JPH07304078A - 射出成形機の段取り誤り検出方法 - Google Patents

射出成形機の段取り誤り検出方法

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JPH07304078A
JPH07304078A JP12077794A JP12077794A JPH07304078A JP H07304078 A JPH07304078 A JP H07304078A JP 12077794 A JP12077794 A JP 12077794A JP 12077794 A JP12077794 A JP 12077794A JP H07304078 A JPH07304078 A JP H07304078A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 金型の装着および樹脂の投入ミスの有無を確
実に検出する。 【構成】 複数の射出成形機を管理する管理システムに
金型コードや樹脂コードと成形条件および基準圧力波形
のデータPi を対応させて記憶させておく。スケジュー
ル運転で金型コードを指定された金型を取り付けて指定
された樹脂コードの樹脂で射出成形作業を行い、射出圧
力波形の実測値Ai を検出する。検出された射出圧力波
形Ai と指定された金型コードおよび樹脂コードに対応
して記憶された基準圧力波形Pi とを比較し、両者が概
ね一致すれば、つまり、不良サンプル数積算カウンタk
の値が判別基準値bの範囲内にあれば、取付けられてい
る金型および投入されている樹脂が指定された金型およ
び樹脂と一致していると判定し、また、それ以外の場合
は不一致として判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機の段取り誤
り検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の射出成形機の運転スケジュールを
集中管理する管理システムや射出成形機の制御装置等に
金型コードと成形条件とを対応させて記憶させておき、
作業対象となる金型の金型を識別する記号やバーコード
や彫印等の金型コードおよび成形条件を指定して射出成
形機の運転スケジュールを管理するようにした射出成形
機が既に公知である。スケジュール運転の実施に際して
は運転スケジュールで指定された金型コードに対応した
成形条件が管理システムや制御装置のデータ記憶部から
射出成形機に自動的に設定されるが、金型および樹脂の
交換それ自体は、管理システムや制御装置等で指定され
た金型コードに基き、作業者自ら、または、金型自動交
換装置や材料交換装置によりこれを行う必要がある。従
って、作業者が誤った金型を装着してしまったような場
合や金型自動交換装置のストッカに金型の入れ違いが生
じていたような場合および樹脂の入れ違いが生じていた
ような場合では、金型の付け違いや樹脂の入れ違いに気
付かずにそのまま成形作業を開始してしまうといった恐
れがある。
【0003】この際、スケジュールにある金型の成形条
件と誤って装着された金型の成形条件との間に著しい相
違があれば、成形作業自体が不能となるため作業者は否
応なしに取付けの誤りに気付くが、似たような成形条件
が適用できる別の金型が誤って装着されたような場合で
は、なまじ成形作業の継続が可能であるがために金型の
取付けミスに気付くことが難しく、誤った金型でそのま
ま成形作業を継続してしまって材料と時間が全くの無駄
になるといったことがしばしばある。また、実際に装着
されている金型に対して必ずしも適切ではない成形条件
で成形作業を継続して行うと、中子の折れや破断等を始
めとする損傷が金型内に生じる恐れがあり、実際の必要
に迫られた時にその金型(誤使用された金型)を使用で
きなくなるといった問題もある。また、投入すべき樹脂
を誤った場合もこれと同様で、スケジュールにあるシリ
ンダ温度の設定条件で成形作業自体に著しい支障をきた
せば樹脂の入れ違いに気付くが、似たような温度条件が
適用できる他の樹脂が誤って投入されるとこれに気付く
ことは難しく、結果的に、誤った樹脂でそのまま成形作
業を継続して材料と時間を無駄にすることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金型の付け違いを予防
するための方法としては、金型のモールドベースに金型
コードを直接彫り込んでおいて必要に応じて作業者がこ
れを確認する方法、および、モールドベースに貼着され
たラベル等にバーコードで金型コードを記入しておき作
業者または金型自動交換機が必要に応じてこれを光学検
出手段で検出する方法等があったが、いずれも、モール
ドベース自体に識別のための属性を与えるものに過ぎ
ず、金型の内容を特定するための手段としては不十分で
あり、前述のような金型装着の誤りを完全に回避するこ
とは困難で、特に、金型のメンテナンスや修理等のため
に分解および再組み立てを行ったような場合や、プラグ
やコネクタ等の電気製品をシリーズ化して生産するため
のユニットベース構造等を適用したような場合には様々
な問題を生じることにもなる。
【0005】なお、ここでいうユニットベース構造と
は、単種もしくは複数種のコアブロックやキャビティブ
ロックおよびランナーブロックやコッターブロック等を
多数用意しておき、規格化された同一形状のモールドベ
ース上のポケットに様々な組み合わせでこれらを配置固
定することにより、シリーズ化されたプラグやコネクタ
等のピン数の相違や取り数の相違に対処するための技術
のことであり、例えば、コアブロックおよびキャビティ
ブロックの各組の積層数を変えると共に、これによって
生じるゲート位置のズレ等に対応してランナーブロック
のゲート位置を組み変えたりコッターブロックの幅を選
択することにより任意のピン数のプラグやコネクタ等を
成形することができ、更には、ピン数によって変わる製
品の大きさに応じて1つのユニットベースを4ピン12
個取りとか16ピン4個取り等に変更することも可能で
ある。いうまでもないことではあるが、前述の説明にお
けるコアブロックとは製品の形状に関与する可動側金型
