JPH07291615A - 酸化亜鉛担持球状シリカおよびその製造方法および化粧料 - Google Patents
酸化亜鉛担持球状シリカおよびその製造方法および化粧料Info
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Abstract
の分解活性の低い化粧料を得る。 【構成】亜鉛化合物の溶液を球状シリカに含浸した後、
加水分解し、さらに加熱処理して酸化亜鉛とすることに
より、球状シリカの細孔内に、球状シリカと酸化亜鉛の
合計量に対して酸化亜鉛が2〜80重量%担持された酸
化亜鉛担持球状シリカを得る。
Description
カおよびその製造方法、および酸化亜鉛担持球状シリカ
を利用した化粧料、特に紫外線防止用の化粧料に関す
る。
て、化粧品原料、樹脂添加剤、塗料添加剤、ガラス等の
コーティング剤成分に用いられている。
的として、粒子を微細化することが試みられている。例
えば、特開昭60−231607号では、最大粒径0.
1μm以下で平均粒径が10〜60nmの微粒子酸化亜
鉛を化粧料に配合することが提案されている。また、特
開昭62−84017号では、平均粒子径が20nm以
下の酸化亜鉛が化粧用組成物として提案されている。さ
らに、特開昭62−228006号では、平均粒径70
〜300nmの酸化亜鉛を配合した化粧料が提案されて
いる。粒径が0.1μm以下の酸化亜鉛を分散させた塗
料組成物が、特開平2−265976号で提案されてい
る。
やすく、分散配合することが困難であり、かつ可視光領
域での透明性が低く白っぽくなりやすいという問題があ
った。また、比表面積が大きくなることにより活性が強
くなり、配合されている有機成分を分解する傾向があ
る。
昭63−119418号では、担体表面に固着剤により
酸化亜鉛微粒子を固着した顔料が提案されている。ま
た、分解活性を抑えるために、特開平2−49717号
では、ナイロン樹脂等の母粒子の内部に酸化亜鉛が分散
した複合粒子を、特開平3−183620号では、表面
をAl、Siなどの酸化物で被覆した酸化亜鉛が提案さ
れている。
鉛の製造においては、強力な粉砕機や分散装置その他特
殊な装置などが必要であり高価なものとなってしまうと
いう問題がある。また、微粒子の酸化亜鉛を他の金属酸
化物で被覆したものは、もとの酸化亜鉛の形状を保持し
ているため化粧料に配合した場合は使用感が悪いという
問題があった。
し、分散性を向上し、かつ有機成分の分解活性を抑制
し、しかも化粧料等に配合した場合にも使用感を良好に
することを目的とする。
細孔内に、球状シリカと酸化亜鉛の合計量に対して酸化
亜鉛が2〜80重量%担持された酸化亜鉛担持球状シリ
カを提供する。
細孔内に担持されることが必要である。実質的に全部の
酸化亜鉛が細孔内に存在することが好ましいが、一部細
孔外の粒子表面に酸化亜鉛が存在していてもよい。
0.5〜50μmの範囲にあることが好ましい。最大粒
径は、200μm以下であることが望ましい。平均粒子
径が0.5μmより小さい場合は、酸化亜鉛担持球状シ
リカが凝集しやすく分散が困難になり、かつ、化粧品に
配合した際すべり性が悪くなるので好ましくない。平均
粒子径が50μmを超える場合、または、最大粒径が2
00μmを超える場合は、化粧品に配合した際にはざら
つき感が生じ、また樹脂や塗料に配合した際には、樹脂
や塗膜の強度が低下したり塗膜の平滑性が損なわれるの
で好ましくない。平均粒子径が2〜20μmの球状のシ
リカが、分散性、使用感、樹脂強度、塗膜の平滑性の観
点から特に好ましい。
るが、一部形状がいびつなもの、あるいは不定形のもの
が含まれていても差し支えない。
が使用できる。例えば、界面活性剤を含んだ有機溶剤中
にケイ酸ナトリウム溶液を分散させ酸でゲル化させた
後、洗浄乾燥することによって得られる。また、シリカ
ゾルをスプレードライすることによっても得られる。
折線幅から求めることができる。本発明では、次のSc
herrerの式より求めた。 D=Kλ/βcosθ この式において、Dは結晶子径(単位nm)、Kは形状
因子(無次元の定数)、λはX線の波長(単位nm)、
βは回折線幅(単位ラジアン)、θは回折角である。本
発明では、定数K=0.9として結晶子径を求めた(参
考文献「セラミックスのキャラクタリゼーション技
術」、セラミックス編集委員会講座小委員会編集、日本
セラミックス協会(平成3年))。
