JPH07306302A - プラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズ

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JPH07306302A
JPH07306302A JP7002288A JP228895A JPH07306302A JP H07306302 A JPH07306302 A JP H07306302A JP 7002288 A JP7002288 A JP 7002288A JP 228895 A JP228895 A JP 228895A JP H07306302 A JPH07306302 A JP H07306302A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的低温かつ短時間で加熱処理することに
より硬化可能なポリビニルアセタールからなるプライマ
ー層を、プラスチックレンズ基材とハードコート層との
間の設けた、耐衝撃性に優れたプラスチックレンズを提
供する。 【構成】 本発明におけるプラスチックレンズは、プラ
スチックレンズ基材の両表面上あるいは片表面上に架橋
されたポリビニルアセタール樹脂からプライマー層を設
け、続いてその両表面上にハードコート層を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐擦傷性、耐水
性、耐衝撃性、反射防止性、耐候性、耐薬品性、硬化被
膜層との付着性などの特性を有し、米国FDA規格を満
足するプラスチックレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは軽量、耐衝撃性、
簡易加工性、染色性などの長所があり、光学材料、特に
眼鏡レンズの分野で近年急速に普及している。しかし、
一般にプラスチックレンズは非常に傷つきやすいという
欠点を有する。そのため、通常は表面硬度の向上を目的
にレンズの表面にシリコン系の硬化膜が設けられてい
る。また、像のチラツキの原因である表面反射を抑える
目的で、無機物質を蒸着した反射防止膜を設けることに
より、プラスチックレンズに高付加価値を付与してい
る。
【0003】しかしながら、ハードコート層と反射防止
膜双方を設けたプラスチックレンズは、膜を一切設けて
いないプラスチックレンズやハードコート層のみを設け
たプラスチックレンズに比べて耐衝撃性が著しく低下す
るという欠点がある。それでも、プラスレンズの場合は
中心厚が十分に厚いため米国のFDA規格に合格する
が、マイナスレンズの場合は中心厚が薄いためFDA規
格には合格しない場合がでてくる。特に最近の傾向は外
観上の問題としてマイナスレンズの中心厚は薄くする方
向にあり、耐衝撃性の点では大きな問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】ハードコートおよび
反射防止コート等の表面処理の行われたプラスチックレ
ンズにおいて、米国のFDA規格の耐衝撃性試験に合格
させるためのいくつかの手法が既に提案されている。そ
の一つが、マイナスレンズの中心厚を厚くすることによ
り耐衝撃性を向上させようとするものである。しかしな
がら、これはレンズのコバ厚を増加させるため外観が損
なわれるほか、レンズの重量も増加するなど実用上も好
ましくない。また、プラスチックレンズの素材によって
は、中心厚の増加だけではFDA規格の耐衝撃性試験に
合格するレンズを提供できない場合もある。
【0005】また、耐衝撃性が非常に優れ、ハードコー
ト層および反射防止膜双方を設けていることによる耐衝
撃性の低下があっても、米国FDA規格の耐衝撃性試験
に合格する程度の耐衝撃性を示すプラスチックレンズ素
材の提案もかなりなされている。米国FDA規格の耐衝
撃性試験を合格可能な耐衝撃性の優れた新規のプラスチ
ックレンズ素材に関する発明は近年多くの開示がなされ
ている。例えば、特開昭61−170701号公報、特
開平1−244401号公報、特開平2−36216号
公報、特開平4−159309号公報、特開平4−16
1412号公報、特開平4−126710号公報、特開
平5−5011号公報、特開平4−142315号公
報、特開平4−161410号公報、特開平4−161
411号公報、特開平4−202308号公報、特開平
4−202309号公報などである。しかし、いずれの
提案もハードコート層および反射防止膜双方とも施して
いない状態でのFDA規格合格であり、レンズの最低中
心厚に関しても1.5ミリメートルもしくは2ミリメー
トルと厚く、実用上十分な耐衝撃性を示すプラスチック
レンズ素材はまだ提案されていないのが現状である。
【0006】耐衝撃性の向上に関してのもう一つの手法
は、プラスチックレンズ基材とハードコート層との間に
樹脂組成物よりなるプライマー層を設けるというもので
ある。図1には、プラスチックレンズ基材とハードコー
ト層の間にプライマー層を設け、さらにその上に反射防
止膜を形成したプラスチックレンズの一例が示してあ
る。図中、4はプラスチック基材、3および5はプライ
マー層、2および6はハードコート層、1および7は反
射防止膜である。
【0007】元来プライマー層は、プラスチックレンズ
基材とハードコート層との密着性改善の一手法として提
案されたものであり、ケン化、プラズマ照射によるエッ
チングなどの表面改質手法と同様、密着性の改善が主目
的であった。この目的として提案されているプライマー
層の先行技術としては、エポキシ化合物を用いる方法
(特開昭60−214301号公報)、アクリル系およ
び/またはメタクリル系化合物と芳香族ビニル化合物を
主成分とする方法(特開昭60−214302号公
報)、アクリルポリオールと多官能有機イソシアネート
化合物からなるプライマー組成物を用いる方法(特開昭
61−114203号公報)などがある。いずれの場合
も主目的の密着性の改善は達成され、耐薬品性等の特性
も得られているものの、耐衝撃性の向上はなされていな
い。
【0008】耐衝撃性の向上を目的としたプライマー層
として、ポリウレタン樹脂を用いる方法が最近になって
提案されている。例えば、特開昭63−14001号公
報、特開昭63−87223号公報、特開平3−109
50号公報、特開平4−366801号公報、特開平5
−25299号公報。特開昭63−14001号公報、
特開昭63−8722に開示された方法は、ポリウレタ
ン樹脂溶液をプラスチックレンズに塗布したのち、溶剤
を揮発させてポリウレタン樹脂層を得る方法で、得られ
るポリウレタンは架橋構造を有していないいわゆる熱可
塑性の樹脂である。このポリウレタンの層を有するプラ
スチックレンズをハードコート層を設けるためにレンズ
をハードコート液に浸すと、プライマー層のポリウレタ
ンがハードコート液の溶剤に溶解し、ハードコート液中
に溶出してハードコート液をしばしば汚染する。また、
溶剤により侵食を受けプライマー層の透明性が失われ、
白濁化することが多い。また、特開昭61−11420
3号公報にはアクリルポリオールと多官能有機イソシア
ネート化合物からなるプライマー組成物を塗布し、硬化
させた架橋構造をもつポリウレタン層を形成することが
開示されているが、常温で活性水素と反応し得るイソシ
アネート化合物を用いるため、ポリオールの水酸基とイ
ソシアネート基の反応がプライマー塗布液の保存中にも
進行する。
【0009】そのためプライマー塗布液のポットライフ
はあまり長くできない欠点を有する。プライマー塗布液
のポットライフを改善したポリウレタン系プライマー層
に関しては、 特開平3−109502号公報、特開平
4−366801号公報、特開平5−25299号公報
においては、多官能有機イソシアネート化合物とポリオ
ール化合物を用いて架橋構造をもつ熱硬化性ポリウレタ
ン樹脂のプライマーを形成させる際に、多官能有機イソ
シアネート中のイソシアネート基に加熱により脱離する
ブロック剤に結合させ、室温以下で保存する場合は、ポ
リオール側の活性水素と有機イソシアネート化合物側の
イソシアネート基との反応が進行しないよう制御してい
る。しかし、ブロック剤の完全な脱離には120度を越
