JP2000323075A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

Info

Publication number
JP2000323075A
JP2000323075A JP11127257A JP12725799A JP2000323075A JP 2000323075 A JP2000323075 A JP 2000323075A JP 11127257 A JP11127257 A JP 11127257A JP 12725799 A JP12725799 A JP 12725799A JP 2000323075 A JP2000323075 A JP 2000323075A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
panel glass
ray tube
cathode ray
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11127257A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoko Nishizawa
昌紘 西澤
Norikazu Uchiyama
則和 内山
Masanori Taniguchi
真紀 谷口
Toshio Tojo
利雄 東條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Device Engineering Co Ltd, Hitachi Ltd, Hitachi Consumer Electronics Co Ltd filed Critical Hitachi Device Engineering Co Ltd
Priority to JP11127257A priority Critical patent/JP2000323075A/ja
Publication of JP2000323075A publication Critical patent/JP2000323075A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】表示される波長域の全域での反射率が低く、パ
ネルガラスへの外来光の反射を防止して高コントラスト
化を図ると共に、帯電を防止する反射帯電防止膜を備え
た視認性の良好な陰極線管を提供する。 【解決手段】内面に蛍光体層を被着してスクリーンを構
成するパネルガラス1と、電子銃を収納するネックおよ
び前記パネルガラスとネックとを連接するファンネルと
で真空外囲器を構成してなり、パネルガラス1の外面に
高屈折導電性超微粒子層20Aで構成した反射防止帯電
防止膜20を有し、高屈折導電性超微粒子層20Aを構
成する高屈折導電性超微粒子21の空隙率をパネルガラ
ス側で小さい値、表面側で大きい値とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管に係り、
特にパネルガラスへの外来光の反射を防止して高コント
ラスト化を図ると共に、帯電を防止する反射防止帯電防
止膜を備えた陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビ受像機やパソコンモニターに使用
される陰極線管は、画像表示面であるスクリーンを構成
するパネルガラスと電子銃を収納するネックおよびパネ
ルガラスとネックとを連接するファンネルとで真空外囲
器を構成し、電子銃から発射される変調電子ビームでス
クリーンの内面に形成された蛍光体層を励起して所要の
画像を表示するものである。
【0003】図9はこの種の陰極線管の一例としてのシ
ャドウマスク型カラー陰極線管の構造を説明する概略断
面図であって、1はパネルガラス(フェースプレー
ト)、2はネック、3はファンネル、4は蛍光体層、5
はシャドウマスク、6はマスクフレーム、7は懸架機
構、8は支持ピン(スタッド)、9は磁気シールド、1
0はアノードボタン、11は内部導電膜、12は偏向装
置、13は電子銃、14は電子ビーム(赤、緑、青)で
ある。
【0004】このカラー陰極線管は、スクリーン(画
面)を構成するパネルガラス1と電子銃13を収納する
ネック2およびパネルガラス1とネック2とを連接する
ファンネル3とで真空外囲器を構成する。この真空外囲
器の内面には、アノードボタン10に印加される高圧の
陽極電圧を電子銃13の電極およびスクリーンに供給す
るための内部導電膜11が塗布されている。
【0005】シャドウマスク5はマスクフレーム6に溶
接されて懸架機構7でパネルガラス1のスカート部内壁
に埋設された支持ピン8に係止され、パネルガラス1の
内面に形成された蛍光体層4に対して所定の間隔で保持
される。