場合に2〜50nmの範囲にあることが望ましい。結晶
子径が2nmより小さいと紫外線反射性能が発現しない
おそれがあるので好ましくない。結晶子径が50nmを
超える場合は、酸化亜鉛はシリカの細孔内に担持される
ことができず、シリカ粒子の外部に分離した状態で存在
するため、凝集しやすく可視光領域での透明性が悪くな
るおそれがあるとともに、分解活性が強くなるので好ま
しくない。酸化亜鉛の結晶子径としては4〜30nmが
特に好ましい。
化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウムの1種以上を同
時に担持することができる。酸化チタン、酸化鉄、酸化
セリウムを同時に担持したものは紫外線反射性能を向上
させることができる。また、酸化チタン、酸化ジルコニ
ウムを同時に担持したものは、赤外線反射性能が発現す
る。
の特性を付与することもできる。ドープする金属として
は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、3価の金属、例
えばAl、In、Feなど、4価の金属、例えばTi、
Ce、Zr、Snなど、5価の金属、例えばVなどが使
用できる。
合計量に対して2〜80重量%が望ましい。担持量が2
重量%より小さいと、紫外線反射性能が発現しないおそ
れがあるので好ましくない。また、80重量%を超える
と酸化亜鉛のうちシリカの細孔内に担持されずにシリカ
粒子の外部に分離した状態で存在するものが多くなり、
有機成分の分解活性が強くなるので好ましくない。酸化
亜鉛の担持量としては10〜70重量%が特に好まし
い。
としては、亜鉛化合物の溶液を球状シリカに含浸した後
加水分解し、さらに加熱処理する方法、または、亜鉛化
合物の溶液を球状シリカに含浸した後、加熱分解する方
法が好ましく採用できる。
あれば特に限定されないが、水溶性の無機塩類または有
機塩類が好適である。塩類として具体的には、フッ化亜
鉛、塩化亜鉛、塩素酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン
酸亜鉛、炭酸亜鉛、シアン化亜鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸
亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫酸亜鉛カリウム、硫酸亜鉛
アンモニウム等が使用できる。加水分解反応による場合
は、特に、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛が好適に使用
できる。また、加熱分解による場合は、特に、硝酸亜
鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛が好適
に使用できる。2種以上の亜鉛化合物を混合して用いる
こともできる。
細孔容積が0.2〜3.0ml/g、平均細孔径が3〜
50nmのものが好ましい。
方法が使用できる。例えば、球状シリカに亜鉛の塩類溶
液を、ミキサー、混練機などを用いてしみこませる方
法、または、亜鉛の塩類溶液に球状シリカを投入する方
法等が使用できる。亜鉛化合物溶液を含浸した球状シリ
カは、乾燥して次の工程に進むこともできるし、乾燥せ
ず湿った状態で使用することもできる。
は溶媒が液状を保つ温度であればよい。溶媒が水の場合
は15〜100℃の範囲が特に好ましい。加水分解の方
法としては、アルカリまたは酸を添加する方法または加
熱による方法いずれも採用することができる。
処理温度は70〜1000℃が好ましい。加熱温度が7
0℃より低い場合および1000℃より高い場合は紫外
線反射効果が十分ではないおそれがあるので好ましくな
い。加熱処理温度が70℃に満たない場合は、酸化亜鉛
の結晶子が十分に成長しないおそれがあるためと考えら
れる。また、加熱処理温度が1000℃を超えると、シ
リカと酸化亜鉛が反応し、紫外線反射性の小さいケイ酸
亜鉛が生じるためと考えられる。加熱処理温度として
は、200〜800℃の範囲が特に好ましい。
る方法の場合は、加熱温度としては塩類の分解温度以上
であればよいが、前述した通り1000℃を超えるとケ
イ酸亜鉛が生じるので好ましくない。
ものが採用できる。例えば、トンネルキルン、ロータリ
ーキルン、電気炉、マッフル炉、真空減圧乾燥機等が使
用できる。
