JP2709613B2 - ピストンリング - Google Patents

ピストンリング

Info

Publication number
JP2709613B2
JP2709613B2 JP63302807A JP30280788A JP2709613B2 JP 2709613 B2 JP2709613 B2 JP 2709613B2 JP 63302807 A JP63302807 A JP 63302807A JP 30280788 A JP30280788 A JP 30280788A JP 2709613 B2 JP2709613 B2 JP 2709613B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston ring
plating layer
layer
composite
hard chromium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63302807A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02150574A (ja
Inventor
学 品田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riken Corp filed Critical Riken Corp
Priority to JP63302807A priority Critical patent/JP2709613B2/ja
Publication of JPH02150574A publication Critical patent/JPH02150574A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2709613B2 publication Critical patent/JP2709613B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、硬質クロムめっき層と複合分散めっき層と
の二重構造を摺動面に有する内燃機関用ピストンリング
に係り、特にシリンダとの初期なじみ性が良く、かつ耐
摩耗性に優れたピストンリングに関する。
〔従来の技術〕
近年、エンジンの小型軽量化、高出力化などの高性能
化に伴い、ピストンリングに要求される条件はますます
過酷なものとなり、耐摩耗性はもちろんのこと、耐焼付
性、耐折損性などさまざまな観点から改良が加えられて
いる。
ところで、一般に組み立て直後のエンジンにおいて
は、部品製作の精度上の制約からピストンリングとシリ
ンダの大きさに誤差が生ずることは避けられず、両者間
に隙間が生じる。この隙間が存在したままの状態でエン
ジンを運転すると、燃焼室の気密がやぶれ、クランク室
へのガスの吹き抜け(圧縮洩れ)が起こる。そしてこの
ガスの吹き抜けはシリンダ内面を一様に覆っている潤滑
油膜を破るために、ピストンリングとシリンダ間に異常
摩耗を引き起こし、スカッフィングを発生させたりす
る。また同時に、この隙間を通して潤滑オイルが燃焼室
に入り込み、オイル消費量も多くなる。
従って、なじみ運転と呼ばれるエンジン組み立て直後
の初期運転では、ピストンリングとシリンダの共摺りを
行うことにより短期間のうちに両者の隙間を無くし、早
く両者をなじませる必要がある。
一般に耐摩耗性に優れたピストンリングは高い硬度の
摺動面を有することになるので、このなじみ運転の期間
が長くなる傾向がある。このため短期間にピストンリン
グとシリンダをなじませる工夫としてピストンリングの
外周摺動面上に錫めっきなどの軟質皮膜層を設ける方法
や、リングの断面をテーパ上に加工したりする方法が採
られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、この錫めっきを施す方法は、高温、高
負荷の条件では錫めっき層が軟らかすぎるために始動初
期の段階で簡単に摩滅してしまい、なじみの効果がほと
んどなくなる。またリングの外周摺動面にテーパをつけ
る方法は、テーパの角度が燃焼室の気密性、及びシリン
ダ内周面の保油性に影響を与えるという問題がある。
従って、本発明の目的は、高温、高負荷の条件でも初
期なじみ性が良く、スカッフィングも発生せず、比較的
短期間になじみ運転が終了し、しかも耐摩耗性の優れた
ピストンリングを提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた
結果、耐摩耗性に優れた硬質クロムめっき層上に適度の
硬度を有する複合分散めっき層を形成することにより、
良好な初期なじみ性を有し、かつ耐摩耗性にも優れたピ
ストンリングを提供できることを発見し、本発明を完成
した。
すなわち本発明の内燃機関用ピストンリングは、少な
くともその外周摺動面に、硬質クロムめっき層と、前記
硬質クロムめっき層の上に形成された複合めっき層とか
らなる二重構造の層を有する内燃機関用ピストンリング
あって、前記複合めっき層がコバルト10〜40重量%、燐
1〜10重量%及びニッケル残部からなるニッケル−コバ
ルト−燐合金基地中に平均粒径0.5〜5μmの窒化珪素
粒子5〜30容量%を分散させてなり、前記複合めっき層
の硬さがマイクロビッカーズで600〜750であることを特
徴とする。
〔作用〕
本発明の二重構造のピストンリング皮膜においては、
上層(第2層)の窒化珪素粒子分散複合めっき皮膜は、
下層(第1層)の硬質クロムめっき層より幾分軟らかい
材質であるので、エンジンの始動初期におけるシリンダ
とのなじみが良好であると同時に、急速に摩耗すること
がない。また下層(第1層)の硬質クロムめっき層は高
い硬度を有しているので、長期間(上層の摩耗後でも)
良好な耐摩耗性を維持することができる。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例により添付図面を参照にして詳
細に説明する。
第1図は、本発明の一実施例による内燃機関用ピスト
