JPH07312170A - 反射防止,帯電防止機能を持つ陰極線管とその製造方法 - Google Patents

反射防止,帯電防止機能を持つ陰極線管とその製造方法

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JPH07312170A
JPH07312170A JP10000294A JP10000294A JPH07312170A JP H07312170 A JPH07312170 A JP H07312170A JP 10000294 A JP10000294 A JP 10000294A JP 10000294 A JP10000294 A JP 10000294A JP H07312170 A JPH07312170 A JP H07312170A
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ray tube
cathode ray
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panel
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JP10000294A
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English (en)
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Toshio Tojo
利雄 東條
Shoko Nishizawa
昌紘 西澤
Shigemi Hirasawa
重實 平澤
Norikazu Uchiyama
則和 内山
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Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】コントラストと解像度の低下がない反射防止と
帯電防止の機能をもつ膜をパネル表面に形成した陰極線
管とその製造方法を提供する。 【構成】陰極線管のパネル1の表面上に、導電性高屈折
率の平滑な第1層3と、低屈折率の平滑な第2層4と、
前記第2層を不連続に被覆して形成した散乱性を有しな
い低屈折率の第3層部5とをこの順で積層形成してな
り、外光の干渉による反射防止機能と帯電防止機能とを
持たせた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外光散乱による解像度
の低下およびコントラストの低下のない反射防止と帯電
防止の機能をもった陰極線管とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機や情報端末機器のモ
ニターに用いられる陰極線管では、画像表示面での外光
の反射によって、解像度の低下やコントラストの低下等
の表示画像の品質が劣化することが知られている。
【0003】従来、陰極線管の反射防止対策としては、
パネル表面に多層膜を形成し、この多層膜による光の干
渉を利用して反射を抑える多層干渉方式(AR方式)
と、パネル表面に微細な凹凸を形成して外光を散乱さ
せ、鏡面反射のみを低減させるノングレア方式とが知ら
れている。
【0004】前者については、PVD(Physical Vapor
Deposition))法により、屈折率の異なる材料で3〜4
層から成る反射防止膜をガラスプレート上に形成し、そ
のガラスプレートを陰極線管のパネル表面へ貼付る方法
が一般的であった。
【0005】この方法は低反射の波長領域を広くできる
ため優れた反射防止特性を示すが、高価であるという欠
点があるために一部の高級品種の陰極線管に適用されて
いるだけであった。
【0006】また、高価な上記PVD法ではなく、安価
なスピン塗布法で反射防止帯電防止機能を実現しようと
する試みもなされているが、パネル表面全面における均
一性を維持しようとするとスピン塗布法では2層が限度
であった。
【0007】なお、2層膜でも光の干渉により反射率を
低減させることができるが、低反射の波長領域が狭くな
り、そのために反射光の着色が強くなって陰極線管とし
て好まれないものとなってしまう。
【0008】後者については、パネル表面をサンドブラ
ストやフッ酸等によるエッチングを施すことで微細な凹
