイオン導電性の非水系固体電解
質が挙げられる。
【0032】非水電解液は、有機溶媒と電解質とを適宜
組み合わせて調製されるが、これら有機溶媒、電解質
は、この種の電池に使用されるものであればいずれも使
用可能である。例示するならば、有機溶媒としてはプロ
ピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−
ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブ
チロラクトン、テロラヒドロフラン、2−メチルテロラ
ヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテ
ル、スルホラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート等である。また、電解質としてはLiCl
4 、LiAsF6、LiBF4 、LiPF6 、LiC
3 SO3 、LiCl等である。
【0033】リチウムイオン導電性の非水系固体電解質
シートは、固体電解質粉と絶縁性高分子弾性体とからな
る混合物を非導電性網状体の開口部に充填して製造され
る。
【0034】この混合物を非導電性網状体の開口部に充
填する具体的方法としては、溶剤を含有させた混合物中
に非導電性網状体を含浸し、非導電性網状体に溶剤含有
混合物を十分付着させた後、ブレード、ロール等により
開口部に充填すると共に、過剰に付着している溶剤含有
混合物を除去する方法が挙げられる。この際、ブレー
ド、ロール等と溶剤含有混合物の付着した非導電性網状
体との間に、ポリテトラフルオロエチレンシート、ポリ
エステルシート等を介在させ、過剰に付着している溶剤
含有混合物を除去してもよい。
【0035】このようにして、非導電性網状体の開口部
に溶剤含有混合物を充填した後、例えば20〜30℃で
乾燥することによって、非導電性網状体の開口部に固体
電解質粉と絶縁性高分子弾性体との混合物を充填してな
る固体電解質シートが得られる。
【0036】非導電性網状体の材質としては、例えばセ
ルロース、ナイロン6、ナイロン66、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリエステル、ガラスファイバー等
を挙げることが出来、非導電性網状体の具体例として
は、これらの材質からなる織布、不織布を挙げることが
出来る。
【0037】前記方法において用いられる溶剤として
は、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
酢酸エチル、トリクレン等の非吸収性で固体電解質粉と
反応しない飽和炭化水素系溶剤またはエステル系溶剤が
挙げられる。
【0038】前記固体電解質粉は、電解質として用いら
れているリチウム化合物であれば如何なるものであって
も使用可能である。例示すれば、フッ化リチウム(Li
F)、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(Li
Br)、ヨウ化リチウム(LiI)、過塩素酸リチウム
(LiClO4 )、チオシアン酸リチウム(LiSC
N)、ホウフッ化リチウム(LiBF4 )、リン酸リチ
ウム(Li3 PO4 )六フッ化リン酸リチウム(LiP
6 )、硝酸リチウム(LiNO3 )、トリフルオロメ
タンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )等が挙げ
られる。また、固体電解質粉の形状や粒径は特に限定さ
れないが、絶縁性高分子弾性体との混合しやすさ等の点
から200〜250メッシュ(タイラー標準篩)を通過
するものが好ましい。
【0039】絶縁性高分子弾性体としては、例えば1,
4−ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、ウレ
タンゴム、ポリエステル系ゴム、クロロプレンゴム、エ
ピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチ
レン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、ブチルゴ
ム、ホスファゼンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、1,2−ポリブタジエン、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、環化ポリブタジエン、環化ポリイソプレ
