JPH0971042A - 磁気記録体及びその記録方法 - Google Patents

磁気記録体及びその記録方法

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JPH0971042A
JPH0971042A JP7229936A JP22993695A JPH0971042A JP H0971042 A JPH0971042 A JP H0971042A JP 7229936 A JP7229936 A JP 7229936A JP 22993695 A JP22993695 A JP 22993695A JP H0971042 A JPH0971042 A JP H0971042A
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magnetic recording
magnetic
microcapsules
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JP7229936A
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Yoshiko Matsumoto
美子 松本
Harumi Matsumoto
陽美 松本
Tsutomu Naganuma
勉 長沼
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気印加した部分と、無印加の部分とが異なる
明暗を示し、かつ解像度が高く、鮮明で、さらに画像の
安定性に優れた、可逆表示及びカラー表示可能な磁気記
録体を提供する。 【解決手段】非磁性材料からなる支持体上に、少なくと
もフレーク状磁性粒子、着色剤、これらを分散してなる
常温において固相状態を示し、かつ着色剤の色毎に異な
った融点を有する分散媒とを内包してなり、異なる色相
を表す2種以上のマイクロカプセルをバインダー中に分
散配置し磁気記録層を形成してなる磁気記録体であり、
この磁気記録層を加熱により融点の高い順に分散媒を溶
融し水平又は垂直方向への磁気印加によりフレーク状磁
性粒子を配向せしめ、マイクロカプセルの各色に対応し
た画像を記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱とともに磁気
の印加により画像等のパターンを表示する磁気記録体及
びその記録方法に係り、とくにカラー表示可能であり、
かつ解像度及び画像の安定性に優れた可逆表示可能な磁
気記録体及びその記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気を利用した磁気記録体とし
て、例えば、特開昭48−56393号公報に記載され
ているように、着色分散媒中に磁性粒子が分散されたサ
スペンジョンに磁界を作用させることにより、磁性粒子
を移動させ、着色分散媒の色を変化させて表示を行う方
法が知られている。
【0003】しかし、このような磁気記録体は、サスペ
ンジョンを2枚の基板間に封じこんで一方の基板から磁
気ペンで文字、模様を描いて磁気を作用させると、サス
ペンジョンの磁性粒子が吸引されて、その通りの文字や
模様が得られるが、磁性粒子の比重は分散媒のそれより
も極めて大きいので吸引された磁性粒子は、時間ととも
に沈降するため文字や模様を長時間保持できない欠点を
有する。
【0004】また、磁気ペンにより磁気を受けた磁性粒
子はすべて磁気ペンに吸引されるので、磁気ペンから離
れて存在していた磁性粒子まで吸引されるため、不鮮明
な文字や模様しか得られない欠点も有していた。磁性粒
子の沈降を防止するため、例えば磁性粒子を細かくする
か、磁性粒子に低比重のポリマー等を被覆して、磁性粒
子の見かけの比重を分散媒のそれと近似させると、磁性
粒子に働く磁気力が極端に小さくなるため、磁気ペンに
よって吸引されにくくなり、濃度の濃い、鮮明な文字や
模様が得られなくなるという欠陥を生じる。
【0005】さらに、磁性粒子の見かけの比重を分散媒
のそれと近似させると、文字や模様を消去する際も、磁
性粒子が基板の反対側に吸引されにくくなり、完全に消
去できず、これを繰り返していると全体的に黒ずんでし
まい、実用的ではなかった。
【0006】これらの欠点を解決する形態として、例え
ば、特公昭57−27463号公報、特開昭62−53
359号公報に記載されているように、分散媒として、
一定値以上の降伏値を有する液体、あるいは、増稠剤を
用いることによって、ぼけのない鮮明でコントラストの
高い文字、画像が表示でき、その表示は長時間安定に保
持でき、かつ、消去を完全にきれいに行える磁気記録体
が知られている。
【0007】しかし、この磁気記録体は、透明プラスチ
ックシートの全面に、一辺および深さが各2mm程度の
ハニカム状のセルを設けるように成形して、そのセルの
中に、磁性粒子と白色顔料を分散媒に分散したサスペン
ジョンを注入し、これを透明シートで密封した形態であ
り、以下の欠点を有していた。即ち、ハニカム状のセル
の中で磁性粒子を裏面より表面に移動させて像を形成す
るため、像の解像度をハニカム状のセルより小さくする
ことは不可能である。また、ハニカム状のセルを成形す
ること、ハニカム状のセルを大型化、あるいは非常に小
型化すること、ハニカム状のセルにサスペンジョンを注
