JPH08231807A - プライマー組成物及びプラスチックレンズ - Google Patents

プライマー組成物及びプラスチックレンズ

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JPH08231807A
JPH08231807A JP7040004A JP4000495A JPH08231807A JP H08231807 A JPH08231807 A JP H08231807A JP 7040004 A JP7040004 A JP 7040004A JP 4000495 A JP4000495 A JP 4000495A JP H08231807 A JPH08231807 A JP H08231807A
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JP
Japan
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oxide
group
plastic lens
primer composition
weight
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JP7040004A
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English (en)
Inventor
Sumuto Shimizu
澄人 清水
Osamu Abe
修 阿部
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Priority to PCT/JP1995/000442 priority patent/WO1995025968A1/ja
Priority to DE69529034T priority patent/DE69529034T2/de
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高屈折率用プラスチックレンズ基材とハード
コート層との間にプライマー層を設け、干渉縞の発生し
ない耐衝撃性に優れたプラスチックレンズを提供する。 【構成】 プラスチックレンズ基材両表面上に、ハード
コート層を設けたプラスチックレンズにおいて、少なく
とも一方の前記プラスチックレンズ基材表面と前記ハー
ドコート層との間に、微粒子状無機物を分散含有し、か
つ架橋されたポリビニルアセタール樹脂からなるプライ
マー層を設けたプラスチックレンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性、耐熱性、耐
擦傷性、耐摩耗性等に優れたプラスチックレンズ等にお
いて、基材と耐擦傷性膜(以後、ハードコート層と呼
ぶ)間に施される透明性に優れた被覆層(プライマー層
という)とプライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは軽量、耐衝撃性、
簡易加工性、染色が容易などの長所があり、光学材料、
特に眼鏡用レンズの分野で急速に普及している。しか
し、一般にプラスチックレンズは非常に傷つき易いとい
う欠点を有する。そのため、通常は表面硬度の向上を目
的にプラスチックレンズ基材表面にオルガノシラン系ハ
ードコート処理を施している。さらに、プラスチック基
材と屈折率の異なる主として無機物からなる光学的薄層
をハードコート層の表面に、形成することにより、光の
反射率の低下及び光線透過率の向上をはかり像の重畳
(フレア)によるコントラストの低下あるいは二重結像
(ゴースト)の原因となる光の表面反射を抑制してい
る。
【0003】しかしながら、眼鏡用プラスチックレンズ
は、レンズに対して垂直方向からの衝撃に対して、ガラ
スレンズよりは格段に強いものの、一定以上の衝撃に対
してはレンズ表面にクラックが入ったり割れてしまった
りして、レンズ基材が飛び散る可能性がある。この傾向
は、同一材質でレンズ中心厚が薄いものほど顕著であ
り、またハードコート層、反射防止膜を設けたレンズほ
ど顕著である。なぜなら、レンズ厚が薄くなるほどレン
ズ自体の耐衝撃性が低下することは概念的にも確かなと
ころであり、またハードコート層、反射防止層を設ける
ことによりレンズの柔軟性、つまり衝撃吸収性が急激に
低下するために、耐衝撃性が低下してしまう。
【0004】眼鏡レンズの需要は、より薄くより軽い耐
擦傷性に優れ、フレアやゴーストのない、見やすく目の
疲れないものへとシフトしつつある。そこで視力矯正用
あるいはファッション用あるいはその共用として用いら
れる眼鏡レンズにおいては、耐衝撃性が求められてい
る。アメリカでは、眼鏡を含めた医療機器や医薬品に対
して安全基準を設けており、視力矯正器具である眼鏡レ
ンズについて、Food andDrag Administration(以下、
「FDA」という)という安全基準がある。 FDA基
準によると、プラスチックレンズの上部50インチ(127c
m)のところから、直径5/8インチ(16.3mm)、重さ0.56
オンス(15.9g)の鉄球を落下させ、破片が飛び散らな
いことが要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】発明者は、FDA規格
に合格するプラスチックレンズを提供するために、特願
平7−002288、特願平7−000903に記載さ
れている問題点を解決し、耐衝撃性はもちろんのこと、
ハードコート液に用いられる溶剤に溶解せず、またプラ
イマー液の使用可能時間(ポットライフと呼ばれる)も
実用範囲であり、プラスチックレンズ染色の際、脱色あ
るいは変色といった問題も発生しないといった実用的な
プライマー組成物及びプライマー組成物を用いたプラス
チックレンズを見いだした。
【0006】このプライマー組成物は、眼鏡用プラスチ
ックレンズだけでなく、光学機器用プラスチックレンズ
及びプラスチックパネル等にも用いることができ、耐衝
撃性、耐擦傷性を両立させる点で有効である。プラスチ
ックレンズは様々な環境で用いられており、眼鏡レンズ
の場合は炎天下で自動車内部に放置される場合も少なく
なく、その使用環境を考えれば、100℃程度の耐熱性
は必要であり、プライマー層を塗布したプラスチックレ
ンズの耐熱性の向上が課題となってきた。
【0007】また、これらのプライマー層も屈折率は約
1.50であり、低屈折率用プラスチックレンズ(屈折
率約1.50)にプライマー層又はプライマー層/ハー
ドコート層又はプライマー層/ハードコート層/反射防
止層を施し、眼鏡レンズとして使用した場合は、何等問
題は生じない。しかし、中屈折率用プラスチックレンズ
(屈折率約1.55)あるいは高屈折率用プラスチック
レンズ(屈折率約1.60前後)に前記と同様の層を設
けた場合、レンズ上に干渉縞が生じてしまい、眼鏡レン
ズとして使用すると透過像が見にくくなり、また目も疲
れやすく好ましくない。これは、基材とプライマー層と
の屈折率の差が大きくなり過ぎたためであり、眼鏡用レ
ンズに限らず光学用レンズとして用いる場合には、レン
