JPH07296783A - 車両用ハロゲン電球およびこれを用いた前照灯 - Google Patents

車両用ハロゲン電球およびこれを用いた前照灯

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JPH07296783A
JPH07296783A JP6089913A JP8991394A JPH07296783A JP H07296783 A JPH07296783 A JP H07296783A JP 6089913 A JP6089913 A JP 6089913A JP 8991394 A JP8991394 A JP 8991394A JP H07296783 A JPH07296783 A JP H07296783A
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halogen
filament
internal lead
lead wire
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Kazunari Fukue
一成 福恵
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高電圧と低電圧とに切換え使用される電球にお
いて、黒化の防止および内部リード線のエッチングを抑
制した車両用ハロゲン電球およびこれを用いた前照灯を
提供する。 【構成】バルブ2にフィラメント6を収容し、このフィ
ラメントを内部リード線7,8に接続し、上記バルブに
希ガスとハロゲンの混合ガスを封入して高電圧と低電圧
とに切換えて点灯される車両用ハロゲン電球において、
上記内部リード線はタンタルを主体とする導電線からな
り、かつ希ガスとハロゲンの混合ガスは、クリプトンと
臭素および塩素とからなることを特徴とする。 【作用】低電圧により点灯する場合に、沸点および蒸気
圧の低い塩素がハロゲンサイクルを円滑に行い、また高
融点でゲッター作用の強いタンタルが不純物を吸着する
から、バルブの黒化と内部リード線のエッチングを防止
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば12〜13.5
Vの高電圧および5.3〜6.8Vの低電圧に切換えて
点灯可能な車両用ハロゲン電球およびこれを用いた前照
灯に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車用前照灯の光源としてハロ
ゲン電球が使用されている。ハロゲン電球は白熱電球の
一種であるが、バルブ内に封入したハロゲンの作用で発
光効率が高く、したがって通常の白熱電球に比べて低電
力でも高い輝度が得られるので自動車用の前照灯に用い
て有効である。
【0003】ところで、従来の前照灯用ハロゲン電球
は、石英または硬質ガラスからなるバルブにタングステ
ンWからなるフィラメントが収容されており、このフィ
ラメントはモリブデンMoからなる内部リード線に接続
され、この内部リード線はバルブ端部に形成した圧潰封
止部に封着されたモリブデンなどからなる金属箔導体を
介して外部リード線に接続されている。そして、バルブ
内には、希ガスとしてのクリプトンKrと、ハロゲンと
しての臭素Brとの混合ガスが封入されている。
【0004】このような構成の前照灯用ハロゲン電球
は、車両用の電源電圧として規格されている12〜1
3.5Vの電圧によって点灯されるように設計されてい
る。これは、夜間やトンネルなどのような真っ暗闇で点
灯使用した場合に、所定の明るさが得られるように設定
されているものである。
【0005】しかしながら、例えば北米やカナダ、また
は北欧などのように緯度の高い国では、冬季の昼間でも
太陽の光量が少なくて薄暗いことから、前照灯を点灯し
て走行するなどのような使用が見直されている。つま
り、昼間でも前照灯を点灯して走行することにより、走
行車両の視認性が高まり、交通の安全が高くなるもので
ある。(以下DTRL点灯と称す。=day time
running lights) このようなDTRL点灯の場合、夜間やトンネルなどの
ような真っ暗闇で使用する場合に比べてそれ程の明るさ
