JPH0728679U - ノック式筆記具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】軸筒の尾端とノック飾りの間にの径の小さなノ
ック棒の露出長さを小さくすることが可能になり、外観
上好ましいノック式筆記具を提供する。 【構成】尾端に大径のノック飾り４１が形成されたノッ
ク棒４が軸筒１の尾端開口８１から突出し、ノック棒を
前進させるノック操作により、ペン体が軸筒の先端開口
から突出して筆記可能になるノック式筆記具において、
軸筒の尾端開口の内径をＤ₁ 、ノック飾りの外径を
Ｄ₂ 、とするとき、Ｄ₂ ＜Ｄ₁ とし、ノック状態におい
て、ノック飾りが軸筒の尾端開口内に侵入するようにす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、外観形状が好ましいノック式筆記具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ノック式筆記具、例えばノック式ボールペンは、軸筒内にボールペンレフィー ルが収容されるとともに軸筒の尾端開口からノック棒が突出し、ノック棒の尾端 には、通常は軸筒と同径のノック飾りが一体に取り付けられているものが多い。 そして、ノック飾りを押圧するノック操作によりノック棒をノックストロークだ け前進させるとレフィールが前進位置にて係止するとともにレフィール先端のペ ン体が軸筒の先端開口から突出して筆記可能になる。従って、軸筒の尾端とノッ ク飾りの間に、径の小さなノック棒が露出しているが、このノック棒の露出長さ はノックストロークよりも大きくする必要がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで筆記具は、本来の筆記機能の他にも意匠的要素が重要視される商品で あるが、軸筒の尾端とノック飾りの間に径の小さなノック棒が長く露出している と、外観上、高級感を出しにくい不具合がある。ことに、回転子を内蔵し、ノッ ク操作により回転子がカム溝に沿って前進し、回転子がカム溝を抜け出すと回転 子が回転してカム先端に斜めに形成された係止段に係止する回転ノック式の筆記 具においては、回転子がカム溝を抜け出してからカム先端の係止段に係止すると きに２mm程度後退するので、ノックストロークは、ペン体の没入位置から筆記位 置へのストロークよりも２mm程度大きくなり、それだけノック棒の露出長さが大 きくなる不具合がある。

【０００４】 そこで本考案は、軸筒の尾端とノック飾りの間にの径の小さなノック棒の露出 長さを小さくすることが可能になり、外観上好ましいノック式筆記具を提供する ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案は、尾端に大径のノック飾りが形成され たノック棒が軸筒の尾端開口から突出し、ノック棒を前進させるノック操作によ り、ペン体が軸筒の先端開口から突出して筆記可能になるノック式筆記具におい て、軸筒の尾端開口の内径をＤ₁ 、ノック飾りの外径をＤ₂ 、とするとき、Ｄ₂ ＜Ｄ₁ とし、ノック状態において、ノック飾りが軸筒の尾端開口内に侵入するよ うにする。

【０００６】

【作用】

すなわち、軸筒の尾端開口の内径をＤ₁ 、ノック飾りの外径をＤ₂ 、とすると き、Ｄ₂ ＜Ｄ₁ であり、ノック状態において、ノック飾りが軸筒の尾端開口内に 侵入するので、ノック飾りの先端と軸筒の尾端縁の間で露出するノック棒の長さ をノックストロークよりも短くしてノック棒の露出長さを小さくしても、ノック 操作が可能になり、外観上好ましいノック式筆記具とすることができる。

【０００７】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基づいて本考案を具体的に説明する。図面はノック 式ボールペンを示すが、図１において、合成樹脂製の軸筒１の先端に、先端開口 13 を有する同じく合成樹脂製の大先 11 が螺着されている。そして、天冠８が 軸筒１の尾端に嵌着されているが、天冠８の尾端開口 81 の内径はＤ₁ である。 また、天冠８の露出部分の外径は軸筒１の外径に等しく、天冠８は軸筒１の一部 と見做すことができる。つまり、軸筒１の尾端開口の内径がＤ₁ である。軸筒１ 内にボールペンレフィール２がスプリング 22 により尾端側に弾発された状態で 収容され、ノック操作によりペン体 21 が先端開口 13 から出没するが、その出 没機構は、ノック部材５、カム筒６および回転子７で構成された周知の回転ノッ ク式である。