入する工程等が困難である。
【0008】別の形態として、例えば、特開平特開平2
−146082号公報、特開平4−233581号公報
に記載されているように、前記のようなハニカム状のセ
ルに磁性粒子と顔料を密封した磁気記録体とは異なり、
磁性粒子をマイクロカプセルに封入し、これを支持体上
に塗布した磁気記録体が知られている。この方法によれ
ば、マイクロカプセルの粒径を制御することにより、解
像度を高くすることができ、製造工程も容易である。ま
た、マイクロカプセルを塗布する基板に種々のフィルム
等の選択が可能となり、形状、大きさも自由に選択が可
能となる。
【0009】しかし、ここで示される画像形成は以下の
方法で行なわれる。まず永久磁石によって、マイクロカ
プセル内の光吸収性の磁性粒子を磁気記録体の裏面側に
吸引し、それに伴い、光反射性の非磁性粒子が磁気記録
体の表面に残留することによって、表面が非磁性粒子の
色となり、消去状態となる。次に磁気記録体表面から永
久磁石によって磁気を印加・記録することにより、表面
に光吸収性の磁性粒子が磁気によって吸引され、所望の
文字、画像が形成される。従って、このような画像形成
では、磁気粒子の吸引に時間がかかり、感度の劣る磁気
記録体となる。
【0010】さらに、マイクロカプセルを利用した別の
形態として、例えば、1−145637号公報、特開昭
63−153197号公報、特公平4−7518号公
報、特開平6−79986号公報、特開平6−9206
8号公報、あるいは、EyneS.Trumble
P.S.&E.7 213(1963)に記載されてい
るように、光吸収性の磁性粒子と、光反射性の非磁性粒
子をマイクロカプセルに封入した磁気記録体が知られて
いる。
【0011】この形態の画像形成の方法は、まず磁気記
録体作製時に、塗布したカプセル中の磁性粒子をあらか
じめ磁気記録体平面に平行に配向させることにより入射
光を全部反射させ明るく見せておく。次に、磁気的な記
録をすることにより、磁性粒子が回転し入射光を散乱、
吸収するようになり、コントラストが生じ黒色の像が形
成される。
【0012】しかし、このようにして得た磁気記録体
は、磁気の力が広範囲に及ぶため、解像度が他の熱や光
による記録と比べ、非常に劣るものである。さらに、上
記磁気記録体は、磁気の力で容易に印字、消去が行える
ため、磁石に触れただけで、未印字部にかぶりを生じた
り、画像が消去されてしまったりとするように画像の安
定性が悪いという欠点を有する。
【0013】さらに、カラー表示を行える磁気記録体と
して、例えば特開平1−63991号公報に記載される
磁性粒子のN極とS極を異なる色に着色し、磁力の印加
により磁性粒子を回転させカラー表示を行う磁気記録
体、また特開平4−175196号公報に記載される磁
気特性の異なる磁性粒子をそれぞれ異なる色に着色し、
磁界強度を制御してカラー表示を行う磁気記録体が知ら
れている。
【0014】ところが、上記のカラー表示を行う磁気記
録体は、前者では微小な磁性粒子に着色用染料溶液をス
プレーして着色するなどの作製工程、例えば磁性粒子の
N極とS極を異なる色に着色する場合の微細な磁性粒子
へ着色が困難であることで、各極の色分けが不完全であ
ること、また後者では表示時の磁界強度の制御が難し
く、磁界の制御の曖昧さがあるという問題を有してお
り、両者とも鮮明なカラー表示を行うことができないと
する欠点を有する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上から従来の磁性体
を表示手段として利用した磁気記録体は、高い解像度の
画像を表示することができず、また外部からの磁気の影
響により表示した画像の部分的又は判読が不可能な状態
に画像が消去或いは未印字部にかぶりを生じるため、安
定した記録を行うことができず、さらに鮮明なカラー表
示を行うことができなかった。また内包される磁性粒子
の移動性、すなわち記録の反応性の良さと記録画像の安
定性の両方を備える磁気記録体は存在していなかった。
そこで、本発明は磁気印加した部分と、無印加の部分と
が異なる明暗を示し、かつ解像度が高く、鮮明で、さら
に画像の安定性に優れた、可逆表示及びカラー表示可能
な磁気記録体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、非磁性材料からなる支持体上に、少なくともフレ
ーク状磁性粒子、着色剤、これらを分散してなる常温に
おいて固相状態を示す分散媒とを内包してなり、かつ前
記着色剤の色毎に異なった融点を有する分散媒を用いた
異なる色相を表す2種以上のマイクロカプセルをバイン
ダー中に分散配置し磁気記録層を形成してなることを特
徴とする磁気記録体である。
【0017】請求項2の発明は、請求項1に記載の磁気
記録体において、分散媒は、融点が35℃以上100℃
以下の範囲にある有機化合物であることを特徴とするも
のである。
【0018】請求項3の発明は、請求項1に記載の磁気
記録体において、着色剤が染料、あるいは顔料からなる
ことを特徴とするものである。
【0019】請求項4の発明は、請求項1に記載の磁気
記録体において、マイクロカプセルの平均粒径が10μ
mから1000μmの間にあることを特徴とするもので
ある。
【0020】請求項5の発明は、請求項1に記載の磁気
