JPH07268522A - 高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料 - Google Patents
高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料Info
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- JPH07268522A JPH07268522A JP6287994A JP6287994A JPH07268522A JP H07268522 A JPH07268522 A JP H07268522A JP 6287994 A JP6287994 A JP 6287994A JP 6287994 A JP6287994 A JP 6287994A JP H07268522 A JPH07268522 A JP H07268522A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 NCF600よりさらに高い高温強度を有し、かつ
点火プラグとして実用上問題ない程度の熱伝導性、耐酸
化性と冷間加工性を有する材料を提供する 【構成】 重量％で、Ｃ0.10％以下、Si1.0％以下、Mn
2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの１種または２種をMo
＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下を含み、残部は不純物を
除き本質的にNiからなることを特徴とする高温強度にす
ぐれた点火プラグ用電極材料であり、さらに必要に応じ
て、Al１％以下、Ti１％以下、NbとTaの１種または２種
以上をNb＋1/2Taで2.5％未満の範囲内で含むことができ
る。
点火プラグとして実用上問題ない程度の熱伝導性、耐酸
化性と冷間加工性を有する材料を提供する 【構成】 重量％で、Ｃ0.10％以下、Si1.0％以下、Mn
2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの１種または２種をMo
＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下を含み、残部は不純物を
除き本質的にNiからなることを特徴とする高温強度にす
ぐれた点火プラグ用電極材料であり、さらに必要に応じ
て、Al１％以下、Ti１％以下、NbとTaの１種または２種
以上をNb＋1/2Taで2.5％未満の範囲内で含むことができ
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は自動車を初めとする内燃
機関に用いられる点火プラグ用の材料のなかで、特に高
温において高い強度を有する材料に関するものである。
機関に用いられる点火プラグ用の材料のなかで、特に高
温において高い強度を有する材料に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】自動車エンジン等の点火プラグの電極用
には、酸化消耗、火花消耗が少なく燃焼ガスによる腐食
に強く、高温強度が大きくかつ加工性の良い材料が要求
される。従来、Niに少量のSi、Mn、Cr、Al、Ti等を添加
した合金が、高融点で良好な熱伝導性を有するため主に
用いられているが、一部ではさらに耐食性と高温強度の
すぐれたNiー16％Crー８％Fe合金（JIS NCF600、商標
名Inconel600相当）も用いられている。またNCF600をさ
らに改善するため種々の検討がなされており、例えば耐
食性の改善（特開昭63-118039号、特開昭63-118040号、
特開平1-180934号、特公平5-40808号）や冷間加工性の
改善（特公平5-14781号、特公平5-40807号）したものが
提案されている。
には、酸化消耗、火花消耗が少なく燃焼ガスによる腐食
に強く、高温強度が大きくかつ加工性の良い材料が要求
される。従来、Niに少量のSi、Mn、Cr、Al、Ti等を添加
した合金が、高融点で良好な熱伝導性を有するため主に
用いられているが、一部ではさらに耐食性と高温強度の
すぐれたNiー16％Crー８％Fe合金（JIS NCF600、商標
名Inconel600相当）も用いられている。またNCF600をさ
らに改善するため種々の検討がなされており、例えば耐
食性の改善（特開昭63-118039号、特開昭63-118040号、
特開平1-180934号、特公平5-40808号）や冷間加工性の
改善（特公平5-14781号、特公平5-40807号）したものが
提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】近年エンジンの高性能
化に伴い、上記のNCF600でさえも高温強度が十分ではな
い場合があり、耐食性や冷間加工性の向上に加えさらに
高温強度のすぐれた材料が要求されるようになってき
た。前述した各公報に提案されている材料は、いずれも
耐食性や冷間加工性あるいは耐酸化性を主な改善目標と
したもので、本発明が対象とする高温強度に言及したも
のは見当らない。発明者が上記の各公報に提案された材
料について調べた結果、高温強度が不十分か、あるいは
高温強度が高い場合には、冷間加工性が不十分な面が有
り、高性能エンジン用プラグ材として必ずしも満足でき
ない問題があった。本発明の目的は、NCF600よりさらに
