JPH0729146A - 磁気記録体及び磁気記録体の記録方法並びに磁気記録体の記録消去方法 - Google Patents

磁気記録体及び磁気記録体の記録方法並びに磁気記録体の記録消去方法

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JPH0729146A
JPH0729146A JP5153446A JP15344693A JPH0729146A JP H0729146 A JPH0729146 A JP H0729146A JP 5153446 A JP5153446 A JP 5153446A JP 15344693 A JP15344693 A JP 15344693A JP H0729146 A JPH0729146 A JP H0729146A
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JP
Japan
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magnetic
magnetic recording
recording medium
microcapsules
viscosity
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Application number
JP5153446A
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English (en)
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Yoshiko Ugajin
美子 宇賀神
Jiro Watanabe
二郎 渡辺
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、加熱・磁気印加部分と無印加部分と
の差が明確であり、かつ解像度が高く、鮮明で、画像の
安定性に優れたリサイクル表示可能な磁気記録体を提供
する。 【構成】磁気記録体1は、磁性粉22と顔料23を分散
した、常温における粘度が200cps以上、かつ加熱
時における粘度が100cps以下である有機溶媒24
を内包するマイクロカプセル14を含む記録層12を有
する。記録時は、磁気記録体1の表面側から、加熱手段
を有する記録ヘッド27を走査し、熱によって溶融状態
となった分散媒24の磁性粉22が、磁気により磁気記
録体1の表面に移動し、磁性粉22による黒色の像が形
成され、消去時は、全面を加熱し、磁気記録体1の裏面
から全面に磁気を印加、或い記録ヘッド27で裏面を走
査すると、磁気記録体1の表面は顔料色となり、像は消
去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱とともに磁気によ
って画像を表示する磁気記録体にかかり、特に、解像度
及び画像の安定性に優れたリサイクル表示可能な磁気記
録体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気を利用して表示を行う方法と
して、例えば、特開昭48−56393号公報に記載さ
れているように、着色分散媒中に磁性粒子が分散された
サスペンジョンに磁界を作用させることにより、磁性粒
子を移動させ、着色分散媒の色を変化させて表示を行う
方法が知られている。
【0003】しかし、この方法は、サスペンジョンを2
枚の基板間に封じこんで一方の基板から磁気ペンで文
字、模様を描いて磁気を作用させると、サスペンジョン
の磁性粒子が吸引されて、その通りの文字や模様が得ら
れるが、磁性粒子の比重は分散媒のそれよりも極めて大
きいので吸引された磁性粒子は、時間とともに沈降する
ため文字や模様を長時間保持できない欠点を有する。
【0004】また、磁気ペンにより磁気を受けた磁性粒
子はすべて磁気ペンに吸引されるので、磁気ペンから離
れて存在していた磁性粒子まで吸引されるため、不鮮明
な文字や模様しか得られない欠点も有していた。磁性粒
子の沈降を防止するため、例えば磁性粒子を細かくする
か、磁性粒子に低比重のポリマー等を被覆して、磁性粒
子の見かけの比重を分散媒のそれと近似させると、磁性
粒子に働く磁気力が極端に小さくなるため、磁気ペンに
よって吸引されにくくなり、濃度の濃い、鮮明な文字や
模様が得られなくなるという欠陥を生じる。
【0005】さらに、磁性粒子の見かけの比重を分散媒
のそれと近似させると、文字や模様を消去する際も、磁
性粒子が基板の反対側に吸引されにくくなり、完全に消
去できず、これを繰り返していると全体的に黒ずんでし
