JPH0559498A - フエライト系耐熱鋳鋼およびその製造方法 - Google Patents

フエライト系耐熱鋳鋼およびその製造方法

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JPH0559498A
JPH0559498A JP3356337A JP35633791A JPH0559498A JP H0559498 A JPH0559498 A JP H0559498A JP 3356337 A JP3356337 A JP 3356337A JP 35633791 A JP35633791 A JP 35633791A JP H0559498 A JPH0559498 A JP H0559498A
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JP
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cast steel
resistant cast
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less
ferritic heat
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JP3356337A
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Kiwa Genma
喜和 弦間
Shinya Mizuno
慎也 水野
Tsutomu Sekiguchi
勉 関口
Masami Suzuki
正実 鈴木
Shinji Kato
真治 加藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/24Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with vanadium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/22Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with molybdenum or tungsten
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐酸化性、機械加工性及び組織的安定性を犠
牲にすることなく耐熱性の向上を図り、自動車用エンジ
ン排気系への適用性を高める。 【構成】 重量%で、C: 0.05 〜0.5 ,Si :1.0 〜
2.0 ,Mn :0.6 未満,P:0.04未満,S:0.04未満,
Ni :0.5 未満,Cr :10〜20,V:0.1 〜1.0,Nb
:0.5 〜1.0 ,Mo : 0.08 〜0.50,W:0.01未満,
Ce :0.01〜0.2 、残部Fe より成るものを基本とし、
必要によりMn を0.1 〜1.5 wt%と高めに含有させると
共に、S:0.01〜0.2 ,Te :0.01〜0.2 ,Al :0.01
〜0.3 を単独または複合添加し、さらに必要によりCo
:0.1 〜5.0 ,Ti :0.1 〜5.0 を単独または複合添
加し、 850〜1000℃×1〜5時間の焼なまし処理を施
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェライト系耐熱鋳鋼
に係り、特に自動車用エンジンの排気系のエキゾースト
マニホールドやタービンハウジング等に用いて好適な耐
熱鋳鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のエキゾーストマニホールドやタ
ービンハウジングには、従来一般には高Si 球状黒鉛鋳
鉄、ニレジスト等が用いられていたが、自動車用エンジ
ンの高出力化、低燃費化が進む中で、より耐熱性に優れ
た材料の使用が望まれるようになってきている。耐熱性
に優れた材料としては、高Ni 高Cr 系のオーステナイ
ト系耐熱鋼が良く知られているが、これらは鋳造性や機
械加工性に劣り、生産性とコストの点で実用性に乏しい
という問題があった。
【0003】そこで最近、適度の鋳造性と機械加工性と
を備えているところから、高Cr フェライト系耐熱鋳鋼
が注目され、その利用が図られている。しかしながら、
このフェライト系耐熱鋳鋼は、 550〜650 ℃を越えると
高温強度が急激に低下し(例えば、「ステンレス便覧」
日刊工業新聞社 P 513〜521 、「学術月報」Vol.43N
o.1 P 18〜22等参照)、上記した最近のエンジンのもと
では、いま一つ耐熱性が不足するという問題があった。
そこで、例えば特開平1-159354号公報には、重量%で
C:0.06〜0.20 , Mn : 0.3〜1.0 ,Si : 0.4〜2.