【0006】磁気シールド9は電子ビーム14に対する
地磁気等の外部磁界を遮蔽するものであり、マスクフレ
ーム6に溶接して保持されている。
【0007】また、ファンネル3のネック2側には電子
銃13から発射された電子ビーム14の通路に水平偏向
磁界と垂直偏向磁界を形成する偏向装置12が装架さ
れ、電子銃13から発射される3本の電子ビームを水平
方向と垂直方向の2方向に偏向して蛍光体層4上を2次
元走査する。
【0008】一般に、このような陰極線管では、そのス
クリーンであるパネルガラスに入射する外来光の反射を
防止してコンラストの低下を防止し、あるいは静電気の
帯電を防止するための反射防止帯電防止層が形成されて
いる。
【0009】図10は陰極線管の外来光の反射防止帯電
防止構造の一例を説明する図9のA部分を3本の電子ビ
ームの配列方向と直角な方向から見た模式断面図であっ
て、42はブラックマトリクス、43は蛍光体、44は
メタルバック、51はシャドウマスクの電子ビーム通過
孔、R,G,Bは各色の電子ビーム経路、20は反射防
止帯電防止膜、23は蛍光体の発光光、24は外来光、
25,26は外来光の反射光、図9と同一符号は同一部
分に対応する。
【0010】同図において、電子銃から発射された電子
ビームR,G,Bはシャドウマスク5の電子ビーム通過
孔51でそれぞれの蛍光体43ごとに色選別されて蛍光
体層4に射突する。
【0011】蛍光体43は電子ビームの射突で励起され
て発光し、その発光光はパネルガラス1を通して符号2
3に示したように外部に出射する。パネルガラスの外面
には反射防止帯電防止層20が形成されている。パネル
ガラス1に入射する外来光24は、反射防止帯電防止層
20の内部に向けて反射した光25は当該反射防止帯電
防止層20で吸収あるいは干渉でエネルギーが抑制され
て蛍光体層側への入り込みが抑制されると共に、反射光
も減少する。
【0012】このような反射防止帯電防止層は様々な方
法で形成されるが、その多くは、所謂ゾル・ゲル法によ
って形成されるのが一般的である。その典型的なものと
して、導電性物質と高および低屈折率物質を交互にパ
ネルガラスの外面にスパッタしたもの、上記の各物質
をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに蒸
着し、これをパネルガラスの外面に貼り付けたもの、
貴金属の超微粒子のコロイドをパネルガラスの外面に直
接コーティングし、その上に低屈折率の透明なシリカ化
合物をコーティングしたもの、等が知られている。
【0013】上記の従来技術を開示した資料として
は、例えば特開平10−69866号公報を挙げること
ができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術のう
ち、とは本発明とはその技術内容が異なるので、
の反射防止帯電防止層について考察すると、次のような
問題があった。
【0015】通常、上記の反射防止帯電防止膜は、陰
極線管のガラスパネルの外面に導電性超微粒子の分散液
をスピンコートして第1層を形成し、その上層にシリカ
化合物を主成分とする溶液(通常は、シリコンアルコキ
シドの加水分解液)をスピンコートで形成して上記第1
層の屈折率より低い屈折率で反射防止機能を持つ第2層
を形成することにより得ている。
【0016】第2層のシリカ化合物を主成分とする溶液
のコーティングで第1層の導電性超微粒子の粒子間に上
記シリカ化合物を浸透させて第1層のバインダーの機能
を持たせている。
【0017】しかし、この反射防止帯電防止膜は、
(1)抵抗を低くするために導電層を密に作り過ぎる
と、この反射防止帯電防止膜が2層タイプの反射防止層
であるために反射カーブがV字型になり、かつ一番低い
反射率(通常、ボトム反射率と言う)が0.1〜0.2
%程度になり、図11に示したように、このボトム反射
率に対応する波長(550nm近傍)以外では急激に反
射率が大きくなって反射色が強くなってしまうという問
題があった。
【0018】また、(2)透過率の低い膜(通常、50
〜75%)を作った場合に、その膜の透過率が低過ぎる
ような成膜ミスがあると、コントラストが強くなり、良
品率が低下するという問題があった。
【0019】本発明の目的は、上記従来技術の諸問題を
解消し、表示される波長域の全域での反射率が低く、パ
ネルガラスへの外来光の反射を防止してコントラストの
向上を図ると共に、帯電を防止する反射帯電防止膜を備
えた視認性の良好な陰極線管を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、反射帯電防止膜を構成する可視光での屈
折率が1.7〜2.2の高屈折率導電性超微粒子の空隙
率、すなわち当該反射帯電防止膜を構成する層内での上
記高屈折率導電性超微粒子の充填率をパネルガラス側と