ズ上の干渉縞をできる限り抑制する工夫が必要となる。
プラスチックレンズ基材とハードコート層の間に有機樹
脂組成物からなるプライマー層を有する構造において
は、プラスチックレンズ基材とプライマー層とハードコ
ート層との間の屈折率差を抑えれば干渉色を抑制でき
る。
【0008】より薄く、より軽量のプラスチックレンズ
を得るためには、非球面形状にするか、より高い屈折率
のプラスチック基材を用いることが必要である。薄さお
よび軽さをより極めるには、高屈折率プラスチック素材
を用いることが有効である。その場合、干渉縞を抑制す
るには、プライマー層及びハードコート層のそれぞれの
屈折率を高屈折率用プラスチックレンズ基材とほぼ同程
度にすることが必要である。
【0009】このように、耐衝撃性、耐熱性に優れ、屈
折率調整も可能であるプライマー層が必要とされてい
る。
【0010】
【課題を解決しようとする手段】本発明者は、前記問題
点を解決のために、鋭意研究を重ねた結果、本発明は第
1に「 少なくとも、(A)一般式(I)
【0011】
【化6】
【0012】(ただし、式中、R1は水素原子または炭
素数1〜20の飽和炭化水素基であり、aはアセタール
基を有する構成単位の分率であり10〜90、bはOH
基を有する構成単位の分率であり10〜90、cはアセ
チル基を有する構成単位の分率であり0〜10、またa
+b+c=100である。)で表されるポリビニルアセ
タールと、(B)一般式(II)
【0013】
【化7】
【0014】(ただし、式中、R2、R3は置換もしくは
非置換の炭素数1〜8の炭化水素基であり、X1は加水
分解基であり、d、eは0から3までの整数である。)
で表される加水分解性オルガノシラン化合物若しくはそ
の加水分解物、又は、一般式(III)
【0015】
【化8】
【0016】(ただし、式中、R4、は炭素数2〜8の
有機基であり、R5、R6は置換もしくは非置換の炭素数
1〜8の炭化水素基であり、X2は加水分解基であり、
f、gは0から2までの整数である。)で表される加水
分解性オルガノシラン化合物若しくはその加水分解物、
又は、一般式(IV)
【0017】
【化9】
【0018】(ただし式中R7は置換もしくは非置換の
炭素数1〜6の炭化水素基である。)で表されるジアル
デヒド化合物若しくはグリオキサール、又は、一般式
(V)
【0019】
【化10】
【0020】(ただし式中R8は置換もしくは非置換の
炭素数1〜6の炭化水素基であり、R9は炭素数1〜4
の飽和炭化水素基である。)で表されるジアルデヒドの
アセタール化合物、の中から選択される少なくとも1種
類の架橋剤と、(C)微粒子状無機物と、(D)有機溶
媒および水とからなるプライマー組成物であって、前記
(A)成分であるポリビニルアセタールの含有率は1〜
30重量%であり、(B)成分である架橋剤の含有率は
0.01〜30重量%であり、(C)成分である微粒子
状無機物を10〜80重量%含有することを特徴とする
プライマー組成物(請求項1)」を提供する。
【0021】また、本発明は第2に「前記プライマー組
成物に、0.002〜20重量%の硬化触媒を分散含有
してなることを特徴とする請求項1記載のプライマー組
成物(請求項2)」を提供する。また、本発明は第3に
「前記ポリビニルアセタールがポリビニルブチラールで
あることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記
載のプライマー組成物(請求項3)」を提供する。
【0022】また、本発明は第4に「前記加水分解性オ
ルガノシランが、加水分解基が炭素数1〜4のアルコキ
シ基であるアルコキシシラン化合物である請求項1〜3
のいずれか1項に記載のプライマー組成物(請求項
4)」を提供する。また、本発明は第5に「前記微粒子
状無機物は、平均粒子径が1〜300nmの酸化アルミ
ニウム、酸化鉄、二酸化珪素、酸化セリウム、酸化タン
グステン、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化ジルコニ
ウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化ベリ
リウムの中から選択される少なくとも1種類又は2種類
以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1記載
のプライマー組成物(請求項5)」を提供する。
【0023】また、本発明は第6に「プラスチックレン
ズ基材両表面上に、ハードコート層を設けたプラスチッ
クレンズにおいて、少なくとも一方の前記プラスチック
レンズ基材表面と前記ハードコート層との間に、微粒子
状無機物を分散含有し、かつ架橋されたポリビニルアセ
タール樹脂からなるプライマー層を設けたプラスチック
レンズ(請求項6)」を提供する。
【0024】また、本発明は第7に「前記ハードコート
層上に反射防止膜を設けたことを特徴とする請求項6記
載のプラスチックレンズ(請求項7)」を提供する。ま
た、本発明は第8に「前記微粒子状無機物は、平均粒子
径が1〜300nmの酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸
化珪素、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化モリブ
デン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化
アンチモン、酸化亜鉛、酸化ベリリウムの中から選択さ
れる少なくとも1種類又は2種類以上の組み合わせであ
ることを特徴とする請求項6又は請求項7記載のプラス
チックレンズ(請求項8)」を提供する。
【0025】以下に、本発明について、さらに詳細に説
明する。ポリビニルアセタール樹脂はアセタール部のア
ルキル基の炭素数が0から20のものが利用でき、好ま
しくは0から10のものである、またアルキル基部分の
炭素鎖は直鎖構造でなくてもかまわず枝分かれがあって
もよい。特に好ましくはアルキル基の炭素数が3である
ポリビニルブチラールである。ポリビニルアセタールの
アセタール化度は10から90%のものが使用でき、好
ましくは20から80%である。ポリビニルアセタール
のアセタール化度が10%未満では耐候性が低下し、衝
撃強度の改善が不十分である。またアセタール化度が9
0%以上のポリビニルアセタールは合成が困難であり、
合成できたとしてもプラスチック基材との密着性の低下
が予測される。
【0026】ポリビニルアセタールの平均重合度は好ま
しくは5,000以下のものであるが、より好ましくは
100から3,000である。ポリビニルアセタールの
平均重合度が5,000より大きくなると、溶媒に溶解
しにくくなると共に、最適アセタール化度のポリビニル
アセタールを合成するのが困難である。また、ポリビニ
ルアセアールの平均重合度が100より小さくなると、
耐衝撃性の改善が不十分となる。プライマー組成物中の
ポリビニルアセタールの含有量は1〜30重量%が好ま
しく、2〜20重量%がより好ましい。ポリビニルアセ