凸を形成する方法や、シリコンアルコキシドのアルコー
ル液をスプレー塗布し、その後の熱処理により微細な凹
凸を形成する方法がある。
【0009】これらの方法は、安価で汎用性に優れてい
るが、表面の凹凸のために散乱反射が増し、これにより
黒の浮き上がり現象が起り、コントラストが低下する。
また透過光も僅かに散乱するため、解像度の低下が起る
という欠点もあった。
【0010】これらの従来技術の問題を解決するものと
して、特開平4−334852号公報や特開平5−34
3008号公報に開示されたように、AR方式とノング
レア方式を組み合わせた方式も提案されている。
【0011】これらの組合せ方式の反射防止膜は光学的
には2層で、下層が高屈折率層、上層が低屈折率層の反
射防止膜構造となっており、かつ上層の表面に凹凸を形
成してある。このため、上層の平滑部でAR特性が得ら
れ、凹凸部でノングレア特性が得られる。
【0012】帯電防止については、酸化すず等を主成分
とする導電膜を形成することが既知の技術としてあり、
反射防止膜との組合せとしても実用化されている。
【0013】酸化すずは高屈折率材料であるため、2層
AR方式の第1層目として使用されるが、必ずしも十分
な反射特性が得られている訳ではない。これは酸化すず
層の屈折率が所望の値よりも低いためである。
【0014】これを解決するために、酸化すずよりも屈
折率の高い酸化チタンや酸化ジルコニウムなどの材料を
添加することも行われている。しかしこれらの多くの材
料は絶縁物質であるため導電性を低下させてしまう。
【0015】また、V字型の分光反射スペクトルの最小
反射率は低くなるが、反面V字の傾斜が大きくなり、低
反射波長の領域が狭くなるのに対して低反射域の外側で
反射が強くなるため反射色が濃いものとなり、陰極線管
として好まれない外観となっていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
においては、PVD法によるAR方式は高価であるこ
と、安価な塗布による2層反射防止膜は導電性との両立
の難しさと反射色が濃いという問題であった。
【0017】また、ノングレア方式は外光による管面の
黒の浮き上がりによりコントラストが低下したり解像度
が低下するという問題があった。
【0018】そして、上記した特開平4−334852
号公報や特開平5−343008号公報に記載のよう
に、AR方式とノングレア方式を組み合わせた方式にお
いても、ノングレアの機能があるために黒の浮き上がり
や解像度の低下は避けられない。
【0019】本発明の目的は、AR方式のコストと導電
性と反射色の問題及びノングレア方式のコントラスト低
下と解像度低下の問題を解決し、安価で反射防止効果が
高く、コントラストと解像度の低下がない反射防止と帯
電防止の機能をもつ膜をパネル表面に形成した陰極線管
とその製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の第1の発明は、陰極線管のパネル
表面上に、導電性高屈折率の平滑な第1層と、低屈折率
の平滑な第2層と、前記第2層を不連続に被覆して形成
した散乱性を有しない低屈折率の第3層とをこの順で積
層形成してなり、外光の干渉による反射防止機能と帯電
防止機能とを持たせたことを特徴とする。
【0021】請求項2に記載の第2の発明は、前記第3
層の前記第2層を被覆する部分の表面が平滑であり、前
記第3層による第2層の表面被覆率をCとするとき、上
記Cが0.1≦C≦0.5の関係をもつことを特徴とす
る。
【0022】請求項3に記載の第3の発明は、前記第3
層の第2層を被覆する部分の表面が緩やかな傾斜をも
ち、前記表面被覆率Cが0.1≦C≦0.8の関係をも
つことを特徴とする。
【0023】請求項4に記載の第4の発明は、前記導電
性高屈折率の第1層が酸化すずを主成分とし、これに酸
化アンチモン、酸化インジウム、酸化チタン、酸化ジル
コニム、カ−ボンブラック、酸化けい素、金属の超微粒
子の中から選ばれた一つまたはそれ以上の成分を含み、
前記低屈折率の第2層が酸化けい素、あるいはこれとフ
ッ化マグネシムまたはフッ化カルシウムの混合物を成分
とすることを特徴とする。
【0024】請求項5に記載の第5の発明は、補強体を
具備した陰極線管のパネル表面に前記第1層および前記
第2層をスピン塗布法により形成し、前記第3層をスプ
レ−塗布法により形成した後、120〜180°Cで熱