表面側の間で異ならせたものである。本発明の代表的な
構成を記述すれば、次のとおりである。
【0021】(1)内面に蛍光体層を被着してスクリー
ンを構成するパネルガラスと、電子銃を収納するネック
および前記パネルガラスとネックとを連接するファンネ
ルとで真空外囲器を構成してなり、前記パネルガラスの
外面に可視光での屈折率が1.7〜2.2である高屈折
導電性超微粒子層で構成した反射防止帯電防止膜を有
し、前記反射防止帯電防止層を構成する前記高屈折導電
性超微粒子の空隙率をパネルガラス側で小さい値、表面
側で大きい値とした。
【0022】(2)(1)における前記反射防止帯電防
止層を複数層から構成し、前記高屈折導電性超微粒子の
空隙率をパネルガラス側の層で小さい値、パネルガラス
から離れる方向の層では漸次大きい値とした。
【0023】上記(1)における反射防止帯電防止層を
構成する高屈折導電性超微粒子の空隙率を上記(2)の
ように連続的に変化させたことで、図11に示した反射
率の波長依存性のグラフのV字形の傾斜が緩やかにな
り、必要とする可視光の波長領域全体の反射率が下が
り、反射光の着色度合いが緩和される。
【0024】(3)内面に蛍光体層を被着してスクリー
ンを構成するパネルガラスと、電子銃を収納するネック
および前記パネルガラスとネックとを連接するファンネ
ルとで真空外囲器を構成してなり、前記パネルガラスの
外面に高屈折導電性超微粒子層で構成した反射防止帯電
防止膜を有し、前記反射防止帯電防止層を構成する前記
高屈折導電性超微粒子の空隙率を、パネルガラス側で中
間の値、中間で小さい値、表面側で大きい値とした。
【0025】(4)(3)における前記反射防止帯電防
止層を複数層から構成し、前記高屈折導電性超微粒子の
空隙率をパネルガラス側の層で中間の値、表面側で大き
い値を持たせ、中間の層では隣接する層より小さい値を
持たせた。
【0026】上記(3)における反射防止帯電防止層を
構成する高屈折導電性超微粒子の空隙率を上記(4)の
ように多段に変化させたことで、図11に示した反射率
の波長依存性のグラフのV字形の傾斜が緩やかになると
共に、W字形に近づくため、必要とする波長領域全体の
反射率が下がり、反射光の着色度合いが緩和される。
【0027】また、上記構成における空隙率を中間の値
とすることに代えて、上記の導電性超微粒子よりも高屈
折率を持つ他の導電性超微粒子を持ちいてもよいし、あ
るいは上記高屈折率を持つ他の導電性超微粒子を前記導
電性超微粒子に混合したものを用いることもできる。
【0028】(5)(1)〜(4)における前記反射防
止帯電防止層を覆って屈折率が1.4〜1.5で前記高
屈折率導電性超微粒子の屈折率より低い低屈折率の透明
超微粒子層を形成した。
【0029】この低屈折率の透明超微粒子層は外光を散
乱させて当該反射光の当該反射防止帯電防止層への入り
込みを緩和し、視認性を向上させる。低屈折率の透明超
微粒子としては、シリカ化合物(例えば、SiO
X Y )が好適である。
【0030】なお、前記導電性超微粒子としては、金、
白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、および
これらの超微粒子の混合物、あるいはこれらの2以上の
合金粒子、および混合物、等が採用できる。また、コロ
イダルシリカ(日産化学社製、商品名「スノーテック
ス」)を混合してもよい。
【0031】このように、本発明によれば、反射色の濃
さが低減され、反射特性カーブの傾斜が緩和化されて陰
極線管の視認性が向上する。
【0032】さらに、本発明は上記構成に限定されるも
のではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく種々
の変形が可能であることは言うまでもない。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、実施例を参照して詳細に説明する。以下、本発明に
おいて可視光とは、380nm〜760nmの範囲の光
を意味する。
【0034】図1は本発明による陰極線管の第1実施例
のパネルガラス部分の構成を説明する部分断面模式図で
あって、1はパネルガラス、20は反射防止帯電防止
膜、20Aは屈折率1.7〜2.2である高屈折率導電
性超微粒子の層、20Bは屈折率1.4〜1.5である
低屈折率の透明超微粒子層、21は導電性超微粒子であ
る。そして、高屈折率導電性超微粒子の層20Aのガラ
スパネル1側では空隙率が小さく、表面側すなわち低屈
折率の透明超微粒子層20B側で空隙率が大きくなるよ
うに当該空隙率を段階的に変化させている。
【0035】上記高屈折率導電性超微粒子の層20Aは
銀(Ag)・パラジウム(Pd)の混合超微粒子の間上
層に形成した低屈折率の透明超微粒子層20Bのシリカ