気中や酸素濃度をコントロールした酸化雰囲気、または
水素などを含む還元性の雰囲気、さらには不活性ガス中
等の条件を任意に採用できる。雰囲気をコントールする
ことにより、担持される酸化亜鉛中に酸素欠陥または亜
鉛過剰欠陥を導入することができ、紫外線反射性能が向
上するので好適である。このような欠陥を導入した酸化
亜鉛担持球状シリカは黄色みを帯びているので確認でき
る。また、ESR(電子スピン共鳴法)によっても確認
できる。すなわち、通常の亜鉛はESRでは観察できな
いが、欠陥の導入された酸化亜鉛中の亜鉛はESRで検
出確認できる。
熱処理温度、加熱温度等を変えることにより制御するこ
とができる。さらに、担体の球状シリカの細孔直径を変
えることにより担持される酸化亜鉛の結晶子径を制御す
ることもできる。例えば、細孔直径の小さい球状シリカ
を担体として使用すると担持される酸化亜鉛の結晶子径
が小さくなり、細孔直径が大きくなると結晶子径が大き
くなる。
状シリカの表面を走査型電子顕微鏡で観察すると、もと
の担体の球状シリカとほぼ同じであり、担持された酸化
亜鉛が細孔の外に出ていないことがわかる。
化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウムの1種以上を同
時に担持することもできる。亜鉛の塩類と、チタン、
鉄、セリウム、ジルコニウムの塩類を同時に溶媒に溶か
したものを含浸するか、またはそれぞれの溶液を別々に
含浸することによって担持することができる。さらに、
酸化亜鉛を担持した後、チタン、鉄、セリウム、ジルコ
ニウムの塩類溶液で処理することによっても得られる。
こともできる。ドープする金属としてはアルカリ金属、
アルカリ土類金属、3価の金属、例えばAl、In、F
eなど、4価の金属、例えばTi、Ce、Zr、Snな
ど、5価の金属、例えばVなどが使用できる。ドープす
る方法としては、亜鉛の塩類とそれぞれの塩類を同時に
溶媒に溶かしたものを含浸するか、またはそれぞれの溶
液を別々に含浸することによって担持することができ
る。さらに、酸化亜鉛を担持した後、それぞれの塩類溶
液で処理することによっても得られる。
デーション、乳液、ローション、クリーム、口紅、アイ
シャドー、ボディーパウダー、制汗剤、シャンプー、リ
ンス等の従来より製造されている化粧料に好適に配合す
ることができる。酸化亜鉛を担持した球状シリカが配合
された化粧料は、紫外線防止効果が高く、その持続性が
長く、また化粧料に配合される他の成分の分解性が低
い。さらには、すべり性、伸び等の使用感に優れる。
Al、Zrなどの金属の酸化物または水酸化物、あるい
はナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂で
被覆されたものも好適に使用することができる。
の被覆されたものの表面が、シリコーンオイル、シラン
カップリング剤、チタネートカップリング剤、アルコー
ル、界面活性剤、その他の表面処理剤、表面改質剤によ
って表面処理されたものも好適に使用できる。これらで
処理し、表面が疎水化されたものは化粧品に配合された
際化粧持ちが向上し、カップリング剤で処理されたもの
は樹脂に配合した際、強度が向上し、また分散安定性が
増大する。
た球状シリカを配合充填することにより、その耐紫外線
性が向上するとともに、その下地を紫外線から保護する
ことができる。また、酸化亜鉛を担持した球状シリカ
は、同時に配合される有機成分の分解性が低い。
晶で高分散されているために紫外線反射性能が高くかつ
可視光領域での透明性が高く、また細孔内に存在するた
めに同時に配合される他の成分の分解性が低い。また、
担体の細孔内部での反応を利用することにより高分散し
た酸化亜鉛が極めて容易に製造することができる。担体
として球状のシリカを使用することにより、それを配合
した化粧料は紫外線反射特性にすぐれ、すべり性等の使
用感が良好である。また、配合された酸化亜鉛担持球状
シリカは、有機成分の分解性が低く、分散安定性に優れ
ている。
製、商品名シルデックス)35gに、40重量%硫酸亜
鉛(7水塩)水溶液123g(ZnOとして15g)を
均一にスプレーして浸み込ませた後、120℃で30分
乾燥した。これを60℃の1N水酸化ナトリウム水溶液
417gに強力に撹拌しながら2分かけて投入した。さ
らに60℃のまま30分間保持した後、硫酸根が検出さ
