JPH07330602A - 経皮吸収型ピロカルピン製剤 - Google Patents

経皮吸収型ピロカルピン製剤

Info

Publication number
JPH07330602A
JPH07330602A JP13005494A JP13005494A JPH07330602A JP H07330602 A JPH07330602 A JP H07330602A JP 13005494 A JP13005494 A JP 13005494A JP 13005494 A JP13005494 A JP 13005494A JP H07330602 A JPH07330602 A JP H07330602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
pilocarpine
preparation according
transdermal preparation
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13005494A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiko Hori
光彦 堀
Tomoichi Sato
朝一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pfizer Japan Inc
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Lederle Japan Ltd
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lederle Japan Ltd, Nitto Denko Corp filed Critical Lederle Japan Ltd
Priority to JP13005494A priority Critical patent/JPH07330602A/ja
Publication of JPH07330602A publication Critical patent/JPH07330602A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚に貼付してピロカルピンを経皮的に投与
するための経皮吸収型製剤であって、ピロカルピンの副
作用として生じる発汗に対しても剥離することなく長時
間の皮膚面への貼付が可能な製剤を提供する。 【構成】 薬物含有粘着剤層を支持体の一方の面に形成
した経皮吸収型製剤であって、粘着剤層が薬物としての
ピロカルピンフリー塩基と、1種以上の吸湿性物質とを
含有する経皮吸収型製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は経皮吸収型ピロカルピン
製剤に関するものであり、詳細にはピロカルピンを経皮
的に投与し、かつピロカルピンの作用による発汗に対し
ても剥離することなく長時間の皮膚面への貼付に耐え得
る経皮吸収型貼付製剤に関する。
【0002】
【従来技術】近年、口腔乾燥症という病気が注目されて
きている。口腔乾燥症は大きく分けて3種類に分類され
る。すなわち、1)シェーグレン症候群または放射線治
療に由来するもの、2)抗コリン作動薬、降圧剤、利尿
薬などの薬剤の副作用によるもの、3)老人性、高血
圧、糖尿病、口呼吸などによるものである。これら種々
の原因により生じる唾液分泌低下による口腔内の乾燥を
総称して口腔乾燥症と呼んでいる。来るべき老齢化社会
ならびに患者の生活の質的向上を目的とするクオリティ
オブライフ(Quality of Life)の考えからも、口腔乾燥
症治療に対する関心は高まる方向にあり、その治療用製
剤の開発が切望されている。
【0003】副交感神経の作動薬であるピロカルピンが
唾液分泌を促進することはすでに良く知られている(Ph
arm. Research 9(8) 1992, 1064-1069) 。例えば口腔乾
燥症治療用に開発中の経口剤Salegen(MGI Pharma社) は
放射線照射後の患者の唾液分泌を促進するが、同時に副
作用により発汗を生じる(Scrip No.1849)。さらにピロ
カルピンを経口で投与した場合は効果が一過性であり持
続的な治療効果が得られないと報告されている。ピロカ
ルピンは毒物、要指示薬に指定されており、患者に対す
る投与に際しては慎重を期する。このため、経口剤や注
射剤のように一旦生体内に入ると取り出すことのできな
い製剤よりも、随時投与を中断できる経皮吸収型製剤を
局所的に用いることが望ましい。しかしながら、皮膚は
外部からの薬物透過に対して強固なバリアーとなるた
め、治療に十分な薬物量を経皮吸収させることは非常に
困難である。
【0004】コリン作動薬および抗コリン作動薬の経皮
吸収製剤については、米国特許第4788063号およ
び米国特許第4820263号に開示されている。米国
