JPH07274824A - 水中油型乳化食品 - Google Patents

水中油型乳化食品

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JPH07274824A
JPH07274824A JP6087915A JP8791594A JPH07274824A JP H07274824 A JPH07274824 A JP H07274824A JP 6087915 A JP6087915 A JP 6087915A JP 8791594 A JP8791594 A JP 8791594A JP H07274824 A JPH07274824 A JP H07274824A
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正幸 野田
Kayoko Kawakita
佳代子 川北
Harutaka Yamamoto
晴敬 山本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 脂肪、乳成分、乳化剤、並びにリン酸二ナト
リウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナト
リウム及びクエン酸ナトリウムからなる群から選択され
る2種以上のリン酸塩等混合物を、乳化、均質化、殺菌
及び冷却することにより得られる水中油型乳化食品。さ
らに、酸性調理素材を添加してなる前記水中油型乳化食
品。 【効果】 本発明の水中油型乳化食品は、酸性域でも低
粘度で流動性を有し、安定な乳化性を示す。しかも、ホ
イップ可能な特性を有するため、ドレッシングとしても
ホイップクリームとしても使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中油型乳化食品、さ
らに詳しく言うと、特定のリン酸塩等混合物を含む水中
油型乳化食品に関する。本発明の水中油型乳化食品は、
ホイップクリームとしてもドレッシングとしても使用す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】従来の乳成分を使用する乳化型ドレッシ
ングにはペースト状のものが多く、そのままでは流動性
を有さず可塑性を示すものが多い。これは、ドレッシン
グに用いる酸がタンパク質と反応して変性させるために
乳化が不安定となり、脂肪球が凝集して粘度が増加する
ためである。また、乳成分は好適な風味を有するにもか
かわらず、酸性乳化食品に使用する例が少なかったのも
同様の理由による。さらに、乳化型ドレッシングのよう
な水中油型乳化食品は、酸性域ではホイップ性が劣るも
のが多い。これは、安定な乳化状態を保つように設計さ
れているために、脂肪球同士の凝集による粘度増加、即
ち解乳化性がないためである。
【0003】従来より、酸性域でのホイップ性を向上さ
せた水中油型乳化食品の調製については、油脂の特性を
利用したもの(特開昭58−209947)、乳化剤の
組合せによるもの(特開昭63−14674)、ポリグ
リセリン脂肪酸エステルと他の添加物を組合せたもの
(特開昭58−111639、特開平4−14066
0)等の技術が提案されている。しかし、これらはホイ
ップ性の向上を主眼とした技術であり、調理素材と組合
せてドレッシングとしての機能性を持たせたものではな
く、ホイップクリームとしてもドレッシングとしても使
用することができる酸性水中油型乳化食品が望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、酸
性域でも安定でホイップ可能な特性を有し、しかもドレ
ッシングとしても使用可能な水中油型食品を提供とする
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、特定のリン酸塩等混合物を使用することにより
上記の目的を達成することができることを見出し、本発
明を完成させた。即ち、本発明は、脂肪、乳成分、乳化
剤、並びにリン酸二ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナト
リウム、ピロリン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウム
からなる群から選択される2種以上のリン酸塩等混合物
を、乳化、均質化、殺菌及び冷却することにより得られ
る水中油型乳化食品からなる。本発明はまた、酸性調理
素材を添加してなる前記水中油型乳化食品からなる。本
発明はまた、前記2種以上のリン酸塩等混合物の重量
が、前記水中油型乳化食品の全体の重量に基づいて、
0.2〜2.0重量%である前記水中油型乳化食品からな
る。本発明はまた、前記酸性調理素材が、酸味料である
前記水中油型乳化食品からなる。本発明はまた、前記酸
味料が、クエン酸、酒石酸及びコハク酸から選択される
1または2種以上の組合せであって、その合計量が全体
の重量を基準として1.0重量%以下であるか、また
は、酢酸、乳酸、天然果汁及び前記天然果汁の濃縮物か
ら選択される1または2種以上の組合せであって、その
合計量が全体の重量に基づいて、20.0重量%以下で
ある前記水中油型乳化食品からなる。
【0006】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明の水中油型乳化食品において使用することができる