タールの含有量が30重量%より大きくなると、プライ
マー組成物の粘度が高くなりすぎ、プラスチックレンズ
への塗布が困難になり、塗布されたプライマー層が厚く
なったり、塗布面の均一性が失われたりする。また、ポ
リビニルアセタールの含有量が1重量%より小さくなる
と、塗布されたプライマー層が薄いため耐衝撃性が不十
分となる。
【0027】本発明では、ポリビニルアセタール樹脂中
の残存水酸基が架橋に利用でき、またポリアセタール樹
脂中のアセタール結合は酸性条件下にて平衡反応である
ことを利用し、生ずる水酸基を架橋反応に利用すること
ができる。このため、架橋構造を形成するための架橋剤
としては水酸基と反応する官能基を一分子中に2つ以上
もっている分子が使用できる。
【0028】架橋剤としては(1)ジアルデヒド化合物
またはジアルデヒドのアセタール化合物(2)加水分解
性オルガノシラン化合物(3)加水分解性オルガノシラ
ン化合物とジアルデヒド化合物の混合系、または加水分
解性オルガノシラン化合物とジアルデヒドのアセタール
化合物の混合系が用いられる。ジアルデヒド化合物の場
合は、アルデヒド基が触媒の作用によりポリビニルアセ
タール中の水酸基と反応するか、もしくはアルキルアセ
タール基との間のアセタール交換反応により新たにアセ
タール結合を形成する。ジアルデヒド化合物は分子内に
2つのアルデヒド基を有しているため、ポリビニルアセ
タールの分子間もしくは分子内での架橋が行われる。す
なわち3次元的に架橋することが可能である。ジアルデ
ヒドのアセタール化合物の場合は、水および酸性触媒と
の共存下では対応するジアルデヒドとの平衡関係にある
ため、架橋反応機構としてはジアルデヒドの場合と全く
同様であると考えられる。ジアルデヒド化合物またはジ
アルデヒドのアセタール化合物は単独で用いてもよい
し、2種類以上のジアルデヒド化合物を混合して用いて
もよい。前記化合物を例示すると、グリオキサール、グ
ルタルアルデヒド、ヘキサンジアール、2−ヒドロキシ
ヘキサンジアール、マロンアルデヒドテトラメチルアセ
タール、マロンアルデヒドテトラエチルアセタール、グ
ルタルアルデヒドテトラメチルアセタール、グルタルア
ルデヒドテトラエチルアセタールなどである。
【0029】ポリアセタール樹脂溶液中のジアルデヒド
化合物またはジアルデヒドのアセタール化合物の添加量
は0.01〜30重量%が好ましく0.1〜20重量%
が特に好ましい。加水分解性オルガノシラン化合物の場
合は、オルガノシラン化合物中の加水分解基が加水分解
してシラノール基が生成し、触媒の作用と熱によりポリ
ビニルアセタール中の水酸基と脱水縮合することにより
分子間もしくは分子内で架橋が行われる。すなわち3次
元的に架橋が可能である。
【0030】架橋にあずかる分子は、オルガノシラン化
合物の加水分解物またはその縮合物である。オルガノシ
ラン化合物はそのまま添加されてもよいし、あらかじめ
加水分解されたものが添加されてもよい。また、1種類
のオルガノシラン化合物を単独で用いてもよいし、2種
類以上のオルガノシラン化合物を混合して用いてもよ
い。オルガノシラン化合物としては、加水分解基がハロ
ゲン原子であるハロシラン化合物類、加水分解基がカル
ボキシ基であるカルボキシシラン化合物類、加水分解基
がケトオキシム基であるケトオキシムシラン化合物類、
もしくは加水分解基がアルコキシ基であるアルコキシシ
ラン化合物類などが好ましく、アルコキシシラン化合物
類がより好ましい。前記化合物を例示すると、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキ
シシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラ
ン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキ
シシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポ
キシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、プロピルトリメトキ
シシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメ
トキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルト
リメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプ
ロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメト
キシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)トリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル)トリエトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリエト
キシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、1,1−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,
1−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス
(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエ
トキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシ
リル)プロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)
プロパン、2,2−ビス(トリメトキシシリル)プロパ
ン、2,2−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、な
どがあげられる。プライマー組成物中のオルガノシラン
化合物の添加量は0.01〜30重量%、が好ましく、
0.1〜20重量%がより好ましい。
【0031】加水分解性オルガノシラン化合物とジアル
デヒド化合物の混合系、または加水分解性オルガノシラ
ン化合物とジアルデヒドのアセタール化合物の混合系の
場合は、前記記載のジアルデヒド化合物またはジアルデ
ヒドのアセタール化合物の反応と加水分解性オルガノシ
ランの反応と同様な反応が混合系でおこる。プライマー
組成物中のジアルデヒド化合物またはジアルデヒドのア
セタール化合物の添加量としては0.01〜30重量%
であるが、オルガノシラン化合物の50モル%以下が好
ましい。ジアルデヒド化合物またはジアルデヒドのアセ
タール化合物の添加量がオルガノシラン化合物の添加量
の50モル%を越えると耐衝撃性が低下する。
【0032】硬化触媒としては、(1)ジアルデヒド化
合物またはジアルデヒドのアセタール化合物を架橋剤と
する系においては、アルデヒド基とポリビニルアセター