まい、実用的ではなかった。
【0006】これらの欠点を解決する形態として、例え
ば、特公昭57−27463、特開昭62−53359
号公報に記載されているように、分散媒として、一定値
以上の降伏値を有する液体、あるいは、増稠剤を用いる
ことによって、ぼけのない鮮明でコントラストの高い文
字、画像が表示でき、その表示は長時間安定に保持で
き、かつ、消去を完全にきれいに行える記録体が知られ
ている。
【0007】しかし、この記録体は、透明プラスチック
シートの全面に、一辺および深さが各2mm程度のハニ
カム状のセルを設けるように成形して、そのセルの中
に、磁性粒子と白色顔料を分散媒に分散したサスペンジ
ョンを注入し、これを透明シートで密封した形態であ
り、以下の欠点を有していた。即ち、ハニカム状のセル
の中で磁性粒子を裏面より表面に移動させて像を形成す
るため、像の解像度をハニカム状のセルより小さくする
ことは不可能である。また、ハニカム状のセルを成形す
ること、ハニカム状のセルを大型化、あるいは非常に小
型化すること、ハニカム状のセルにサスペンジョンを注
入する工程等が困難である。
【0008】別の形態として、例えば、特開平1−14
5637号公報、あるいは、Eyne S.Trumb
le P.S.&E.7 213(1963)に記載さ
れているように、前記のようなハニカム状のセルに磁性
粒子と顔料を密封した磁気記録体とは異なり、磁性粒子
をマイクロカプセルに封入し、これを支持体上に塗布し
た記録体が知られている。この方法によれば、マイクロ
カプセルの粒径を制御することにより、解像度を高くす
ることができ、製造工程も容易である。また、マイクロ
カプセルを塗布する基板に種々のフィルム等の選択が可
能となり、形状、大きさも自由に選択が可能となる。
【0009】しかし、ここで示される画像形成の方法
は、まず磁気記録体作製時に、塗布したカプセル中の磁
性粉をあらかじめ磁気記録体平面に平行に配向させるこ
とにより入射光を全部反射させ明るく見せておく。次
に、磁気的な記録をすることにより、磁性粉が回転し入
射光を散乱、吸収するようになり、コントラストが生じ
黒色の像が形成される。即ち、ここで用いられる磁性粉
は、一般にニッケル、鉄、バリウム−フェライト等の偏
平な粒子に限られ、また像形成の原理が、磁性粉の配向
に基づいているため、磁気記録体作製時に磁性粉の偏平
な面を磁気記録体の平面に対し、常に平行に配向させて
おく必要があるが、このように一定方向に均一に、完全
に配向させるのは困難であり、完全には配向されない磁
性粉によって、明暗のはっきりしない像となる。
【0010】さらに、マイクロカプセルを利用した別の
形態として、例えば、特開平2−146082、特開平
4−233581号公報に記載されているように、光吸
収性の磁性粒子と、光反射性の非磁性粒子をマイクロカ
プセルに封入した記録体が知られている。
【0011】この形態の画像形成は、まず永久磁石によ
って、マイクロカプセル内の光吸収性の磁性粒子を記録
体の裏面側に吸引し、それに伴い、光反射性の非磁性粒
子が記録体の表面に残留することによって、表面が非磁
性粒子の色となり、消去状態となる。次に記録体表面か
ら永久磁石によって磁気を印加・記録することにより、
表面に光吸収性の磁性粒子が磁気によって吸引され、所
望の文字、画像が形成される。
【0012】しかし、このようにして得た磁気記録体
は、磁気の力が広範囲に及ぶため、解像度が他の熱や光
による記録と比べ、非常に劣るものである。さらに、上
記磁気記録体は、磁気の力で容易に印字、消去が行える
ため、磁石に触れただけで、未印字部にかぶりを生じた
り、画像が消去されてしまったりとするように画像の安
定性が悪いという欠点を有する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁性体を表示手
段として利用した磁気記録体が、高い解像度の画像を表
示することができず、また外部からの磁気の影響により
表示した画像の部分的又は判読が不可能な状態に画像が
消去或いは未印字部にかぶりを生じ、安定した記録を行
うことができなった。また内包される磁性粉の移動性、
すなわち記録の反応性の良さと記録画像の安定性の両方
を備える記録媒体が存在していなかった。そこで本発明
は、磁気を印加した部分が、無印加の部分とは異なる明
暗がはっきりし、かつ解像度の高く、鮮明で、さらに画
像の安定性に優れた、リサイクル表示可能な磁気記録体
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1の発明に係
る磁気記録体は、非磁性材料からなる支持体上に、少な