の入れ子の1単位であり、また、キャビティブロックと
は製品の形状に関与する固定側金型の入れ子の1単位を
示す。ランナーブロックとは可動側金型に取付けられる
か固定側金型に取付けられるかを問わずランナーやゲー
ト等を刻設した入れ子に付した名称であり、このランナ
ーブロックは、ランナー部分のみを刻設したものとラン
ナーおよびゲートを刻設したものとに分割して形成する
場合がある。コッターブロックとはユニットベース化さ
れたモールドベース上のポケット内で前述のコアブロッ
ク,キャビティブロック,ランナーブロック等の位置を
決める位置決め用の入れ子のことであり、コッターとは
いっても楔形とは限らず、単なる板状のスペーサにより
構成される場合もある。また、取り数とは1ショット
分、つまり1回の型開閉動作によって得られる製品個数
のことであり、製品の大小等に応じて適宜変更する必要
がある。
【0006】このように単一のモールドベースを適用し
て多種多様の製品を成形するユニットベース構造を適用
した金型の場合では、モールドベースと製品の内容が一
対多対応する場合があるため、金型のモールドベース自
体に識別コードを与えて金型の内容を外見から判断する
こと自体が不適当であり、スケジュールに対応した正し
いモールドベースが装着されているとしても、そのキャ
ビティブロックやコアブロックの組み合わせ状態、即
ち、金型の内容自体が運転スケジュールに合致したもの
であるかどうかまではわからない。そこで、仮に、これ
まで製品aのためのキャビティブロックおよびコアブロ
ックが組み込まれていたモールドベースAに本日正午ま
でに製品bのためのキャビティブロックおよびコアブロ
ックを組み込んで改修作業を完了させ、モールドベース
Aにより正午から製品bの成形を開始するという予定が
あるとする。このとき、連絡の不行き届き等により改修
担当の作業者が正午の時点でなおモールドベースAの分
解作業に着手していないとすれば、成形担当の作業者が
何も知らずに分解前のモールドベースAを射出成形機に
取付けて成形作業を開始するということが有り得るが、
当然このモールドベースAで成形される製品は製品aで
あって、実際に生産が必要とされる製品bではない。
【0007】キャビティブロックやコアブロック等の組
み合わせ状態を変える度にモールドベースにおける金型
コードの彫印の彫り直しやラベルの貼り変え作業を行う
ことにより、通常の金型の場合と同様、ブロックを組み
変えたモールドベースがあたかも別のモールドベースで
あるかのように取り扱うことが不可能ではないにしろ、
その作業は面倒であり、不用意にラベリングを変えると
後々の混乱も予想される。
【0008】また、単一形状の製品しか成形しない金型
ではあっても、メンテナンスや修理等のために分解およ
び再組み立て作業を施した場合にはキャビティブロック
やコアブロックの組み合わせに思わぬ組み違いを生じる
恐れがあり、このような場合、金型が正しく選択されて
取付けられ、仮に型締めおよび射出動作自体が可能であ
ったとしても正常な製品を得ることはできない。
【0009】一方、樹脂の投入誤りを解消するために樹
脂のペレットそれ自体に識別コードを付すことは事実上
不可能であるため、樹脂の投入誤りに関しては、樹脂を
種類別に棚に保管して指定された樹脂コードに応じて棚
から樹脂を搬送したり、樹脂の袋に記載された樹脂名や
バーコードを目視または光学的な読み取り手段で読み取
って指定された樹脂コードと一致しているか否かを判別
することによりこれを予防するようにしているが、この
ような方法では完全に樹脂の投入の誤りを防止すること
はできない。
【0010】そこで、本願発明の目的は、前記従来技術
の不都合を解消し、金型の取り付けミスの有無や樹脂の
投入ミスの有無をより確実に検出することができ、更
に、金型の組み違い等をも識別できるようにした射出成
形機の段取り誤り検出方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の段取り誤り検出
方法は、複数の射出成形機を管理する管理システム内も
しくは射出成形機の制御装置内に各金型の金型コードと
成形条件および任意の時間間隔で検出された圧力データ
や所定の時間に亘って検出された圧力データ等の基準圧
力波形を対応させて記憶させておき、射出成形作業時に
射出圧力をサンプリングして検出し、取付けが指定され
た金型の金型コードに対応して記憶された基準圧力波形
と比較し、射出成形機に取付けられている金型が指定さ
れた金型と一致しているか否かを判別することにより金
型の付け違いに関する段取り誤りを検出するようにし
た。
【0012】また、複数の射出成形機を管理する管理シ
ステム内もしくは射出成形機の制御装置内に各樹脂の樹
脂コードと成形条件および任意の時間間隔で検出された
圧力データや所定の時間に亘って検出された圧力データ
等の基準圧力波形を対応させて記憶させておき、射出成
形作業時に射出圧力をサンプリングして検出し、投入が
指定された樹脂の樹脂コードに対応して記憶された基準
圧力波形と比較し、射出成形機に投入されている樹脂が
指定された樹脂と一致しているか否かを判別することに
より樹脂の投入に関する段取り誤りを検出するようにし
た。
【0013】更に、複数の射出成形機を管理する管理シ
ステム内もしくは射出成形機の制御装置内に各金型の金
型コードと樹脂コードと成形条件と使用すべき樹脂を使
用したときの任意の時間間隔で検出された圧力データや
所定の時間に亘って検出された圧力データ等の基準圧力
波形とを対応させて記憶させておき、射出成形作業時に
射出圧力をサンプリングして検出し、取付けが指定され
た金型の金型コードおよび投入が指定された樹脂の樹脂
コードに対応して記憶された基準圧力波形と比較し、射
出成形機に取付けられている金型および射出成形機に投
入されている樹脂が共に指定された金型および樹脂と一
致しているか否かを判別することにより金型の取付けお
よび樹脂の投入のいずれか一方にでも誤りがあればこれ
を段取り誤りとして検出できるようにした。
【0014】
【作用】同種の樹脂と複数種の金型を用いて射出成形作
業を行う場合、複数の射出成形機を管理する管理システ