ン、ポリメタクリル酸メチル及びこれらの混合物などが
挙げられる。
【0040】なお、固体電解質シートは、固体電気化学
素子を製造する際に、電極シート又は金属シートの接着
強度を増すために、例えば混合物中に変性ロジン、ロジ
ン誘導体、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂など
のロジン系粘着付与剤、芳香族系粘着付与剤またはテル
ペン系粘着付与剤を添加してもよい。
【0041】また、固体電解質シートを製造する際の各
種工程は、露点−30℃以下の環境で行なうのが望まし
い。露点が−30℃を越えると、固体電解質粉の変質を
生じることがあるからである。
【0042】
【作用】結晶化度の進んだ天然黒鉛や人造黒鉛の場合、
その構成粒子が異方性で結晶子が選択的に配向している
ため、その粒子形状が燐片状であることが多く、これら
の粉体を成形して得られた成形体も加圧方向と垂直に結
晶子が配向しやすい。一方、リチウムイオンのドープ・
脱ドープは結晶子のエッジで行なわれるため、このエッ
ジの方向が配向し、選択的に或る一定方向にしか向いて
いないと、リチウムイオンは選択的に或る一定方向から
しかドープ・脱ドープが出来なくなるため、高電流密度
で充放電を行なった場合、分極が非常に大きくなり、こ
れに起因した副反応および競争反応も起こりやすい。こ
れに対して、構成粒子の結晶子エッジがランダムに配向
(等方性)し、かつ結晶化度が進んでいる場合(002
面の面間隔が3.38Å以下)、リチウムイオンはあら
ゆる方向からのドープ・脱ドープが可能となり、かつ容
量も大きく、高電流密度で充放電を行なった場合も分極
が小さく、副反応および競争反応も起こり難い。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0044】炭素質材料の製造 炭素質原料をジェットミルで粉砕し、この粉砕物を分級
機にかけ、6μm以下の粒子のみを捕集した。このよう
にして得られた炭素質原料の超微粉体100重量部をニ
ーダーに入れ、80重量部の結合材と共に250℃で混
捏した。その後、200℃で1時間ニーダーの蓋を解放
し、発生ガスをブロワーで排気することによってガス抜
きを行ない、混捏物を得た。放冷後、この混捏物をジェ
ットミルで粉砕し、この粉砕物を分級機にかけ、20μ
m以下の粒子のみを捕集した。得られた成形粉をゴム製
の円柱状容器に入れ、脱気しながらシールし、これを加
圧容器中の圧力媒体に沈め、1t/cm2 となるように加
圧した。この状態で96時間保持した後、除圧して型か
ら取り出し、直径80mm、厚さ50mmの成形体を得た。
その後、この成形体をアルゴン雰囲気中常圧で、120
0℃で焼成した。この際の昇温速度は6℃/時間で、3
50℃、500℃、650℃、950℃でそれぞれ48
時間保持した。得られた炭素化成形体と結合材を加圧容
器に入れて蓋をし、250℃に加熱保持し、500kg/
cm2 となるように加圧して96時間液体含浸処理を行な
った。その後、再度アルゴン雰囲気中常圧で、1200
℃で焼成した。この際の昇温速度も6℃/時間で、35
0℃、500℃、650℃、950℃でそれぞれ48時
間保持した。このようにして得られた炭素化成形体をア
ルゴン雰囲気中で、最高温度3000℃で黒鉛化を行な
った。この際の昇温速度は65℃/時間で、3000℃
を5時間保持した。
【0045】BAF値の測定 得られた黒鉛成形体の一部を図3のようにしてφ30m
m、厚さ1mmに切り出し、円板状試料を得た。ガイガー
フレックス型X線測定装置を用いて、まず図4のよう
に、入射X線が円板状試料の円平面の中心位置を通り、
円平面に対して鉛直となるようにセットし、透過したX
線を計数管が測定できるように載置した。図5で示すよ
うに、円板状試料と入射X線との交点(即ち、円平面の
中心)を含み、入射X線および計数管の動作可能面の方
向に対して垂直な軸で円板状試料を回転させ、その回転
角θに対して計数管の回転角が2θとなるように計数管
も連動して回転させた(図6参照)。計数管の回転角2
θを横軸に、その角度において計数管で測定された回折
強度を縦軸にしてグラフを描き、計数管の回転角2θが
25〜27°付近で得られるピーク位置(002面のピ
ークに相当)を求めた。次いで、このピーク位置のθに
相当する角度円板状試料をピーク位置の2θに相当する
角度で計数管を固定し、平板試料と入射X線との交点
(即ち、円平面の中心)を含み、円平面に対して鉛直な
軸で円板状試料を回転させ、回転角φを横軸に、その角
度において計数管で測定された回折強度を縦軸にしてグ
