JPH07292195A - 軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造方法および軟質ポリ塩化ビニル組成物成形品の製造方法 - Google Patents

軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物の製造方法および軟質ポリ塩化ビニル組成物成形品の製造方法

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JPH07292195A
JPH07292195A JP9011294A JP9011294A JPH07292195A JP H07292195 A JPH07292195 A JP H07292195A JP 9011294 A JP9011294 A JP 9011294A JP 9011294 A JP9011294 A JP 9011294A JP H07292195 A JPH07292195 A JP H07292195A
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JP
Japan
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polyvinyl chloride
plasticizer
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composition
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JP9011294A
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English (en)
Inventor
Masahiro Nishigori
織 雅 弘 錦
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Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリ塩化ビニル粉末 100重量部と高分子可塑
剤 150〜450 重量部とを溶融混練して可塑剤含有ポリ塩
化ビニル粒子を調製し、次いで、ポリ塩化ビニル粉末 1
00重量部と、前記可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子 300〜
500 重量部とをドライブレンドし、その後溶融混練して
ポリ塩化ビニル 100重量部あたり前記高分子可塑剤を40
〜150 重量部の量で含有する軟質塩化ビニル組成物を得
る軟質ポリ塩化ビニル組成物の製造方法。上記ドライブ
レンドの後、溶融混練し、成形する軟質ポリ塩化ビニル
組成物成形品の製造方法。 【効果】 従来の製造装置をそのまま用いることがで
き、生産速度を低下させたり、装置の汚れを生ずること
なく軟質ポリ塩化ビニル組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、高分子可塑剤を含有する
軟質ポリ塩化ビニル組成物の製造方法および高分子可塑
剤を含有する軟質ポリ塩化ビニル組成物成形品の製造方
法に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】エチレン、一酸化炭素および不飽
和エステルから得られる共重合体がポリ塩化ビニルの可
塑剤となることは既に知られている。このような高分子
可塑剤をポリ塩化ビニルに配合する際に、従来の液状可
塑剤を使用する軟質ポリ塩化ビニル組成物の製造装置を
そのまま使用して均一に配合することは必ずしも容易で
はなく、特に高分子可塑剤を相当量配合して軟質ポリ塩
化ビニル組成物を製造することは困難であった。
【0003】従来の軟質ポリ塩化ビニル組成物の製造方
法では、まずポリ塩化ビニル粉末、液状可塑剤および、
安定剤、滑剤などの各種添加剤をヘンシェルミキサーな
どの乾式攪拌混合装置で混合し、得られた粉末をクーリ
ングミキサーを通して、あるいは通さずにそのままバン
バリーミキサーなどの溶融混練装置に導き溶融混練し、
次いでミキシングロールを通してカレンダー成形などを
行うのが一般的である。
【0004】しかしながら上記のような方法でポリ塩化
ビニル粉末と高分子可塑剤とを混合しようとすると次の
ような問題を生ずる。たとえば乾式攪拌混合装置では、
通常120〜130℃に温度上昇するが、ポリ塩化ビニ
ルの可塑剤として好適な高分子可塑剤は融点が40〜6
0℃程度であるため、混合装置内で溶融し、その一部が
装置壁面に追いやられポリ塩化ビニルに混合されず、壁
面を汚染するという問題を生ずる。また溶融した高分子