くとも磁性粉及び顔料と、これらを分散してなる常温に
おける粘度が200cps以上、かつ加熱時における粘
度が100cps以下である有機溶媒とを内包するマイ
クロカプセルをバインダー中に分散配置してなる記録層
を形成するものである。
【0015】請求項2の発明に係る磁気記録体は、マイ
クロカプセルの平均粒径が10μmから1000μmの
間にある。
【0016】請求項3の発明に係る磁気記録体は、磁性
粉の平均粒径が0.1μmから10μmの間にある。
【0017】請求項4の発明に係る磁気記録体は、顔料
の平均粒径が0.1μmから10μmの間にある。
【0018】請求項5の発明に係る磁気記録体は、顔料
の屈折率が1.5以上である。
【0019】請求項6の発明に係る磁気記録体の記録方
法は、非磁性材料からなる支持体上に、少なくとも磁性
粉と顔料と、これらを分散してなる常温における粘度が
200cps以上、かつ加熱時における粘度が100c
ps以下である有機溶媒とを内包するマイクロカプセル
をバインダー中に分散配置し形成した記録層を加熱手段
及び磁気発生手段を有する磁気装置により部分的に加熱
磁気記録するものである。
【0020】請求項7の発明に係る磁気記録体の記録消
去方法は、非磁性材料からなる支持体上に、少なくとも
磁性粉と顔料と、これらを分散してなる常温における粘
度が200cps以上、かつ加熱時における粘度が10
0cps以下である有機溶媒とを内包するマイクロカプ
セルをバインダー中に分散配置し形成された記録層に対
し、加熱するとともに一方の面に磁気を印加し、マイク
ロカプセルに内包される磁性粉を一方の面に偏在せしめ
ることで磁気記録体の記録を消去するものである。
【0021】
【作用】本発明の磁気記録体は、磁性粉と顔料を分散し
た、常温における粘度が200cps以上、かつ加熱時
における粘度が100cps以下である有機溶媒を内包
するマイクロカプセルを含む記録層を有しており、通常
は、磁気記録体の一方の面である裏面側に、即ちマイク
ロカプセルの下方に磁性粉が引き寄せられており、他方
の面である磁気記録体の表面は顔料の色による均一な色
調となる。
【0022】本発明の磁気記録体への記録は、磁気記録
体の表面側から、加熱手段を有する磁気ヘッド等で走査
し、熱によって粘度が低下し流動状態となった分散媒の
部分の磁性粉が、磁気によりマイクロカプセルの上方、
即ち、磁気記録体の表面に移動し、磁性粉による黒色の
像が形成され、また消去は全面を加熱し、磁気記録体の
裏面から全面に磁気をかけるか、あるいは加熱手段を有
する磁気ヘッド等で裏面を走査することにより、磁性粉
はマイクロカプセルの下方に引き寄せられ、磁気記録体
の表面は再び顔料の色となり、像は消去される。
【0023】
【実施例】本発明を図面を用い、以下詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す断面図である。
【0024】図1は、本発明の磁気記録体の構成を示
し、支持体11、磁性粉等を含んだマイクロカプセル1
4をバインダー15に分散した塗布材が塗布される記録
層12、さらに保護層13が順次積層される。 また、
図2は本発明で記録層12に用いられるマイクロカプセ
ル14の一実施例を示す断面図である。図2において、
マイクロカプセルは、磁性粉22と顔料23が常温にお
ける粘度が200cps以上、かつ加熱時における粘度
が100cps以下である有機溶媒24中に分散された
サスペンジョンを主成分とする芯物質21を、ポリマー
よりなる殻物質25でカプセル化した構成である。
【0025】磁性粉22としては、磁性粉単独、あるい
は数種の磁性粉の混合物、さらには、磁性粉とポリマー
からなる混合物が使用可能である。例えば、マグネタイ
ト、フェライトをはじめとする鉄、コバルト、ニッケル
等の強磁性を示す金属、もしくはこれらの元素を含む合
金、または化合物の微粒子が用いられる。この場合、磁
性粉はワックス等との親和性を高めるために、シランカ
ップリング処理等の表面処理を施すとよい。また、磁性
粉とポリマーからなる混合物を用いる場合には、上述の
磁性粉とポリマーを混練後、粉砕する、あるいは、磁性
粉を分散したモノマーを、乳化重合、懸濁重合、分散重
合等の方法を用い重合する等の方法が用いられる。この
場合、ポリマーは架橋性のものとすることが好ましい。
磁性粉の大きさは、磁気による移動のしやすさ、画像濃
度等を考えると、0.1μmから10μmの間が好まし
い。
【0026】顔料23としては、顔料単独、あるいは数
種の顔料の混合物、さらには、顔料とポリマーからなる
混合物を用いることができる。例えば、一般に知られて
