JP3556357B2 - 射出成形機における製品良否判別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機における製品良否判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形作業における製品の良否を自動的に判別するための方法として、最小クッション量,射出時間,ピーク射出圧力,射出/保圧切替位置等を検出して判別基準となる許容範囲と比較するものが本出願人らにより特開平6−170907号等として既に提案されている。これらのものは主に射出状態に基いて製品の良否を判別するものであって、計量された溶融樹脂の状態を良否判別の対象としたものではない。
【0003】
また、溶融樹脂の状態を良否判別の対象としたものとしては、本出願人による製品良否判別方法が特開平6−297532号として提案されている。このものは、スクリュー位置または計量工程開始後の経過時間によって判別対象区間を設定し、この判別対象区間に対応して設定された背圧の上限値と下限値との間にその時点における背圧の検出値が含まれているか否かにより樹脂の溶融状態の適不適を判定してこれを製品の良否判別の結果とするものである。
【0004】
この構成によれば、判別対象区間を複数に分割して設定し、計量過程の要所要所で溶融樹脂の状態をチェックして製品の良否判別を行うことができるというメリットがあるが、判別対象区間をスクリュー位置または計量工程開始後の経過時間によって設定するため、計量完了位置や計量所要時間にばらつきを生じたような場合では、計量完了時点での背圧を基準として製品の良否判別を行う際に支承を来たす可能性もある。
【0005】
また、計量後にサックバック動作が行われる場合や冷却時間を長めに設定したような場合では、計量が完了しても直ちに射出動作が開始されるとは限らず、計量完了後に更に樹脂の溶融状態に変化が生じる場合があるので、計量過程で背圧を検出するなどして溶融樹脂の状態をチェックしただけでは、必ずしも、正確な良否判定が行えない場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、計量完了位置や計量所要時間のばらつきに関わりなく、計量された溶融樹脂の状態を射出開始の直前で総合的に判断して製品の良否判別を行うことができ、また、必要とあらば、計量完了後次の射出開始までの期間において製品の良否判別に適した任意のタイミングで、樹脂の溶融状態を確認して適確な良否判定を行うことのできる射出成形機における製品良否判別装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、計量完了後スクリューを所定位置に保持する射出成形機における製品良否判別装置であって、射出開始直前の樹脂圧力を検出する手段と、該検出樹脂圧力と予め設定された許容圧力範囲とを比較する手段と、前記検出樹脂圧力が許容圧力範囲を外れていれば不良信号を出力する手段を備え、製品の良否判別を行うようにした。
【0008】
また、計量完了後スクリューを所定位置に保持する射出成形機における製品良否判別装置であって、計量完了後次の射出開始までの期間内で樹脂圧力検出タイミングを任意に設定する手段と、前記設定タイミングで樹脂圧力を検出する手段と、該検出樹脂圧力と予め設定された許容圧力範囲とを比較する手段と、前記検出樹脂圧力が許容圧力範囲を外れていれば不良信号を出力する手段を備え、製品の良否判別を行うようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明の製品良否判別装置を備える一実施形態の射出成形機の要部を示すブロック図で、符号1は射出成形機のシリンダ、符号2はスクリューである。スクリュー2は、駆動源の軸回転を射出軸方向の直線運動に変換するための駆動変換機5を介して射出用サーボモータM1により射出軸方向に駆動され、また、歯車機構3を介してスクリュー回転用モータM2により計量回転されるようになっている。スクリュー2の基部には圧力検出器4が設けられ、スクリュー2の軸方向に作用する樹脂圧力、即ち、射出保圧工程における射出保圧圧力や計量混練り工程における樹脂圧力(背圧)がA/D変換器16を介して検出される。なお、シリンダ1内部の先端(計量部)に取り付けた圧力センサにより樹脂圧を直に検出してA/D変換器16に入力することも可能である。射出用サーボモータM1にはスクリュー2の位置や移動速度を検出するためのパルスコーダP1が配備され、また、スクリュー回転用モータM2にはスクリュー2の回転速度を検出するための速度検出器P2が配備されている。
【0010】
射出成形機の製品良否判別装置を兼ねる制御装置10は、数値制御用のマイクロプロセッサであるCNC用CPU25,プログラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサであるPMC用CPU18,サーボ制御用のマイクロプロセッサであるサーボCPU20および射出保圧圧力や背圧のサンプリング処理を行うための圧力モニタ用CPU17を有し、バス22を介して相互の入出力を選択することにより各マイクロプロセッサ間での情報伝達が行えるようになっている。
【0011】