は必要でなく、車の走行を確認できればよいから、通常
の半分以下の電圧、すなわち例えば5.3〜6.8Vの
電圧で点灯することが検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
前照灯用ハロゲン電球は、前述した通り12〜13.5
Vの高電圧で点灯されるように設計されているので、こ
のような仕様の電球を低電圧に切換えて5.3〜6.8
Vで点灯すると、以下のような不具合が生じる。すなわ
ち、高圧仕様のハロゲン電球を低電圧で点灯すると、ラ
ンプ電流が小さくなるから管壁負荷が低くなり、バルブ
温度が低くなる。バルブ温度が250℃以下になると、
ハロゲンサイクルが円滑に行われず、蒸発したタングス
テンとハロゲンとの化合物、つまりハロゲン化タングス
テンが管壁に付着し、管壁の黒化を発生させる。
【0007】また、ハロゲンサイクルが崩れることから
過剰のハロゲンによりモリブデンからなる内部リード線
がエッチングされ、細りを生じて早期に折損し易くな
る。これを防止するため、バルブを小さくすることが検
討された。すなわち、バルブを小さくすると、低電圧で
使用する場合にバルブ温度が250℃以上になり、ハロ
ゲンサイクルが平衡に行われる。しかし、これを高電圧
で使用した場合はバルブ温度が高くなり過ぎて、バルブ
が熱で膨らむなどの変形を生じる不具合がある。
【0008】一方、管壁黒化および内部リード線の折損
を防止するために、ハロゲンの濃度を低くすることも考
えられる。すなわち、ハロゲン電球を低電圧で点灯する
とハロゲンサイクルの平衡が崩れて過剰のハロゲンが発
生するため内部リード線のエッチングが進むから、過剰
のアロゲンが発生しないように、封入するハロゲンの濃
度を低くすることが検討された。しかしながら、このよ
うにすると低電圧で点灯した場合には内部リード線がエ
ッチングされる割合は少なくなるが、これを高電圧で点
灯すると、ハロゲン量がタングステンの蒸発量に対して
不足することになり、早期に黒化が発生する欠点があ
る。
【0009】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、高電圧と低電圧と
に切換え使用される電球において、黒化の防止および内
部リード線のエッチングを抑制することができる車両用
ハロゲン電球およびこれを用いた前照灯を提供しようと
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、石英
または硬質ガラスからなるバルブと、このバルブに収容
されたフィラメントと、上記バルブ内に導入され上記フ
ィラメントが接続された内部リード線と、上記バルブに
封入された希ガスとハロゲンの混合ガスとを備え、12
〜13.5Vの高電圧と5.3〜6.8Vの低電圧とに
切換えて点灯される車両用ハロゲン電球において、上記
内部リード線はタンタルを主体とする導電線からなり、
かつ希ガスとハロゲンの混合ガスは、クリプトンと臭素
および塩素とからなることを特徴とする。
【0011】ここでタンタルを主体とする導電線とは、
Taが100%であってもよいが、Taを50重量%以
上を含むモリブデンやタングステンとの混合物質であっ
てもよい。
【0012】請求項2の発明は、クリプトンと臭素およ
び塩素の混合比を、モル比で1:1:1.5としたこと
を特徴とする。請求項3の発明は、上記内部リード線
は、点灯使用される姿勢においてフィラメントの対流領
域から外れた領域に配置されていることを特徴とする。
【0013】請求項4の発明は、上記請求項1ないし請
求項3のいずれか1に記載のハロゲン電球と、このハロ
ゲン電球を収容し、この電球から放射される光を反射す
る反射体と、からなることを特徴とする前照灯である。
【0014】
【作用】本発明者等は、高電圧と低電圧とに切換えて使
用可能なハロゲン電球について、バルブの黒化と内部リ
ード線のエッチングを防止する対策を検討した結果、内
部リード線の材質と、ハロゲンの種類により改善できる
ものと考えた。
【0015】すなわち、ハロゲン電球を低電圧で点灯す
るとハロゲンサイクルが円滑に進まなくなるが、これは
前述したように、バルブ温度が低すぎることに原因があ