いる二酸化チタン、硫化亜鉛、チタン酸鉛、酸化ジルコ
ニウム、鉛白、カドミウム赤、カドミウム黄等の無機顔
料、フタロシアニン系顔料等の有機顔料の微粒子が用い
られる。この場合、顔料はワックス等との親和性を高め
るために、シランカップリング処理等の表面処理を施す
とよい。また、顔料とポリマーからなる混合物を用いる
場合には、上述の顔料とポリマーを混練後、粉砕する、
あるいは、顔料を分散したモノマーを、乳化重合、懸濁
重合、分散重合等の方法を用い重合する等の方法が用い
られる。この場合、ポリマーは架橋性のものとすること
が好ましい。顔料の大きさは、磁性粉を隠蔽することを
考えると、0.01μmから10μmの間が好ましい。
また、顔料の屈折率は、磁性粉の色をより強く隠蔽する
ために、1.5以上が好ましい。
【0027】有機溶媒24としては、常温(約10〜4
0℃の範囲)で固体のもの(ほぼ固相状態を示す)で、
かつ常温以上の温度(約50〜80℃)に加熱されると
粘度が100cps以下になるものであればよく、例え
ば流動パラフィン、天然樹脂、合成樹脂など一般に知ら
れているものを適宜使用することができる。
【0028】上述した磁性粉22、顔料23、有機溶媒
24などを主成分とする芯物質21をポリマー等の殻物
質25で覆い、マイクロカプセル化する。この殻物質2
5として用いられる樹脂には、一般に用いられている樹
脂、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリ
スチレン、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
ウレア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、天然樹脂
等が挙げられ、これらを単独、あるいは2種以上混合し
て使用することも可能である。
【0029】上述の殻物質を有するマイクロカプセルの
製造法としては、ポリマー溶液に分散させた芯物質のま
わりにポリマーの濃厚相を分離させる相分離法、ポリマ
ー溶液中の芯物質のまわりにポリマーの硬化試験薬等に
よりポリマーを硬化させる液中硬化被覆法、芯物質を分
散させたエマルジョンの内、あるいは外相のいずれか一
方からモノマーや重合触媒を供給し芯物質の表面をポリ
マーで覆うインシチュー重合法、芯物質を分散させたエ
マルジョンの内相と外相の両方からモノマーを供給する
界面重合法等のマイクロカプセル化技法が好適である
が、これらの方法に限定されるものではない。
【0030】とくに芯物質である磁性粉と顔料を溶剤に
均一に分散させたサスペンジョンの外相からモノマーを
供給するインシチュー重合法、あるいは相分離法を用い
て製造することにより、粒径の揃った、かつ磁性粉や顔
料の移動が容易なマイクロカプセルを製造することがで
きる。ここで用いる重合性モノマーは、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、スチレンおよびその誘導
体、イソシアネート、各種アミン、エポキシ基を有する
化合物等が好適である。
【0031】本発明の磁気記録体は、支持体11上に上
述の構成を有するマイクロカプセル14をバインダー1
5とともに塗布し記録層12を形成、さらに保護層13
を積層することにより作製される。
【0032】支持体11はポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
スチレン,ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂
類、天然樹脂、紙、合成紙、金属、セラッミクスなどを
単独または組み合わせた複合体として用いることができ
る。またその形状もカード状あるいはシート状、フィル
ム状など用途に応じて選択でき、さらに用途に応じて要
求される物性、例えば強度、剛性、隠蔽性、光不透過性
等を考慮し、上記材料から適宜選択することができる。
【0033】また、マイクロカプセル14を分散するバ
インダー15としては、水系バインダー、溶剤系バイン
ダー、エマルション系バインダー等が適宜用いられる。
さらに、保護層13としては、エポキシ樹脂、テトラフ
ルオロエチレン等の合成樹脂、天然樹脂等が使用可能で
ある。
【0034】これらの形成方法は、例えばオフセット印
刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周
知の印刷方式や、ロール塗布法、ナイフエッジ法などの
塗布方式、上述のマイクロカプセル14を混入した転写
層に有する転写シートによる転写方式、また上述のマイ
クロカプセル14を混入したインキを基材に吹き付ける