化合物が浸透してバインダーとなっている。
【0036】このような構造の反射防止帯電防止膜を形
成したことで、外光の反射を低減すると共に、帯電を抑
制して視認性の良好な陰極線管を得ることができる。
【0037】「形成方法の実施例1」次に、上記実施例
の反射防止帯電防止膜を形成方法について図2〜図4を
参照して説明する。図2は図1に示した実施例の形成方
法の1実施例を説明する工程図である。以下において、
微粒子の粒径は「Coulter社製N4型」で測定し
た平均粒径である。
【0038】先ず、51cmサイズのカラー陰極線管を
良く知られた通常の方法で製作した後、そのパネルガラ
スの外面を酸化セリウムの微粉末で軽く研磨し、水と非
イオン性界面活性剤(例えば、花王製の「エマルゲン8
10」(商品名))の0.05%混合液で洗浄し、純水
で良くリンスして清浄化する。・・・工程1 パネルガラスを清浄化したカラー陰極線管を加熱炉に装
入し、35±1°C迄加温する。・・・工程2 次に、スプレーガン(例えば、米国ビンクス社製のタイ
プA型2流体スプレーガン)を用いて下記の「組成1」
の導電性超微粒子溶液をパネルガラスとの距離100m
m、移動速度400mm/Sで、液流量2リットル/
h、エア流量150リットル/mの第1濃度で図3に示
したような運動をさせてパネルガラスの全面を1回のス
プレーで吹き付ける。・・・工程3 「組成1」 銀(Ag)・パラジウム(Pd)の混合超微粒子・・・0.5wt% (Ag/Pd=4/6、平均粒径=4〜6nm) アルコール類 ・・・・70wt% 純水 ・・・・・残部 その後、スプレーガンへの導電性超微粒子溶液の供給を
停止し、エアのみのスプレーで乾燥を行う。・・・工程
4 乾燥後、導電性超微粒子溶液の液流量1.8リットル/
h、エア流量150リットル/mで上記と同様の方法で
第2濃度の吹き付けを行い、・・・工程5 スプレーガンへの導電性超微粒子溶液の供給を停止し、
エアのみのスプレーで乾燥を行う。・・・工程6 乾燥後、導電性超微粒子溶液の液流量1.5リットル/
h、エア流量150リットル/mで上記と同様の方法で
第2濃度の吹き付けを行い、・・・工程7 スプレーガンへの導電性超微粒子溶液の供給を停止し、
エアのみのスプレーで乾燥を行う。・・・工程8 乾燥したカラー陰極線管のパネルガラスを再加温して5
0±1°Cに調温した後・・・工程9 パネルガラスの凸面が上向きとなるようにスピンコータ
にセットし、エトキシシランの加水分解液1%、エチル
アルコール40%、メチルアルコール40%、水10
%、ジアセトンアルコール約9%に硝酸を加えてPHが
3.5になるように調整し、150回転/分でスピンコ
ートする。・・・工程10 スピンコート後、180°Cで20分間加温する。・・
・工程11 上記により、Ag・Pdの導電性超微粒子層の空隙率
が、パネルガラス側から順に40%、65%、80%で
厚さが25nm、10nm、5nmの多層構造の層にシ
リカ化合物(SiOX Y )が浸透し、その上に厚さが
約85nmのシリカ化合物からなる低屈折率の透明超微
粒子層を有する反射防止帯電防止膜が得られた。なお、
上記空隙率は、作製した反射防止帯電防止膜の断面を走
査型電子顕微鏡(SEM)で観察した画像の空隙の面積
が占める割合から求めた値である。
【0039】図4は上記方法で形成した反射防止帯電防
止膜の反射特性の説明図、図5は同じく透過特性の説明
図である。図4に示したように、前記図11に示したV
字形のグラフの傾斜が緩やかになり、必要とする波長領
域全体の反射率が下がり、反射光の色変化が緩和され
る。
【0040】また、パネルガラスの透過率も図5に示し
たように必要とする波長領域全体にわたって略々平坦に
なり、視認性が向上する。
【0041】上記の形成方法では、その導電性超微粒子
層は3層で構成されているが、図2の工程3から工程7
までの処理を増やし、導電性超微粒子層の空隙率をさら
に細かくすることで4層以上の多層構造で構成すること
もできる。この層数を細かくすることで空隙率がパネル
ガラス側から表面側に略連続的に変化した構造を得るこ
とが可能である。
【0042】「形成方法の実施例2」本実施例は、図2
で説明した工程4までは同じであり、工程5でスプレー
するAg/Pd混合超微粒子のアルコール分散溶液とし
て、組成1の溶液(第1濃度)をアルコール7、純水3
の割合の溶媒で希釈してAg/Pd混合超微粒子の割合
を0.3%としたもの(第2濃度)をスプレーする。・
・・工程5同様に、工程7でスプレーするAg/Pd混
合超微粒子のアルコール分散溶液として、組成1の溶液
(第2濃度)をアルコール7、純水3の割合の溶媒で希
釈してAg/Pd混合超微粒子の割合を0.2%とした
もの(第2濃度)をスプレーする。以下、図2と同一の
工程を経て形成方法の実施例1と同様の機能を持った反