ラフを描き、配向関数I(φ)を求めた。この配向関数
を文献(G.TASSONE,Carbon,387,
8,1970)に従ってBaconの式に代入してBa
conの異方性因子(BAF値)を算出した。
【0046】X線広角回折法による002面の面間隔
の測定 黒鉛成形体をスタンプミルで粗粉砕した後、ジェットミ
ルで微粉砕し、200メッシュ(タイラー標準篩)以下
の黒鉛粉末を得た。この黒鉛粉末80重量部に、300
メッシュの超高純度(99.999%)シリコン粉末2
0重量部を混合して測定試料とし、ディフラクトメータ
法によってX線広角回折を行ない、2θが26〜27°
付近の002面のピークからその面間隔d(002)を
算出した。算出方法は日本学術振興会117委員会が定
めた方法に従った(日本学術振興会117委員会,炭
素,25,36,1963)。用いたスリットは分光ス
リットが1/6°、散乱スリットが1/6°、受光スリ
ットが0.15mmで、計数管の走査速度は0.25°/
分、X線の出力は30kV,15mAでX線回折装置は
ガイガーフレックス型である。
【0047】真密度の測定 上記で得られた黒鉛粉末を試料とし、25℃でブロモ
ホルム・四塩化炭素混合溶液を用いる浮沈法によって測
定した。真密度が分布を有する試料に関しては、粉末粒
子全体の約50%が沈降する値を測定値とした。
【0048】非水電解液を用いた電池の組立 図1において、1は正極板であり、正極活物質のLiC
oO2 と導電材のカーボン粉末と結着剤のポリテトラフ
ルオロエチレン(以下、「PTFE」と略記する)の水
性ディスパージョンを重量比で100:10:10の割
合で混合し、水でペースト状に混練したものを厚さ20
μmのアルミニウム箔の両面に塗着した後、乾燥、圧延
し、所定の大きさに切断し、帯状正極シートを作製し
た。このシートの一部をシートの長手方向に対して垂直
に合剤を掻き取り、チタン製の正極リード板を集電体上
にスポット溶接して取り付けた。活物質のLiCoO2
は酸化コバルト(CoO)と炭酸リチウム(Li2 CO
3 )をモル比で2:1に混合し、空気中で900℃、9
時間加熱したものを用いた。また、上記の材料の混合比
率のうちPTFEの水性ディスパージョンの割合はその
うちの固形分の割合である。
【0049】2は負極炭素材料極であり、炭素質粉末と
結着剤のPTFEの水性ディスパージョンを重量比で1
00:10の割合で混練したものを厚さ15μmのニッ
ケル製エキスパンドメタルに圧入し、乾燥、切断し、帯
状負極シートを作製した。このシートの一部をシートの
長手方向に対して垂直に合剤を掻き取り、ニッケル製の
負極リード板を集電体上にスポット溶接して取り付け
た。PTFEの比率は、上記と同様、固形分の割合であ
る。なお、この負極は前記黒鉛成形体を用いる場合、黒
鉛成形体をスタンプミルで粗粉砕した後、ジェットミル
で微粉砕し、350メッシュ(タイラー標準篩)以下の
黒鉛粉末として用いた。
【0050】これら正極と負極をポリプロピレン製の多
孔質フィルムセパレータ3を介して渦巻状に巻回し、ケ
ース4内に挿入する。その後、チタン製リード5をステ
ンレス製の封口板6にスポット溶接する。7は鉄にニッ
ケルメッキした正極キャップ兼正極端子で予め封口板6
にスポット溶接してある。8はポリプロピレン製の絶縁
ガスケットである。10は、電池に異常が起きて電池内
圧が上昇した場合に内部のガスが外部へ放出されるよう
に取り付けてある安全弁である。12はポリプロピレン
製の絶縁底板で、巻回時に生じる空間と同面積になるよ
うに穴が開いている。
【0051】以上の操作の後、電解質として過塩素酸リ
チウムをエチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエ
タン(1:1)の混合溶媒中に1モル/lの割合で溶か
した電解液2.5mlを注入して封口する。完成電池のサ
イズは単3型(14.5φmm×50mm)である。
【0052】リチウムイオン導電性非水系固体電解質
を用いた電池の作製 図2は薄型二次電池の断面図である。リチウムイオン導
電性非水系の固体電解質シートを以下の手順で作製し
た。なお、これら一連の操作は露点−50℃以下の除湿
空気雰囲気で行なった。
【0053】まず、過塩素酸リチウム48重量部に対し
て、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック
共重合体12重量部、シクロヘキサン40重量部を混合
して、電解質スラリーを調製した。厚さ80μmの不織