インキジェット方式などの形成方法により作成すること
ができ、作成する情報記録媒体の用途、数量に応じて上
述の方式から適宜選択することができる。
【0035】次に、本発明の磁気記録体における像形成
方法を説明する。図3は、磁性粉22、および顔料23
が有機溶媒24に分散されたサスペンジョンを内包した
マイクロカプセル14を支持体11上に塗布した本発明
の磁気記録体の一部を拡大した断面を表す説明図であ
る。作製された当初は、マイクロカプセル14内で、磁
性粉22と顔料23は均一に分散された状態で有機溶媒
24中に固定化されている。
【0036】図4は、通常の画像の消去時、即ち未記録
時の状態を示す説明図である。磁気記録体全面が一様に
加熱され、マイクロカプセル内の有機溶媒24が粘度が
低下し流動性があがり、磁気記録体裏面から一様に印加
された磁気により、記録層12のマイクロカプセル中の
磁性粉22はマイクロカプセルの下方に引き寄せられ、
磁気記録体表面は、顔料23の色による均一な色調であ
る。
【0037】図5は、磁気記録体の上方から、加熱機能
付きの磁気ヘッド等の磁気の印加により記録された状態
を示す説明図である。記録ヘッド27により加熱された
部分のマイクロカプセル内の有機溶媒24、例えば流動
パラフィンは流動性が上がり、磁気により、マイクロカ
プセル中の磁性粉22はマイクロカプセルの上方に引き
寄せられる。一方、記録ヘッド27により加熱されない
部分は、マイクロカプセル内で磁性粉22の移動はな
く、顔料23がマイクロカプセルの上方に存在する。従
って、記録情報に応じて記録箇所を加熱・磁気印加する
ことで、記録されていない部分の顔料の色の中に、記録
された部分の磁性粉の黒色の像が得られる。記録ヘッド
27は、通常の磁気ヘッドにヒーターなどの加熱手段が
付加されたものであり、加熱手段は有機溶媒24を粘度
を低下させるだけの加熱能力を有していればよい。
【0038】この像形成は、磁気と有機溶媒の粘度を低
下させる程度の低エネルギーの熱による単純なものであ
るため、記録が容易である。また、マイクロカプセルの
粒径を制御することにより、解像度の高い像形成が可能
である。また顔料の屈折率が高いため、磁性粉が磁気記
録体の裏面に引き寄せられている時、磁性粉の色を隠蔽
することが可能である。さらに加熱機能付きの記録ヘッ
ド27で形成された像は、有機溶媒が常温に戻ると同時
に粘度が上がり、流動性が低下し固定状態となるため、
記録安定性がよく、しかも、流動状態以外では磁気のみ
では像形成が行えないため、磁石に触れてかぶりを生ず
ることがない。本発明による磁気記録体は内包される磁
性粉の記録時の移動性、すなわち記録の反応性の良さと
記録画像の安定性の両方を備えるものである。また加熱
によって、流動状態となった有機溶媒の部分のみ、磁性
粉が移動可能となるため、解像度の高い像が得られる。
【0039】さらに、マイクロカプセルはバインダーに
混ぜることで塗液化することができるため、様々な支持
体に塗布することができ、また、様々な形状に加工する
ことが可能であり、製造工程も簡単であることから、用
途範囲を広げることができる。特に紙上に塗布した場合
は家庭用ファックス等の情報記録紙として使用でき、熱
と磁気の印加により、印字・消去が容易にかつ可逆的に
行えるため、リサイクルペーパーとして用いることが可
能である。
【0040】以下に、本発明を具体的な実施例を挙げ、
詳細に説明する。 <実施例1>シランカップリング処理を施した、平均粒
径1μmの磁性粒子10重量部、シランカップリング処
理を施した、平均粒径0.5μmの二酸化チタン30重
量部を、流動パラフィン80重量部に均一に分散した。
この分散液を10%ゼラチン水溶液300重量部中に、
ホモジナイザーを用いて、回転数2000rpmで平均
粒径が100μmとなるように約10分間分散させた。
得られた分散液に40℃の水1000重量部を添加し、
40℃に保ち、10%酢酸水溶液を滴下し、pHを4に
調節した。その後、液温を5℃に冷却し30%ホルマリ
ン水溶液10重量部を加え、10%水酸化ナトリウム水
溶液を滴下し、pHを9に調節した。その後さらに、液
温を50℃に昇温し、ゼラチン−アラビアゴム系のマイ
クロカプセルを得た。
【0041】普通紙上に、上記マイクロカプセルを用い
た記録層を設け、さらにアクリル樹脂による保護層を設
けた後、磁気記録体の全面を加熱し、下方より磁気を作
用させることにより、白色の磁気記録紙を得た。加熱機
能付きの磁気ヘッドで記録することにより、白地に黒色
の明暗のはっきりした鮮明な像が得られた。
【0042】<実施例2>オレイン酸処理を施した、平