ル中の水酸基とのアセタール化反応を促進するものであ
れば特に制限はない。 (2)加水分解性オルガノシラン化合物を架橋剤とする
系においては、加水分解して生成したシラノール基とポ
リビニルアセタール中の水酸基との脱水縮合を促進する
ものであれば特に制限はない。
【0033】(3)加水分解性オルガノシラン化合物と
ジアルデヒド化合物の混合系、または加水分解性オルガ
ノシラン化合物とジアルデヒドのアセタール化合物の混
合系においては、加水分解性オルガノシラン化合物が加
水分解して生成したシラノール基とポリビニルアセター
ル中の水酸基との脱水縮合、およびジアルデヒド化合物
またはジアルデヒドのアセタール化合物とポリビニルア
セタール中の水酸基とのアセタール化反応を促進するも
のであれば特に制限はない。
【0034】(1)(2)(3)いずれの架橋剤系にお
いても酸性触媒が有効である。例えば、塩酸、硝酸、硫
酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、安息香酸、フタ
ル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキ
ル基の炭素数が1〜18のアルキルベンゼンスルホン酸
などの有機酸、ジブチルスズジラウレート、ジブチルス
ズジオクテート、ジブチルスズジアセテートなどの有機
スズ化合物を用いることができる。特に好ましいのは、
塩酸、硝酸などの無機酸、およびメタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機
酸、および有機スズ化合物である。これらは単独で用い
てもよいし、2種類以上の触媒を混合して用いてもよ
い。プライマー組成物中の硬化触媒の含有量は、0.0
02〜10重量%が好ましく、0.005〜2重量%が
より好ましい。
【0035】そのほか、アセチルアセトンやエチレンジ
アミンを配位子とする金属錯体触媒、過塩素酸金属塩、
或いは固体触媒を用いることも有効である。固体触媒に
は金属、金属酸化物や金属硫化物、または硫酸塩、炭酸
塩などがあるが、前記のような触媒能を有するものであ
れば何でもよい。該触媒は単独で用いてもよいし、二種
類以上の触媒を混合して用いてもよい。また、酸性触媒
と混合して用いてもよい。プライマー組成物中の金属触
媒の添加量としては0.001〜10重量%が好まし
く、0.005〜5重量%がより好ましい。
【0036】プライマー組成物に用いられる溶媒には、
炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類アルコール類、ケト
ン類、エステル類、エーテル類があり、その他公知の溶
媒で、ポリビニルアセタールをよく溶解するものが好ま
しい。特にメタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチルが好ましく、これら
は単独で用いてもよいし、2種類以上の混合溶剤として
用いてもよい。
【0037】プライマー組成物の水の含有量は、架橋剤
にオルガノシラン化合物が含まれる場合はオルガノシラ
ン化合物の加水分解に必要な量として0.1〜20重量
%である。また、架橋剤がジアルデヒド化合物またはジ
アルデヒドのアセタール化合物の場合でも、水を添加し
てもよい。水の含有量が20重量%より大きくなると、
プライマー組成物中の有機溶媒の種類により、塗布され
たプライマー面の平滑性が失われる。また、水の含有量
が0.1重量%より小さくなるとプライマー組成物のポ
ットライフが短くなる。微粒子状無機物には、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化スズ、酸化アンチモン、二酸化ケイ素、酸化
ベリリウム、酸化タングステン等の金属酸化物微粒子が
あり、単独で用いてもよいし、2種類以上の複合微粒子
として用いてもよい。これらの微粒子状無機物を分散含
有させたプライマー組成物をプラスチックレンズ基材表
面にプライマー層として形成した場合、透明性や表面硬
度の点で優れている。
【0038】特に、酸化アルミニウム、酸化チタニウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモンは、プライマー
層の高屈折率化という点では優れている。高屈折率プラ
スチックレンズ基材表面に微粒子状無機物を分散含有さ
せて屈折率調整したプライマー層を形成した場合、干渉
縞が発生しない。微粒子状無機物の分散方法は、揮発性
分散溶媒中に分散体(微粒子状無機物)とビヒクル成分
(基質となる物質、ここではポリビニルアセタール、架
橋剤、酸触媒等からなる)とを混合した後、揮発性分散
媒を蒸発させる方法が最も好ましい。この方法において
重要なことは、分散体とビヒクル成分の相溶性に注意す
ることである。分散体である微粒子状無機物は、一般的
に酸、アルカリあるいは界面活性剤等に敏感であり、こ
れらの環境に相溶性がない場合は微粒子状無機物が凝固
したり分散体〜ビヒクル成分混合溶液が増粘するといっ
た問題を生じてしまう。また、凝固あるいは増粘が生じ
る原因には、分散体とビヒクル成分の混合方法がある。
攪拌が不十分な場合、溶液中に分散体が均一に分散せず
部分的に凝固あるいは増粘などの現象が起こりやすい。
回転子とマグネティックスターラーを用いて攪拌しなが
ら、徐々に分散体を添加するのが望ましい。
【0039】本発明にかかるプライマー組成物を調製す
る際、微粒子状無機物は良好な分散特性を示し、凝固、
増粘といった問題は生じなかった。微粒子状無機物は、
微細粉末状のものを使用することもできるが、市販の水
または有機溶媒に分散した微粒子状無機物ゾルが用いら
れる。微粒子の平均粒子径は1〜300nmくらいのも
のが望ましく、好ましくは1〜50nmである。1nm
未満ではプライマー層の屈折率の向上を期待し難く、3
00nmを越えるとプライマー層が乱反射しやすく、散
乱光強度が強くなってしまうので曇現象が発生する。
【0040】本発明において、プライマー組成物中に含
まれる金属酸化物からなる微粒子状無機物の添加量は、
ポリビニルアセタール樹脂固形分に対して5〜200重
量%である。この添加量は、用いるプラスチック基材の
熱膨張係数および屈折率と、ハードコート層の熱膨張係
数および屈折率を考慮して決定される。硬化したプライ
マー層の熱膨張率が、プラスチックレンズ基材およびハ
ードコート層のほぼ中間になるように、また、屈折率が
両者とほぼ同等になるように添加量を調整するとよい。
【0041】揮発性分散媒として用いられるものとして
は、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール
類、ケトン類、エステル類、エーテル類そのほか公知の
溶媒を使用することができるほか、これらの溶媒は単独
で用いてもよいし、二種類以上の混合物としても用いる
ことができる。プライマー組成物を調製する際に、ポリ
ビニルアセタールの溶解に有機溶媒を用いており、ポリ
ビニルアセタール樹脂溶解用溶媒と微粒子状無機物の分
散媒が同一か、あるいは樹脂溶解用溶媒に含まれている
