JPH07272825A - 避雷碍子装置 - Google Patents

避雷碍子装置

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Publication number
JPH07272825A
JPH07272825A JP6059510A JP5951094A JPH07272825A JP H07272825 A JPH07272825 A JP H07272825A JP 6059510 A JP6059510 A JP 6059510A JP 5951094 A JP5951094 A JP 5951094A JP H07272825 A JPH07272825 A JP H07272825A
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JP
Japan
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lightning
ground
insulator
steel tower
electrode
Prior art date
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Pending
Application number
JP6059510A
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English (en)
Inventor
Yuji Kudo
祐治 工藤
Tomohiro Hayashi
朋宏 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Publication date
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Priority to JP6059510A priority Critical patent/JPH07272825A/ja
Publication of JPH07272825A publication Critical patent/JPH07272825A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 避雷碍子を複数並列に設けたり大型化したり
することなく、避雷碍子の雷サージ電流に対する責務を
軽減して、送電線に直撃する冬季雷にも確実に対処でき
るようにする。 【構成】 鉄塔1の支持アーム2に支持碍子3を介して
送電線5を支持する。支持アーム2の先端には取付アダ
プタ7を介して限流素子12を内蔵する避雷碍子8を垂
下支持する。支持碍子3の下端部には課電側の放電電極
6を設ける。避雷碍子8の下端部には前記課電側の放電
電極6と所定の気中放電間隙Gをもって対向する接地側
の放電電極11を設ける。鉄塔1の下端に酸化亜鉛や炭
化シリコン等よりなる抵抗体17を介して接地電極16
を連結し、その接地電極16を大地Eに埋設する。抵抗
体17の抵抗値を調整することにより、接地電極16を
介して接地されている鉄塔1の接地抵抗値を、30〜4
00Ωに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、雷撃により電力線に
侵入した雷サージ電流を速やかに大地へ放電するととも
に、その後の続流を遮断することができる避雷碍子装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 一般に、鉄塔の支持アームには支持碍
子を介して電力線が支持されるとともに、同支持アーム
の先端には避雷碍子が支持されている。この避雷碍子の
内部には、電圧−電流特性が非直線性の酸化亜鉛を主材
とする限流素子が収容されている。又、支持碍子の下端
には課電側の放電電極が設けられるとともに、避雷碍子
の下端には接地側の放電電極が設けられ、両放電電極は
所定の気中放電間隙をもって対向されている。そして、
電力線に雷撃による雷サージ電流が侵入すると、その電
流は支持碍子の課電側の放電電極から避雷碍子の接地側
の放電電極にフラッシオーバされるとともに、避雷碍子
内の限流素子を通って支持アーム及び鉄塔を流れて大地
に放電される。又、その後の続流は前記限流素子により
抑制遮断される。
