JPH07320375A - マガジン式ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マガジンが装填されるディスク装置におい
て、マガジンを装置本体に対して異なる向きで装填でき
るようにして、装置の設置姿勢の自由度を高める。 【構成】 ディスク装置１０の外装ケース１１の側面１
１ａに横挿入口１１ｂが、天井面１１ｃに縦挿入口１１
ｄが形成されている。マガジンＭはディスクＤの面に平
行な向き（イ）にて横挿入口１１ｂからマガジン設置部
Ａに装填でき、またマガジンＭはディスクＤの面に直交
する向き（ロ）にて縦挿入口１１ｄからマガジン設置部
Ａに装填できる。よって、外装ケース１１を横向きにし
ても縦向きにしても、挿入口１１ｂまたは１１ｄからマ
ガジンＭを挿入しやすい方向から挿入できるようにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディスクを収納するマ
ガジンが装填されるマガジン式ディスク装置に係り、特
にマガジンの装填方向を任意に選択できるようにしたマ
ガジン式ディスク装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図７は従来のマガジン式ディスク装置の
一例として車載用ディスクチェンジャを示す斜視図であ
る。このディスク装置は、外装ケース１内に機構シャー
シが内蔵され、機構シャーシにはマガジン設置部とディ
スク駆動部とが設けられている。外装ケース１の１つの
側面１ａには挿入口１ｂが開口しており、この挿入口１
ｂはスライド式の扉２により開閉される。マガジンＭは
その１側部が開口部Ｍａとなっており、内部は仕切板や
出入り自在のトレイなどにより複数の収納部に区切られ
ている。コンパクトディスク（ＣＤ）などのディスクＤ
は、開口部Ｍａから複数の収納部のそれぞれに挿入され
る。

【０００３】扉２をスライドさせて挿入口１ｂを開き、
マガジンＭを挿入口１ｂから挿入すると、マガジンＭは
機構シャーシ内のマガジン設置部に設置される。ディス
クの選択操作がなされると、ディスク駆動部内の選択機
構によりマガジンＭ内のいずれかのディスクＤが選択さ
れ、ディスクＤがマガジンＭから引き出されてディスク
駆動部のターンテーブルにクランプされる。そしてター
ンテーブルによりディスクが回転駆動され、光ヘッドに
より再生が行われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図７に示す従来のマガ
ジン式ディスク装置では、マガジンＭの挿入口１ｂが外
装ケース１の１つの側面１ａにのみ形成され、挿入口１
ｂに対するマガジンＭの挿入方向（イ）はディスクＤの
面に平行な方向に限られている。この種のマガジン式デ
ィスク装置は、自動車のトランクルーム内などに設置さ
れるものであるが、挿入口１ｂが１箇所だけであり、マ
ガジンＭの装填方向（イ）が一方向に決められている
め、マガジンＭの挿入方向によってトランクルーム内な
どでの外装ケース１の設置姿勢が制約を受けることにな
る。例えば、挿入口１ｂが形成されている側面１ａと逆
側の側面１ｄをトランクルームの床面などに向け、
（ａ）方向を下向きにして設置すると、外装ケース１の
天井面１ｃが床面に対して縦向きとなり、トランクルー
ム内のスペースを有効利用できる。ところが、この設置
姿勢では、側面１ａが上向きになり、マガジンＭを、デ
ィスクＤの面を垂直に向けた状態で上方から挿入口１ｂ
内へ降ろすようにして装填することになる。したがっ
て、トランクルームの天井がマガジン挿入動作の妨げに
なる。

【０００５】またトランクルームの床面などに凹部を形
成し、外装ケース１の底面１ｅを床面方向に向け（ｂ）
方向を下向きにして凹部内に設置すると、床面の上の空
間を有効に利用できる。ところが外装ケース１が凹部内
に設置されると、挿入口１ｂが凹部内に隠れ、マガジン
Ｍを装填できなくなる。マガジン式ディスク装置の設置
姿勢は、車種によって代わるトランクルームなどの形や
大きさ、さらには使用者の好みにより自由に選べるよう
にすることが好ましいが、側面１ａにのみ挿入口１ｂが
形成されたマガジン式ディスク装置では、上記のように
設置姿勢に制約があり、トランクルーム内の空間などの
有効利用の点で問題があった。