れなくなるまで水洗した。140℃で30分乾燥した
後、表1に示す温度で、それぞれ30分加熱処理した。
はいずれも5μmであり、酸化亜鉛の担持量は30重量
%であった。前述の通りX線回折より求めた酸化亜鉛の
結晶子径を表1に示す。
状シリカ3gと流動パラフィン7gを混合し(酸化亜鉛
として9重量%配合)、3本ロールを用いて分散させ
た。これを石英板にはさみ厚みを30μmに調整した
後、自記分光光度計(株式会社日立製作所製U−400
0型)で透過率を測定した。各波長での透過率を表2に
示す。500nmは可視光領域、360nm、320n
m、290nmは紫外光領域である。透過率が小さいほ
ど紫外線反射特性が良いことを示す。
製、商品名シルデックス)11gに38重量%酢酸亜鉛
水溶液64gを均一にスプレーし、120℃で30分乾
燥した。これを、10℃/分の速度で600℃まで昇温
し、600℃で30分加熱分解した。この酸化亜鉛担持
球状シリカの平均粒子径は5μm、担持量は34重量%
であり、結晶子径は8.8nmであった。実施例1と同
様に紫外線反射特性の評価(酸化亜鉛として9重量%配
合)を行った。結果を表2に示す。
−25(平均粒子径0.04μm、結晶子径19nm)
をそのまま使用した。これを9重量%流動パラフィンに
配合したときの紫外線反射特性を表2に示す。
9重量%配合したにも関わらず、本発明の酸化亜鉛担持
球状シリカは紫外線反射特性および可視光領域での透明
性に優れている。
亜鉛として9重量%をイソプロピルアルコール(2−プ
ロパノール)に分散させ、5日間日光に当てた。イソプ
ロピルアルコールからアセトンへの分解反応転化率(モ
ル基準)を表3に示す。
カは、イソプロピルアルコールの分解性が低いことがわ
かる。
し、配合割合は重量%である。
に(7)の約半分と(8)を加え、ホモミキサーで均一
に分散した後、残りの成分を加熱融解して加えよく混合
する。これを容器に流し込んで冷却固化して、紫外線反
射効果の高い使用感の良いファンデーションを製造し
た。また、1カ月後の分散安定性も良好であり、変色異
臭等も見られなかった。
リカとした以外は実施例4と同様に紫外線反射効果の高
い使用感の良いファンデーションを製造した。また、1
カ月後の分散安定性も良好であり、変色等も見られなか
った。
粒子の酸化亜鉛がシリカの細孔内に高分散に担持されて
いるので、次のような効果を有する。(1)紫外線反射
性能が高い、(2)可視光領域での透明性が高い、
(3)分解活性が低い。また、本発明の酸化亜鉛担持球
状シリカの製造方法により、(4)微粒子の酸化亜鉛が
高分散に担持されている球状シリカを特殊な装置、技術
を用いることなく容易に製造することができる、(5)
酸化亜鉛の結晶子径の制御が容易であるなどの効果が達
成される。さらに、本発明の酸化亜鉛担持球状シリカを
化粧品に配合することにより、紫外線反射特性に優れか
つ可視光領域での透明性が高く、肌につけたときの感触
が良好であるなどの効果が達成される。
た球状シリカを配合充填することにより、その耐紫外線
性が向上するとともに、その下地を紫外線から保護する
ことができる。また、酸化亜鉛を担持した球状シリカ
は、同時に配合される他の成分の分解性が低いという効
果がある。
ガラス、フィルム等のコーティング剤の成分として使用
することにより前述と同様の効果が達成される。
Claims (5)
- 【請求項1】球状シリカの細孔内に、球状シリカと酸化
亜鉛の合計量に対して酸化亜鉛が2〜80重量%担持さ
れた酸化亜鉛担持球状シリカ。 - 【請求項2】担持された酸化亜鉛の結晶子径が2〜50
nmであることを特徴とする請求項1の酸化亜鉛担持球
状シリカ。 - 【請求項3】亜鉛化合物の溶液を球状シリカに含浸した
後、加水分解し、さらに加熱処理して酸化亜鉛とする酸
化亜鉛担持球状シリカの製造方法。 - 【請求項4】亜鉛化合物の溶液を球状シリカに含浸した
後、亜鉛化合物を加熱分解して酸化亜鉛とする酸化亜鉛
担持球状シリカの製造方法。 - 【請求項5】請求項1または請求項2の酸化亜鉛担持球
状シリカを配合したことを特徴とする化粧料。
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JP3493717B2 (ja) | 2004-02-03 |
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