布にスリット幅120μmとしたドクターブレード法に
よって前記電解質スラリーを塗着し、60℃で10時間
真空乾燥を行なった。その後、1t/cm2 で加圧し、1
3mm×31mmの寸法に裁断した。加圧後の厚みは100
μmである。LiCoO2 を主成分とした正極シート
2、固体電解質シート3、炭素質材料を主成分とした負
極合剤シート1を積層した発電セルを外装を兼ねる集電
体である厚み50μmのステンレス板5で挟んで封口
し、CS1634薄型偏平電池とした。封口はポリプロ
ピレンからなる幅2mmの枠状の封口材7を正極シート2
及び固体電解質シート3を図2のように載置し、封口材
7を230℃で熱融着し、電池全体を封口した。この封
口は、内部の空気を除去する目的で、減圧下で行なっ
た。
【0054】前記正極シートは、LiCoO2 80重量
部に、導電材としてのアセチレンブラック10重量部、
PTFEの水性ディスパージョン10重量部、ジブチル
フタレート10重量部、ポリビニルアルコール10重量
部、変性アルコール30重量部を混合・混練した後、押
し出し成形することによって得たシート状合剤を300
℃で熱分解し、その後、1t/cm2 で加圧し、13mm×
31mmの寸法に裁断することによって得た。加圧後の厚
みは120μmである。なお、PTFEの水性ディスパ
ージョン中のPTFEの比率は固形分の割合である。
【0055】前記負極シートは、炭素質粉末95重量部
に、PTFEの水性ディスパージョン5重量部、ジブチ
ルフタレート10重量部、ポリビニルアルコール10重
量部、変性アルコール30重量部を混合・混練した後、
押し出し成形することによって得たシート状合剤を30
0℃で熱分解し、その後、1t/cm2 で加圧し、13mm
×31mmの寸法に裁断することによって得た。加圧後の
厚みは80μmである。なお、PTFEの水性ディスパ
ージョン中のPTFEの比率は固形分の割合である。こ
の負極は、前記黒鉛成形体を用いる場合、黒鉛成形体を
スタンプミルで粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕
し、350メッシュ(タイラー標準篩)以下の黒鉛粉末
として用いた。
【0056】非水電解液を用いた電池の充放電試験 充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0V、充放電
電流300mAとして、50サイクルの充放電サイクル
試験を行なった。
【0057】固体電解質を用いた電池の充放電試験 充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0V、充放電
電流50μAとして、50サイクルの充放電サイクル試
験を行なった。
【0058】実施例1 市販の石油系レギュラーコークス(最高温度1200℃
で熱処理したか焼コークス)をボールミルで粉砕し、メ
ッシュにて22μm以下に分級した。なお、この石油系
レギュラーコークスは偏光顕微鏡下で観察した組織が微
粒モザイク組織であって、モザイク構成単位が約7μm
であった。この石油系レギュラーコークスを骨材とし、
コールタールピッチを結合材として上記の方法により
黒鉛成形体を得た。
【0059】実施例2 市販の石炭系ピッチコークス(最高温度1200℃で熱
処理したか焼コークス)をボールミルで粉砕し、メッシ
ュにて22μm以下に分級した。なお、このピッチコー
クスは偏光顕微鏡下で観察した組織が微粒モザイク組織
であって、モザイク構成単位が約7μmであった。この
ピッチコークスを骨材とし、コールタールピッチを結合
材として上記の方法により黒鉛成形体を得た。
【0060】実施例3 アントラセン2kgをオートクレーブに入れ、50kg/cm
3 のアルゴンガスを封入し、700℃まで加熱した後、
放冷した。この際、昇温速度は室温から250℃までを
100℃/時間、250〜550℃までを50℃/時
間、550〜700℃までを100℃/時間とした。こ
の炭化物を骨材とし、コールタールピッチを結合材とし
て上記の方法により黒鉛成形体を得た。
【0061】実施例4 ナフタレン2kgを実施例3と同様にしてオートクレーブ
により炭化し、この炭化物を骨材とし、コールタールピ
ッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形体を得
た。
【0062】実施例5 フェナンスレン2kgを実施例3と同様にしてオートクレ
ーブにより炭化し、この炭化物を骨材とし、コールター
ルピッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形体