射防止帯電防止膜を得るものである。
【0043】図6は本発明による陰極線管の他の実施例
のパネルガラス部分の構成を説明する部分断面模式図で
あって、図1と同一符号は同一機能部分に対応する。図
中、2aは導電性超微粒子層のパネルガラス側の層、2
0bは中間の層、20cは表面側の層を示す。
【0044】本実施例では、反射防止帯電防止層20を
構成する高屈折導電性超微粒子層20Aにおける当該導
電性超微粒子の空隙率が、パネルガラス側20aで中間
の値、中間の層20bで小さい値、表面側20cで大き
い値を持つようにしたものである。
【0045】上記高屈折導電性超微粒子層20Aが4層
以上の多層構造である場合は、そのの中間の各層では隣
接する層より小さい値を持つようにする。
【0046】このような構造の反射防止帯電防止膜を形
成したことで、外光の反射を低減すると共に、帯電を抑
制して視認性の良好な陰極線管を得ることができる。
【0047】「形成方法の実施例3」次に、上記第2実
施例の反射防止帯電防止膜を形成方法について図7と図
8を参照して説明する。図7は図6に示した他の実施例
の形成方法の実施例を説明する工程図である。
【0048】先ず、図2と同様に、51cmサイズのカ
ラー陰極線管を良く知られた通常の方法で製作した後、
そのパネルガラスの外面を酸化セリウムの微粉末で軽く
研磨し、水と非イオン性界面活性剤(例えば、花王製の
「エマルク810」(商品名))の0.05%混合液で
洗浄し、純水で良くリンスして清浄化する。・・・工程
1 パネルガラスを清浄化したカラー陰極線管を加熱炉に装
入し、35±1°C迄加温する。・・・工程2 次に、スプレーガン(例えば、米国ビンクス社製のタイ
プA型2流体スプレーガン)を用いて下記の「組成2」
の導電性超微粒子溶液をパネルガラスとの距離100m
m、移動速度400mm/Sで、液流量2リットル/
h、エア流量150リットル/mの第1濃度で図3に示
したような運動をさせてパネルガラスの全面を1回のス
プレーで吹き付ける。・・・工程3 「組成2」 銀(Ag)・パラジウム(Pd)の混合超微粒子・・・0.4wt% (Ag/Pd=4/6、平均粒径=4〜6nm) スノーテックス20(日産化学の商品名) ・・・0.1wt% アルコール類 ・・・・70wt% 純水 ・・・・・残部 その後、スプレーガンへの導電性超微粒子溶液の供給を
停止し、エアのみのスプレーで乾燥を行う。・・・工程
4 乾燥後、導電性超微粒子溶液の液流量1.8リットル/
h、エア流量150リットル/mで上記と同様の方法で
下記の「組成3」の溶液の吹き付けを行う。
【0049】・・・工程5 「組成3」 銀(Ag)・パラジウム(Pd)の混合超微粒子・・0.46wt% (Ag/Pd=4/6、平均粒径=4〜6nm) 酸化チタン超微粒子 ・・0.04wt% アルコール類 ・・・・70wt% 純水 ・・・・・残部 スプレーガンへの導電性超微粒子溶液の供給を停止し、
エアのみのスプレーで乾燥を行う。・・・工程6 乾燥後、導電性超微粒子溶液の液流量1.5リットル/
h、エア流量150リットル/mで上記と同様の方法で
下記「組成4」の溶液の吹き付けを行う。
【0050】・・・工程7 「組成4」 銀(Ag)・パラジウム(Pd)の混合超微粒子・・0.25wt% (Ag/Pd=4/6、平均粒径=4〜6nm) 酸化チタン超微粒子 ・・0.04wt% スノーテックス20(日産化学の商品名) ・・0.15wt% アルコール類 ・・・・70wt% 純水 ・・・・・残部 スプレーガンへの導電性超微粒子溶液の供給を停止し、
エアのみのスプレーで乾燥を行う。・・・工程8 乾燥したカラー陰極線管のパネルガラスを再加温して5
0±1°Cに調温した後・・・工程9 パネルガラスの凸面が上向きとなるようにスピンコータ
にセットし、エトキシシランの加水分解液1%、エチル
アルコール40%、メチルアルコール40%、水10
%、ジアセトンアルコール約9%に硝酸を加えてPHが
3.5になるように調整し、150回転/分でスピンコ
ートする。・・・工程10 スピンコート後、180°Cで20分間加温する。・・
・工程11 上記により、Ag・Pdの導電性超微粒子層の空隙率
が、パネルガラス側から順に65%、40%、80%で
厚さが25nm、10nm、5nmの多層構造の層にシ
リカ化合物(SiOX Y )が浸透し、その上に厚さが
約85nmのシリカ化合物からなる低屈折率の透明超微
粒子層を有する反射防止帯電防止膜が得られた。
【0051】なお、本発明は陰極線管のみでなく、液晶
パネル、プラズマパネル、あるいはELパネル、その他
の表示デバイスの画面にも同様に適用できることは言う
までもない。
【0052】以上の陰極線管の各実施例で説明したよう
に、本発明によれば、パネルガラスの反射特性(反射率