処理を施すことを特徴とする。
【0025】請求項5に記載の第5の発明は、補強体を
具備した陰極線管のパネル表面に前記第1層をスピン塗
布法により形成し、前記第2層および前記第3層をスプ
レー塗布法により形成した後、120〜180゜Cの熱
処理を施して陰極線管を製造することを特徴とする。
【0026】すなわち、本発明は、第1層に例えば酸化
すずを主成分とする導電性高屈折率層を形成し、その上
に第2層として例えば酸化けい素を主成分とする低屈折
率層を形成する。さらにその上に第2層を不連続に被覆
して散乱性がなく第2層と同様の低屈折率の第3層を形
成する。
【0027】第1層は導電性が許容できる範囲で酸化チ
タン等の高屈折率材料を添加し、低反射の条件に合わす
ことが望ましい。この条件での2層膜では反射色は濃い
ものであるが、第3層でこれが解決できる。
【0028】平滑で光散乱性のない第3層の有無によっ
て、第2層部と第3層部からなる低屈折率層の厚さに差
をつけることができる。この第2層部と第3層部では最
小反射率の波長λbが異なり、形成した膜全体としては
これらの合成スペクトルとなる。第2層部と第3層部の
λbの組合せにより,所謂V字型スペクトルの傾斜を緩
くすることができ、その結果、反射色を薄くすることが
できる。
【0029】第3層の光散乱性を防止するために種々検
討した結果、粒子の断面形状を表1のNo.2、3のよ
うにし、第3層の厚さを20nm以下にすることによ
り、実質的に光散乱性のない膜を形成できる。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示す断面の粒子について光散乱度を
変角光度計やヘーズメータ等で測定したが、平滑面との
差がなく、目視で種々の角度から見ての相対評価で行
い、数値化したものが表1の光散乱度(相対値)であ
る。
【0032】この値が120以下であれば、陰極線管の
解像度低下やコントラスト低下の問題はない。本発明で
は表1のNo.2,3に示す粒子を形成する。
【0033】以上の手段により、前記の目的を達成する
ことができる。
【0034】
【作用】上記構成としたことにより、本発明による陰極
線管表面の膜は、物理的には3層膜であるが、光学的に
は2層膜である。第3層のない2層部と第3層のある3
層部は両方とも2層膜特有のV字型の分光反射スペクト
ルになるが、最小反射率を示す波長λbが異なる。その
ため膜全体の反射スペクトルとしては各々の面積比を掛
け合わせた合成スペクトルとなる。これにより2層部単
独や3層部のV字型反射スペクトルの傾斜よりも緩やか
な合成反射スペクトルとなり、反射色を薄くすることが
できる。
【0035】つまり2層部のλbと3層部のλbを所定の
範囲で組み合わせることにより、第1層と第2層の光学
膜厚を変えたことと同じ効果が得られるため、第1層の
材料の組合せの自由度が増し、反射防止と導電性を両立
することが容易にできるようになる。さらに第3層は散
乱性がないため、コントラストの低下や解像度の低下は
ない。
【0036】
【実施例】
〔実施例1〕図1は本発明による陰極線管の第1実施例
を説明するパネル部の要部断面図、また図2は本発明に
よる陰極線管の第1実施例を説明するパネル部の要部平
面図であって、1はパネルガラス、2は蛍光面、3は第
1層、4は第2層、5は第3層部、6は第2層の露出
部、7は第3層の表面、8は第2層での反射光路、9は
第3層での反射光路である。
【0037】この実施例では、陰極線管のパネル部を構
成するパネルガラス1の外表面の全面にに高屈折率の第
1層を形成し、第1層の表面全面に低屈折率の第2層を
全面に形成する。そして、さらに、第2層を不連続に覆
って低屈折率の第3層を形成してなる。
【0038】すなわち、第2層の表面は露出部6と第3
層の被覆部(図2で表面7が見えている)とからなり、
外光は第2層での反射経路8と第3層部5の被覆部での
反射経路9を取って反射する。
【0039】第1層3の屈折率n1 は1.65〜1.7
0、第2層4と第3層部5の屈折率n2 は1.44〜
1.48である。また、第1層3の厚さは80〜90n
m、第2層4の厚さは80〜95nm、第3層部5の厚
さは5〜15nmである。なお、第3層部5は微粒子で
なり、その平均粒径は5〜20μmである。また、第3
層部5による第2層4の表面被覆率Cは0.1≦C≦
0.5の範囲にあるのが望ましく、本実施例では約0.