特許第4788063号には、コリン作動薬および抗コ
リン作動薬の全身作用を持続させる目的で、プロピオン
酸のような低分子量脂肪酸を必須成分として含有するバ
ンデージタイプの経皮吸収製剤が提案されている。米国
特許第4820263号はイオントフォレシスにより経
皮投薬するためのデバイスに関するものであり、電極と
して接着剤シートを使用し、薬物を接着剤中に配合する
ことが開示されている。
【0005】口腔乾燥症治療の目的でピロカルピンを経
皮的に投与する場合、副作用として発汗が生じることが
予想される。通常の粘着テープ製剤の場合、発汗により
粘着剤の皮膚接着力が低下しテープが直ちに剥離すると
いう問題がある。経皮吸収製剤の通気性を改善するため
に、例えば、特表平4−504515号公報(米国特許
第4994278号)ではバッキング材の透湿度を規定
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ピロ
カルピンの皮膚透過性に優れ、かつピロカルピンの副作
用により生じる発汗に対しても剥離することがなく、長
時間の皮膚面への貼付が可能なピロカルピンの経皮吸収
型製剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、ピロカルピンの皮膚透過性を高めるために
ピロカルピンフリー塩基を用い、またピロカルピンを含
有する粘着剤層に吸湿性物質を配合することにより、上
記目的が達成されることを見出した。すなわち、該吸湿
性物質がピロカルピンの作用により生じる汗の水分を吸
収する結果、薬物含有粘着剤層の接着性およびピロカル
ピンの皮膚透過性を損なうことなく、発汗に対する剥離
が防止され、長時間貼付可能な経皮吸収型ピロカルピン
製剤が提供されることを見出し本発明を完成した。
【0008】本発明は、薬物含有粘着剤層を支持体の一
方の面に形成した経皮吸収型製剤であって、該粘着剤層
が薬物としてのピロカルピンフリー塩基と、1種または
2種以上の吸湿性物質とを含有する経皮吸収型製剤を提
供するものである。
【0009】本発明の経皮吸収型製剤に用いる支持体
は、その片面に形成する皮膚面への貼着用の薬剤含有粘
着剤層を支持するものであって、製剤への自己支持性の
付与(貼着操作性の向上)と貼付後のゴワゴワ感の防止
の点から、通常5〜25μm程度の厚みのものを用い
る。このような支持体を得るための材料としては、ウレ
タン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン/酢酸ビニル共重合
体などからなる各種プラスチックフィルム、パルプ、金
属箔、およびこれらを積層した複合フィルムなどを用い
ることができる。
【0010】これらのうち粘着剤層中に含有する薬物が
支持体に溶解移行、裏抜けして有効薬物量を低下させる
ことを防止するためには、ポリエステルや金属箔などの
薬物非移行性の支持体を用いることが好ましい。また、
支持体は無孔シートだけでなく、無孔シートにパンチン
グやニードリングなどの穿孔加工を施した有孔シート、
独立発泡や連続発泡、半連続発泡などの発泡シート、織
布、不織布、編布、中空繊維糸などを用いた多孔繊維状
シートなどを用いることができる。
【0011】上記支持体の片面に形成する粘着剤層は、
皮膚に接着性を示すものであり、ピロカルピンフリー塩
基、および1種または2種以上の吸湿性物質を含有する
層である。粘着剤層の厚みは適宜変更し得るが、皮膚へ
の接着性、貼付感の点から、通常20〜300μm、好
ましくは40〜200μmである。本発明の経皮吸収型
製剤は、使用前には薬物含有粘着剤層中に実質的に水を
含有しない態様のものである。粘着剤層に水を含有する
ものは、有効成分であるピロカルピンフリー塩基の保存
中の安定性が劣り、含量低下を起こす恐れがある。
【0012】ピロカルピンは経皮吸収性を高めるために
フリー塩基の形態で用いる。ピロカルピンフリー塩基の
含有量は、所望の薬効を奏するに十分な量であればよ
く、粘着剤層の薬物放出能力などによって適宜設定する
ことができるが、通常、粘着剤層重量の0.1〜60重
量%、好ましくは1〜20重量%の範囲である。含有量
が0.1重量%未満では有効な量の放出が期待できず、
60重量%を越えると製剤中の薬物含有量に対する放出
量が少なくなり非効率的である。
【0013】粘着剤層に適度な凝集力による粘着性と保
形性を付与するために、粘着剤層にエラストマーを含有
させることができる。エラストマーは、通常、粘着剤層
重量の30〜90重量%、好ましくは50〜70重量%
の範囲で配合される。このようなエラストマーとして
は、例えばポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブ
タジエンなどの合成ゴム、スチレン−イソプレン−スチ
レン(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(S
BS)などのブロック共重合体(特にA−B−A型ブロ