可塑剤がポリ塩化ビニル中に完全に取り込まれずポリ塩
化ビニル粉末上に付着した状態となり、糸曳きを起こ
し、作業性を悪化させるとともに装置の汚れを促進する
ことになる。
【0005】また従来の方法では高分子可塑剤が塊状に
固まるというようなトラブルを生じやすいため、高分子
可塑剤を分割して添加しないと均一混合することが難し
く、生産速度が犠牲になるという難点があった。また分
割添加においても時として、混合装置の汚れを生じるこ
とがあった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、このような従来技術に鑑みな
されたのであって、従来の液状可塑剤を用いる軟質ポリ
塩化ビニル組成物の製造装置をそのまま使用することが
でき、しかも生産速度を低下させたり、製造装置の汚れ
を生ずることなく高分子可塑剤が相当量配合された軟質
ポリ塩化ビニル組成物が得られるような軟質ポリ塩化ビ
ニル組成物の製造方法を提供することを目的とするとと
もに、高分子可塑剤が相当量配合された軟質ポリ塩化ビ
ニル組成物成形品の製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る軟質ポリ塩化ビニル組成物
の製造方法は、ポリ塩化ビニル粉末100重量部と高分
子可塑剤150〜450重量部とを溶融混練して可塑剤
含有ポリ塩化ビニル粒子を調製し、次いで、ポリ塩化ビ
ニル粉末100重量部と、前記可塑剤含有ポリ塩化ビニ
ル粒子30〜500重量部とをドライブレンドし、その
後溶融混練してポリ塩化ビニル100重量部あたり前記
高分子可塑剤を40〜150重量部の量で含有する軟質
ポリ塩化ビニル組成物を得ることを特徴としている。
【0008】本発明では、可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒
子を調製するに際して、高分子可塑剤の一部とポリ塩化
ビニル粉末とを予備混合した後溶融混練し、さらに残部
の高分子可塑剤を加え溶融混練することが望ましく、ポ
リ塩化ビニル粉末と、可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を
ドライブレンドする際には、安定剤を添加することが望
ましい。また、高分子可塑剤は、エチレン共重合体高分
子可塑剤であることが望ましい。
【0009】本発明に係る軟質ポリ塩化ビニル組成物成
形品の製造方法は、ポリ塩化ビニル粉末100重量部と
高分子可塑剤150〜450重量部とを溶融混練して可
塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を調製し、次いで、ポリ塩
化ビニル粉末100重量部と、前記可塑剤含有ポリ塩化
ビニル粒子30〜500重量部とをドライブレンドし、
その後溶融混練し成形してポリ塩化ビニル100重量部
あたり前記高分子可塑剤を40〜150重量部の量で含
有する軟質ポリ塩化ビニル組成物成形品を得ることを特
徴としている。
【0010】本発明では、可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒
子を調製するに際して、高分子可塑剤の一部とポリ塩化
ビニル粉末とを予備混合した後溶融混練し、さらに残部
の高分子可塑剤を加え溶融混練することが望ましく、ポ
リ塩化ビニル粉末と、可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を
ドライブレンドする際には、安定剤を添加することが望
ましい。また、高分子可塑剤は、エチレン共重合体高分
子可塑剤であることが望ましい。
【0011】このような軟質ポリ塩化ビニル組成物成形
品の製造方法は、フィルムなどの成形品の製造方法とし
て好適である。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る軟質ポリ塩化
ビニル組成物の製造方法および軟質ポリ塩化ビニル組成
物成形品の製造方法について具体的に説明する。
【0013】本発明に係る軟質ポリ塩化ビニル組成物の
製造方法では、ポリ塩化ビニル粉末と高分子可塑剤とを
溶融混練して可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を調製し、
次いで、ポリ塩化ビニル粉末と、前記可塑剤含有ポリ塩
化ビニル粒子とをドライブレンドし、その後溶融混練し
ている。
【0014】まず、本発明で用いられるポリ塩化ビニル
および高分子可塑剤について説明する。ポリ塩化ビニル
(PVC)としては、塩化ビニル単独重合体または塩化
ビニルと他の共単量体との共重合体が用いられる。
【0015】塩化ビニルと共重合する他の共単量体とし
ては、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン;酢