ンリングの断面図である。本実施例においては、ピスト
ンリング1の外周摺動面に、硬質クロムめっき層2と窒
化珪素粒子分散ニッケル−コバルト−燐合金複合めっき
層3とが二重構造となるように形成されている。
第1層の硬質クロムめっき層は、クロム酸を主体とし
ためっき浴を用いて電気めっきによって得ることができ
る。このようなめっき浴にはサージェント浴やフッ化物
浴の一種であるケイフッ化浴等を使用することができ
る。硬質クロムめっき層は硬度が高く、耐摩耗性に富
む。従って、硬質クロムめっき層の暑さは80〜200μm
であれば、よい。
硬質クロムめっき層は硬度が高すぎるために初期なじ
み性に劣るので、この欠点を補うために、第2層として
窒化珪素粒子分散ニッケル−コバルト−リン合金複合め
っき皮膜を第1層上に形成する。
複合皮膜中に含まれる燐は、皮膜の硬度を高め、耐摩
耗性、耐焼付性に対し優れた効果を示し、また基地の耐
食性も向上する。燐を含有するめっき皮膜の硬度は熱処
理により向上するので、熱処理温度を適切に選ぶことに
より、良好な初期なじみ性を得るのに適した硬度(HMV6
00〜750)とすることができる。しかし燐の量が1重量
%以下では熱処理を行っても硬度がHMV600以上になら
ず、耐摩耗性、耐スカッフ性の効果は少ない。また10重
量%を超えると硬度は増すが脆くなり、衝撃強度も低下
する。従って燐の量は1〜10重量%とするのが良い。よ
り好ましい燐の含有量は4〜7重量%である。
コバルトはめっき合金基地の耐熱性、耐食性を改善す
るとともに皮膜の圧壊疲労強度も向上させる。合金基地
中のコバルトの量は10重量%以下では上記の効果が顕著
に得られず、また40重量%を超えてもその効果に著しい
変化はないので、10〜40重量%とするのが良い。より好
ましいコバルトの含有量は20〜30重量%である。
窒化珪素粒子は燐とともに皮膜の耐摩耗性の向上に優
れた効果を示す。また窒化珪素は金属との濡れ性が低い
ので、耐焼付性、耐スカッフ性の改善にも寄与する。窒
化珪素の量は5〜30容量%で、その平均粒径は0.5〜5
μmが良い。容量が5%未満あるいは粒径が0.5μm未
満では基地表面に占める窒化珪素の面積が少なく、耐摩
耗性、耐スカッフ性の向上効果が少ない。また容量が30
%を超えるか粒径が5μmを超えると相手材の摩耗を大
きくすることとなり、さらに複合皮膜の強度も低下す
る。より好ましくは、窒化珪素粒子の平均粒径は0.8〜
1.2μmで、含有量は15〜25容量%である。
複合めっき皮膜の形成には、上記所望の組成となるよ
うにニッケル化合物、コバルト化合物及び燐化合物を溶
解させためっき浴中に窒化珪素粒子を分散させたものを
使用する。ニッケル化合物及びコバルト化合物としては
硫酸塩、スルファミン酸塩等を用い、燐化合物としては
燐酸、亜燐酸等を用いる。
得られた複合めっき皮膜は水洗、乾燥後、必要に応じ
て熱処理を行う。熱処理温度は200〜300℃程度で、時間
は30〜60分である。熱処理により複合皮膜の基地が硬化
し良好な初期なじみ性を得るのに適した硬度の複合皮膜
が得られる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 ピストンリングの外周摺動面に第1層として硬質クロ
ムめっき層を形成する第1の工程と、第2層として第1
層上に複合分散めっき層を形成する第2の工程と、得ら
れた二重構造の層に熱処理を施こす第3の工程により、
皮膜を形成した。
まず第1の工程では、呼び径×幅×厚さが77mm×1.5m
m×3.1mmのSKD−61材のピストンリングを複数本まとめ
て母材とし、表1に示す浴組成のめっき浴を用い表2に
示す条件で硬質クロムめっきを行った。
この第1の工程により得られた硬質クロムめっき層の
厚さは100μmであった。
第2の工程として、上記第1の工程によって得られた
硬質クロムめっき層を表面に有するピストンリングを表
3に示す組成を有するめっき浴中に浸漬し、めっき浴温
度60℃、pH4、電流密度10A/dm2で5分間電流を流して、
電気めっきを行った。
この第2工程により得られた第二層の複合めっき皮膜
の暑さは7μmであり、その組成はコバルトが30重量
%、燐が6.5重量%で、窒化珪素は20容積%であった。
次に第3工程として、得られた二重構造の皮膜に250
℃で1時間の熱処理を施し、皮膜を硬化させた。このと
きの硬度は、第1層である硬質クロムめっき層はマイク
ロビッカースで980であり、第2層の複合めっき皮膜層
はマイクロビッカースで750であった。
実機試験 4サイクル水冷4気筒1300ccエンジン用の鋳鉄(FC−
25)製エンジンシリンダに、上記ピストンリングを組み
込み、7500rpm全負荷で100時間のベンチテストを行い、
オイル消費量を測定した。
比較例1 また比較のため、ピストンリングの外周摺動面に硬質
クロムめっき層のみを形成したピストンリングを用いて
実施例1と同様に実機試験を行い、オイル消費量を測定
した。
試験結果を第2図に示す。
第2図から明らかなように本発明のピストンリング
は、硬質クロムめっき層のみを摺動面に有するピストン
リングに比べて、初期の時点からオイルの消費量が少な
くなっていることがわかる。これはピストンリングとシ
リンダとの隙間が短時間で消失していくため、すなわち
初期なじみ性が良いためである。
また実施例では、スカッフィングも全く認められなか
った。
〔発明の効果〕
以上詳述した通り、硬質クロムめっき層と窒化珪素粒
子分散ニッケル−コバルト−燐合金複合めっき層とを外
周摺動面に有する本発明のピストンリングは、複合分散
めっき皮膜により初期なじみ性、耐スカッフ性に優れ、
また硬質クロムめっき層により長期耐摩耗性に優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例によるピストンリングの断面
図であり、 第2図は実施例1及び比較例1のピストンリングにおい
て試験時間とオイル消費量との関係を示すグラフであ
る。 1……ピストンリング母材 2……硬質クロムめっき層 3……窒化珪素粒子分散ニッケル−コバルト−燐合金複
合めっき皮膜