【０００６】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、マガジンの装填方向を任意に選択できるようにし
て、装置本体の設置姿勢の自由度を増すことのできるマ
ガジン式ディスク装置を提供することを目的としてい
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、ディスクを収
納したマガジンが装填されるマガジン設置部と、マガジ
ン内から引き出されたディスクを駆動するディスク駆動
部とが設けられたマガジン式ディスク装置において、前
記マガジン設置部に対し、ディスクの面と平行な方向と
ディスクの面と直交する方向の双方からマガジンが装填
可能とされていることを特徴とするものである。

【０００８】ここで、双方からマガジンが装填可能とさ
れているとは、ディスク装置が自動車のトランクルーム
などに設置されたときに、マガジン設置部に対し常にマ
ガジンがそれぞれの方向から挿入できるようにしてお
き、マガジンを異なる方向から随時装填できるようにし
ておくことを意味する。あるいは、ディスク装置の構造
上マガジンを異なる向きから装填できるものであるが、
トランクルームなどにディスク装置を設置するときに、
マガジンの装填方向を決め、その方向からマガジンを装
填可能にし、他の方向からはマガジンが装填できないよ
うに内部機構の設定や変更を行う場合も含まれる。

【０００９】上記において、マガジン設置部に装填され
たマガジンをディスクの面と平行な方向へ排出する横排
出部材と、マガジンをディスクの面と交叉する方向へ排
出する縦排出部材とを設け、一方の排出部材がマガジン
の装填を許容する方向へ移動するときに他方の排出部材
もマガジンの装填を許容する方向へ移動するように両排
出部材を連動させることが可能である。

【００１０】

【作用】上記手段では、ディスク装置のマガジン設置部
に対し、マガジンをディスクの面に水平な向きとディス
クの面に垂直な向きの両方向から常に挿入できるように
なっており、またはマガジンの挿入向きをディスクの面
に平行な向きとディスクの面に垂直な向きのいずれかに
任意に設定できるようになっている。したがって、自動
車のトランクルーム内などにディスク装置を設置すると
きに、その設置姿勢の自由度が増し、トランクルーム内
の空間などの有効利用を図れるようになる。特にマガジ
ンをディスクの面に垂直な方向へ挿入できるようにした
ため、図７に示す外装ケース１の上面１ｃを床面に対し
縦向きに設置したときに、面１ｃに対して垂直な方向か
らマガジンを装填できるようになる。また図７に示す底
面１ｅを下向きとしトランクルームの床面などの凹部内
にディスク装置を設置した場合でも、上方からマガジン
を挿入することが可能になる。

【００１１】また、マガジンをディスクの面に平行な方
向へ排出する横排出部材と、マガジンをディスクの面に
交叉する方向へ排出する縦排出部材を互いに連動させて
おけば、両排出部材を共通の付勢部材（ばね部材）など
により動作させることができ、また両排出部材のロック
機構を複数設ける必要がなくなり、マガジン排出機構の
構造を簡単にできる。また、一方の排出部材がマガジン
の装填を許容する方向へ移動するときに他方の排出部材
もマガジンの装填を許容する方向へ移動する構造とする
ことにより、どちらの方向からマガジンを挿入しても、
排出部材がその挿入の妨げにならない。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。図１は本発明の第１実施例のマガジン式ディスク装
置を示す外観斜視図、図２は内部構造を示す斜視図、図
３ないし図５はマガジン装填部および排出機構を示す図
２のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。このマガジン式デ
ィスク装置１０は、車載用のディスクチェンジャであ
る。ディスク装置１０の最外部は、樹脂製などの外装ケ
ース１１であり、その内部に金属製の機構シャーシ１２
が収められ（図２参照）、機構シャーシ１２内に各種機
構および回路基板などが収められている。

