JPH07308961A - ポリ乳酸系重合体の熱成形加工品 - Google Patents
ポリ乳酸系重合体の熱成形加工品Info
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- JPH07308961A JPH07308961A JP10130094A JP10130094A JPH07308961A JP H07308961 A JPH07308961 A JP H07308961A JP 10130094 A JP10130094 A JP 10130094A JP 10130094 A JP10130094 A JP 10130094A JP H07308961 A JPH07308961 A JP H07308961A
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Abstract
る、脆さが改良された透明性良好な熱成形加工品を提供
する。 【構成】 重量平均分子量が60,000以上であるポ
リ乳酸系重合体からなりガラス転移温度が35℃以上で
あるシートを、成形温度50〜90℃、延伸面積倍率2
〜20倍の範囲で成形してなり、該成形品の成形加工部
分の面内配向度ΔPの平均が2×10-3〜30×10-3
の範囲内にあるポリ乳酸系重合体の熱成形加工品。
Description
−乳酸またはこれらの共重合体などのポリ乳酸系重合体
からなる分解性のブリスター容器やPTP容器などの熱
成形加工品に関する。
用いられているブリスター加工品は、樹脂製シートを作
っておき、次いでそのシートを真空成形、圧空成形など
の熱成形方法で成形して作られるのが一般的である。ブ
リスター加工品としては、包装体を通して中の商品を透
視できるように、透明なものが好まれる。このような点
から、実際に用いられるブリスター加工品用の素材シー
トとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリスチレンなどのシートが多用されている。
に使用されるPTP(プレススルーパツク)包装用の容
器も、同様の熱成形方法で成形され、素材シートとして
は、透明性、成形性、水蒸気バリア性などの点から、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレンなどのシートが多用されている。
物的に安定なため自然環境下に放置されてもほとんど分
解されることなく残留、蓄積される。これらは自然環境
中に散乱して動植物の生活環境を汚染するだけでなく、
ゴミとして埋め立てられた場合にもほとんど分解せずに
残り、埋め立て地の寿命を短くするという問題がある。
境汚染の問題がなく、かつ強靭で透明性がよく、さらに
は経時的な形状安定性に優れた熱成形加工品を提供する
ものであって、その要旨は、重量平均分子量が60,0
00以上であるポリ乳酸系重合体からなりガラス転移温
度が35℃以上であるシートを、成形温度50〜90
℃、延伸面積倍率2〜20倍の範囲で成形してなり、該
成形品の成形加工部分の面内配向度ΔPの平均が2×1
0-3〜30×10-3の範囲内にあることを特徴とするポ
リ乳酸系重合体の熱成形加工品にある。
解が進行し、土中に原形が残らず、ついで微生物により
無害な分解物となる、いわゆる生分解性を有することが
知られている。しかしポリ乳酸系重合体は脆さを有して
おり、シート状などの形態ではそのままでは使用し難い
が、本発明においては熱成形により成形加工部分に分子
配向を付与するとともに、未成形部分には紙などの支持
体が当接されることになるので、全体として流通や保管
に耐える強靭な熱成形加工品が得られるものである。
用いられるポリ乳酸系重合体とは、ポリ乳酸または乳酸
と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、もしくはこ
れらの混合物であり、本発明の効果を阻害しない範囲で
他の高分子材料が混入されても構わない。また、成形加
工性、シートや加工品の物性を調整する目的で、可塑
剤、滑剤、無機フイラー、紫外線吸収剤などの添加剤、
改質剤を添加することも可能である。
られ、他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール
酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒ
ドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキ
シカプロン酸などが代表的に挙げられる。
環重合法など、公知のいずれの方法を採用することも可
能であり、さらには、分子量増大を目的として少量の鎖
延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、ジエポキシ
化合物、酸無水物などを使用しても構わない。重合体の
重量平均分子量としては、60,000から1000,
000の範囲が好ましく、かかる範囲を下まわると実用
物性がほとんど発現されず、また熱成形時にシートが強
度を保持できないなどの問題を生じる。また上まわる場