【0003】ところで、隣接する鉄塔間において電力線
に直撃雷があると、その雷撃による雷サージ電流は電力
線を介して隣接する2つの鉄塔側に流れるが、この場
合、雷サージ電流は電力線上の雷撃地点から近い方の鉄
塔に設けられた避雷碍子に先にフラッシオーバされる。
すると、雷サージ電流はフラッシオーバされた側の避雷
碍子に集中して流れて、その1つの避雷碍子に雷サージ
電流のほぼ80%が加わる。このため、電力線に直撃雷
があった場合には、雷サージ電流に対する避雷碍子の責
務が厳しくなるものであった。
【0004】因みに、鉄塔や鉄塔の先端に架設されてい
る架空地線に雷撃があった場合には、その雷撃による雷
サージ電流が、電力線への直撃雷による雷サージ電流と
比較して大きなものとなる場合が多い。しかし、その雷
サージ電流の殆どは鉄塔を流れてそのまま大地に放電さ
れ、避雷碍子には雷サージ電流のほぼ5〜10%程度し
か加わらないため、避雷碍子が雷撃の際に受ける影響は
小さい。これに対して、電力線に直撃雷があった場合に
は、その雷撃による雷サージ電流は鉄塔や架空地線への
雷撃による雷サージ電流と比較して小さなものとなる場
合が多い。しかしながら、前述のように雷サージ電流の
ほぼ80%が避雷碍子に加わるため、その避雷碍子が雷
撃の際に受ける影響が大きくなるのである。このため、
避雷碍子の設計に際しては、電力線への直撃雷を想定し
て、避雷碍子内に設けられる限流素子の容量を決定して
いるのが通常である。
【0005】ところが、一般に冬季に発生する雷(以
下、冬季雷という)は、その雷撃による雷サージ電流が
大きく、しかもその継続時間が長いものである。従っ
て、このような冬季雷が電力線に直撃した場合には、雷
サージ電流に対する避雷碍子の責務が非常に厳しいもの
となり、避雷碍子が早期に劣化するとともに、場合によ
っては避雷碍子が耐量限界に至って破壊されるおそれが
あった。
【0006】このようなこともあって、従来では、特に
冬季雷が発生し易い地域においては、支持アームに対す
る避雷碍子の設置箇所に複数の避雷碍子を並列に設置し
たり、或いは避雷碍子として内部に設けられる限流素子
が大径の大型のものを使用したりして、過大な雷サージ
電流の侵入に耐え得るようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 ところが、前記従来
のように、避雷碍子を複数並列に設けたり大型化したり
すると、それらの重量が増大する。従って、このような
大重量の避雷碍子を安定して支持するために、その避雷
碍子の重量を考慮して支持アーム及び鉄塔を高強度な構
造とする必要があり、それらの構造が重厚で複雑になる
という問題があった。加えて、避雷碍子の設置作業が煩
雑で面倒なものになるという問題もあり、避雷碍子の設
置に要するコストが上昇するものであった。
【0008】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その目的は、避雷碍子を複数並列に
設けたり大型化したりすることなく、避雷碍子の雷サー
ジ電流に対する責務を軽減することができて、電力線に
直撃する冬季雷にも確実に対処することができる避雷碍
子装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成する
ために、請求項1の発明では、鉄塔を地上に立設し、そ
の鉄塔には複数の支持アームを設け、各支持アームには
複数相の電力線を支持する支持碍子及び限流素子を内蔵
する避雷碍子をそれぞれ取り付け、支持碍子には課電側
の放電電極を設け、避雷碍子には前記課電側の放電電極
と所定の気中放電間隙をもって対向する接地側の放電電
極を設けた避雷碍子装置において、前記鉄塔の接地抵抗
値を30〜400Ωに設定したものである。
【0010】又、請求項2の発明では、鉄塔の下端に大
地に埋設される接地電極を設け、その接地電極と鉄塔と
の間に抵抗体を介在させ、その抵抗体の抵抗値を調整す
ることにより前記鉄塔の接地抵抗値を設定するようにし
たものである。
【0011】更に、請求項3の発明では、鉄塔の下端に
大地に埋設される接地電極を設け、その接地電極の大地
に対する接触面積を調整することにより、前記鉄塔の接
地抵抗値を設定するようにしたものである。
【0012】
【作用】 従って、請求項1の発明によれば、電力線に