る。そこで、本発明者等はハロゲンの種類について検討
した。従来の場合、ハロゲンとして臭素を用いていた
が、臭素は比較的蒸気圧が高いハロゲンである。これに
対し沸点および蒸気圧の低い塩素を用いることを考え
た。沸点および蒸気圧の低い塩素を用いると、低電圧で
使用する場合にバルブ温度が低くても塩素がハロゲンサ
イクルを促し、タングステンが管壁に付着するのを軽減
することができる。したがって、管壁黒化と内部リード
線のエッチングを防止することができる。
【0016】また、黒化の発生原因は、蒸発したタング
ステンやモリブデンがバルブ内の不純物と結合して化合
物を生成することにも原因するものと考えられる。つま
り、バルブ内は排気工程で浄化されているが、点灯中に
バルブやフィラメントおよび内部リード線に吸着されて
いた水分や酸素がバルブ内に放出され、この不純物が蒸
発したタングステンやモリブデンに付着して化合物を作
る。この化合物は安定性が高いから、低電圧で点灯して
ハロゲンサイクルが円滑に進まない場合は、バルブ壁に
付着する。すなわち、蒸発したタングステンやモリブデ
ンは、上記不純物として管壁に付着し、かつハロゲン化
タングステンやハロゲン化モリブデンの形態で管壁に付
着する。この結果、管壁の黒化を促す。しかも、蒸発し
たタングステンやモリブデンがフィラメントや内部リー
ド線に戻されないから、内部リード線の細りが発生す
る。
【0017】そこで、本発明者らは、内部リード線とし
て高融点でありながらゲッタ作用の強いタンタルを主体
に使用した。タンタルを主体として使用すれば、不純物
の吸着作用が高いので不純物がタングステンやモリブデ
ンと結合して化合物を作る割合が少なくなり、よって管
壁に付着する割合を低減することができる。したがっ
て、管壁黒化と内部リード線のエッチングを防止するこ
とができる。
【0018】よって、請求項1の発明によれば、ハロゲ
ンとして臭素と塩素を用い、かつ内部リード線にはタン
タルを主体とした導電線を用いるようにし、これによ
り、高電圧と低電圧とに切換えて使用可能なハロゲン電
球において、バルブの黒化と内部リード線のエッチング
を防止することができる。
【0019】請求項2の発明によれば、クリプトンと臭
素および塩素の混合比を、モル比で1:1:1.5の割
合としたから、高電圧および低電圧のいずれの場合で
も、ハロゲンサイクルを円滑に行わせることができる。
【0020】請求項3の発明によれば、内部リード線
は、点灯使用される姿勢においてフィラメントの対流領
域から外れた領域に配置されているから、点灯中に高温
に晒されることがなくなり、蒸発が抑制され、よってエ
ッチングによる細りが一層軽減される。
【0021】請求項4の発明によれば、上記請求項1な
いし請求項3のいずれか1に記載のハロゲン電球を反射
体に収容した前照灯であるから、高電圧と低電圧に切換
えて用いられるという実情に対応した前照灯に用いて上
記ハロゲン電球の特性を生かすことができる。
【0022】
【実施例】以下本発明について、図面に示す一実施例に
もとづき説明する。図1および図2は、自動車の前照灯
の光源に使用されるハロゲン電球の構成を示し、図3は
これを用いた前照灯を示す。
【0023】図において符号1はハロゲン電球であり、
2はそのバルブを示す。バルブ2は石英ガラスまたは硬
質ガラスよりなり、一端に円筒形の発光部2が形成され
ているとともに他端に圧潰封止部4が形成されており、
このためこのハロゲン電球1は片封止構造をなしてい
る。
【0024】このバルブ2の外面には可視光透過赤外線
反射膜5が形成されている。上記赤外線反射膜5は、高
屈折率層と低屈折率層とを交互に積層して20〜60層
の多層干渉膜として構成されたものである。
【0025】なお、高屈折率層としては、TiO2 およ
びTa2 Oを主成分とし、その他ZrO2 、ZnSなど
の金属酸化物により形成されており、低折率層として
は、SiO2 を主成分とし、その他MgF2 などにより
形成されている。このような赤外線反射膜5は、後述す
るフィラメント6から放射される光のうち、可視光を透
過するとともに赤外線を反射し、この赤外線をフィラメ
ント6に戻し、フィラメント6を加熱する。このため消
費電力を節約することができる。