高い高温強度を有し、かつ点火プラグとして実用上問題
ない程度の熱伝導性、耐酸化性と冷間加工性を有する材
料を提供することである。
化に伴い、上記のNCF600でさえも高温強度が十分ではな
い場合があり、耐食性や冷間加工性の向上に加えさらに
高温強度のすぐれた材料が要求されるようになってき
た。前述した各公報に提案されている材料は、いずれも
耐食性や冷間加工性あるいは耐酸化性を主な改善目標と
したもので、本発明が対象とする高温強度に言及したも
のは見当らない。発明者が上記の各公報に提案された材
料について調べた結果、高温強度が不十分か、あるいは
高温強度が高い場合には、冷間加工性が不十分な面が有
り、高性能エンジン用プラグ材として必ずしも満足でき
ない問題があった。本発明の目的は、NCF600よりさらに
高い高温強度を有し、かつ点火プラグとして実用上問題
ない程度の熱伝導性、耐酸化性と冷間加工性を有する材
料を提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】通常、高温強度を向上さ
せると必然的に常温強度も高くなるため、プラグ製造時
における曲げ加工が難しくなり、プラグ電極用材料とし
て好ましくない。従って点火プラグ用材料としては、高
温強度を向上させかつ常温強度の上昇をできるだけ抑え
るという、相反する要求を満足させる必要があり、従来
の合金にはこうした要求を満たすものはなかった。本発
明は上記の強度に対する要求に加え、さらに耐酸化性、
熱伝導率等にも考慮して、合金元素の種類、量、組み合
わせを注意深く制御することによりなされたものであ
る。発明者が上記の問題点を解決するために種々検討の
結果、MoとWが特に有効であり、さらにCrとFeの添加量
を調製することが重要であることを見出した。
せると必然的に常温強度も高くなるため、プラグ製造時
における曲げ加工が難しくなり、プラグ電極用材料とし
て好ましくない。従って点火プラグ用材料としては、高
温強度を向上させかつ常温強度の上昇をできるだけ抑え
るという、相反する要求を満足させる必要があり、従来
の合金にはこうした要求を満たすものはなかった。本発
明は上記の強度に対する要求に加え、さらに耐酸化性、
熱伝導率等にも考慮して、合金元素の種類、量、組み合
わせを注意深く制御することによりなされたものであ
る。発明者が上記の問題点を解決するために種々検討の
結果、MoとWが特に有効であり、さらにCrとFeの添加量
を調製することが重要であることを見出した。
【０００５】すなわち本発明は、重量％で、Ｃ0.10％以
下、Si1.0％以下、Mn2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの
１種または２種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下を含
み、残部は不純物を除き本質的にNiからなることを特徴
とする高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料であ
り、また必要に応じて、Al、Ti、Nb、Taを単独または複
合して添加することができる。
下、Si1.0％以下、Mn2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの
１種または２種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下を含
み、残部は不純物を除き本質的にNiからなることを特徴
とする高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料であ
り、また必要に応じて、Al、Ti、Nb、Taを単独または複
合して添加することができる。
【０００６】すなわち、前記材料をベースにして、さら
にAlを添加した材料は、重量％で、Ｃ0.10％以下、Si1.
0％以下、Mn2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの１種また
は２種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下、Ａl 1%以下
を含み、残部は不純物を除き本質的にNiからなることを
特徴とする高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料で
あり、Tiを添加した材料は、重量％で、Ｃ0.10％以下、
Si1.0％以下、Mn2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの１種
または２種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下、Ti１％
以下を含み、残部は不純物を除き本質的にNiからなるこ
とを特徴とする高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材
料であり、さらにAlとTiを添加した材料は、重量％で、
Ｃ0.10％以下、Si1.0％以下、Mn2.0％以下、Cr12〜30
％、MoとＷの１種または２種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe
20％以下、Al１％以下、Ti１％以下を含み、残部は不純
物を除き本質的にNiからなることを特徴とする高温強度
にすぐれた点火プラグ用電極材料である。
にAlを添加した材料は、重量％で、Ｃ0.10％以下、Si1.