均粒径1μmの磁性粒子15重量部、シランカップリン
グ処理を施した、平均粒径0.5μmのカドミウム赤3
5重量部を、流動パラフィン80重量部に均一に分散し
た。この分散液を5%ポリビニルアルコール水溶液20
0重量部中に、ホモジナイザーを用いて、回転数200
0rpmで平均粒径が100μmとなるように約10分
間分散させた。得られた分散液にメラミン−ホルマリン
プレポリマー水溶液100重量部加え、20%酢酸水溶
液を滴下し、pHを6に調節した。その後、液温を65
℃に昇温し、30分間重合反応を行い、メラミン−ホル
マリン樹脂のマイクロカプセルを得た。
【0043】普通紙上に、上記マイクロカプセルを用い
た記録層を設け、さらにアクリル樹脂による保護層を設
けた後、磁気記録体の全面を加熱し、下方より磁気を作
用させることにより、赤色の磁気記録紙を得た。加熱機
能付きの磁気ヘッドで記録することにより、赤地に黒色
の明暗のはっきりした鮮明な像が得られた。
【0044】<実施例3>オレイン酸処理を施した、平
均粒径1μmの磁性粒子15重量部、シランカップリン
グ処理を施した、平均粒径0.5μmの酸化チタン30
重量部を、流動パラフィン80重量部に均一に分散し
た。この分散液を5%ポリビニルアルコール水溶液20
0重量部中に、ホモジナイザーを用いて、回転数200
0rpmで、平均粒径が100μmとなるように約5分
間分散させた。10%炭酸ナトリウム水溶液を滴下し、
pHを8〜9に調整した。液温を25℃に冷却し、20
%尿素−ホルマリンプレポリマー水溶液200重量部を
添加し、酢酸を滴下しpHを4に調整した。その後、3
0℃で3時間、50℃で2時間反応を行い、尿素−ホル
マリン樹脂マイクロカプセルを得た。
【0045】普通紙上に、上記マイクロカプセルを用い
た記録層を設け、さらにアクリル樹脂による保護層を設
けた後、磁気記録体の全面を加熱し、下方より磁気を作
用させることにより、白色の磁気記録紙を得た。加熱機
能付きの磁気ヘッドで記録することにより、白地に黒色
の明暗のはっきりした鮮明な像が得られた。
【0046】
【発明の効果】本発明の磁気記録体及び磁気記録体方法
は、磁性粉と顔料が分散された常温における粘度が20
0cps以上、かつ加熱時における粘度が100cps
以下である有機溶媒を内包するマイクロカプセルを含む
記録層を有し、非記録状態は磁気記録体の一方の面であ
る裏面側に磁性粉が引き寄せられており、他方の面であ
る磁気記録体の表面は顔料の色による均一な色調を示
し、記録状態は、磁気記録体の表面側から、加熱手段を
有する記録ヘッドで走査し、加熱と磁気の印加により磁
性粉が磁気記録体の表面側に移動し、磁性粉による黒色
の像が形成される。また消去は全面の加熱と磁気記録体
の裏面から全面に磁気の印加、あるいは加熱と磁気の印
加を磁気記録体の裏面を走査することにより、磁性粉は
マイクロカプセルの下方に引き寄せられ、磁気記録体の
表面は再び顔料の色となり、像は消去できる。
【0047】すなわち本発明の磁気記録体は、磁気を印
加した部分が、無印加の部分とは異なる明暗がはっきり
し、かつ解像度の高く、鮮明で、さらに画像の安定性に
優れた、リサイクル表示可能な磁気記録体である。
【0048】本発明は、低温度の加熱と磁気の印加によ
り簡易に像形成を行うことができるため、低エネルギー
消費であり、記録層にマイクロカプセルを用いることに
より、マイクロカプセルの粒径を制御することで解像度
を高めることができる。しかもマイクロカプセル内で磁
性粉、顔料などが常温における粘度が200cps以
上、かつ加熱時における粘度が100cps以下である
有機溶媒に分散されているため、記録時以外はその粘度
は高く、流動性が低いため、情報記録後に外部から磁石
などの磁気が印加されても、マイクロカプセル内の磁性
粉に移動を生じることがなく、安定した記録が得られ
る。またマイクロカプセル化することで磁気の影響を受
ける範囲が広がらないため、加熱・磁気印加された部分
のみに磁性粉の移動をほぼ限定できるため、解像度が高
く、常温で低流動性を示す有機溶媒を用いることで画像
の安定性も優れる。
【0049】また支持体に紙を用いる場合は、低温度の
加熱と磁気の印加により、印字・消去を容易かつ安全
に、しかも可逆的に行えるため、リサイクルペーパーと
して家庭用ファックス等の情報記録紙として使用でき
る。さらにマイクロカプセルを含む塗液を塗布する工程
とすることができるため、磁気記録体の製造工程を簡略
化することができる。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録体の一実施例の断面図であ
る。