が低く、反射色の少ない)が優れ、透過特性が平坦で、
図8に示したように反射率がW字形をもつ反射防止帯電
防止膜が得られる。
【0053】この反射防止帯電防止膜の表面抵抗は30
0〜600Ω/cm2 であり、カラー陰極線管の電磁波
の漏洩に対する最も厳しい規制もクリアできる。また、
本発明では、透過率を低下させる層を多段の吹き付けで
形成スルものであるため、その各層に欠陥が生じたとし
てもコントラストは低く目立たないので、良品率が向上
する。
【0054】この種の膜の透明性はヘイズ(拡散透過率
/全光線透過率)によって表されるが、面温度を高くし
過ぎたり、吹き付け時に空気量を多くすると、この透明
性が失われる。しかし、本発明による反射防止帯電防止
膜は、その透過率は最大でも0.5%以下となり、人間
の目から見ると、透明性は損なわれていない。
【0055】上記の形成方法の実施例では、反射防止帯
電防止膜を3段の吹き付けで形成する場合について説明
したが、さらに多段とすることで反射率を低くすること
ができる。しかし、さらなる多段化はスプレーガンのバ
ルブによる容液の切り換え、溶液の供給装置の複雑化を
伴うため、多段化には限度がある。
【0056】また、上記の形成方法の実施例では、スプ
レーによる膜形成を行うものとしているが、スピンコー
タを用いてもよい。
【0057】表1は本発明による陰極線管を従来の陰極
線管と比較して示したものである。
【0058】
【表1】
【0059】さらに、最近では、パネルガラスの外面を
フラットとし、内面に多少の曲率を持たせた平面パネル
型陰極線管が商品化されているが、このような陰極線管
は従来の陰極線管に対して中央部と周辺部のパネルガラ
スの肉厚差が倍程度大きく、光線吸収の多い、所謂ティ
ントガラスを使用すると、中央部と周辺部の透過率の差
が大きくなり、明るさの差をもたらすので、高透過率の
ガラスを使用して低透過率の表面処理を行う方法が採用
されている。本発明は、このような陰極線管に対しても
効果的である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の反射帯電防止膜の欠点である反射色の濃さを低減
し、反射カーブを平坦化することによって、必要とされ
る可視光の波長(380nm〜780nm)の平均反射
率を低下することができ、視認性を向上させた陰極線管
を提供できる。
【0061】また、高屈折率層をスプレー塗布する方法
を採用したことにより、コストの高い溶液の使用量を半
減することができると共に、その製造工程も簡素化で
き、製造設備のメンテナンスコストも大幅に低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管の第1実施例のパネルガ
ラス部分の構成を説明する部分断面模式図である。
【図2】図1に示した実施例の形成方法の1実施例を説
明する工程図である。
【図3】スプレーガンの移動状態の説明図である。
【図4】図2で説明した方法で形成した反射防止帯電防
止膜の反射特性の説明図である。
【図5】図2で説明した方法で形成した反射防止帯電防
止膜の透過特性の説明図である。
【図6】本発明による陰極線管の他の実施例のパネルガ
ラス部分の構成を説明する部分断面模式図である。
【図7】図6に示した他の実施例の形成方法の実施例を
説明する工程図である。
【図8】図7で説明した方法で形成した反射防止帯電防
止膜の反射率の説明図である。
【図9】本発明を適用する陰極線管の一例としてのシャ
ドウマスク型カラー陰極線管の構造を説明する概略断面
図である。
【図10】陰極線管の外来光の反射防止帯電防止構造の
一例を説明する図9のA部分を3本の電子ビームの配列
方向と直角な方向から見た模式断面図である。
【図11】従来の陰極線管における反射率の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 パネルガラス 4 蛍光体層 20 反射防止帯電防止膜 20a 導電性超微粒子層のパネルガラス側の層 20b 中間の層 20c 表面側の層 20A 高屈折率導電性超微粒子の層 20B 低屈折率の透明超微粒子層 21 導電性超微粒子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 則和 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所ディスプレイグループ内 (72)発明者 谷口 真紀 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所ディスプレイグループ内 (72)発明者 東條 利雄 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 5C032 AA02 DD02 DE01 DF01 DG01 DG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面に蛍光体層を被着してスクリーンを構