脂肪の例としては、大豆油、パーム油、ナタネ油、ヤシ
油等の植物油脂及び乳脂、魚油等の動物油脂またはこれ
らの油脂をエステル交換若しくは水素添加して得られる
改質油脂、更には混合油脂等が挙げられる。このような
脂肪は、本発明の水中油型乳化食品の全体の重量に基づ
いて、30〜50重量%の範囲の量で用いられることが
好ましい。
【0007】本発明の乳化食品において用いられる乳成
分の例としては、全乳、脱脂乳、バターミルク、ホエー
等またはこれらを乾燥して粉末化した粉乳類が例として
挙げられる。このような乳成分は、本発明の水中油型乳
化食品の全体の重量に基づいて、固形換算で2〜6重量
%の範囲の量で用いられることが好ましい。
【0008】本発明の乳化食品において用いられる乳化
剤としては、食品添加物として用いられる全ての乳化剤
を使用することができる。しかし、水中油型乳化食品と
した場合に、ホイップ性を有し、しかも酸性調理素材を
入れた場合に、適度な粘性を示す必要がある。そのため
には、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好適な
例として挙げられる。このような乳化剤は、本発明の水
中油型乳化食品の全体の重量に基づいて、0.5〜2.0
重量%の範囲の量で用いられることが好ましい。
【0009】本発明の乳化食品において用いられる2種
以上のリン酸塩等混合物とは、リン酸二ナトリウム、ヘ
キサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム及び
クエン酸ナトリウムからなる群から選択される2種以上
の混合物を言う。特に、ヘキサメタリン酸とリン酸二ナ
トリウム、リン酸二ナトリウムとクエン酸ナトリウム、
ヘキサメタリン酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムの混
合物が好ましい。この2種以上のリン酸塩等混合物は、
本発明の水中油型乳化食品の全体の重量に基づいて、
0.2〜2.0重量%の範囲の量で用いられることが好ま
しい。0.2重量%より少ないと、このリン酸塩等混合
物の添加の効果が得られないので好ましくなく、2.0
重量%より多いと、風味の低下をもたらし、添加量の増
加に比例した効果が得られなくなるので好ましくない。
【0010】また、本発明の乳化食品においては、酸性
調理素材を添加することができる。この酸性調理素材の
例としては、酸味料の他、低pHの天然物、例えばグレ
ープフルーツ、レモン、カシス等の果物や野菜を挙げる
ことができる。前記酸味料としては、クエン酸、酒石酸
及びコハク酸等から選択される1または2種以上の混合
物を挙げることができ、その合計量は、本発明の乳化食
品の全体の重量に基づいて、1.0重量%以下の量で用
いられることが好ましい。1.0重量%より多くなる
と、水中油型乳化食品の粘度が高くなり過ぎるため好ま
しくない。または、前記酸味料としては、酢酸、乳酸、
天然果汁及び前記天然果汁の濃縮物等から選択される1
または2種以上の混合物を挙げることができ、その合計
量は、本発明の乳化食品の全体の重量に基づいて、2
0.0重量%以下の量で用いられることが好ましい。2
0.0重量%より多くなると、粘度が高くなり、流動性
を失うので好ましくない。
【0011】以下、本発明の水中油型乳化食品の製造方
法について説明する。最初に、前記脂肪及び前記乳化剤
を混合して油相を調製する。また、一方で、前記乳成分
及び前記2種以上のリン酸塩等混合物を水中に溶解して
水相を調製する。次いで、前記水相に油相を添加して混
合し、乳化、均質化、殺菌及び冷却の工程を経て本発明
の水中油型乳化食品を得ることができる。また、前記の
水相と油相の混合中に、酸性調理素材を添加し、その
後、乳化、均質化、殺菌及び冷却の工程を経て本発明の
水中油型乳化食品を得ることができる。前記酸性調理素
材は、水中油型乳化食品を調製した後に添加してもよ
い。本発明の水中油型乳化食品の製造においては、その
他の通常用いられる原料を使用することができる。この
ような原料の例としては、糖類、増粘多糖類等の安定
剤、タンパク質等を挙げることができる。また、本発明
の水中油型乳化食品は、通常用いられるその他の条件及
びその他の工程、方法を使用して製造することができ
る。
【0012】このようにして得られる本発明の水中油型
乳化食品は酸性域においても、低粘度で流動性を有し、
安定な乳化性を示し、クリーミーなテクスチャーを有す
る。しかも、本発明の水中油型乳化食品は、解乳化性も
有するため、必要な場合にはホイップにより気泡を抱き
込むこともできるという特性を有する。ホイップの際の
ホイップ時間は短く、オーバーランは高い(下記試験例
1参照)。従って、本発明の水中油型乳化食品は、ドレ
ッシングとしてもホイップクリームとしても使用できる
酸性水中油型乳化食品であり、多くの用途に適応可能で
ある。そのままの状態ではドレッシングとして、野菜や
果物のサラダ等と混合して、またはその中に野菜等をデ
ィップして使用することができる。また、ホイップする
ことにより、ケーキやパンのデコレーション用フィリン
グ剤として、さらに低カロリー食品として使用すること
ができる。
【0013】以下、本発明の水中油型乳化食品のホイッ
プ特性、リン酸塩等の最適添加量等を、試験例により説