0 ,Cr :15〜22を基本組成として、これにNb ,V,
Ni ,Mo ,W等の耐熱性付与元素を0.01〜1.0 %程度
添加したフェライト系耐熱鋳鋼が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報で提案されたフェライト系耐熱鋳鋼によれば、Wを含
んでいるため、フェライト系耐熱鋳鋼のせっかくの特長
である耐酸化性が犠牲になり、その上、Mn を比較的多
く含んでいるため、硬さが上昇して機械加工性が阻害さ
れ、あるいはNi を比較的多く含んでいるため、共析変
態温度が低下して組織的安定性が阻害される虞があり、
充分な満足度が得られないという問題があった。
【0005】本発明は、上記従来の問題を解決すること
を課題としてなされたもので、その目的とするところ
は、耐酸化性、機械加工性、組織的安定性等を犠牲にす
ることなく耐熱性の向上を図り、もって自動車用エンジ
ンの排気系への適用性を高めたフェライト系耐熱鋳鋼を
提供し、併せてその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかゝるフェライト系耐熱鋳鋼は、その基本
成分を、重量%(wt%)で、C: 0.05 〜0.5 ,Si :
1.0〜2.0 ,Mn :0.6未満,P:0.04未満,S:0.04
未満,Ni :0.5 未満,Cr :10〜20,V:0.1〜1.0
,Nb : 0.5〜1.0 ,Mo :0.08〜0.50,W:0.01未
満,Ce :0.01〜0.20、残部Fe より成るように構成し
たことを特徴とする。
【0007】本発明は、溶湯の脱酸を促進しかつ溶湯の
流動性(鋳造性)を高める目的で、上記基本成分におけ
るMn を 0.1〜1.5 wt%と高めに設定しても良いもので
ある。この場合は、Mn 含有量の増大により機械加工性
が低下するので、上記基本成分におけるSを0.01〜0.20
wt%と高めに設定するのが望ましく、所望によりこれに
Te 0.01〜0.2wt %および/またはAl 0.01〜0.3 wt%
をさらに添加するようにしても良い。また本発明は、耐
熱性をより一層向上させる目的で、上記基本成分にCo
0.1 〜5.0 wt%および/またはTi 0.1 〜5.0 wt%をさ
らに添加しても良いものである。この場合も前記同様
に、Mn およびSのそれぞれをMn 0.1〜1.5 wt%、S
0.01〜0.20wt%と高めに設定して良いことはもちろん、
これにAl0.01〜1.00wt%をさらに添加することができ
る。なお、Al については脱酸剤としての効果もあるの
で、Mn やSと組合せることなくこれを単独添加するよ
うにしても良い。
【0008】本発明にかゝるフェライト系耐熱鋳鋼の製
造方法は、上記種々の成分を有する素材を鋳造した後、
850〜1000℃に1〜5時間保持する焼なまし処理を施す
ことを特徴とする。
【0009】こゝで、本発明における成分限定理由につ
いて説明すると、Cは、強度と靭性の向上および溶湯の
流動性(鋳造性)の改善に有効であるが、0.05wt%未満
ではそれらの効果が充分でなく、一方0.50wt%を越える
と耐酸化性を悪化させかつ共析変態温度を下げて組織的
安定が阻害されるので、これを 0.05 〜0.50wt%とし
た。
【0010】Si は、耐酸化性を改善し、共析変態温度
を上昇させ、かつ脱酸剤として有効であるが、1.0 wt%
未満ではそれらの効果が充分でなく、一方2.0 wt%を越
えると低温(常温)での靭性を悪化させかつ高温での強
度を低下させるので、これを1.0〜2.0 wt%とした。
【0011】Mn は、パーライト組織の形成元素である
ことから、本発明のように基地をフェライト組織とする
耐熱鋳鋼には余り好ましくなく、また硬さを上昇させて
機械加工性を阻害するので、これを0.6 wt%未満と低く
抑えた。但し、溶湯の脱酸を促進しかつ鋳造性を高める
目的でMn を高めに設定したい場合は、同時にSを添加
してMn Sを形成させて機械加工性(被削性)の向上を
図るようにする。この場合、0.1 wt%未満ではMn Sの
絶対量が不足し、一方1.5 wt%を越えるとSとのバラン
スがくずれるばかりか、共析変態温度を大きく低下させ
るので、これを0.1〜1.5 wt%とした。
【0012】Pは、0.04wt%以上では熱亀裂(ヒートク
ラック)の発生を助長するので、これを0.04wt%未満と
した。
【0013】Sは、Pと同様に熱亀裂の発生を助長する
ばかりか赤熱脆性の発生を助長するので、これを0.04wt
%未満に抑えることが望ましい。ただし、前記したよう
にMn と共存する場合はMn Sを形成して被削性の向上
に寄与するので、Mn 含有量に応じてその含有量を増大
させることができる。この場合、その含有量が0.01wt%
未満ではMn Sの絶対量が不足し、一方、0.2 wt%を越
えると、前記熱亀裂や赤熱脆性の発生を助長するので、
これを0.01〜0.20wt%とした。
【0014】Cr は、耐酸化性を改善しかつ共析変態温
度を上昇させることからきわめて重要な元素であるが、
10wt%未満ではそれらの効果が充分でなく、一方20wt%
を越えると低温での靭性を低下させ、かつ粗大な一次炭
化物を晶出して機械加工性を悪化するので、これを10〜
20wt%とした。
【0015】Vは、共析変態温度を大きく上昇させかつ
Cr に優先して炭化物を形成して一次のCr 炭化物によ
る機械加工性の悪化を抑制することから、本発明におい
て特に重要な元素の一つであるが、0.1 wt%未満ではそ
れらの効果が充分でなく、一方1.0 wt%を越えると耐酸
化性の悪化を招きかつ高温での強度を低下させるので、
これを0.1 〜1.0wt%とした。
【0016】Nb は、Vと同様に共析変態温度を大きく
上昇させかつCr に優先して炭化物を形成して一次のC
r 炭化物による機械加工性の悪化を抑制し、しかも高温
における二次炭化物の析出を抑制して耐酸化性を向上さ
せる効果を有するが、0.5 wt%未満ではそれらの効果が
充分でなく、一方1.0 wt%を越えると多量の炭化物を形
成して母相中のC量を著しく減少させるので、これを0.