    成するパネルガラスと、電子銃を収納するネックおよび
    前記パネルガラスとネックとを連接するファンネルとで
    真空外囲器を構成してなり、 前記パネルガラスの外面に高屈折導電性超微粒子層で構
    成した反射防止帯電防止膜を有し、 前記反射防止帯電防止層を構成する前記高屈折導電性超
    微粒子層における高屈折導電性超微粒子の空隙率がパネ
    ルガラス側で小さい値、表面側で大きい値を持つことを
    特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】前記反射防止帯電防止層が複数層から構成
    され、前記高屈折導電性超微粒子の空隙率がパネルガラ
    ス側の層で小さい値、パネルガラスから離れる方向の層
    では漸次大きい値を持つことを特徴とする請求項1に記
    載の陰極線管。
  3. 【請求項3】内面に蛍光体層を被着してスクリーンを構
    成するパネルガラスと、電子銃を収納するネックおよび
    前記パネルガラスとネックとを連接するファンネルとで
    真空外囲器を構成してなり、 前記パネルガラスの外面に高屈折導電性超微粒子層で構
    成した反射防止帯電防止膜を有し、 前記反射防止帯電防止層を構成する前記高屈折導電性超
    微粒子の空隙率が、パネルガラス側で中間の値、中間で
    小さい値、表面側で大きい値を持つことを特徴とする陰
    極線管。
  4. 【請求項4】前記反射防止帯電防止層が複数層から構成
    され、前記高屈折導電性超微粒子の空隙率がパネルガラ
    ス側の層で中間の値、表面側で大きい値を持ち、中間の
    層では隣接する層より小さい値を持つことを特徴とする
    請求項3に記載の陰極線管。
  5. 【請求項5】前記反射防止帯電防止層を覆って低屈折率
    の透明超微粒子層を形成してなることを特徴とする請求
    項1〜4の何れかに記載の陰極線管。
JP11127257A 1999-05-07 1999-05-07 陰極線管 Pending JP2000323075A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11127257A JP2000323075A (ja) 1999-05-07 1999-05-07 陰極線管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11127257A JP2000323075A (ja) 1999-05-07 1999-05-07 陰極線管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000323075A true JP2000323075A (ja) 2000-11-24

Family

ID=14955581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11127257A Pending JP2000323075A (ja) 1999-05-07 1999-05-07 陰極線管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000323075A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7520791B2 (en) 2004-01-21 2009-04-21 Canon Kabushiki Kaisha Method of manufacturing airtight vessel for image displaying apparatus
WO2017014087A1 (ja) * 2015-07-22 2017-01-26 日東電工株式会社 透明な粘着剤層を有する導電性フィルム積層体
WO2017014088A1 (ja) * 2015-07-22 2017-01-26 日東電工株式会社 透明な粘着剤層を有する導電性フィルム積層体
US11355301B2 (en) 2018-11-12 2022-06-07 Peking University On-chip micro electron source and manufacturing method thereof

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7520791B2 (en) 2004-01-21 2009-04-21 Canon Kabushiki Kaisha Method of manufacturing airtight vessel for image displaying apparatus