ック共重合体)、天然ゴム、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを主成分として重合して得られるアクリル系
重合体、ポリメチルシロキサンなどを成分とするシリコ
ーン系重合体、ポリビニルエーテル系重合体などを用い
ることができる。これらのうち、純度、熱可塑性および
経済性(コスト)の点からポリイソブチレン、アクリル
系重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体をエラストマー成分として用いることが好まし
い。
【0014】ポリイソブチレンとしては、粘度平均分子
量500〜2100000のものが好適に使用され、分
子量の異なる2種以上のポリイソブチレンの混合物を使
用してもよい。例えば、500〜4000の粘度平均分
子量を有する低分子量ポリイソブチレン、10000〜
200000の粘度平均分子量を有する中分子量ポリイ
ソブチレン、および900000〜2100000の粘
度平均分子量を有する高分子量ポリイソブチレンから選
ばれる2種以上の混合物を用いることができる。上記各
ポリイソブチレンは、高分子量ポリイソブチレンを10
〜80重量%、好ましくは20〜50重量%、低分子量
ポリイソブチレンを0〜80重量%、好ましくは10〜
60重量%、中分子量ポリイソブチレンを0〜90重量
%、好ましくは10〜80重量%の範囲で配合すること
が好ましい。
【0015】粘着剤層に含有させる吸湿性物質は、ピロ
カルピンの作用による発汗の水分を適度に吸収して粘着
剤層の凝集破壊を防止し、貼付中の剥離を防ぐ作用をす
るものである。このような効果を充分に発揮するために
は、吸湿性物質を通常、粘着剤層重量の5〜60重量
%、好ましくは10〜50重量%の範囲で含有させる。
含有量が5重量%未満では、吸水量が少なく剥離防止効
果が不十分となり、60重量%を越えると粘着性が低下
し、皮膚に接着しにくくなるので望ましくない。
【0016】このような吸湿性物質としては、水分を吸
収して溶解する物質だけでなく、吸湿して所謂ゼリー状
となるものや、吸水性高分子と呼ばれている物質を用い
ることができる。水分を吸収して溶解する吸湿性物質と
しては、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、ペクチン、グアーゴム、ロウカストビーンゴム、カ
ラヤゴム、キサンタンゴム、アルギン酸ナトリウム、ア
ルギン酸カルシウム、カラギーナン、ポリビニルピロリ
ドン、デキストリンなどが挙げられる。吸湿してゼリー
状となる吸湿性物質としては、カルボキシメチルセルロ
ースカルシウム、ゼラチン、コラーゲン、ヒドロキシプ
ロピルセルロースなどが挙げられる。吸水性高分子とし
ては、例えば商品名スミカゲルSP−520(住友化学
工業株式会社)、商品名アクアキープ4SH(住友精化
株式会社)、商品名アラソープ800F(荒川化学工業
株式会社)、商品名アラソープS−100F(荒川化学
工業株式会社)、商品名サンウェット1M−300MP
S(三洋化成株式会社)、商品名サンウェット1M−1
000MPS(三洋化成株式会社)などの市販品が挙げ
られる。これらの吸湿性物質は1種または2種以上を用
いることができる。これらのうち、ゲル形成性や吸湿性
の点でカルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチ
ン、ゼラチンを用いることが好ましい。
【0017】本発明の経皮吸収型製剤では、上記吸湿性
物質を含有させて貼付中に湿分を適度に吸収する作用を
有するが、吸水率は吸水前の粘着剤層重量の50%以
下、好ましくは3〜30%の範囲となるようにその種類
や配合量を調製することが好ましい。吸水率が3%より
少ない場合は水分がほとんど吸収されず、貼付中に剥離
する可能性が高く、本発明における所望の効果が発揮で
きない。また、吸水率が50%を越えると、製剤を剥離
した際に皮膚面上に粘着剤が多量に残存する凝集破壊現
象が起こる可能性が高まるので望ましくない。
【0018】粘着剤層には、粘着性の向上のためにロジ
ンのペンタエリスリトールエステル、トリメチロールプ
ロパンエステル、ベータピネン樹脂、シクロペンタジエ
ン樹脂、アラカワ環状粘着付与剤などの粘着付与剤を配
合することができる。粘着付与剤を配合する場合、その
添加量は粘着剤層重量の1〜60重量%、特に20〜5
0重量%の範囲で配合することが望ましい。
【0019】粘着剤層には、その他の添加物として、ミ
ョウバン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化カルシ
ウム、酸化アルミニウム、シュウ酸カルシウム、カリウ
ムミョウバン、クエン酸カルシウム、アルミニウムミョ
ウバン、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カル
シウムなどの多価金属塩を添加してもよい。これらの多
価金属塩は、粘着剤層の凝集力を向上させる作用を有す