記録体において、フレーク状磁性粒子の平均長径が5μ
mから30μmの間にあり、平均厚みが0.1μmから
5μmの間にあることを特徴とするものである。
【0021】請求項6の発明は、請求項1に記載の磁気
記録体において、磁気記録層上に保護層を形成してなる
ことを特徴とするものである。
【0022】請求項7の発明は、非磁性材料からなる支
持体上に、少なくともフレーク状磁性粒子、着色剤、こ
れらを分散してなる常温において固相状態を示す分散媒
とを内包してなり、かつ着色剤の色毎に異なった融点を
有する分散媒を用い、異なる色相を表す2種以上のマイ
クロカプセルをバインダー中に分散配置してなる磁気記
録層を形成してなる磁気記録体に対して、磁気記録層を
融点の高い順に分散媒を記録画像に応じて部分的に加熱
溶融し水平又は垂直方向に磁気印加し前記フレーク状磁
性粒子を配向せしめる記録工程と、次に高い融点以上の
全面加熱と垂直又は水平方向への磁気印加による定着工
程とにより、マイクロカプセルの色に対応して画像を記
録することを特徴とする磁気記録体の記録方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて詳細
に説明する。図1は本発明の磁気記録体の一実施例を示
す断面図であり、図2は本発明で磁気記録層に用いられ
るマイクロカプセルの一実施例を示す断面図であり、図
3は本発明の磁気記録体の未記録状態を示す断面図であ
り、図4は本発明の磁気記録体の第1段階の記録状態を
示す断面図であり、図5は本発明の磁気記録体の第1段
階の記録の定着状態を示す断面図であり、図6は本発明
の磁気記録体の第2段階の記録状態を示す断面図であ
り、図7は本発明の磁気記録体の第2段階の記録の定着
状態を示す断面図であり、図8は本発明の磁気記録体の
第3段階の記録状態を示す断面図である。
【0024】図1は、本発明の磁気記録体1の構成を示
し、支持体11、フレーク状磁性粒子等を含むマイクロ
カプセル14をバインダー15に分散してなる塗布材が
塗布される磁気記録層12、保護層13が順次積層され
ている。ここで磁気記録層12は着色剤の色毎に融点の
異なる分散媒を内包してなるマイクロカプセルを2種以
上、例えば融点の高い順に14−A、14−B、14−
Cのような3種類のマイクロカプセルからなり、これら
を多数、ランダムに磁気記録層12中に分散配置してな
るものである。なお、ここでは説明のため、3種類のマ
イクロカプセルを順に配列したものを記載しているが、
実際は微粒子であるマイクロカプセルがランダムに配列
された状態である。
【0025】また、図2は本発明で磁気記録層12に用
いられるマイクロカプセル14の一実施例を示す断面図
である。マイクロカプセル14は、フレーク状磁性粒子
22と、顔料又は染料からなる着色剤23が常温におい
て固相状態を示す分散媒(例えばワックスなど有機化合
物)24中に分散されたサスペンジョンを主成分とする
芯物質21を、ポリマー等よりなる殻物質25でカプセ
ル化した構成である。
【0026】フレーク状磁性粒子22は、例えば鉄、ニ
ッケル、鉄・ニッケル、鉄・ニッケル・クロム等のステ
ンレススチール、コバルト、コバルト・アルミニウムや
サマリウム・コバルト合金等の微粒子等をアトマイザー
やハンマーミル等でフレーク状としたものを用いること
ができる。とくに磁性粒子を有機溶媒等との親和性を高
めるために、高級エステル処理、シランカップリング処
理、チタネート系カップリング処理等を施しておくとよ
い。本発明におけるフレーク状磁性粒子22の大きさ
は、磁気印加によるマイクロカプセル内での回転のしや
すさ、磁気記録層12の画像コントラスト等を考慮する
と粒径が5μmから30μm、厚さが0.1μmから3
μmの間であることが好ましい。
【0027】着色剤23は、顔料又は染料からなり、顔
料単独、数種の顔料の混合物、顔料とポリマーからなる
混合物、染料単独、数種の染料の混合物等として用いら
れる。例えば、顔料の場合には二酸化チタン、硫化亜
鉛、チタン酸鉛、酸化ジルコニウム、鉛白、カドミウム
赤、カドミウム黄等の無機顔料やフタロシアニン系顔料
などの有機系顔料などの微粒子(例えば、大きさは1n
m〜1μmである)、また染料の場合にはアゾ染料、キ
ノリン染料、フタロシアニン系染料等の各種公知のもの
を用いることができる。なお、着色剤23に顔料又は染
料をポリマーとの混合物を用いる場合は、上述の顔料又
は染料とポリマーと混練後に粉砕する。また他に顔料又
は染料をモノマーを乳化重合、懸濁重合、分散重合など
の方法を用いて重合する方法などにより着色剤23を作
製してもよい。この場合のポリマーは架橋性のものとす
ることが好ましい。
【0028】分散媒24としては、常温(約10〜35
℃の範囲)で固体のもの(固相状態を示す)で、かつ常
温以上の温度(約40〜100℃の範囲)に加熱される
と流動状態になるものであればよく、例えば有機化合物
で、パラフィンワックス、カルナバワックスなどの天然
或いは合成ワックス、天然或いは合成樹脂、またはカル
ボン酸エステルなど上記条件を満たす一般に公知である
ものを単独、或いは混合して適宜使用することができ
る。例えば、融点69℃、55℃、43℃のパラフィン
ワックスを用いることにより本発明の磁気記録体への記
録を行なうことができる。本発明では、着色剤の色に応