ものの少なくとも一種類であればより好ましい。
【0042】その他、プライマー組成物中には純水を含
有させるほか、プライマー塗布時の表面状態改善を目的
とした各種レベリング剤、あるいは耐候性向上のための
紫外線吸収剤や酸化防止剤、さらに染料、顔料、フォト
クロミック染料や同顔料、その他付加機能を高めたりあ
るいは新規機能を付加するための添加剤等を添加するこ
ともできる。純水およびレベリング剤添加の詳細につい
ては、特願平7−002288号や特願平7−0009
03に開示した。
【0043】前記条件にて調製したプライマー組成物
は、プラスチックレンズ基材表面にスピンコート法ある
いはディップ法により形成される。膜厚は0.5〜3μ
mが好ましく、1〜2μmがより好ましい。プライマー
層を形成する際に、プラスチックレンズ基材とプライマ
ー層の密着性を向上させるために、プラスチックレンズ
基材に表面処理を施す。表面処理方法には一般に、「ケ
ン化処理」と「プラズマ処理」がある。ケン化処理と
は、大きなゴミを除去(ブツ取りという)したプラスチ
ックレンズを、約10重量%水酸化ナトリウム水溶液、
約60℃条件下において5分間程度浸漬し、その後、水
で予備洗浄し、さらに界面活性剤、純水等で構成される
洗浄工程で洗浄する。
【0044】一方、プラズマ処理とは、プラスチックレ
ンズ基材表面を酸素プラズマに接するように設置し、プ
ラスチック表面をプラズマ中の酸素イオンあるいは酸素
ラジカルと反応させ、表面を改質する方法である。ま
た、表面処理方法とは別に、密着性を向上させる効果を
有する物質を基板表面に成膜する方法もある。この物質
にはシランカップリング剤およびチタンカップリング剤
がある。
【0045】プライマー層の上には、耐擦傷膜としてハ
ードコート層を設けることができる。ハードコート膜の
成膜方法としては、オルガノアルコシシランの加水分解
物、金属酸化物微粒子、および金属錯体触媒を溶解した
ハードコート液をディッピング法あるいはスピンコート
法により塗布した後加熱硬化する湿式法、あるいは化学
的気相成長法(CVD法ともいう)などの乾式法など公
知の方法を用いることができる。
【0046】乾式法は、その表面硬度が湿式法の膜に比
べて高いため耐擦傷性に特に優れており、また湿式法の
ように下層物質に対する侵食も考慮する必要もなく、よ
り幅広い物質との多層化が可能である。この成膜方法は
半導体製造技術の進歩とともに急速に発展した技術であ
り、近年ほかの分野への応用についても盛んに開発され
ている。乾式法とは、蒸着法、スパッタリング法、化学
気相成長法(CVD法ともいわれる)等を用いるもので
あり、なかでも低温プラズマCVD法が適していると思
われる。材料ガスにはシラン系ガス(モノシラン、ジク
ロロシラン等)と水素ガスあるいは窒素ガス、アンモニ
アガス等を一定の流量比にて試料チャンバー内にて混合
させ、SiOx、SiNx等の膜を成膜する。ガス反応
温度はプラスチック基材への影響を考慮して、80〜1
00℃程度として成膜した。なお先に説明したように、
低温プラズマCVD法で成膜されたハードコート層は有
機系ハードコート層に比べて、より緻密で硬いことが大
きな特徴である。それ故にCVD膜の膜残留応力は極め
て大きく、またプラスチック基材あるいはプライマー層
に比べて線形熱膨張率は一桁小さい。これらの膜残留応
力、熱応力(線形熱膨張係数)はその膜構造に大きく依
存する。膜構造には成膜条件が大きく影響するため、成
膜条件の設定は非常に重要である。それは、ハードコー
ト層の膜残留応力、熱応力等がプラスチックレンズの耐
熱性、耐衝撃性などにも大きく影響するためである。
【0047】反射防止膜は、光学理論に基づいた単層あ
るいは多層構造の膜が採用される。材料としては、Si
O、SiO2、Al23、Y23、Yb23、CeO3
Ta 23、TiO2、MgF2、ZrO2などの無機誘電
体が使用され、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法等で成膜する。さらに必要に応じて、
反射防止膜層の上層に汚れ付着防止、水ヤケ防止を目的
として、側鎖にアルキル基、フェニル基、ポリフルオロ
アルキル基などの疎水性基を有する有機ケイ素化合物ま
たはフッ化含有炭化水素化合物の超薄膜を形成すること
も可能である。
【0048】
【作用】本発明によるプライマー組成物は使用可能時間
(ポットライフ)が長く、比較的低温かつ短時間で加熱
処理することにより硬化可能で、密着性、平滑性に優れ
た被膜を形成することができる。本発明におけるプライ
マー層が高度な弾性率と高度な柔軟性を合わせ持つた
め、プラスチックレンズにたいして何らかの衝撃があっ
た際にそのエネルギーを吸収する役割を担っている。
【0049】また本発明におけるプライマー層は3次元
的な架橋構造をとっているため、湿式法によりハードコ
ート層を形成する際に、ポリビニルアセタールその他の
物質がハードコート液に溶解し、ハードコート液を汚染
することもない。さらに本発明におけるプライマー組成
物の主剤であるポリビニルアセタールの適度な水酸基
と、プラスチックレンズ表面の極性基との水素結合によ
りプライマー層とプラスチックレンズとの十分な密着性
を達成し、ポリビニルアセタールの適度な水酸基と、ハ
ードコート層中のシラノール基との反応によりプライマ
ー層とハードコート層との十分な密着性を達成している
ものと考えられる。
【0050】本発明によるプライマー組成物は、屈折率
の調製を担った微粒子状無機物を分散含有しているの
で、プラスチックレンズ基材とハードコート層の間に設
けても、干渉縞が発生しない。本発明によるプライマー
層を低屈折率プラスチックレンズ基材表面に設けた場合
でも、耐衝撃性、耐擦傷性はもとより耐熱性は著しく向
上した。これは、プライマー層の熱特性がプラスチック
レンズ基材とハードコート層の熱特性のほぼ中間である
ため、プラスチックレンズ基材の熱応力を最小限に抑制
できるからである。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこの実施例に限定されるものではない。 [実施例1] (1ー1)プライマー組成物の調製 市販のブチラール化度約25%、平均重合度2,400
ポリビニルブチラール樹脂(和光純薬(株)製)70重
量部をn-ブタノール630重量部に溶解し、五酸化アン
チモン微粒子メタノール溶媒分散品(日産化学(株)
製)150重量部を徐々に添加する。攪拌には回転子と
マグネティックスターラーを用いた。さらに水100重
量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシラン8.5重
量部と、硬化触媒としてp-トルエンスルホン酸1.2重
量部とレベリング剤としてフロラードFC430 1重
量部を順次加え、この混合物が均一状態になるまで十分
に攪拌した後、0.2μmのメンブレンフィルターで濾
過し、塗布用プライマー組成物を調製した。調製したプ
ライマー組成物の屈折率は約1.48であった。
【0052】(1ー2)プライマー組成物の塗布および
硬化 度数が−4.25ジオプタで、中心厚が1.0mm、屈折