える高温が必要である。高温処理では耐熱性の弱いプラ
スチックレンズに対しては大きな問題となる。また、プ
ラスチックレンズの特性の一つとして、任意色調への容
易な染色体があるが、最も一般に行われているプラスチ
ックレンズ基材へ有機染料で染色したプラスチックレン
ズに、ブロック型多官能有機イソシアネート化合物とポ
リオール化合物を主成分とするプライマー樹脂液を塗布
し、120度を越える温度に加熱した場合染料の脱離が
起こり外観上、また加工上大きな問題となる。
【0010】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、ハードコート層、あるいはハードコー
ト層および反射防止膜を有するプラスチックレンズにお
いて、比較的低温かつ短時間で加熱処理することにより
硬化可能なポリビニルアセタールからなるプライマー層
を、プラスチックレンズ基材とハードコート層との間に
設けた、耐衝撃性に優れたプラスチックレンズを提供す
ることを目的とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点の解決のため
に鋭意検討を重ねた結果、本発明では、プラスチックレ
ンズ基材の表面に架橋されたポリビニルアセタール樹脂
を主成分とするプライマー層を設け、続いてハードコー
ト層を設け、更にその表面に無機物質の蒸着による単層
あるいは多層の反射防止膜を形成したプラスチックレン
ズが、耐衝撃性に優れ、しかも、低温で膜形成が可能で
一度形成させたプライマー層を容易に膜剥し可能である
という製造時に非常に有用な特性をもつことを見いだし
た。
【0012】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明では、使用できるプラスチックレンズ基材として
は、液状硬化性化合物に触媒、及び必要に応じて紫外線
吸収剤や光安定剤等の公知の添付剤を添加し、鋳型内に
注入後、加熱あるいは紫外線照射等の方法により重合を
行いプラスチックレンズ形状にしたものであり、液状硬
化性化合物としては、従来のプラスチックレンズの製造
に用いられている液状硬化性化合物を含む広範囲の液状
硬化性化合物が適用できるが、特にその主鎖および/ま
たは側鎖にベンゼン環、ナフタレン環、カーボネート結
合、エステル結合、ウレタン結合、を1種類もしくは2
種類以上有する液状硬化性化合物に対して本発明は有効
である。
【0013】上記官能基を有する化合物を例示すると、
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、フェニル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、ビニルナフタレン、ナフチル(メタ)アクリレー
ト、テトラブロモビスフェノールA誘導体の(ジ)(メ
タ)アクリレート、ジビニルベンゼン、テトラブロモビ
スフェノールA誘導体のジアリルカーボネート、メチル
メタアクリレート、(ジ)エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート。2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2,3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
などのヒドロキシ(メタ)アクリレートとキシリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネートの環状三量体などの多官能(ポリ)イソシアネー
の反応物。ジ(2−メルカプトエチル)エーテル、1,
2−エタンジチオール、ジ(2−メルカプトエチル)ス
ルフィド、2−メルカプトエタノール、ペンタエリスリ
トールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート、4
−メルカトメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタン
ジオールなどのチオール化合物と多官能(ポリ)イソシ
アネートの反応物等およびこれらの混合物である。
【0014】本発明において、架橋されたポリビニルア
セタール樹脂を主成分とするプライマー層の形成はポリ
ビニルアセタール樹脂の酸性溶液(硬化触媒を含む)を
架橋剤と共にプラスチックレンズ表面に塗布し、加熱処
理することにより架橋反応と溶剤の揮発を行わせる膜形
成法とプラスチックレンズ基材上にポリビニルアルコー
ルとアルデヒドおよび架橋剤の酸性溶液(硬化触媒を含
む)を塗布し、加熱処理することによりポリビニルアル
コール化合物中の水酸基のアルデヒドによりアセタール
か反応と架橋反応を行わせ、同時に溶剤を揮発させるこ
とによる膜形成のどちらの方法でも成膜可能である。
【0015】前者のポリビニルアセタール樹脂溶液を用
いる方法において、用いるポリビニルアセタール樹脂は
アセタール部のアルキル基の炭素数が0から20のもの
が利用でき、好ましくは0から10のものである、また
アルキル基部分の炭素鎖は直鎖構造でなくてもかまわず
枝分かれがあってもよい。特に好ましくはアルキル基の
炭素数が3であるポリビニルブチラールである。ポリビ
ニルアセタールのアセタール化度は10から90%のも
のが使用でき、好ましくは20から80%である。ポリ
ビニルアセタールのアセタール化度が10%未満では耐
候性が低下し、衝撃強度の改善が不十分である。またア
セタール化度が90%以上のポリビニルアセタールは合
成が困難であり、合成できたとしてもプラスチック基材
との密着性の低下が予測される。
【0016】ポリビニルアセタールの平均重合度は好ま
しくは5,000以下のものであるが、より好ましくは
100から3,000である。ポリビニルアセタールの
平均重合度が5,000より大きくなると、溶媒に溶解
しにくくなると共に、最適アセタール化度のポリビニル
アセタールを合成するのが困難である。また、ポリビニ
ルアセアールの平均重合度が100より小さくなると、
耐衝撃性の改善が不十分となる。ポリビニルアセタール
樹脂溶液中のポリビニルアセタールの含有量は1〜30
重量%が好ましく、2〜20重量%がより好ましい。ポ
リビニルアセタールの含有量が30重量%より大きくな
ると、ポリビニルアセタール樹脂溶液の粘度が高くなり
すぎ、プラスチックレンズへの塗布が困難になり、塗布
されたプライマー層が厚くなったり、塗布面の均一性が
失われたりする。また、ポリビニルアセタールの含有量
が1重量%より小さくなると、塗布されたプライマー層
が薄いため耐衝撃性が不十分となる。
【0017】本発明では、ポリビニルアセタール樹脂中
の残存水酸基が架橋に利用でき、またポリアセタール樹
脂中のアセタール結合は酸性条件下にて平衡反応である
ことを利用し、生ずる水酸基を架橋反応に利用すること
ができる。このため、架橋構造を形成するための架橋剤
としては水酸基と反応する官能基を一分子中に2つ以上
もっている分子が使用できる。
【0018】架橋剤としては(1)ジアルデヒド化合物
またはジアルデヒドのアセタール化合物(2)加水分解
性オルガノシラン化合物(3)加水分解性オルガノシラ
ン化合物とジアルデヒド化合物の混合系、または加水分
解性オルガノシラン化合物とジアルデヒドのアセタール
化合物の混合系が用いられる。ジアルデヒド化合物の場
合は、アルデヒド基が触媒の作用によりポリビニルアセ
タール中の水酸基と反応するか、もしくはアルキルアセ
タール基との間のアセタール交換反応により新たにアセ
タール結合を形成する。ジアルデヒド化合物は分子内に
2つのアルデヒド基を有しているため、ポリビニルアセ
タールの分子間もしくは分子内での架橋が行われる。す
なわち3次元的に架橋することが可能である。ジアルデ
ヒドのアセタール化合物の場合は、水および酸性触媒と
の共存下では対応するジアルデヒドとの平衡関係にある
ため、架橋反応機構としてはジアルデヒドの場合と全く
同様であると考えられる。ジアルデヒド化合物またはジ
アルデヒドのアセタール化合物は単独で用いてもよい
し、2種類以上のジアルデヒド化合物を混合して用いて
もよい。前記化合物を例示すると、グリオキサール、グ
