JP7156422B2 - ポリ塩化ビニル系樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents
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1.平均重合度700~1300のポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、平均1次粒子径0.01~0.3μmの炭酸カルシウムを3~15質量部、及び衝撃強度改質剤を2~4質量部それぞれヘンシェルミキサーまたはスーパーミキサーで混合、昇温してなる樹脂混合物の樹脂成形品であって、上記衝撃強度改質剤が、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体(MBS樹脂)または塩素化ポリエチレンであり、23℃でのシャルピー衝撃強度が20kJ/m2以上、且つ、JIS K 6745に準じて、93質量%の硫酸水溶液に14日間浸漬させた際の質量減少率が1.5mg/cm2以下であることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂成形品。
2.上記昇温が100~140℃である上記1記載のポリ塩化ビニル系樹脂成形品。
3.炭酸カルシウムとして上記平均1次粒子径を有する炭酸カルシウム(但し、平均粒子径1~3μmの重質炭酸カルシウム又は平均粒子長径1~3μmの軽質炭酸カルシウムを併用するものを除く。)を使用する上記1又は2記載のポリ塩化ビニル系樹脂成形品。
4.パイプ、継手、排水マス、雨樋、窓枠、サイディング、フィルム・シート材、平板及び波板の群から選ばれる製品に使用される上記1~3のいずれかに記載のポリ塩化ビニル系樹脂成形品。
5.平均重合度700~1300のポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、平均1次粒子径0.01~0.3μmの炭酸カルシウムを3~15質量部、及び、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体(MBS樹脂)または塩素化ポリエチレンである衝撃強度改質剤を2~4質量部それぞれ含有した可塑剤を含まない樹脂混合物を500~3000rpmの回転速度で混合させ、押出成形、プレス成形、射出成形及びカレンダー成形の群から選ばれる成形方法により樹脂混合物を成形することにより、23℃でのシャルピー衝撃強度が20kJ/m2以上、且つ、93質量%の硫酸液に14日間浸漬させた際の質量減少率が1.5mg/cm2以下である樹脂成形品を得ることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂成形品の製造方法。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂成形品は、ポリ塩化ビニル系樹脂に、衝撃強度改質剤及び所定の平均1次粒子径を有する炭酸カルシウムを所定量含有するものである。
(1)ポリ塩化ビニル系樹脂コンパウンドの作製
全ての実施例に共通する信越化学工業社製のポリ塩化ビニル樹脂「TK-1000(平均重合度1000)」を使用し、所定の平均1次粒子径を有する炭酸カルシウム、衝撃強度改質剤、熱安定剤及び滑剤を、表1,2に示す配合材料及び配合量(質量部)で添加し、回転混合機として日本コークス工業社製10Lヘンシェルミキサー(FM10C/1型)を用いて、回転数1800rpm(但し、実施例12の回転数は2400rpm、実施例13の回転数は1200rpm)で回転混合させながら、0.1hrブレンドし、120℃でポリ塩化ビニル系樹脂コンパウンドを排出させた。なお、上記のヘンシェルミキサーには、上羽根としてST羽根(標準)、及び下羽根としてAO羽根(標準)をそれぞれ使用した。
上記で得たポリ塩化ビニル系樹脂コンパウンドを6インチ2本ロールにて、ロール温度170℃及び20rpmの条件でコントロールし、5分間混練し、厚み0.7mmのロールシート化した。
上記ロールシート(厚さ0.7mm)を所望の長さに切断し、所望の質量部となるように重ねあわせて180℃、圧力50kg/cm2及び5分の条件でプレスし、所望の厚さのプレスシートを得た。
ポリ塩化ビニル系樹脂コンパウンドの作製については、実施例1と同様に実施したが、予備溶融加工、本成形加工については、下記方法により押出成形品を作製した。
作製した粉体コンパウンドを用いて50mmφ単軸押出機にて押出ペレットを作成した。L/D=25の50mmφ単軸押出機にて、スクリュー圧縮比CR:2.5、スクリーン:♯60×1枚、スクリュー回転数:40rpm、シリンダー設定温度C1:140℃、C2:150℃、C3:155℃、C4:160℃(C1が最もホッパーに近く、その後C2、C3、C4の順に通過する)、ダイス設定温度160℃で押出ペレットを作成した。
作製した押出ペレットを用いて15mmφ異方向二軸押出機にて押出成形を行った。L/D=30の15mmφ異方向二軸押出機にて、スクリュー圧縮比CR:2.5、ダイス:4×10mm角棒、スクリュー回転数:40rpm、シリンダー設定温度C1:140℃、C2:150℃、C3:160℃、C4:170℃(C1が最もホッパーに近く、その後C2、C3の順に通過する)、ダイス設定温度180℃で押出成形を行った。