率1.61のNLIII((株)ニコン製品名)眼鏡用プラ
スチックレンズに、まずプライマー層の密着性強化を目
的として、プラズマ処理を施した。処理はヤマト科学
(株)製「プラズマリアクターPR501A」を用い、
その条件は酸素ガス圧力約0.2Toor、RF出力
200W、処理時間30秒間とした。その後、前記高屈
折率プラスチックレンズの凹面上に(1ー1)にて調製
したプライマー組成物をスピンコート法で塗布した。ス
ピンコート条件は一次回転数500rpmで5秒間、二次
回転数2,000rpmで10秒間とし、プライマー層厚を
おおよそ1μmとした。その後、プライマーを塗布した
該高屈折率プラスチックレンズを加熱炉に入れ、90℃
で30分間加熱処理し、プライマー組成物を硬化させ
た。硬化後のプライマー層の屈折率は約1.60であっ
た。
【0053】(1ー3)オルガノシラン系高屈折率ハー
ドコート液の調製 回転子を備えた反応容器中に、γーグリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン180重量部を仕込み、マグネチ
ックスターラーを用いてしっかり攪拌しながら、0.0
1規定塩酸水溶液40重量部を一度に添加した。添加直
後は不均一溶液であったが、数分で発熱しながら均一で
透明な溶液になった。さらに1時間攪拌して加水分解さ
せ、部分的に縮合した加水分解物を得た。
【0054】上記の加水分解物に市販の酸化スズゾル
(メタノール分散系、平均粒子径10〜15nm)を6
30重量部と、硬化触媒としてエチレンジアミン四酢酸
アルミニウム4重量部と、レベリング剤としてシリコン
系界面活性剤であるフロラードFC430を0.45重
量部添加し、十分に攪拌した後、3μmのメンブレンフ
ィルターで濾過し、ハードコート液を調製した。調製し
たハードコート液の屈折率は約1.49であった。
【0055】(1ー4)ハードコート液の塗布および硬
化 (1ー2)で得られたプライマー層を有するプラスチッ
クレンズの両面に、(1ー3)で得られたオルガノシラ
ン系ハードコート液をディッピング法(引き上げ速度1
00cm/min)にて塗布した。塗布したレンズを8
0℃で4時間加熱処理してハードコート層を硬化させ
た。硬化させたハードコート層の屈折率は約1.60で
あった。
【0056】(1ー5)反射防止膜の形成 (1ー4)で得られたプライマー層およびハードコート
層を有するプラスチックレンズの両面に、二酸化ケイ
素、酸化ジルコニウムからなる5層の反射防止膜を真空
蒸着法にて形成した。 (1ー6)前記複合膜を有するプラスチックレンズの性
能評価 得られたプライマー層を有し更にハードコート層および
反射防止層の双方を有する(以下、「複合膜」と呼ぶ)
プラスチックレンズの性能の評価は次に示す方
【0057】法で行った。 評価結果は表1に示す。 1)プライマー層の基板に対する密着性 膜の密着性を評価するために、クロスハッチテープテス
トをJIS規格に基づき次の要領で実施した。コーティ
ング層表面にカッターナイフで1mm角の碁盤目(10
0マス)を作り、その後セロハン粘着テープ(商品名
「セロテープ」ニチバン(株))を強く張り付けた後、
テープの一端を持ち、90°方向に勢いよく剥すことを
10回繰り返した。その後、コーティング層表面の碁盤
目状セロテープがレンズ表面から何個剥ぎ取られずに残
っているかを数え、剥がれなかった碁盤目状テープの数
を「X」として表した。この場合、Xが大きいほど密着
性がよいということになる。すなわち、クロスハッチテ
ープテストの結果が「100」であれば、プライマー層
がまったく剥離しなかったことを示している。
【0058】2)耐擦傷性 基材側から順にプライマー層、ハードコート層、反射防
止膜を有するプラスチックレンズ表面を、スチールウー
ル(#0000)で600gの荷重を作用させて30回
こすったときの傷の入り具合を次のような基準で評価し
た。 A:傷の入った面積が10%以内。
【0059】 B:傷の入った面積が10%を越え、30%以内。 C:傷の入った面積が30%以上。 3)耐衝撃性 基材側から順にプライマー層、ハードコート層、反射防
止膜を有するプラスチックレンズの耐衝撃性は、剛球落
下試験により評価した。FDAに規定されている条件よ
り約26%重い、20.0gの剛球を使い、127cm
の高さからプラスチックレンズの中心部に向かって自然
落下させ、プラスチックレンズが割れるかまたはクラッ
クが入る一回前の回数をレンズの耐衝撃度の目安とし、
最高5回まで落下させた。
【0060】4)耐熱性 基材側から順にプライマー層、ハードコート層、反射防
止膜からなる複合膜を有するプラスチックレンズの耐熱
性評価は、高温環境下におけるクラック発生温度および
その外観とその経時変化から評価を行った。具体的に
は、恒温炉中に複合膜を有するプラスチックレンズを1
0分間放置の後、常温環境下に取り出し、そのときのク
ラックの発生の有無、およびクラックの太さとその経時
変化を調べた。評価は次の基準で行った。なお、微細ク
ラックとは、クラック発生を確認できるが15分放置で
消失したもの、中太クラックとは、クラック発生確認後
15分間放置しても消失しないものとした。
【0061】 A:100℃10分間環境下でクラック発生せず。 B:100℃10分間環境下で微細クラック発生。 C:100℃10分間環境下で中太クラック発生。 5)耐候性 基材側から順にプライマー層、ハードコート層、反射防
止膜を有するプラスチックレンズの耐候性は、紫外線ロ
ングライフフェードメーター(スガ試験機(株)製)を
用いて300時間の耐候性試験を行い、その後のレンズ
の黄変度を測定した。評価は次のような基準で行った。
【0062】A:300時間後の黄変度 2.0未満 B:300時間後の黄変度 2.0以上2.5未満 C:300時間後の黄変度 2.5以上 6)耐薬品性 基材側から順にプライマー層、ハードコート層、反射防
止膜を有するプラスチックレンズの耐薬品性は、pH1
の塩酸水溶液およびpH12の水酸化ナトリウム水溶液
を用い、各溶液に8時間浸漬し、その後のプラスチック
レンズ表面の状態変化を調べた。評価は次のような基準
で行った。
【0063】A:酸性、アルカリ性双方に侵されない。 B:酸性、アルカリ性どちらか一方に侵される。 C:酸性、アルカリ性双方に侵される。 7)外観 基材側から順にプライマー層、ハードコート層、反射防
止膜を有するプラスチックレンズの外観は、暗室にて蛍
光灯の光を当て、目視で透明度を観察した。評価は次の
ような基準で行った。
【0064】A:クモリなし B:クモリが少し目立つ C:クモリがはっきり目立つ [実施例2] (2ー1)プライマー組成物の調製 市販のブチラール化度約70%、平均重合度700ポリ
ビニルブチラール樹脂(和光純薬(株)製)70重量部
をn-ブタノール630重量部に溶解し、酸化スズ微粒子
と酸化タングステン微粒子からなる複合ゾルのメタノー
ル溶媒分散品(日産化学(株)製)300重量部を徐々
に添加する。攪拌には回転子とマグネティックスターラ
ーを用いた。さらに水100重量部と、架橋剤としてメ