明する。 試験例1(酸性水中油型乳化食品のホイップ特性) 食用油脂(パーム油、ナタネ油及びヤシ油の混合油脂、
上昇融点30℃)40.0重量%に、レシチン(日清製
油(株))0.5重量%、ステアリン酸モノグリセライド
(理研ビタミン(株))0.1重量%及びショ糖脂肪酸エ
ステル(第一工業製薬(株))0.2重量%を混合して油
相とし、これを70℃に加温した。一方、乳成分として
脱脂粉乳(雪印乳業(株))4.0重量%と、各種リン酸
塩等を単独または2種混合物として50.0重量%の水
中に溶解して水相とし、これを60℃に加温した。リン
酸塩等(いずれも無水物、武田薬品工業(株))は、リン
酸二ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリ
ン酸塩ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを使用した。
これらのリン酸塩等は、単独使用の場合は、0.4重量
%、2種混合使用の場合は、各リン酸塩等を0.2重量
%とし、合計量を0.4重量%とした。
【0014】次いで、前記水相に前記油相を添加して混
合した。混合中に、酸味料としてクエン酸0.2重量%
を加え、さらに水を加えて全量を100重量%とした。
次いで、均質化、殺菌及び冷却の工程を経て酸性水中油
型乳化食品を調製した。得られた前記酸性水中油型乳化
食品のホイップ特性及び乳化安定性を示すために、下記
表1にホイップに要した時間、下記表2にオーバーラン
(体積増加分)及び下記表3に酸性域における乳化安定
性の指標となる脂肪球の凝集度合いを示した。尚、対照
として、リン酸塩等を使用しないこと以外は、上記と同
様の方法で調製した水中油型乳化食品についての結果
を、同様に下記表1〜3に示す。
【0015】
【表1】 リン酸塩等を単独または2種混合して使用した際のホイップ時間 リン酸2Na ヒ゜ロリン酸Na ヘキサメタリン酸Na クエン酸Na −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−リン 酸2Na 4分57秒* ヒ゜ロリン 酸Na 5分16秒 7分27秒* ヘキサメタリン 酸Na 2分51秒 2分45秒 3分36秒* クエン 酸Na 3分36秒 4分51秒 3分24秒 4分09秒* −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 対照 脂肪球が凝集して粘度が増加し、ホイップ不能 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *:リン酸塩等の単独使用
【0016】
【表2】 リン酸塩等を単独または2種混合して使用した際のオーバーラン リン酸2Na ヒ゜ロリン酸Na ヘキサメタリン酸Na クエン酸Na −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−リン 酸2Na 153%* ヒ゜ロリン 酸Na 154% 154%* ヘキサメタリン 酸Na 166% 161% 148%* クエン 酸Na 173% 181% 168% 166%* −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 対照 脂肪球が凝集して粘度が増加し、ホイップ不能 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *:リン酸塩等の単独使用
【0017】
【表3】 リン酸塩等を単独または2種混合して使用した際の脂肪球の凝集度 リン酸2Na ヒ゜ロリン酸Na ヘキサメタリン酸Na クエン酸Na −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−リン 酸2Na ±* ヒ゜ロリン 酸Na − −* ヘキサメタリン 酸Na − − ±*クエン 酸Na − − − ++* −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 対照 +++ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *:リン酸塩等の単独使用 +++: 凝集かなり大、 ++ : 凝集大 + : 凝集あり ± : わずかに凝集 − : 凝集なし
【0018】これらの結果から明らかであるように、リ
ン酸塩等は単独よりも2種混合して使用した方が優れた
結果が得られる。特に、リン酸二ナトリウムとヘキサメ
タリン酸、リン酸二ナトリウムとクエン酸ナトリウム、
ヘキサメタリン酸とクエン酸ナトリウムの各混合物で
は、相乗効果が発現し、優れたホイップ特性及び乳化安
定性が得られた。
【0019】 試験例2(酸性水中油型乳化食品のリン酸塩添加量) 本試験例においては、リン酸塩の添加量について検討し
た。食用油脂40.0重量%に、レシチン0.5重量%、
ステアリン酸モノグリセライド0.1重量%、ショ糖脂
肪酸エステル0.2重量%を混合して油相とし、これを
70℃に加温した。一方、脱脂粉乳4.0重量%と2種
リン酸塩等混合物(ヘキサメタリン酸ナトリウムとリン
酸二ナトリウム)0.0、0.4、2.0、4.0重量%と
を水50.0重量%中に溶解して水相とし、これを60
℃に加温した。この各水相に、前記油相を添加して混合
し、得られた各乳化物に酸味料としてクエン酸を0.