WO2017014087A1 (ja) * 2015-07-22 2017-01-26 日東電工株式会社 透明な粘着剤層を有する導電性フィルム積層体
WO2017014088A1 (ja) * 2015-07-22 2017-01-26 日東電工株式会社 透明な粘着剤層を有する導電性フィルム積層体
JP2017024263A (ja) * 2015-07-22 2017-02-02 日東電工株式会社 透明な粘着剤層を有する導電性フィルム積層体
JP2017024262A (ja) * 2015-07-22 2017-02-02 日東電工株式会社 透明な粘着剤層を有する導電性フィルム積層体
KR101819437B1 (ko) 2015-07-22 2018-01-16 닛토덴코 가부시키가이샤 투명한 점착제층을 갖는 도전성 필름 적층체
US10023766B2 (en) 2015-07-22 2018-07-17 Nitto Denko Corporation Electroconductive film laminate comprising transparent pressure-sensitive adhesive layer
US10259193B2 (en) 2015-07-22 2019-04-16 Nitto Denko Corporation Electroconductive film laminate comprising transparent pressure-sensitive adhesive layer
US11355301B2 (en) 2018-11-12 2022-06-07 Peking University On-chip micro electron source and manufacturing method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5122709A (en) Antistatic cathode ray tube with lobe like projections and high gloss and hardness
KR100239104B1 (ko) 음극선관
JP2001101984A (ja) カラー陰極線管
JP2001242302A (ja) 光吸収性反射防止膜、表示装置およびそれらの製造方法
EP0859398B1 (en) Color cathode ray tube equipped with field leak preventing coating and method of manufacture
US6359380B1 (en) Color cathode ray tube with panel glass having a different light absorption characteristic from that of at least one outer surface layer provided thereon
JP2000323075A (ja) 陰極線管
KR100330315B1 (ko) 도전성반사방지막및음극선관
US6771017B2 (en) Color cathode ray tube and method of manufacturing thereof
US6642647B2 (en) Cathode ray tube having a pigment on a panel front face
US6163109A (en) Cathode ray tube having high and low refractive index films on the outer face of the glass panel thereof
KR100195602B1 (ko) 컬러음극선관
JP3466089B2 (ja) 導電性反射防止膜および陰極線管
JP2003217480A (ja) カラー陰極線管
JP2001332196A (ja) カラー陰極線管及びその製造方法
JPH08250044A (ja) 画像表示装置
JP2000100353A (ja) カラー陰極線管
JP2002190265A (ja) 陰極線管
JPH06267462A (ja) 陰極線管とその反射防止膜の製造方法
JPH087796A (ja) 陰極線管用パネル
KR20070052894A (ko) 칼라 음극선관
JPH11250836A (ja) 陰極線管用パネル
JPH09147765A (ja) 陰極線管用パネル
KR980010968A (ko) 표시 장치에 대한 다층 대전방지/반사방지 코팅
JPH11120943A (ja) 陰極線管用パネル