【0026】上記バルブ2内には、タングステンからフ
ィラメント6が収容されている。このフィラメント6は
C−8形のフィラメントであり、両端部が内部リード線
7、8に接続されている。
【0027】内部リード線7および8はそれぞれ、タン
タルTa、またはタンタルTa主成分としてその他モリ
ブデンMoを混合した導電線により形成されている。タ
ンタルとモリブデンを混合して用いる場合、融点の高い
タンタルの混合割合は50%以上とされているこのよう
な内部リード線7,8は、バルブ2の端部に形成された
圧潰封止部4に導かれ、この封止部4に封着されたモリ
ブデンMo等からなる金属箔導体9,9に接続されてい
る。なお、バルブ2を硬質ガラスにより形成した場合
は、モリブデンMo等からなる金属箔導体9,9を省略
することができる。
【0028】上記内部リード線7,8は、点灯中にフィ
ラメント6の周囲に発生する対流領域Sを避けた位置に
配置されている。すなわち、図1に示す姿勢が、ハロゲ
ン電球1の取り付け使用姿勢であり、この場合、内部リ
ード線7,8は、フィラメント6に対してその上方に位
置するのを避け、フィラメント6よりも下方またはフィ
ラメント6の側方に配置されている。なお、内部リード
線7,8をフィラメント6の側方に配置する場合、図2
に示すように、フィラメント6を通る鉛直線に対して2
2.5°の角度θ以上の領域に設置すれば、フィラメン
ト6の対流領域Sを避けた位置に配置され、フィラメン
ト6の対流の影響を受けないようにすることができる。
【0029】上記封止部4に封着されたモリブデンMo
等からなる金属箔導体9,9はそれぞれ外部リード線1
0、10に接続されている。この場合、外部リード線1
0,10におけるそれぞれ封止部4に埋め込まれている
端部には、石英と外部リード線10,10との間に、ソ
ーダガラス11,11が詰め込まれて溶着されている。
このソーダガラス11,11は、Mo箔9,9が外気に
触れて酸化するのを防止するものである。つまり、石英
と外部リード線10,10は熱膨脹差があるから、点灯
と消灯を繰り返して使用するうちに石英と外部リード線
10,10との間に隙間が生じ、このためMo箔9,9
が外気に触れて酸化し、この結果、スローリークやクラ
ックの発生を招く恐れがある。これに対し、上記ソーダ
ガラス11,11を埋め込むと、石英と外部リード線1
0,10との間に隙間を発生させることがなくなり、M
o箔9,9の酸化を防止し、スローリークやクラックの
発生を防止することができる。
【0030】上記バルブ2内には、希ガスとしてクリプ
トンKrが封入されているとともに、ハロゲンとして、
臭素Brおよび塩素Clがともに封入されている。これ
らクリプトンKr、臭素Brおよび塩素Clは混合ガス
の形態で封入されているが、この場合Kr:Br:Cl
の封入割合はモル比で1:1:1.5の割合となってい
る。
【0031】このようなハロゲン電球1は、図3に示す
ように、鍔付き口金20に取付けられている。鍔付き口
金20は、円筒形の口金本体21にフランジ22を設け
るとともに、口金本体21の端部にレグ端子23,24
を設けたものであり、この円筒形口金本体21は上記バ
ルブ2の圧潰封止部4に被せられて図示しない接着剤に
より接合されている。上記レグ端子23、24は、上記
バルブ2の封止部4より導出された外部リード線10,
10に接続されている。
【0032】上記のように構成されたハロゲン電球1
は、図3に示すように、車両の前照灯をなすミラー形反
射体30に収容されている。反射体30は、反射面31
を形成した曲面をなすリフレクタ32と、このリフレク
タ32の前面開口部に取り付けた前面レンズ33とで構
成されており、リフレクタ32の背面頂部には取付孔3
4が形成されている。この取付孔34には前記ハロゲン
電球1を保持した口金20が差し込まれており、この口
金20に設けたフランジ22が取付孔34の周縁に固定
されることにより、上記ハロゲン電球1はリフレクタ3
2に対し所定の位置に位置決めして取り付けられてい
る。
【0033】そして、上記ハロゲン電球1は、レグ端子
23,24が図示しない車両の電源に接続して点灯され
るが、電源は12〜13.5Vの高電圧と5.3〜6.