ム内もしくは射出成形機の制御装置内に各金型の金型コ
ードと成形条件および任意の時間間隔で検出された圧力
データや所定の時間に亘って検出された圧力データ等の
基準圧力波形を対応させて記憶させておく。スケジュー
ル運転の開始に際しては、スケジュールで指定されたも
のと思しき金型を取り付けて射出成形作業を行い、サン
プリングにより射出圧力波形を検出する。検出された射
出圧力波形と指定された金型の金型コードに対応して記
憶された基準圧力波形とを比較し、その比較結果に基い
て、取付けられている金型が指定された金型と一致して
いるか否かを判別する。キャビティブロックおよびコア
ブロックにより特定される製品形状や金型内部構造に固
有の射出圧力波形の特性に基いて判別処理を行うので、
指定された金型と装着金型との一致不一致を確実に判別
することができ、更には、メンテナンスや修理等のため
の再組み立て作業で金型に組み違いが生じたような場合
でも、その異常を容易に判別することができる。多種の
樹脂を用いて射出成形作業を行う場合は樹脂の投入誤り
が金型の付け違いとして検出される場合があるが、段取
り誤りの検出自体は可能である。
【0015】また、同種の金型と複数種の樹脂を用いて
射出成形作業を行う場合、複数の射出成形機を管理する
管理システム内もしくは射出成形機の制御装置内に各樹
脂の樹脂コードと成形条件および任意の時間間隔で検出
された圧力データや所定の時間に亘って検出された圧力
データ等の基準圧力波形を対応させて記憶させておく。
スケジュール運転の開始に際しては、スケジュールで指
定されたものと思しき樹脂を投入して射出成形作業を行
い、サンプリングにより射出圧力波形を検出する。検出
された射出圧力波形と指定された樹脂の樹脂コードに対
応して記憶された基準圧力波形とを比較し、その比較結
果に基いて、投入されている樹脂が指定された樹脂と一
致しているか否かを判別する。多種の金型を用いて射出
成形作業を行う場合は金型の付け違いが樹脂の投入誤り
として検出される場合があるが、段取り誤りの検出自体
は可能である。
【0016】更に、複数種の金型および複数種の樹脂を
用いて射出成形作業を行う場合、複数の射出成形機を管
理する管理システム内もしくは射出成形機の制御装置内
に各金型の金型コードと樹脂コードと成形条件と使用す
べき樹脂を使用したときの任意の時間間隔で検出された
圧力データや所定の時間に亘って検出された圧力データ
等の基準圧力波形を対応させて記憶させておく。スケジ
ュール運転の開始に際しては、スケジュールで指定され
たものと思しき金型を取り付けて樹脂を投入して射出成
形作業を行い、サンプリングにより射出圧力波形を検出
する。検出された射出圧力波形と取付けが指定された金
型の金型コードおよび投入が指定された樹脂の樹脂コー
ドに対応して記憶された基準圧力波形とを比較し、その
比較結果に基いて、取り付けられている金型および投入
されている樹脂が共に指定された金型および樹脂と一致
しているか否かを判別する。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明による段取り誤り検出方法を適用し
た一実施例の電動式射出成形機Saおよび該射出成形機
Saの制御装置Naの要部を示すブロック図で、符号1
は射出成形機Saの射出シリンダ、符号2はスクリュー
である。スクリュー2は、射出用サーボモータMsによ
り射出軸方向に駆動され、また、タイミングベルトや歯
付プーリ等からなる動力伝達機構3を介してスクリュー
回転用サーボモータMrにより計量回転される。スクリ
ュー2の基部にはスクリュー2の軸方向に作用する樹脂
反力を検出する圧力検出器4が設けられ、射出保圧工程
における射出圧力や計量混練り工程におけるスクリュー
背圧等が検出されるようになっている。更に、射出用サ
ーボモータMsにはスクリュー2の位置や移動速度を検
出するためのパルスコーダPsが配備され、また、スク
リュー回転用サーボモータMrには、スクリュー2の回
転速度を検出するためのパルスコーダPrが配備されて
いる。
【0018】射出成形機Saのベースにはフロントプラ
テン6が固着され、フロントプラテン6とリアプラテン
を締結したタイバーに対して摺動可能に装着された可動
プラテン5が、リアプラテン側に配備された型締用サー
ボモータMcによりボール捩子機構およびトグル機構
(共に図示せず)を介して駆動される。型締用サーボモ
ータMcは位置および速度検出のためのパルスコーダP
cを備える。また、前述のリアプラテンには型厚調整機
構が設けられ、可動プラテン5に装着された可動側金型
7およびフロントプラテン6に装着された固定側金型8
の厚みに応じ、最適位置での型開閉および型締動作が行
えるようになっている。可動プラテン5に関する位置制
御は前述のトグル機構におけるクロスヘッド位置、即
ち、型締用サーボモータMcの回転量に基いて従来と同
様の方法で行われる。
【0019】また、可動プラテン5には、可動側金型7
のキャビティ内にエジェクタピン等を突出させるための
突出用サーボモータMeが設けられ、サーボモータMe
には、先に述べた各軸のサーボモータと同様、位置およ
び速度検出のためのパルスコーダPeが配備されてい
る。
【0020】可動側金型7と固定側金型8により構成さ
れる各種の金型は、通常、これらを閉じ合わせた状態で
成形作業現場のラックや型自動交換装置のストッカ等に
保管されており、可動側金型7および固定側金型8のう
ち、少なくとも一方のモールドベースの外側面には彫印
やバーコード等により金型コードが記憶されている。
【0021】射出成形機Saの制御装置Naは、数値制
御用のマイクロプロセッサであるCNC用CPU17、
プログラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセ
ッサであるPMC用CPU16、サーボ制御用のマイク
ロプロセッサであるサーボCPU18、および、A/D
変換器34を介して射出圧力やスクリュー背圧のサンプ
リング処理等を行うためのモニタ用CPU33を有し、
バス28を介して相互の入出力を選択することにより各
マイクロプロセッサ間での情報伝達が行えるようになっ
ている。