PMC用CPU18には射出成形機のシーケンス動作を制御するシーケンスプログラムや製品の良否判別を行うための制御プログラム等を記憶したROM13および演算データの一時記憶等に用いられるRAM14が接続されている。一方、CNC用CPU25には射出成形機を全体的に制御するプログラム等を記憶したROM27および演算データの一時記憶等に用いられるRAM28が接続されている。
【0012】
また、サーボCPU20および圧力モニタ用CPU17の各々には、サーボ制御専用の制御プログラムを格納したROM21やデータの一時記憶に用いられるRAM19、および、圧力データのサンプリング処理等に関する制御プログラムを格納したROM11やデータの一時記憶に用いられるRAM12が接続されている。更に、サーボCPU20には、該CPU20からの指令に基いて型締め用,エジェクタ用(図示せず)および射出用,スクリュー回転用等の各軸のサーボモータを駆動するサーボアンプ15が接続され、射出用サーボモータM1に配備したパルスコーダP1およびスクリュー回転用モータM2に配備したパルスコーダP2からの出力の各々がサーボCPU20に帰還され、パルスコーダP1からのフィードバックパルスに基いてサーボCPU20により算出されたスクリュー2の現在位置や、速度検出器P2で検出されるスクリュー2の回転速度が、メモリ19の現在位置記憶レジスタおよび現在速度記憶レジスタの各々に記憶されるようになっている。
【0013】
不揮発性メモリ24は射出成形作業に関する成形条件(射出保圧条件,計量混練り条件等)と各種設定値,パラメータ,マクロ変数および良否判別のための設定データ等を記憶する成形データ保存用のメモリである。
【0014】
インターフェイス23は射出成形機の各部に配備したリミットスイッチや操作盤からの信号を受信したり射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝達したりするための入出力インターフェイスである。
【0015】
ディスプレイ付手動データ入力装置29はCRT表示回路26を介してバス22に接続され、モニタ表示画面や機能メニューの選択および各種データの入力操作等が行えるようになっており、数値データ入力用のテンキーおよび各種のファンクションキー等が設けられている。
【0016】
そして、CNC用CPU25がROM27の制御プログラムに基いて各軸のサーボモータに対してパルス分配を行い、サーボCPU20は各軸に対してパルス分配された移動指令とパルスコーダP1,速度検出器P2等の検出器で検出された位置のフィードバック信号および速度のフィードバック信号に基いて、従来と同様に位置ループ制御,速度ループ制御さらには電流ループ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるディジタルサーボ処理を実行する。
【0017】
次に、本発明を適用した製品良否判別装置の最初の実施形態について述べる。この実施形態は、射出開始直前の樹脂圧力を検出して予め設定された許容圧力範囲と比較することにより製品の良否を判定するものである。従って、この製品良否判別方法を実施するためには、射出開始直前の樹脂圧力(背圧)との比較対象となる許容圧力範囲を予め求めて不揮発性メモリ24に設定しておく必要がある。
【0018】
そこで、オペレータは、条件出し完了の時点で連続的に射出成形作業を継続して行わせ、この間、圧力モニタ用CPU17による背圧のサンプリング処理を行わせて、射出開始直前の樹脂圧力データを何回かに亘って測定する。この際、樹脂圧力を示す数直線をディスプレイ付手動データ入力装置29の画面にグラフ表示させ、その上に各成形サイクル毎の樹脂圧力の値を重複してプロットするようにすれば、良品成形時における射出開始直前の樹脂圧力データのばらつきを容易に把握することができ、オペレータは、このばらつきを参照して許容圧力範囲の下限値Aと上限値Bを決めることができる。
【0019】
許容圧力範囲の下限値Aと上限値Bを前記測定した樹脂圧力のばらつきの下限および上限に一致させて設定する場合もあれば、また、ある程度の誤差を認めて〔樹脂圧力のばらつきの下限−αの値(α>0)〕および〔樹脂圧力のばらつきの上限+βの値(β>0)〕を下限値Aおよび上限値Bとして不揮発性メモリ24に設定する場合もある。なお、圧力モニタ用CPU17による背圧のサンプリングタイミングは、射出開始直前の時点、つまり、CNC用CPU25から型閉じ完了信号が出力された時点である。
【0020】
無論、所定回数の連続運転を自動的に実行させ、その間にCNC用CPU25側の処理でサンプリング値の最小値と最大値を検出させ、これを下限値Aと上限値Bとして自動的に不揮発性メモリ24に設定させるようにすることもできるし、更に、サンプリング値の最小値および最大値と予め設定されたαおよびβの値に基いて演算処理を行わせて下限値Aと上限値Bを求めさせ、これらを自動的に不揮発性メモリ24に設定させるようにすることもできる。その他、全てのサンプリング値を利用して他の統計的な演算処理を行わせ、下限値Aと上限値Bを求めさせるようにしてもよい。
【0021】
図2は、このようにして求められた許容圧力範囲(下限値A,上限値B)に基いて製品の良否判別を行うための処理の概略を示すフローチャートであり、この処理は、射出成形機のシーケンス動作を制御するシーケンスプログラムと一体化してROM13に組み込まれている。
【0022】
