JPH0726694U - 連続式熱処理炉 - Google Patents

連続式熱処理炉

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JPH0726694U
JPH0726694U JP5850793U JP5850793U JPH0726694U JP H0726694 U JPH0726694 U JP H0726694U JP 5850793 U JP5850793 U JP 5850793U JP 5850793 U JP5850793 U JP 5850793U JP H0726694 U JPH0726694 U JP H0726694U
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treatment furnace
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惣一 高橋
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石川島播磨重工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイクルタイムを短縮させて生産効率を向上
させることのできる熱処理炉を提供する。 【構成】 内部を密閉可能な処理室30と、該処理室の
入口に連設して設けられ、その内部を処理室と同じ雰囲
気に置換する前室31と、前記処理室の出口に連設して
設けられ、その内部を前記雰囲気に置換する後室32
と、前記前室から前記処理室に被処理物Mを移送する第
1の移送装置33と、前記処理室から前記後室に被処理
物を移送する第2の移送装置35とを備えるとともに、
前記処理室は、その内部が加熱ゾーン42と冷却ゾーン
44とに区画され、前室から搬入された被処理物を加熱
ゾーンから冷却ゾーンにわたって列をなした状態で連続
的に搬送する搬送装置34が設けられていることを特徴
とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、加熱、冷却の処理を連続的に行なうことのできる熱処理炉、特に、 処理室の前後に、処理室と同じ雰囲気に置換する置換室が設けられた連続式熱処 理炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、連続式熱処理炉としては、単室型バッチ式の熱処理炉に比べて生産効率 やエネルギー効率の点で有利である多室型の熱処理炉が広く用いられるようにな ってきている。
【0003】 図12に従来の多室型連続式の熱処理炉の例としてホットプレス装置を示す。 このホットプレス装置は、装置本体1の中央部に断熱材によりホットプレス室2 を形成するとともに、その入口の手前に前室3を、また、その出口の後方に冷却 室4をそれぞれ配置してなる3室型のものであって、被処理物5を前室3からホ ットプレス室2、冷却室4へと移送して連続的に処理を行なうように構成されて いる。
【0004】 前記被処理物5は、粉末状の試料6が充填された円筒状のダイス7の上下に、 それぞれ上パンチ8、下パンチ9が装着されたものである。
【0005】 ホットプレス室2は、その上下に上部プレスラム10、下部プレスラム11が それぞれ設けられているとともに、内部にヒータ12が取付けられており、下部 プレスラム11の上端に前記被処理物5を載置し、ヒータ12により被処理物5 を加熱しつつ、プレスシリンダ13を作動させて下部プレスラム11を押し上げ てその底面を図示しないストッパで支持し、上部プレスラム10により上パンチ 8をダイス7に対して相対的に押し下げて被処理物5内の試料6を高温下で押圧 するようになっている。
【0006】 前室3は処理前の被処理物5を収納しておくためのもの、また、冷却室4は処 理後の被処理物5を冷却するためのものであって、前室3には、その前部に挿入 口を開閉するためのドア14が設けられているとともに、後部にはホットプレス 室2に通じる通路を開閉するための中間ドア15が設けられ、また、冷却室4に は、その後部に取出口を開閉するためのドア16が設けられているとともに、前 部にはホットプレス室2に通じる通路を開閉するための中間ドア17が設けられ ている。前記中間ドア15はホットプレス室2の前部に設けられているドア18 とともに、また、前記中間ドア17はホットプレス室2の後部に設けられている ドア19とともに、それぞれエアシリンダ20、21によって上方に引き上げら れるようになっている。
【0007】 そして、ホットプレス室2、前室3、冷却室4は、それらの内部の真空度や温 度等の雰囲気を各々個別に調整できるようになっており、そのための真空排気装 置や、雰囲気ガスの供給装置、温度制御装置等が備えられている。
【0008】 また、前室3および冷却室4の内部には、それぞれ、伸縮自在とされてその先 端部をホットプレス室2内に進入させ得るテレスコピック型の搬送装置22、2 3が設けられ、前室3内の搬送装置22によって処理前の被処理物5が前室3か らホットプレス室2へ移送され、また、冷却室4内の搬送装置23によって処理 後の被処理物5がホットプレス室2から冷却室4に取り出されるようになってい る。