ルタルアルデヒド、ヘキサンジアール、2−ヒドロキシ
ヘキサンジアール、マロンアルデヒドテトラメチルアセ
タール、マロンアルデヒドテトラエチルアセタール、グ
ルタルアルデヒドテトラメチルアセタール、グルタルア
ルデヒドテトラエチルアセタールなどである。
【0019】ポリアセタール樹脂溶液中のジアルデヒド
化合物またはジアルデヒドのアセタール化合物の添加量
は0.01〜 30重量%が好ましく0.1〜20重量
%が特に好ましい。加水分解性オルガノシラン化合物の
場合は、オルガノシラン化合物中の加水分解基が加水分
解してシラノール基が生成し、触媒の作用と熱によりポ
リビニルアセタール中の水酸基と脱水縮合することによ
り分子間もしくは分子内で架橋が行われる。すなわち3
次元的に架橋が可能である。
【0020】架橋にあずかる分子は、オルガノシラン化
合物の加水分解物またはその縮合物である。オルガノシ
ラン化合物はそのまま添加されてもよいし、あらかじめ
加水分解されたものが添加されてもよい。また、1種類
のオルガノシラン化合物を単独で用いてもよいし、2種
類以上のオルガノシラン化合物を混合して用いてもよ
い。オルガノシラン化合物としては、加水分解基がハロ
ゲン原子であるハロシラン化合物類、加水分解基がカル
ボキシ基であるカルボキシシラン化合物類、加水分解基
がケトオキシム基であるケトオキシムシラン化合物類、
もしくは加水分解基がアルコキシ基であるアルコキシシ
ラン化合物類などが好ましく、アルコキシシラン化合物
類がより好ましい。前記化合物を例示すると、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキ
シシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラ
ン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキ
シシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポ
キシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、プロピルトリメトキ
シシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメ
トキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルト
リメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプ
ロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメト
キシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)トリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル)トリエトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリエト
キシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、1,1−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,
1−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス
(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエ
トキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシ
リル)プロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)
プロパン、2,2−ビス(トリメトキシシリル)プロパ
ン、2,2−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、な
どがあげられる。ポリビニルアセタール樹脂溶液中のオ
ルガノシラン化合物の添加量は0.01〜30重量%、
が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましい。
【0021】加水分解性オルガノシラン化合物とジアル
デヒド化合物の混合系、または加水分解性オルガノシラ
ン化合物とジアルデヒドのアセタール化合物の混合系の
場合は、前記記載のジアルデヒド化合物またはジアルデ
ヒドのアセタール化合物の反応と加水分解性オルガノシ
ランの反応と同様な反応が混合系でおこる。ポリビニル
アセタール樹脂溶液中のジアルデヒド化合物またはジア
ルデヒドのアセタール化合物の添加量としては0.01
〜30重量%であるが、オルガノシラン化合物の50モ
ル%以下が好ましい。ジアルデヒド化合物またはジアル
デヒドのアセタール化合物の添加量がオルガノシラン化
合物の添加量の50モル%を越えると耐衝撃性が低下す
る。
【0022】硬化触媒としては、(1)ジアルデヒド化
合物またはジアルデヒドのアセタール化合物を架橋剤と
する系においては、アルデヒド基とポリビニルアセター
ル中の水酸基とのアセタール化反応を促進するものであ
れば特に制限はない。 (2)加水分解性オルガノシラン化合物を架橋剤とする
系においては、加水分解して生成したシラノール基とポ
リビニルアセタール中の水酸基との脱水縮合を促進する
ものであれば特に制限はない。
【0023】(3)加水分解性オルガノシラン化合物と
ジアルデヒド化合物の混合系、または加水分解性オルガ
ノシラン化合物とジアルデヒドのアセタール化合物の混
合系においては、加水分解性オルガノシラン化合物が加
水分解して生成したシラノール基とポリビニルアセター
ル中の水酸基との脱水縮合、およびジアルデヒド化合物
またはジアルデヒドのアセタール化合物とポリビニルア
セタール中の水酸基とのアセタール化反応を促進するも
のであれば特に制限はない。
【0024】(1)(2)(3)いずれの架橋剤系にお
いても酸性触媒が有効である。例えば、塩酸、硝酸、硫
酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、安息香酸、フタ
ル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキ
ル基の炭素数が1〜18のアルキルベンゼンスルホン酸
などの有機酸、ジブチルスズジラウレート、ジブチルス
ズジオクテート、ジブチルスズジアセテートなどの有機
スズ化合物を用いることができる。特に好ましいのは、
塩酸、硝酸などの無機酸、およびメタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機
酸、および有機スズ化合物である。これらは単独で用い
てもよいし、2種類以上のの触媒を混合して用いてもよ
い。ポリビニルアセタール樹脂溶液中の硬化触媒の含有
量は、0.002〜10重量%が好ましく、0.005
〜2重量%がより好ましい。
【0025】ポリビニルアセタール樹脂溶液に用いられ
る溶媒には、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類アルコ
ール類、ケトン類、エステル類、エーテル類があり、そ
の他公知の溶媒で、ポリビニルアセタールをよく溶解す
るものが好ましい。特にメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、ヘキサノール、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、ジエチルケトン、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチルが好まし
く、これらは単独で用いてもよいし、2種類以上の混合
溶剤として用いてもよい。
【0026】ポリビニルアセタール樹脂溶液の水の含有
量は、架橋剤にオルガノシラン化合物が含まれる場合は
オルガノシラン化合物の加水分解に必要な量として0.