PMC用CPU18によるシーケンス制御は従来と全く同様であって、1つの成形サイクルは、型閉じ工程(型締を含む)→射出工程(保圧を含む)→計量工程(冷却を含む)→型開き工程(エジェクトを含む)によって構成されており、半自動運転の場合ではこの1連の動作が1回のみ、また、自動運転の場合ではこの1連の動作が繰り返し実行されることになる。なお、計量工程よりも先に射出工程が実施される関係上、半自動運転または自動運転を開始する前には、予め、手動運転による計量作業を行って設定計量完了位置またはそれよりも後方までスクリュー2を後退させて1回の射出動作に必要とされる溶融樹脂をシリンダ1内に貯溜しておく必要がある。自動運転を開始する場合には、一旦半自動運転を開始し、この1成形サイクル内に自動運転スイッチを操作することにより、以下、前述の成形サイクルが繰り返し実行されるようになる。
【0023】
手動運転による計量完了後に可動側金型が型開き完了位置以上後退していること、及びエジェクタが後退位置以上に後退していることを確認し操作盤の半自動運転スイッチを操作するとPMC用CPU18からCNC用CPU25に型閉じ指令が出力され上記型閉じ工程から型開き工程の1成形サイクルの動作を開始する。すなわち、型閉じ指令を受けたCNC用CPU25がROM27の制御プログラムや不揮発性メモリ24の設定条件に基いて型締用サーボモータに対してパルス分配を開始し、従来と同様にして型閉じ工程を制御する一方、PMC用CPU18は、ステップS1〜ステップS4の判別処理を繰り返し実行して、CNC用CPU25からの型閉じ完了信号を待つ待機状態に入る。そして、CNC用CPU25が型閉じ工程の処理を終了して型閉じ完了信号を出力すると、PMC用CPU18がステップS2の判別処理でこれを検出し、次の工程の開始指令、つまり、射出開始指令(ステップS11)をCNC用CPU25に出力するのである。ステップS2に続くステップS7〜ステップS10の処理がこの実施形態の要旨であるが、ここではその説明を後にまわして全体的なシーケンス動作について説明することにする。
【0024】
射出,計量,型開き等の各工程の処理も上述した型閉じ工程の処理と全く同様であって、各工程における各軸の駆動制御はPMC用CPU18からの工程開始指令によりCNC用CPU25によって実行され、その工程の処理を終了したCNC用CPU25が射出完了信号,計量完了信号,型開き完了信号を順次出力し、これを受けたPMC用CPU18がステップS1〜ステップS4の判別結果に基いて次の工程の開始指令、つまり、計量開始指令(ステップS12),型開き開始指令(ステップS13)を順次出することにより型閉じ,射出,計量,型開きの各工程からなる一連の成形サイクルが実行されるのである。
【0025】
半自動運転の開始後その成形サイクル内で自動運転スイッチを操作しなかった場合では、ステップS5の継続フラグのリセット状態がそのまま維持されているので、CNC用CPU25からの型開き完了信号(1成形サイクル内の最後の工程の完了)を検出して行われるステップS5の判別結果は偽となり、成形サイクルは1回のみで終了する。また、半自動運転の成形サイクル中(型閉じ開始指令出力後型開き完了信号が検出されるまでの期間)に自動運転スイッチを操作すれば、ステップS5の継続フラグがセットされ、上述したようなシーケンスに従って型閉じ,射出,計量,型開きの各工程が繰り返し実行されることになる。
【0026】
なお、計量工程ではCNC用CPU25の処理により射出用サーボモータM1の駆動力を設定背圧に対応する値に保持したままスクリュー回転用モータM2を駆動して計量作業を行い、シリンダ1の先端に計量される溶融樹脂の増加に応じてスクリュー2が後退し、このスクリュー2が設定計量完了位置に到達した時点でスクリュー回転用モータM2を止めて計量を停止し、射出用サーボモータM1の回転位置を現在位置に保持してスクリュー2を定位置保持することになる。この結果、計量工程が行われる間はシリンダ1内の樹脂圧が設定背圧に保持されるが、計量が完了すると、スクリュー2が定位置保持されてシリンダ1の容量が固定され、かつ、新たな樹脂の溶融も行われなくなるので、滞留した溶融樹脂の分解やガスの発生または樹脂洩れ等の影響により樹脂圧力に変化が生じる場合がある。無論、計量完了から射出直前までの期間で溶融樹脂の分解やガスの発生または樹脂洩れ等があろうとも、この溶融樹脂を用いて正常な製品が成形されるのであれば問題はない。いうまでもなく、前述の下限値Aおよび上限値Bは良品成形時における射出直前の溶融樹脂の樹脂圧力を基準にして決められた値であり、計量工程における設定背圧とは直接の関係はない。また、計量完了直後に計量完了位置からスクリュー2を設定所定量だけ後退させてその位置に保持するサックバック動作を行わせる場合もあるが、これもスクリュー2の定位置保持の一種である。
【0027】
以上、PMC用CPU18によるシーケンス制御の概略について述べたが、これらの点に関しては従来のものと全く同様である。
【0028】
この実施形態が従来のものと相違する点は、既に述べた通り、ステップS7〜ステップS10で実行される良否判別処理にある。この良否判別処理は図2からも明らかなように、射出開始指令を出力する直前のタイミングでシーケンス上に組み込まれている。
【0029】