雷撃による雷サージ電流が流れると、その電流は支持碍
子の課電側の放電電極から避雷碍子の接地側の放電電極
にフラッシオーバされるとともに、避雷碍子内の限流素
子を通って支持アーム及び鉄塔を流れて大地に放電され
る。又、その後の続流は前記限流素子により抑制遮断さ
れる。
【0013】このとき、鉄塔の接地抵抗値が30〜40
0Ωという大きな値であるため、雷サージ電流は鉄塔か
ら大地に放電され難くなる。その結果、課電側の放電電
極から接地側の放電電極にフラッシオーバされる雷サー
ジ電流が小さくなるので、避雷碍子に流れる雷サージ電
流が小さくなって、避雷碍子の雷サージ電流に対する責
務が軽減される。
【0014】尚、雷サージ電流が鉄塔から大地に放電さ
れ難いため、鉄塔に雷撃があった場合には、避雷碍子の
接地側の放電電極から支持碍子の課電側の放電電極にフ
ラッシオーバされる雷サージ電流が大きくなる。その結
果、避雷碍子に流れる雷サージ電流が大きくなって、避
雷碍子の雷サージ電流に対する責務が増大する。しかし
ながら、鉄塔への雷撃があった場合には、避雷碍子を流
れる雷サージ電流が、電力線への直撃雷があった場合と
比較して元々小さいものであるため、避雷碍子の雷サー
ジ電流に対する責務が増大しても、避雷碍子の性能に支
障を生じる程のものではない。
【0015】即ち、鉄塔の接地抵抗値を徐々に大きくし
ていくと、電力線直撃雷においては、避雷碍子の雷サー
ジ電流に対する責務が徐々に減少し、鉄塔雷において
は、避雷碍子の雷サージ電流に対する責務が徐々に増大
する。そして、鉄塔の接地抵抗値を400Ωに近づける
程、避雷碍子の雷サージ電流に対する責務が、電力線直
撃雷と鉄塔雷との場合でほぼ同一になって平均化される
ことが確認された。このため、鉄塔の接地抵抗値を30
〜400Ωという大きなものとして、電力線直撃雷に際
して避雷碍子の雷サージ電流に対する責務を軽減するよ
うにしても、鉄塔への雷撃に際して支障を生じるような
ことはない。
【0016】因みに、鉄塔の接地抵抗値を30〜400
Ωという大きなものとする場合には、避雷碍子を複数相
の電力線にそれぞれ対応して設ける必要がある。即ち、
接地抵抗値が大きな鉄塔に雷撃があった場合には、前述
したように、その雷撃による雷サージ電流が鉄塔から大
地に放電され難い。このため、避雷碍子が全ての電力線
に対応して設けられていない場合には、雷サージ電流が
速やかに放電されず、鉄塔側において電位が大幅に上昇
して、支持碍子や電力線の事故を招くおそれがあるとい
う問題が生じるものであった。しかしながら、本発明で
は、避雷碍子が複数相の電力線にそれぞれ対応して設け
られているので、上記のような問題が生じるおそれはな
い。
【0017】請求項2の発明によれば、鉄塔の設置箇所
における大地の抵抗値が比較的小さい場合には、接地電
極と鉄塔との間に抵抗体を介在させて、その抵抗体の抵
抗値を調整することにより、鉄塔の接地抵抗値を30〜
400Ωに設定すればよい。
【0018】更に、請求項3の発明によれば、鉄塔の設
置箇所における大地の抵抗値が元々大きい場合には、特
に抵抗体を設けることなく、接地電極の大地に対する接
触面積を調整することにより、鉄塔の接地抵抗値を30
〜400Ωに設定すればよい。
【0019】
【実施例】 以下、本発明を具体化した一実施例を図面
に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、鉄塔
1は電力線路に沿って大地E上に多数立設され、それら
の左右両側には支持アーム2が上、中、下段に所定の間
隔をもってそれぞれ支持されている。各支持アーム2の
先端には耐張型の支持碍子3が垂下固定され、各支持碍
子3の下端部には電線把持金具4を介して三相の電力線
5が2回線支持されて、支持アーム2と直交する方向に
延びている。又、前記電線把持金具4には課電側の放電
電極6が取り付けられている。
【0020】前記各支持アーム2の先端には取付アダプ
タ7が電力線5の延在方向と直交する方向へ突出するよ
うに取り付けられ、その取付アダプタ7の先端には避雷
碍子8がその上端部に設けられた接地側のフランジ金具
9をもって垂下固定されている。又、避雷碍子8の下端
部に設けられた課電側の電極金具10には、接地側の放
電電極11が取り付けられ、この放電電極11は前記課
電側の放電電極6と所定の気中放電間隙Gをもって対向
している。