【0022】PMC用CPU16には、射出成形機のシ
ーケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶
したROM20および演算データの一時記憶等に用いら
れるRAM23が接続され、また、CNC用CPU17
には射出成形機の各軸を制御するプログラム等を記憶し
たROM21および演算データの一時記憶等に用いられ
るRAM27が接続されている。CNC用CPU17に
接続された不揮発性メモリ26は実際の射出成形作業に
おいて実行対象データとなる成形条件および各種設定
値,パラメータ,マクロ変数等を記憶する実行対象デー
タ記憶部と、他の射出成形作業に必要とされる多数の成
形条件等を記憶する金型ファイル記憶部とを有する。金
型ファイル記憶部は、専ら、射出成形機Saおよび制御
装置Naを単独で使用する際に様々な金型に対応する成
形条件等を記憶するために用いられるものであり、別に
設けられた管理システムにより成形作業のスケジュール
管理を行う場合には、管理システムから転送されてくる
成形条件がそのまま不揮発性メモリ26の実行対象デー
タ記憶部に実行対象データとして格納されることにな
る。なお、管理システムから金型コードのみを送信し、
制御装置Naが金型コードに基づいて不揮発性メモリ2
6の金型ファイル記憶部から成形条件を選択して実行対
象データ記憶部に設定することも可能であるが、この様
な点に関しては設計上の問題に過ぎない。
【0023】そして、サーボCPU18およびモニタ用
CPU33の各々には、サーボ制御専用の制御プログラ
ムを格納したROM22やデータの一時記憶に用いられ
るRAM24、および、圧力データ等を得るためのサン
プリング処理に関する制御プログラムを格納したROM
31やデータの一時記憶に用いられるRAM32が接続
されている。更に、サーボCPU18には、該CPU1
8からの指令に基いて突出用,型締め用,スクリュー回
転用,射出用等の各軸のサーボモータを駆動するサーボ
アンプ11〜14がサーボインターフェイス15を介し
て接続されている。また、各軸のサーボモータに配備し
たパルスコーダPe〜Psからの出力の各々がサーボイ
ンターフェイス15を介してサーボCPU18に帰還さ
れ、パルスコーダのフィードバックパルスに基いてサー
ボCPU18により算出されたエジェクタピンの突出位
置やクロスヘッド位置およびその移動速度やスクリュー
2の現在位置およびその移動速度や回転速度の値が、R
AM24の現在位置記憶レジスタ、現在速度記憶レジス
タの各々に記憶される。
【0024】入出力回路29は射出成形機の各部に配備
したリミットスイッチや操作盤からの信号を受信したり
射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝達したりする
ための入出力インターフェイスであり、また、通信イン
ターフェイス30は管理システムとしてのホストコンピ
ュータHCとの間でデータ伝送を行うための入出力イン
ターフェイスである。ディスプレイ付手動データ入力装
置19はCRT表示回路25を介してバス28に接続さ
れ、モニタ表示画面や機能メニューの選択および各種デ
ータの入力操作等が行えるようになっており、数値デー
タ入力用のテンキーおよび各種のファンクションキー等
が設けられている。
【0025】以上の構成により、CNC用CPU17が
ROM21の制御プログラムおよび不揮発性メモリ26
の実行対象データ記憶部に記憶された成形条件および各
種設定値,パラメータ,マクロ変数等の実行対象データ
に基いて各軸のサーボモータに対してパルス分配を行
い、サーボCPU18は各軸に対してパルス分配された
移動指令とパルスコーダPe〜Ps等の検出器で検出さ
れた位置のフィードバック信号および速度のフィードバ
ック信号に基いて、従来と同様に位置ループ制御,速度
ループ制御さらには電流ループ制御等のサーボ制御を行
い、いわゆるディジタルサーボ処理を実行する。
【0026】モニタCPU33は従来と同様のサンプリ
ング処理機能を有したCPUであり、成形実行時にA/
D変換器34を介して圧力検出器4から入力されるサン
プリングデータに基き、射出保圧工程における射出圧力
Ai の変化を射出開始後の経過時間ti を基準として1
成形サイクル毎に図3に示されるようなRAM32の波
形一時記憶ファイルF2に更新記憶させる。
【0027】この実施例では、管理システムとしてのホ
ストコンピュータHCにより上述の射出成形機Saを始
めとする複数の射出成形機Sb,Sc,・・・の運転ス
ケジュールを管理する場合の構成について示しており、
図2に示されるように、各射出成形機Sa,Sb,S
c,・・・の制御装置Na,Nb,Nc,・・・の各々
が夫々の通信インターフェイス30およびホストコンピ
ュータHCの通信インターフェイス55を介してホスト
コンピュータHCに接続されている。
【0028】ホストコンピュータHCには中央処理装置
としてのマイクロプロセッサ50が設けられ、更に、各
種制御プログラムを格納したROM52、製品の生産ス
ケジュールやデータの一時記憶および演算処理等に用い
られるRAM53、各種指令および数値データを入力す
るための手動データ入力装置56、入力されたデータや
演算結果等を表示して確認するためのディスプレイ装置
54がマイクロプロセッサ50からのデータバスを介し
て接続されている。
【0029】51はハードディスク等によって構成され
る記憶装置であり、図4に示されるように、各射出成形
機Sa,Sb,Sc,・・・に装着される可能性のある
金型の金型コードに対応して、使用対象樹脂のコード
と、各金型毎の条件出しで最適化された成形条件、およ
び、最適化された成形条件で射出成形作業を行ったとき
に得られる射出圧力の基準圧力波形を記憶している。図
3に示すファイルF1は金型コードに対応して基準圧力
波形を記憶する波形記憶ファイルを概念的に示す図であ
り、基準圧力波形の形状は、射出開始後の経過時間ti
と該時点ti における基準圧力Pi との関係を示す多数
のデータの組(ti ,Pi )により金型コード毎の波形
記憶ファイルF1に数値データとして記憶される。な