チルトリメトキシラン8.5重量部と、硬化触媒としてp
-トルエンスルホン酸1.2重量部とレベリング剤として
フロラードFC430 1重量部を順次加え、この混合
物が均一状態になるまで十分に攪拌した後、0.2μm
のメンブレンフィルターで濾過し、塗布用プライマー組
成物を調製した。調製したプライマー組成物の屈折率は
約1.46であった。
【0065】(2ー2)プライマー組成物の塗布および
硬化 度数が−3.25ジオプタで、中心厚が1.0mm、屈折
率1.61のNLIII((株)ニコン製品名)眼鏡用プラ
スチックレンズに、まず(1ー1)同様、プライマー層
の密着性強化を目的としたプラズマ処理を施した。その
後、同処理した高屈折率プラスチックレンズの凹面上に
(2ー1)にて調製したプライマー組成物をスピンコー
ト法で塗布した。スピンコート条件は一次回転数500
rpmで5秒間、二次回転数2,000rpmで10秒間と
し、プライマー層厚をおおよそ1μmとした。その後、
プライマーを塗布した該高屈折率プラスチックレンズを
加熱炉に入れ、90℃で30分間加熱処理し、プライマ
ー組成物を硬化させた。硬化後のプライマー層の屈折率
は約1.59であった。
【0066】(2ー3)オルガノシラン系高屈折率ハー
ドコート液の調製 (1ー3)同様の組成および方法で高屈折率ハードコー
ト液を調製した。 (2ー4)ハードコート液の塗布および硬化 (1ー4)同様の方法、条件にてハードコート液を塗布
および硬化させた。 (2ー5)反射防止膜の形成 (1ー5)と同様の方法、条件にて反射防止膜を形成し
た。
【0067】(2ー6)複合膜を有するプラスチックレ
ンズの性能評価
【0068】(1ー6)と同様の性能評価を行った。評
価結果は表1に示す。 [実施例3] (3ー1)プライマー組成物の調製 市販のブチラール化度約70%、平均重合度700のポ
リビニルブチラール樹脂(和光純薬(株)製)70重量
部をn-ブタノール630重量部に溶解し、二酸化ケイ素
微粒子メタノール溶媒分散品(日産化学(株)製)50
重量部を徐々に添加する。この時、回転子とマグネティ
ックスターラーを用いてしっかりと攪拌しながら添加し
た。さらに水100重量部と、架橋剤としてメチルトリ
メトキシシラン8.5重量部とグルタルアルデヒド1重
量部、硬化触媒としてp-トルエンスルホン酸1.2重量
部とレベリング剤としてフロラードFC430 1重量
部を順次加え、この混合物が均一状態になるまで十分に
攪拌した後、0.2μmのメンブレンフィルターで濾過
し、塗布用プライマー組成物を調製した。調製したプラ
イマー組成物の屈折率は約1.41であった。
【0069】(3ー2)プライマー組成物の塗布および
硬化 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mm、屈折
率1.56のDXII((株)ニコン製品名)眼鏡用プラ
スチックレンズに、まずプライマー層の密着性強化のた
めのプラズマ処理を施した。プラズマ処理の条件は、ア
ルゴンガス圧力約0.2Toor、RF出力 200
W、処理時間30秒間とした。
【0070】その後、プライマーの基材に対する密着性
を補強することを目的として、該プラスチックレンズ基
材上にシランカップリング剤であるヘキサメチルジシラ
ザンを成膜した。成膜は、約1Torr、110℃、ヘ
キサメチルジシラザン雰囲気中に、該プラスチックレン
ズ基材を3分間置いた。上記表面処理した中屈折率プラ
スチックレンズの凹面上に(3ー1)にて調製したプラ
イマー組成物をスピンコート法で塗布した。スピンコー
ト条件は一次回転数500rpmで5秒間、二次回転数2,
000rpmで10秒間とし、プライマー層厚をおおよそ
1.5μmとした。その後、プライマー組成物を塗布し
た該中屈折率プラスチックレンズを加熱炉に入れ、90
℃で30分間加熱処理し、プライマー組成物を硬化させ
た。
【0071】なお、硬化させたプライマー層の屈折率は
約1.54であった。 (3ー3)オルガノシラン系低中屈折率ハードコート液
の調製 回転子を備えた反応容器中に、γーグリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン180重量部を仕込み、マグネチ
ックスターラーを用いてしっかり攪拌しながら、0.0
1規定塩酸水溶液40重量部を一度に添加した。添加直
後は不均一溶液であったが、数分で発熱しながら均一で
透明な溶液になった。1時間攪拌を行って加水分解さ
せ、部分的に縮合した加水分解物を得た。
【0072】上記の加水分解物に市販のシリカゾル(日
産化学(株)製、メタノール分散系、平均粒子径10〜
20nm)を630重量部と、硬化触媒としてアセチル
アセトンアルミニウム4重量部と、レベリング剤として
シリコン系界面活性剤であるフロラードFC430を
0.45重量部添加し、十分に攪拌した後、3μmのメ
ンブレンフィルターで濾過し、ハードコート液を調製し
た。調製したハードコート液の屈折率は約1.44であ
った。
【0073】(3ー4)ハードコート液の塗布および硬
化 (3ー2)で得られたプライマー層を有するプラスチッ
クレンズの両面に、(3ー3)で得られたオルガノシラ
ン系ハードコート液をスピンコート法(一次回転数50
0rpmで5秒間、二次回転数1,000rpmで10
秒間)にて片面に塗布後に硬化させ、さらにもう片面に
塗布後にもう一度硬化させた。硬化条件は80℃で4時
間加熱処理することとした。硬化させたハードコート層
屈折率は約1.53であった。
【0074】(3ー5)反射防止膜の形成 (1ー5)と同様の方法、条件にて反射防止膜を形成し
た。 (3ー6)複合膜を有するプラスチックレンズの性能評
【0075】(1ー6)と同様の性能評価を行った。評
価結果は表1に示す。 [比較例1] (比1ー1)プライマー組成物の調製 市販のブチラール化度約25%、平均重合度700のポ
リビニルブチラール樹脂(和光純薬(株)製)70重量
部をn-ブタノール630重量部に溶解し、しっかりと攪
拌した。さらに水100重量部と、架橋剤としてγーグ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン8.5重量部と
グルタルアルデヒド1重量部、硬化触媒としてp-トルエ
ンスルホン酸1.2重量部とレベリング剤としてフロラ
ードFC430 1重量部を順次加え、回転子およびマ
グネティックスターラーを用いてこの混合物が均一状態
になるまで十分に攪拌した後、0.2μmのメンブレン
フィルターで濾過し、塗布用プライマー組成物を調製し
た。調製したプライマー組成物の屈折率は約1.38で
あった。
【0076】(比1ー2)プライマー液の塗布および硬
化 (3ー2)同様の方法、条件でプライマー組成物の塗布
および硬化を行った。 (比1ー3)オルガノシラン系低屈折率ハードコート液
の調製 (3ー3)同様の組成および方法で低屈折率ハードコー
ト液を調製した。 (比1ー4)ハードコート液の塗布および硬化 (3ー4)同様の方法、条件にてハードコート液を塗布
および硬化させた。