を得た。
【0063】実施例6 市販のフリュードコークスを骨材とし、コールタールピ
ッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形体を得
た。
【0064】実施例7 市販のメソカーボンマイクロビーズ(1000℃処理
品)を骨材とし、コールタールピッチを結合材として上
記の方法により黒鉛成形体を得た。
【0065】実施例8 市販の汎用グレードの石油ピッチ系カーボンファイバー
の粉砕品を骨材とし、コールタールピッチを結合材とし
て上記の方法により黒鉛成形体を得た。
【0066】実施例9 ナフタレンとベンズアルデヒドがモル比で0.157:
0.214となるように混合し、この混合物にパラトル
エンスルホン酸を19重量%となるように加え、十分に
撹拌した。その後、撹拌を続けながら150℃まで加熱
し、この状態を24時間保持して放冷した。このように
して得られた樹脂をボールミルで粉砕し、メッシュにて
10μm以下に分級した。その後、電気炉に入れ、窒素
気流中昇温速度70℃/時間で450℃まで昇温し、1
0時間保持した後、1100℃まで昇温速度70℃/時
間で昇温して1時間保持した後、窒素気流を保持したま
ま室温まで放冷した。このようにして得られたコークス
を骨材とし、コールタールピッチを結合材として上記
の方法により黒鉛成形体を得た。
【0067】実施例10 ペレリン、ベンズアルデヒド、パラトルエンスルホン酸
をモル比で8:16:1となるように混合し、十分に撹
拌した。その後、撹拌を続けながら155℃まで加熱
し、この状態を2時間保持して放冷した。このようにし
て得られた樹脂をボールミルで粉砕し、メッシュにて1
0μm以下に分級した。その後、電気炉に入れ、アルゴ
ンガス気流中、500℃まで昇温速度100℃/時間で
昇温して5時間保持した。続けて1200℃まで100
℃/時間で昇温し、1時間保持した後、放冷した。この
炭化物を骨材とし、コールタールピッチを結合材として
上記の方法により黒鉛成形体を得た。
【0068】比較例1 市販の石油系ニードルコークスを骨材とし、コールター
ルピッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形体
を得た。
【0069】比較例2 市販の石炭系ニードルコークスを骨材とし、コールター
ルピッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形体
を得た。
【0070】比較例3 アセナフチレン2kgを実施例3と同様にしてオートクレ
ーブにより炭化し、この炭化物を骨材とし、コールター
ルピッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形体
を得た。
【0071】比較例4 ピレン2kgを実施例3と同様にしてオートクレーブによ
り炭化し、この炭化物を骨材とし、コールタールピッチ
を結合材として上記の方法により黒鉛成形体を得た。
【0072】比較例5 市販のフェノール樹脂をアルゴンガス気流中、500℃
まで昇温速度100℃/時間で昇温して5時間保持し
た。続けて1200℃まで100℃/時間で昇温し、1
時間保持した後、放冷した。この炭化物を骨材とし、コ
ールタールピッチを結合材として上記の方法により黒
鉛成形体を得た。
【0073】比較例6 市販の中国産燐片状天然黒鉛を骨材とし、コールタール
ピッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形体を
得た。
【0074】比較例7 市販のオイルファーネスブラックを骨材とし、コールタ
ールピッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形
体を得た。
【0075】比較例8 市販の無煙炭(1500℃処理品)を骨材とし、コール
タールピッチを結合材として上記の方法により黒鉛成
形体を得た。
【0076】比較例9 市販の燐片状人造黒鉛を骨材とし、コールタールピッチ
を結合材として上記の方法により黒鉛成形体を得た。
【0077】比較例10 市販のメソフェーズピッチを骨材とし、コールタールピ
ッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形体を得
た。
【0078】実施例11 アントラセンとベンズアルデヒドがモル比で0.19
8:0.304となるように混合し、この混合物にパラ
トルエンスルホン酸を19重量%となるように加え、十