5 〜1.0 wt%とした。
【0017】Mo は、強度を向上させかつ共析変態温度
を上昇させる効果を有するが、0.08wt %未満ではそれ
らの効果が充分でなく、一方0.50wt%を越えると低温で
の靭性を低下させかつ耐酸化性を悪化させるので、これ
を 0.08 〜0.50wt%とした。
【0018】Wは、蒸気圧が高くて、耐酸化性にとって
有効である緻密なCr 酸化膜を破壊して耐酸化性を著し
く悪化させ、かつ低温での靭性も低下させるので、本発
明ではこれを0.01wt%未満の低い値に抑えた。
【0019】Ce は、結晶粒を微細化して低温での靭性
を著しく上昇させるので、本発明において重要な元素で
あるが、0.01wt%未満ではその効果が充分でなく、一方
2.0wt%を越えると逆にその微細化効果が小さくなるの
で、これを0.01〜2.0wt %とした。
【0020】Te は、Mn Sに付着し被削性を向上させ
るが、0.01wt%未満ではその効果が充分でなく、一方0.
2 wt%を越えると歩留まりが著しく悪化するので、これ
を0.01〜0.2 wt%とした。
【0021】Al は、Te と同様にMn Sに付着し被削
性を向上させるばかりか、共析変態温度の上昇および耐
酸化性の向上に寄与し、さらに脱酸剤として有効である
が、0.01wt%未満ではそれらの効果が充分でなく、一方
1.00wt%を越えると低温での靭性を悪化させるので、こ
れを0.01〜1.00wt%とした。
【0022】Co は、高温強度を向上させる効果を有す
るが、0.1 wt%未満ではその効果が充分でなく、5.0 wt
%を越えるとかえって高温強度を低下させかつ靭性も低
下させるので、0.1 〜5.0 wt%とした。
【0023】Ti は、高温強度を向上させる効果を有す
るが、0.1 wt%未満ではその効果が充分でなく、5.0 wt
%を越えると靭性を低下させるので、0.1 〜5.0 wt%と
した。
【0024】
【作用】上記のように構成したフェライト系耐熱鋳鋼に
おいては、Wを微量に抑えることにより耐酸化性の低下
を防止できるばかりか、Mn を低く抑え又はこれを高く
した場合は同時にS,Te ,Al 等の快削性元素を適量
含有させることにより機械加工性を向上させることがで
き、さらにNi を微量に抑えることにより共析変態温度
の低下を抑制して組織的安定性を確保できる。またCo
,Ti を添加することにより高温強度をより一層向上
させることができできる。しかも、鋳造後に焼なまし処
理を行うことにより、マルテンサイトが分解してフェラ
イト地に炭化物が分散する組織状態となり、機械加工性
により優れたフェライト系耐熱鋳鋼が得られるようにな
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面にもとづい
て説明する。
【0026】先ず、本発明における基本組成を確定する
ため、重量%で、0.20C−1.50Si−0.020 以下P−0.0
20 以下S−16.0Cr −0.70Nb −0.20Mo −残部Fe
を基本組成として、これにV,Ni ,Mn ,Ce ,Wを
種々の割合で添加した合金を鋳造し、諸特性に及ぼすこ
れら合金元素の影響を調査した。
【0027】図7は、共析変態温度に及ぼすVの影響を
みたものである。これより、共析変態温度は、Vの含有
量が増すに従って直線的に増大している。したがってオ
ーステナイトの析出を確実に防止してフェライト組織を
安定させるにはVを適当量含有させるのが望ましいこと
が明らかである。
【0028】図8は、同じく共析変態温度に及ぼすNi
の影響をみたものである。これより、共析変態温度は、
Ni の含有量が増すに従って2次曲線的に低下してい
る。そして、その共析変態温度の低下傾向は、特にNi
が0.5 wt%以上となると著しいので、これを0.5 wt%未
満に抑えるのが望ましいことが明らかである。
【0029】図9は、鋳放し状態における硬さに及ぼす
Mn の影響をみたものである。これより、鋳放し状態に
おける硬さは、Mn の含有量が0.5 〜0.7wt %の範囲で
急激に上昇するようになり、したがって機械加工性を向
上させるにはMn を0.6 wt%未満に抑えるのが望ましい
ことが明らかである。
【0030】図10は、常温の機械的性質特に伸びに及
ぼすCe の影響をみたものである。これより、伸びはC
e が約0.01wt%未満ではほとんど変化ないものの、Ce
が約0.01wt%以上になると急激に上昇し、Ce が約0.2
wt%でピークとなり、それ以上Ce が増加すると逆に低
下するようになる。しがたってCe としては0.01〜2.0
wt%とするのが望ましいことが明らかである。
【0031】図11は、酸化減量すなわち耐酸化性に及