じて、分散媒24の融点が異なるようにし、マイクロカ
プセルを作製するものであり、着色剤の異なるマイクロ
カプセルはそれぞれ別個に作製し、最終的に混合するこ
とにより、各色のマイクロカプセルはランダムに混合さ
れた状態となる。
【0029】上記したフレーク状磁性粒子22、着色剤
23、分散媒24などを主成分とする芯物質21をポリ
マー等の殻物質25で覆い、マイクロカプセル化する。
この殻物質25として用いられる樹脂には、一般に用い
られている樹脂、例えばアクリル系樹脂、メタクリル系
樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹
脂、天然樹脂等が挙げられ、これらを単独、あるいは2
種以上混合して使用することも可能である。
【0030】上述の殻物質を有するマイクロカプセル1
4の製造法としては、ポリマー溶液に分散させた芯物質
のまわりにポリマーの濃厚相を分離させる相分離法、ポ
リマー溶液中の芯物質のまわりにポリマーの硬化試験薬
等によりポリマーを硬化させる液中硬化被覆法、芯物質
を分散させたエマルジョンの内、あるいは外相のいずれ
か一方からモノマーや重合触媒を供給し芯物質の表面を
ポリマーで覆うインシチュー重合法、芯物質を分散させ
たエマルジョンの内相と外相の両方からモノマーを供給
する界面重合法等のマイクロカプセル化技法が好適であ
るが、これらの方法に限定されるものではない。
【0031】とくに芯物質21であるフレーク状磁性粒
子22、着色剤23を分散媒24に均一に分散させたサ
スペンジョンの外相からモノマーを供給するインシチュ
ー重合法、あるいは相分離法を用いて製造することによ
り、粒径の揃った、かつフレーク状磁性粒子22の移動
が容易なマイクロカプセル14を製造することができ
る。ここで用いる重合性モノマーは、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、スチレンおよびその誘導
体、イソシアネート、各種アミン、エポキシ基を有する
化合物等が好適である。
【0032】次に本発明の磁気記録体1は、図1に示す
ように支持体11上に上述の構成を有するマイクロカプ
セル14をバインダー15とともに塗布し磁気記録層1
2を形成、さらに保護層13を積層することにより作製
される。
【0033】支持体11はポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
スチレン,ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂
類、天然樹脂、紙、合成紙、金属、セラッミクスなどを
単独または組み合わせた複合体として用いることができ
る。またその形状もカード状あるいはシート状、フィル
ム状など用途に応じて選択でき、さらに用途に応じて要
求される物性、例えば強度、剛性、隠蔽性、光不透過性
等を考慮し、上記材料から適宜選択することができる。
【0034】また、マイクロカプセル14を分散するバ
インダー15としては、水系バインダー、溶剤系バイン
ダー、エマルション系バインダー等が適宜用いられる。
さらに、保護層13としては、エポキシ樹脂、テトラフ
ルオロエチレン等、またはポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
スチレン,ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂、
天然樹脂等が使用可能である。この保護層13は、支持
体11上に形成されたマイクロカプセル14を保持する
とともに、外部からマイクロカプセル14内のフレーク
状磁性粒子22が見えるような光透過性を有している必
要があり、強度など必要な条件を満たすものであれば用
いることができる。
【0035】なお、保護層13は、下層の磁気記録層の
表示読み取りに影響しない範囲で着色してもよく、また
光透過性を有する着色層(図示しない)を設けてもよ
い。なお保護層の着色には顔料又は染料を混合するか、
着色層(図示しない)を設ける場合は顔料又は染料をバ
インダー等に分散、或いは溶解させたものを磁気記録層
12と保護層13との間に塗布形成する。
【0036】これらの磁気記録層12、保護層13、の
形成方法は、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷
法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロ
ール塗布法、ナイフエッジ法などの塗布方式、上述のマ
イクロカプセル14を混入した転写層に有する転写シー
トによる転写方式、また上述の着色剤に応じた複数種の
マイクロカプセル14(例えば、14−A、14−B、
14−C)を混入したインキを基材に吹き付けるインキ
ジェット方式、支持体11と保護層13との間に上述の
マイクロカプセル14を混入した溶液を充填する方式な
どの形成方法により作製することができ、作製する情報
記録媒体の用途、数量に応じて上述の方式から適宜選択
することができる。
【0037】次に、本発明の磁気記録体における表示画
像の形成方法を説明する。図1は、図2に示すフレーク
状磁性粒子22、着色剤23が分散媒24である有機溶
媒に分散されたサスペンジョンを内包したマイクロカプ
セル14を支持体11上に塗布した本発明の磁気記録体