酸ビニル、アクリル酸エステル、アルキルビニルエーテ
ル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、スチ
レン、アクリロニトリルなどのビニル化合物またはビニ
リデン化合物などを例示することができる。
【0016】ポリ塩化ビニルが共重合体である場合は、
ランダム共重合体であってもよく、またグラフト共重合
体であってもよい。グラフト共重合体の一例として、た
とえばエチレン・酢酸ビニル共重合体や熱可塑性ウレタ
ン重合体を幹ポリマーとし、これに塩化ビニルがグラフ
ト重合されたものを挙げることができる。
【0017】ポリ塩化ビニルは、粉末状で用いられるこ
とが好ましく、粒径0.1〜1000μmのものが好ま
しく用いられる。高分子可塑剤としては、公知の高分子
可塑剤を用いることができるが、たとえばエチレン・酢
酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エチレン・(メタ)ア
クリル酸エステル・一酸化炭素共重合体、酢酸ビニル含
有量の多いエチレン・酢酸ビニル共重合体などのエチレ
ン共重合体高分子可塑剤を好ましい例として挙げること
ができる。
【0018】エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合
体またはエチレン・(メタ)アクリル酸エステル・一酸
化炭素共重合体は、通常、エチレンから誘導される構成
単位が40〜80重量%、好ましくは60〜70重量%
の割合で存在し、酢酸ビニルまたは(メタ)アクリル酸
エステルから誘導される構成単位が15〜60重量%、
好ましくは20〜35重量%の割合で存在し、一酸化炭
素から誘導される構成単位が5〜30重量%、好ましく
は5〜15重量%の割合で存在していることが望まし
い。
【0019】上記エチレン・(メタ)アクリル酸エステ
ル・一酸化炭素共重合体の共重合成分となりうる(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチルなどを挙げることができ
る。
【0020】また酢酸ビニル含有量の多いエチレン・酢
酸ビニル共重合体では、エチレンから誘導される構成単
位が20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%の
割合で、酢酸ビニルから誘導される構成単位が40〜8
0重量%、好ましくは50〜70重量%程度の割合で存
在していることが望ましい。
【0021】このような高分子可塑剤は、低融点の高分
子可塑剤であり、その融点は40〜60℃程度であるこ
とが望ましい。またそのメルトフローレイトが、0.1
〜100g/10分(190℃,2160g荷重)のも
のを用いるのが好ましい。
【0022】本発明では、まずポリ塩化ビニルと高分子
可塑剤とを100〜150℃の温度で溶融混練し可塑剤
含有ポリ塩化ビニル粒子を調製する。可塑剤含有ポリ塩
化ビニル粒子の調製には、ポリ塩化ビニル100重量部
に対し、高分子可塑剤が150〜450重量部、好まし
くは200〜400重量部の量で用いられる。可塑剤含
有ポリ塩化ビニル粒子の調製は、たとえば2軸押出機や
バンバリーミキサーなどを用いて行うことができるが、
とくに2軸押出機を使用して行うのがよい。可塑剤含有
ポリ塩化ビニル粒子を調製する際には、後述するような
添加剤を用いてもよく、通常ポリ塩化ビニル100重量
部に対し、5〜50重量部程度の量で用いられる。
【0023】このようにして得られた可塑剤含有ポリ塩
化ビニル粒子は、通常ペレット状であり、粒径が1.5
〜5mmであることが好ましい。可塑剤含有ポリ塩化ビ
ニル粒子の粒径が上記の範囲にあると、後の工程でのポ
リ塩化ビニルとの混合が容易であり、均一な組成物を得
やすくなる。
【0024】可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を調製する
に際し、高分子可塑剤の量が多くなるにつれ、均一な溶
融混練が困難となってくる。そのため、まず高分子可塑
剤の一部とポリ塩化ビニルとを予備混合して溶融混練し
て均一な溶融混練物を作り、さらにこれに残部の高分子
可塑剤を加え、溶融混練することが好ましい。このよう
な溶融混練に使用できる好適な装置は、サイドフィード
付きの2軸押出機であり、サイドフィード部までのゾー
ンで最初の溶融混練を行い、サイドフィード部で上記残
部の高分子可塑剤を加えて溶融混練を続ける方法を採る
ことができる。
【0025】この場合、高分子可塑剤は、予備混合する
ときにはポリ塩化ビニル100重量部に対し、80〜1
20重量部程度の量で用いて予備混合と溶融混練を行
い、次いでポリ塩化ビニル100重量部当たり70〜3