【図2】本発明で記録層に用いられるマイクロカプセル
化磁性粒子の一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の磁気記録体の製造時の状態を示す説明
図である。
【図4】本発明の磁気記録体の消去動作により未記録の
状態を示す説明図である。
【図5】本発明の磁気記録体の記録時の状態を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 磁気記録体 11 支持体 12 記録層 13 保護層 14 マイクロカプセル 15 バインダー 21 芯物質 22 磁性粉 23 顔料 24 常温における粘度が200cps以上、かつ
加熱時における粘度が100cps以下である有機溶媒 25 殻物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G09F 9/37 310 7610−5G

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性材料からなる支持体上に、少なく
    とも磁性粉及び顔料と、これらを分散してなる常温にお
    ける粘度が200cps以上、かつ加熱時における粘度
    が100cps以下である有機溶媒とを内包するマイク
    ロカプセルをバインダー中に分散配置してなる記録層を
    形成したことを特徴とする磁気記録体。
  2. 【請求項2】 マイクロカプセルの平均粒径が10μm
    から1000μmの間にあることを特徴とする請求項1
    記載の磁気記録体。
  3. 【請求項3】 磁性粉の平均粒径が0.1μmから10
    μmの間にあることを特徴とする請求項1記載の磁気記
    録体。
  4. 【請求項4】 顔料の平均粒径が0.1μmから10μ
    mの間にあることを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    体。
  5. 【請求項5】 顔料の屈折率が1.5以上であることを
    特徴とする請求項1記載の磁気記録体。
  6. 【請求項6】 非磁性材料からなる支持体上に、少なく
    とも磁性粉と顔料と、これらを分散してなる常温におけ
    る粘度が200cps以上、かつ加熱時における粘度が
    100cps以下である有機溶媒とを内包するマイクロ
    カプセルをバインダー中に分散配置し形成した記録層を
    加熱手段及び磁気発生手段を有する磁気装置により部分
    的に加熱磁気記録してなることを特徴とする磁気記録体
    の記録方法。
  7. 【請求項7】 非磁性材料からなる支持体上に、少なく
    とも磁性粉と顔料と、これらを分散してなる常温におけ
    る粘度が200cps以上、かつ加熱時における粘度が
    100cps以下である有機溶媒とを内包するマイクロ
    カプセルをバインダー中に分散配置し形成された記録層
    に対し、加熱するとともに一方の面に磁気を印加し、マ
    イクロカプセルに内包される磁性粉を一方の面に偏在せ
    しめることを特徴とする磁気記録体の記録消去方法。
JP5153446A 1993-06-24 1993-06-24 磁気記録体及び磁気記録体の記録方法並びに磁気記録体の記録消去方法 Pending JPH0729146A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6639579B1 (en) 1998-10-16 2003-10-28 Takara Corporation Limited Magnetophoresis type display device and process of production of same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6639579B1 (en) 1998-10-16 2003-10-28 Takara Corporation Limited Magnetophoresis type display device and process of production of same
US6756964B2 (en) 1998-10-16 2004-06-29 Takara Corporation Limited Magnetophoresis type display device and process of production of same

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