【００１３】図１は外装ケース１１のみを示し機構シャ
ーシ１２の図示を省略しているが、外装ケース１１の内
側に位置する機構シャーシ１２内に、マガジン設置部Ａ
と、これに連設するディスク駆動部Ｂが設けられてい
る。ディスク駆動部Ｂには、上下方向（α方向）へ移動
する駆動ベース１３が設けられている。駆動ベース１３
のα方向の動きにより、マガジン設置部Ａに装填された
マガジンＭ内の所定のディスクＤが選択される。選択さ
れたディスクＤは図示しない移送機構により駆動ベース
１３上に引き出され、ターンテーブル１４にクランプさ
れる。そしてターンテーブル１４によりディスクＤが回
転駆動され、駆動ベース１３に設けられた光ヘッドによ
り、再生動作が行われる。

【００１４】外装ケース１１の１つの側面１１ａには横
挿入口１１ｂが形成され、この横挿入口１１ｂには扉１
５が設けられている。手で扉１５をβ方向へ摺動させる
と、横挿入口１１ｂが開口する。内部に複数枚のディス
クＤが収納されたマガジンＭは、開口部Ｍａを右側に向
けた状態で、ディスクＤの面と平行な向き（イ）にて横
挿入口１１ｂに挿入され、機構シャーシ１２内のマガジ
ン設置部Ａに装填される。外装ケース１１の天井面１１
ｃには縦挿入口１１ｄが形成され、この縦挿入口１１ｄ
には扉１６が設けられている。手で扉１６をγ方向へ摺
動させると、縦挿入口１１ｄが開口する。マガジンＭは
ディスクＤの面に垂直な向き（ロ）にて、縦挿入口１１
ｄに挿入され、機構シャーシ１２内のディスク設置部Ａ
に設置される。

【００１５】図３ないし図５は、外装ケース１１を省略
し、機構シャーシ１２のマガジン設置部ＡをＩＩＩ−Ｉ
ＩＩ線の断面で示したものであるが、機構シャーシ１２
の側面１２ａには、外装ケース１１の横挿入口１１ｂに
連通する横通路１２ｂが開口し、機構シャーシ１２の天
井面１２ｃには、前記縦挿入口１１ｄに連通する縦通路
１２ｄが開口している。マガジン設置部Ａには、マガジ
ンＭが設置される設置台１７が設けられ、設置台１７の
下には、マガジンＭを横通路１２ｂと縦通路１２ｄの双
方から排出させることのできる排出機構２０が設けられ
ている。

【００１６】排出機構２０には横排出部材２１が設けら
れている。横排出部材２１は（ハ）−（二）方向（図示
水平方向）へ直線的に移動できるように図示しないガイ
ド機構によりガイドされており、排出スプリング（排出
ばね部材または排出付勢部材）２２により（二）方向へ
付勢されている。図３は横排出部材２１が（二）方向の
終点へ移動した状態を示している。横排出部材２１の上
部には（ハ）−（二）方向に対して４５度傾斜する排出
面２１ａが形成されており、排出面２１ａは、設置台１
７に形成された切欠部１７ａを通過して設置台１７の上
面に突出している。また、横排出部材２１には連動ピン
２３が設けられている。排出機構２０には縦排出部材２
４が設けられている。機構シャーシ１２の底面にはブラ
ケット２６が固定されて設けられ、このブラケット２６
に設けられた軸２５に対し縦排出部材２４が（ホ）−
（へ）方向へ回動自在に支持されている。縦排出部材２
４には連動長穴２４ａが形成されて、前記連動ピン２３
が連動長穴２４ａに挿入されている。この連動ピン２３
と連動長穴２４ａとの連動嵌合部により、横排出部材２
１と縦排出部材２４は連動して動作する。図３では横排
出部材２１が（二）方向の終点へ移動しているため、連
動ピン２３が連動長穴２４ａの図示左端側へ移動し、縦
排出部材２４が（へ）方向へ回動させられている。縦排
出部材２４の先端には、押圧部２４ｂが一体に形成さ
れ、図３の状態では、押圧部２４ｂが設置台１７の切欠
部１７ａ内を通過して設置台１７の上方へ延びている。

