JPH0731184B2 - 油の酸価、鹸化価の自動分析方法及び装置 - Google Patents

油の酸価、鹸化価の自動分析方法及び装置

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JPH0731184B2
JPH0731184B2 JP2247201A JP24720190A JPH0731184B2 JP H0731184 B2 JPH0731184 B2 JP H0731184B2 JP 2247201 A JP2247201 A JP 2247201A JP 24720190 A JP24720190 A JP 24720190A JP H0731184 B2 JPH0731184 B2 JP H0731184B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば薄板を製造する際に用いられる圧延油
などの油脂類の酸価及び鹸化価の少なくとも一方を自動
分析するための油の酸価、鹸化価の自動分析方法及び自
動分析装置に関するものである。
[従来の技術] 例えば、鉄鋼業において薄板を製造する場合、油を乳化
剤と水と共に乳化し、これを圧延油として用いている。
圧延油には、油脂酸型とエステル型の二種類があり、こ
の圧延油の品質管理は、その欠陥が操業の安定化及び製
品の品質向上を左右するため、定期的な測定が必要であ
る。
すなわち、圧延油の品質低下は、異種油の混入、劣化、
鉄分の混入などが原因で生じるが、その影響による成品
品質の低下原因は熱揮発性不良化、炭素重合促進、酸化
鉄生成促進などが考えられる。そして、熱揮発性不良化
を原因として鋼板上への油焼付けを生じ、また炭素重合
促進を原因として鋼板上にカーボンエッジを折出させ、
さらに酸化鉄生成促進を原因として鋼板上に錆状の汚れ
を生じさせる。
このような不良の早期発見及び予測には、圧延油の劣化
状況に関する分析が必要である。この分析には鉄分濃
度、酸価(油1グラム当たりがアルカリの何グラムと反
応する量が有るか否かということ)及び鹸化価(油の中
のエステルに結合しているものと、酸価に相当する脂肪
酸の合計量がどれだけ有るかということ)が対象にさ
れ、この中で最も重要なのが酸価及び鹸化価である。
鉄分濃度は圧延油の劣化及び鋼板表面の清浄度の指標と
なり、酸価は単位重量当たりのCOOH基の量(脂肪酸型の
油)潤滑性、及び劣化の指標となり、鹸化価は単位重量
当たりのCOO−基量(エステル型の油)及び潤滑性の指
標となる。鉄分濃度は高いほど悪いし、油が劣化するほ
ど酸価は高くなり鹸化価は低くなる。
圧延油中の油の酸価と鹸化価の測定に関しては、JIS−K
2501、JIS−K2502、JIS−K2503に規定がある。ここでは
圧延油から油分を抽出した後、油分の一定量を有機溶媒
中でアルカリ滴定により酸価を測定する。次に、過剰の
アルカリを加えて水浴上で反応させ、未反応アルカリを
酸滴定により測定する。夫々の滴定の終点はPH(ペーハ
ー)指示薬で肉眼により判定する。
従来、このような分析を行うに際しては、熟練した作業
者が手作業で分析を行っていた。その具体的方法を以下
に説明する。
[鉄分濃度分析]・・・油中のFe3+の濃度 Fe3++6SCN-→Fe(SCN)6 3+ (微黄色) (無色) (赤血色) すなわち、SCN-を添加し、Fe3+(鉄イオン)がチオシア
ン酸イオンと反応して赤血色になる性質を利用して濃度
を判定する。この場合、着色による色の度合いを濃度別
に容易された標準色と比較する比較分析法が用いられ
る。
[酸価分析]・・・油中の−COOHの濃度 [鹸化価分析]・・油中の−COORの濃度 これらの分析には、PH指示薬としてのフェノールファタ
レンを加えたものに、KOH(水酸化カリウム)を滴定
し、そべての−COOHが−COOKに置換されたときに中和し
てフェノールフタレンの赤色に着色するときをもって酸
価を判定する。また、さらにKOHを滴定し、加熱の後HCl
を滴定し、KOHがHCl(塩酸)で中和したときに赤色から
透明に脱色するのを見て鹸化価を判定する。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記した従来技術にあっては、熟練者の勘と肉