3(約30%)である。
【0040】図3は本実施例による反射防止,帯電防止
膜を備えた陰極線管パネルの分光反射スペクトルの説明
図であって、横軸に波長(nm)を、縦軸に反射率%を
とって示す。
【0041】この分光反射スペクトルはパネル上に形成
した第1層と第2層とからなる2層部と第3層部を含む
3層全体の反射率である。
【0042】同図において、10は2層部での反射スペ
クトル、11は第3層部での反射スペクトル(推定)、
12は3層膜の合成反射スペクトル、13は3層膜の最
小反射波長と同じになる2層膜の反射スペクトルを示
す。
【0043】図中、第3層部を有しない2層膜の分光ス
ペクトル13に対して、3層膜の反射スペクトルの方が
若干ではあるが、V字型の傾斜が緩やかなっており、反
射色も2層膜の場合の濃赤紫色に対して3層膜では薄紫
色となっている。
【0044】図4は本発明による陰極線管の製造方法の
第1実施例を説明する概略工程図であって、上記陰極線
管の第1実施例の製造に対応する。
【0045】同図において、先ず、陰極線管のパネル表
面を研磨した後、研磨剤を完全に除去し、清浄な表面と
する(工程1)。
【0046】次に、パネル表面の温度を約40゜Cに調
整し、酸化すずと酸化チタンを固形分とするアルコール
液をスピン塗布法により塗布し(工程2)、40〜50
°Cで乾燥する(工程3)。これにより第1層3が形成
される。
【0047】上記の工程で形成した第1層の上にシリコ
ンアルコキシドのアルコール溶液をスピン塗布法により
塗布し(工程4)、40〜50°Cで乾燥して(工程
5)第2層を形成する。
【0048】第2層を形成した後、パネル表面の温度を
30〜60°C、雰囲気温度を25±8°C、相対湿度
25〜65%RH、絶対湿度5〜20g/m3 とする雰
囲気調整(I)を施し(工程6)、上記第2層とは異な
る組成のシリコンアルコキシドのアルコール液、すなわ
ちシリコンエトキシドが1〜4%、硝酸0.1〜2%、
水分25〜60%、残部をエタノールからなる塗布液を
スプレー塗布法で塗布する(工程7)。
【0049】その後、120〜180゜Cでの熱処理を
施し(工程8)、反射防止,帯電防止膜を形成する。
【0050】本実施例により形成された反射防止,帯電
防止膜を持つ陰極線管のパネルは前記図1,図2に示し
たものとなり、その反射防止,帯電防止効果は前記図3
で説明したとおりである。
【0051】〔実施例2〕図5は本発明による陰極線管
の第2実施例を説明するパネル部の要部断面図、また図
6は本発明による陰極線管の第2実施例を説明するパネ
ル部の要部平面図であって、前記図1,図2と同一符号
は同一部分に対応し、5’は第3層部、7’は第3層の
表面である。
【0052】図5に示したように、本実施例による第3
層部5’の被覆部(7’)は第2層の露出部6に関して
緩やかな傾斜を有している。また、図6に示したよう
に、第3層部5’による第2層の被覆率Cは0.1≦C
≦0.8の範囲にあるのが望ましく、本実施例では約
0.6(約60%)である。
【0053】図7は本実施例による反射防止,帯電防止
膜を備えた陰極線管パネルの分光反射スペクトルの説明
図であって、横軸に波長(nm)を、縦軸に反射率%を
とって示す。
【0054】この分光反射スペクトルはパネル上に形成
した第1層と第2層とからなる2層部と第3層部を含む
3層全体の反射率である。
【0055】同図において、10は2層部での反射スペ
クトル、11’は第3層部の最も厚い部分での反射スペ
クトル(推定)、12は3層膜の合成反射スペクトル、
13は3層膜の最小反射波長と同じになる2層膜の反射
スペクトルを示す。
【0056】図中、第3層部5’の第2層被覆部7’の
傾斜により、最小反射波長λbは連続的に変化する。こ
のときの合成反射スペクトル12は上記最小反射波長λ
bが連続的に変化しているために、前記実施例に比べて
反射率の増加が抑制される。図8は本発明による陰極線
管の製造方法の第2実施例を説明する概略工程図であっ
て、上記陰極線管の第2実施例の製造に対応する。
【0057】同図において、先ず、陰極線管のパネル表
面を研磨した後、研磨剤を完全に除去し、清浄な表面と
する(工程1)。
【0058】次に、パネル表面の温度を約40゜Cに調
整し、酸化すずと酸化チタンを固形分とするアルコール
液をスピン塗布法により塗布し(工程2)、40〜50
°Cで乾燥する(工程3)。これにより第1層3が形成
される。
【0059】上記の工程で形成した第1層の上にシリコ
ンアルコキシドのアルコール溶液をスピン塗布法により
塗布し(工程4)、40〜50°Cで乾燥して(工程
5)第2層を形成する。
【0060】第2層を形成した後、パネル表面の温度を
25〜50°C、雰囲気温度を25±5°C、相対湿度
40〜65%RH、絶対湿度8〜20g/m3 とする雰