射出工程の前工程である型閉じ工程の完了をステップS2の判別処理で検出したPMC用CPU18は、圧力モニタ用CPU17および圧力検出器4を介して樹脂圧力の現在値P、つまり、射出開始直前の樹脂圧力Pの値を直ちに読み込み(ステップS7)、この現在値Pが予め不揮発性メモリ24に設定された下限値Aと上限値Bとの間にあるか否か、つまり、許容圧力範囲内にあるか否かを判別する(ステップS8)。そして、現在値Pが下限値Aと上限値Bとの間にあれば、この溶融樹脂を用いて行われる射出工程を含む成形サイクルで成形される(取り出される)製品が良品であるものと見做し、製品振り分け装置または良品不良品ショット数カウンタ等に良品信号を出力する(ステップS10)。また、現在値Pが下限値Aよりも小さいか、または、上限値Bよりも大きければ、この溶融樹脂を用いて行われる射出工程を含む成形サイクルで成形される(取り出される)製品が不良品であるものと見做し、製品振り分け装置または良品不良品ショット数カウンタ等に不良信号を出力する(ステップS9)。
【0030】
この実施形態においては、樹脂圧力Pを読み込んだ成形サイクルとこの樹脂を用いて行われる射出工程を含む成形サイクルとが常に一致するので、ステップS10またはステップS9で出力された信号を受信した段階で直ちに製品振り分け装置の振り分け先を変更してしまって構わない。つまり、同一成形サイクル内における型開き動作で離型される製品は、必ず、その成形サイクルで実施されたステップS7の処理で樹脂圧力を読み込まれた溶融樹脂を用いて行われる射出工程で成形された製品である(但し、樹脂の計量自体は1成形サイクル前に行われている)。
【0031】
良品信号または不良信号出力後のシーケンス制御に関する処理(ステップS11以降)に関しては、既に説明した通り、従来のものと全く同様であるので、ここでは説明しない。
【0032】
この実施形態によれば、サックバック動作を行ったり冷却時間を長めに設定する等のことにより計量完了後に樹脂の溶融状態に変化が生じた場合であっても、最終的な樹脂の溶融状態を示す1つの要素となる樹脂圧力を射出開始直前のタイミングで検出して良品成形時の同一タイミングにおける樹脂圧力を基準に設定された許容圧力範囲(下限値A,上限値B)と比較することにより、計量完了後の樹脂の状態変化を含め、溶融樹脂の状態を総合的に判断して製品の良否判別を行うことができる。なお、図2ではサックバックのシーケンスについては開示していないが、この動作は、既に述べた通り、計量完了と同時にスクリュー2の回転を止めスクリュー2を設定所定量だけ後退させて行うものである。
【0033】
次に、本発明を適用した製品良否判別装置のもう1つの実施形態について述べる。この実施形態は、計量完了後次の射出開始までの期間内で樹脂圧力検出タイミングを任意に設定し、各成形サイクル毎にこれと同じタイミングで樹脂圧力を検出し、この樹脂圧力と予め設定された許容圧力範囲とを比較することにより製品の良否を判定するものである。
【0034】
従って、この実施形態においては、良否判別のための樹脂圧力の検出タイミングに格別の制限はなく、計量完了後次の射出開始までの期間内で樹脂圧力の検出タイミングを任意に設定することができるが、オペレータは予めその検出タイミングを決めておかなければならない。
【0035】
製品の良否に最も大きな影響を与える溶融樹脂の状態が検出されるタイミングというのは、シリンダ1の温度条件や樹脂の種類等によっても様々に相違すると考えられるので、シリンダ1の温度条件や樹脂の種類等に応じて様々な実験を行い、製品の良否に最も大きな影響を与える溶融樹脂の状態が検出されるタイミングを把握しておくようにするとよい。
【0036】
許容圧力範囲の求め方については基本的に先に述べた実施形態の場合と同様であるが、この実施形態では樹脂圧力検出タイミングを任意に設定できるようになっているため、許容圧力範囲を求めるための背圧のサンプリング処理では、予めオペレータが決めておいた検出タイミングを制御装置10に設定し、このタイミングに合わせてサンプリング処理を行わせるようにする。樹脂圧力データを何回かに亘って測定してグラフ表示させ、そのばらつきの下限や上限、更には、誤差の許容範囲α,β等に基いて許容圧力範囲の下限値Aと上限値Bとを決める点、および、制御装置10側の処理で自動的にこれを行わせることができる点等に関しては先の実施形態と同じである。
【0037】
なお、圧力モニタ用CPU17による背圧のサンプリングは、CNC用CPU25からの計量完了信号を検出した時点でPMC用CPU18によってタイマを作動させ、このタイマが設定時間Txを計時した時点で実行させるようにする。いうまでもなく、このTxが前述の樹脂圧力検出タイミングであって、その値は、計量完了時点を零とした経過時間により設定されることになる。
【0038】
図3および図4は、このようにして求められた許容圧力範囲(下限値A,上限値B)に基いて製品の良否判別を行うための処理の概略を示すフローチャートであり、この処理は、射出成形機のシーケンス動作を制御するシーケンスプログラムと一体化してROM13に組み込まれている。
【0039】
