JPH07293325A - 内燃機関のピストン - Google Patents
内燃機関のピストンInfo
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- JPH07293325A JPH07293325A JP6106101A JP10610194A JPH07293325A JP H07293325 A JPH07293325 A JP H07293325A JP 6106101 A JP6106101 A JP 6106101A JP 10610194 A JP10610194 A JP 10610194A JP H07293325 A JPH07293325 A JP H07293325A
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- Japan
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- ring
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- piston body
- combustion engine
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16J—PISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
- F16J9/00—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B3/00—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
- F02B3/06—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2201/00—Metals
- F05C2201/02—Light metals
- F05C2201/021—Aluminium
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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- F05C2203/00—Non-metallic inorganic materials
- F05C2203/08—Ceramics; Oxides
- F05C2203/0865—Oxide ceramics
- F05C2203/0882—Carbon, e.g. graphite
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- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2251/00—Material properties
- F05C2251/04—Thermal properties
- F05C2251/042—Expansivity
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ピストン本体と耐摩環との間に界面割れの発
生が無く,またピストン本体のアルミニウム合金へのT
6処理が可能な,内燃機関のピストンを提供すること。 【構成】 内燃機関のピストン10は,アルミニウム合
金製のピストン本体2と,ピストン本体2の第1リング
溝21に一体的に鋳ぐるみした耐摩環1とを有してい
る。耐摩環1は,熱膨張係数が19.5〜22.0×1
0-6m/mである銅亜鉛合金である。銅亜鉛合金として
は,例えばCu63%−Zn30%−Al5%−Ti4
%合金,Cu70%−Zn30%合金を用いる。
生が無く,またピストン本体のアルミニウム合金へのT
6処理が可能な,内燃機関のピストンを提供すること。 【構成】 内燃機関のピストン10は,アルミニウム合
金製のピストン本体2と,ピストン本体2の第1リング
溝21に一体的に鋳ぐるみした耐摩環1とを有してい
る。耐摩環1は,熱膨張係数が19.5〜22.0×1
0-6m/mである銅亜鉛合金である。銅亜鉛合金として
は,例えばCu63%−Zn30%−Al5%−Ti4
%合金,Cu70%−Zn30%合金を用いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ピストン本体と耐摩環
との間に,界面割れの発生が無い,内燃機関のピストン
に関する。
との間に,界面割れの発生が無い,内燃機関のピストン
に関する。
【0002】
【従来技術】図3に示すごとく,内燃機関の燃焼室のシ
リンダー7内には,その上部の燃焼室70内で発生した
高温,高圧の燃焼ガス圧力を,動力に変換するピストン
9が内設されている。ピストン9は,アルミニウム合金
製のピストン本体90と,該ピストン本体90の第1,
第2,第3リング溝91,92,93に嵌合された第
1,第2,第3ピストンリング61,62,63とを有
している。これらのピストンリングのうち,第1ピスト
ンリング61は,第1リング溝91に一体的に鋳ぐるみ
した耐摩環910を介して嵌合されている。
リンダー7内には,その上部の燃焼室70内で発生した
高温,高圧の燃焼ガス圧力を,動力に変換するピストン
9が内設されている。ピストン9は,アルミニウム合金
製のピストン本体90と,該ピストン本体90の第1,
第2,第3リング溝91,92,93に嵌合された第
1,第2,第3ピストンリング61,62,63とを有
している。これらのピストンリングのうち,第1ピスト
ンリング61は,第1リング溝91に一体的に鋳ぐるみ
した耐摩環910を介して嵌合されている。
【0003】上記耐摩環910は,燃焼室70に最も近
い第1リング溝91を保護し,過酷な環境下での摩耗を
防止している。耐摩環910としては,従来,ニッケル
合金(特公平4−69226号)や,鋳鉄等が用いられ
ていた。
い第1リング溝91を保護し,過酷な環境下での摩耗を
防止している。耐摩環910としては,従来,ニッケル
合金(特公平4−69226号)や,鋳鉄等が用いられ
ていた。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記ピストン
90においては,上記耐摩環910を鋳ぐるみした後,
ニッケル合金についてはアルミニウム被膜処理を,また
鋳鉄についてはアルフィン処理が必要となる。また,耐
摩環910とピストン本体90との熱膨張係数が相違す
るため,鋳ぐるみ後の冷却の際,更にはピストン9のT
6処理(焼入れ,焼戻し)の際に,耐摩環910やピス
トン本体90に界面割れが生ずるおそれがある。また,
耐摩環910がピストン本体から剥離するおそれがあ
る。それ故,ピストン損傷の原因となる。
90においては,上記耐摩環910を鋳ぐるみした後,
ニッケル合金についてはアルミニウム被膜処理を,また
鋳鉄についてはアルフィン処理が必要となる。また,耐
摩環910とピストン本体90との熱膨張係数が相違す
るため,鋳ぐるみ後の冷却の際,更にはピストン9のT
6処理(焼入れ,焼戻し)の際に,耐摩環910やピス
トン本体90に界面割れが生ずるおそれがある。また,
耐摩環910がピストン本体から剥離するおそれがあ
る。それ故,ピストン損傷の原因となる。
【0005】また,セラミック製の耐摩環を用いたピス
トンが提案されている(実開昭61─29041号)。
しかし,この場合にも,上記耐摩環とピストン本体との
熱膨張係数の差が大きいため,ピストン本体となるアル
ミニウム合金にT6処理を施すことができず,ピストン
本体の強度及び加工切削性に支障を来すおそれがある。
そこで,本発明はかかる従来の問題点に鑑み,ピストン
本体と耐摩環との間に界面割れの発生がなく,またピス
トン本体のアルミニウム合金へのT6処理が可能な,内
燃機関のピストンを提供しようとするものである。
トンが提案されている(実開昭61─29041号)。
しかし,この場合にも,上記耐摩環とピストン本体との
熱膨張係数の差が大きいため,ピストン本体となるアル
ミニウム合金にT6処理を施すことができず,ピストン
本体の強度及び加工切削性に支障を来すおそれがある。
そこで,本発明はかかる従来の問題点に鑑み,ピストン
本体と耐摩環との間に界面割れの発生がなく,またピス
トン本体のアルミニウム合金へのT6処理が可能な,内
燃機関のピストンを提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は,アルミニウム合金製のピ
ストン本体と,該ピストン本体の第1リング溝に一体的
に鋳ぐるみした耐摩環とを有する内燃機関のピストンに
おいて,上記耐摩環は,熱膨張係数が19.5〜22.
0×10-6m/m℃である銅亜鉛合金であることを特徴
とする内燃機関のピストンにある。
ストン本体と,該ピストン本体の第1リング溝に一体的
に鋳ぐるみした耐摩環とを有する内燃機関のピストンに
おいて,上記耐摩環は,熱膨張係数が19.5〜22.
0×10-6m/m℃である銅亜鉛合金であることを特徴
とする内燃機関のピストンにある。
【0007】本発明において,上記耐摩環としては銅亜
鉛合金を用いており,その熱膨張係数は19.5〜2
2.0×10-6m/m℃である。上記の範囲を外れた場
合には,ピストン本体の熱膨張係数との差が大きくなり
すぎ,界面割れを発生するおそれがある。なお,更に好
ましくは,下限が20×10-6m/m℃,上限が21.
5×10-6m/m℃である。
鉛合金を用いており,その熱膨張係数は19.5〜2
2.0×10-6m/m℃である。上記の範囲を外れた場
合には,ピストン本体の熱膨張係数との差が大きくなり
すぎ,界面割れを発生するおそれがある。なお,更に好
ましくは,下限が20×10-6m/m℃,上限が21.
5×10-6m/m℃である。
【0008】また,上記銅亜鉛合金は,銅−亜鉛−アル
ミニウム(Cu−Zn−Al)合金であって,銅57〜
64%と,亜鉛22〜36%と,アルミニウム1.5〜
5.2%とを含有していることが好ましい(実施例参
照)。銅の量の下限が57%未満の場合には,耐摩環の
熱膨張係数が上限を越えるおそれがある。一方,その上
限が64%を超える場合には,耐摩環の熱膨張係数が下
限未満になるおそれがある。
ミニウム(Cu−Zn−Al)合金であって,銅57〜
64%と,亜鉛22〜36%と,アルミニウム1.5〜
5.2%とを含有していることが好ましい(実施例参
照)。銅の量の下限が57%未満の場合には,耐摩環の
熱膨張係数が上限を越えるおそれがある。一方,その上
限が64%を超える場合には,耐摩環の熱膨張係数が下
限未満になるおそれがある。
【0009】亜鉛の量の下限が22%未満の場合には,
耐摩環の熱膨張係数が下限未満になるおそれがある。一
方,その上限が36%を超える場合には,耐摩環の熱膨
張係数が上限を越えるおそれがある。
耐摩環の熱膨張係数が下限未満になるおそれがある。一
方,その上限が36%を超える場合には,耐摩環の熱膨
張係数が上限を越えるおそれがある。
【0010】アルミニウムの量の下限が1.5%未満の
場合には,耐摩環の耐摩耗性が低下し,ピストンの耐摩
環としての機能を満たさないおそれがある。一方,その
上限が5.2%を超える場合には,耐摩環に銅−アルミ
の化合物の発生が増加し,靱性の低下により耐摩環の耐
衝撃性が劣化するおそれがある。このように,耐摩環は
アルミニウム1.5〜5.2%を含有しているので,耐
摩耗性及び靱性が向上する。
場合には,耐摩環の耐摩耗性が低下し,ピストンの耐摩
環としての機能を満たさないおそれがある。一方,その
上限が5.2%を超える場合には,耐摩環に銅−アルミ
の化合物の発生が増加し,靱性の低下により耐摩環の耐
衝撃性が劣化するおそれがある。このように,耐摩環は
アルミニウム1.5〜5.2%を含有しているので,耐
摩耗性及び靱性が向上する。
【0011】また,銅亜鉛合金は,銅−亜鉛(Cu−Z
n)合金であって,銅が60〜72%,亜鉛が28〜4
0%含有されていることが好ましい。銅の量の下限が6
0%未満の場合には,耐摩環の熱膨張係数が上限を越え
るおそれがある。一方,その上限が72%を超える場合
には,耐摩環の熱膨張係数が下限未満になるおそれがあ
る。
n)合金であって,銅が60〜72%,亜鉛が28〜4
0%含有されていることが好ましい。銅の量の下限が6
0%未満の場合には,耐摩環の熱膨張係数が上限を越え
るおそれがある。一方,その上限が72%を超える場合
には,耐摩環の熱膨張係数が下限未満になるおそれがあ
る。
【0012】亜鉛の量の下限が28%未満の場合には,
耐摩環の熱膨張係数が下限未満になるおそれがある。一
方,その上限が40%を超える場合には,耐摩環の熱膨
張係数が上限を越えるおそれがある。
耐摩環の熱膨張係数が下限未満になるおそれがある。一
方,その上限が40%を超える場合には,耐摩環の熱膨
張係数が上限を越えるおそれがある。
【0013】上記ピストン本体に用いられるアルミニウ
ム合金の熱膨張係数は,例えば,20〜21.5×10
-6m/m℃である。
ム合金の熱膨張係数は,例えば,20〜21.5×10
-6m/m℃である。
【0014】
【作用及び効果】本発明の内燃機関のピストンにおいて
は,ピストン本体の第1リング溝に一体的に鋳ぐるみし
た耐摩環を有している。該耐摩環に用いられる銅亜鉛合
金は,上記のごとく,ピストン本体のアルミニウム合金
とほぼ同程度の熱膨張係数を有している。そのため,上
記耐摩環とピストン本体との熱収縮の差が減少する。そ
れ故,ピストン本体の第1リング溝に耐摩環を鋳ぐるみ
した場合,両者の間に界面割れの発生が無い。また,耐
摩環がピストン本体から剥離することもない。
は,ピストン本体の第1リング溝に一体的に鋳ぐるみし
た耐摩環を有している。該耐摩環に用いられる銅亜鉛合
金は,上記のごとく,ピストン本体のアルミニウム合金
とほぼ同程度の熱膨張係数を有している。そのため,上
記耐摩環とピストン本体との熱収縮の差が減少する。そ
れ故,ピストン本体の第1リング溝に耐摩環を鋳ぐるみ
した場合,両者の間に界面割れの発生が無い。また,耐
摩環がピストン本体から剥離することもない。
【0015】また,ピストン本体を鋳ぐるんだ後の冷却
処理,及びピストン本体のアルミニウム合金へのT6処
理が可能となる。また,T6処理が可能となるため,ピ
ストン本体の強度及び切削性が向上し,ピストン性能に
優れている。以上のごとく,本発明によれば,ピストン
本体と耐摩環との間に界面割れの発生が無く,またピス
トン本体のアルミニウム合金へのT6処理が可能な,内
燃機関のピストンを提供することができる。
処理,及びピストン本体のアルミニウム合金へのT6処
理が可能となる。また,T6処理が可能となるため,ピ
ストン本体の強度及び切削性が向上し,ピストン性能に
優れている。以上のごとく,本発明によれば,ピストン
本体と耐摩環との間に界面割れの発生が無く,またピス
トン本体のアルミニウム合金へのT6処理が可能な,内
燃機関のピストンを提供することができる。
【0016】
実施例1 本発明の実施例にかかる内燃機関のピストンについて,
図1,図2を用いて説明する。本例のピストン10は,
図1,図2に示すごとく,アルミニウム合金製のピスト
ン本体2と,該ピストン本体2の第1リング溝21に一
体的に鋳ぐるんだ耐摩環1とを有している。
図1,図2を用いて説明する。本例のピストン10は,
図1,図2に示すごとく,アルミニウム合金製のピスト
ン本体2と,該ピストン本体2の第1リング溝21に一
体的に鋳ぐるんだ耐摩環1とを有している。
【0017】耐摩環1は,熱膨張係数が20×10-6m
/m℃である銅亜鉛合金(実施例2参照)を用いてい
る。耐摩環1は,燃焼室に最も近い第1リング溝21を
保護し,過酷な環境下での摩耗を防止している。ピスト
ン本体2の熱膨張係数は,21×10-6m/m℃であ
る。
/m℃である銅亜鉛合金(実施例2参照)を用いてい
る。耐摩環1は,燃焼室に最も近い第1リング溝21を
保護し,過酷な環境下での摩耗を防止している。ピスト
ン本体2の熱膨張係数は,21×10-6m/m℃であ
る。
【0018】ピストン本体2は,上記第1リング溝21
の下方に,第2,第3リング溝22,23を有してい
る。第2,第3リング溝22,23には,図2に示すご
とく,直接にピストンリング62,63が嵌合されてい
る。また,第1リング溝21には,上記耐摩環1を介し
て第1ピストンリングが嵌合されている。ピストンリン
グ61〜62は,シリンダー内壁との間の気密性保持及
びオイル落としの役目を担う。
の下方に,第2,第3リング溝22,23を有してい
る。第2,第3リング溝22,23には,図2に示すご
とく,直接にピストンリング62,63が嵌合されてい
る。また,第1リング溝21には,上記耐摩環1を介し
て第1ピストンリングが嵌合されている。ピストンリン
グ61〜62は,シリンダー内壁との間の気密性保持及
びオイル落としの役目を担う。
【0019】また,ピストン本体2は,その冠部に冷却
用中空部27を有し,また中央部近くには,ピストンロ
ッド連結用の連結穴29を有する。また,上面には燃焼
効率促進のための凹み26を有している。ピストン10
に耐摩環1を鋳ぐるみするに当たっては,成形した耐摩
環1を金型内に配置し,該金型内にアルミニウム合金を
流し込み,耐摩環1の周囲をアルミニウム合金製のピス
トン本体2により鋳ぐるむ。
用中空部27を有し,また中央部近くには,ピストンロ
ッド連結用の連結穴29を有する。また,上面には燃焼
効率促進のための凹み26を有している。ピストン10
に耐摩環1を鋳ぐるみするに当たっては,成形した耐摩
環1を金型内に配置し,該金型内にアルミニウム合金を
流し込み,耐摩環1の周囲をアルミニウム合金製のピス
トン本体2により鋳ぐるむ。
【0020】次に,本例の作用効果について説明する。
本例のピストン10は,ピストン本体2の第1リング溝
21に一体的に鋳ぐるみした耐摩環1を有している。該
耐摩環に用いられる銅亜鉛合金は,上記のごとく,ピス
トン本体2に用いられるアルミニウム合金と,ほぼ同程
度の熱膨張係数を有している。そのため,耐摩環1とピ
ストン本体2との熱収縮の差が減少する。それ故,ピス
トン本体2の第1リング溝21に耐摩環1を鋳ぐるみし
た場合,両者の間に界面割れの発生が無い。また,耐摩
環1のピストン本体2からの剥離も生じない。
本例のピストン10は,ピストン本体2の第1リング溝
21に一体的に鋳ぐるみした耐摩環1を有している。該
耐摩環に用いられる銅亜鉛合金は,上記のごとく,ピス
トン本体2に用いられるアルミニウム合金と,ほぼ同程
度の熱膨張係数を有している。そのため,耐摩環1とピ
ストン本体2との熱収縮の差が減少する。それ故,ピス
トン本体2の第1リング溝21に耐摩環1を鋳ぐるみし
た場合,両者の間に界面割れの発生が無い。また,耐摩
環1のピストン本体2からの剥離も生じない。
【0021】また,ピストン本体2を鋳ぐるんだ後の冷
却処理,及びピストン本体2のアルミニウム合金へのT
6処理が可能となる。また,T6処理が可能となるた
め,ピストン本体2の強度及び切削性が向上し,ピスト
ン性能に優れている。
却処理,及びピストン本体2のアルミニウム合金へのT
6処理が可能となる。また,T6処理が可能となるた
め,ピストン本体2の強度及び切削性が向上し,ピスト
ン性能に優れている。
【0022】実施例2 本例においては,種々の銅亜鉛合金よりなる耐摩環を用
いてピストンを鋳造し,耐摩環とピストン本体との間の
界面割れの発生の有無について評価した。評価に際し,
各種耐摩環を用いたピストンを実施例1と同様に作製
し,本発明に係る試料1〜6と,比較例に係る試料C1
〜C4とした。
いてピストンを鋳造し,耐摩環とピストン本体との間の
界面割れの発生の有無について評価した。評価に際し,
各種耐摩環を用いたピストンを実施例1と同様に作製
し,本発明に係る試料1〜6と,比較例に係る試料C1
〜C4とした。
【0023】試料1,2の耐摩環は,表1に示すごと
く,銅,亜鉛の他にアルミニウム等を含有する銅亜鉛合
金である。試料3〜6は,銅と亜鉛よりなる合金で,微
量の鉄,鉛を含有している。試料1〜6の熱膨張係数
は,19.9〜20.8×10-6m/m℃の範囲内にあ
る。
く,銅,亜鉛の他にアルミニウム等を含有する銅亜鉛合
金である。試料3〜6は,銅と亜鉛よりなる合金で,微
量の鉄,鉛を含有している。試料1〜6の熱膨張係数
は,19.9〜20.8×10-6m/m℃の範囲内にあ
る。
【0024】一方,試料C1,C2は,ニレジストニッ
ケル合金鋳鉄であり,熱膨張係数が18.2×10-6,
18.7×10-6m/m℃である。試料C3,C4は,
ベリリウム銅合金である。試料C4には,更にニッケ
ル,コバルト,アルミニウムを含有している。これらの
熱膨張係数は17.0×10-6m/m℃である。
ケル合金鋳鉄であり,熱膨張係数が18.2×10-6,
18.7×10-6m/m℃である。試料C3,C4は,
ベリリウム銅合金である。試料C4には,更にニッケ
ル,コバルト,アルミニウムを含有している。これらの
熱膨張係数は17.0×10-6m/m℃である。
【0025】上記各種試料について,ピストン本体と耐
摩環との間の界面割れの発生の有無を測定した。測定
は,鋳造表面を切削除去した後,染色探傷法により行っ
た。その結果を表1に示した。
摩環との間の界面割れの発生の有無を測定した。測定
は,鋳造表面を切削除去した後,染色探傷法により行っ
た。その結果を表1に示した。
【0026】同表より知られるように,本発明にかかる
試料1〜6には,界面割れの発生は全くなかった。一
方,比較例に係る試料C1〜C4には,界面割れが発生
した。このことは,試料1〜6の耐摩環が銅亜鉛合金で
あって,その熱膨張係数は上記のごとく19.9〜2
0.8×10-6m/m℃であり,アルミニウム合金製の
ピストン本体の熱膨張係数21×10-6m/m℃と近似
しているためであると考えられる。
試料1〜6には,界面割れの発生は全くなかった。一
方,比較例に係る試料C1〜C4には,界面割れが発生
した。このことは,試料1〜6の耐摩環が銅亜鉛合金で
あって,その熱膨張係数は上記のごとく19.9〜2
0.8×10-6m/m℃であり,アルミニウム合金製の
ピストン本体の熱膨張係数21×10-6m/m℃と近似
しているためであると考えられる。
【0027】
【表1】
【図1】実施例1の内燃機関のピストンの断面図。
【図2】実施例1の内燃機関のピストンの要部断面図。
【図3】従来例の内燃機関のピストンの説明図。
【符号の説明】 1...耐摩環, 10...ピストン, 2...ピストン本体, 21...第1リング溝, 61...ピストンリング,
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニウム合金製のピストン本体と,
該ピストン本体の第1リング溝に一体的に鋳ぐるみした
耐摩環とを有する内燃機関のピストンにおいて,上記耐
摩環は,熱膨張係数が19.5〜22.0×10-6m/
m℃である銅亜鉛合金であることを特徴とする内燃機関
のピストン。 - 【請求項2】 請求項1において,上記銅亜鉛合金は,
銅57〜64%(重量比,以下同様)と,亜鉛22〜3
6%と,アルミニウム1.5〜5.2%とを含有してい
ることを特徴とする内燃機関のピストン。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6106101A JPH07293325A (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | 内燃機関のピストン |
US08/423,719 US5601010A (en) | 1994-04-20 | 1995-04-18 | Piston unit of an internal combustion engine |
DE19514416A DE19514416C2 (de) | 1994-04-20 | 1995-04-19 | Kolbeneinheit für eine Brennkraftmaschine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6106101A JPH07293325A (ja) | 1994-04-20 | 1994-04-20 | 内燃機関のピストン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07293325A true JPH07293325A (ja) | 1995-11-07 |
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