囲気調整(II)を施し(工程6)、上記第2層とは異な
る組成のシリコンアルコキシドのアルコール液、すなわ
ちシリコンエトキシドが1〜4%、硝酸0.1〜2%、
水分25〜60%、残部をエタノールからなる塗布液を
スプレー塗布法で塗布する(工程7)。
【0061】その後、120〜180゜Cでの熱処理を
施し(工程8)、反射防止,帯電防止膜を形成する。
【0062】本実施例により形成された反射防止,帯電
防止膜を持つ陰極線管のパネルは前記図5,図6に示し
たものとなり、その反射防止,帯電防止効果は前記図7
で説明したとおりである。
【0063】〔実施例3〕図9は本発明による陰極線管
の製造方法の第3実施例を説明する概略工程図であっ
て、上記第1実施例と略ゝ同等の陰極線管の製造に対応
する。
【0064】同図において、先ず、陰極線管のパネル表
面を研磨した後、研磨剤を完全に除去し、清浄な表面と
する(工程1)。
【0065】次に、パネル表面の温度を約40゜Cに調
整し、酸化すずと酸化チタンを固形分とするアルコール
液をスピン塗布法により塗布し(工程2)、40〜50
°Cで乾燥する(工程3)。これにより第1層3が形成
される。
【0066】上記の工程で第1層を形成したパネルの表
面温度を25〜40°C、温度25±5°C、相対湿度
40〜65%、絶対湿度8〜20g/m3 に雰囲気調整
(III )を施し(工程4)、第3層を前記実施例1と同
様の塗布液を用いて同様のスプレー塗布法で第2層を塗
布して(工程5)乾燥する(工程6)。
【0067】そして、引続き第3層を前記実施例1と同
様にスプレー塗布し(工程7)、120〜180゜Cで
の熱処理を施して(工程8)、反射防止,帯電防止膜を
形成する。
【0068】本実施例により形成された反射防止,帯電
防止膜を持つ陰極線管のパネルは前記図1,図2に示し
たものとなり、その反射防止,帯電防止効果は前記図3
で説明したとおりである。
【0069】〔実施例4〕図10は本発明による陰極線
管の製造方法の第4実施例を説明する概略工程図であっ
て、先ず、第1層目を実施例1と同様にスピン塗布法で
塗布し(工程1,2,3)、第2層目に色素を含むアル
コール液をスピン塗布法又はスプレー塗布法で塗布、乾
燥する(工程4,5)。
【0070】この第2層塗布液組成は、シリコンエトキ
シが1.5%、フタロシアニンブルー顔料が0.15
%、塩酸が0.15%、水分が58.2%、残部がエタ
ノールからなる。
【0071】次に、第3層目は前記実施例2の塗布液と
スプレー条件で膜を形成することにより(工程6,7,
8)、光選択吸収性をもつ高コントラストの反射防止帯
電防止膜が形成できた。
【0072】なお、上記各実施例では、第2層、第3層
目のスプレー塗布液に含まれるアルコールにエタノール
を用いたが、ケトン類やエステル類等で代替できること
及び触媒の硝酸、塩酸は酢酸、硫酸およびその他の有機
酸で代替できることは言うまでもない。
【0073】また、実施例4では色素としてフタロシア
ニンブルー顔料を用いたが、顔料の代わりにアシッドレ
ッド、アンスラキノン系ブルー染料、トリフェニルメタ
ン系のブルー染料を用いて任意の波長領域に吸収を持た
せることができることも同様である。
【0074】図11は本発明を適用したカラー陰極線管
の概略構成を説明する部分断面図であって、20はパネ
ル、21はファンネル、22はネック、23は電子銃、
24はシャドウマスク、25は蛍光面、26は偏向ヨー
ク、27は反射防止,帯電防止膜、28はテンションバ
ンドである。
【0075】同図において、ネック22に収納された電
子銃23から発射された3本の電子ビームR,G,Bは
偏向ヨーク26で水平と垂直の2方向に偏向されてシャ
ドウマスク24を介してパネル20の内面に形成された
蛍光面25に射突し、所要のカラー画像を再生する。
【0076】パネル20の表面には前記した本発明によ
る反射防止,帯電防止膜27が形成されており、外光の
反射を防止し、かつ静電気の帯電を防止して高品質の画
像を生成することができる。
【0077】なお、上記実施例では、光学的2層膜を主
体として説明したが、多層反射防止膜の最外層と同じ物
質を用いて光散乱性のない層を部分的に形成することに
より、干渉による反射色の濃さを低減できる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
安価な塗布法であるスピン塗布法あるいはスプレー塗布
法で直接パネル表面に反射防止,帯電防止膜を形成でき
る。
【0079】上記反射防止,帯電防止膜はAR方式で反
射を低減し、凹凸による散乱がないため解像度低下やコ
ントラスト低下がない。また、光学的には2層膜である
が物理的に3層膜であることにより、2層膜特有の濃い
反射色を避けることができ、高解像度、かつ高コントラ
ストの陰極線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管の第1実施例を説明する
パネル部の要部断面図である。
【図2】本発明による陰極線管の第1実施例を説明する
パネル部の要部平面図である。
【図3】本発明による陰極線管の第1実施例による反射
防止,帯電防止膜を備えた陰極線管パネルの分光反射ス
ペクトルの説明図である。
【図4】本発明による陰極線管の製造方法の第1実施例
を説明する概略工程図である。
【図5】本発明による陰極線管の第2実施例を説明する
パネル部の要部断面図である。。
【図6】本発明による陰極線管の第2実施例を説明する
パネル部の要部平面図である。
【図7】本発明による陰極線管の第2実施例による反射
防止,帯電防止膜を備えた陰極線管パネルの分光反射ス
ペクトルの説明図である。
【図8】本発明による陰極線管の製造方法の第2実施例
を説明する概略工程図である。
【図9】本発明による陰極線管の製造方法の第3実施例
を説明する概略工程図である。
【図10】本発明による陰極線管の製造方法の第4実施
例を説明する概略工程図である。
【図11】本発明を適用したカラー陰極線管の概略構成
を説明する部分断面図である。
【符号の説明】
1 パネルガラス 2 蛍光面 3 第1層 4 第2層 5 第3層部 5’第3層部 6 第2層の露出部 7 第3層の表面 7’ 第3層の表面 8 第2層での反射光路 9 第3層での反射光路 10 2層部での反射スペクトル 11 3層部での反射スペクトル(推定) 11’ 3層部の最も厚い部分での反射スペクトル(推
定) 12 3層膜の合成反射スペクトル 13 3層膜の最小反射波長と同じになる2層膜の反射ス
ペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平澤 重實 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 内山 則和 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極線管のパネル表面上に、導電性高屈折
    率の平滑な第1層と、低屈折率の平滑な第2層と、前記
    第2層を不連続に被覆して形成した散乱性を有しない低
    屈折率の第3層とをこの順で積層形成してなり、外光の
    干渉による反射防止機能と帯電防止機能とを持たせたこ
    とを特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記第3層の前記第2
    層を被覆する部分の表面が平滑であり、前記第3層によ
    る第2層の表面被覆率をCとするとき、上記Cが 0.1≦C≦0.5 の関係をもつことを特徴とする陰極線管。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記第3層の第2層を
    被覆する部分の表面が緩やかな傾斜をもち、前記表面被
    覆率Cが 0.1≦C≦0.8 の関係をもつことを特徴とする陰極線管。
  4. 【請求項4】請求項2または3において、前記導電性高
    屈折率の第1層が酸化すずを主成分とし、これに酸化ア
    ンチモン、酸化インジウム、酸化チタン、酸化ジルコニ
    ム、カ−ボンブラック、酸化けい素、金属の超微粒子の
    中から選ばれた一つまたはそれ以上の成分を含み、前記
    低屈折率の第2層が酸化けい素、あるいはこれとフッ化
    マグネシムまたはフッ化カルシウムの混合物を成分とす
    ることを特徴とする陰極線管。
  5. 【請求項5】前記請求項1〜4の陰極線管の製造方法に
    おいて、 補強体を具備した陰極線管のパネル表面に前記第1層お
    よび前記第2層をスピン塗布法により形成し、前記第3
    層をスプレ−塗布法により形成した後、120〜180
    °Cで熱処理を施すことを特徴とする陰極線管の製造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1〜4の陰極線管の製造方法におい
    て、 補強体を具備した陰極線管のパネル表面に前記第1層を
    スピン塗布法により形成し、前記第2層および前記第3
    層をスプレー塗布法により形成した後、120〜180
    ゜Cの熱処理を施すことを特徴とする陰極線管の製造方
    法。
JP10000294A 1994-05-13 1994-05-13 反射防止,帯電防止機能を持つ陰極線管とその製造方法 Pending JPH07312170A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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