1の一部を拡大した断面図を表す説明図である。作製さ
れた当初は、マイクロカプセル14内で、フレーク状磁
性粒子22、着色剤23は均一に分散された状態で分散
媒24中に固定化されている。このマイクロカプセル1
4はフレーク状磁性粒子22の他に着色剤23の色、例
えば3色(黄、赤、青)に応じて融点の異なる分散媒
(例えばパラフィンワックス(融点69℃)、パラフィ
ンワックス(融点55℃)、パラフィンワックス(融点
43℃)を内包するマイクロカプセル14−A、14−
B、14−Cであり、これらがランダムに分散配置され
ているものである。
【0038】図3は、通常、画像が記録されていない状
態、すなわち消去時或いは未記録時の状態を示すもの
で、磁気記録層12に対し垂直にマイクロカプセル14
内のフレーク状磁性粒子22を配向させてなる状態を示
す説明図である。この場合、マイクロカプセル14−
A、14−B、14−Cが全て溶融する温度、すなわち
最も高い分散媒の融点より若干高い温度で、この磁気記
録層12を熱・磁気記録ヘッド30により加熱すると、
全てのマイクロカプセル内の分散媒24が溶融状態にな
り、フレーク状磁性粒子22が配向又は移動(回転)可
能となる。そして磁気印加することにより、その配向状
態が磁気印加方向と同じになる。したがって、図中では
磁気記録層12を一様に加熱・水平方向に印加された磁
界により、マイクロカプセル14中のフレーク状磁性粒
子22は磁気記録層12に垂直に配向される。これによ
り、磁気記録体表面は、入射光はほとんど反射されず、
散乱・吸収され、暗い色調となるか、或いは入射光は磁
気記録層を透過し支持体表面の反射による支持体の色彩
が表示される。支持体11は、ここでは暗色系の色であ
り、例えば黒色である。
【0039】図4は、本発明の磁気記録媒体1の第1段
階の記録状態を示す断面図であり、磁気記録体1の磁気
記録層12に対して、最も高い分散媒の融点より若干高
い温度で熱・磁気記録ヘッドによる第1段階の記録画像
に応じて部分的に磁気記録層12を加熱し、加熱された
マイクロカプセル14−A、14−B、14−C内の分
散媒24が溶融状態とするとともに、フレーク状磁性粒
子22が移動(回転)可能となり、磁気印加することに
より、その配向状態は磁気印加方向と同じとなる。した
がって、図中では加熱され分散媒24が溶融状態とな
り、磁気記録層12のマイクロカプセル14中の垂直方
向の配向されたフレーク状磁性粒子22は、水平方向に
印加された磁界により、磁気記録層12に水平方向に配
向される。これにより入射光は、フレーク状磁性粒子2
2によりほとんど反射され、マイクロカプセル14に内
包される着色剤23の色が現れる。
【0040】図5は、本発明の磁気記録体の第1段階の
記録の定着状態を示す断面図であり、図4に示す記録状
態では最も高い分散媒の融点より若干高い温度で熱・磁
気記録ヘッドによる加熱・磁気印加が行われ、対応する
部分の全てのマイクロカプセル14のフレーク状磁性粒
子22が配向しているため、第1段階の記録画像に対応
する色であるマイクロカプセル14(例えば14−A)
のフレーク状磁性粒子22のみを配向した状態とするた
め、定着操作を行う。これはマイクロカプセル14−
B、14−Cが溶融する温度、すなわち最も高い分散媒
の融点より低く、次に(2番目に)高い分散媒の融点よ
り若干高い温度で、この磁気記録層12を熱・磁気記録
ヘッド30により加熱すると、最も高い融点の分散媒を
内包するマイクロカプセル14−Aを除くマイクロカプ
セル14−B、14−C内の分散媒24が溶融状態にな
り、フレーク状磁性粒子22が配向又は移動(回転)可
能となる。そして図中、磁気記録層12を一様に垂直方
向に印加された磁界により、マイクロカプセル14中の
フレーク状磁性粒子22は磁気記録層12に垂直に配向
される。これにより、記録が行われたマイクロカプセル
14−A内のフレーク状磁性粒子22のみが水平に配向
され、その他のマイクロカプセル14内のフレーク状磁
性粒子22は垂直に配向されているため、支持体11の
暗い色調の中にマイクロカプセル14−Aに内包される
着色剤23の色による明るい画像が形成され、これによ
り第1の可視表示情報が記録できる。
【0041】さらに図6は本発明の磁気記録媒体1の第
2段階の記録状態を示す断面図であり、磁気記録体1の
磁気記録層12に対して、マイクロカプセル14−B、
14−Cが溶融する温度、すなわち最も高い分散媒の融
点より低く、次に(2番目に)高い分散媒の融点より若
干高い温度で熱・磁気記録ヘッドによる第2段階の記録
画像に応じて部分的に磁気記録層12を加熱し、加熱さ
れたマイクロカプセル14−B、14−C内の分散媒2
4が溶融状態とするとともに、フレーク状磁性粒子22
が移動(回転)可能となり、磁気印加することにより、
その配向状態は磁気印加方向と同じとなる。したがっ
て、図中では加熱され分散媒24が溶融状態となり、磁
気記録層12のマイクロカプセル14中の垂直方向の配
向されたフレーク状磁性粒子22は、水平方向に印加さ
れた磁界により、磁気記録層12に水平方向に配向され
る。これにより入射光は、フレーク状磁性粒子22によ
りほとんど反射され、マイクロカプセル14に内包され
る着色剤23の色が現れる。
【0042】図7は、本発明の磁気記録体の第2段階の