お、実施例では、基準圧力波形を求めるために、予め、
対応する金型を装着して使用対象樹脂を投入し、最適化
された成形条件下で射出成形作業を行ってモニタCPU
33によるサンプリング処理を行い、射出圧力Aiを何
度か検出してその平均値を基準圧力Pi としてファイル
F1に記憶させるようにしている。
【0030】また、RAM53のスケジュール記憶メモ
リには各射出成形機Sa,Sb,Sc,・・・毎の生産
スケジュールを任意に設定できるようになっており、オ
ペレータは手動データ入力装置56を介して各射出成形
機Sa,Sb,Sc,・・・毎の生産スケジュールを任
意に設定する。生産スケジュールの設定は、生産すべき
製品に対応する金型の金型コードおよび所望するショッ
ト数を成形作業の実行順序に従って各射出成形機Sa,
Sb,Sc,・・・毎のスケジュール記憶メモリに設定
することによって行う。
【0031】ホストコンピュータHCのマイクロプロセ
ッサ50は、各射出成形機Sa,Sb,Sc,・・・の
制御装置Na,Nb,Nc,・・・に各々のスケジュー
ル記憶メモリの最初に記憶された金型コードとこれに対
応する使用対象樹脂のコードおよび成形条件を転送し、
各制御装置Na,Nb,Nc,・・・における不揮発性
メモリ26の実行対象データ記憶部にこの成形条件を設
定した後、金型や樹脂の交換作業を待って、各制御装置
Na,Nb,Nc,・・・による射出成形機Sa,S
b,Sc,・・・の駆動制御を開始させる。また、その
動作中に各制御装置Na,Nb,Nc,・・・を介して
各射出成形機Sa,Sb,Sc,・・・毎のショット数
を逐次検出し、このショット数が生産完了の設定数に達
した射出成形機が検出されるとその都度この射出成形機
の駆動制御を一旦停止させ、以下、同様にして、この射
出成形機に対して設けられたスケジュール記憶メモリに
おける次の記憶領域に設定されている金型コードおよび
これに対応する使用対象樹脂のコードと成形条件を転送
し、最終スケジュールが完了するまでの間、上記と同じ
処理操作を繰り返し実行する。当然、各射出成形機S
a,Sb,Sc,・・・毎に成形サイクルや所望するシ
ョット数が違い、スケジュールの進行状況も相違するの
で、各射出成形機のスケジュール記憶メモリによって射
出成形機Sa,Sb,Sc,・・・等を個別に駆動制御
させることになる。
【0032】なお、金型や樹脂を交換するにはオペレー
タがこれを手動で行う場合と金型自動交換装置や材料交
換装置により完全自動で行う場合とがあり、金型や樹脂
の交換を手動で行う場合には、各制御装置Na,Nb,
Nc,・・・に金型コードや使用対象樹脂のコードが転
送された段階でこれを各制御装置Na,Nb,Nc,・
・・のディスプレイ付手動データ入力装置19に表示さ
せて射出成形機のオペレータに手動交換作業を行わせ、
また、自動で行う場合には、転送された金型コードや使
用対象樹脂のコードに応じて各制御装置Na,Nb,N
c,・・・に金型自動交換装置や材料交換装置を駆動制
御させて自動交換作業を行わせる。金型交換を手動で行
うにせよ自動で行うにせよ、射出成形機に金型を装着す
る際には金型のモールドベース自体に彫印またはバーコ
ードで添付された金型コードをオペレータもしくは機械
が確認してから取り付け作業を行う必要があり、この点
に関しては従来と同様である。既に説明した通り、金型
モールドベースの一致不一致は彫印またはバーコードを
調べることで確認できるが、これをオペレータが行う場
合には判定ミスを生じることがあり、また、オペレータ
もしくは金型自動交換装置により彫印やバーコードに基
づいて適正な金型コードを有する金型を装着することが
できたとしても、金型の内容確認、つまり、ユニットベ
ースを使用した場合のキャビティブロックやコアブロッ
クの組み合わせ状態や、分解再組み立て作業後の金型を
装着する場合の組み違い等に関しては従来の彫印やバー
コードによる技術だけでは対処することができない。ま
た、樹脂の投入誤りも材料交換装置における樹脂の入れ
違いや樹脂の袋の取り違い等によって生じ得る。
【0033】図4はホストコンピュータHCによって行
われる生産スケジュール管理の概略を示すアルゴリズ
ム、また、図5は段取り誤りの有無を判定するためにホ
ストコンピュータHCによって行われる段取り誤り検出
処理の概略を示すフローチャートであり、以下、これら
の図面を参照して本実施例の段取り誤り検出方法を説明
する。
【0034】既に説明した通り、まず、生産スケジュー
ル管理のための処理を開始したホストコンピュータHC
はRAM53のスケジュール記憶メモリの最初の記憶領
域に記憶された金型コードに基づいて記憶装置51から
これに対応する使用対象樹脂のコードと成形条件および
波形記憶ファイルF1を読み込み、波形記憶ファイルF
1をRAM53のワークエリアに格納すると共に、通信
インターフェインス55および30を介して金型コード
と使用対象樹脂のコードおよび成形条件を射出成形機側
の制御装置に転送し、この成形条件を不揮発性メモリ2
6における実行対象データ記憶部に設定する。なお、図
4では、射出成形機毎に対応して設けられた複数のスケ
ジュール記憶メモリの内その1つのスケジュール記憶メ
モリにおける生産管理データに基づく処理を示してお
り、実際には、各射出成形機Sa,Sb,Sc,・・・
毎に対応して設けられたスケジュール記憶メモリのその
各々により各射出成形機Sa,Sb,Sc,・・・毎に
同様の処理が並行して行われることになる。以下、ホス
トコンピュータHCと射出成形機側の制御装置との関係
を明確にするため、一例として、射出成形機Saの制御
装置NaとホストコンピュータHCとの関係に基づいて
説明を進めるが、制御装置Na,Nb,Nc・・・とホ
ストコンピュータHCとの関係もこれと同様である。
【0035】そこで、成形条件を設定された制御装置N
aは、転送された金型コードおよび使用対象樹脂のコー
ドをディスプレイ付手動データ入力装置19に表示し、
オペレータによる金型および使用対象樹脂の交換作業が
行われるか、もしくは、金型自動交換装置や材料交換装
置による金型および樹脂の交換作業が行われるまで待機
した後(ステップS1,ステップS2)、型厚の自動調