分に撹拌した。この状態で150℃まで加熱し、1時間
保持した。その後、水分および未反応のベンズアルデヒ
ドを真空蒸留によって除去した。得られた樹脂を結合材
とし、実施例1で得られた石油コークスを骨材として1
50℃で混練したこと以外は、上記の方法により黒鉛
成形体を得た。
【0079】比較例11 フルフリルアルコール、無水マレイン酸および蒸留水を
重量比で500:1:200の割合で十分に混合し、ア
ルゴンガス気流中で48時間撹拌した。その後、撹拌を
続けながら100℃まで昇温させて2時間保持し、放冷
した。得られた樹脂を結合材とし、実施例1で得られた
石油コークスを骨材として100℃で混練したこと以外
は、上記の方法により黒鉛成形体を得た。
【0080】比較例12 中国産燐片状天然黒鉛をそのまま電池の負極炭素質材料
として用いた。
【0081】比較例13 実施例1で得られた石油コークスを骨材とし、コールタ
ールピッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形
体を得た。但し、上記の製造工程途中において得られ
た混捏物を押し出し成形機によって直径80mmに成形
し、それ以外は上記の工程に従った。
【0082】比較例14 実施例1で得られた石油コークスを骨材とし、コールタ
ールピッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形
体を得た。但し、前記石油コークスをジェットミルで粉
砕し、この粉砕物を分級機にかけ、100μm以下の粒
子のみを捕集し、それ以外は上記の工程に従った。
【0083】実施例12 実施例1で得られた石油コークスを骨材とし、コールタ
ールピッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形
体を得た。但し、黒鉛化処理段階での最高到達温度を2
300℃とした。
【0084】比較例15 実施例1で得られた石油コークスを骨材とし、コールタ
ールピッチを結合材として上記の方法により黒鉛成形
体を得た。但し、黒鉛化処理段階での最高到達温度を1
700℃とした。
【0085】以上の実施例、比較例に示された黒鉛成形
体および炭素質粉末を上記、、に示された方法で
物性値を測定し、上記、の要領で各々電池を作製
し、各々の電池について上記、に示した充放電試験
を行なった。これらの結果をまとめて表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特に高電流密度で充放電を行なった場合のリチウムの吸
蔵・放出量が多くて充放電容量が大きく、かつ第1サイ
クルの充電時に発生する容量損失が小さく、体積エネル
ギー密度が大きい非水電解質二次電池を提供することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】巻回式非水電解質二次電池の断面図である。
【図2】薄型二次電池の断面図である。
【図3】黒鉛成形体から円板状試料を切り出す方法を示
す斜視図である。
【図4】ガイガーフレックス型X線測定装置を用いたB
AF値の算出方法を示す説明図である。
【図5】ガイガーフレックス型X線測定装置を用いたB
AF値の算出方法を示す説明図である。
【図6】ガイガーフレックス型X線測定装置を用いたB
AF値の算出方法を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 吉郎 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 名倉 秀哲 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 成田 望 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを含んだ正極と、炭素質材料か
    らなる負極と、非水系リチウムイオン導電性電解質を備
    えた非水電解質二次電池において、 前記負極は、主として骨材および結合材の2成分を出発
    原料として得られた高密度等方性黒鉛成形体が粉砕され
    た炭素質粉末であり、 前記高密度等方性黒鉛成形体は、Baconの異方性因
    子が1.0〜1.1であり、 前記炭素質粉末は、真密度が1.8g/cm3 以上で、か
    つX線広角回折法によって求めた002面の面間隔が
    3.4Å以下であることを特徴とする非水電解質二次電
    池。
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