眼に依存して分析を行っているため、滴定の終了を判定
するとき、分析のために長時間拘束され、かつ分析を行
う人による個人差が生じ、測定結果にばらつき、また
は、かたよりを生じるという問題があった。
また、操業状況によっては通常の勤務時間外での分析作
業も強いられ、更には有害な有機溶媒の蒸気を吸入する
恐れがあり、健康上の問題もあった。
本発明の目的は、油分中の酸価と鹸化価の自動分析を行
うことが可能な酸価と鹸化価の自動分析方法及び自動分
析装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明は、PH指示薬を微量
添加した試料を加熱手段及び混合手段を備えた反応容器
へ導入し、ついで前記反応容器内の試料を吸光光度計へ
循環供給し、前記吸光光度計により吸光度を検出しなが
らアルカリ滴定を行い、このアルカリ滴定量と前記吸光
度検出値とに基づいて前記試料中の酸価を算出するよう
にしている。
前記酸価算出は、各測定ポイントの前後数点の吸光度デ
ータを平均してそのポイントの吸光度データとする平均
化処理を各ポイントについて行い、これに対し滴定の各
滴定ポイントにおける1つ後のデータから1つ前のデー
タを差し引いて微分を行い、その微分最大値における滴
定量を滴定の終点として行うことにより求めることがで
きる。また、油の鹸化価は、PH指示薬を微量添加した試
料を加熱手段及び混合手段を備えた反応容器に導入し、
ついで前記反応容器内の試料に過剰量のアルカリを加
え、これを一定時間加熱反応させた後に放冷し、さらに
未反応アルカリを酸で滴定して前記試料中の鹸化価を測
定することにより求めることができる。
前記鹸化価算出は、各測定ポイントの前後数点の吸光度
データを平均してそのポイントの吸光度データとする平
均化処理を各ポイントについて行い、これに対し滴定の
各滴定ポイントにおける1つ前のデータから1つ後のデ
ータを差し引いて微分を行い、その微分最大値における
滴定量を滴定の終点として行うことにより求めることが
できる。
さらに、酸価及び鹸化価は、前記した酸価の測定後に前
記反応容器内の試料に過剰量のアルカリを加え、これを
一定時間加熱反応させた後に放冷し、さらに未反応アル
カリを酸で滴定して前記試料中の鹸化価を測定すること
により求めることができる。
一方、自動分析装置は、反応容器と、特定波長の吸光度
を測定するための吸光光度計と、前記反応容器内の溶液
を前記吸光光度計へ循環供給する溶液循環手段と、前記
吸光光度計による測定時に前記反応容器へアルカリを少
量づつ滴定する第1の滴定手段と、前記吸光光度計によ
る吸光度測定値及び前記アルカリ滴定量に基づいて酸価
を測定する酸価測定手段と、前記反応容器内の試料に過
剰のアルカリを供給する第2の滴定手段と、該手段によ
る滴定後に前記反応容器内の溶液を混合攪拌する混合手
段と、該手段による混合処理に平行して前記反応容器を
加熱する加熱器と、該加熱器による加熱後に酸の滴定を
行う第3の滴定手段と、該手段による滴定量と前記吸光
光度計による吸光度測定値に基づいて鹸化価を算出する
鹸化価測定手段とを具備することにより構成することが
できる。
[作用] 上述した手段によれば、アルカリ滴定を行いながら吸光
光度計によって吸光度が検出され、試料中の酸分が全て
アルカリにより中和されると、PH値は急激に高くなり、
その際の試料の着色が吸光光度計によって吸光度の変化
として検出され、その吸光度の変化率が最大になったと
きをもって酸価の算出が行われる。したがって、酸価を
勘や経験に頼ることなく自動的に求めることができる。
酸価に引き続いてアルカリを過剰に供給して加熱混合の
後放冷し、酸で逆滴定し、その際の吸光光度計による吸
光度の変化率が最大になったときに鹸化価を算出する。
これにより、酸価の場合と同様に、勘や経験に頼ること
なく鹸化価を自動的に求めることができる。
上記酸価算出手段を先行して行い、酸価処理に引き続い
てアルカリを過剰に供給することにより、酸価算出手段
に続けて前記鹸化価手段を行うことができる。これによ
り、圧延油中の劣化などの評価に最も重要な酸価と鹸化
価を同時に行うことができる。