PMC用CPU18によるシーケンス制御は、直接成形作業に関わる部分に関しては、従来のものおよび先に述べた実施形態のものと全く同様である。つまり、図3におけるステップT1〜ステップT4の処理は図2におけるステップS1〜ステップS4の処理と同一であり、また、図3におけるステップT7,ステップT9,ステップT10,ステップT11,ステップT15の各処理は図2におけるステップS5,ステップS6,ステップS11,ステップS12,ステップS13の各処理と全く同一であって、型閉じ工程(型締を含む)→射出工程(保圧を含む)→計量工程(冷却を含む)→型開き工程(エジェクトを含む)の各工程からなる1成形サイクルのシーケンス動作それ自体には差異がない。半自動運転の起動および自動運転への切り替え操作等に関しても従来のものおよび先に述べた実施形態のものと同様である。
【0040】
次に、この実施形態の良否判別処理について詳細に説明する。
【0041】
まず、測定待機フラグF2および信号出力状態記憶フラグF4(共に詳細は後述)の初期値は0であり、半自動運転スイッチの操作による成形開始指令の入力が検出されると(これが成形サイクルの開始である)、PMC用CPU18は、まず、工程記憶フラグF1に0をセットし(ステップT8)、CNC用CPU25に型閉じ開始指令を出力してCNC用CPU25による型閉じ工程の処理を開始させた後(ステップT9)、再び、ステップT1〜ステップT6のループ処理を開始してCNC用CPU25からの型閉じ完了信号を待つ待機状態に入る。
【0042】
なお、自動運転時にCNC用CPU25から型開き完了信号が入力された場合の処理(ステップT1の判別結果が真となった場合の処理)もこれと同様であり、既に述べた通り、半自動運転から自動運転への切り替えは、半自動運転中に自動運転スイッチを操作することにより行われる。また、ステップT4およびステップT13を参照すれば分かる通り、工程記憶フラグF1の値は、型閉じ開始から計量完了までの区間で0、また、計量完了から次の成形サイクルの型閉じ開始までの区間で1である。
【0043】
そして、CNC用CPU25による型閉じ工程の処理が完了して型閉じ完了信号が入力されると、PMC用CPU18はステップT2の判別処理でこれを検出し、CNC用CPU25に射出開始指令を出力して(ステップT10)、保圧を含む射出工程の処理をCNC用CPU25によって実行させ、PMC用CPU18自体は、再び、ステップT1〜ステップT6のループ処理を開始する。いうまでもなく、この射出動作によって射出される樹脂は、1つ前の成形サイクルまたは半自動運転開始時の手動操作により計量された溶融樹脂である。
【0044】
次いで、CNC用CPU25から射出完了信号が入力されると、PMC用CPU18はステップT3の判別処理でこれを検出し、CNC用CPU25に計量開始指令を出力して(ステップT11)、計量工程の処理をCNC用CPU25により実行させる。前記と同様、PMC用CPU18自体は、再び、ステップT1〜ステップT6のループ処理を開始する。
【0045】
そして、CNC用CPU25による計量工程の処理が完了して計量完了信号が入力されると、PMC用CPU18はステップT4の判別処理でこれを検出してタイマTをリセットし、計量完了時点を零とする経過時間の計時を開始する(ステップT12)。いうまでもなく、この計測開始タイミングは許容圧力範囲を求めるために行ったサンプリング処理のときのそれと同一である。
【0046】
次いで、PMC用CPU18は工程記憶フラグF1および測定待機フラグF2に1をセットし(ステップT13,ステップT14)、CNC用CPU25に型開き開始始指令を出力して(ステップT15)、型開き工程の処理をCNC用CPU25によって実行させ、PMC用CPU18自体は、再び、ステップT1〜ステップT6のループ処理を開始する。既に述べた通り、工程記憶フラグF1の値は、計量完了から次の成形サイクルの型閉じ開始までの区間で1である。また、ステップT16,ステップT17およびステップT21を参照すれば分かる通り、測定待機フラグF2の値は、計量完了後、タイマTによる計測時間が設定値Txに達して樹脂圧力の検出が行われるまでの区間で1、また、樹脂圧力の検出後、次の計量が完了するまでの区間で0である。
【0047】
ステップT1〜ステップT6のループ処理を繰り返すPMC用CPU18は、測定待機フラグF2の値が0から1に切り替わったことをステップT5の判別処理によって検出し、次いで、次の処理に移行してタイマTの計測時間が設定値Txに達しているか否かを判別する(ステップT16)。タイマTの計測時間が設定値Txに達していなければ樹脂圧力を検出するタイミングには達していないので、PMC用CPU18は再びステップT1の処理に復帰し、以下、測定待機フラグF2の値に基き、ステップT1〜ステップT5およびステップT16のループ処理を繰り返し実行することになる。
【0048】
このループ処理はステッブT1〜ステップT4の判別処理、つまり、型開き完了信号の検出や型閉じ完了信号の検出等を含むものであるから、タイマTの計測時間が設定値Txに達していようといまいと、当該成形サイクルで出力された型開き開始指令(ステップT15参照)に対応するCNC用CPU25側の処理が終了してCNC用CPU25からの型開き完了信号さえ入力されれば、PMC用CPU18自体は、型閉じ工程を初めとする次の成形サイクルのシーケンス制御を開始することが可能である。以下の説明を理解する上で、この点に関して留意しておく必要があろう。
【0049】