【0009】 前記従来の連続式熱処理炉では、前室3内に収納しておいた被処理物5を搬送 装置22によってホットプレス室2内に移送し、中間ドア15およびドア18を 閉じてホットプレス室2内の所定の真空度および温度に調整した後、そこでホッ トプレス処理を行ない、処理終了後には、中間ドア17およびドア19を開いて 被処理物5を搬送装置23によって冷却室4に移送し、そこで所定時間冷却した 後、取出口から取り出す。なお、被処理物5を前室3からホットプレス室2に移 送する際、ホットプレス室2から冷却室4に移送する際には、それらの間のドア や中間ドアを開閉するに先立って双方の室内を同一雰囲気に調整する。
【0010】 そして、被処理物5を前室3からホットプレス室2に移送したら直ちに次に処 理すべき被処理物5を前室3に収納し、また、ホットプレス処理後の終了した被 処理物5を冷却室4に移送したら前室3内の被処理物5を直ちにホットプレス室 2に移送して連続的に処理を行なうことにより、バッチ式により処理する場合に 比べてサイクルタイムを短縮することができ、生産性を向上させることができる ものである。たとえば、処理時間として、ホットプレスに要する時間が9時間( プレスに先立つ昇温時間としての6時間を含む)、冷却に要する時間が3時間で ある場合には、バッチ式熱処理炉ではサイクルタイムが12時間となるが、前記 の3室型連続式ホットプレス装置では、ホットプレスと冷却とを同時に行なうこ とができるので、図13に示したようにサイクルタイムを9時間に短縮すること ができる。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のホットプレス装置では、ホットプレス室2内におい て被処理物5を低温状態から加熱するため、図13に示したようにかなりの昇温 時間(前記の例の場合には6時間)を要するものである。したがって、そのサイ クルタイムはバッチ式のものよりは短縮できるものの、必ずしも十分に満足し得 るものではない。このため、サイクルタイムをより短縮することを目的として、 前記3室型のホットプレス装置における前室3の代わりに予熱室を設け、被処理 物5をホットプレス室2に移送する前に予熱室において予熱することでホットプ レス室2における昇温時間を短縮させることが検討されている。
【0012】 ところが、通常、一連のホットプレス処理においては、全体の処理時間中に占 める昇温時間の割合がかなり大きい場合が多く、特に、高温下でのホットプレス になる程、その傾向は強くなってくる。また、時によっては、比較的低温下での ホットプレスにおいても脱脂等の目的で長時間加熱を必要とする場合があり、そ れとは逆に、昇温時間に比べて長い冷却時間を必要とする場合もある。すなわち 、一連の処理においては、昇温時間、ホットプレス時間、冷却時間の各処理時間 が大きく異なる場合が多いので、たとえホットプレス装置が予熱室、ホットプレ ス室、冷却室の3室を備えていても、各室における処理時間がアンバランスなた め、3室を備えた利点が充分生かされないという問題があった。
【0013】 本考案は、上記の事情に鑑みてなされたもので、サイクルタイムを短縮させて 生産効率を向上させることのできる熱処理炉を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る連続式熱処理炉は、内部を密閉可能な処理室と、該処理室の入 口に連設して設けられ、その内部を処理室と同じ雰囲気に置換する前室と、前記 処理室の出口に連設して設けられ、その内部を前記雰囲気に置換する後室と、前 記前室から前記処理室に被処理物を移送する第1の移送装置と、前記処理室から 前記後室に被処理物を移送する第2の移送装置とを備えるとともに、前記処理室 は、その内部が加熱ゾーンと冷却ゾーンとに区画され、前室から搬入された被処 理物を加熱ゾーンから冷却ゾーンにわたって列をなした状態で連続的に搬送する 搬送装置が設けられていることを特徴としている。
【0015】 請求項2に係る連続式熱処理炉は、請求項1記載の連続式熱処理炉において、 前記処理室の加熱ゾーンには、被処理物を加圧処理するためのプレス装置が設け られていることを特徴としている。 請求項3に係る連続式熱処理炉は、請求項1または2記載の連続式熱処理炉に おいて、前記搬送装置は、チェーンプッシャ式の搬送装置が採用されていること を特徴としている。
【0016】 請求項4に係る連続式熱処理炉は、請求項1ないし3のいずれかに記載の連続 式熱処理炉において、前記処理室には、該処理室内部をさらに複数の室に区切る ための開閉自在のドアが設けられていることを特徴としている。 請求項5に係る連続式熱処理炉は、請求項1ないし4のいずれかに記載の連続 式熱処理炉において、前記処理室には、その入口側および出口側に、それぞれ前 記第1の移送装置または搬送装置により搬送された被処理物を一旦収納して待機 させておくための待機室が設けられていることを特徴としている。