【0021】前記避雷碍子8はその内部に、電圧−電流
特性が非直線性の酸化亜鉛(ZnO)を主材とする限流
素子12を備え、この限流素子12はFRP等の耐張材
料よりなる円筒状の耐圧絶縁筒(図示しない)内に直列
に収容されている。そして、前記フランジ金具9及び課
電側の電極金具10は、耐圧絶縁筒の両端部に嵌合固定
されている。又、耐圧絶縁筒はその外周がゴムモールド
13により被覆されている。尚、フランジ金具9及び課
電側の電極金具10にはゴムモールド13の沿面閃絡時
の損傷を軽減するためのアークホーン14,15がそれ
ぞれ取り付けられている。
【0022】ところで、本実施例では、鉄塔1の接地抵
抗値が30〜400Ωに設定されている。即ち、図1に
示すように、鉄塔1の下端には抵抗体17を介して導電
性金属棒よりなる接地電極16が連結され、その接地電
極16は大地Eに埋設されている。そして、鉄塔1はこ
の接地電極16を介して大地Eに接地されている。抵抗
体17は、例えば酸化亜鉛(ZnO)や炭化シリコン
(SiC)等よりなり、その抵抗値を調整することによ
り、接地電極16を介して接地されている鉄塔1の接地
抵抗値が、30〜400Ωに設定される。つまり、鉄塔
1の設置箇所における大地Eの抵抗値が比較的小さい場
合には、鉄塔1の接地抵抗値を大きくするために、その
鉄塔1と接地電極16との間に抵抗体17を介在させ
る。
【0023】又、特に図示しないが、鉄塔1の設置箇所
における大地Eの抵抗値が元々大きい場合には、抵抗体
17を設けることなく、鉄塔1の下端に接地電極16を
直接連結する。そして、その接地電極16の長さを調整
して、同電極16の大地Eに対する接触面積を調整する
ことにより、鉄塔1の接地抵抗値を30〜400Ωに設
定すればよい。
【0024】尚、18は鉄塔1の頂部間に架設された架
空地線であり、この架空地線18で雷撃を受けることに
より、電力線5に対する落雷を極力阻止するようにして
いる。
【0025】次に、前記のように構成された避雷碍子装
置の作用を説明する。さて、先ず、電力線5に直撃雷が
あった場合についての作用を、図3に示す等価回路を参
照しながら説明する。尚、図3において、Cは雲、Iは
雷撃による電流、Re は雷が通過する雷道のインピーダ
ンス、Rp は電力線のインピーダンス、Ra は鉄塔のイ
ンピーダンス、Rt は鉄塔1の接地抵抗を示す。電力線
5に雷撃があると、その雷撃による雷サージ電流は電力
線5を流れる。そして、その電流は電線把持金具4を介
して課電側の放電電極6に流れるとともに、同放電電極
6から気中放電間隙Gを経て接地側の放電電極11にフ
ラッシオーバされる。そして、雷サージ電流は電極金具
10、限流素子12、フランジ金具9、取付アダプタ
7、及び支持アーム2を経て鉄塔1に流れ、更に抵抗体
17を経て接地電極16により大地Eへ放電される。
又、その後生じる続流は前記限流素子12により抑制遮
断される。
【0026】このとき、本実施例では、鉄塔1の接地抵
抗Rt の値が、従来一般的な設定値である10Ωという
値と比較して、30〜400Ωという大きな値に設定さ
れている。このため、雷サージ電流は鉄塔1から大地E
に放電され難くくなる。その結果、支持碍子3の課電側
の放電電極6から避雷碍子8の接地側の放電電極11に
フラッシオーバされる雷サージ電流が小さくなるので、
避雷碍子8に流れる雷サージ電流が小さくなる。このた
め、避雷碍子8の雷サージ電流に対する責務を軽減する
ことができる。
【0027】尚、接地側の放電電極11にフラッシオー
バされる雷サージ電流が小さくなった分、雷サージ電流
は電力線5側へ流れるが、その電流は、隣接する鉄塔1
上において支持碍子3から避雷碍子11側にフラッシオ
ーバされる。このため、雷サージ電流が電力線5側へ流
れ易くなっても、その電流は複数の避雷碍子8に分流さ
れて大地Eへ確実に放電されるので、支障を生じること
はない。この場合、1つの避雷碍子8に流れる雷サージ
電流は分流されて小さくなっているので、各避雷碍子8
の雷サージ電流に対する責務が厳しいものとなることは
ない。
【0028】このため、冬季雷が発生し易い地域におい
て、冬季雷のおそれがない地域と同等の避雷碍子8を同
様に設置しても、避雷碍子8の早期劣化や破壊のおそれ
がなく、電力線5に直撃する冬季雷に確実に対処するこ
とができる。従って、前記従来とは異なり、避雷碍子を