ポリ塩化ビニル系樹脂コンパウンドの作製については、実施例1と同様に実施したが、予備溶融加工を行わず、粉体コンパウンドを用いて実施例16と同様に本成形加工を実施した。
10Lヘンシェルミキサー(FM10C/1型)の回転数を400rpmとした以外は、実施例1と同様に実施した。
炭酸カルシウムを全く配合しないこと以外は、実施例1と同様に実施した。
炭酸カルシウムを全く配合しないこと及び衝撃強度改質剤の種類を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
ポリ塩化ビニル樹脂100質量部に対する炭酸カルシウムの配合量を20質量部とした以外は、実施例1と同様に実施した。
衝撃強度改質剤の種類を全く配合しないこと以外は、実施例1と同様に実施した。
JIS K 7111に準拠して、23℃でのシャルピー衝撃試験を行い、衝撃強度を測定した。このシャルピー衝撃強度が20kJ/m2以上の場合を「○」、20kJ/m2未満の場合を「×」と評価した。その測定値及び評価を表1,2(実施例)及び表3(比較例)に併記した。
JIS K 6745に準拠して、各例の成形品を93質量%の硫酸に55℃14日間浸漬した際の質量変化率を求めた。各例の成形品の質量減少率が1.5mg/cm2以下の場合を「○」、1.5mg/cm2を超える場合を「×」と評価した。その測定値及び評価を表1,2(実施例)及び表3(比較例)に併記した。
・ポリ塩化ビニル樹脂:「TK-1000」(信越化学工業社製、平均重合度1000)
・熱安定剤:Sn系安定剤(オクチル錫メルカプト、ブチル錫サルファイド)
・Caセッケン:カルシウムステアレート
・滑剤:パラフィンワックス、ポリエチレンワックス(酸化タイプ)
・炭酸カルシウム:下記(I)~(III)の3種類の軽質炭酸カルシウムのうちいずれか1つを用いる。
(I)平均1次粒子径0.15μm、脂肪酸表面処理品
(II)平均1次粒子径0.10μm、脂肪酸表面処理品
(III)平均1次粒子径0.08μm、脂肪酸表面処理品
(上記の炭酸カルシウムの表面処理に用いられる脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸に代表される脂肪酸を混合したものである。)
・MBS樹脂(メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体)「B-562」(カネカ社製、D50=215μm、ブタジエン含有量70wt%)
・アクリル系ゴム:「FM-50」(カネカ社製、MMAグラフトアクリルゴム、D50=173μm)
・塩素化ポリエチレン:「エラスレン351A」〔昭和電工社製、塩素含有率35wt%、ムーニー粘度90M(121℃)〕
Claims (5)
- 平均重合度700~1300のポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、平均1次粒子径0.01~0.3μmの炭酸カルシウムを3~15質量部、及び衝撃強度改質剤を2~4質量部それぞれヘンシェルミキサーまたはスーパーミキサーで混合、昇温してなる樹脂混合物の樹脂成形品であって、上記衝撃強度改質剤が、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体(MBS樹脂)または塩素化ポリエチレンであり、23℃でのシャルピー衝撃強度が20kJ/m2以上、且つ、JIS K 6745に準じて、93質量%の硫酸水溶液に14日間浸漬させた際の質量減少率が1.5mg/cm2以下であることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂成形品。
- 上記昇温が100~140℃である請求項1記載のポリ塩化ビニル系樹脂成形品。
- 炭酸カルシウムとして上記平均1次粒子径を有する炭酸カルシウム(但し、平均粒子径1~3μmの重質炭酸カルシウム又は平均粒子長径1~3μmの軽質炭酸カルシウムを併用するものを除く。)を使用する請求項1又は2記載のポリ塩化ビニル系樹脂成形品。
- パイプ、継手、排水マス、雨樋、窓枠、サイディング、フィルム・シート材、平板及び波板の群から選ばれる製品に使用される請求項1~3のいずれか1項記載のポリ塩化ビニル系樹脂成形品。
- 平均重合度700~1300のポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、平均1次粒子径0.01~0.3μmの炭酸カルシウムを3~15質量部、及び、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレングラフト共重合体(MBS樹脂)または塩素化ポリエチレンである衝撃強度改質剤を2~4質量部それぞれ含有した可塑剤を含まない樹脂混合物を500~3000rpmの回転速度で混合させ、押出成形、プレス成形、射出成形及びカレンダー成形の群から選ばれる成形方法により樹脂混合物を成形することにより、23℃でのシャルピー衝撃強度が20kJ/m2以上、且つ、93質量%の硫酸液に14日間浸漬させた際の質量減少率が1.5mg/cm2以下である樹脂成形品を得ることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂成形品の製造方法。
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