30重量部、とくに100〜300重量部の量を加えて
さらに溶融混練するのが好ましい。
【0026】次に、ポリ塩化ビニル粉末と前記可塑剤含
有ポリ塩化ビニル粒子とを乾式攪拌混合装置を用いて混
合(ドライブレンド)する。ここで用いられるポリ塩化
ビニルと、前記可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を調製す
る際に用いられるポリ塩化ビニルとは、同一であって
も、異なっていてもよい。たとえば、可塑剤含有ポリ塩
化ビニル粒子の調製には塩化ビニル共重合体を用い、可
塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子と混合するポリ塩化ビニル
としては塩化ビニル単独重合体を用いることができる。
ポリ塩化ビニル粉末と可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子と
の混合は、たとえばヘンシェルミキサーなどを用いて行
うことができる。
【0027】ポリ塩化ビニル粉末と可塑剤含有ポリ塩化
ビニル粒子とを混合するに際して、ポリ塩化ビニル粉末
100重量部当たり、可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を
30〜500重量部、好ましくは50〜300重量部の
量で混合することが望ましい。ポリ塩化ビニル粉末の相
対量が少ないと、加工コストの大きい可塑剤含有ポリ塩
化ビニル粒子を多量に使用することとなり経済的でな
い。また、液状の添加剤を用いる場合には可塑剤がポリ
塩化ビニル粉末に取り込まれ難くなる。
【0028】ポリ塩化ビニル粉末と可塑剤含有ポリ塩化
ビニル粒子とを混合する際には、各種添加剤をさらに混
合してもよく、その場合には、ポリ塩化ビニル粉末と各
種添加剤を混合し、次にこの混合物に前記可塑剤含有ポ
リ塩化ビニル粒子とを混合する。
【0029】ここで用いられる添加剤としては、たとえ
ば亜鉛の脂肪酸塩、カルシウムの脂肪酸塩、バリウムの
脂肪酸塩などの安定剤;紫外線吸収剤;滑剤;炭酸カル
シウム、シリカ、クレイなどの無機充填剤;着色剤;前
記高分子可塑剤以外の可塑剤、たとえばジオクチルフタ
レート、ジブチルフタレート、ジノニルフタレートなど
の液状可塑剤などが挙げられ、これらは使用目的に応じ
適宜配合される。また添加剤の使用量は、目的とする樹
脂組成物によって異なるが、通常ポリ塩化ビニル粉末1
00重量部に対し5〜50重量部程度である。
【0030】このポリ塩化ビニル粉末と可塑剤含有ポリ
塩化ビニル粒子とをドライブレンドする工程では130
℃近辺まで温度上昇しても、可塑剤含有ポリ塩化ビニル
粒子中の高分子可塑剤が溶けだすことはないので、混合
装置内で高分子可塑剤が溶融し、壁面を汚染したり、溶
融した高分子可塑剤がポリ塩化ビニル粉末上に付着し
て、糸曳きを起こし、作業性を悪化させるとともに装置
の汚れを促進するなどのトラブルを生じることはない。
【0031】このようにして得られたポリ塩化ビニル粉
末と可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子との混合物は、冷却
しあるいは冷却せずにそのまま溶融混練装置に導き、1
50〜180℃の温度で溶融混練して軟質ポリ塩化ビニ
ル組成物を得る。ここで用いられる溶融混練装置として
は、バンバリーミキサー、ミキシングロールなどが挙げ
られる。
【0032】得られた軟質ポリ塩化ビニル組成物は、ポ
リ塩化ビニル100重量部あたり高分子可塑剤を40〜
150重量部、好ましくは60〜120重量部の量で含
有している。高分子可塑剤の含有量が前記範囲より少な
い場合には、ポリ塩化ビニルと高分子可塑剤との混合が
それほど困難ではなく、本発明方法を採用する利益はあ
まりない。
【0033】上記のように可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒
子を調製し、次いで該可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子と
ポリ塩化ビニルとを溶融混合することにより高分子可塑
剤の塊状化トラブルや装置汚れのトラブルは生ぜず、短
時間でポリ塩化ビニルが均一に分散した軟質ポリ塩化ビ
ニル組成物を得ることができる。
【0034】得られた軟質ポリ塩化ビニル組成物は、各
種成形装置により種々の形成品に成形される。たとえ
ば、フィルムに成形する場合には、ミキシングロールな
どを通したのち、カレンダー成形などにより、所望の形
状に成形される。
【0035】次に、本発明の軟質ポリ塩化ビニル組成物
の製造方法として好ましい例を、具体的に例示する。す
なわち、まずポリ塩化ビニル100重量部、高分子可塑