既に述べた通り、この実施形態においては、計量完了後次の射出開始までの期間内で樹脂圧力の検出タイミングTxを任意に設定することができるようになっているので、Txの設定値如何によっては、型開き開始指令を出力したのと同じ成形サイクル内でステップT16の判別結果が真となる場合と、次の成形サイクルの実行途中でステップT16の判別結果が真となる場合とがある。
【0050】
より具体的にいえば、検出タイミングTxを短めに設定した場合では型開き開始指令を出力したのと同じ成形サイクル内の型開き工程(エジェクトを含む)の実行過程でステップT16の判別結果が真となって樹脂圧力が測定され、また、検出タイミングTxを長めに設定した場合では次の成形サイクル内の型閉じ工程(型締を含む)の実行過程でステップT16の判別結果が真となって樹脂圧力が測定されるということである。なお、検出タイミングTxを極端に長く設定した場合では、次の成形サイクル内の射出工程もしくはそれ以降の工程で初めてステップT16の判別結果が真となるということも有り得るが、既に述べた通り、Txの設定範囲は飽くまで計量完了後次の射出開始までの期間内に限定されるべきで、次の射出工程以降に跨がるような設定行為は全て誤りであり、そのような設定行為は行ってはならない。
【0051】
つまり、いい方を換えれば、型閉じ工程(要するに工程記憶フラグF1が0である期間、但し、既に述べた通り射出工程,計量工程は含まない)でタイマTの計測時間がTxに達したのであれば、1つ前の成形サイクルで計量された溶融樹脂の樹脂圧力が当該成形サイクルの型閉じ工程に入ってから測定されたことを意味し、この場合は、当該成形サイクルの射出工程で射出される溶融樹脂と当該成形サイクルで樹脂圧力を測定された溶融樹脂とが同一である。従って、このような場合では、測定結果によって得られた良品信号もしくは不良信号を当該成形サイクルの完了前に出力し、当該成形サイクルの型開き工程(厳密にはエジェクト動作)の実行前の段階で製品振り分け装置の振り分け先を決めなければならない。同一成形サイクル内において、型閉じ工程は型開き工程(厳密にはエジェクト動作)よりも時系列上先に位置するから、工程記憶フラグF1が0である期間でタイマTの計測時間がTxに達した場合は、例えば、樹脂圧力の測定および良否判別の後、直ちに良品信号もしくは不良信号を出力することが可能である。
【0052】
これに対し、型開き工程(要するに工程記憶フラグF1が1である期間)でタイマTの計測時間がTxに達したのであれば、当該成形サイクルで計量された溶融樹脂の樹脂圧力が当該成形サイクルの型開き工程の実行中に測定されたことを意味し、この場合は、当該成形サイクルの射出工程で射出された溶融樹脂と当該成形サイクルで樹脂圧力を測定された溶融樹脂とが異なる。より具体的に言えば、当該成形サイクルの射出工程で射出された溶融樹脂は1つ前の成形サイクルで計量された溶融樹脂であり、また、当該成形サイクルで樹脂圧力を測定された溶融樹脂は次の成形サイクルの射出工程で射出される溶融樹脂である。
【0053】
従って、このような場合では、測定結果によって得られた良品信号もしくは不良信号を直ちに出力して製品振り分け装置の振り分け先を決めてしまうことはできず、当該成形サイクルで開始される型開き(厳密にはエジェクト動作)の完了を待ち、その後で、当該成形サイクルの測定結果によって得られた良品信号もしくは不良信号を出力して製品振り分け装置の振り分け先を決める必要がある。同一成形サイクル内の時系列上ではエジェクト動作が型開き工程の後半に位置するため、型開き工程における樹脂圧力の測定で得られた判別結果に従って直ちに製品振り分け装置の振り分け先を変えてしまうと、この振り分け動作によって当該成形サイクルの射出工程で成形された成形品、つまり、1つ前の成形サイクルで計量および樹脂圧力の測定が行われた成形品が振り分けられてしまう可能性があるからである。
【0054】
ステップT1〜ステップT5およびステップT16のループ処理を繰り返し実行する間にタイマTの計測時間が設定値Txに達すると、PMC用CPU18はステップT16の判別処理でこれを検出し、圧力モニタ用CPU17および圧力検出器4を介して樹脂圧力の現在値P、つまり、計量完了後Tx時経過時点の樹脂圧力Pの値を直ちに読み込み(ステップT17)、この現在値Pが予め不揮発性メモリ24に設定された下限値Aと上限値Bとの間にあるか否か、つまり、許容圧力範囲内にあるか否かを判別する(ステップT18)。
【0055】
そして、現在値Pが下限値Aと上限値Bとの間にあれば、この溶融樹脂を用いて行われる射出工程を含む成形サイクルで成形される製品が良品であるものと見做して判別結果記憶フラグF3に0をセットし(ステップT19)、また、現在値Pが下限値Aよりも小さいか、または、上限値Bよりも大きければ、この溶融樹脂を用いて行われる射出工程を含む成形サイクルで成形される製品が不良品であるものと見做して判別結果記憶フラグF3に1をセットする(ステップT20)。いうまでもなく、フラグF3における0は良品を示す値、また、1は不良を示す値である。
【0056】
次いで、PMC用CPU18は、測定待機フラグF2に0をセットして樹脂圧力の測定の完了を記憶すると共に(ステップT21)、信号出力状態記憶フラグF4に1をセットして、良否判別済み信号出力待機の状態を記憶する(ステップT22)。
【0057】