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともその外周摺動面に、硬質クロム
    めっき層と、前記硬質クロムめっき層の上に形成された
    複合めっき層とからなる二重構造の層を有する内燃機関
    用ピストンリングであって、前記複合めっき層がコバル
    ト10〜40重量%、燐1〜10重量%及びニッケル残部から
    なるニッケル−コバルト−燐合金基地中に平均粒径0.5
    〜5μmの窒化珪素粒子5〜30容量%を分散させてな
    り、前記複合めっき層の硬さがマイクロビッカーズで60
    0〜750であることを特徴とする内燃機関用ピストンリン
    グ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の内燃機関用ピストンリン
    グにおいて、前記複合めっき層が200〜300℃の温度及び
    30〜60分の時間で熱処理されていることを特徴とする内
    燃機関用ピストンリング。
JP63302807A 1988-11-30 1988-11-30 ピストンリング Expired - Fee Related JP2709613B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63302807A JP2709613B2 (ja) 1988-11-30 1988-11-30 ピストンリング

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63302807A JP2709613B2 (ja) 1988-11-30 1988-11-30 ピストンリング

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02150574A JPH02150574A (ja) 1990-06-08
JP2709613B2 true JP2709613B2 (ja) 1998-02-04

Family

ID=17913343

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63302807A Expired - Fee Related JP2709613B2 (ja) 1988-11-30 1988-11-30 ピストンリング

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2709613B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19931829A1 (de) * 1999-07-08 2001-01-18 Federal Mogul Burscheid Gmbh Galvanische Hartchromschicht
DE102007038188B4 (de) * 2007-08-13 2018-11-15 Federal-Mogul Burscheid Gmbh Verschleißfest beschichteter Kolbenring und Verfahren zu dessen Herstellung
JPWO2022118988A1 (ja) * 2020-12-04 2022-06-09

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61149498A (ja) * 1984-12-24 1986-07-08 Riken Corp 内燃機関用ピストンリング
JPS62282150A (ja) * 1986-05-31 1987-12-08 Riken Corp ピストンリングとシリンダの組合せ
JPS635147A (ja) * 1986-06-26 1988-01-11 Riken Corp ピストンリングとシリンダの組合せ
JPS63259041A (ja) * 1987-04-14 1988-10-26 Honda Motor Co Ltd 摺動体の組合せ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02150574A (ja) 1990-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10339370A (ja) 鋳鉄製ピストンリング
JPH03194157A (ja) 圧力鋳造された内燃機関用軽金属ピストン
JPH11264468A (ja) ピストンリング及びその組合せ
JP2709613B2 (ja) ピストンリング
JP3148655B2 (ja) 摺動部材
JPH0379863A (ja) ピストンリング
JPH04171368A (ja) ピストンリング
JPH0544841A (ja) ピストンリング
JPH05203058A (ja) ピストンリング
JP3761640B2 (ja) ピストンリングおよびその製造方法
JPH05203059A (ja) ピストンリング
JPH03267553A (ja) 内燃機関用アルミニウム合金製ピストン
JP2000129492A (ja) 内燃機関用ピストンリング及びその製造方法
JPH05141533A (ja) 内燃機関用ピストン
JPH05215238A (ja) ピストンリング
JPH0552264A (ja) ピストンリング
JPH05215239A (ja) ピストンリング
JPH0286945A (ja) 内燃機関用アルミニウム合金製ピストン
JPH06235096A (ja) 摺動部材
JPS62282150A (ja) ピストンリングとシリンダの組合せ
JPH0378553A (ja) 内燃機関用アルミニウム合金製ピストン
JPH0610192A (ja) ピストンリング
JPH05302674A (ja) ピストンリングとシリンダの組合せ
JPH06229314A (ja) 内燃機関用アルミニウム合金製ピストン
Parker Material innovation and its impact on the development of components for reciprocating engines

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081024

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees