JPH07267860A - エペリゾンまたはトルペリゾン経皮吸収製剤 - Google Patents

エペリゾンまたはトルペリゾン経皮吸収製剤

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JPH07267860A
JPH07267860A JP6180594A JP6180594A JPH07267860A JP H07267860 A JPH07267860 A JP H07267860A JP 6180594 A JP6180594 A JP 6180594A JP 6180594 A JP6180594 A JP 6180594A JP H07267860 A JPH07267860 A JP H07267860A
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eperisone
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JP6180594A
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Inventor
Naoko Nishida
尚子 西田
Tsutomu Nekama
務 根釜
Mitsuhiro Yoshida
光宏 吉田
Toshiyuki Ashizawa
敏之 芦沢
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SANSEI SEIYAKU KK
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
SANSEI SEIYAKU KK
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基剤にエペリゾン、トルペリゾンまたはこれ
らの塩と、l−メントールを含有することを特徴とする
経皮吸収製剤である。 【効果】 投与後に腰痛症や肩関節周囲炎などの痛みに
対して本発明に係る化合物が効果を発揮するまでの間、
l−メントールの鎮痛効果が速やかに発現され、全体と
して速効性に優れた経皮吸収製剤を提供することができ
る。また、この製剤はl−メントールの含有により清涼
感を与え、特に夏期における使用に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エペリゾン、トルペリ
ゾンまたはこれらの塩を経皮投与するための経皮吸収製
剤に関し、より詳細には、速効性に優れた、エペリゾ
ン、トルペリゾンまたはこれらの塩の経皮吸収製剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】エペリゾン、トルペリゾンまたはこれら
の塩(以下、これらを総称して「本発明に係る化合物」
と呼ぶ)は、痙性麻痺に基づく諸症状の改善剤;また
は、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、腰痛症などの疾患に
よる筋緊張状態の改善剤として有効な中枢系の骨格筋弛
緩薬である。
【0003】通常、本発明に係る化合物は経口的に投与
されている。しかし、一般に薬物を経口投与すると、腸
で吸収された薬物が肝臓で代謝されるため、かなりの量
の薬物が、患部で薬効を発現する前に肝臓で分解され
る。さらに、薬物が短時間に吸収されるために副作用を
生じやすい。
【0004】これに対して、経皮吸収製剤を用いて、薬
物(生理活性物質)を皮膚を介して循環系に吸収させる
ことが行われている。一般に、経皮投与法にはつぎのよ
うな利点がある。すなわち、経皮投与では、吸収された
薬物が肝臓での代謝によって分解されることなく、患部
に到達する。また、経皮投与では、経口投与に見られる
ような胃腸障害が生じにくい。さらに、経皮投与により
薬物の放出量を調整すれば、たとえば、薬物が短時間に
大量に吸収されることに起因する副作用を軽減すること
が可能である。また、経皮投与では長時間にわたり一定
の薬物放出速度を維持することができ、薬物の投与回数
を減らすことができる。
【0005】l−メントールは従来からパップ剤などに
使用されており、また、例えば特開昭60−15241
3には、l−メントールを配合することにより薬物の経
皮吸収を促進する組成物が開示されている。
【0006】また、本発明に係る化合物が経皮吸収され
る薬物であること自体は公知である。この薬物を含む経
皮吸収製剤としては、特開昭64−52716号公報
に、基剤中に経皮吸収促進剤として、炭素数8〜12の
脂肪酸モノグリセライドおよび/または炭素数12〜1
8の脂肪酸アルコールの乳酸エステルを含ませることに
より、本発明に係る化合物の経皮吸収性を顕著に向上さ
せた経皮吸収製剤が記載されている。また、特開平4−
217979に、基剤中に水膨潤性の架橋ポリビニルピ
ロリドン(クロスポビドン)を含ませることにより、本
発明に係る化合物を効果的に経皮吸収せしめ得る経皮吸
収製剤が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
に係る化合物は中枢系の薬剤であることから、吸収のラ
グタイムの存在により、腰痛症、肩関節周囲炎などにお
ける痛みを訴えている患者に対する治療に当たり、速効
性が十分でなかった。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、エペリゾン、トルペリ
ゾンまたはこれらの塩を含む製剤で、速効性の優れた経
皮吸収製剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による経皮吸収製
剤は、基剤に本発明に係る化合物であるエペリゾン、ト
ルペリゾンまたはこれらの塩と、l−メントールを含有
することを特徴とするものである。
【0010】本発明による経皮吸収製剤の形態は、テー
プ製剤、パッチ剤、パップ剤、プラスター剤、軟膏剤、
クリーム製剤などであり得る。テープ製剤、パッチ剤、
プラスター剤、パップ剤などの貼付剤は、適当な支持体
上に薬物含有層が設けられてなる。1回当たりの投与量
を精度良く調整するためには、これらの貼付剤が好まし
く使用され得る。さらに、使用時の簡便性を考慮すると
テープ製剤、プラスター剤およびパッチ剤が好ましい。
【0011】基剤中に含まれる本発明に係る化合物、l
−メントール、吸収促進剤の各含有量は、軟膏剤、クリ
ーム剤では製剤自体に対する含有量に相当し、テープ製
剤、プラスター剤、パップ剤などの貼付剤では、製剤か
ら支持体や剥離紙を除いた部分すなわち薬物含有層(膏
体層)の部分に対する含有量に相当し、パッチ剤ではリ
ザーバー層に含ませる基剤に対する含有量に相当する。
この点は本明細書全体を通して共通である。
【0012】以下、本発明による経皮吸収製剤の各構成
成分および製造法について詳しく説明する。
【0013】a) 本発明経皮吸収製剤に用いられる薬
物は、本発明に係る化合物であるエペリゾン、トルペリ
ゾンまたはこれらの塩である。これらは、痙性麻痺に基
づく諸症状の改善剤、または、頸肩腕症候群、肩関節周
囲炎、腰痛症などの疾患による筋緊張状態の改善剤とし
て施用されている。
【0014】エペリゾン、トルペリゾンの塩としては、
塩酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩などが例示され
る。
【0015】本発明に係る化合物は、後述する基剤中に
溶解させるか、あるいは基剤中に飽和溶解度以上の割合
で配合されて微結晶状態で基剤中に分散させる。
【0016】本発明に係る化合物の含有量は、好ましく
は0.05〜30重量%の割合であり、より好ましくは
0.1〜20重量%の割合である。本発明に係る化合物
の含有量が、0.05重量%未満であると、薬物の投与
単位面積当たりの経皮吸収効果が充分でなく、経皮吸収
製剤の実用的な投与面積(150cm2 以下)で薬効を発
現し得るに充分な血中濃度を得ることができないことが
ある。また、この含有量が30重量%を超えると、製剤
の基剤割れなどが生じやすく、たとえば貼付剤において
はその貼付性が低下することがある。
【0017】b) l−メントールは、ハッカ油の主成
分で天然に広く存在し、爽快な清涼感を与えるだけでな
く、覚醒作用や局所刺激作用を有する。これは製剤中に
好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜
10重量%の割合になるように配合される。l−メント
ールを配合することにより、中枢神経系の筋弛緩薬であ
る本発明に係る化合物が吸収されてから薬効を発揮する
までのラグタイム中に、l−メントールの鎮痛効果が得
られ、製剤全体として鎮痛効果が速効的に発揮される。
さらに、l−メントールの配合により爽快な清涼感が得
られ、この製剤は特に夏期における使用に好適である。
l−メントールの含量が過少であると肩こり、腰痛症な
どに対する速効性がよくなく、過多であるとメントール
臭が強すぎる。
【0018】c) つぎに、基剤について各製剤ごとに
説明する。
【0019】テープ剤、プラスター剤、パップ剤などの
基剤としては、本発明に係る化合物、l−メントール、
吸収促進剤などとの相溶性に優れ、かつ該製剤を常温で
皮膚表面に長時間固定しうる粘着力を有する粘着剤が用
いられる。このような粘着剤としては、アクリル系粘着
剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤などが例示され
る。粘着物性およびコストを考慮すると、アクリル系粘
着剤およびゴム系粘着剤が好ましい。
【0020】アクリル系粘着剤としては、特に、アルキ
ル基の炭素数4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの単独重合体または共重合体、あるいは上記(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとその他の官能性モノ
マーとの共重合体が好適に用いられる。
【0021】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アク
リル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウ
リル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
イソブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリ
ル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸
ステアリルなどが例示される。
【0022】上記官能性モノマーの例としては、水酸基
を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、
アミド基を有するモノマー、ピロリドン環を有するモノ
マーなどが挙げられる。水酸基を有するモノマーとして
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートなどが例示される。カル
ボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メ
タクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸;マレイン
酸ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル;マレ
イン酸;フマル酸;クロトン酸などが例示される。無水
マレイン酸もマレイン酸と同様の(共)重合成分を与え
る。アミド基を有するモノマーとしては、アクリルアミ
ド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド
などのアルキル(メタ)アクリルアミド;N−ブトキシ
メチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルア
ミドなどのN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド;ジアセトンアクリルアミドなどが例示される。ピロ
リドン環を有するモノマーとしてはN−ビニル−2−ピ
ロリドンなどが例示される。
【0023】上記以外の共重合性モノマーとしては、酢
酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニ
ル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジ
エンなども使用できる。
【0024】(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共
重合体を製造するには、全共重合モノマー成分中に(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルが50重量%以上含有
されることが好ましい。
【0025】アクリル系粘着剤の製造用モノマー成分に
は、さらに必要に応じて多官能性モノマーが加えられ、
上記モノマー成分と共重合される。この多官能性モノマ
ーの添加により、生成する重合体間にごくわずかに架橋
が生じ、それにより粘着剤の内部凝集力が増大する。そ
のため貼付された皮膚の性状や発汗量にほとんど無関係
に貼付剤剥離時のいわゆる糊残り現象がほぼ解消せられ
る。しかも、この多官能性モノマーの添加は薬物の放出
性や低皮膚刺激性には何ら悪影響を与えない。このよう
な多官能性モノマーとしては、たとえば、ジ(メタ)ア
クリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メ
タ)アクリレートなどが例示されるが、これに限定され
ない。より具体的には、ヘキサメチレングリコールやオ
クタメチレングリコールなどのポリメチレングリコール
類と(メタ)アクリル酸とを結合させて得られるジ(メ
タ)アクリレート;ポリエチレングリコールやポリプロ
ピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類と
(メタ)アクリル酸とを結合させて得られるジ(メタ)
アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレートやグリセリントリ(メタ)アクリレートなど
のトリ(メタ)アクリレート;およびペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)
アクリレートが例示される。これら多官能性モノマーは
2種以上を組み合わせて用いてもよい。多官能性モノマ
ーは、粘着剤の製造に供される、多官能性モノマー以外
の全モノマー100重量部に対し、0.005〜0.5
重量部の割合で使用される。多官能性モノマーの使用量
が0.005重量部未満であると、架橋による内部凝集
力向上の効果が小さく、また0.5重量部を超えると重
合により得られる粘着剤がゲル化を起こし易く、薬物の
拡散・放出にも影響が現われる。
【0026】アクリル系粘着剤を調製するには、通常、
重合開始剤の存在下に所要のモノマーの溶液重合を行
う。ただし、重合形態はこれに限定されない。また重合
反応条件は主としてモノマーの種類により適宜選定され
る。
【0027】ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、合成イ
ソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテ
ル、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、
スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン
共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体などが使用される。
【0028】シリコーン系粘着剤としては、ポリオルガ
ノシロキサンなどのシリコンゴムが使用される。
【0029】上記粘着基剤中には、必要に応じて各種配
合剤が添加され得る。このような配合剤としては、例え
ば、ロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クロマン−イン
デン樹脂、石油系樹脂、テルペンフェノール樹脂などの
粘着付与剤;液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状イ
ソブチレン、液状ポリアクリレートなどの可塑剤;充填
剤;老化防止剤などが挙げられる。
【0030】本発明の製剤がパップ剤である場合には、
その基剤としては、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、
コーンスターチ、トラガントガムなどの天然ポリマー;
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースなどのセルロース系ポリマー;
デキストリン、カルボキシメチルデンプンなどのデンプ
ン系ポリマー;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸
ナトリウム、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合
体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドンなどの
合成ポリマーが使用される。これらの基剤には、必要に
応じて、精製水;グリセリン、プロピレングリコールな
どの多価アルコールでなる保湿剤;カオリン、ペントナ
イト、亜鉛華、二酸化チタンなどの無機充填剤;粘度調
整剤;架橋剤;老化防止剤などが添加されていてもよ
い。
【0031】本発明の製剤を軟膏剤またはクリーム製剤
として使用する場合の基剤としては、ミツロウ、油脂、
ラノリン、白色ワセリン、パラフィン、ハイドロカーボ
ンゲル(プラスチベースR 、ブリストルマイヤーズスク
イーブ社製)、高級脂肪酸、高級アルコール、乳化剤、
マクロゴール、カルボキシビニルポリマーなどが使用さ
れる。これらの基剤には、必要に応じて、クロタミト
ン、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、セバ
シン酸ジエチルなどの脂溶性溶解剤;エタノール;水溶
性溶解剤として、グリセリンなどの多価アルコール;p
H調整剤などが添加されてもよい。
【0032】d) 本発明の経皮吸収製剤は、薬物の経
皮透過性を向上させる目的で、必要に応じて、適当な吸
収促進剤を含有してもよい。吸収促進剤としては、ミリ
スチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、ソルビタ
ンモノラウレート、グリセリンモノオレート、オレイル
リン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オクチル
フェニルエーテル、ポリエチレングリコール付加オクチ
ルフェニルエーテル、ラウリルエーテル、ポリエチレン
グリコール付加ラウリルエーテル、ソルビタンモノオレ
ート、ポリエチレングリコール付加ソルビタンモノオレ
ート、ラウロイルジエタノールアミド、ラウロイルサル
コシン、オレオイルサルコシンシュガーエステル、クロ
スポビドン、レシチン、グリチルレチン、尿素、サリチ
ル酸、チオグリコール酸カルシウム、乳酸、乳酸エステ
ル、オリーブ油、スクワレン、ラノリン、流動パラフィ
ン、グリセリンなどが用いられる。
【0033】クロスポビドンは、米国Pharmacopeia NF
XVII (公定書)にも記載されているように、N−ビニ
ル−2−ピロリドンの架橋ホモポリマーであり、11.
0〜12.8重量%(無水状態で)の範囲で窒素原子を
含む物質である。市販されているクロスポビドンの好適
な例としては、BASF社製のコリドンCL(登録商
標)、コリドンCL−M(登録商標)、IPS社製のポ
リプラスドンXL(登録商標)、ISP社製のポリプラ
スドンINF−10(登録商標)などがある。
【0034】特に好ましい吸収促進剤は、炭素数12〜