先に述べた理由により、この実施形態においては、判別処理終了後、良品信号または不良信号の出力を一時保留し、型閉じ工程(工程記憶フラグF1が0である期間)で樹脂圧力の測定が行われた場合に限ってPMC用CPU18における次の処理周期で良品信号または不良信号を直ちに出力し、また、型開き工程(工程記憶フラグF1が1である期間)で樹脂圧力の測定が行われた場合では、次の成形サイクルの開始時点で良品信号または不良信号を出力するようにしているのである。
【0058】
前述のステップT21およびステップT22の処理でフラグF2およびフラグF4に0と1がセットされる結果、次の処理周期では、ステップT1〜ステップT6の判別処理実行後、PMC用CPU18は、工程記憶フラグF1がセットされているか否か、つまり、樹脂圧力の測定が型閉じの工程で行われたのか型開きの工程で行われたのかを判別することとなる(ステップT23)。
【0059】
そして、工程記憶フラグF1がセットされておらず、樹脂圧力の測定が型閉じの工程で行われたのであれば、PMC用CPU18は、判別結果記憶フラグF3の値が0であるか1であるかを判別し(ステップT24)、判別結果記憶フラグF3の値が0であれば、この溶融樹脂を用いて行われる射出工程を含む成形サイクル、つまり、当該成形サイクルで成形される製品が良品であるものと見做し、製品振り分け装置または良品不良品ショット数カウンタ等に良品信号を出力する一方(ステップT25)、判別結果記憶フラグF3の値が1であれば、当該成形サイクルで成形される製品が不良品であるものと見做し、製品振り分け装置または良品不良品ショット数カウンタ等に不良信号を出力する(ステップT26)。
【0060】
つまり、型閉じ工程で樹脂圧力の測定が行われた場合(一般にTxの設定値が長い場合)では、良品信号または不良信号が、圧力測定実行後のPMC用CPU18の次の処理周期で直ちに出力されるのである。
【0061】
そして、良品信号または不良信号を出力したPMC用CPU18は、信号出力状態記憶フラグF4を0にリセットし(ステップT27)、再び、ステップT1〜ステップT6のループ処理を開始し、PMC用CPU25からの型閉じ完了信号や射出完了信号および計量完了信号を受けて前記した通りのシーケンス制御を実施して、1成形サイクルの処理を終了する。良否判別信号が出力されてから当該成形サイクルで成形された製品がエジェクトされるまでには少なくとも射出および計量の各工程があるので、製品振り分け装置の作動余裕時間は十分に保証される。なお、この成形サイクルで射出される溶融樹脂は、それよりも1つ前の成形サイクルで計量され、その樹脂圧力の測定のみを当該成形サイクルで行われた樹脂である。
【0062】
一方、工程記憶フラグF1がセットされており、樹脂圧力の測定が型開きの工程で行われた場合では、前述したステップT23の判別結果が真となる。従って、このような場合では、ステップT8の処理で工程記憶フラグF1に0がセットされるまでの間、要するに、現在行っている型開き動作が完了して次の成形サイクルにおける型閉じ工程が開始されるまでの間、ステップT24〜ステップT27の処理はそのまま保留され、次の成形サイクルにおける型閉じ工程が開始されるまでの間、PMC用CPU18はステップT1〜ステップT6およびステップT23の判別処理を繰り返し実行することになる。
【0063】
そして、型開きの工程が完了してCNC用CPU25からの型開き完了信号が入力されると、PMC用CPU18はステップT1の判別処理でこれを検出し、ステップT7の判別処理実行後(自動運転では継続フラグがセットされるためステップT7の判別結果は真となる)、工程記憶フラグF1に0をセットし(ステップT8)、PMC用CPU25に型閉じ開始指令を出力して型閉じ工程の処理を開始させ(ステップT9)、測定待機フラグF2の値を判別する(ステップT5)。良否判別済み信号出力待機の状態にある現時点では測定待機フラグF2が0にリセットされ(ステップT21参照)、また、信号出力待機フラグF4の値が1にセットされているので(ステップT22参照)、ステップT5の判別結果が偽、また、これに次ぐステップT6の判別結果が真となる。更に、工程記憶フラグF1の値はステップT8の処理の実行に伴って0にリセットされているので、ステップT6に次ぐステップT23の判別結果は偽となり、前記と同様にしてステップT24〜ステップT27の処理が実施されることになる。
【0064】
つまり、溶融樹脂の樹脂圧力が型開き工程の実行中に測定された場合(一般にTxの設定値が短い場合)においては、当該成形サイクル(樹脂圧力の測定を行った成形サイクル)における型開きの完了、より厳密には、次の成形サイクルの型閉じの開始を待ってから良品信号もしくは不良信号が出力されるのである。
【0065】
そして、信号出力状態記憶フラグF4に0をセットしたPMC用CPU18は、再び、ステップT1〜ステップT6のループ処理を開始し、PMC用CPU25からの型閉じ完了信号や射出完了信号および計量完了信号を受けて前記した通りのシーケンス制御を実施し、1成形サイクルのシーケンス処理を終了する。この場合も、良否判別信号が出力されてから対応する製品がエジェクトされるまでには型閉じと射出および計量の各工程があるので、製品振り分け装置の作動余裕時間は十分に保証される。なお、溶融樹脂の樹脂圧力が第N回目の成形サイクルの型開き工程の実行中に測定された場合においては、第N回目の成形サイクルで射出成形されて製品となって取り出される溶融樹脂は、第N−1回目の成形サイクルで計量され、これと同じ第N−1回目の成形サイクルで樹脂圧力の測定を行われた樹脂である。この製品の振り分けに用いられる良否判別結果は、第N−1回目の成形サイクルの型開き工程の実行中に得られたものであり、この結果が第N回目の型閉じ動作の開始時点まで持ち越され、第N回目の型閉じ動作の開始時点で初めて製品振り分け装置等の振り分け先が変更されるのである。