0％以下、Mn2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの１種また
は２種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下、Ａl 1%以下
を含み、残部は不純物を除き本質的にNiからなることを
特徴とする高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料で
あり、Tiを添加した材料は、重量％で、Ｃ0.10％以下、
Si1.0％以下、Mn2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの１種
または２種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下、Ti１％
以下を含み、残部は不純物を除き本質的にNiからなるこ
とを特徴とする高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材
料であり、さらにAlとTiを添加した材料は、重量％で、
Ｃ0.10％以下、Si1.0％以下、Mn2.0％以下、Cr12〜30
％、MoとＷの１種または２種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe
20％以下、Al１％以下、Ti１％以下を含み、残部は不純
物を除き本質的にNiからなることを特徴とする高温強度
にすぐれた点火プラグ用電極材料である。
【０００７】また、本発明材料の望ましい組成範囲は、
重量％で、Ｃ0.05％以下、Si0.5％以下、Mn0.8％以下、
Cr15〜25％、Mo2〜10％、Ｗ2〜10％（ただしMo＋1/2Ｗ
で5〜10％）、Al0.02〜0.5％、Ti0.02〜0.5％、Fe2〜15
％を含み、残部は不純物を除き本質的にNiからなること
を特徴とする高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料
である。上記材料は、NbとTaの１種または２種をNb+1/2
Taで2.5%未満含むことができる。
重量％で、Ｃ0.05％以下、Si0.5％以下、Mn0.8％以下、
Cr15〜25％、Mo2〜10％、Ｗ2〜10％（ただしMo＋1/2Ｗ
で5〜10％）、Al0.02〜0.5％、Ti0.02〜0.5％、Fe2〜15
％を含み、残部は不純物を除き本質的にNiからなること
を特徴とする高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料
である。上記材料は、NbとTaの１種または２種をNb+1/2
Taで2.5%未満含むことができる。
【０００８】
【作用】以下に各元素の作用について説明する。Ｃは、
Cr、Ti、Nb、Mo、Ｗ等と結びついて炭化物を形成し、結
晶粒の粗大化防止に有効であるため、少量添加する必要
がある。しかし過度の添加は多量の炭化物形成により冷
間加工性を低下させるため0.10％以下に限定する。望ま
しいＣの範囲は0.003〜0.05％である。SiとMnは、脱酸
元素として添加されるが、いずれも過度の添加は高温強
度の低下を招くため、Siは1％以下、Mnは2％以下に限定
する。望ましくはSi0.5%以下、Mn0.8％以下である。Cr
は、耐酸化性および耐食性を付与するために重要な元素
であり、最低12%必要である。しかしながら過度の添加
は冷間加工性の低下、電気抵抗の増大を招くため30％以
下とする。望ましいCrの範囲は15〜25％である。
Cr、Ti、Nb、Mo、Ｗ等と結びついて炭化物を形成し、結
晶粒の粗大化防止に有効であるため、少量添加する必要
がある。しかし過度の添加は多量の炭化物形成により冷
間加工性を低下させるため0.10％以下に限定する。望ま
しいＣの範囲は0.003〜0.05％である。SiとMnは、脱酸
元素として添加されるが、いずれも過度の添加は高温強
度の低下を招くため、Siは1％以下、Mnは2％以下に限定
する。望ましくはSi0.5%以下、Mn0.8％以下である。Cr
は、耐酸化性および耐食性を付与するために重要な元素
であり、最低12%必要である。しかしながら過度の添加
は冷間加工性の低下、電気抵抗の増大を招くため30％以
下とする。望ましいCrの範囲は15〜25％である。
【０００９】MoとＷは、オーステナイト基地を固溶強化
することにより高温強度増加に寄与し、本発明材料にお
ける重要な元素であり、１種または２種を添加すること
を必須とする。MoとＷの強化作用は概略Mo＋1/2Ｗで整
理でき、NCF600以上の高温強度を得るためにはその値が
最低4％必要である。しかし前述のようにこれら強化元
素の量が多くなるに従って、冷間加工性も低下する。そ
のためMo＋1/2Ｗの値は12％以下とする。なお、常温強
度を低く抑えつつ高温強度を高めるべく種々検討した結
果、両元素を単独で含有させるより複合して含有する方
が、さらに効果が大きいため、MoとＷは複合添加するの
が良い。望ましい範囲はMo2〜10％、Ｗ2〜10％（ただし
Mo＋1/2Ｗで5〜10％）である。
することにより高温強度増加に寄与し、本発明材料にお
ける重要な元素であり、１種または２種を添加すること
を必須とする。MoとＷの強化作用は概略Mo＋1/2Ｗで整
理でき、NCF600以上の高温強度を得るためにはその値が
最低4％必要である。しかし前述のようにこれら強化元
素の量が多くなるに従って、冷間加工性も低下する。そ
のためMo＋1/2Ｗの値は12％以下とする。なお、常温強
度を低く抑えつつ高温強度を高めるべく種々検討した結
果、両元素を単独で含有させるより複合して含有する方
が、さらに効果が大きいため、MoとＷは複合添加するの
が良い。望ましい範囲はMo2〜10％、Ｗ2〜10％（ただし
Mo＋1/2Ｗで5〜10％）である。
【００１０】Feは、本発明材料の合金系においては高温