【００１７】排出機構２０の下部にはロック部材２７が
設けられている。このロック部材２７は図示しないガイ
ド機構により（ト）−（チ）方向へ直線的に移動できる
ようにガイドされており、且つロック部材２７はロック
スプリング２８により（ト）方向へ付勢されている。図
４に示すように横排出部材２１が（ハ）方向へ移動する
と、横排出部材２１の（二）方向側の端部がロック部材
２７に掛止され、横排出部材２１が（二）方向へ移動し
ないようにロックされる。マガジン排出操作がなされた
ときにはモータまたはソレノイドなどを駆動源とするロ
ック解除機構が働いてロック部材２７が（チ）方向へ引
かれる。よって横排出部材２１のロックが外れ、排出ス
プリング２２の弾性力により横排出部材２１が（二）方
向へ駆動され、これに連動して縦排出部材２４が（へ）
方向へ回動させられる。

【００１８】このマガジン式ディスク装置１０では、外
装ケース１１を自動車のトランクルーム内などに設置す
る際に、その設置姿勢に基づいて横挿入口１１ｂと縦挿
入口１１ｄのうち使用する挿入口をいずれか一方に選択
できる構造となっている。横挿入口１１ｂを使用すると
きには、図４に示すように、機構シャーシ１２の天井面
１２ｃに形成された縦通路１２ｄを閉鎖部材３１により
閉鎖する。この閉鎖部材３１は板金材料を曲げ形成した
ものであり、ねじ３２により機構シャーシ１２の天井面
１２ｃに固定される。閉鎖部材３１の下面はガイド面３
１ａとなる。

【００１９】図４に示した機構の設定状態のときに横挿
入口１１ｂからマガジンＭを挿入できるようになる。扉
１５をβ方向へ摺動させて外装ケース１１の横挿入口１
１ｂを開口させ、マガジンＭをディスクＤの面と平行な
向き（イ）にて横挿入口１１ｂへ挿入すると、マガジン
Ｍは、機構シャーシ１２の横通路１２ｂを通過して、設
置台１７の上面と閉鎖部材３１のガイド面３１ａの間に
導かれる。手でマガジンＭをある程度押し込むと、マガ
ジンＭの挿入方向先端が（二）側に移動している横排出
部材２１の排出面２１ａに当たる。そのままマガジンＭ
を押し込むと、押し込み力により横排出部材２１は
（ハ）方向へ移動し、これと連動して縦排出部材２４は
（ホ）方向へ回動する。縦排出部材２４の押圧部２４ｂ
は、（ハ）方向へ移動するマガジンＭの移動方向前方に
て（ホ）方向へ回動するため、マガジンＭの挿入動作が
縦排出部材２４に邪魔されない。

【００２０】横排出部材２１が（ハ）方向へ押されて図
４にて実線で示す位置まで移動すると、横排出部材２１
がロック部材２７によりロックされ（二）方向への移動
が阻止される。このとき縦排出部材２４の押圧部２４ｂ
は設置台１７の上面から突出しない位置に下がる。これ
によりマガジンＭのマガジン設置部Ａへの装填が完了す
る。マガジン設置部ＡにマガジンＭが装填された後に、
扉１５を閉めて再生指示操作を行うと、マガジンＭの開
口部Ｍａから、所望のディスクＤが選択されてディスク
駆動部Ｂに引き出され、ディスクＤがターンテーブル１
４にクランプされ、再生動作に移行する。

【００２１】マガジンＭを排出させるときには、扉１５
をβ方向へ摺動させて横挿入口１１ｂを開き、排出操作
釦を押す。このとき図示しないロック解除機構が動作し
てロック部材２７が（チ）方向へ下降させられ、横排出
部材２１のロックが解除される。ロックが解除された横
排出部材２１は排出スプリング２２の弾性力により
（二）方向へ移動し、横排出部材２１の排出面２１ａに
押されて、マガジンＭは横通路１２ｂを通過して横挿入
口１１ｂから排出される。横排出部材２１が（二）方向
へ移動する際に、連動ピン２３と連動長穴２４ａとで連
結された縦排出部材２４が（へ）方向へ回動し、押圧部
２４ｂが設置台１７の上面に突出するが、押圧部材２４
ｂはマガジンＭの図示右端（挿入方向前端）の右側にて
上昇するため、縦排出部材２４の動作はマガジンＭの排
出の邪魔にならない。