剤80〜120重量部および必要に応じて安定剤などの
添加剤を予備混合して100〜150℃で溶融混練し、
これにポリ塩化ビニル100重量部当たり100〜30
0重量部の量の高分子可塑剤を加え溶融混練を続け、可
塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を調製する。
【0036】次に、ポリ塩化ビニル100重量部と必要
に応じて安定剤などの添加剤を混合攪拌機に投入し、混
合攪拌する。内容物の温度が攪拌熱により120〜13
0℃に到達したところで攪拌を停止し、先に調製した可
塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子30〜500重量部を投入
し、混合攪拌して粉末混合物を得る。
【0037】次いで前記粉末混合物を150〜180℃
で溶融混練して軟質ポリ塩化ビニル組成物を得る。さら
に、得られた軟質ポリ塩化ビニル組成物は各種の成形装
置により種々の成形品に成形する。
【0038】本発明によれば、従来用いられてきた軟質
ポリ塩化ビニル組成物の製造装置をそのまま転用して高
分子可塑剤を相当量含有する軟質ポリ塩化ビニル組成物
および該組成物からなる成形品を製造することができ
る。また、ポリ塩化ビニル粉末と各種添加剤とのドライ
ブレンド工程で高分子可塑剤が溶融して塊状化したりあ
るいは、攪拌混合装置の槽内壁面に汚れが生ずることな
い。さらに、ポリ塩化ビニルが均一に分散した軟質ポリ
塩化ビニル組成物を短時間で得ることができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の軟質ポリ塩化ビニル組成物の製
造方法は、従来の軟質ポリ塩化ビニル組成物の製造装置
をそのまま使用することができ、しかも生産速度を低下
させたり、製造装置の汚れを生ずることなく高分子可塑
剤が配合された軟質ポリ塩化ビニル組成物および該組成
物からなる成形品が得られる。
【0040】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0041】
【実施例1】エチレン・塩化ビニル共重合体〔リューロ
ンE1050、平均重合度1050、東ソー(株)製〕
100重量部、エチレン・アクリル酸n-ブチル・一酸化
炭素共重合体(アクリル酸n-ブチル含量:30重量%、
一酸化炭素含量:10重量%、MFR:25dg/分)
100重量部および表1に示す添加剤を合計量で9.6
重量部をタンブラーブレンダーを用いて予備混合した
後、サイドフィード機能を有する同方向回転二軸押出機
〔(株)神戸製鋼所製、KTX−80、77mmφ、L
/D=30〕を用いてスクリュー回転数230mi
-1、シリンダー温度110〜120℃、ダイス温度1
10℃で混練し、約120kg/時間で可塑剤含有ポリ
塩化ビニル粒子を調製した。このとき、シリンダーの長
さ方向に対してほぼ中央に位置するベントポートよりエ
チレン・塩化ビニル共重合体100重量部に対してエチ
レン・アクリル酸n-ブチル・一酸化炭素共重合体100
重量部を重量式フィーダーを用いて供給した。また、こ
のベントポートとシリンダーヘッドとの中間に位置する
ベントポートより真空ポンプ(真空度20torr)を
用いてシリンダー内に存在する揮発成分を取除き、押出
の安定化を図った。
【0042】押出されたストランドの外観は、滑らかで
光沢もあり透明であった。また、得られた可塑剤含有ポ
リ塩化ビニル粒子には、ブロッキング現象も見られなか
った。更に、この粒子を180℃で熱プレスして得た厚
さ200μmのプレスフィルム中の直径50μm以上の
ゲル(未溶融のエチレン・塩化ビニル共重合体の粒子)
を拡大投影機を用いて計数したところ、0個/cm2
あり、可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子は、ポリ塩化ビニ
ルが均一分散していることを確認した。
【0043】次に、ポリ塩化ビニル(ビニクロン300
0M、平均重合度1100、三井東圧化学(株)製)1
00重量部、Ba/Zn系安定剤2重量部、エポキシ化
大豆油2重量部を20リットルヘンシェルミキサーに投
入し、1000min-1の回転数で混合攪拌した。内容
物の温度が攪拌熱により125℃に到達したところで攪
拌を停止し、先に調製した可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒
子300重量部を投入し、500min-1の回転数で1
分間混合攪拌し、粉末混合物を排出した。排出時の粉末
混合物の流動性は良好であった。また、排出後のヘンシ
ェルミキサー槽内の壁面、分流板などへの付着物は見ら
れなかった。
【0044】次いで上記のようにして得られた粉末混合
物を6インチテストロールを用い、ロール表面温度16