記録の定着状態を示す断面図であり、図6に示す記録状
態では最も高い分散媒の融点より若干高い温度で熱・磁
気記録ヘッドによる加熱・磁気印加が行われ、対応する
部分の全てのマイクロカプセル14のフレーク状磁性粒
子22が配向しているため、第1段階の記録画像に対応
する色であるマイクロカプセル14(例えば14−A)
のフレーク状磁性粒子22のみを配向した状態とするた
め、定着操作を行う。これはマイクロカプセル14−C
が溶融する温度、すなわち他の分散媒の融点より低く、
最も低い(3番目の)分散媒の融点より若干高い温度
で、この磁気記録層12を熱・磁気記録ヘッド30によ
り加熱すると、マイクロカプセル14−A、14−Bを
除くマイクロカプセル14−C内の分散媒24が溶融状
態になり、フレーク状磁性粒子22が配向又は移動(回
転)可能となる。そして図中、磁気記録層12を一様に
垂直方向に印加された磁界により、マイクロカプセル1
4中のフレーク状磁性粒子22は磁気記録層12に垂直
に配向される。これにより、記録が行われたマイクロカ
プセル14−B内のフレーク状磁性粒子22のみが水平
に配向され、その他のマイクロカプセル14内のフレー
ク状磁性粒子22は垂直に配向されているため、支持体
11の暗い色調の中にマイクロカプセル14−Bに内包
される着色剤23の色による明るい画像が形成され、こ
れにより第2の可視表示情報が記録できる。
【0043】さらに図8は、本発明の磁気記録体の第3
段階の記録状態を示す断面図であり、磁気記録体1の磁
気記録層12に対して、マイクロカプセル14−Cが溶
融する温度、すなわち他の分散媒の融点より低く、最も
低い(3番目の)分散媒の融点より若干高い温度で、熱
・磁気記録ヘッドによる第3段階の記録画像に応じて部
分的に磁気記録層12を加熱し、加熱されたマイクロカ
プセル14−C内の分散媒24が溶融状態とするととも
に、フレーク状磁性粒子22が移動(回転)可能とな
り、磁気印加することにより、その配向状態は磁気印加
方向と同じとなる。したがって、図中では加熱され分散
媒24が溶融状態となり、磁気記録層12のマイクロカ
プセル14中の垂直方向の配向されたフレーク状磁性粒
子22は、水平方向に印加された磁界により、磁気記録
層12に水平方向に配向される。これにより入射光は、
フレーク状磁性粒子22によりほとんど反射され、マイ
クロカプセル14−Cに内包される着色剤23の色が現
れ、支持体11の暗い色調の中にマイクロカプセル14
−Cに内包される着色剤23の色による明るい画像が形
成され、これにより第3の可視表示情報が記録できる。
なお、第3段階ではマイクロカプセル14−C以外にフ
レーク状磁性粒子22が配向されるマイクロカプセルが
無いため、定着操作は不要である。
【0044】このように融点の異なる分散媒と異なる着
色剤を用いた複数種のマイクロカプセルからなる磁気記
録層12に対して、上記の記録・定着を繰り返し行うこ
とにより、記録画像に応じてマイクロカプセルによる色
毎の複数の可視表示情報を記録することができ、使用す
る色数も2色以上可能である。すなわち、本発明により
多色のカラー画像表示が可能となる。
【0045】なお、本発明の磁気記録体1の記録に用い
る熱・磁気ヘッド30は、例えば全体に一様な磁場を形
成した後記録箇所のみに熱を印加して記録を行なう方
法、全体に一様に熱を印加した後記録箇所のみに磁場を
形成して記録を行なう方法があり、(1)具体的にはレ
ーザ光などの熱変換が可能な光ヘッドと一様な磁場の印
加が可能な磁場形成手段、(2)熱ヘッドと一様な磁場
の印加が可能な磁場形成手段、(3)磁気ヘッドと一様
な熱印加可能な熱印加手段などがあり、また熱と磁場を
ライン状に走査する構成としてもよく、用途に応じて適
宜選択することができる。とくに熱を印加する加熱手段
はワックス、有機化合物など上記した分散媒24を溶融
させるだけの加熱能力を有していればよい。
【0046】この画像形成は、磁気と分散媒の粘度を低
下させる程度の低エネルギーの熱による単純なものであ
るため、記録が容易であり、マイクロカプセルの粒径を
制御することにより、解像度の高い像形成が可能であ
る。また熱・磁気ヘッドで形成された画像は、分散媒が
常温に戻ると同時に固定状態となるため、その記録安定
性がよく、しかも、溶融状態以外では磁気のみでの画像
形成が行えないため、磁石に触れてかぶりを生ずること
がない。本発明による磁気記録体は内包されるフレーク
状着色磁性粒子の記録時の移動性(回転)、すなわち記
録の反応性の良さと記録画像の安定性の両方を備えるも
のである。また、マイクロカプセル14の着色剤23の
色毎に融点の異なる分散媒24を用いることにより、融
点の高い順に画像記録を行うことができ、色数に応じた
記録など鮮明な多色のカラー化が可能であり、或いは印
刷と同様にイエロー、マゼンタ、シアンの各色によるカ
ラー画像記録も可能である。
【0047】さらに、マイクロカプセルはバインダーに
混ぜることで塗液化することができるため、様々な支持
体に塗布することができ、また、様々な形状に加工する
ことが可能であり、製造工程も簡単であることから、用
途範囲を広げることができる。さらに着色剤、分散媒な
ど適宜選択することにより、種々の色の表示が可能な磁
気記録体を得ることができる。
【0048】本発明の磁気記録体に記録される画像は文