18の脂肪族アルコールと乳酸とのエステルである。こ
のような乳酸エステルとしては、乳酸ミリスチル、乳酸
ラウリル、乳酸セチルなどがある。
【0035】吸収促進剤の含有量は20重量%以下であ
り、好ましくは0.1〜10重量%である。吸収促進剤
の含有量が20重量%を越えると、得られる製剤の皮膚
刺激性が大きくなり、これを皮膚に投与した場合に、発
赤やかゆみが生じる。
【0036】e) つぎに、本発明の経皮吸収製剤の調
製法について説明する。
【0037】本発明の経皮吸収製剤が軟膏剤およびクリ
ーム製剤である場合、本発明に係る化合物、l−メント
ール、および必要に応じて吸収促進剤を基剤中に添加
し、混合して調製される。
【0038】本発明の経皮吸収製剤が、テープ製剤、パ
ッチ剤、プラスター剤、パップ剤などの貼付剤である場
合には、本発明の経皮吸収製剤は、適当な支持体の表面
に、本発明に係る化合物、l−メントール、基剤、およ
び必要に応じて吸収促進剤を含有する薬物含有層を積層
して調製される。支持体表面に薬物含有層を形成する方
法としては、溶液塗工法、ホットメルト塗工法、電子線
硬化エマルジョン塗工法などの種々の公知の塗工法が適
用され得る。特に溶媒塗工法が好適に使用され得る。溶
媒塗工法では、まず、上記基剤を適当な溶媒で希釈し、
これに、本発明に係る化合物、l−メントール、およ
び、必要に応じて、吸収促進剤および各種配合剤を添加
する。得られた分散液を支持体表面に塗布し、乾燥させ
て溶媒を除去することによって目的とする貼付剤が形成
される。また、上記分散液を剥離紙に塗工し乾燥した
後、得られた薬物含有層を支持体に密着させてもよい。
このようにして支持体上に形成される薬物含有層の厚み
は、使用目的により異なるが、好ましくは約30μm〜
約200μmの範囲内である。薬物含有層の上には、こ
の層を保護する目的で使用時まで剥離紙が貼付されても
よい。
【0039】これらの貼付剤に用いられる支持体として
は、貼付剤に通常使用される支持体のいずれもが使用可
能である。支持体の素材としては、例えば、酢酸セルロ
ース、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレー
ト、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸メチル共重合体、ナイロン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウムなどがある。こ
れらの素材は、単層のシート、または2枚以上のシート
の積層体として使用され得る。あるいは、アルミニウム
以外の素材は、織布や不織布としても使用され得る。
【0040】このようにして調製された貼付剤は、患部
に貼付して使用される。
【0041】
【作用】本発明による経皮吸収製剤は、本発明に係る化
合物と基剤とを含有する経皮吸収製剤において、l−メ
ントールを配合したものであるので、投与後に腰痛症や
肩関節周囲炎などの痛みに対して本発明に係る化合物が
効果を発揮するまでの間、l−メントールの鎮痛効果が
速やかに発現され、全体として速効性に優れた経皮吸収
製剤が提供せられる。
【0042】
【実施例】以下においては本発明の実施例について述べ
る。 実施例1 1)貼着基剤の調製 2−エチルヘキシルアクリレート75.5重量%と、N
−ビニル−2−ピロリドン24.5重量%と、前二者の
和100重量部に対しヘキサメチレングリコールジメタ
クリレート0.04重量部とをセパラブルフラスコに仕
込み、重合初期のモノマー濃度が85重量%となるよう
に酢酸エチルを加えた。この溶液を窒素雰囲気下に温度
60℃に加熱し、重合開始剤である過酸化ラウロイルお
よび酢酸エチルを逐次少量ずつ添加し、32時間重合反
応を行った。生成した重合物に酢酸エチルを加えて、固
形分濃度43%の基剤溶液を得た。
【0043】2)貼付用配合物含有液の調製 得られた基剤溶液200重量部に、塩酸エペリゾン(エ
ーザイ化学社製)10重量部と、ポリプラスドンINF
−10(クロスポビドン、ISP社製)2重量部と、l
−メントール(高砂香料社製、局方品)6重量部を添加
し、ディゾルバー中で充分に攪拌し、塩酸エペリゾンの
微結晶とポリプラスドンINF−10の微粒子とが溶液
中に均一に分散した塗工液を調製した。
【0044】3)経皮吸収製剤の調製 この塗工液を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレ
ート製の剥離紙上に塗布し、温度60℃のギアオーブン
中で30分間乾燥させて、薬物含有層を形成した。この
薬物含有層を厚さ30μmのポリエチレンテレフタレー
トとエチレン−酢酸ビニル共重合体積層フィルム(日本
マタイ社製)に密着させて、10重量%の塩酸エペリゾ
ンと2重量%のポリプラスドンINF−10を含有す
る、厚さ50μmの薬物含有層が積層されたテープ製剤
を得た。l−メントールの含量は調製工程中の揮発の結
果2重量%となった。
【0045】実施例2 1)粘着基剤の調製 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(日