る。好ましくは、ミョウバン、水酸化アルミニウムを使
用する。多価金属塩を添加する場合、その添加量は粘着
剤層重量の0.1〜10重量%、特に0.5〜5重量%
の範囲で添加することが望ましい。
【0020】さらに粘着剤層には、ピロカルピンの皮膚
透過性を向上させるために、1種あるいは2種以上の経
皮吸収促進剤を配合してもよく、かかる経皮吸収促進剤
としては例えば下記のものを用いることができる。 ハロゲンで置換されていてもよい炭素数5〜30の直
鎖状、分岐状または環状脂肪族炭化水素類:置換基のハ
ロゲンとしてはブロム、クロルが好ましい。脂肪族炭化
水素部分は、鎖状の場合には炭素数5〜30(好ましく
は6〜24)の飽和あるいは1または2個の不飽和結合
を有するアルカンが好ましく、環状の場合には単環、2
員環のものが好ましい。単環の場合の炭素数は6〜10
であることが好ましく、それは1以上のメチル、エチル
などの炭素数1〜4のアルキル基またはアルケニル基で
置換されていてもよい。また、2以上の単環がアルキレ
ンを介して結合されたものであってもよい。2員環の場
合には炭素数10〜12が好ましく、それは、例えば1
以上のメチルなどの炭素数1〜4のアルキル基で置換さ
れていてもよい。具体的には、n−ペンタン、n−ヘキ
サン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−
デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−テトラデ
カン、n−ヘキサデカン、n−オクタデカン、2−メチ
ルペンタン、2−メチルヘキサン、2,3−ジメチルヘ
キサン、2−メチルノナン、2,6−ジメチルオクタ
ン、2,2,4,4,6,8,8−ヘプタメチルノナ
ン、プリスタン、スクワラン、軽質流動パラフィン、パ
ラメタン、リモネン、リモネンダイマーの水素添加物、
シクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、シ
クロオクタン、イソブチルシクロヘキサン、シクロドデ
カン、メチルデカリン、デカリン、オクチルブロマイ
ド、デシルブロマイド、ドデシルブロマイド、ヘキサデ
シルブルマイド、ドデシルブロマイド、ジブロムドデカ
ン等が挙げられる。
【0021】総炭素数11〜26の脂肪族カルボン酸
のアルコールエステル:アルコール部分としてはメチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、iso−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、
iso−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール等
の炭素数1〜6の1価アルコールが好ましいものとして
例示される。また、カルボン酸部分としては炭素数10
〜20の脂肪酸、就中、炭素数12〜18の飽和脂肪酸
が好ましい。当該エステルの具体例としては、メチルラ
ウレート、エチルラウレート、ヘキシルラウレート、イ
ソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、
メチルステアレート、ブチルステアレートなどが例示さ
れる。
【0022】炭素数10〜24のモノまたはジエーテ
ル:具体的にはジブチルエーテル、ジヘキシルエーテ
ル、ジオクチルエーテル、ジドデシルエーテル、メトキ
シドデカン、エトキシドデカンなどのアルキルモノエー
テル、1,8−シネオールなどの脂環を有するエーテ
ル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレング
リコールジオクチルエーテル等のアルキルジエーテル等
が挙げられる。
【0023】炭素数11〜15のケトン:脂肪族ケト
ンが好ましく、例えば2−ウンデカノン、3−ウンデカ
ノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、6−ウン
デカノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデ
カノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、7−ト
リデカノン、8−ペンタデカノン、3−ヘキサデカノン
などが挙げられる。
【0024】その他の経皮吸収促進剤としては、アゾ
ン、ピロリドンカルボン酸ラウリルエステル、ニコチン
酸ラウリルエステル、プロリンラウリルエステル等が挙
げられる。
【0025】上記経皮吸収促進剤は必要に応じて1種ま
たは2種以上を添加することができ、その添加量は粘着
剤層の接着力および凝集力とのバランスを考慮して、粘
着剤層重量の0.5〜50重量%、特に5〜30重量%
の範囲とすることが望ましい。
【0026】薬物含有粘着剤層には、必要に応じて充填
剤、老化防止剤、軟化剤などの各種添加剤を任意の量で
適宜配合することができる。本発明の経皮吸収型製剤