字・数字・マーク・模様・絵・写真等の種々の可視情報
であり、入射光の磁気記録層透過・支持体表面の反射に
よる支持体の色彩と、水平方向に配向されたフレーク状
磁性粒子上の着色剤による明るい画像の表示とのコント
ラストにより可視情報の表示が行なわれ、鮮明なカラー
画像が得られる。なお、磁気記録層の全面を最も高い分
散媒の融点より若干高い温度で熱・磁気記録ヘッドによ
る加熱し、垂直方向に磁気印加を行うことによる記録画
像の全面消去、或いは部分消去が可能であり、可逆的な
記録消去を行うことができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を挙げて、詳
細に説明する。 <実施例>シランカップリング処理を施したフレーク状
のニッケル粉60重量部と黄色顔料(ベンチジンエロー
YT564)1重量部を、80℃に加熱し融解した融点
80℃のパラフィンワックス80重量部に均一に分散
し、この分散液を80℃に加熱した10%ゼラチン水溶
液200重量部中に、ホモジナイザーを用いて、回転数
2000rpmで平均粒径75μmとなるように約5分
間分散させた。得られた分散液に10%アラビアゴム水
溶液200重量部を混合し、さらに水1000重量部を
添加し、40℃に保ち、10%酢酸水溶液を滴下し、p
Hを4に調節した。その後、液温を7℃に冷却し、30
%ホルマリン水溶液10重量部を加え、10%水酸化ナ
トリウム水溶液を滴下しpHを9に調節し、ゼラチン−
アラビアゴム壁のマイクロカプセルAを作製した。
【0050】次に黄色顔料(ベンチジンエローYT56
4)に代えて、マゼンタ顔料(ウォッチングレッドRT
761D)と、融点80℃のパラフィンワックスに代え
て、融点60℃のパラフィンワックスを用いた以外は同
様に操作してマイクロカプセルBを作製した。
【0051】さらに黄色顔料(ベンチジンエローYT5
64)に代えて、シアン顔料(フタロシアニンブルー)
と、融点80℃のパラフィンワックスに代えて、融点4
0℃のパラフィンワックスを用いた以外は同様に操作し
てマイクロカプセルCを作製した。
【0052】次に黒色のポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に、得られたマイクロカプセル
A、B、Cをポリビニルアルコール水溶液に均一に分散
した塗液を塗布し磁気記録層を設け、さらにアクリル樹
脂からなる保護層を形成し、本発明の磁気記録体を得
た。
【0053】この磁気記録体の全面を85℃に加熱し、
外部から磁気記録層に垂直となる磁界を印加し、全ての
マイクロカプセル中のフレーク状磁性粒子を磁気記録層
の表面に対して垂直となるように配向させ、磁気記録層
を未記録状態とした。次に磁気記録層の全面或いは記録
する第1の可視表示情報に合わせて部分的に85℃に加
熱するとともに磁気記録層の水平方向に磁界を印加しフ
レーク状磁性粒子を磁気記録層に対して水平となるよう
に配向させ、マイクロカプセルAの分散媒の融点よりも
低い温度である65℃に加熱し、外部から磁気記録層に
垂直となる磁界を印加し、マイクロカプセルB、C中の
フレーク状磁性粒子を磁気記録層の表面に対して垂直と
なるように配向させ、第1の可視表示情報の記録を行っ
た。
【0054】次に磁気記録層の全面或いは記録する第2
の可視表示情報に合わせて部分的に65℃に加熱すると
ともに磁気記録層の水平方向に磁界を印加しフレーク状
磁性粒子を磁気記録層に対して水平となるように配向さ
せ、マイクロカプセルBの分散媒の融点よりも低い温度
である45℃に加熱し、外部から磁気記録層に垂直とな
る磁界を印加し、マイクロカプセルC中のフレーク状磁
性粒子を磁気記録層の表面に対して垂直となるように配
向させ、第2の可視表示情報の記録を行った。さらに磁
気記録層の全面或いは記録する第3の可視表示情報に合
わせて部分的に45℃に加熱するとともに磁気記録層の
水平方向に磁界を印加しフレーク状磁性粒子を磁気記録
層に対して水平となるように配向させ、第3の可視表示
情報の記録を行った。以上の操作により、暗い色調の中
に、フルカラーの明るい鮮明な画像を形成することがで
きる。
【0055】なお、図示しないが、上記磁気記録層を透
明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上
に形成し、黒色の顔料(例えばカーボンブラック
鉛、アセチレンブラック、ナフトールブルーブラック
等)を混練したアクリル樹脂からなる層を形成し、支持
体(PET)側から画像の記録又は消去を行うこともで
き、またこの支持体(PET)側を表側として他の媒体
の凹部に嵌合し磁気記録部を形成する表示手段として利
用することも可能である。
【0056】
【発明の効果】本発明の磁気記録体及び磁気記録体の記
録方法によれば、フレーク状磁性粒子、着色剤、これら
を分散し常温において固相状態を示し、かつ着色剤の色
毎に異なった融点を有する分散媒とを内包する2種以上
のマイクロカプセルをバインダー中に分散配置してなる
磁気記録層を有し、これらマイクロカプセルのフレーク
状磁性粒子を磁気記録層に対して水平に配向、或いは垂
直に配向させることによる反射光のコントラストにより
画像記録を行うものであり、マイクロカプセルに内包さ
れる着色剤を含有させることによりカラー表示が可能で
あり、また異なる色のマイクロカプセルを用いることに