0℃で5分間混練し、軟質ポリ塩化ビニル組成物を調製
した。このとき、投入した粉末混合物がバックロールへ
粘着して巻取られることはなった。得られたロールシー
トを180℃で熱プレスして得た厚さ200μmのプレ
スフィルム中の直径50μm以上のゲルを拡大投影機を
用いて計数したところ、100個/cm2 であり、この
軟質ポリ塩化ビニル組成物は、ポリ塩化ビニルがほぼ均
一分散していた。また、この組成物のロールシートを1
80℃熱プレスにて厚さ1mmのプレスシートを調製
し、得られたプレスシートについてJISK6301
3号ダンベルの試験片を作成し、23℃でオートグラフ
を用いて引張速度200mm/分で引張試験を行った。
配合比と諸特性を表1および表2に示す。
【0045】
【実施例2】実施例1において、ベントポートより供給
するエチレン・アクリル酸n-ブチル・一酸化炭素共重合
体の供給量を200重量部に変更した以外は実施例1と
同様にして可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を調製した。
得られた可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子は、ポリ塩化ビ
ニルが均一分散していることがストランドの外観および
ゲルカウントから確認された。
【0046】次に、実施例1においてヘンシェルミキサ
ーに投入する可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子の量を20
0重量部に変更した以外は実施例1と同様にして粉末混
合物を調製した。得られた粉末混合物の排出時の流動性
は良好であった。
【0047】次いで、得られた粉末混合物を実施例1と
同様に6インチテストロールを用いて混練した。このと
き粉末混合物がバックロールを汚染することはなかっ
た。また、得られた軟質ポリ塩化ビニル組成物は、ポリ
塩化ビニルがほぼ均一分散していた。この組成物につい
て実施例1と同様に試験片を作成して各種試験を行っ
た。配合比と諸特性を表1および表2に示す。
【0048】
【実施例3】実施例1において、ペントポートより供給
するエチレン・アクリル酸n-ブチル・一酸化炭素共重合
体の供給量を300重量部に変更した以外は実施例1と
同様にして可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を調製した。
得られた可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子は、ポリ塩化ビ
ニルはほぼ均一分散していたが、この可塑剤含有ポリ塩
化ビニル粒子には、軽度なブロッキングがあった。
【0049】次に、実施例1においてヘンシェルミキサ
ーに投入する可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子の量を17
0重量部に変更した以外は実施例1と同様にして粉末混
合物を調製した。得られた粉末混合物の排出時の流動性
は良好であった。
【0050】次いで、得られた粉末混合物を実施例1と
同様に6インチテストロールを用いて混練した。このと
き材料がバックロールを汚染することはなかった。ま
た、得られた軟質ポリ塩化ビニル組成物は、ポリ塩化ビ
ニルがほぼ均一分散していた。この組成物について実施
例1と同様に試験片を作成して各種試験を行った。配合
比と諸特性を表1および表2に示す。
【0051】
【比較例1】実施例1において、ベントポートより供給
するエチレン・アクリル酸n-ブチル・一酸化炭素共重合
体の供給量を400重量部に変更した以外は実施例1と
同様にして可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を調製した。
押出されたストランドは不透明で表面肌も荒れていた。
また、ゲルカウントも4000個/cm2 と悪く、明ら
かにエチレン・塩化ビニル共重合体の分散が不充分であ
ると思われた。
【0052】次に、実施例1においてヘンシェルミキサ
ーに投入する可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子の量を15
0重量部に変更した以外は実施例1と同様にして粉末混
合物を調製した。このときヘンシェルミキサー槽内で内
容物が融着し、塊状化した。
【0053】次いで、得られた塊状混合物を実施例1と
同様に6インチテストロールを用いて混練して軟質ポリ
塩化ビニル組成物を得た。この組成物について実施例1
と同様に試験片を作成して各種試験を行った。配合比と
諸特性を表1および表2に示す。
【0054】
【比較例2】20リットルヘンシェルミキサーに実施例
1に用いたものと同様のポリ塩化ビニル100重量部と