1〜20重量%である。また、架橋剤がジアルデヒド化
合物またはジアルデヒドのアセタール化合物の場合で
も、水を添加してもよい。水の含有量が20重量%より
大きくなると、ポリビニルアセタール樹脂溶液中の有機
溶媒の種類により、塗布されたプライマー面の平滑性が
失われる。また、水の含有量が0.1重量%より小さく
なるとポリビニルアセタール樹脂溶液のポットライフが
短くなる。
【0027】ポリビニルアセタール樹脂溶液は、塗布性
の改善を目的とした各種レベリング剤あるいは耐候性の
向上を目的とした紫外線吸収剤や酸化防止剤、更に染料
や顔料、フォトクロミック染料やフォトクロミック顔
料、その他膜性能を高め、機能を付加する公知の添加剤
を併用することができる。特に可塑剤をポリビニルアセ
タール樹脂に0から60重量%共存されたとき、プライ
マー層がプラスチックレンズの耐衝撃性を更に向上す
る。ここで用いる可塑剤はポリビニルアセタール樹脂に
一般的に用いられる可塑剤が使用できる。例えば、エチ
レングリコールの脂肪酸ジエステル、ジエチレングリコ
ールの脂肪酸ジエステル、トリエチレングリコールの脂
肪酸ジエステル、テトラエチレングリコールの脂肪酸ジ
エステル、脂肪族ジカルボン酸の脂肪族ジエステル、リ
ン酸の脂肪族エステル、フタル酸の脂肪族エステルを用
いることができる。
【0028】後者のプラスチックレンズ上でポリビニル
アセタール樹脂を合成する成膜法において、用いるポリ
ビニルアルコールとしては、重合度が5000以下のも
のを使用することができ、好ましくは500から200
0の重合度のポリビニルアルコール化合物である。用い
るアルデヒドは炭素数が1から21のものが利用でき、
好ましくは1から10のものである、またアルキル基部
分に炭素鎖は直鎖構造でなくてもかまわず枝分かれがあ
ってもよい。また、アルデヒドの量はポリビニルアルコ
ールに対して10から100モル%の範囲で使用でき、
好ましくは30から80モル%のアルデヒドを用いる。
アルデヒドが10モル%未満では耐候性が低下する。
【0029】プライマー層塗布用溶液に用いられる溶剤
は炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール類、ケト
ン類、エステル類、エーテル類があり、その他公知の溶
剤が使用可能であるがポリビニルアルコールは水溶液と
して用いるため水と相溶性の高いアルコール類やケトン
類を共溶媒として使用することが好ましい。特に好まし
くはメタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、アセトン、メチルエチル
ケトン、ジエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、酢酸であるが、これらを単独で用いてもよいし、
2種類以上の混合溶剤として用いてもよい。さらに、塗
布性の改善を目的とした各種レベリング剤あるいは耐候
性の向上を目的とした紫外線吸収剤や酸化防止剤、更に
染料や顔料、フォトクロミック染料やフォトクロミック
顔料、その他膜性能を高め、機能を付加する公知の添加
剤を併用することができる。
【0030】特に可塑剤をポリビニルアセタール樹脂に
0から60重量%共存されたとき、プライマー層がプラ
スチックレンズの耐衝撃性を更に向上する。ここで用い
る可塑剤はポリビニルアセタール樹脂に一般的に用いら
れる可塑剤が使用できる。例えば、エチレングリコール
の脂肪酸ジエステル、ジエチレングリコールの脂肪酸ジ
エステル、トリエチレングリコールの脂肪酸ジエステ
ル、テトラエチレングリコールの脂肪酸ジエステル、脂
肪族ジカルボン酸の脂肪族ジエステル、リン酸の脂肪族
エステル、フタル酸の脂肪族エステルを用いることがで
きる。
【0031】プラスチックレンズ上へのプライマー用塗
布液の塗布方法は、スピンコート法、ディッピング法な
ど公知の方法であれば特に制限はない。また、プラスチ
ックレンズ基材表面は必要に応じてアルカリ処理、プラ
ズマ処理、紫外線処理等の前処理を行っておくことが好
ましい。プラスチックレンズ表面に塗布したプライマー
コート膜を硬化させるには、50〜120℃、好ましく
は70〜110℃で1〜60分加熱すればよい。加熱処
理により塗布されたポリビニルアセタール樹脂溶液中の
加水分解されたオルガノシラン化合物、ジアルデヒド化
合物またはジアルデヒドのアセタール化合物とポリビニ
ルアセタール中に含まれる水酸基とが脱水縮合してポリ
ビニルアセタール分子が架橋されるとともに、縮合反応
により生成した水およびあらかじめポリビニルアセター
ル樹脂溶液中に含まれていた有機溶媒と水が蒸発する。
こうしてプラスチックレンズ表面に3次元的に架橋され
たポリビニルアセタールのプライマー層が形成される。
【0032】プライマー層として必要な厚さは、0.0
5から5μmである。0.05μmより薄いと耐衝撃性
は著しく劣り、5μmより厚いと面精度が低下する。よ
り好ましくは、0.2から5μmである。プライマー層
を設けたプラスチックレンズは、その表面硬度を向上さ
せるために公知の方法で、ハードコート層を成膜するこ
とができる。ハードコート層の成膜方法には、オルガノ
アルコキシシランの加水分解物、金属酸化物微粒子、及
び金属錯体触媒を溶解したハードコート液に、レンズを
ディッピングするか、あるいはスピンコートするかによ
り塗布し、その後加熱硬化する湿式法や、プラズマCV
Dなどの乾式法がある。
【0033】湿式法でハードコート層を形成する際に使
用するハードコート液中のオルガノアルコキシシランの
化合物には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンな
どがある。アルコキシシランの加水分解物は、オルガノ
アルコキシシラン化合物の少なくとも1種類以上を、塩
酸などの酸性水溶液に溶解し、加水分解反応させること
によって調製される。
【0034】金属酸化物微粒子は、市販の水または有機
溶媒に分散した金属酸化物微粒子ゾルが用いられる。金
属酸化物微粒子ゾルには、例えば、酸化亜鉛、二酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、酸化スズ、酸化ベリリウム、酸化アンチモン、酸化
タングステン、酸化セリウムなどのゾルがある。これら
のゾルは、少なくとも1種類以上を混合して用いること
が可能である。
【0035】金属錯体触媒には、アセチルアセトン金属
塩、エチレンジアミン四酢酸金属塩が用いられる。さら
に必要に応じて、界面活性剤、着色剤、溶媒などを添加
してハードコート液が調製される。ハードコート層の膜
厚は、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2
〜3μmである。
【0036】さらに、ハードコート層上に反射防止能を
有する無機化合物の蒸着膜を公知の方法で成膜すること
ができる。反射防止膜は、光学理論に基づいた単層もし
くは多層構造膜が採用される。反射防止膜の形成には、
一般に真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティン
グ、CVDなどの手法が利用される。膜材料には、Si
O、SiO2、Al2O3、Y2O3、Yb2O3、CeO2、
ZrO2、Ta2O3、TiO2、MgF2などの無機誘電
体を用いることができる。
【0037】さらに必要に応じて、反射防止膜の上に反
射防止膜の汚れ防止、水ヤケ防止を目的として、側鎖に
アルキル基、フェニル基、ポリフルオロアルキル基など
の疎水性基を有する有機ケイ素化合物またはフッ素含有
炭化水素化合物の超薄膜を形成することも可能である。
【0038】
【作用】ポリビニルアセタール樹脂溶液は、使用可能時
間(ポットライフ)が長く、比較的低温かつ短時間で加
熱処理することにより硬化可能で、密着性、平滑性に優
れた被膜を形成することができる。本発明におけるプラ
イマー層が高度な弾性率と高度な柔軟性を合わせ持つた
め、プラスチックレンズにたいして何らかの衝撃があっ
た際にそのエネルギーを吸収する役割を担っている。
【0039】また本発明におけるプライマー層は3次元
的な架橋構造をとっているため、湿式法によりハードコ
ート層を形成する際に、ポリビニルアセタールその他の
物質がハードコート液に溶解し、ハードコート液を汚染
することもない。さらに本発明におけるポリビニルアセ
タール樹脂溶液の主剤であるポリビニルアセタールの適
度な水酸基と、プラスチックレンズ表面の極性基との水
素結合によりプライマー層とプラスチックレンズとの十
分な密着性を達成し、ポリビニルアセタールの適度な水
酸基と、ハードコート層中のシラノール基との反応によ
りプライマー層とハードコート層との十分な密着性を達
成しているものと考えられる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらによって限定されるものではない。本発明の実
施例1〜4及び比較例1のプラスチックレンズを評価し
た結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】[実施例1] (1)プラスチックレンズ基材の製造 モノマーとしてジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート(CR39)を使用し、ラジカル開始剤としてジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)を用
い通常のプラスチックレンズ製造法と同様の操作を行
い、度数が−3.00ジオプタ、中心厚が1.00mm
の内部歪みのない光学用のプラスチックレンズを製造し
た。これをプラスチックレンズ基材とした。 (2)プライマー層用塗布溶液の調製と塗布及び膜形成 市販のブチラール化度が70%のポリビニルブチラール
樹脂(和光純薬工業株式会社製)3.0gをn−ブタノ