より多色表示、さらにはフルカラー表示を行うことがで
きる。とくに着色剤の色毎に異なった融点を有する分散
媒とすることにより、一色毎に画像記録を行うことがで
きるため、色が混じり合うことがなく、鮮明なカラー表
示が可能である。さらに磁気を印加した部分と無印加の
部分とが明確に異なるように明暗がはっきりとしてお
り、かつ解像度が高く、鮮明で、画像の安定性に優れる
繰り返し記録消去が可能な磁気記録体である。
【0057】また本発明の磁気記録体は、低温度の加熱
と磁気の印加により簡易に像形成を行うことができるた
め、低エネルギー消費であり、記録層にマイクロカプセ
ルを用いることにより、マイクロカプセルの粒径を制御
することで解像度を高めることができる。しかもマイク
ロカプセル内で磁性粒子が常温で固相状態を示す分散媒
に分散され、記録消去時以外は固定されているため、情
報記録後に外部から磁石などの磁気が印加されても、マ
イクロカプセル内の磁性粒子に移動を生じることがな
く、安定した記録が得られる。加熱・磁気印加された部
分のみに磁性粒子の移動(配向)をほぼ限定できるた
め、解像度が高く、常温で固相状態を示す分散媒を用い
ることで画像の安定性も優れる。
【0058】またマイクロカプセルを含む塗液を塗布す
る工程とすることができるため、磁気記録体の製造工程
を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録体の一実施例の断面図であ
る。
【図2】本発明の磁気記録体の磁気記録層に用いられる
マイクロカプセルの一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の磁気記録体の未記録状態を示す断面図
である。
【図4】本発明の磁気記録体の第1段階の記録状態を示
す断面図である。
【図5】本発明の磁気記録体の第1段階の記録の定着状
態を示す断面図である。
【図6】本発明の磁気記録体の第2段階の記録状態を示
す断面図である。
【図7】本発明の磁気記録体の第2段階の記録の定着状
態を示す断面図である。
【図8】本発明の磁気記録体の第3段階の記録状態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 磁気記録体 11 支持体 12 磁気記録層 13 保護層 14 マイクロカプセル 14−A マイクロカプセルA 14−B マイクロカプセルB 14−C マイクロカプセルC 15 バインダー 21 芯物質 22 フレーク状磁性粒子 23 着色剤 24 分散媒 25 殻物質 30 熱・磁気ヘッド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性材料からなる支持体上に、少なくと
    もフレーク状磁性粒子、着色剤、これらを分散してなる
    常温において固相状態を示す分散媒とを内包してなり、
    かつ前記着色剤の色毎に異なった融点を有する分散媒を
    用いた異なる色相を表す2種以上のマイクロカプセルを
    バインダー中に分散配置し磁気記録層を形成してなるこ
    とを特徴とする磁気記録体。
  2. 【請求項2】前記分散媒は、融点が35℃以上100℃
    以下の範囲にある有機化合物であることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録体。
  3. 【請求項3】前記着色剤が染料、あるいは顔料からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録体。
  4. 【請求項4】前記マイクロカプセルの平均粒径が10μ
    mから1000μmの間にあることを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録体。
  5. 【請求項5】前記フレーク状磁性粒子の平均長径が5μ
    mから30μmの間にあり、平均厚みが0.1μmから
    5μmの間にあることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録体。
  6. 【請求項6】前記磁気記録層上に保護層を形成してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録体。
  7. 【請求項7】非磁性材料からなる支持体上に、少なくと
    もフレーク状磁性粒子、着色剤、これらを分散してなる
    常温において固相状態を示す分散媒とを内包してなり、
    かつ前記着色剤の色毎に異なった融点を有する分散媒を
    用い、異なる色相を表す2種以上のマイクロカプセルを
    バインダー中に分散配置してなる磁気記録層を形成して
    なる磁気記録体に対して、前記磁気記録層を融点の高い
    順に分散媒を記録画像に応じて部分的に加熱溶融し水平
    又は垂直方向に磁気印加し前記フレーク状磁性粒子を配
    向せしめる記録工程と、次に高い融点以上の全面加熱と
    垂直又は水平方向への磁気印加による定着工程とによ
    り、マイクロカプセルの色に対応して画像を記録するこ
    とを特徴とする磁気記録体の記録方法。
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