JPH0727839U - 生肉のガスパック包装用蓋材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスパック包装用の蓋材として保存性に優れ
ているとともに、店頭で蓋材の層間を容易に剥離でき、
酸素を透過させて包装した生肉を鮮明に発色させること
ができる蓋材を提供する。 【構成】 シール側にポリオレフィン樹脂層（１）、外
側にガスバリアー樹脂層（２）を接着樹脂からなる接着
層（４）を介して配し、上記ポリオレフィン樹脂層
（１）とガスバリアー樹脂層（２）の層間接着強度が５
０〜２００ｇｆ／１５ｍｍ幅の範囲、ポリオレフィン樹
脂層（１）の最大破断強度が３００〜１５００ｇｆ／１
５ｍｍ幅の範囲であることを特徴とする生肉のガスパッ
ク包装用蓋材。 【効果】 ガスバリアー性と層間剥離性のバランスがよ
く、生肉のガスパック包装用蓋材として好適に使用でき
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は生肉のガスパック包装用蓋材に係り、特にガスパック包装用の蓋材と して保存性に優れているとともに、店頭で蓋材の層間を容易に剥離でき、酸素を 透過させて包装した生肉を鮮明に発色させることができる蓋材に関する。

【０００２】

【従来技術とその課題】

生肉のガスパック包装方法としては、通常、底材に生肉を収納し、窒素ガス等 の不活性ガスを充填するとともに蓋材を被覆することがなされ、長期間の保管が 可能となる。この包装物では不活性ガスを充填しているために生肉の色調が悪く 店頭で販売する場合、生肉を発色させてから陳列する必要があり、そのための手 段として、ガスバリアー層とシール層からなる複合フイルムを蓋材に用い、保管 時にはそのまま使用、店頭ではガスバリアー層を剥離して、生肉を発色させてか ら陳列する方法が知られている。

【０００３】 しかしながら、この方法では使用する複合フイルムによっては層剥離がやり難 かったり、蓋材全体が破断してしまうという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記問題点を解消できる蓋材を見出したものであって、その要旨と するところは、 シール側にポリオレフィン樹脂層１、外側にガスバリアー樹脂層２を接着樹脂 からなる接着層４を介して配し、上記ポリオレフィン樹脂層１とガスバリアー樹 脂層２の層間接着強度が５０〜２００ｇｆ／１５ｍｍ幅の範囲、ポリオレフィン 樹脂層１の最大破断強度が３００〜１５００ｇｆ／１５ｍｍ幅の範囲であること を特徴とする生肉のガスパック包装用蓋材にある。

【０００５】 以下、本考案を図面により説明する。 図１は本考案蓋材の一例を示す断面概略図である。 本考案蓋材に使用する複合フイルムの構成について説明すると、底材と熱融着 するシール側にポリオレフィン樹脂層１を配し、ポリオレフィン樹脂としては、 通常のポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等のヒートシール 性に優れたポリオレフィン樹脂が好適に使用できる。

【０００６】 シール側の反対面には接着樹脂からなる接着層４を介してガスバリアー樹脂層 ２を配してある。ガスバリアー樹脂層２に使用するガスバリアー樹脂としてはエ チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物や塩化ビニリデン樹脂が使用でき、図１に 示すように多層としてもよく、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層２１と フイルム強度を付与するためのナイロン−６、ナイロン−６／６６等のポリアミ ド樹脂２２を積層して組合せている。

【０００７】 上記ポリオレフィン樹脂層１とガスバリアー樹脂層２の間には接着樹脂からな る接着層４を設けてあり、両者間の層間接着強度を特定の範囲とする必要がある 。ここで、接着層４に使用する接着樹脂としては、不飽和カルボン酸またはその 誘導体から選ばれた少なくとも一種のモノマーをグラフトした変性ポリオレフィ ン樹脂を主成分とするものが好適に使用でき、層間接着強度を特定の範囲とする ための手段としては、不飽和カルボン酸等の含有率を変えたり、通常のポリオレ フィン樹脂を混合し、その混合率を変える方法が好適である。

【０００８】 上記の層間接着強度は５０〜２００ｇｆ／１５ｍｍ幅の範囲とする必要があり 、５０ｇｆ／１５ｍｍ幅未満では包装体を取扱い中にガスバリアー樹脂層２が剥 離してしまうという問題があり、２００ｇｆ／１５ｍｍ幅を越えるものでは層間 が剥離しにくく、剥離時に蓋材にしわが入りやすいという問題がある。

【０００９】 また、本考案では上述したポリオレフィン樹脂層１の最大破断強度を３００〜 １５００ｇｆ／１５ｍｍ幅の範囲とする必要がある。３００ｇｆ／１５ｍｍ幅未 満ではガスバリアー樹脂層２を剥離する際、ポリオレフィン層１が破断してしま うという問題があり、１５００ｇｆ／１５ｍｍ幅を越えるものでは、ポリオレフ ィン層１が底材から剥離しにくいという問題がある。

【００１０】 さらに、本考案では図１に示すようにガスバリアー樹脂層２の外側に無延伸ポ リプロピレン樹脂層３を積層することが好ましく、無延伸ポリプロピレン樹脂層 ３を設けることにより、ヒートシール時に蓋材が熱板へ付着するのを防止できる とともにガスバリアー樹脂層２を剥離する際、ガスバリアー樹脂層２が途中で裂 けることを防止しやすい。この無延伸ポリプロピレン樹脂層３の厚みは３０〜８ ０μｍの範囲とすることが好ましく、３０μｍ未満では表面への印刷がやりずら く、８０μｍを越えるものでは透明性が悪くなる傾向がある。

【００１１】

【考案の効果】

上述したように本考案の蓋材によれば、ガスバリアー性と層間剥離性のバラン スがよく、生肉のガスパック包装用蓋材として好適に使用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案蓋材の一例を示す断面概略図。

【符号の説明】

１ ポリオレフィン樹脂層 ２ ガスバリアー樹脂層 ３ 無延伸ポリプロピレン樹脂層 ４ 接着層

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シール側にポリオレフィン樹脂層
   （１）、外側にガスバリアー樹脂層（２）を接着樹脂か
   らなる接着層（４）を介して配し、上記ポリオレフィン
   樹脂層（１）とガスバリアー樹脂層（２）の層間接着強
   度が５０〜２００ｇｆ／１５ｍｍ幅の範囲、ポリオレフ
   ィン樹脂層（１）の最大破断強度が３００〜１５００ｇ
   ｆ／１５ｍｍ幅の範囲であることを特徴とする生肉のガ
   スパック包装用蓋材。
2. 【請求項２】 ガスバリアー樹脂層（２）の外側に無延
   伸ポリプロピレン樹脂層（３）を積層してなる請求項１
   記載の生肉のガスパック包装用蓋材。