また、自動分析装置においては、試料の導入された反応
容器へ自動滴定装置によって、アルカリを第1の滴定手
段により滴定して中和を行いながら、反応容器内の溶液
を吸光光度計へ循環ポンプによって循環させることによ
り、その循環液の吸光度の変化が求められ、そのときの
吸光度に基づいて酸価測定手段により酸価が算出され
る。さらに反応容器内に第2の滴定手段によって過剰の
アルカリが供給され、混合手段により混合を行いながら
加熱器によって加熱が行われた後に放冷され、更に酸の
逆滴定が第3の滴定手段によって行われ、その際の吸光
光度計の吸光度に基づいて鹸化価測定手段により鹸化価
が求められる。この結果、酸価及び鹸化価の自動測定が
可能になり、測定精度及び信頼性を高め、測定要員の専
従を不要にすることができる。
そして、吸光光度計の測定波長を使用するPH指示薬の着
色波長とすることにより、滴定による中和反応を明瞭に
識別する。したがって、分析精度及び再現性を向上させ
ることが可能になる。
[実施例] 第1図は本発明による酸価と鹸化価の自動分析装置を示
す系統図である。また、第2図は酸価滴定時の0.5N KOH
滴定量(Nは規定濃度)と吸光度の関係を示す特性図で
あり、第6図は鹸化価時の0.5N HCl滴定量と吸光度の関
係を示す特性図である。
滴定液1(0.5N KOH/エタノール)が満たされた容器2
には自動滴定装置3(第1、第2の滴定手段)が並列接
続され、その接続管は反応容器4に連結されている。ま
た、滴定液(0.5N HCl/エタノール)5が満たされた容
器6には自動滴定装置7(第3の滴定手段)が並列接続
され、その接続管は混合手段としての混合器4に連結さ
れている。さらに、反応容器4を囲繞するようにしてヒ
ータを用いた加熱器8が配設され、反応容器4及び加熱
器8の下部には、混合器9が配設されている。
反応容器4には、循環ポンプ10(溶液循環手段と吸光光
度計11が直列に連結して連結される他、電磁弁12、13、
14、15の各々が連結されている。電磁弁12には、洗浄液
(例えば、メタノール)17の封入されたビーカ18が連結
され、電磁弁13にはノズル19が連結されている。ノズル
19の下部には、試料20の入ったビーカ21が試料台22上に
配設されている。そして、試料20内にノズル19の先端を
挿入できるように、昇降自在なリフタ23にノズル19が支
持されている。
一方、電磁弁14、15は廃液24の入った廃液容器25に連結
され、この廃液容器25には電磁弁16及び減圧ポンプ26が
連結されている。
自動滴定装置3、7、加熱器8、混合器9、電磁弁12〜
16、循環ポンプ10、吸光光度計11、試料台22及び減圧ポ
ンプ26の各々機器はコンピュータ27に接続され、このコ
ンピュータ27に対してデータの送出が行われると共に、
機器の駆動及び制御が行われる。このコンピュータ27に
は、各種のデータやパラメータを入力するためのキーボ
ード28、データや分析結果を表示するディスプレィ29、
及びデータや分析結果をプリントアウトするプリンタ30
の各々が接続されている。なお、各機器を連通させるた
めの配管には、本実施例の場合、内径2mmφ、外径3mmφ
のテフロン管を用いた。
以上の構成において、その操作方法及び動作を説明す
る。
[酸価測定] 最初に酸価滴定を行う。まず、牛脂を主成分とする油約
1gを電子天秤で秤量し、これをビーカ21(例えば50mlの
広口ビーカ)に移す。この油に1%のフェノールフタレ
ンのエタノール溶液を1ml加え、更に50mlのキシレンを
加えてよくかき混ぜて油を完全に溶解させ、これを試料
20とし、そのビーカ21を試料台22に載置する。ここまで
は作業者が手作業で行うが、以後の処理は、コンピュー
タ27が各機器を制御することにより、自動的に行われ
る。
セットされた試料20に対し、リフタ23によってノズル19
が下降し、その先端がビーカ21の底部に達した時点でリ
フタ23が停止する。ついで、減圧ポンプ26、電磁弁14を
動作させて反応容器4内に負圧を生じさせ、さらに電磁
弁13を駆動して弁を開け、試料20を反応容器4内へ吸入
する。
吸入の完了をもって減圧ポンプ26、電磁弁13、14を停止