【0077】(比1ー5)反射防止膜の形成 (1ー5)同様の方法、条件にて反射防止膜を形成し
た。 (比1ー6)複合膜を有するプラスチックレンズの性能
評価
【0078】(1ー6)同様の性能評価を行った。評価
結果は表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】本発明によって得られるプライマー層を
所定の方法で施したプラスチックレンズについて、以下
に示す効果がある。 (1)非球面設計したレンズのような薄くて軽いプラス
チックレンズにおいても、米国FDA衝撃試験に合格
し、従来品より壊れにくく高温環境下においてもクラッ
クの入りにくいプラスチックレンズを提供できる。
【0081】(2)耐衝撃性のほか、耐熱性が著しく向
上したため、かなり過酷な熱的環境下における使用にも
耐え得る。よって、傷つき難く、熱的に安定なプラスチ
ックレンズおよびパネルを市場に供給できる。 (3)微粒子状無機物の添加比率を調整することによ
り、あらゆる屈折率のプライマー組成物を調製でき、耐
衝撃性も格段に向上することから、高屈折率プラスチッ
クレンズの外観、耐熱性ともに問題ない、米国FDA衝
撃試験に合格する、より薄くて軽く壊れにくいプラスチ
ックレンズを提供できる。
【0082】近年、プラスチックレンズに施されている
ハードコート層の耐擦傷性、耐摩耗性をより向上させる
必要性が大きくなり、新規組成あるいは新規構造を有す
るハードコート層の開発が行われている。この次世代ハ
ードコート層はより緻密化する方向へ開発が進められて
おり、プラスチックレンズ基材とハードコート層の熱的
挙動は、よりかけ離れることになってしまい、耐熱性は
より低下することになる。このような場合でも本発明に
よるプライマー層を設ければ、耐衝撃性、耐擦傷性のほ
か、耐熱性も向上させたレンズを提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02C 7/02 G02B 1/10 A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、(A)一般式(I) 【化1】 (ただし、式中、R1は水素原子または炭素数1〜20
    の飽和炭化水素基であり、aはアセタール基を有する構
    成単位の分率であり10〜90、bはOH基を有する構
    成単位の分率であり10〜90、cはアセチル基を有す
    る構成単位の分率であり0〜10、またa+b+c=1
    00である。)で表されるポリビニルアセタールと、
    (B)一般式(II) 【化2】 (ただし、式中、R2、R3は置換もしくは非置換の炭素
    数1〜8の炭化水素基であり、X1は加水分解基であ
    り、d、eは0から3までの整数である。)で表される
    加水分解性オルガノシラン化合物若しくはその加水分解
    物、 又は、一般式(III) 【化3】 (ただし、式中、R4、は炭素数2〜8の有機基であ
    り、R5、R6は置換もしくは非置換の炭素数1〜8の炭
    化水素基であり、X2は加水分解基であり、f、gは0
    から2までの整数である。)で表される加水分解性オル
    ガノシラン化合物若しくはその加水分解物、 又は、一般式(IV) 【化4】 (ただし式中R7は置換もしくは非置換の炭素数1〜6
    の炭化水素基である。)で表されるジアルデヒド化合物
    若しくはグリオキサール、 又は、一般式(V) 【化5】 (ただし式中R8は置換もしくは非置換の炭素数1〜6
    の炭化水素基であり、R9は炭素数1〜4の飽和炭化水
    素基である。)で表されるジアルデヒドのアセタール化
    合物、の中から選択される少なくとも1種類の架橋剤
    と、(C)微粒子状無機物と、(D)有機溶媒および水
    とからなるプライマー組成物であって、 前記(A)成分であるポリビニルアセタールの含有率は
    1〜30重量%であり、(B)成分である架橋剤の含有
    率は0.01〜30重量%であり、(C)成分である微
    粒子状無機物を10〜80重量%含有することを特徴と
    するプライマー組成物。
  2. 【請求項2】 前記プライマー組成物に、0.002〜
    20重量%の硬化触媒を分散含有してなることを特徴と
    する請求項1記載のプライマー組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリビニルアセタールがポリビニル
    ブチラールであることを特徴とする請求項1〜2のいず
    れか1項に記載のプライマー組成物。
  4. 【請求項4】 前記加水分解性オルガノシランが、加水
    分解基が炭素数1〜4のアルコキシ基であるアルコキシ
    シラン化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載
    のプライマー組成物。
  5. 【請求項5】 前記微粒子状無機物は、平均粒子径が1
    〜300nmの酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化珪
    素、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化モリブデ
    ン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化ア
    ンチモン、酸化亜鉛、酸化ベリリウムの中から選択され
    る少なくとも1種類又は2種類以上の組み合わせである
    ことを特徴とする請求項1記載のプライマー組成物。
  6. 【請求項6】 プラスチックレンズ基材両表面上に、ハ
    ードコート層を設けたプラスチックレンズにおいて、 少なくとも一方の前記プラスチックレンズ基材表面と前
    記ハードコート層との間に、微粒子状無機物を分散含有
    し、かつ架橋されたポリビニルアセタール樹脂からなる
    プライマー層を設けたプラスチックレンズ。
  7. 【請求項7】 前記ハードコート層上に反射防止膜を設
    けたことを特徴とする請求項6記載のプラスチックレン
    ズ。
  8. 【請求項8】 前記微粒子状無機物は、平均粒子径が1
    〜300nmの酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化珪
    素、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化モリブデ
    ン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化ア
    ンチモン、酸化亜鉛、酸化ベリリウムの中から選択され
    る少なくとも1種類又は2種類以上の組み合わせである
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7記載のプラスチ
    ックレンズ。
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