【0017】
【作用】
請求項1記載の連続式熱処理炉では、処理室の内部に多数の被処理物を並べて 連続的に移送していき、その間に所望のパターンで加熱、冷却を行なう。したが って、同時に多数の被処理物に対して、加熱、冷却処理を行なうことができる。
【0018】 請求項2記載の連続式熱処理炉によれば、処理室の略中央部にプレス装置が設 けられている構成とされているため、多数の被処理物が連続して移送される一連 の円滑な流れの過程で加圧処理が行なわれる。
【0019】 請求項3記載の連続式熱処理炉によれば、搬送装置としてチェーンプッシャ式 のものが採用されているため、同搬送装置の耐熱性、耐久性が向上する。また、 チェーンプッシャ式搬送装置は、構造が容易であり小型であるため、その分、熱 処理炉の装置全体が小型になる。
【0020】 請求項4記載の連続式熱処理炉によれば、処理室には、処理室内をさらに複数 の室に区切るための開閉自在のドアが設けられた構成とされているため、特に、 加熱ゾーンを複数の室に区切ることにより、より厳密な温度管理が可能となる。
【0021】 請求項5記載の連続式熱処理炉によれば、処理室には、その入口側および出口 側に、それぞれ被処理物を一旦収納して待機させておくための待機室が設けられ た構成とされているため、前室と後室において処理室と同じ雰囲気に置換するた めに要する時間の長さの如何に関わらず、被処理物の移送が途絶えることなく連 続的に行なわれる。
【0022】
【実施例】
以下、本考案をホットプレス装置を有する連続式熱処理炉に適用した一実施例 について図1ないし図11を参照して説明する。 図1に示すように、本実施例の連続式熱処理炉は、処理室30と、処理室30 の入口の手前に設けられた前室31と、処理室30の出口の後方に設けられた後 室32とを直線状に連設してなる3室型のものであって、これら各室がドア36 〜39で仕切られ、それぞれ密閉された独立の雰囲気で被処理物Mを処理するも のである。
【0023】 前記処理室30は、その内部を真空に保持可能であるとともに、被処理物Mを 加熱してホットプレス処理するための加熱ゾーン42と、ホットプレス処理のな された被処理物Mを冷却するための冷却ゾーン44と、第1、第2の待機室90 、91とから構成される。一方、前室31および後室32は、それぞれ内部を真 空に置換するものである。 そして、図1に示すように、前室31の前段に配置されている外部ローダ62 から装入ドア36を通して前室31に装入した被処理物Mを、移送装置および搬 送装置(詳細は後述)33〜35により各室31、30、32間にわたって順次 前方に移送していって、後述するように、加熱、ホットプレス、冷却の各処理を 行ない、処理のなされた被処理物Mを搬出ドア39から後室32の後段の外部ア ンローダ63に取り出すようにされたものである。
【0024】 前記被処理物Mは、複数のワ−クm、m‥からなり、これらワ−クm、m‥が トレー60、60‥上に載置された状態で各室31、30、32内を移送される ようになっている。各ワ−クm、m‥は、図6に示すように、1個のトレー60 上に、ワ−クm、m‥3個が1ブロックとされて、被処理物Mの移送方向前後左 右に計4ブロック、すなわち、計12個のワ−クm、m‥が載置されている。ま た、図4に示すように、ワ−クm、m‥は、その下端をトレー60、60‥の貫 通孔81に嵌合され、フランジ82により支持されている。なお、これらトレー 60、60‥は、2個ずつ継手83、83‥によって連結されている。
【0025】 図1に示すように、前記処理室30の加熱ゾーン42は、その内部全体が断熱 壁40で囲まれるとともに、所定の温度パターンで加熱が行なえるように制御さ れるヒータ41が備えられている。また、その内部は、複数の室45〜50に分 かれており、前記の処理を各室45〜50それぞれにおいて数段階に分けて行う ようになっている。 すなわち、図1のTで処理室30内の温度勾配を示したように、第1の昇温帯 45で常温から500度まで昇温した後、第1の均熱帯46で500度に均熱し 、ついで、第2の昇温帯47で500度から600度まで昇温した後、第2の均 熱帯48で600度に均熱し、その後、ホットプレス帯49でホットプレスを行 なった後、保熱帯50で保熱を行なうのである。 そして、これらの加熱を行なうために、図4に示すように、各帯45〜50に は、それぞれ上下左右4面ヒータ58、58‥と、中間ヒータ59、59‥が設 けられている。
【0026】 また、ホットプレス帯49の上下には、図5に示すように、上部プレスフレー ム65から吊り下げられた形態で設けられた上部プレスラム66と、下部プレス フレーム67に対して上向きに取付けられたプレスシリンダ68によって押し上 げられる下部プレスラム69とがそれぞれ4軸設けられている。前述のように、 1つのトレー60には、ワ−クm、m‥が4ブロックに分けられ計12個載置さ れているため、ラム1軸につき1ブロック3個のワ−クm、m‥を同時に押圧す るようになっている。 そして、被処理物Mは、ホットプレス帯49の定位置に移送された状態で、プ レスシリンダ68が作動して下部プレスラム69が押し上げられると、貫通孔8 1にフランジ82で支持されていたワ−クm、m‥がトレー60から若干持ち上 げられて、ワ−クm、m‥の上面が上部プレスラム66の下面に押圧される。 押圧完了後は、下部プレスラム69を下降させ、ワ−クm、m‥がトレー60 に降ろされた後、このトレー60はホットプレス帯49から保熱帯50へ移送さ れる。