複数並列に設けたり大型化したりすることによって、避
雷碍子の設置作業が煩雑で面倒になったり、支持アーム
及び鉄塔の構造が重圧で複雑になったりするということ
がなく、避雷碍子8の設置に要するコストを低減するこ
とができる。又、避雷碍子8の雷サージ電流に対する責
務が軽減されることにより、避雷碍子8の小型化を図る
ことも可能となる。
【0029】次に、鉄塔1や架空地線18に雷撃があっ
た場合についての作用を、図4に示す等価回路を参照し
ながら説明する。鉄塔1や架空地線18に雷撃がある
と、その雷撃による雷サージ電流は鉄塔1及び抵抗体1
7を経て、接地電極16により大地Eへ放電される。こ
のとき、前述したように、本実施例では、鉄塔1の接地
抵抗Rt の値が大きな値に設定されて、雷サージ電流が
鉄塔1から大地Eに放電され難い。このため、避雷碍子
8の接地側の放電電極11から支持碍子3の課電側の放
電電極6にフラッシオーバされる雷サージ電流が大きく
なる。その結果、避雷碍子8に流れる雷サージ電流が大
きくなって、避雷碍子8の雷サージ電流に対する責務が
増大する。しかしながら、鉄塔1や架空地線18への雷
撃があった場合には、避雷碍子8を流れる雷サージ電流
が、電力線5への直撃雷があった場合と比較して元々小
さいものであるため、避雷碍子8の雷サージ電流に対す
る責務が増大しても、その避雷碍子8の性能に支障を生
じる程のものではない。
【0030】ここで、電力線直撃雷と鉄塔1や架空地線
18への雷撃とのそれぞれの場合における、鉄塔1の接
地抵抗Rt の値と避雷碍子8の雷サージ電流に対する責
務との関係を図5に示す。尚、同図においては、接地抵
抗Rt の値が10Ωの場合における、電力線直撃雷に際
しての避雷碍子8の責務を100%としている。同図に
示すように、鉄塔1の接地抵抗Rt の値を徐々に大きく
していくと、電力線直撃雷においては、避雷碍子8の雷
サージ電流に対する責務が徐々に減少し、鉄塔1や架空
地線18への雷撃においては、避雷碍子8の雷サージ電
流に対する責務が徐々に増大する。このとき、同図より
明らかなように、鉄塔1の接地抵抗Rtの値を400Ω
に近づける程、避雷碍子8の雷サージ電流に対する責務
が、電力線直撃雷と鉄塔1や架空地線18への雷撃との
場合でほぼ同一になって平均化されることが容易に確認
される。
【0031】このため、鉄塔1の接地抵抗Rt の値を3
0〜400Ωという大きなものとして、電力線直撃雷に
際して避雷碍子8の雷サージ電流に対する責務を軽減す
るようにしても、鉄塔1や架空地線18への雷撃に際し
て、避雷碍子8の雷サージ電流に対する責務が、その避
雷碍子8の性能に支障を生じる程にまでは増大すること
はない。
【0032】因みに、鉄塔1の接地抵抗Rt の値を30
〜400Ωという大きなものとする場合には、避雷碍子
8を複数本の各電力線5にそれぞれ対応して設ける必要
がある。即ち、接地抵抗Rt の値が大きな鉄塔1におい
て、その鉄塔1や架空地線18に雷撃があった場合に
は、前述したように、その雷撃による雷サージ電流が鉄
塔1から大地Eに放電され難い。このため、避雷碍子8
が全ての電力線5に対応して設けられていない場合に
は、雷サージ電流が速やかに放電されず、鉄塔1側にお
いて電位が大幅に上昇して、支持碍子3や電力線5の事
故を招くおそれがあるという問題が生じるものであっ
た。しかしながら、本実施例では、避雷碍子8が複数本
の電力線5にそれぞれ対応して設けられているので、上
記のような問題が生じるおそれはない。
【0033】又、従来では、鉄塔1の接地抵抗Rt の値
を10Ω程度の小さい値にするために各種の対策を施す
必要があったが、本実施例ではそのような対策を施す必
要がほとんどなくなるため、鉄塔1の設置に要するコス
トを低減することができる。
【0034】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、各部の構成を例えば以下のように変更して
具体化することも可能である。 (1)鉄塔1の接地抵抗Rt の値を200〜400Ωの
範囲内に設定すること。この範囲内に設定すれば、電力
線直撃雷に際しての避雷碍子8の雷サージ電流に対する
責務をより軽減できる。
【0035】或いは、鉄塔1の接地抵抗Rt の値を30
0〜400Ωの範囲内に設定すること。この範囲内に設