は、通常、粘着剤層を保護するために貼付面を剥離ライ
ナーで被覆する。剥離ライナーとしては、シリコーン樹
脂処理やフッ素樹脂処理をした剥離紙、金属箔、アルミ
ニウム箔、プラスチックフィルム等が挙げられる。
【0027】本発明の経皮吸収型製剤は、例えば次のよ
うな方法により製造することができる。1種または2種
以上のエラストマーを室温下または加熱下においてニー
ダにより混練する。ここにピロカルピンフリー塩基、1
種または2種以上の吸水性物質およびその他の任意成分
を加え、さらに室温下または加熱下において混練する。
得られた粘着剤組成物を所望の厚さにプレス成形または
押出成形して粘着剤層を形成する。粘着剤層の一方の面
に剥離ライナーを他方の面に支持体を貼り合わせて経皮
吸収型製剤が得られる。粘着剤層の形成は、粘着剤層の
成分を適当な溶媒に溶解し、得られた粘着剤溶液を支持
体上に塗布し、乾燥して溶媒を除去することによっても
行うことができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明の
経皮吸収型製剤をさらに詳細に説明する。なお本発明の
技術的思想を逸脱しない範囲で種々の応用ができること
はいうまでもない。以下の文中で%とあるのは重量%を
意味する。
【0029】実施例1 ポリイソブチレン 60 % ゼラチン 9.32 % ペクチン 9.32 % カルボキシメチルセルロースナトリウム 9.32 % 水酸化アルミニウムゲル 1.54 % ミョウバン 0.77 % ピロカルピン 10.0 %
【0030】高分子量ポリイソブチレン(粘度平均分子
量990000)と低分子量ポリイソブチレン(粘度平
均分子量1260)を1:3の割合で80℃で20分間
混練した後、他の成分を加え、さらに80℃で20分間
混練した。さらに80℃で2分間プレス成形(厚み20
0μm)を行ない支持体を貼り合わせてサンプルとし
た。
【0031】実施例2 ポリイソブチレン 30.0 % ゼラチン 15.39 % ペクチン 15.39 % カルボキシメチルセルロースナトリウム 15.39 % 水酸化アルミニウムゲル 2.54 % ミョウバン 1.27 % ピロカルピン 20.0 %
【0032】高分子量ポリイソブチレン(粘度平均分子
量990000)と低分子量ポリイソブチレン(粘度平
均分子量1260)を1:1の割合で80℃で20分間
混練した後、他の成分を加え、さらに80℃で20分間
混練した。さらに80℃で2分間プレス成形(厚み20
0μm)を行ない支持体を貼り合わせてサンプルとし
た。
【0033】比較例 アクリル系粘着剤 90.0% ピロカルピン 10.0%
【0034】アクリル系粘着剤の酢酸エチル溶液に膏体
重量の10.0%となるようにピロカルピンを配合し、
この粘着剤溶液を剥離紙上に乾燥後の厚みが20μmと
なるように塗工し、乾燥後、支持体を貼り合わせてサン
プルとした。
【0035】対照例 ポリイソブチレン 52.87 % ゼラチン 14.51 % ペクチン 14.51 % カルボキシメチルセルロースナトリウム 14.51 % 水酸化アルミニウムゲル 2.40 % ミョウバン 1.20 %
【0036】高分子量ポリイソブチレン(粘度平均分子
量990000)と低分子量ポリイソブチレン(粘度平
均分子量1260)を1:10の割合で80℃で20分
間混練した後、他の成分を加え、さらに80℃で20分
間混練した。さらに80℃で2分間プレス成形(厚み2
00μm)を行い支持体を貼り合わせてサンプルとし
た。
【0037】試験例1 上記得られた比較例、対照例および実施例1、2のサン
プルを3×5cmに打抜き、全体の重量を測定する。剥離
紙を取り除き膏体を皮膚に貼付し、一定時間後に剥離し
直ちに膏体の重量を測定する。剥離紙の重量は測定して
おき膏体重量の増加分から吸水量すなわち、発汗量を測
定すると同時に、発汗による剥離の有無について観察し
た。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】本発明の製剤では、ピロカルピンの経皮投
与により生じる発汗の水分が粘着剤層中の吸湿物質によ
り吸収され、貼付中の剥離が防止された。吸湿物質を含
有しない比較例の製剤では、貼付後30分で剥離が観察
された。
【0040】試験例2 本発明の経皮吸収型製剤による唾液分泌促進効果を試験
した。上記実施例1のサンプル(2.5×5cm)を健常
成人(男性)4名の左右の耳下部に1枚づつ、計2枚を
貼付し、経時的に5分間の全唾液分泌量を測定した。ま
た上記比較例のサンプル(5×5cm)を健常成人(男
性)5名の左右の耳下部に1枚づつ、計2枚を貼付し、
経時的に5分間の全唾液分泌量を測定した。実施例1の
サンプルを貼付した群では、4名中3名で貼付前に比べ
て1.3〜2.1倍の唾液分泌増加が観察された。唾液
分泌増加のピークは貼付後60〜120分であった。製
剤の剥離は観察されなかった。比較例のサンプルを貼付
した群では、5名中4名で貼付前に比べて1.3〜1.