8Vの低電圧とがあり、上記ハロゲン電球1はこれら電
源を切換えて点灯される。すなわち、前照灯を夜間やト
ンネルなどのような真っ暗闇で点灯使用する場合は、上
記ハロゲン電球1を12〜13.5Vの高電圧の電源に
接続して点灯し、また、北米やカナダ、北欧などのよう
に冬季の薄暗い昼間に運転したり(DTRL点灯)、薄
暮で運転する場合には上記ハロゲン電球1を5.3〜
6.8Vの低電圧の電源に接続して点灯させるようにな
っている。
【0034】このような構成の実施例について、作用を
説明する。上記ハロゲン電球1は、レグ端子23,24
を介して図示しない車両の電源に接続して点灯される
が、12〜13.5Vの高電圧および5.3〜6.8V
の低電圧のいずれに接続された場合でも、フィラメント
6に通電されてこれが発光し、この光はバルブ2を透過
し、リフレクタ32の反射面31で反射されて前方を照
射する。したがって、前照灯として機能する。
【0035】ところで、5.3〜6.8Vの低電圧でハ
ロゲン電球1を点灯すると、12〜13.5Vの高電圧
で点灯する場合に比べてバルブ2の温度上昇が低くな
る。しかし、本実施例のハロゲン電球1は、封入ハロゲ
ンとして臭素と塩素を用いたから、沸点の低い塩素が低
温であってもハロゲンサイクルを促す。したがって、管
壁付近の遊離タングステンを掴まえてフィラメント6に
戻すから、管壁の黒化を防止する。
【0036】また、ハロゲンサイクルが円滑におこなわ
れるので、過剰のハロゲンが発生せず、内部リード線
7,8がエッチングされるのが防止され、折損し難くな
る。一方、このようなハロゲン電球1を12〜13.5
Vの高電圧で点灯すると、バルブ2の温度上昇が大きく
なるが、この場合は沸点が高く、蒸気圧の高い臭素が従
来と同様に作用し、ハロゲンサイクルを促し、管壁付近
の遊離タングステンを掴まえてフィラメント6に戻すた
め、管壁の黒化を防止する。
【0037】この場合もハロゲンサイクルが円滑におこ
なわれるので、過剰のハロゲンが発生せず、内部リード
線7,8がエッチングされるのが防止され、折損し難く
なる。
【0038】そして、このような混合ガスは、クリプト
ンと臭素および塩素の混合比を、モル比で1:1:1.