整等の処理を行って、不揮発性メモリ26の実行対象デ
ータ記憶部に設定された成形条件に基づいて段取り誤り
検出のための射出成形作業を開始し、この間、モニタC
PU33によるサンプリング処理を行って射出保圧工程
における射出圧力Ai の変化を射出開始後の経過時間t
i を基準として1成形サイクル毎に図3に示されるよう
なRAM32の波形一時記憶ファイルF2に更新記憶さ
せる。なお、金型や樹脂を交換した直後の段階では射出
成形動作が一時的に不安定となるので、この間に成形さ
れた製品は不良品として廃棄処分とするか、もしくは、
再生用の材料として保存する。
【0036】一方、ホストコンピュータHCは通信イン
ターフェイス55および30を介して射出成形機Saの
ショット数を監視し、このショット数が安定動作検出の
設定値に達して射出成形動作が安定したことを確認する
と、その時点でRAM32に記憶されている波形一時記
憶ファイルF2のデータを通信インターフェイス30お
よび55を介して制御装置NaのRAM32からRAM
53のワークエリアに読み込み、図5に示されるような
段取り誤り検出処理を開始する(ステップS3)。
【0037】段取り誤り検出処理を開始したホストコン
ピュータHCのマイクロプロセッサ50は、まず、アド
レス選択指標iおよび不良サンプル数積算カウンタkの
値を共に零に初期化し(ステップT1)、アドレス選択
指標iの値に基づいて、RAM53に格納した波形記憶
ファイルF1および波形一時記憶ファイルF2から基準
圧力Pi とこれに対応する検出圧力Ai を読み込んでそ
の偏差|Pi −Ai |を求め、この偏差が、予め設定さ
れた許容値εの範囲内に入っているか否かを判別する
(ステップT2)。そして、偏差|Pi −Ai |が許容
値εの範囲を越えていれば、不良サンプル数積算カウン
タkの値を歩進し(ステップT3)、また、偏差|Pi
−Ai |が許容値εの範囲内にあれば、不良サンプル数
積算カウンタkの現在値を保持したままアドレス選択指
標iの値を歩進し(ステップT4)、アドレス選択指標
iの値が予め決められたサンプル比較数設定値Nに達し
ているか否かを判別する(ステップT5)。サンプル比
較数設定値Nは、射出保圧の所用時間、つまり、モニタ
CPU33によるサンプリング実行回数等に基づいて各
金型の金型コード毎、もしくは、これらに共通して設定
された値である。
【0038】アドレス選択指標iの値がサンプル比較数
設定値Nに達していなければ、以下、マイクロプロセッ
サ50は、アドレス選択指標iの値がサンプル比較数設
定値Nに達するまでの間、前記と同様にして、更新され
たアドレス選択指標iの値に基づいてステップT2〜ス
テップT5の処理を繰り返し実行し、N回のサンプリン
グ周期の間に検出された不良サンプルの数を不良サンプ
ル数積算カウンタkに記憶する。そして、ステップT5
の判別結果が真となってアドレス選択指標iの値がサン
プル比較数設定値Nに達したことが確認されると、マイ
クロプロセッサ50は、検出された不良サンプルの数k
が予め決められた判別基準値bの範囲内にあるか否か、
つまり、現時点で射出成形機に取り付けられている金型
から検出された射出圧力波形の特性がスケジュール運転
の対象として設定されている金型コードの基準圧力波形
の特性と一致していると見做せるか否かを判別する(ス
テップT6)。そして、両者が一致していると見做せる
場合には通信インターフェイス55を介して制御装置N
aに一致信号を出力し(ステップT8)、また、一致し
ていなければ同様にして不一致信号を出力する(ステッ
プT7)。
【0039】ホストコンピュータHCからの判別信号を
受信した制御装置Naは(ステップS4)、その信号が
一致信号であれば適切な金型が装着され適切な樹脂が投
入されいる旨をディスプレイ付手動データ入力装置19
に表示し、そのまま射出成形機の駆動制御を継続して行
う(ステップS5)。また、ホストコンピュータHCの
マイクロプロセッサ50は、射出成形機Saのショット
数が生産完了の設定数に達した時点でこの射出成形機の
駆動制御を一旦停止させ、以下、前記と同様にして、こ
の射出成形機Saに対して設けられたスケジュール記憶
メモリにおける次の記憶領域に設定されている金型コー
ドおよびこれに対応する使用対象樹脂のコードと成形条
件を制御装置Naに転送し、最終スケジュールが完了す
るまでの間、制御装置Naにより前記と同様の処理操作
を繰り返し実行させる。
【0040】また、ステップS4で検出された信号が不
一致信号であれば、制御装置Naは金型の選択ミスや組
み違いもしくは樹脂の投入ミス等があることをディスプ
レイ付手動データ入力装置19に表示して射出成形機の
駆動制御を停止する(ステップS6)。この時、RAM
53の波形記憶ファイルF1および波形一時記憶ファイ
ルF2の内容や不良サンプルの数kを判別信号と共にホ
ストコンピュータHCから制御装置Naに転送し、図6
に示すような基準圧力波形および検出圧力波形のグラフ
や不良サンプルの数kをディスプレイ付手動データ入力
装置19に表示するようにしてもよい。更に、ホストコ
ンピュータHCの側でデータの集中管理を行うような場
合には、判別結果がでる度に波形記憶ファイルF1およ
び波形一時記憶ファイルF2の内容や不良サンプル数k
の値を各金型の金型コードに対応させてRAM53等に
記憶させておき、必要に応じて金型コードを指定するこ
とにより図6に示されるようなデータをディスプレイ装
置54に表示させるようにする。
【0041】ステップS6の処理でディスプレイ付手動
データ入力装置19に不一致が表示された場合、金型の
交換を手動で行ったのであれば、オぺレータは装着して
ある金型のモールドベースを調べて再び金型コードを確
認する。彫印等の読み違いによって生じる単純な装着ミ
スの可能性があるからである。もし、装着している金型
の金型コードが運転スケジュールとして設定された金型
コードと相違するのであれば、適正な金型コードを有す
る金型を再装着してステップS3からの処理を再実行さ
せることにより、金型の適性を再確認してスケジュール
運転を継続して行うことができる。また、不一致が表示
されているにも関わらず、装着してある金型のモールド