し、電磁弁16を数秒間(例えば、10秒間)動作させ、廃
液容器25の内部を大気圧に開放する。ついで、循環ポン
プ10を動作させ、反応容器4内の溶液を吸光光度計11へ
所定の速度(例えば、25ml/分)で送液し、分析を行う
と共に使用済みの溶液を反応容器4へ回収する。吸光光
度計11は、例えば、測定波長570nm、光路長5mmでその吸
光度(特定波長の光が吸収された度合いを示し、吸光度
“1"が特定波長の光を90%吸収されたときである)を検
出し、その検出結果をコンピュータ27へ送出する。な
お、吸光光度計11に循環ポンプ10を用いて溶液を循環さ
せる理由は、吸光光度計11を反応容器4内に配設できな
いことから必要となるものである。
ついで、混合器9を動作させ、反応容器4内の溶液を攪
拌する。こののち、自動滴定装置3から滴定液1(0.5N
KOHをエタノールに溶解したもの)を例えば0.01mlづつ
滴定し、吸光度を複数回(例えば、10回)の読み取りを
し、その平均値をこのときの吸光度データとしてコンピ
ュータ27にメモリしながら15mlまで滴定し、こののち循
環ポンプ10を停止する。なお、滴定中は0.01ml前のデー
タと今回データとをコンピュータ27によって比較し、そ
の差に比例して次の滴定時間を制御する。
第3図はコンピュータ27による平均化処理の一例を示す
フローチャート(図中、Sはステップを表す)である。
また、第4図はその滴定時間の自動変更処理の概念を示
す説明図である。
まず、第3図に示すように、0.01ml毎の少量の滴定を行
い(S31)、次式で与えられる吸光度(Dn)を求める(S
32)。
ついで、吸光度データの各ポイントの隣接間の変化量す
なわち差分ΔDn=(Dn−Dn-1)を求める(S33)。この
のち、終点付近の滴定反応時間を確保するための待時間
tn+1をtn+1=ΔDn×a+b(ただし、a及びbは定数)
として算出し(S34)、その算出した時間の超過を判定
(S35)した時点で処理をステップ31へ戻し、以後の処
理を繰り返し実行する。
一方、ステップ31の後、吸光度と共に滴定量の積算処理
が行われ(S36)、規定量15mlへの到達が判定されると
積算処理は終了する(S37)。
以上の結果、第2図の特性Aに示すような滴定結果が得
られた。このような0.5N KOH溶液と滴定量と、吸光度デ
ータとがコンピュータ27によって処理され、酸価が算出
される。その結果はコンピュータ27内のメモリに記憶さ
れる。この場合の処理は、平均化処理と微分処理の2つ
を用いる。
平均化処理とは、0.01ml毎の吸光度データを初めの2つ
と最後の2つを除いて各ポイントの前後2つの計5点の
データを合計し、その合計を“5"で除した値をその点の
データとする計算を行う。これを、例えば0.03mlから1
4.98mlまでのデータについて実行する。この結果は第2
図に示す特性Bに修正され、小さなノイズ的変化を少な
くすることが可能になった。
次に、微分処理を行う。これは平均化処理したデータを
0.03mlから14.98ml(この15ml近傍のレベルではアルカ
リが過剰な状態である)に相当する各ポイントのデータ
について各ポイント1つの後のデータから1つ前のデー
タを差し引いた値をそのポイントのデータにする処理で
ある。これは第2図の特性Bを微分したことになり、第
2図の特性Cに示す変化量だけのデータに変換すること
が可能になる。特性Cのピーク位置が脂肪酸がなくなっ
て赤色に着色する点を意味する。本実施例では、この微
分処理データは最大値を与えたときのmlの位置を、滴定
反応の終点EP1[ml]としている。このような一連のデ
ータ処理を行うことにより、非常に再現性の高い結果が
得られる。
第5図は滴定反応の終点EP1を求める処理を示すフロー
チャートである。
まず、上記した手段による平均化処理(S51)の後、波
形の微分(特性Bの微分)し(S52)、その最大微分値
を選択する(S53)。また、第2図の特性Cの微分値特
性を表示するための処理を行う(S54)。ステップ53の
処理の実行後、下記に示す式により酸価の計算を行う。
また、後記する鹸化価の計算も行う(S55)。
酸価[KOHmg/g]=28×EP1[ml]/ 試料の油採取量[g] 求められた酸価値は、コンピュータ27のメモリに記憶さ