【００２２】次に、外装ケース１１の天井面１１ｃに設
けられた縦挿入口１１ｄを使用してマガジンＭを装填す
る場合には、図５に示すように、機構シャーシ１２の天
井面の縦通路１２ｄを開口させ、機構シャーシ１２の側
面１２ａの横通路１２ｂを閉鎖部材３３により閉鎖す
る。閉鎖部材３３は板金材料により曲げ形成されてお
り、ねじ３４により機構シャーシ１２の天井面１２ｃに
固定される。閉鎖部材３３の内面は、マガジンＭをガイ
ドするガイド面３３ａとなる。扉１６をγ方向へ摺動さ
せて縦挿入口１１ｄを開き、マガジンＭをディスクＤの
面に直交する向き（ロ）にて縦挿入口１１ｄ内に挿入す
ると、マガジンＭの（ロ）方向に向く底面が、設置台１
７の上方へ突出している押圧部２４ｂに当たる。そのま
まマガジンＭを設置台１７の方向へ押し込むと、押圧部
２４ｂがマガジンＭに押され、縦排出部材２４が（ホ）
方向へ回動する。縦排出部材２４に形成された連動長穴
２４ａに連動ピン２３が挿入されているため、縦排出部
材２４の（ホ）方向への回動に連動して、横排出部材２
１が（ハ）方向へ引かれる。マガジンＭの底面全面が設
置台１７に当たる位置まで押し込まれ、押圧部２４ｂの
先端が設置台１７の上面から下側へ後退した時点で、横
排出部材２１がロック部材２７によりロックされ、よっ
て縦排出部材２４も（ホ）方向へ回動した状態でロック
される。

【００２３】マガジンＭが（ロ）の向きで装填される場
合、縦排出部材２４の押圧部２４ｂが（ホ）方向へ押さ
れている間に横排出部材２１が（ハ）方向へ移動するた
め、横排出部材２１はマガジンＭの装填の妨げにならな
い。仮に横排出部材２１が完全に（ハ）方向へ移動しな
いうちに、マガジンＭの底面の角部（リ）が横排出部材
２１の排出面２１ａに当ったとしても、この排出面２１
ａはほぼ４５度の傾斜面であるため、マガジンＭの設置
台１７方向への押圧力が横排出部材２１に対し（ハ）方
向への力として作用する。よって横排出部材２１は確実
に（ハ）方向へ移動してロック部材２７によりロックさ
れる。これにより縦挿入口１１ｄから挿入されたマガジ
ンＭはマガジン設置部Ａ内に確実に装填される。マガジ
ンＭを排出するときは、扉１６をγ方向へ摺動させて挿
入口１１ｄを開き、排出操作釦を押す。このとき、前記
ロック解除機構によりロック部材２７が（チ）方向へ駆
動され、横排出部材２１のロックが解除され、横排出部
材２１は排出スプリング２２により（二）方向へ駆動さ
れる。このとき、まず横排出部材２１の傾斜した排出面
２１ａによりマガジンＭの底面の角部（リ）が設置台１
７から離れる方向へ押される。また横排出部材２１が
（二）方向へ移動すると、これに連動して縦排出部材２
４が（へ）方向へ回動するため、縦排出部材２４の押圧
部２４ｂによってマガジンＭの底面が上方へ押し上げら
れ、図５に示すようにマガジンＭは縦通路１２ｄを通過
して縦挿入口１１ｄから排出される。

【００２４】この実施例では、ディスク装置１０を購入
したときに、図４に示す閉鎖部材３１と図５に示す閉鎖
部材３３が共に機構シャーシ１２に取り付けられた状態
となっている。トランクルーム内などで外装ケース１１
の取付姿勢を決め、外装ケース周辺の余裕空間などに基
づいて横挿入口１１ｂと縦挿入口１１ｄのいずれを使用
するかを決定する。そして使用する挿入口に対応する閉
鎖部材３１または３３を機構シャーシ１２から取り外せ
ば、その挿入口からのマガジンの挿入と排出が可能にな
る。