5倍の唾液分泌増加が観察された。唾液分泌増加のピー
クは貼付後90〜105分であった。貼付後30分で製
剤の剥離が観察された。
【0041】
【発明の効果】本発明の経皮吸収型ピロカルピン製剤
は、粘着剤層に含有された吸湿性物質がピロカルピンの
副作用として生じる発汗を適度に吸収する結果、薬物含
有粘着剤層の接着性およびピロカルピンの経皮吸収性を
損なうことなく、発汗に対する剥離を防止し、長時間の
貼付が可能な経皮吸収型製剤である。唾液分泌促進作用
を有するピロカルピンを、長時間にわたり経皮投与する
ことができるので、口腔乾燥症の処置に好適に使用され
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬物含有粘着剤層を支持体の一方の面に
    形成した経皮吸収型製剤であって、該粘着剤層が薬物と
    してのピロカルピンフリー塩基と、1種または2種以上
    の吸湿性物質とを含有する経皮吸収型製剤。
  2. 【請求項2】 粘着剤層が、ピロカルピンフリー塩基を
    0.1〜60重量%含有する請求項1記載の経皮吸収型
    製剤。
  3. 【請求項3】 粘着剤層が、ピロカルピンフリー塩基を
    1〜20重量%含有する請求項2記載の経皮吸収型製
    剤。
  4. 【請求項4】 粘着剤層が、1種または2種以上のエラ
    ストマーを30〜90重量%含有する請求項1記載の経
    皮吸収型製剤。
  5. 【請求項5】 エラストマーがポリイソブチレン、アク
    リル系重合体およびスチレン−イソプレン−スチレンブ
    ロック共重合体から選ばれる少なくとも1種である請求
    項4記載の経皮吸収型製剤。
  6. 【請求項6】 吸湿性物質がカルボキシメチルセルロー
    スナトリウム、ペクチンおよびゼラチンから選ばれる少
    なくとも1種である請求項1記載の経皮吸収型製剤。
  7. 【請求項7】 粘着剤層が、吸湿性物質を5〜60重量
    %含有する請求項1記載の経皮吸収型製剤。
  8. 【請求項8】 粘着剤層が、吸湿性物質を10〜50重
    量%含有する請求項7記載の経皮吸収型製剤。
  9. 【請求項9】 粘着剤層がさらに多価金属塩を含有する
    請求項1記載の経皮吸収型製剤。
  10. 【請求項10】 多価金属塩がミョウバン、水酸化アル
    ミニウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウ
    ム、シュウ酸カルシウム、カリウムミョウバン、クエン
    酸カルシウム、アルミニウムミョウバン、塩化カルシウ
    ム、水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウムから選ばれ
    る少なくとも1種である請求項9記載の経皮吸収型製
    剤。
  11. 【請求項11】 粘着剤層がさらに粘着付与剤を含有す
    る請求項1記載の経皮吸収型製剤。
  12. 【請求項12】 粘着剤層がさらに経皮吸収促進剤を含
    有する請求項1記載の経皮吸収型製剤。
JP13005494A 1994-06-13 1994-06-13 経皮吸収型ピロカルピン製剤 Pending JPH07330602A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13005494A JPH07330602A (ja) 1994-06-13 1994-06-13 経皮吸収型ピロカルピン製剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13005494A JPH07330602A (ja) 1994-06-13 1994-06-13 経皮吸収型ピロカルピン製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07330602A true JPH07330602A (ja) 1995-12-19

Family

ID=15024949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13005494A Pending JPH07330602A (ja) 1994-06-13 1994-06-13 経皮吸収型ピロカルピン製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07330602A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11246369A (ja) * 1998-02-27 1999-09-14 Yamahatsu Sangyo Kk 毛髪染料浸透剤及び該浸透剤を含有する染毛剤
JP2002542277A (ja) * 1999-04-22 2002-12-10 エルティエス ローマン テラピー−ズュステーメ アーゲー 中和されたアクリル性粘着パッチを備えた経皮治療システム
WO2006051819A1 (ja) * 2004-11-10 2006-05-18 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. 外用製剤及び貼付剤
WO2007018210A1 (ja) * 2005-08-10 2007-02-15 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. 皮膚刺激を低減した貼付剤