強度、常温強度とも低下させる方向に働くが、必ずしも
添加する必要はない。しかしFeは、Mo、Ｗを適正に添加
した場合、高温強度を大きく低下させないまま常温強度
を相当量低下させる効果があり、適正な量を添加するの
が良い。しかし、過度に添加すると高温強度の低下、耐
酸化性の低下を招くので20％以下に限定する。望ましい
Feの範囲は2〜15％である。Alは、脱酸剤として添加さ
れるとともに耐酸化性向上にも寄与するため、必要に応
じて添加する。しかしAlを過度に添加すると冷間加工性
を低下させるため、Alの上限を１％以下にするのが良
い。望ましいAlの範囲は0.02〜0.5％である。Tiは、炭
化物および窒化物を形成し結晶粒粗大化防止に有効なた
め、必要に応じて添加する。しかし、Tiを過度に添加す
ると冷間加工性を低下させるため、Tiの上限を１％以下
にするのが良い。望ましいTiの範囲は0.02〜0.5％であ
る。
強度、常温強度とも低下させる方向に働くが、必ずしも
添加する必要はない。しかしFeは、Mo、Ｗを適正に添加
した場合、高温強度を大きく低下させないまま常温強度
を相当量低下させる効果があり、適正な量を添加するの
が良い。しかし、過度に添加すると高温強度の低下、耐
酸化性の低下を招くので20％以下に限定する。望ましい
Feの範囲は2〜15％である。Alは、脱酸剤として添加さ
れるとともに耐酸化性向上にも寄与するため、必要に応
じて添加する。しかしAlを過度に添加すると冷間加工性
を低下させるため、Alの上限を１％以下にするのが良
い。望ましいAlの範囲は0.02〜0.5％である。Tiは、炭
化物および窒化物を形成し結晶粒粗大化防止に有効なた
め、必要に応じて添加する。しかし、Tiを過度に添加す
ると冷間加工性を低下させるため、Tiの上限を１％以下
にするのが良い。望ましいTiの範囲は0.02〜0.5％であ
る。
【００１１】NbおよびTaは、固溶強化および析出強化元
素であり、少量添加で強度向上効果が大きいため、必要
に応じて１種または２種添加することができる。しか
し、過度の添加は、冷間加工性を低下させるため、Nbと
Taの１種または２種をNb+1/2Taで2.5%未満とするのが良
い。ところでNbとTaは、高温強度を重視する場合には有
効であるが、同時に常温強度も相当向上するので、プラ
グを製造するうえでは好ましくなく、むしろMoとＷの適
正な添加によって調製する方が総合的には好ましい。さ
らに本発明材料の合金系には、後述する効果を得る目的
で以下に示す範囲の元素を添加することができる。 Ｂ≦0.015％， Zr≦0.1％， Hf≦0.2％ Mg≦0.02％， Ca≦0.2％ Ｙ≦0.1％， REM≦0.1％
素であり、少量添加で強度向上効果が大きいため、必要
に応じて１種または２種添加することができる。しか
し、過度の添加は、冷間加工性を低下させるため、Nbと
Taの１種または２種をNb+1/2Taで2.5%未満とするのが良
い。ところでNbとTaは、高温強度を重視する場合には有
効であるが、同時に常温強度も相当向上するので、プラ
グを製造するうえでは好ましくなく、むしろMoとＷの適
正な添加によって調製する方が総合的には好ましい。さ
らに本発明材料の合金系には、後述する効果を得る目的
で以下に示す範囲の元素を添加することができる。 Ｂ≦0.015％， Zr≦0.1％， Hf≦0.2％ Mg≦0.02％， Ca≦0.2％ Ｙ≦0.1％， REM≦0.1％
【００１２】ここで各元素の効果は以下の通りである。
すなわち、ＢおよびZrは粒界強化元素として高温の強
度、延性を高め、MgおよびCaは脱酸、脱硫元素として合
金の清浄度および高温の延性を高め、ＹおよびREMは耐
酸化性を向上させる。しかしながら各元素とも上記の量
を越えると初期溶融温度が低下するため熱間加工性を劣
化する。
すなわち、ＢおよびZrは粒界強化元素として高温の強
度、延性を高め、MgおよびCaは脱酸、脱硫元素として合
金の清浄度および高温の延性を高め、ＹおよびREMは耐
酸化性を向上させる。しかしながら各元素とも上記の量
を越えると初期溶融温度が低下するため熱間加工性を劣
化する。
【００１３】
【実施例】真空誘導溶解により表１に示す組成の合金の
10kgのインゴットを溶製し、熱間加工によって30mm角の
棒材を作製した。これに1000℃×１時間保持後空冷の固
溶化処理を施した後、常温および800℃における引張試
験、800℃における電気抵抗および900℃×100保持後の
酸化減量を測定し、その結果を表２に示す。なお電気抵
抗は熱伝導率を推定するために測定したもので、電気抵
抗が高い場合は、熱伝導率が小さいことを示す。
10kgのインゴットを溶製し、熱間加工によって30mm角の
棒材を作製した。これに1000℃×１時間保持後空冷の固
溶化処理を施した後、常温および800℃における引張試
験、800℃における電気抵抗および900℃×100保持後の
酸化減量を測定し、その結果を表２に示す。なお電気抵
抗は熱伝導率を推定するために測定したもので、電気抵
抗が高い場合は、熱伝導率が小さいことを示す。
【００１４】
【表１】
【００１５】
【表２】
【００１６】本発明材料は、いずれも800℃における引
張強度が240Mpa以上と高いにもかかわらず、常温引張強
度は840Mpa以下で、冷間加工性が優れていることを示し
ている。一方、従来材料のNCF600は800℃における引張
強度が186Mpaであり、本発明材料の高温強度がすぐれて
いることがわかる。また本発明材料の電気抵抗は従来材
料のNCF600よりやや高いものの実用可能なレベルであ
る。さらに耐酸化性はNCF600と同等以上である。これに
対して、比較材料の３１はMo、Ｗ量が不足しているため
に高温強度が不足している。比較材料３２はNb添加によ
り高温強度は高いが常温強度も高く成形加工が困難であ
り、また耐酸化性も劣化している。比較材料３３はMo、
Ｗ量が、また比較材料３４はCr量が多すぎるために常温