ール17gに溶解し、メタノール10ml、水5ml、
50%グルタルアルデヒド水溶液1.2g、2規定塩酸
2.9mlを順次加え、この混合物が均一状態になるま
で十分にかくはんしプライマー層用塗布溶液を調製し
た。このプライマー層用塗布溶液を、前処理としてアル
カリ処理を行った(1)のプラスチックレンズ基材の両
表面に、ディピング法(引き上げ速度2.0mm/秒)
にて塗布し、このプラスチックレンズを60℃で4時間
熱処理してプライマー層を硬化させ、プラスチックレン
ズ基材上に2.0ミクロンのプライマー層を形成させ
た。 (3)ハードコート層および反射防止膜の形成 通常用いられている方法と同様に、(2)のプライマー
層の形成されたプラスチックレンズ表面上に湿式法によ
り1.5ミクロンの膜厚のハードコート層を形成させ、
更にその表面に、通常用いられている方法と同様な操作
により、蒸着法により無機物質の多層膜からなる反射防
止膜を形成させ、プライマー層を有し更にハードコート
層および反射防止膜の双方を有するプラスチックレンズ
を作成した。 (4)試験および評価結果 得られたプライマー層を有し更にハードコート層および
反射防止膜の双方を有するプラスチックレンズの性能の
評価は、次に示す方法で行った。 (A)膜の密着性 プラスチックレンズ基材とプライマー層、プライマー層
とハードコート層、ハードコート層と反射防止膜の密着
性を評価するために、JIS K−5400に準じて碁
盤目テープ法によって試験を行った。すなわちカッター
ナイフを用いてプラスチックレンズの膜形成面上に1m
mのマス目を100個形成し、その上にセロハンテープ
を貼り付けた後、このセロハンテープを勢い良くプラス
チックレンズの面に対して垂直方向に引き剥し、プラス
チックレンズ上の膜の付着状況を目視により観察し、定
められた評価基準にしたがって評価した。 評価点数:10 切り傷1本ごとが、細くて両側が滑ら
かで、切り傷の交点と正方形の1目1目にはがれがな
い。 評価点数:8 切り傷の交点にわずかな剥がれがあっ
て、正方形の1目1目に剥がれがなく、欠損部のの面積
は全正方形の面積の5%以内。 評価点数:6 切り傷の両側の交点に剥がれがあって、
欠損部の面積は全正方形面積の5〜15%。 評価点数:4 切り傷による剥がれの幅が広く、欠損部
の面積は全正方形面積の15〜35%。 評価点数:2 切り傷による剥がれの幅は4点よりも広
く、欠損部の面積は全正方形面積の35〜65%。 評価点数:0 剥がれの面積は、全正方形面積の65%
以上。 (B)耐擦傷性 反射防止膜まで施したプラスチックレンズの表面を#0
000のスチールウールにて摩擦して傷つきにくさを調
べ、次のように評価した。 A:強く摩擦しても傷がつかない。 B:強く摩擦すると少し傷がつく。 C:弱く摩擦しても傷がつく。 (C)耐衝撃性 米国FDA規格の耐衝撃性試験に基づき、鋼球落下試験
を行った。すなわち、約16.4gの綱球を127cm
の高さから、レンズ中心部へ向かって自然落下させ、試
験を行った。結果の評価もFDA規格に基づき合格かあ
るいは不合格かで結果を評価した。 (D)外観 肉眼観察で透明度、レンズの面精度が良好でかつ塗膜に
欠陥がないものを合格とした。 [実施例2]実施例1においてプライマー層用塗布溶液
を調製するに当たり、その塗布液混合物へ更に可塑剤と
してトリエチレングリコール−ジ−2−ジブチレート
1.0gを加えプライマー層用塗布溶液とし、以下は実
施例1と同様に行いプラスチックレンズを作成し、各性
能評価法も実施例1と同様に行った。 [実施例3] (1)プラスチックレンズ基材の製造 実施例1と同様にした。 (2)プライマー層用塗布溶液の調製と塗布及び膜形成 市販の平均重合度が1500のポリビニルアルコール樹
脂(和光純薬工業株式会社製)3.0gを水17gに溶
解し、メタノール20ml、50%グルタルアルデヒド
水溶液0.68g、ブチルアルデヒド2.3ml、2規
定塩酸2.9mlを順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分にかくはんしプライマー層用塗布溶液を調
製した。このプライマー層用塗布溶液を、前処理として
アルカリ処理を行った(1)のプラスチックレンズ基材
の両表面に、ディッピング法(引き上げ速度2.0mm
/秒)にて塗布し、このプラスチックレンズを60℃で
4時間熱処理してプライマー層を硬化させ、プラスチッ
クレンズ基材上に2.0ミクロンのプライマー層を形成
させた。
【0043】以下の操作はすべて実施例1と同様に行
い、プライマー層を有し更にハードコート層および反射
防止膜の双方を有するプラスチックレンズを作成した。
更にその性能評価を実施例1と同様に行った。 [実施例4]実施例3においてプライマー層用塗布溶液
を調製するに当たり、その塗布液混合物へ更に可塑材と
してトリエチレングリコール−ジ−2−ジブチレート
1.0gを加えプライマー層用塗布溶液とし、以下は実
施例1と同様に行ないプラスチックレンズを作成し、各
性能評価法も実施例1と同様に行った。
【0044】[比較例1]実施例1と同様のプラスチッ
クレンズ基材を使用し、プライマー層の成膜は行わず、
実施例1と同様な操作にてハードコート層および反射防
止膜を施して比較用のプラスチックレンズを作成し、実
施例1を同様な性能評価を行った。本発明の実施例5〜
32及び比較例2〜4のプラスチックレンズを評価した
結果を表2、3、4に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】[実施例5] (5−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂(和光純薬工業(株)製)70重
量部をn−ブタノール630重量部に溶解し、メタノー
ル400重量部、水100重量部と、架橋剤としてテト
ラメトキシシラン4.2重量部と、硬化触媒としてp−
トルエンスルホン酸1.2重量部と、レベリング剤とし
てフッ素系界面活性剤フロラードFC430(住友スリ
ーエム(株)製)1重量部を順次加え、この混合物が均
一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブラ
ンフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製し
た。 (5−2)プライマー層用塗布溶液の塗布およびプライ
マー層の形成 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理として6
0℃の10%NaOH水溶液に5分間浸し、温水で洗浄
後乾燥した。このプラスチックレンズの凹面上にスピン
コート法(1,500RPM)にて(5−1)で調製し
たプライマー層用塗布溶液を塗布し、100℃で15分
間加熱処理してプライマー層を形成させた。 (5−3)シリコン系ハードコート液の調製 反応容器中に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン180重量部を入れ、マグネチックスターラーを
用いて激しく攪拌しながら、0.01規定塩酸水溶液4
0重量部を一度に添加し、1時間加水分解反応をおこさ
せ、部分的に縮合した加水分解物を作製した。
【0049】前記の加水分解物に市販のメタノールシリ
カゾル(日産化学(株)製、平均粒子径10〜20n
m)を630重量部と、硬化触媒としてアセチルアセト
ン鉄(II)4重量部と、レベリング剤としてフロラード
FC430 0.45重量部を順次加え、十分に攪拌混
合した後、3μmのメンブランフィルターで濾過しハー
ドコート液を調製した。 (5−4)シリコン系ハードコート液の塗布およびハー
ドコート層の形成 (5−2)で形成されたプライマー層の両面に、(5−
3)のシリコン系ハードコート液をディッピング法(引
き上げ速度100cm/min)を用いて塗布した。塗
布したレンズを100℃で4時間加熱処理してハードコ
ート層を形成させた。 (5−5)反射防止膜の形成 (5−4)で形成されたハードコート層の両面に、Si
O2/ZrO2系の5層反射防止膜を真空蒸着法により形
成させた。 (5−6)試験及び評価結果 得られたプライマー層を有し更にハードコート層および
反射防止層の双方を有する(以下、「複合膜」と呼ぶ)
プラスチックレンズの性能の評価は次に示す方法で行っ
た。。 (A)膜の密着性 プラスチックレンズ基材とプライマー層、プライマー層
とハードコート層、ハードコート層と反射防止膜の密着
性を評価するために、JIS K−5400に準じて碁
盤目テープ法によって試験を行った。すなわちコーティ
ング層表面にカッターナイフで1mm角の碁盤目(10
0マス)を作り、その後セロハン粘着テープ(商品名
「セロテープ」ニチバン(株)製)を強く張り付けた
後、テープの一端を持ち、90゜方向に勢いよく剥がす
ことを10回繰り返した。
【0050】その後、コーティング層表面の碁盤の目が
レンズから何個剥ぎ取られずに残っているかを調べ、剥
がれなかった碁盤の目の数をXとしてX/100で表し
た。この場合、Xか大きいほど密着性がよいということ
になる。即ち、クロスハッチテープテストの結果が「1
00/100」であれば、膜が全く剥がれなかったこと
を示している。 (B)耐擦傷性 複合膜を有するプラスチックレンズの反射防止膜の表面
を、スチールウール(#0000)で600gの荷重を
作用させて30回こすったときの傷の入り具合を、次の
ような基準で評価した。
【0051】A:傷の入った面積が10%以内。 B:傷の入った面積が10%を越え30%以内。 C:傷の入った面積が30%を越える。 (C)耐衝撃性 米国FDA規格の耐衝撃性試験に基づき、鋼球落下試験
を行った。
【0052】すなわち、約20.0gの鋼球を127c
mの高さからプラスチックレンズの中心部に向かって自
然落下させ、プラスチックレンズが割れるかまたはクラ