れると共にディスプレィ29に表示され、さらにプリンタ
30によってプリントアウトされる。
[鹸化価測定] 次に、鹸化価の分析について説明する。
まず、混合器9を動作させて反応容器4内の溶液を混合
しながら、加熱器8に所定時間(例えば100℃で30分程
度とし、高温にはしない)の通電を行う。加熱器8には
温度センサ(不図示)が装着されており、その検出値に
基づいてコンピュータ27は加熱器8の温度を一定値(例
えば、115℃)に保持するように制御している。このよ
うに加熱を行う理由は、室温ではエステルの分解が出来
ないことによるものである。加熱してアルカリを加える
ことによりエステルが分解され、アルカリが反応する。
反応容器4内の溶液の温度は、溶媒であるキシレンと1
−プロパノールの溶液で、その沸点が115℃であるた
め、これ以上に上昇することはない。この時点で加熱器
8を止め、一定時間(例えば、10分間)の放冷を行う。
ついで、混合器9を動作させたまま、循環ポンプ10を動
かしながら自動滴定装置7を動作させ、滴定液5(0.5N
HClエタノール溶液を0.01mlづつ滴定を行う。この場合
も、酸価の滴定と同様に0.01ml滴定する毎に吸光度デー
タをn回(本実施例では10回)読み取り、その平均値を
このときの吸光度データとする。また、0.01mlだけ前の
データと今回データとを比較し、その吸光度の差値に比
例して次の滴定時間を制御しながら滴定を行う。各滴定
量、及びそのときの吸光度データは、コンピュータ27に
記憶される。
滴定終了後、循環ポンプ10と混合器9を停止させてか
ら、減圧ポンプ26及び電磁弁13、15を動作させ、反応容
器4内溶液を廃液容器25へ排液し、さらに洗浄を行う。
洗浄は、減圧ポンプ26及び電磁弁12、14を動作させ、空
になった反応容器4にメタノールによる洗浄液17を吸収
する。さらに、減圧ポンプ26及び電磁弁12、14を停止さ
せてから混合器9及び循環ポンプ10を動作させ、循環ポ
ンプ10及び吸光光度計11及び付属する配管内の溶液を、
洗浄液で置換する。ついで、混合器9及び循環ポンプ10
を停止させ、さらに電磁弁13、15を動作させて、反応容
器4内の洗浄液を廃液容器25へ排液する。この洗浄処理
の後、減圧ポンプ26及び電磁弁13、15を停止、さらに反
応容器4及び廃液容器25内を大気圧に開放する。以上に
より、洗浄操作の全てが終了する。この後、鹸化価を求
めるためのデータ処理が実行される。このデータ処理の
方法は、酸価の場合と同一方法を用いて行われる。
第6図は鹸化価の吸光度特性を示し、図中、特性Dは特
定データ、特性Eは平均化処理データ、特性Fは微分処
理データである。この微分処理は、各ポイントの1つ前
のデータから1つ後のデータを差し引いて計算する方法
を用い、微分データの最大値が得られたところの滴定量
を滴定の終点EP2[ml]であると定める。このとき肉眼
で観察すれば、溶液の色が赤色から透明に変化するのを
見ることができる。なお、鹸化価の計算は次式で与えら
れる。
鹸化価[KOHmg/ml]=28×(15−EP2[ml]/ 試料の油採取量[g] この式に従って求められた鹸化価は、コンピュータ27の
メモリに記憶されると共にディスプレィ29に表示され、
さらにプリンタ30からプリントアウトされる。
なお、上記による一連の操作は逐一ディスプレィ29上に
表示され、操作者は分析の進行状況を把握することがで
きる。そして、必要な試料の条件などは、キーボード28
から入力できるように構成されている。
以上により、1つの試料に対する分析が完了したことに
なる。引き続き次の試料についての分析が必要な場合、
上記した手順により各機器の制御、駆動及びデータ処理
が行われ、酸価及び鹸化価が自動的に算出される。
すなわち、1つの試料の分析が終了すると、試料台22が
自動的に1試料分回転し、2つ目の試料分析が実行され
る。
なお、以上の実施例においては、試料溶媒に1−プロパ
ノール、キシレン、エタノールを用いる例を示したが、
このほかメタノール、メチルエチルケトン、ベンゼンな
ども用いることができる。
[発明の効果] 本発明は上記の通り構成されているので、次に記載する