合には、溶融粘度が高くなりすぎ成形加工性に劣る。
らの重合体を十分に乾燥して水分を除去した後、押出
法、カレンダー法、プレス法などの一般的な溶融成形法
によりシート状に成形し、次いで、急冷することにより
得られる。実用的には、シート状に溶融押出成形された
重合体を、回転するキヤステイングドラム(冷却ドラ
ム)に接触させて急冷するのが好ましい。キヤステイン
グドラムの温度は50℃以下が適当であり、これより高
いと重合体がキヤステイングドラムに粘着して引取りが
困難になり、また結晶化が促進されて球晶が発達し透明
性が低下するとともに熱成形加工も困難になる。従っ
て、上記温度範囲でシートを急冷して、実質上非晶質の
シートとするのが好ましい。
5℃以上、特に好ましくは40℃以上であることが、本
発明においては重要である。ガラス転移温度が35℃未
満であると、熱成形加工品に成形した後、室温で経時的
に寸法変化しやすく、好ましくない。また室温に放置中
にシートや加工品に球晶が成長し、シートにおいては成
形困難になったり、加工品では脆化や透明性低下などの
問題が生じる。ガラス転移温度は、ポリ乳酸系重合体の
組成、分子量、含有オリゴマ量、可塑剤などの添加剤の
種類と量などに主に依存する。
にして得られたシートを、赤外線ヒータ、熱板ヒータ、
熱風などにより成形温度に予熱し熱成形する。熱成形の
方法としては、真空成形法、プラグアシスト成形法、圧
空成形法、雄雌型成形法、成形雄型に沿ってシートを変
形した後成形雄型を拡張する方法などがある。シートの
厚さは特に限定されず、通常の熱成形技術に使用できる
程度の厚さであればよい。具体的にはおよそ30〜10
00μmの範囲を包含する。
と、シートがそのまま残る平面部とからなる。平面部は
熱成形時に延伸されないので物性の改良は見られず強度
に劣るが、通常紙などを貼り合わせるなどして支持され
る。一方、凸部はその形態上強度が要求され脆さを改良
する必要がある。本発明においては、凸部の分子配向を
増大させることにより、強度を向上させ、脆さを改良す
ることができる。分子配向度をあらわす尺度として面内
配向度ΔPがある。
方向に対する面方向の配向度を表わし、通常直交3軸方
向の屈折率を測定し以下の式で算出される。 ΔP={(γ+β)/2} − α (α<β<γ) ここで、γ、βがシート面(壁面)に平行な直交2軸の
屈折率、αはシート厚さ方向の屈折率である。
が、大きくは面内の分子配向に依存する。つまり面内に
対し分子配向を増大させることにより、無配向シートで
は1.0×10-3未満であるΔPを本発明で規定する2
×10-3以上、好適には3×10-3以上に増大させるこ
とができる。ただし30×10-3を越えるΔPを得よう
とすると、安定した成形ができず、シートの破断が多発
する。
品はその用途上透明であることが重要であり、熱成形時
に白化するのを避けなければならない。透明性はヘーズ
であらわすことができ、本発明では20%以下、好適に
は10%以下のヘーズを有する熱成形加工品を得ること
ができる。
品を得るための熱成形は、成形温度50〜90℃の範囲
内で、成形加工部分の延伸面積倍率が2〜20倍、好ま
しくは4〜15倍の範囲となるように行なう。成形温度
(即ち延伸温度)が50℃未満ではシートの軟化が不足
して熱成形できずに破断したり、金型への密着が不足し
たりする。また90℃よりも高いと、ΔPが小さく強度
が改良されないばかりか、シートが加熱によりドローダ
ウンして成形が困難になったり、結晶化白化して透明性
を失う場合がある。
よりも小さいと、ΔPは2×10-3に達せず物性の改良
はみられない。一方、20倍を越える延伸面積倍率では
成形体に破断が生じ、安定して成形品を得ることができ
ない。
の強度・透明性、水蒸気バリア性などを生かして、ブリ
スター包装や、PTP容器などの、内容物透視性が必要
で使用時に紙などの支持体に当接して使用されるものと
して好適である。例えば商品の包装、展示に用いるブリ
スター包装体の場合、凸状の成形加工部分に商品を収納
してその開口部に成形加工部分からその周囲の未加工部
にかけて台紙を取り付けるのが通例である。台紙として
は、厚紙のほかに金属箔、各種プラチツクシートなどが
適用可能であるが、ブリスター加工品を台紙とともに廃
棄する場合を想定すると、台紙としては生分解性を有す
る紙製のものが好適である。台紙は、ブリスター加工品
と熱融着したり、接着剤、好適には未加硫天然ゴム系、
カゼインなどのタンパク質系、でんぷん、にかわなどの
生分解性を有する接着剤により密着接合される。また、
未成形部分(いわゆるフランジ)の両側縁を裏面側に1
80゜折り曲げ、その溝内に別の台紙をスライド可能に
取り付けてもよい。
蓋材で密封される。アルミニウムは、環境を汚染せず自
然還元性であるため、ポリ乳酸系重合体シートと接着さ
れた状態でも廃棄することができる。以下に実施例を示
すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものでは
ない。 なお、実施例中に示す測定値は次に示すような
条件で測定を行い、算出した。
シートの厚さを延伸面積倍率で割った値に相当する厚さ