定すれば、電力線直撃雷に際しての避雷碍子8の雷サー
ジ電流に対する責務を更に軽減できる。又、避雷碍子8
の雷サージ電流に対する責務を、電力線直撃雷と鉄塔1
や架空地線18への雷撃との場合でほぼ同じ程度にして
平均化することができる。
【0036】(2)接地電極として、導電性金属材料を
メッシュ状に形成したものを使用し、これを広げた状態
で大地Eに埋設すること。このとき、鉄塔1の設置箇所
における大地Eの抵抗値が元々大きい場合には、前記実
施例と同じく、抵抗体17を設けることなく、鉄塔1の
下端にこのメッシュ状の接地電極を直接連結する。そし
て、その接地電極の面積を調整して、同電極の大地Eに
対する接触面積を調整することにより、鉄塔1の接地抵
抗値を30〜400Ωに設定する。
【0037】(3)支持碍子として、耐張型の支持碍子
3以外に、例えば懸垂型の支持碍子を使用したものにお
いて具体化すること。
【0038】
【発明の効果】 以上詳述したように本発明によれば、
避雷碍子を複数並列に設けたり大型化したりすることな
く、避雷碍子の雷サージ電流に対する責務を軽減するこ
とができて、電力線に直撃する冬季雷にも確実に対処す
ることができ、しかも鉄塔の接地抵抗値の低減対策の必
要をほとんどなくして、鉄塔の設置に要するコストを低
減することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体化した避雷碍子装置の一実施例
において、鉄塔全体を示す概略説明図である。
【図2】 避雷碍子装置を示す正面図である。
【図3】 電力線に直撃雷があった場合の作用を説明す
るための等価回路図である。
【図4】 鉄塔や架空地線に雷撃があった場合の作用を
説明するための等価回路図である。
【図5】 電力線直撃雷と鉄塔や架空地線への雷撃との
それぞれの場合における、接地抵抗値と避雷碍子の雷サ
ージ電流に対する責務との関係を示す表である。
【符号の説明】
1…鉄塔、2…支持アーム、3…支持碍子、5…電力
線、6…課電側の放電電極、8…避雷碍子、11…接地
側の放電電極、12…限流素子、16…接地電極、17
…抵抗体、18…架空地線、G…気中放電間隙、E…大
地。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄塔を地上に立設し、その鉄塔には複数
    の支持アームを設け、各支持アームには複数相の電力線
    を支持する支持碍子及び限流素子を内蔵する避雷碍子を
    それぞれ取り付け、支持碍子には課電側の放電電極を設
    け、避雷碍子には前記課電側の放電電極と所定の気中放
    電間隙をもって対向する接地側の放電電極を設けた避雷
    碍子装置において、前記鉄塔の接地抵抗値を30〜40
    0Ωに設定した避雷碍子装置。
  2. 【請求項2】 鉄塔の下端に大地に埋設される接地電極
    を設け、その接地電極と鉄塔との間に抵抗体を介在さ
    せ、その抵抗体の抵抗値を調整することにより前記鉄塔
    の接地抵抗値を設定するようにした請求項1に記載の避
    雷碍子装置。
  3. 【請求項3】 鉄塔の下端に大地に埋設される接地電極
    を設け、その接地電極の大地に対する接触面積を調整す
    ることにより、前記鉄塔の接地抵抗値を設定するように
    した請求項1に記載の避雷碍子装置。
JP6059510A 1994-03-29 1994-03-29 避雷碍子装置 Pending JPH07272825A (ja)

Priority Applications (1)

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JP6059510A JPH07272825A (ja) 1994-03-29 1994-03-29 避雷碍子装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100342518B1 (ko) * 1999-10-05 2002-06-28 윤종용 비전도 자기지지형 광 케이블의 트랙킹 방지장치
WO2024067156A1 (zh) * 2022-09-29 2024-04-04 张健 一种高塔电子设备防雷保护装置

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