の強度および電気抵抗が高い。比較材料３５はFe量が多
いために高温強度が不足しかつ耐酸化性も悪い。比較材
料３６はAl、Ti量が多すぎるため常温の強度および電気
抵抗が高い。
張強度が240Mpa以上と高いにもかかわらず、常温引張強
度は840Mpa以下で、冷間加工性が優れていることを示し
ている。一方、従来材料のNCF600は800℃における引張
強度が186Mpaであり、本発明材料の高温強度がすぐれて
いることがわかる。また本発明材料の電気抵抗は従来材
料のNCF600よりやや高いものの実用可能なレベルであ
る。さらに耐酸化性はNCF600と同等以上である。これに
対して、比較材料の３１はMo、Ｗ量が不足しているため
に高温強度が不足している。比較材料３２はNb添加によ
り高温強度は高いが常温強度も高く成形加工が困難であ
り、また耐酸化性も劣化している。比較材料３３はMo、
Ｗ量が、また比較材料３４はCr量が多すぎるために常温
の強度および電気抵抗が高い。比較材料３５はFe量が多
いために高温強度が不足しかつ耐酸化性も悪い。比較材
料３６はAl、Ti量が多すぎるため常温の強度および電気
抵抗が高い。
【００１７】
【発明の効果】本発明材料の合金は、従来合金であるNC
F600よりさらに高い高温強度と点火プラグとして、実用
上問題にならない程度の熱伝導性、耐酸化性および耐食
性を有し、かつ常温強度を適度に低くすることで、冷間
加工性が良好である。本発明材料の合金を用いることに
より、点火プラグの製造が容易で、しかもエンジンの高
性能化が可能となる。
F600よりさらに高い高温強度と点火プラグとして、実用
上問題にならない程度の熱伝導性、耐酸化性および耐食
性を有し、かつ常温強度を適度に低くすることで、冷間
加工性が良好である。本発明材料の合金を用いることに
より、点火プラグの製造が容易で、しかもエンジンの高
性能化が可能となる。
Claims (7)
- 【請求項１】 重量％で、Ｃ0.10％以下、Si1.0％以
下、Mn2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの１種または２
種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下を含み、残部は不
純物を除き本質的にNiからなることを特徴とする高温強
度にすぐれた点火プラグ用電極材料。 - 【請求項２】 重量％で、Ｃ0.10％以下、Si1.0％以
下、Mn2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの１種または２
種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下、Ａl 1%以下を含
み、残部は不純物を除き本質的にNiからなることを特徴
とする高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料。 - 【請求項３】 重量％で、Ｃ0.10％以下、Si1.0％以
下、Mn2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの１種または２
種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下、Ti１％以下を含
み、残部は不純物を除き本質的にNiからなることを特徴
とする高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料。 - 【請求項４】 重量％で、Ｃ0.10％以下、Si1.0％以
下、Mn2.0％以下、Cr12〜30％、MoとＷの１種または２
種をMo＋1/2Ｗで4〜12％、Fe20％以下、Al１％以下、Ti
１％以下を含み、残部は不純物を除き本質的にNiからな
ることを特徴とする高温強度にすぐれた点火プラグ用電
極材料。 - 【請求項５】 重量％で、Ｃ0.05％以下、Si0.5％以
下、Mn0.8％以下、Cr15〜25％、Mo2〜10％、Ｗ2〜10％
（ただしMo＋1/2Ｗで5〜10％）、Al0.02〜0.5％、Ti0.0
2〜0.5％、Fe2〜15％を含み、残部は不純物を除き本質
的にNiからなることを特徴とする高温強度にすぐれた点
火プラグ用電極材料。 - 【請求項６】 重量％で、NbとTaの１種または２種をNb
＋1/2Taで2.5％未満含む請求項１〜５のいずれかに記載
の高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料。 - 【請求項７】800℃における引張強さが240Mpa以上で、
かつ常温の引張強さが840Mpa以下である請求項１〜６の
いずれかに記載の高温強度にすぐれた点火プラグ用電極
材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6287994A JPH07268522A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6287994A JPH07268522A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07268522A true JPH07268522A (ja) | 1995-10-17 |
Family
ID=13213001
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6287994A Pending JPH07268522A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 高温強度にすぐれた点火プラグ用電極材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07268522A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1189318A2 (en) * | 2000-09-18 | 2002-03-20 | Ngk Spark Plug Co., Ltd | Spark plug |