を有する部分数箇所からシート状の試料を切りだし、ア
ツベ屈折計によって直交3軸方向の屈折率(α,β,
γ)を測定し、次式で算出した。
ートの面積で割って、延伸面積倍率とした。 (3)ヘーズ JIS−K7105に基づいて測定した。 (4)成形性 熱成形時の延伸性が良好なものを○、延伸はできるが延
伸ムラが生じるものを△、延伸時に破断するものを×で
あらわす。
わずかに見られるものを△、流れ状のムラやすじ状の白
化部分をもつものを×であらわす。 (6)脆さ 触感にて判断し、脆さが感じられないものを○、やや脆
いものを△、脆いものを×であらわす。 (7)総合評価 上記評価項目(4)、(5)、(6)を総合的に判断
し、良好なものを○、やや劣るものを△、劣るものを×
とした。 (8)ガラス転移温度 パーキンエルマー製DSC−7を用い、JIS−K71
21に基づいて測定した。
−乳酸を180℃でTダイより溶融押出し、35℃に保
持したキヤステイングドラム上で急冷し、厚さ500μ
mの未延伸シートを得た。ガラス転移温度は50℃であ
る。
PLAVAC−FE36PH型)にクランプし、赤外線
ヒータで成形温度に予熱した後、プラグにより金型内に
押し込んで予備成形を行ない、次いで金型内を真空にし
てカツプ状に成形した。成形温度および延伸面積倍率を
変化させて表1に示すサンプルを得た。延伸面積倍率
は、プラグおよび金型を種々取替えることにより変更し
た。
明の成形条件の範囲内にあり、脆さが改良され、透明性
に優れた成形品が得られた。No.5はやや脆く、N
o.8は透明性が低下し若干欠点を有するが、成形性に
優れ実用範囲内と判断される。一方、No.2は成形温
度が低く良好な成形ができず、No.4は延伸倍率が低
くΔPが上がらず脆さが改良されなかった。No.7は
延伸倍率が高すぎて安定した成形ができない。No.9
〜10は、成形温度が高すぎ、成形性も悪く、脆さ、透
明性とも問題があった。
状成形品の側面から、縦・横30mm×30mmのシー
ト状試料を、また底面からも30mm×30mmのシー
ト状試料を切り出し、30℃の恒温槽中に1ケ月置いて
その寸法を計り、元の寸法に対する収縮率を算出したと
ころ、成形加工部側面においては縦方向2.5%、横方
向2.0%、底面においては1.6%×1.8%であ
り、経時的な寸法変化が小さく元の寸法を保持している
ことが確認された。
ラクトン15重量%とからなり、平均分子量約200,
000のポリ乳酸共重合体を、170℃でTダイより溶
融押出し、25℃に保持したキヤステイングドラム上で
急冷し、未延伸シートを得た。ガラス転移温度は33℃
であった。
様の条件でカツプ状に熱成形し、実施例2と同様にして
収縮率を測定したところ、成形加工部側面においては縦
方向26%、横方向22%、底面においては19%×2
1%であり、経時的な寸法変化が大きく成形加工部分が
大きく収縮していた。
0のポリL−乳酸を180℃でTダイより溶融押出し、
35℃に保持したキヤステイングドラム上で急冷し、厚
さ500μmの未延伸シートを得た。ガラス転移温度は
50℃である。
成形温度65℃で熱成形しようとしたところ、軟化状態
での張力が低く、シートがドローダウンして成形が困難
となり、偏肉や破れが生じた。
リ乳酸系重合体から特定の特性の熱成形品を成形するこ
とにより、成形加工部分においては脆さが改良されて強
度的に優れ、未成形部は支持体に当接して同じく実用的
な強度を示し、さらには経時的な寸法変化の小さい透明
性熱成形加工品を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量平均分子量が60,000以上であ
るポリ乳酸系重合体からなりガラス転移温度が35℃以
上であるシートを、成形温度50〜90℃、延伸面積倍
率2〜20倍の範囲で成形してなり、該成形品の成形加
工部分の面内配向度ΔPの平均が2×10-3〜30×1
0-3の範囲内にあることを特徴とするポリ乳酸系重合体
の熱成形加工品。
Priority Applications (1)
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JP10130094A JP3563436B2 (ja) | 1994-05-16 | 1994-05-16 | ポリ乳酸系重合体の熱成形加工品 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07308961A true JPH07308961A (ja) | 1995-11-28 |
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ID=14296971
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- 1994-05-16 JP JP10130094A patent/JP3563436B2/ja not_active Expired - Lifetime
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