エチレン・アクリル酸n-ブチル・一酸化炭素共重合体を
100重量部用いた以外は実施例1と同様にして攪拌混
合して、粉末混合物を調製した。このときヘンシェルミ
キサー槽内でエチレン・アクリル酸n-ブチル・一酸化炭
素共重合体が溶融して壁面に融着し、内容物は塊状化し
た。
【0055】次いで、得られた塊状混合物を実施例1と
同様に6インチテストロールを用いて混練して軟質ポリ
塩化ビニル組成物を得た。この組成物について実施例1
と同様に試験片を作成して各種試験を行った。配合比と
諸特性を表1および表2に示す。
【0056】表2に示すように本発明の方法は、溶融混
練装置の汚染がなく、ポリ塩化ビニルが均一に分散した
軟質ポリ塩化ビニル組成物が得られた。また得られた軟
質ポリ塩化ビニル組成物は、破断点抗張力および破断点
伸び率に優れている。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニル粉末100重量部と高分
    子可塑剤150〜450重量部とを溶融混練して可塑剤
    含有ポリ塩化ビニル粒子を調製し、 次いで、ポリ塩化ビニル粉末100重量部と、前記可塑
    剤含有ポリ塩化ビニル粒子30〜500重量部とをドラ
    イブレンドし、その後溶融混練してポリ塩化ビニル10
    0重量部あたり前記高分子可塑剤を40〜150重量部
    の量で含有する軟質ポリ塩化ビニル組成物を得ることを
    特徴とする軟質ポリ塩化ビニル組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を調
    製するに際して、高分子可塑剤の一部とポリ塩化ビニル
    粉末とを予備混合した後溶融混練し、さらに残部の高分
    子可塑剤を加え溶融混練する請求項1に記載の軟質ポリ
    塩化ビニル組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記高分子可塑剤がエチレン共重合体高
    分子可塑剤である請求項1または2に記載の軟質ポリ塩
    化ビニル組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリ塩化ビニル粉末と、可塑剤含有ポリ
    塩化ビニル粒子をドライブレンドする際に、添加剤を添
    加する請求項1〜3のいずれかに記載の軟質ポリ塩化ビ
    ニル組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリ塩化ビニル粉末100重量部と高分
    子可塑剤150〜450重量部とを溶融混練して可塑剤
    含有ポリ塩化ビニル粒子を調製し、 次いで、ポリ塩化ビニル粉末100重量部と、前記可塑
    剤含有ポリ塩化ビニル粒子30〜500重量部とをドラ
    イブレンドし、その後溶融混練し成形してポリ塩化ビニ
    ル100重量部に対し前記高分子可塑剤を40〜150
    重量部の量で含有する軟質ポリ塩化ビニル組成物成形品
    を得ることを特徴とする軟質ポリ塩化ビニル組成物成形
    品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記可塑剤含有ポリ塩化ビニル粒子を調
    製するに際して、高分子可塑剤の一部とポリ塩化ビニル
    粉末とを予備混合した後溶融混練し、さらに残部の高分
    子可塑剤を加え溶融混練する請求項5に記載の軟質ポリ
    塩化ビニル組成物成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記高分子可塑剤がエチレン共重合体高
    分子可塑剤である請求項5または6に記載の軟質ポリ塩
    化ビニル組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリ塩化ビニル粉末と、可塑剤含有ポリ
    塩化ビニル粒子をドライブレンドする際に、添加剤を添
    加する請求項5〜7のいずれかに記載の軟質ポリ塩化ビ
    ニル組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記成形品がフィルムである請求項5〜
    8のいずれかに記載の軟質ポリ塩化ビニル組成物成形品
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020066770A1 (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 日本ゼオン株式会社 ニトリルゴム組成物およびニトリルゴム組成物の製造方法

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