ックが入る一回前の回数をレンズの耐衝撃性とし、最高
5回まで落下させた。 (D)耐候性 複合膜を有するプラスチックレンズの耐候性は、紫外線
ロングライフフェードメーター(スガ試験機(株)製)
を用いて300時間の耐候性試験を行い、その後の黄変
度を測定した。評価は次のような基準で行った。
【0053】A:300時間後の黄変度 2.0未満 B:300時間後の黄変度 2.0以上2.5未満 C:300時間後の黄変度 2.5以上 (E)耐薬品性 複合膜を有するプラスチックレンズの耐薬品性は、pH
1の塩酸水溶液およびpH12の水酸化ナトリウム水溶
液を用い、各溶液に8時間浸漬し、その後のプラスチッ
クレンズの変化を調べた。評価は次のような基準で行っ
た。
【0054】A:酸性、アルカリ性双方に侵されない B:酸性、アルカリ性どちらか一方に侵される C:酸性、アルカリ性双方に侵される (F)外観 複合膜を有するプラスチックレンズの外観性は、暗室に
て蛍光灯の光を当て、目視で透明度を観察した。評価は
次のような基準で行った。
【0055】A:クモリなし B:クモリがすこし目立つ C:クモリがはっきり目立つ (G)プライマー組成物の使用可能時間の評価 (5−1)で調製したプライマー組成物を5℃に保存
し、粘度変化を追跡した。粘度増加量が調製時の粘度の
5%以内である期間をプラマー組成物の使用可能時間と
して評価した。 (H)染色レンズの色調変化の評価 CR−39眼鏡用プラスチックレンズを、一般的な分散
染料であるニコンライトブラウン7重量部を水1,00
0重量部に添加した染浴中で90℃、10分間の条件で
浸漬処理にて染色した。染色したプラスチックレンズは
LUV3次元座標系における刺激値Yを、高速積分球式
分光透過率測定器DOT−3((株)村上色彩技術研究
所製)で測定した。また、染色したプラスチックレンズ
に(5−2)と同じ手順で(5−1)で調製したプライ
マー組成物を塗布し、硬化した後再び刺激値Yを測定
し、プライマー塗布前後の色差DEを求めた。染色レン
ズの色調変化は次のような基準で評価した。
【0056】A:色差DEが1.5未満 B:色差DEが1.5以上、2.5未満 C:色差DEが2.5以上 [実施例6] (6−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂(和光純薬工業(株)製)7
0重量部をn−ブタノール630重量部に溶解し、メタ
ノール400重量部、水100重量部と、架橋剤として
テトラメトキシシラン8.5重量部と、硬化触媒として
p−トルエンスルホン酸1.2重量部と、レベリング剤
としてフロラードFC430 1重量部を順次加え、こ
の混合物が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μ
mのメンブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布
溶液を調製した。 (6−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (6−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用い、
実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プライマ
ー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様の手
順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、複合
膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能評価
も実施例5と同様に行った。 (6−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0057】[実施例7] (7−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン
6.3重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン
酸1.2重量部と、レベリング剤としてフロラードFC
430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (7−2)プライマー層用塗布溶液の塗布およびプライ
マー層の形成 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理としてヤ
マト科学(株)製「プラズマリアクターPR501A」
を用い、酸素ガス圧力0.4Torr、出力200Wの
条件で10秒間プラズマ処理を行った。このプラスチッ
クレンズの凹面上にスピンコート法(1,500RP
M)にて(7−1)で調製したプライマー層用塗布溶液
を塗布し、100℃で15分間加熱処理してプライマー
層を形成させた。 (7−3)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (7−2)で形成されたプライマー層上に、実施例5
(5−3)以下と全く同様の手順により、ハードコート
層、反射防止膜を形成し、複合膜を有するプラスチック
レンズを作成した。各性能評価も実施例1と同様に行っ
た。 (7−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0058】[実施例8] (8−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン6.6重量部と、硬化触媒としてp−ト
ルエンスルホン酸2.4重量部と、レベリング剤として
フロラードFC430 1重量部を順次加え、この混合
物が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメ
ンブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を
調製した。 (8−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (8−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用い、
実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プライマ
ー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様の手
順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、複合
膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能評価
も実施例5と同様に行った。 (8−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0059】[実施例9] (9−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン9.9重量部と、硬化触媒として
p−トルエンスルホン酸2.4重量部と、レベリング剤
としてフロラードFC430 1重量部を順次加え、こ
の混合物が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μ
mのメンブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布
溶液を調製した。 (9−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成と
評価 (9−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用い、
実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プライマ
ー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様の手
順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、複合
膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能評価
も実施例5と同様に行った。 (9−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色レ
ンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0060】[実施例10] (10−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン6.6重量部を0.01N塩酸水
溶液3重量部であらかじめ加水分解を行った溶液と、硬
化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重量部と、
レベリング剤としてフロラードFC430 1重量部を
順次加え、この混合物が均一状態になるまで十分に攪拌
した後、3μmのメンブランフィルターで濾過しプライ
マー層用塗布溶液を調製した。 (10−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (10−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (10−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0061】[実施例11] (11−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン3.