US9119775B2 (en) 2004-01-09 2015-09-01 Philippe Perovitch Use of pilocarpine for hypoptyalism treatment
JP2016210701A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 サンスター株式会社 経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤
JP2016210702A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 サンスター株式会社 経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11246369A (ja) * 1998-02-27 1999-09-14 Yamahatsu Sangyo Kk 毛髪染料浸透剤及び該浸透剤を含有する染毛剤
JP2002542277A (ja) * 1999-04-22 2002-12-10 エルティエス ローマン テラピー−ズュステーメ アーゲー 中和されたアクリル性粘着パッチを備えた経皮治療システム
JP2015108007A (ja) * 1999-04-22 2015-06-11 エルティエス ローマン テラピー−ズュステーメ アーゲー 中和されたアクリル性粘着パッチを備えた経皮治療システム
US9119775B2 (en) 2004-01-09 2015-09-01 Philippe Perovitch Use of pilocarpine for hypoptyalism treatment
WO2006051819A1 (ja) * 2004-11-10 2006-05-18 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. 外用製剤及び貼付剤
WO2007018210A1 (ja) * 2005-08-10 2007-02-15 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. 皮膚刺激を低減した貼付剤
JP2007045738A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Hisamitsu Pharmaceut Co Inc 皮膚刺激を低減した貼付剤
JP2016210701A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 サンスター株式会社 経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤
JP2016210702A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 サンスター株式会社 経皮唾液腺投与用の唾液分泌促進剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3566301B2 (ja) 過飽和経皮薬物輸送システム、およびその製造方法
JP4346696B2 (ja) 経皮治療用装置
JPH03503283A (ja) 経皮性マルチポリマー薬剤デリバリーシステム
JPH04502719A (ja) 感圧接着性皮膚組成物
JP5552255B2 (ja) 薬物経皮投与デバイス
JPWO2006082728A1 (ja) 経皮吸収貼付剤
JPH09509960A (ja) 薬剤含有接着複合体の経皮放出デバイス
TW200800144A (en) Adhesive pharmaceutical preparation containing bisoprolol
JPWO2006064747A1 (ja) 医療用テープ剤
JPWO2010074182A1 (ja) 経皮吸収型製剤
JP5021952B2 (ja) 選択的セロトニン再取込阻害成分を含有する製剤
CA2140468C (en) Percutaneous administration tape preparation
JPH08295624A (ja) プラスター基剤、その製造方法、該基剤を使用した外用貼 付剤
JPH06205839A (ja) 経皮投与型薬物用貼付剤
JP5584379B2 (ja) 経皮吸収促進剤、及びそれを含む貼付剤
JPH07330602A (ja) 経皮吸収型ピロカルピン製剤
JP5684441B2 (ja) インドメタシン含有貼付剤
JP3170304B2 (ja) エペリゾンまたはトルペリゾン経皮吸収製剤
JP2503095B2 (ja) 貼付剤
JPH0616542A (ja) 医療用粘着テープもしくはシート
JP5227041B2 (ja) 薬物含有貼付製剤
JPH0676321B2 (ja) クロニジン経皮投与製剤
WO2006090824A1 (ja) ゲル組成物及びその製造方法
JPH0413617A (ja) 貼付剤
JPH09268123A (ja) 局所麻酔用貼付剤

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040316

A02 Decision of refusal

Effective date: 20041109

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02