【００２５】また、上記排出機構２０では、横排出部材
２１がマガジンＭの装填を許容する（ハ）方向へ移動す
ると、縦排出部材２４もマガジンＭの装填を許容する
（ホ）方向へ移動するので、いずれの挿入口からマガジ
ンが装填される場合でも、それぞれの排出部材がマガジ
ンの装填の妨げにならず、またマガジンの排出動作の妨
げにもならない。また前記排出機構２０では、使用する
挿入口が１１ｂまたは１１ｄのどちらであっても、その
構造および動作を変える必要はなく、ロック解除機構に
よりロック部材２７を（チ）方向へ移動させれば、挿入
口１１ｂであっても挿入口１１ｄであっても、マガジン
Ｍを排出できる。

【００２６】次に、上記実施例を変形させることによ
り、横挿入口１１ｂと縦挿入口１１ｄの双方から常に自
由にマガジンＭを挿入できるようにすることも可能であ
る。例えば、図４に示したガイド面３１ａと同じ面を扉
１６の内面に形成する。またはガイド面３１ａと同じ面
を有する閉鎖部材を機構シャーシ１２に摺動自在に設
け、この閉鎖部材が扉１６と一緒にγ方向およびこれと
逆方向へ移動できるようにする。同様に、扉１５の内面
に図５に示すガイド面３３ａと同じ面を形成する。ある
いはガイド面３３ａと同じ面を有する閉鎖部材を機構シ
ャーシ１２に摺動自在に設け、扉１５と一緒に閉鎖部材
をβ方向およびこれと逆方向へ移動できるようにする。

【００２７】このように構成すると、扉１６により縦挿
入口１１ｄを閉じた状態で、扉１５をβ方向へ摺動させ
て横挿入口１１ｂを開放させれば、図４に示したのと同
様に横挿入口１１ｂからマガジン設置部ＡにマガジンＭ
を装填でき、また排出機構２０によりマガジンＭを横挿
入口１１ｂから排出させることができる。逆に扉１５に
より横挿入口１１ｂを閉じた状態で、扉１６をγ方向へ
摺動させ、縦挿入口１１ｄを開口させれば、図５と同じ
状態になり、マガジンＭを縦挿入口１１ｄから挿入で
き、また排出機構２０によりマガジンＭを縦挿入口１１
ｄから排出できるようになる。またマガジンＭを横挿入
口１１ｂから挿入して縦挿入口１１ｄから排出させ、逆
にマガジンＭを縦挿入口１１ｄから挿入して横挿入口１
１ｂから排出させることも可能である。また、上記実施
例での排出機構２０は、同じ動作でマガジンＭを横挿入
口１１ｂと縦挿入口１１ｄの双方から排出できるものと
なっているが、マガジンＭを横挿入口１１ｂから排出さ
せる横排出機構と、マガジンＭを縦挿入口１１ｄから排
出させる縦排出機構を別々の機構として設けてもよい。
この場合、横挿入口１１ｂと縦挿入口１１ｄのいずれか
らでもマガジンＭを挿入できるようにしておき、扉１５
を開けてその内部に位置する排出操作釦を押すと、横排
出機構が動作して、マガジンＭが横挿入口１１ｂから排
出され、扉１６を開けてその内側に位置する排出操作釦
を押すと、縦排出機構が動作して、マガジンＭが縦挿入
口１１ｄから排出できるようになる。

【００２８】次に、図６の示す実施例では、外装ケース
１１の側面１１ａに横挿入口１１ｂが、天井面１１ｃに
縦挿入口１１ｄが開口し、さらに外装ケース１１の端側
面１１ｅおよび側面１１ｆの双方に挿入口が開口し、ま
たそれぞれの挿入口を開閉する扉が設けられている。マ
ガジンＭはディスクＤの面と平行な向き（イ）と、同じ
くディスクＤの面と平行な向き（ヌ）、およびディスク
Ｄの面と平行な向き（ル）からディスク設置部Ａに装填
でき、さらにマガジンＭをディスクＤの面と直交する向
き（ロ）からディスク設置部Ａに装填できるようになっ
ている。この場合、マガジンＭを各挿入口から排出させ
る排出機構は、（イ）方向、（ロ）方向、（ヌ）方向お
よび（ル）方向のそれぞれの方向から挿入されたマガジ
ンＭを同じ方向へ排出できるように別々に設け、各排出
機構では、他の方向からのマガジンの挿入を妨げないよ
うに排出動作を行わせる構造とすればよい。なお、図６
において、マガジンＭを（イ）（ロ）（ヌ）の三方向か
らのみ装填できる構造であってもよいし、（イ）（ロ）
（ル）の三方向からのみ装填できる構造であってもよ
い。