8重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態にな
るまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルタ
ーで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (11−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (11−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (11−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0062】[実施例12] (12−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態にな
るまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルタ
ーで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (12−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (12−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (12−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0063】[実施例13] (13−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をメチルエチルケ
トン630重量部に溶解し、メタノール450重量部、
水50重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラ
ン15.2重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスル
ホン酸0.5重量部と、レベリング剤としてフロラード
FC430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状
態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフ
ィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (13−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (13−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (13−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0064】[実施例14] (14−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態にな
るまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルタ
ーで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (14−2)プライマー層用塗布溶液の塗布およびプラ
イマー層の形成 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理としてプ
ラズマリアクターPR501Aを用い、酸素ガス圧力
0.4Torr、出力200Wの条件で10秒間プラズ
マ処理を行った。このプラスチックレンズの両面上にデ
ィッピング法(引き上げ速度100cm/min)にて
(10−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を塗布
し、塗布したプラスチックレンズを100℃で15分間
加熱処理してプライマー層を形成させた。 (14−3)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (7−2)で形成されたプライマー層上に、実施例5
(5−3)以下と全く同様の手順により、ハードコート
層、反射防止膜を形成し、複合膜を有するプラスチック
レンズを作成した。各性能評価も実施例5と同様に行っ
た。 (14−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0065】[実施例15] (15−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%水溶
液(関東化学(株)製)22.3重量部と、硬化触媒と
して2規定塩酸70mlと、レベリング剤としてフロラ
ードFC430 1重量部を順次加え、この混合物が均
一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブラ
ンフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製し
た。 (15−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (15−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (15−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0066】[実施例16] (16−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%水溶
液5.6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードF
C430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態
になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィ
ルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (16−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (16−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (16−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0067】[実施例17] (17−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール
630重量部に溶解し、メタノール400重量部、水1
00重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%
水溶液27.8重量部と、硬化触媒として2規定塩酸7
mlと、レベリング剤としてフロラードFC430 1
重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるまで十
分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾過
しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (17−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (17−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (17−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0068】[実施例18] (18−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグルタルアルデヒド50%水溶
液5.6重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸0.4重量部と、レベリング剤としてフロラードF
C430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態
になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィ
ルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (18−2)プライマー層用塗布溶液の塗布および硬化 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mmのC
R−39眼鏡用プラスチックレンズを、前処理として6
0℃の10%NaOH水溶液に5分間浸し、温水で洗浄
後乾燥した。このプラスチックレンズの両面上にディッ
ピング法(引き上げ速度100cm/min)にて(1
8−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を塗布し、
塗布したプラスチックレンズを100℃で15分間加熱
処理してプライマー層を形成させた。 (18−3)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (18−2)で形成されたプライマー層上に、実施例5
(5−3)以下と全く同様の手順により、ハードコート
層、反射防止膜を形成し、複合膜を有するプラスチック
レンズを作成した。各性能評価も実施例5と同様に行っ
た。 (18−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0069】[実施例19] (19−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてマロンアルデヒドテトラメチル
アセタール9.1重量部と、硬化触媒として2規定塩酸
70mlと、レベリング剤としてフロラードFC430
1重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるま
で十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで
濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (19−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (19−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (19−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0070】[実施例20] (20−1)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (19−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例7(7−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (20−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0071】[実施例21] (21−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール
630重量部に溶解し、メタノール400重量部、水1
00重量部と、架橋剤としてマロンアルデヒドテトラメ
チルアセタール18.3重量部と、硬化触媒として2規
定塩酸70mlと、レベリング剤としてフロラードFC
430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (21−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (21−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例18(18−2)と全く同様の手順により、
プライマー層を形成し、実施例18(18−3)以下と
全く同様の手順により、ハードコート層、反射防止膜を
形成し、複合膜を有するプラスチックレンズを作成し
た。各性能評価も実施例5と同様に行った。 (21−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0072】[実施例22] (22−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてグリオキサール1.6重量部お
よびグルタルアルデヒド50%水溶液5.6重量部と、
硬化触媒2規定塩酸70mlと、レベリング剤としてフ
ロラードFC430 1重量部を順次加え、この混合物
が均一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメン
ブランフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調
製した。 (22−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (22−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (22−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0073】[実施例23] (23−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン4.2重
量部、グルタルアルデヒド50%水溶液1.1重量部
と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重量
部と、レベリング剤としてフッ素系界面活性剤フロラー
ドFC430 1重量部とを順次加え、この混合物が均
一状態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブラ
ンフィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製し
た。 (23−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成
と評価 (23−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (23−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0074】[実施例24] (24−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン4.2重
量部、グルタルアルデヒド50%水溶液2.8重量部
と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重量
部と、レベリング剤としてフロラードFC430、1重
量部とを順次加え、この混合物が均一状態になるまで十
分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾過
しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (24−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (24−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (24−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0075】[実施例25] (25−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度25%、重合度2,400のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン8.5重
量部、マロンアルデヒドテトラメチルアセタール0.9
1重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
1.2重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部とを順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (25−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (25−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (25−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0076】[実施例26] (26−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてテトラメトキシシラン8.5重
量部、マロンアルデヒドテトラメチルアセタール0.9
1重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸
1.2重量部と、レベリング剤としてフロラードFC4
30 1重量部とを順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (26−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (26−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例(18−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例18(18−3)以下と全く
同様の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成
し、複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各
性能評価も実施例5と同様に行った。 (26−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0077】[実施例27] (27−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン3.
8重量部、グルタルアルデヒド50%水溶液0.56重
量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2
重量部と、レベリング剤としてフロラードFC430
1重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるまで
十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾
過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (27−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (27−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (27−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0078】[実施例28] (28−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン3.