ベースに添付された金型コードが運転スケジュールとし
て設定された金型コードと一致しているのであれば、投
入されている樹脂が指定通りのものではないか、また
は、装着してある金型がユニットベースを用いたもので
あって、かつ、内部のキャビティブロックやコアブロッ
クの組み合わせ状態が所望する製品と一致していない
か、もしくは、装着してある金型のメンテナンスや修理
等の際の再組み立て作業で組み違い等の不手際が生じて
いたことを意味する。そこで、投入されている樹脂が指
定通りのものでないことが確認されたなら、オペレータ
は必要なパージ作業を行って樹脂を交換してから成形を
継続し、また、金型の異常や組違いが判明したなら、装
着されている金型を取り外して改修作業に回し、金型の
改修を待ってからスケジュール運転を再開するか、もし
くは、運転スケジュールを1つ飛ばし、次の運転スケジ
ュールとして設定された金型コードの成形作業を先に行
うようにする。
【0042】また、金型のモールドベースのバーコード
等を金型自動交換装置自体が確認せずにストッカコード
のみに基づいて金型を装着する金型自動交換装置を適用
して自動交換作業を行った時にディスプレイ付手動デー
タ入力装置19に不一致が表示されたとすればストッカ
に対する金型の入れ違いが考えられるが、この場合、手
動交換時における金型の付け違いの場合と同様、装着さ
れた金型のモールドベースを調べて再び金型コードを確
認し、適正な金型コードを有する金型を再装着してステ
ップS3からの処理を再実行させることにより、金型の
適性を再確認してスケジュール運転を継続して行うこと
ができる。一方、金型のモールドベースのバーコード等
を金型自動交換装置自体が確認してから金型を装着する
金型自動交換装置を適用して自動交換作業を行った時に
ディスプレイ付手動データ入力装置19に不一致が表示
されたとすれば金型自体の組み違い等を意味するので、
前記と同様、装着されている金型を取り外して改修作業
に回し、金型の改修を待ってからスケジュール運転を再
開するか、もしくは、運転スケジューを1つ飛ばして次
の運転スケジュールを先に行うようにする。樹脂の投入
誤りの場合に関しては前記と同様である。
【0043】更に、金型が一致し、かつ、組み違いや樹
脂の投入誤りが生じていない場合であっても、特定のキ
ャビティにゲートカットが施されるとキャビティ容積が
全体として変化するので、波形記憶ファイルF1の基準
圧力データを更新しない限り、ディスプレイ付手動デー
タ入力装置19には組み違いの場合と同様の不一致が表
示されることになる。ここでいうゲートカットとは、中
子の折れ等を始めとする金型の部分的な損傷に対処して
そのまま射出成形作業を継続するための技術のことであ
る。つまり、単一の金型で複数の製品を同時に成形する
多数個取りの金型では、特定のキャビティで中子の折れ
等が生じた場合であっても必ずしも射出成形作業を中断
させる必要はなく、特に、ゲートがトンネルゲートで構
成されているような場合では、金型を射出成形機に装着
したまま型開き状態とし、比較的柔軟な非鉄金属等から
なる円推形のロッド材をランナー側からゲートに向けて
楔状に打ち込み、ニッパー等によってランナー側でその
先端を切断することにより、ものの数分で損傷を生じた
キャビティを簡単に閉鎖することができる。製品の取り
数が減るとはいうものの、金型を降ろして面倒な修理作
業を行う必要がなく、そのまま成形作業を継続して行う
ことができるので、製品の納入期限を限定された状況下
で比較的少数の量産を急ぐような場合には有効な手段で
ある。しかし、全体としてのキャビティ容積が減少する
結果、計量条件や射出速度および射出保圧圧力等を改め
て適正化する必要が生じるので、ゲートカット作業を行
った場合には、成形条件を決めるための条件出し作業を
改めて行わなければならない。ゲートカットされた金型
が再び運転スケジュールに設定された時に金型の不一致
が検出されないよう、オペレータは、予め、条件出し作
業で得た成形条件をこの金型の金型コードに対応させて
ホストコンピュータHCの記憶装置51に更新記憶さ
せ、また、ここで得た成形条件によって射出成形作業を
行った時の射出圧力の変化特性を金型コードに対応する
記憶装置51の波形記憶ファイルF1に更新設定してお
く。
【0044】なお、第2回目以降の生産スケジュールで
それ以前と同様の金型を用いて樹脂の種類だけを交換し
たときに不一致が検出されたのであれば段取り誤りの対
象が樹脂のみに特定されるので金型の確認は必要なく、
また、同種の樹脂を用いて金型だけを交換したときに不
一致が検出されたのであれば段取り誤りの対象が金型の
みに特定されるので樹脂の確認は必要ない。
【0045】前述の実施例では複数種の金型および複数
種の樹脂を用いて射出成形作業を行う場合の段取り誤り
の検出について説明したが、同種の樹脂と複数種の金型
を用いて射出成形作業を行う場合には樹脂コードは不要
となるので金型コードに対応させて成形条件と基準圧力
波形のみを記憶させればよく、また、同一の金型と複数
種の樹脂を用いて射出成形作業を行う場合には金型コー
ドが不要となるので樹脂コードに対応させて成形条件と
基準圧力波形のみを記憶させればよい。
【0046】以上、一実施例として複数の射出成形機を
管理するホストコンピュータHCにより各射出成形機の
制御装置に金型コードや使用対象樹脂のコードおよび成
形条件を転送してスケジュール運転を行う場合の処理に
ついて説明したが、単一の射出成形機により複数の金型
を用いてスケジュール運転を行うような場合では、前記
と同様の処理を射出成形機の制御装置によって行わせる
ことができる。
【0047】金型の一致不一致や樹脂の一致不一致を判
別する際には製品形状および金型の内部構造や樹脂の種
類に固有の特性、つまり、射出圧力波形の変化特性に基
いて一致不一致の判別処理を行うべきであるが、より広
い意味では、製品形状および樹脂の種類との間にある程
度の信頼性を確保することのできる他の相関関係、例え
ば、製品形状や金型の内部構造および樹脂の種類と成形
条件によって決まる固有の射出速度波形(基準速度波
形)と実際に装着された金型を対象として検出される検