ぼすWの影響をみたものである。これより、酸化減量は
Wが0.008 wt%を越えると急激に増加するようになる。
したがって耐酸化性の悪化を防止するには酸化減量が余
り増大しない0.01wt%未満に抑えるのが望ましいことが
明らかである。なお、酸化減量は供試材を大気中で950
℃に100 時間保持する方法によった。
【0032】次に、重量%で、0.05C−1.1 Si −0.3
Mn −0.01P−0.01S−15.3Cr −0.10V−0.80Nb −
0.31Mo −0.005 W−0.05Ce −残部Fe を基本組成と
し、これにCo ,Ti を種々の割合で添加した合金を鋳
造し、高温引張強さに及ぼす両元素の影響を調査した。
なお、引張り試験は950℃で行った。
【0033】図12および図13は、高温引張強さに及
ぼすCo ,Tiの影響をみたものである。これより、高
温引張強さはCo ,Ti 共に、0.1 wt%以上で高値とな
るものの、5.0 wt%を越えると逆に低下する傾向にあ
り、したがって安定した高温強度を得るにはこれらを0.
1 〜5.0 wt%とするのが望ましいことが明らかとなっ
た。
【0034】上記知見をもとに、表1および表2に示す
ごとき組成を有する本発明材1〜16および21〜33
を鋳造し、併せて表3に示すごとき比較材1〜3を鋳造
して、これらを高温引張試験、硬さ試験、ミクロ組織試
験、熱疲労試験、被削性試験および酸化試験の各試験に
供した。なお、高温引張試験は950℃で行った。また
熱疲労試験は直径10mm、長さ15mmの供試材を両端固定
し、100 %拘束しながら250 ℃から950 ℃の熱サイクル
を与え、破断するまでの繰り返し数を求める方法によっ
た。また被削性試験はドリルで孔開けした際のスラスト
側とトルク側との切削抵抗を求めると共に、ドリルの摩
耗幅を求める方法によった。さらに酸化試験は供試材を
大気中で950 ℃に100 時間保持した後、酸化減量を測定
する方法によった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】図1は、高温引張り試験の結果を示したも
のである。これより、本発明材は何れも、比較材1(高
Si 球状黒鉛鋳鉄)に比して高温引張強さが著しく増大
し、比較材2(ニレジスト)および比較材3(JIS SCH
1)に比しても大きいことが明らかになった。また本発
明材の中ではCo ,Ti を含有するものがこれらを含有
しないものに比して高温引張強さが大きく、しかもCo
,Ti の含有量が増すほどそれが大きくなっている。
【0039】表4は硬さ試験の結果を示したものであ
る。なお、硬さ試験は、本発明材1、5〜8については
その鋳放し材および 930℃×3時間の焼なまし材につい
て行った。表2に示す結果より、本発明材1、5および
6は鋳放し状態でも充分硬さは低いが、焼なましによっ
てさらに硬さが低下することが明らかとなった。また本
発明材7および8は、C含有量が比較的高いので鋳放し
状態での硬さが前記した本発明材に比べて高いが、焼な
ましによって充分軟化することが明らかになった。
【0040】
【表4】
【0041】図2および図3は、本発明材1について、
その鋳放し材および焼なまし材のミクロ組織を示したも
のである。これより、鋳放し状態では、図2に示すよう
に、針状のマルテンサイトが認められるが、これを焼な
ましすると、図3に示すようにマルテンサイトが分解し
てフェライト地に炭化物が分散しており、上記焼なまし
により硬さが低下したのは(表4参照)、この組織変化
によってもたらされたことが明らかである。
【0042】図4は、熱疲労試験の結果を示したもので
ある。本発明材1および2は、比較材1〜3に比して何
れも破断するまでの繰り返し数がきわめて多く、耐熱疲
労性に著しく優れていることが明らである。
【0043】図5および図6は、被削性試験の結果を示
したものである。なお、切削抵抗の測定には本発明材1
〜4と比較材3を、摩耗幅の測定には本発明材1、5〜
8の鋳放し材および焼なまし材と比較材1、2をそれぞ
れ供した。図5に示す結果より、本発明材1と比較材3
(JIS SCH1)とほヾ同レベルの被削性を有するが、Mn
を高めに設定しかつS,Te ,Al を単独または複合添
加した本発明材2〜4は著しく被削性が改善されている
ことが明らかとなった。また、図6に示す結果より、本
発明材1、5〜8は、鋳放し状態でも比較材2(ニレジ
スト)に比べて大幅に機械加工性が良好であると共に、
焼なましにより比較材1(高Si 球状黒鉛鋳鉄)に近似
するレベルまで機械加工性が向上することが明らかとな
った。
【0044】表5は、酸化試験の結果を示したものであ