0、0.2、0.4、1.0、2.0重量%添加した後、水
を加えて全量を100重量%とした。その後、均質化、
殺菌及び冷却の工程を経て、酸性水中油型乳化食品を調
製した。これらの乳化物の安定性の指標となる粘度を測
定した。結果を下記表4に示す。
【0020】
【表4】 酸味量の添加と乳化食品の粘度(センチポアズ) クエン酸 クエン酸 クエン酸 クエン酸 クエン酸 0.0重量% 0.2重量% 0.4重量% 1.0重量% 2.0重量% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− リン酸塩等 0.0重量% 56 150 6000 12400 13000 リン酸塩等 0.4重量% 80 73 78 7500 8500 リン酸塩等 2.0重量% 98 90 96 110 6500 リン酸塩等 4.0重量% 175 186 337 660 4400 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0021】表4に示されるように、リン酸塩等の添加
量が増加すると酸味量の許容添加量も増加する。しか
し、リン酸塩等が2.0重量%から4.0重量%になると
その効果が小さくなる。また、酸味料としてクエン酸を
使用したが、2.0重量%になると、急に粘度増加が大
きくなった。従って、リン酸塩等の添加量の上限は2.
0重量%にあり、クエン酸の添加量の上限は1.0重量
%にあると考えられる。
【0022】試験例3(酸性水中油型乳化食品のドレッ
シングへの適用性) 本試験例では、本発明の酸性水中油型乳化食品のドレッ
シングへの適用性について検討した。食用油脂40.0
重量%に、レシチン0.5重量%、ステアリン酸モノグ
リセライド0.1重量%、ショ糖脂肪酸エステル0.2重
量%を混合して油相とし、これを70℃に加温した。一
方、脱脂粉乳4.0重量%と2種以上のリン酸塩等混合
物(ヘキサメタリン酸ナトリウム0.2重量%とリン酸
二ナトリウム0.2重量%)0.4重量%とを水50.0
重量%中に溶解して水相とし、これを60℃に加温し
た。前記水相に前記油相を添加して混合し、水を加えて
全量を100重量%とした。その後、均質化、殺菌及び
冷却の工程を経て、水中油型乳化食品を調製した。この
水中油型乳化食品を使用して、ドレッシングとしての適
性、特に、酸味料との相溶性について検討した。結果を
下記表5に示す。
【0023】
【表5】 酸味料添加後の水中油型乳化食品の特性 流動性 ホイップ特性 風味 ト゛レッシンク゛として の総合評価 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 0.1重量% 流動 適 良 良 クエン酸0.2重量% 流動 やや適 良 良 (無水)0.5重量% 流動 やや適 良 良 1.0重量% 流動するが 不適 良 やや良 粘度は高い −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 10重量% 流動 適 やや良 やや良 酢酸 20重量% 流動するが 適 やや良 やや良 粘度は高い −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 乳酸 10重量% 流動 適 やや良 やや良 20重量% 流動 適 やや良 やや良 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 天然レ 5重量% 流動 適 良 良 モン果汁10重量% 流動 適 良 良 20重量% ペースト状 やや適 良 やや良 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1/5.5濃 5重量% 流動するが やや適 良 良 縮レモン 粘度は高い 果汁 10重量% ペースト状 やや適 良 やや良 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 卵黄 10重量% 流動 やや適 不良 やや不良 20重量% 流動するが やや適 不良 不良 粘度は高い −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− スパイス 1重量% 流動 適 良 良 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 塩 1重量% 流動 適 良 良 5重量% 流動 適 不良 不良 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0024】表5に示されるように、本発明の水中油型
乳化食品は、各種酸味料との相溶性には問題がなく、ホ
イップ可能なドレッシング素材として使用できることが