出速度波形とを比較すること等によってもある程度の信
頼性で金型の不一致を判定することが可能であり、その
効果は本発明の域をでない。
【0048】
【発明の効果】本発明の段取り誤り検出方法は、金型や
樹脂のコードと基準圧力波形を対応させて予め射出成形
機の管理システムや制御装置に記憶させておき、実際の
射出成形作業で検出された射出圧力波形と指定された金
型や樹脂のコードに対応して記憶された基準圧力波形と
を比較することにより金型や樹脂の一致不一致を判別す
るようにしたので、取り付けるべきではない金型を誤っ
て装着してしまったり投入すべきでない樹脂を投入して
しまったような場合、特に、比較的成形条件が近似する
ような金型を誤って装着してしまったり温度設定の条件
が似通った樹脂を投入してしまったような場合であって
さえ、金型や樹脂型の一致不一致を確実に検出すること
ができる。この結果、不要な製品の製造によって生じる
材料および時間の浪費や、必要とされる製品の生産の遅
れを確実に防止することができる。また、誤って装着さ
れた金型が不適当な成形条件や投入樹脂で酷使されるこ
ともなくなるので、金型の損傷が防止される。更に、彫
印やバーコードによって金型のモールドベースに付与さ
れた金型コードを確認するだけではこれまで発見するこ
とのできなかった、単一のモールドベースを多種多様の
製品に適用した場合の製品内容の相違や、メンテナンス
や修理時の再組み立て作業で生じた金型の組み違い等、
外見からでは判定困難な異常による異製品の製造や不良
品の製造も未然に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による段取り誤り検出方法を適用した一
実施例の電動式射出成形機の要部を示すブロック図であ
る。
【図2】管理システムとしてのホストコンピュータの要
部を示すブロック図である。
【図3】波形記憶ファイルを示す概念図である。
【図4】生産スケジュール管理の概略を示すアルゴリズ
ムである。
【図5】段取り誤り検出処理の概略を示すフローチャー
トである。
【図6】判別結果を確認するための表示画面の一例であ
る。
【符号の説明】 4 圧力検出器 16 PMC用CPU 17 CNC用CPU 19 ディスプレイ付手動データ入力装置 26 不揮発性メモリ 30 通信インターフェイス 32 RAM 33 モニタ用CPU 50 マイクロプロセッサ 51 記憶装置 53 RAM 55 通信インターフェイス Sa,Sb,Sc 射出成形機 Na,Nb,Nc 制御装置 HC ホストコンピュータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の射出成形機を管理する管理システ
    ム内に各金型の金型コードと成形条件および基準圧力波
    形を対応させて記憶させておき、射出成形作業時に射出
    圧力をサンプリングして検出し、取付けが指定された金
    型の金型コードに対応して記憶された基準圧力波形と比
    較し、射出成形機に取付けられている金型が指定された
    金型と一致しているか否かを判別するようにした射出成
    形機の段取り誤り検出方法。
  2. 【請求項2】 射出成形機の制御装置に各金型の金型コ
    ードと成形条件および基準圧力波形を対応させて記憶さ
    せておき、射出成形作業時に射出圧力をサンプリングし
    て検出し、取付けが指定された金型の金型コードに対応
    して記憶された基準圧力波形と比較し、射出成形機に取
    付けられている金型が指定された金型と一致しているか
    否かを判別するようにした射出成形機の段取り誤り検出
    方法。
  3. 【請求項3】 複数の射出成形機を管理する管理システ
    ム内に各樹脂の樹脂コードと成形条件および基準圧力波
    形を対応させて記憶させておき、射出成形作業時に射出
    圧力をサンプリングして検出し、投入が指定された樹脂
    の樹脂コードに対応して記憶された基準圧力波形と比較
    し、射出成形機に投入されている樹脂が指定された樹脂
    と一致しているか否かを判別するようにした射出成形機
    の段取り誤り検出方法。
  4. 【請求項4】 射出成形機の制御装置に各樹脂の樹脂コ
    ードと成形条件および基準圧力波形を対応させて記憶さ
    せておき、射出成形作業時に射出圧力をサンプリングし
    て検出し、投入が指定された樹脂の樹脂コードに対応し
    て記憶された基準圧力波形と比較し、射出成形機に投入
    されている樹脂が指定された樹脂と一致しているか否か
    を判別するようにした射出成形機の段取り誤り検出方
    法。
  5. 【請求項5】 複数の射出成形機を管理する管理システ
    ム内に各金型の金型コードと樹脂コードと成形条件と使
    用すべき樹脂を使用したときの基準圧力波形とを対応さ
    せて記憶させておき、射出成形作業時に射出圧力をサン
    プリングして検出し、取付けが指定された金型の金型コ
    ードおよび投入が指定された樹脂の樹脂コードに対応し
    て記憶された基準圧力波形と比較し、射出成形機に取付
    けられている金型および射出成形機に投入されている樹
    脂が共に指定された金型および樹脂と一致しているか否
    かを判別するようにした射出成形機の段取り誤り検出方
    法。
  6. 【請求項6】 射出成形機の制御装置に各金型の金型コ
    ードと樹脂コードと成形条件と使用すべき樹脂を使用し
    たときの基準圧力波形とを対応させて記憶させておき、
    射出成形作業時に射出圧力をサンプリングして検出し、
    取付けが指定された金型の金型コードおよび投入が指定
    された樹脂の樹脂コードに対応して記憶された基準圧力
    波形と比較し、射出成形機に取付けられている金型およ
    び射出成形機に投入されている樹脂が共に指定された金
    型および樹脂と一致しているか否かを判別するようにし
    た射出成形機の段取り誤り検出方法。
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