る。これより、本発明材1および2の酸化減量は、比較
材1〜3のいずれに比してもきわめて少なく、耐酸化性
に著しく優れていることが明らかとなった。
【0045】
【表5】
【0046】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
かゝるフェライト系耐熱鋳鋼によればW,Ni を微量に
抑えると共にMn を低く抑えかつ所望によりS,Te ,
Al 等の快削性元素を、あるいはCo ,Ti を含有させ
るようにしたので、耐酸化性、機械加工性、組織的安定
性等を犠牲にすることなく耐熱性の向上を図ることがで
き、自動車用エンジンの高出力化及び低燃費化に大きく
寄与する効果を奏した。また、本フェライト系耐熱鋳鋼
の製造方法によれば、鋳造後に焼なまし処理を行うこと
により硬さが充分に軟化し、機械加工性がより改善され
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかゝるフェライト系耐熱鋳鋼の高温引
張強さを比較材と対比して示すグラフである。
【図2】本フェライト系耐熱鋳鋼の鋳放し状態の金属組
織を示す顕微鏡写真である。
【図3】本フェライト系耐熱鋳鋼の焼なまし状態の金属
組織を示す顕微鏡写真である。
【図4】本フェライト系耐熱鋳鋼の熱疲労特性を比較材
と対比して示すグラフである。
【図5】本フェライト系耐熱鋳鋼の被削性を比較材と対
比して示すグラフである。
【図6】本フェライト系耐熱鋳鋼の被削性を比較材と対
比して示すグラフである。
【図7】共析変態温度に及ぼすV量の影響を示すグラフ
である。
【図8】共析変態温度に及ぼすNi 量の影響を示すグラ
フである。
【図9】硬さに及ぼすMn 量の影響を示すグラフであ
る。
【図10】機械的性質の一つである伸びに及ぼすCe 量
の影響を示すグラフである。
【図11】耐酸化性に及ぼすW量の影響を示すグラフで
ある。
【図12】高温引張強さに及ぼすCo 量の影響を示すグ
ラフである。
【図13】高温引張強さに及ぼすTi 量の影響を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 正実 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 加藤 真治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C: 0.05 〜0.5 ,Si :
    1.0〜2.0 ,Mn : 0.6未満,P:0.04未満,S:0.04
    未満,Ni :0.5 未満,Cr :10〜20,V:0.1 〜1.0
    ,Nb : 0.5〜1.0 ,Mo : 0.08 〜0.50,W:0.01
    未満,Ce :0.01〜0.2 、残部Fe より成るフェライト
    系耐熱鋳鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフェライト系耐熱鋳鋼
    において、その成分のうちのMn を 0.1〜1.5 重量%,
    Sを0.01〜0.20重量%としたもの。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のフェライト系耐熱鋳鋼
    において、Te 0.01〜0.20重量%,Al 0.01〜0.3 重量
    %のうちの何れか1種または2種をさらに添加したも
    の。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のフェライト系耐熱鋳鋼
    において、Co 0.1〜5.0 重量%,Ti 0.1 〜5.0 重量
    %のうちの1種または2種をさらに添加したもの。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のフェライト系耐熱鋳鋼
    において、その成分のうちのMn を 0.1〜1.5 重量%,
    Sを0.01〜0.20重量%としたもの。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載のフェライト系
    耐熱鋳鋼において、Al 0.01〜1.00重量%をさらに添加
    したもの。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちの何れか1項に記載
    の成分を有する素材を鋳造した後、 850〜1000℃で1〜
    5時間保持する焼なまし処理を施すことを特徴とするフ
    ェライト系耐熱鋳鋼の製造方法。
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