| EP1325965A1 (en) * | 2001-12-21 | 2003-07-09 | Hitachi Metals, Ltd. | Ni-based alloy improved in oxidation-resistance, high temperature strength and hot workability |
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| US6798125B2 (en) * | 2001-10-31 | 2004-09-28 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Spark plug having ground electrode made of NI alloy and noble metal wear resistant portion |
| WO2007018593A1 (en) * | 2005-07-20 | 2007-02-15 | Damascus Steel Casting Company | Nickel-base alloy and articles made therefrom |
| JP2007165291A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-06-28 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 内燃機関用スパークプラグ |
| JP2009541942A (ja) * | 2006-06-19 | 2009-11-26 | フェデラル−モーグル コーポレイション | 点火装置用電極 |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP6287994A patent/JPH07268522A/ja active Pending
Cited By (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1189318A2 (en) * | 2000-09-18 | 2002-03-20 | Ngk Spark Plug Co., Ltd | Spark plug |
| EP1189318A3 (en) * | 2000-09-18 | 2003-07-02 | Ngk Spark Plug Co., Ltd | Spark plug |
| US6724133B2 (en) | 2000-09-18 | 2004-04-20 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Spark plug with nickel alloy electrode base material |
| US6798125B2 (en) * | 2001-10-31 | 2004-09-28 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Spark plug having ground electrode made of NI alloy and noble metal wear resistant portion |
| CN100355168C (zh) * | 2001-10-31 | 2007-12-12 | 日本特殊陶业株式会社 | 火花塞 |
| EP1325965A1 (en) * | 2001-12-21 | 2003-07-09 | Hitachi Metals, Ltd. | Ni-based alloy improved in oxidation-resistance, high temperature strength and hot workability |
| US6852177B2 (en) | 2001-12-21 | 2005-02-08 | Hitachi Metals Ltd. | Ni-based alloy improved in oxidation-resistance, high temperature strength and hot workability |
| US6759795B2 (en) | 2002-02-27 | 2004-07-06 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Spark plug |
| DE10308559B4 (de) * | 2002-02-27 | 2013-07-18 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Zündkerze |
| WO2007018593A1 (en) * | 2005-07-20 | 2007-02-15 | Damascus Steel Casting Company | Nickel-base alloy and articles made therefrom |
| JP2007165291A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-06-28 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 内燃機関用スパークプラグ |
| JP2009541942A (ja) * | 2006-06-19 | 2009-11-26 | フェデラル−モーグル コーポレイション | 点火装置用電極 |
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