本ゼオン社製、QTC3420)100重量部、ポリブ
テン(日本石油化学社製、HV−300F)33重量
部、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学社製、アルコン
P−90)283重量部、流動パラフィン250重量部
およびブチルヒドロキシトルエン4重量部をシクロヘキ
サンに添加・混合して、固形分濃度45重量%の基剤溶
液を得た。
【0046】2)貼付用配合物含有液の調製 得られた基剤溶液200重量部に、塩酸エペリゾン5重
量部およびl−メントール15重量部を添加し、ディゾ
ルバー中で充分に攪拌し、塩酸エペリゾンの微結晶が溶
液中に均一に分散した塗工液を調製した。
【0047】3)経皮吸収製剤の調製 この塗工液を用いて、実施例1と同様にしてテープ製剤
を調製した。このテープ製剤の薬物含有層には、5重量
%の塩酸エペリゾンが含有され、l−メントールの含量
は5重量%であった。
【0048】実施例3 1)実施例1の工程1)において得られた基剤溶液20
0重量部に塩酸トルペリゾン(シグマ社製)17.4重
量部、乳酸セチル(VAN DYK社製)5.8重量
部、l−メントール17.4重量部を添加し、ディゾル
バー中で充分に攪拌し、塩酸トルペリゾンの微結晶が溶
液中に均一に分散した塗工液を調製した。
【0049】2)経皮吸収製剤の調製 この塗工液を用いて、実施例1と同様にして経皮吸収製
剤を調製した。このテープ製剤の薬物含有層には、15
重量%の塩酸トルペリゾンと5重量%の乳酸セチルが含
有され、l−メントールの含量は5重量%であった。
【0050】比較例1 実施例1の工程2)において、l−メントールを配合せ
ずに、それ以外は実施例1と同じ操作で経皮吸収製剤を
調製した。
【0051】比較例2 1)貼付用配合物含有液の調製 実施例2の工程1)において得られた基剤溶液200重
量部に塩酸エペリゾン4.7重量部を添加し、ディゾル
バー中で充分に攪拌し、塩酸エペリゾンの微結晶が溶液
中に均一に分散した塗工液を調製した。
【0052】2)経皮吸収製剤の調製 この塗工液を用いて、実施例1と同様にして経皮吸収製
剤を調製した。このテープ製剤の薬物含有層には、5重
量%の塩酸エペリゾンが含有されていた。
【0053】比較例3 1)貼付用配合物含有液の調製 実施例1の工程1)において得られた基剤溶液200重
量部に塩酸トルペリゾン16.2重量部および乳酸セチ
ル(VAN DYK社製)5.4重量部を添加し、ディ
ゾルバー中で充分に攪拌し、塩酸トルペリゾンの微結晶
が溶液中に均一に分散した塗工液を調製した。
【0054】2)経皮吸収製剤の調製 この塗工液を用いて、実施例1と同様にして経皮吸収製
剤を調製した。このテープ製剤の薬物含有層には、15
重量%の塩酸トルペリゾンと5重量%の乳酸セチルが含
有されていた。
【0055】性能試験 実施例1〜3および比較例1〜3の経皮吸収製剤につい
て、薬物の経皮吸収性およびl−メントールの移行率を
次の方法により評価した。
【0056】<薬物の経皮吸収性>実施例1〜3および
比較例1〜3の各経皮吸収製剤を100cm2 のサイズ
に打ち抜き、それぞれ試験片を得た。電気バリカンある
いは電気シェーバーを用いて脱毛処理した日本白色種家
兎の背部に、上記試験片を貼付し、血漿中の薬物濃度の
経時変化を液体クロマトグラフィで測定した。
【0057】<l−メントールの移行率>実施例1〜3
および比較例1〜3の各経皮吸収製剤を100cm2
サイズに打ち抜き、それぞれ試験片を得た。電気バリカ
ンあるいは電気シェーバーを用いて脱毛処理した日本白
色種家兎の背部に、上記試験片を貼付し、3時間後のテ
ープ中残存l−メントール量を液体クロマトグラフィで
測定し、次の式により移行率を求めた。
【0058】
【0059】結果を表1にまとめて示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明の経皮吸収製剤によれば、投与後
に腰痛症や肩関節周囲炎などの痛みに対して本発明に係
る化合物が効果を発揮するまでの間、l−メントールの
鎮痛効果が速やかに発現され、全体として速効性に優れ
た経皮吸収製剤を提供することができる。
【0062】また、この製剤はl−メントールの含有に
より清涼感を与え、特に夏期における使用に好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦沢 敏之 埼玉県本庄市銀座3丁目6番3号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基剤にエペリゾン、トルペリゾンまたは
    これらの塩と、l−メントールを含有することを特徴と
    する経皮吸収製剤。
JP6180594A 1994-03-31 1994-03-31 エペリゾンまたはトルペリゾン経皮吸収製剤 Pending JPH07267860A (ja)

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