【０００８】 この回転ノック式出没機構を説明すると、内面に縦方向の複数本のカム溝を有 するカム筒６が軸筒１に固定されている。そして、カム溝を構成する縦突条の先 端が係止段 62 であるが、この係止段 62 は傾斜しており、これを展開図にする と鋸歯状になる。ノック部材５先端に形成された押圧部 51 がカム溝に嵌め込ま れており、ノック操作によりカム溝に沿って前後動する。 そして、回転子７の外周に形成された外向き突起 71 もカム溝に嵌め込まれて おり、ノック部材５の押圧部 51 で回転力が付与された状態で押圧されて回転子 ７が前進するが、外向き突起 71 がカム溝から抜け出すと回転子７が例えば６０ ゜回転して外向き突起 71 が２mm程度後退して係止段 62 に係止する。また、レ フィール２は回転子７の差し込み部 72 にその尾端部が差し込まれて保持されて おり、外向き突起 71 が係止段 62 に係止するときは、ペン体 21 が先端開口 1 3 から突出して筆記可能になる。

【０００９】 次に、ペン体 21 を没入させるときは、再びノック操作を行う。これによって 外向き突起 71 が係止段 62 から離れるとともに回転子７が例えば６０゜回転す る。そして、外向き突起 71 がカム溝に嵌まり込み、スプリング 22 の弾発力に より後退する。

【００１０】 ノック部材５の尾端にはノック継手９を介してノック棒４が接続され、尾端開 口 81 から突出している。そして、ノック棒４の尾端に、外径がＤ₂ のノック飾 り 41 が形成されている。ここで、Ｄ₂ ＜Ｄ₁ であり、ノック飾り 41 の外径が 尾端開口 81 の内径よりも僅かに小さくて、ノック時において、ノック飾り 41 が天冠８内に侵入可能になっている。

【００１１】 また、ノック飾り３の先端と軸筒１の尾端縁 14 の距離、つまり、ノック棒４ の露出長さをＬ₁ とし、一方、ペン体 21 の図１に示す没入位置からノック時に 図１の仮想線で示すようにペン体 21 が最先端に移動する位置までの距離、つま り、ノックストロークをＬ₂ としたとき、Ｌ₁ ＜Ｌ₂ であり、例えばＬ₁ ＝４mm であり、Ｌ₂ ＝７mmである。 このように、ノックストロークが大きいにもかかわらず、ノック棒４の露出長 さが短く、外観上好ましい形状をしている。

【００１２】 しかして、かかるノック式筆記具で筆記するときは、図１に示す状態からノッ ク飾り３を指先で押圧してノック操作を行う。これによってノック部材５が前進 し、前記のとおり、外向き突起 71 が係止段 62 に係止するとともに、ペン体 2 1 が先端開口 13 から突出して筆記可能になるが、このとき、Ｌ₁ ＜Ｌ₂ である にもかかわらず、ノック飾り 41 が天冠８内に侵入するのでノック可能になる。 また、ペン体 21 を没入させるには再びノック操作を行えばよく、これによって 図１に示す状態に戻る。 なお、以上の実施例は回転ノック式のボールペンについて説明したが、これ以 外のノック式筆記具にも適用できることは明らかである。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のノック式筆記具は、尾端に大径のノック飾りが 形成されたノック棒が軸筒の尾端開口から突出し、ノック棒を前進させるノック 操作によりペン体が軸筒の先端開口から突出して筆記可能になるノック式筆記具 において、軸筒の尾端開口の内径をノック飾りの外径よりも大きくし、ノック状 態において、ノック飾りが軸筒の尾端開口内に侵入するようにしたので、ペン体 が軸筒内に没入した状態においてノック飾りの先端と軸筒の尾端縁の間で露出す るノック棒の長さをノックストロークよりも短くしてもノック操作が可能であり 、外観上好ましい形状になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の断面図である。

【符号の説明】 １ 軸筒 １１ 大先 １３ 先端開口 ２ レフィール ２１ ペン体 ４ ノック棒 ４１ ノック飾り ５ ノック部材 ６ カム筒 ７ 回転子 ８ 天冠 ８１ 尾端開口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 尾端に大径のノック飾りが形成されたノ
   ック棒が軸筒の尾端開口から突出し、ノック棒を前進さ
   せるノック操作によりペン体が軸筒の先端開口から突出
   して筆記可能になるノック式筆記具において、 軸筒の尾端開口の内径をＤ₁ 、ノック飾りの外径を
   Ｄ₂ 、とするとき、Ｄ₂ ＜Ｄ₁ であり、ノック状態にお
   いて、ノック飾りが軸筒の尾端開口内に侵入することを
   特徴とするノック式筆記具。