【0066】
以下、連続成形作業が行われる間、1成形サイクル毎に前述と同じ処理操作が繰り返し実行され、各成形サイクルで成形されて取り出される製品の良否が判別され、実際にその成形サイクルで取り出される製品の良否に合わせて製品振り分け装置等が駆動されることになる。
【0067】
この実施形態によれば、計量完了後次の射出開始までの期間内で樹脂圧力の検出タイミングを任意に設定することができる。従って、製品の良否に最も大きな影響を与える溶融樹脂の状態が検出されるタイミングをシリンダ1の温度条件や樹脂の種類等によって特定することさえできれば、そのタイミングをTxとして設定することにより、極めて確度の高い良否判別を実行することが可能である。
【0068】
更に、サックバック完了時点に対応する計量完了後の経過時間を実験的に求めてTxとして設定するようにすれば、サックバック完了時点の樹脂圧力によって製品の良否を判定することができ、サックバック完了時点の樹脂圧力が製品の良否に最も大きな影響を与えるような製品の良否判別に対して有利である。無論、いずれの場合においても、許容圧力範囲の下限値および上限値を求めるためのサンプリング処理は、このTxの値に合わせて行う必要がある。
【0069】
また、サックバック完了時点の樹脂圧力が製品の良否に最も大きな影響を与えると初めから分かっているような製品に対しては、何も、サックバック完了時点に対応する計量完了後の経過時間をわざわざ求めてTxを設定するには及ばず、サックバック完了信号の検出により、樹脂圧力の現在値Pを読み込んで判別処理を行うようにすればよい。
【0070】
つまり、“計量完了後次の射出開始までの期間内で樹脂圧力検出タイミングを任意に設定する”という構成においては、計量完了後の経過時間のみがタイミングの設定要素となるのではなく、サックバック完了信号等を初めとする内部的な制御信号も、タイミング設定のための要素として適用し得るということである。無論、内部的な制御信号を用いて樹脂圧力の検出タイミングを設定する場合では、許容圧力範囲の下限値および上限値を求めるためのサンプリング処理も、この内部的な制御信号に合わせて行う必要がある。
【0071】
【発明の効果】
本発明の製品良否判別装置は、射出開始直前の樹脂圧力を検出し、この樹脂圧力と予め設定された許容圧力範囲とを比較して製品の良否判定を行うようにしたので、計量完了位置や計量所要時間のばらつきに関わりなく、計量された溶融樹脂の状態を射出開始の直前で総合的に判断して製品の良否判別を適確に行うことができる。
【0072】
更に、計量完了後次の射出開始までの期間内で樹脂圧力検出タイミングを任意に設定し、各成形サイクル毎に前記設定タイミングで樹脂圧力を検出し、この樹脂圧力と予め設定された許容圧力範囲とを比較して製品の良否判定を行うようにしたので、製品の良否に最も大きな影響を与える溶融樹脂の状態が検出されるタイミングに合わせて樹脂圧力の検出タイミングを設定することができる。従って、適切なタイミングに良否判別を行えば、極めて確度の高い良否判別を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製品良否判別装置を備える一実施形態の射出成形機の要部を示すブロック図である。
【図2】同実施形態におけるシーケンスプログラムおよび良否判別処理の概略を示すフローチャートである。
【図3】もう1つの同実施形態におけるシーケンスプログラムおよび良否判別処理の概略を示すフローチャートである。
【図4】シーケンスプログラムおよび良否判別処理の概略を示すフローチャートの続きである。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 スクリュー
4 圧力検出器
10 制御装置
15 サーボアンプ
16 A/D変換器
17 圧力モニタ用CPU
18 PMC用CPU
20 サーボCPU
24 不揮発性メモリ
25 CNC用CPU
M1 射出用サーボモータ
M2 スクリュー回転用モータ
Claims (2)
- 計量完了後スクリューを所定位置に保持する射出成形機における製品良否判別装置であって、射出開始直前の樹脂圧力を検出する手段と、該検出樹脂圧力と予め設定された許容圧力範囲とを比較する手段と、前記検出樹脂圧力が許容圧力範囲を外れていれば不良信号を出力する手段を有する射出成形機における製品良否判別装置。
- 計量完了後スクリューを所定位置に保持する射出成形機における製品良否判別装置であって、計量完了後次の射出開始までの期間内で樹脂圧力検出タイミングを任意に設定する手段と、前記設定タイミングで樹脂圧力を検出する手段と、該検出樹脂圧力と予め設定された許容圧力範囲とを比較する手段と、前記検出樹脂圧力が許容圧力範囲を外れていれば不良信号を出力する手段を有する射出成形機における製品良否判別装置。
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