効果を奏する。
請求項(1)の油分中の酸価と鹸化価の自動分析方法に
おいては、PH指示薬を微量添加した試料を加熱手段及び
混合手段とを備えた反応容器へ導入し、ついで前記反応
容器内の試料を吸光光度計へ循環供給し、前記吸光光度
計により吸光度を検出しながらアルカリ滴定を行い、こ
のアルカリ滴定量と前記吸光度検出値とに基づいて前記
試料中の酸価を算出するようにしたので、酸価を勘や経
験に頼ることなく自動的に求めることができる、その
上、各測定ポイントの前後数点の吸光度データを平均し
てそのポイントの吸光度データとする平均化処理を各ポ
イントについて行い、これに対し滴定の各滴定ポイント
における1つ後のデータから1つ前のデータを差し引い
て微分を行い、その微分最大値における滴定量を滴定の
終点として酸価算出を行うことにより、滴定の終点を正
確に求めることができる。
請求項(2)の油と鹸化価の自動分析方法においては、
PH指示薬を微分添加した試料を加熱手段及び混合手段を
備えた反応容器に導入し、ついで前記反応容器内の試料
に過剰量のアルカリを加え、これを一定時間加熱反応さ
せた後に放冷し、さらに未反応アルカリを酸で滴定して
前記試料中の鹸化価を測定するようにしたので、勘や経
験に頼ることなく鹸化価を自動的に求めることができ、
その上、各測定ポイントの前後数点の吸光度データを平
均してそのポイントの吸光度データとする平均化処理を
各ポイントについて行い、これに対し滴定の各滴定ポイ
ントにおける1つ前のデータから1つ後のデータを差し
引いて微分を行い、その微分最大値における滴定量を滴
定の終点として鹸化価算出を行うことにより、滴定の終
点を正確に求めることができる。
請求項(3)の油分中の酸価と鹸化価の自動分析装置に
おいては、反応容器と、特定波長を吸光する吸光光度計
と、前記反応容器へ導入した試料を前記吸光光度計へ循
環供給する溶液循環手段と、前記吸光光度計による測定
時に前記反応容器へアルカリを少量づつ滴定する第1の
滴定手段と、前記吸光光度計による吸光度測定値及び前
記アルカリ滴定量に基づいて各測定ポイントの前記数点
の吸光度データを平均してそのポイントの吸光度データ
とする平均化処理を各ポイントについて行い、これに対
し滴定の各滴定ポイントにおける1つ後のデータから1
つ前のデータを差し引いて微分を行い、その微分最大値
における滴定量を滴定の終点として行う酸価測定手段
と、前記反応容器内の試料に過剰のアルカリを供給する
第2の滴定手段と、該手段による滴定後に前記反応容器
内の溶液を混合攪拌する混合手段と、該手段による混合
処理に平行して前記反応容器を加熱する加熱器と、該加
熱器により加熱後に酸の滴定を行う第3の滴定手段と、
該手段による滴定量と前記吸光光度計による吸光度測定
値に基づいて前記試料中の各測定ポイントの前後数点の
吸光度データを平均してそのポイントの吸光度データと
する平均化処理を各ポイントについて行い、これに対し
滴定の各滴定ポイントにおける1つ前のデータから1つ
後のデータを差し引いて微分を行い、その微分最大値に
おける滴定量を滴定の終点として行う鹸化価測定手段と
を設けるようにしたので、酸価及び鹸化価の自動測定が
可能になり、測定精度及び信頼性を高め、係員の専従を
不要にし且つ安全性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による酸価と鹸化価の自動分析装置を示
す系統図、第2図は本発明による酸価滴定時の滴定量と
吸光度の関係を示す特性図、第3図はコンピュータによ
る平均化処理の一例を示すフローチャート、第4図は第
3図の処理に伴う滴定時間の自動変更処理の概念を示す
説明図、第5図は滴定反応の終点EP1を求める処理を示
すフローチャート、第6図は本発明による鹸化価の吸光