5の割合としたから、高電圧および低電圧のいずれの場
合でも、ハロゲンサイクルを円滑に行わせることができ
る。
【0039】また、内部リード線7,8として、タンタ
ルまたはタンタルの合金を用いたから、タンタルはモリ
ブデンに比べて融点が高く、したがって蒸発し難くて内
部リード線7,8の細りを防止するとともに、タンタル
またはタンタルの合金はゲッター作用が大きく、自己の
体積の100倍の不純物を吸着する性質があり、点灯中
にバルブ2内に放出される不純物を取り込む作用を奏す
る。このため、管壁付近に遊離する不純物とタングステ
ンやモリブデンとの結合が防止され、不純物とタングス
テンとが結合して管壁に付着するのが抑制され、黒化を
防止するができる。
【0040】さらに、内部リード線7,8は、図1およ
び図2に示されるように、点灯される姿勢において、フ
ィラメント6の対流領域Sから外れた領域に配置されて
いるから、点灯中に高温に晒されることがなくなり、蒸
発が抑制される。この点に加え、内部リード線7,8を
融点の高いタンタルを主体とする材料によって形成した
から、エッチングが軽減され、細りが一層防止されるこ
とになる。
【0041】図4は、バルブに封入される混合ガスの種
類と、エッチング度合および黒化度を調べた結果を示す
特性図である。図において、DTRL点灯時間というの
は、13.5Vの高電圧で15分間点灯し、1時間休止
して、5.3Vの低電圧で22時間15分間点灯し、さ
らに30分休止するような点灯モードで点灯試験を行っ
た試験時間という。
【0042】図4より、Kr−Brの混合ガスの場合は
エッチング度合および黒化度ともに低下するが、Kr−
Br−Clの混合ガスの場合は、エッチング度合および
黒化度ともに向上することが確認される。
【0043】なお、上記実施例においては、ハロゲン電
球に1個のフィラメント6を収容した場合を説明した
が、走行ビーム用フィラメントとすれ違い用フィラメン
トの2個のフィラメントを収容して切換えるものであっ
てもよい。また、バルブ2の形状は、円筒形に限らず球
形形であってもよい。さらに、赤外線反射膜5は無くて
もよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
電圧と低電圧とに切換えて使用可能なハロゲン電球にお
いて、ハロゲンとして臭素および塩素を用い、内部リー
ド線に融点が高くてゲッタ作用に優れたタンタルを主体
とした導電線を用いたから、ハロゲンサイクルが円滑に
行われるとともに、不純物が内部リード線に吸着されて
除去されることになり、バルブの黒化が防止され、かつ
内部リード線のエッチングが防止されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す車両用ハロゲン電球の
側面図。
【図2】同実施例のハロゲン電球の断面図。
【図3】同実施例のハロゲン電球を前照灯に用いた場合
の断面図。
【図4】点灯時間に伴うエッチング度および黒化度を測
定した結果を示す特性図。
【符号の説明】
1…ハロゲン電球 2…バルブ 3…円筒部 4…圧潰封止
部 5…赤外線反射膜 6…フィラメ
ント 7,8…内部リード線 9…金属箔導
体 10…外部リード線 20…口金 30…反射体 31…反射面 32…リフレクタ 33…前面レ
ンズ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英または硬質ガラスからなるバルブ
    と、このバルブに収容されたフィラメントと、上記バル
    ブ内に導びかれ上記フィラメントが接続された内部リー
    ド線と、上記バルブに封入された希ガスおよびハロゲン
    の混合ガスとを備え、 12〜13.5Vの高電圧と5.3〜6.8Vの低電圧
    とに切換えて点灯される車両用ハロゲン電球において、 上記内部リード線はタンタルを主体とする導電線からな
    り、かつ希ガスとハロゲンの混合ガスは、クリプトンと
    臭素および塩素とからなることを特徴とする車両用ハロ
    ゲン電球。
  2. 【請求項2】 クリプトンと臭素および塩素の混合比
    を、モル比で1:1:1.5としたことを特徴とする請
    求項1に記載の車両用ハロゲン電球。
  3. 【請求項3】 上記内部リード線は、点灯姿勢でフィラ
    メントの対流領域から外れた領域に配置されていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ハ
    ロゲン電球。
  4. 【請求項4】 上記請求項1ないし請求項3のいずれか
    1に記載のハロゲン電球と、 このハロゲン電球を収容し、この電球から放射される光
    を反射する反射体と、からなることを特徴とする前照
    灯。
JP6089913A 1994-04-27 1994-04-27 車両用ハロゲン電球およびこれを用いた前照灯 Abandoned JPH07296783A (ja)

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