【００２９】以上の実施例では、外装ケース１１の底面
１１ｇを下向きなどにして設置する場合には、例えば横
挿入口１１ｂを使用して、マガジンＭをディスクＤの面
に平行な方向から装填すればよい。また例えば外装ケー
ス１１の側面１１ｆを下向きにして設置した場合には、
天井面１１ｃがトランクルームの床面などに対して縦向
きとなるが、この場合には、縦挿入口１１ｄを使用し
て、マガジンＭを天井面１１ｃに対して垂直な向きで装
填できる。特にマガジンＭをディスクＤの面と垂直な向
き（ロ）にて装填できるようにしたことにより、設置場
所の環境に応じてディスク装置１０を自由な姿勢で設置
でき、しかもどの姿勢で設置しても、マガジンＭの装填
方向を最も挿入しやすい方向に設定できる。

【００３０】

【発明の効果】以上のように本発明では、ディスク装置
の設置姿勢を自由に選ぶことができ、またディスク装置
の設置姿勢に従った最もマガジンを挿入しやすい挿入口
を使用でき、マガジン挿入動作を常に適正な向きにて行
うことができる。

【００３１】また、横排出部材と縦排出部材を連動さ
せ、両部材が共にマガジンの装填を許容する方向へ動作
できるようにすれば、共通の排出機構で、異なる方向か
ら装填されたマガジンを排出でき、装置の内部構造を簡
単にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のマガジン式ディスク装置の第１実施例
を示す斜視図、

【図２】図１に示すディスク装置の機構シャーシを示す
斜視図、

【図３】機構シャーシ内のマガジン設置部および排出機
構を示す図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線の断面図、

【図４】横挿入口からマガジンが装填される場合を示す
断面図、

【図５】縦挿入口からマガジンを排出する状態を示す断
面図、

【図６】本発明の第２実施例のマガジン式ディスク装置
を示す斜視図、

【図７】従来のマガジン式ディスク装置を示す斜視図、

【符号の説明】

Ｍ マガジン Ｄ ディスク Ａ マガジン設置部 Ｂ ディスク駆動部 １０ マガジン式ディスク装置 １１ 外装ケース １１ｂ 横挿入口 １１ｄ 縦挿入口 １２ 機構シャーシ １５，１６ 扉 １７ 設置台 ２０ 排出機構 ２１ 横排出部材 ２１ａ 排出面 ２２ 排出スプリング ２３ 連動ピン ２４ 縦排出部材 ２４ａ 連動長穴 ２４ｂ 押圧部 ２７ ロック部材 ３１，３３ 閉鎖部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクを収納したマガジンが装填され
   るマガジン設置部と、マガジン内から引き出されたディ
   スクを駆動するディスク駆動部とが設けられたマガジン
   式ディスク装置において、前記マガジン設置部に対し、
   ディスクの面と平行な方向とディスクの面と直交する方
   向の双方からマガジンが装填可能とされていることを特
   徴とするマガジン式ディスク装置。
2. 【請求項２】 マガジン設置部に装填されたマガジンを
   ディスクの面と平行な方向へ排出する横排出部材と、マ
   ガジンをディスクの面と交叉する方向へ排出する縦排出
   部材とを備えた排出機構が設けられ、一方の排出部材が
   マガジンの装填を許容する方向へ移動するときに他方の
   排出部材もマガジンの装填を許容する方向へ移動するよ
   うに両排出部材が連動している請求項１記載のマガジン
   式ディスク装置。