度特性図である。 図中. 1,5:滴定液 2,6,18:容器 3,7:自動滴定装置 4:反応容器、8:加熱器 9:混合器、10:循環ポンプ 11:吸光光度計 12〜16:電磁弁 17:洗浄液、19:ノズル 20:試料、21:ビーカ 22:試料台、23:リフタ 24:廃液、25:廃液容器 26:減圧ポンプ、27:コンピュータ 28:キーボード、29:ディスプレィ 30:プリンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 百武 秀昭 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 江口 克 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 林 隆年 千葉県木更津市大和3丁目4番地3号 テ ラダ産業株式会社君津支店内 (72)発明者 緑川 正博 埼玉県坂戸市溝端町9―15―203 (56)参考文献 特開 昭63−314447(JP,A) 特開 平2−52239(JP,A) 特開 平2−52240(JP,A) 特公 昭55−31899(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PH指示薬を微量添加した試料を加熱手段及
    び混合手段を備えた反応容器へ導入し、ついで前記反応
    容器内の試料を吸光光度計へ循環供給し、前記吸光光度
    計により吸光度を検出しながらアルカリ滴定を行い、こ
    のアルカリ滴定量と前記吸光度検出値とに基づいて前記
    試料中の酸価を算出するに際して、各測定ポイントの前
    記数点の吸光度データを平均してそのポイントの吸光度
    データとする平均化処理を各ポイントについて行い、こ
    れに対し滴定の各滴定ポイントにおける1つ後のデータ
    から1つ前のデータを差し引いて微分を行い、その微分
    最大値における滴定量を滴定の終点として行うことを特
    徴とする酸価自動分析方法。
  2. 【請求項2】PH指示薬を微量添加した試料を加熱手段及
    び混合手段を備えた反応容器に導入し、ついで前記反応
    容器内の試料に過剰量のアルカリを加え、これを一定時
    間加熱反応させた後に放冷し、さらに未反応アルカリを
    酸で滴定して、前記試料中の鹸化価の各測定ポイントの
    前後数点の吸光度データを平均してそのポイントの吸光
    度データとする平均化処理を各ポイントについて行い、
    これに対し滴定の各滴定ポイントにおける1つ前のデー
    タから1つ後のデータを差し引いて微分を行い、その微
    分最大値における滴定量を滴定の終点として行うことを
    特徴とする油の鹸化価自動分析方法。
  3. 【請求項3】反応容器と、特定波長の吸光度を測定する
    ための吸光光度計と、前記反応容器内の溶液を前記吸光
    光度計へ循環供給する溶液循環手段と、前記吸光光度計
    による測定時に前記反応容器へアルカリを少量づつ滴定
    する第1の滴定手段と、前記吸光光度計による吸光度測
    定値及び前記アルカリ滴定量に基づいて、各測定ポイン
    トの前記数点の吸光度データを平均してそのポイントの
    吸光度データとする平均化処理を各ポイントについて行
    い、これに対し滴定の各滴定ポイントにおける1つ後の
    データから1つ前のデータを差し引いて微分を行い、そ
    の微分最大値における滴定量を滴定の終点として行う酸
    価測定手段と、前記反応容器内の試料に過剰のアルカリ
    を供給する第2の滴定手段と、該手段による滴定後に前
    記反応容器内の溶液を混合攪拌する混合手段と、該手段
    による混合処理に平行して前記反応容器を加熱する加熱
    器と、該加熱器にによる加熱後に酸の滴定を行う第3の
    滴定手段と、該手段による滴定量と前記吸光光度による
    吸光度測定値に基づいて、前記試料中の各測定ポイント
    の前後数点の吸光度データを平均してそのポイントの吸
    光度データとする平均化処理を各ポイントについて行
    い、これに対し滴定の各滴定ポイントにおける1つ前の
    データから1つ後のデータを差し引いて微分を行い、そ
    の微分最大値における滴定量を滴定の終点として行う鹸
    化価測定手段とを具備することを特徴とする油の酸価と
    鹸化価の自動分析装置。
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