判った。
【0025】
【発明の効果】本発明の水中油型乳化食品は、酸性域で
も低粘度で流動性を有し、安定な乳化性を示し、クリー
ミーなテクスチャーを有する。しかも、ホイップにより
気泡を抱き込むことができる特性を有する。従って、本
発明の乳化食品は、ドレッシングとしてもホイップクリ
ームとしても使用することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 実施例1 食用油脂(パーム油、ナタネ油及びヤシ油の混合油脂、
上昇融点30℃)40.0重量%に、レシチン0.5重量
%、ステアリン酸モノグリセライド0.1重量%及びシ
ョ糖脂肪酸エステル0.2重量%を混合して油相とし、
これを70℃に加温した。一方、脱脂粉乳4.0重量%
と2種以上のリン酸塩等混合物(ヘキサメタリン酸ナト
リウム0.2重量%とリン酸二ナトリウム0.2重量%)
0.4重量%とを水50.0重量%中に溶解して水相と
し、これを60℃に加温した。次いで、水相に油相を添
加し、香料を加えて混合した。この混合の間に、酸味量
としてクエン酸0.2重量%を加え、さらに水を加えて
全量を100重量%とした。その後、均質化、殺菌(直
接加熱140℃)及び冷却の工程を経て酸性水中油型乳
化食品を調製した。この水中油型乳化食品は、ホイップ
可能で、適度なホイップ時間とオーバーランを示し、2
カ月保存後も安定で、流動性を有していた。これに、レ
モン果汁とスパイスを加えて乳化型ドレッシングとして
使用したところ、適度な流動性を有し、そのままで野菜
や果実のディップ用素材として好適であった。また、そ
れを、ホイップしてもペースト状のディップ用素材及び
フィリング素材として好適であった。
【0027】実施例2 食用油脂(パーム核油、上昇融点27℃)40.0重量
%に、レシチン0.5重量%、ステアリン酸モノグリセ
ライド0.1重量%、ショ糖脂肪酸エステル0.2重量%
及びポリグリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業
(株))0.2重量%を混合して油相とし、これを70℃
に加温した。一方、脱脂粉乳4.0重量%と2種以上の
リン酸塩等混合物(クエン酸ナトリウム0.2重量%と
リン酸二ナトリウム0.2重量%)0.4重量%とを水5
0.0重量%中に溶解して水相とし、これを60℃に加
温した。次いで、水相に油相を添加して混合し、総量が
100重量%となるように水を加えて調整した。その
後、均質化、殺菌及び冷却の工程を経て酸性水中油型乳
化食品を調製した。この乳化食品には、クエン酸、酢
酸、乳酸、果汁等の酸味料を添加することができ、添加
後も適度の流動性を有し、そのままで野菜等のドレッシ
ングとして好適であった。また、それをホイップしてペ
ースト状としても、野菜等のディップ用、フィリング用
素材として好適であった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪、乳成分、乳化剤、並びにリン酸二
    ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸
    ナトリウム及びクエン酸ナトリウムからなる群から選択
    される2種以上のリン酸塩等混合物を、乳化、均質化、
    殺菌及び冷却することにより得られる水中油型乳化食
    品。
  2. 【請求項2】 前記2種以上のリン酸塩等混合物の重量
    が、前記水中油型乳化食品の全体の重量に基づいて、
    0.2〜2.0重量%である請求項1に記載の水中油型乳
    化食品。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の水中油型乳化
    食品に、さらに、酸性調理素材を添加してなる水中油型
    乳化食品。
  4. 【請求項4】 前記酸性調理素材が、酸味料である請求
    項3に記載の水中油型乳化食品。
  5. 【請求項5】 前記酸味料が、クエン酸、酒石酸及びコ
    ハク酸から選択される1または2種以上の組合せであっ
    て、その合計量が全体の重量を基準として1.0重量%
    以下であるか、または、酢酸、乳酸、天然果汁及び前記
    天然果汁の濃縮物から選択される1または2種以上の組
    合せであって、その合計量が全体の重量に基づいて、2
    0.0重量%以下である請求項4に記載の水中油型乳化
    食品。
JP08791594A 1994-03-31 1994-03-31 水中油型乳化食品 Expired - Lifetime JP3545038B2 (ja)

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