8重量部、グルタルアルデヒド50%水溶液1.1重量
部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2重
量部と、レベリング剤としてフロラードFC430 1
重量部とを順次加え、この混合物が均一状態になるまで
十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾
過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (28−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (28−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例5(5−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例5(5−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (28−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0079】[実施例29] (29−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール400重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部、グルタルアルデヒド50%水溶液0.56重
量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸1.2
重量部と、レベリング剤としてフロラードFC430
1重量部とを順次加え、この混合物が均一状態になるま
で十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで
濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (29−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (29−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)と全く同様の手順により、プラ
イマー層を形成し、実施例7(7−3)以下と全く同様
の手順により、ハードコート層、反射防止膜を形成し、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (29−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0080】[実施例30] (30−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部とグルタルアルデヒド50%水溶液1.1重量
部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸0.5重
量部と、レベリング剤としてフロラードFC430 1
重量部を順次加え、この混合物が均一状態になるまで十
分に攪拌した後、3μmのメンブランフィルターで濾過
しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (30−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (30−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)以下と全く同様の手順により、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (30−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0081】[実施例31] (31−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度25%、平均重合度2,400の
ポリビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール
630重量部に溶解し、メタノール400重量部、水1
00重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン
7.6重量部、マロンアルデヒドテトラメチルアセター
ル0.91重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスル
ホン酸1.2重量部と、レベリング剤としてフロラード
FC430 1重量部を順次加え、この混合物が均一状
態になるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフ
ィルターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (31−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (31−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例7(7−2)以下と全く同様の手順により、
複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各性能
評価も実施例5と同様に行った。 (31−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0082】[実施例32] (32−1)プライマー層用塗布溶液の調製 市販のブチラール化度70%、平均重合度700のポリ
ビニルブチラール樹脂70重量部をn−ブタノール63
0重量部に溶解し、メタノール600重量部、水100
重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシシラン7.
6重量部とマロンアルデヒドテトラメチルアセタール
0.91重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸0.5重量部と、レベリング剤としてフロラードF
C4301重量部を順次加え、この混合物が均一状態に
なるまで十分に攪拌した後、3μmのメンブランフィル
ターで濾過しプライマー層用塗布溶液を調製した。 (32−2)複合膜を有するプラスチックレンズの作成 (32−1)で調製したプライマー層用塗布溶液を用
い、実施例18(18−2)以下と全く同様の手順によ
り、複合膜を有するプラスチックレンズを作成した。各
性能評価も実施例5と同様に行った。 (32−3)プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価 実施例5(5−6)(G)、(H)と同様の手順で評価
した。
【0083】[比較例2]プライマー層用塗布溶液とし
て、ヘキサメチレンジイソシアネートタイプの非ブロッ
ク型ポリイソシアネート(商品名「コロネートHX」日
本ポリウレタン工業(株)製)100重量部と、ポリエ
ステルタイプのポリオール(商品名「ニッポラン12
5」日本ポリウレタン工業(株)製)167重量部と、
硬化触媒としてオクチル酸亜鉛2重量部と、レベリング
剤としてフロラードFC430を0.1重量部、溶媒と
して酢酸エチル500重量部およびメチルエチルケトン
250重量部を均一に混合した溶液を用い、プライマー
の硬化条件が60℃で30分であること以外は、実施例
5と同様の手順で複合膜を有するプラスチックレンズを
作成した。各性能評価も実施例5と同様に行った。
【0084】プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価についても実施例5(5−6)
(G)、(H)と同様の手順で評価した。 [比較例3]プライマー層用塗布溶液として、ブロック
型ポリイソシアネート(商品名「コロネート2529」
日本ポリウレタン工業(株)製)250重量部と、ポリ
エステルタイプのポリオール(商品名「ニッポラン11
00」日本ポリウレタン工業(株)製)180重量部
と、硬化触媒としてオクチル酸亜鉛2重量部と、レベリ
ング剤としてシリコン系界面活性剤1.5重量部、溶媒
としてエチルセロソルブ1000重量部およびメタノー
ル1500重量部を均一に混合した溶液を用い、プライ
マーの硬化条件が130℃で60分であること以外は、
実施例5と同様の手順で複合膜を有するプラスチックレ
ンズを作成した。各性能評価も実施例5と同様に行っ
た。
【0085】プライマー層用塗布溶液の使用時間と染色
レンズの色調変化の評価についても実施例5(5−6)
(G)、(H)と同様の手順で評価した。 [比較例4]実施例5において、プライマー層を形成せ
ず、ハードコート層および反射防止コート層を有するプ
ラスチックレンズを作成し、実施例5と同様の性能評価
を行った。
【0086】
【発明の効果】以上本発明によれば、プラスチックレン
ズ基材とハードコート層との間に、架橋されたポリビニ
ルアセタール樹脂からなるプライマー層を設けることに
より、ハードコート層と反射防止膜の双方が設けられた
プラスチックレンズであっても優れた耐衝撃性を有し、
米国のFDA規格の耐衝撃性試験に十分合格する。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスチックレンズの一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,7・・・反射防止膜 2,6・・・ハードコート層 3,5・・・プライマー層 4・・・プラスチックレンズ基材
フロントページの続き (72)発明者 塩野 博文 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 三浦 義広 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックレンズ基材の両表面上ある
    いは片表面上に架橋されたポリビニルアセタール樹脂か
    らなるプライマー層を設け、続いてその両表面上にハー
    ドコート層を設けたプラスチックレンズ。
  2. 【請求項2】 プラスチックレンズ基材の両表面上ある
    いは片表面上に架橋されたポリビニルアセタール樹脂か
    らなるプライマー層を設け、続いてその両表面にハード
    コート層を設け、更にその両表面上に無機物質による単
    層または多層の反射防止膜を形成したプラスチックレン
    ズ。
  3. 【請求項3】 前記プライマー層に可塑材を共存させた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラ
    スチックレンズ。
  4. 【請求項4】 前記プライマー層が前記基材表面上にポ
    リビニルアセタール樹脂と架橋剤の酸性溶液を塗布し、
    加熱処理することにより形成されたものであることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のプラスチック
    レンズ。
  5. 【請求項5】 前記プライマー層が前記基材表面上にポ
    リビニルアルコールと、アルデヒドと、架橋剤の酸性溶
    液を塗布し、加熱処理することにより形成されたもので
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    プラスチックレンズ。
  6. 【請求項6】 前記架橋剤がジアルデヒド化合物あるい
    はジアルデヒドのアセタール化合物であることを特徴と
    する請求項4または請求項5に記載のプラスチックレン
    ズ。
  7. 【請求項7】 前記架橋剤が加水分解性オルガノシラン
    化合物であることを特徴とする請求項4または請求項5
    に記載のプラスチックレンズ。
  8. 【請求項8】 前記架橋剤がジアルデヒド化合物あるい
    はジアルデヒドのアセタール化合物と、加水分解性オル
    ガノシラン化合物の混合系であることを特徴とする請求
    項4または請求項5に記載のプラスチックレンズ。
  9. 【請求項9】 前記プライマー層の膜厚が、0.05〜
    5μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜8に記
    載のプラスチックレンズ。
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JP2008096300A (ja) * 2006-10-12 2008-04-24 Hoya Corp チタン系ハードコ−トのレンズ基材との密着性能の試験条件決定方法及び試験方法

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