【0027】 図1に示すように、冷却ゾーン44は、その壁部が水冷2重壁43で構成され ている。
【0028】 そして、図1に示すように、前室31の前部、後室32の後部、前室31と第 1の待機室90の間、第2の待機室91と後室32の間には、それぞれ装入ドア 36、搬出ドア39、中間入口ドア37、中間出口ドア38が設けられている。 図3および図7に示すように、これらのドア36〜39は、全てOリング85、 85‥によって気密が保持された気密式ドアである。
【0029】 また、図1に示すように、第1の昇温帯45の前部、第1の昇温帯45と第1 の均熱帯46の間、第1の均熱帯46と第2の昇温帯47の間、第2の昇温帯4 7と第2の均熱帯48の間、第2の均熱帯48とホットプレス帯49の間、ホッ トプレス帯49と保熱帯50の間、および保熱帯50の後部にはそれぞれ、第1 の昇温帯入口ドア51、第1の均熱帯入口ドア52、第2の昇温帯入口ドア53 、第2の均熱帯入口ドア54、ホットプレス帯入口ドア55、保熱帯入口ドア5 6、保熱帯出口ドア57が設けられている。これらのドア51〜57は断熱壁4 0の一部を構成する断熱式ドアである。
【0030】 また、これら気密式ドア36〜39、断熱式ドア51〜57はいずれも上下に 開閉自在であり、被処理物Mの出入りに対応してエアシリンダ64、64‥によ って開閉されるようになっている。 図5に示すように、断熱式ドア51〜57は、閉じた時に、その下端面をトレ ー60、60‥の上面に密着させ断熱する。このように断熱することによって、 1つのトレー60上に配置されているワ−クm、m‥相互の温度差を少なくして 均熱性の向上を図っている。
【0031】 前記移送装置および搬送装置33〜35は、図3、図5および図7に示すよう に、トレー60、60‥を各室の底部にそれぞれ列をなして設けられた第1〜第 6のフリーローラ70〜75上に載置した状態で搬送するもので、第1の移送装 置33は前室31の底部に設けられて前室31から処理室30への移送に使用さ れ、第2の移送装置34は処理室30の底部に設けられて処理室30内の移送に 使用され、搬送装置35は後室32の底部に設けられて処理室30から後室32 への搬送に使用されるようになっている。 すなわち、この連続式熱処理炉において被処理物Mの搬送経路は水平方向に略 一直線上に延びたものとなっている。
【0032】 そして、図6に示すように、被処理物Mを載置したトレー60、60‥は、被 処理物Mの移送方向前後端を互いに密着され、各帯45〜50のハースローラ6 1、61‥上に連続的に配列されるようになっており、この一列に配列されたト レー60、60‥の列は、それらの被処理物Mの移送方向最後部のトレー60の 後端部が、被処理物Mの移送方向前方に押されることでトレー60、60‥列全 体が加熱ゾーン42から冷却ゾーン44へ前進するようにされている。 ここで、トレー60、60‥は、例えば、4分毎に1トレー分移動するピッチ で移送される。そして、トレー60、60‥に載置された被処理物Mは、この速 度で順に前室31、第1の待機室90、加熱ゾーン42、冷却ゾーン44、第2 の待機室91、後室32を前進している間にそれぞれ必要な処理が行なわれる。
【0033】 各移送装置および搬送装置33〜35は、図8および図9に示すようにそれぞ れ、リンクチェーン76、76‥の先端にドッグプレート77a〜cを連結し、 さらに、ドッグプレート77a〜cの先端にプッシャチルチング78a〜cを回 動可能に連結し、かつリンクチェーン76、76‥およびドッグプレート77a 〜cの側面にはサイドローラ79、79‥を取付けておき、図3および図7に示 すスプロケット84、84‥をギヤードモータ(図示せず)で回転させて、リン クチェーン76、76‥をチェーンガイド80、80‥に沿って、往復動作させ るようにしたものである。
【0034】 一方、第1、第2の待機室90、91は処理室30のそれぞれ入口側と出口側 に設けられ、搬送された被処理物Mを一旦収納して待機させておくものである。 すなわち、被処理物Mが搬送される一定の速度よりも、前室および後室31、3 2において真空に置換するために要する時間が長くかかる場合に、それにより被 処理物Mの供給が途切れてしまうことがないように、その真空置換時間内で処理 する被処理物Mの数を収納して待機させておくためのものである。本実施例では 、被処理物Mの1ピッチの移動間隔が4分間であり、前室および後室31、32 での真空置換時間が8分間であるため、第1、第2の待機室90、91にはそれ ぞれ2個の被処理物Mが収納されるようになっている。
【0035】 つぎに、被処理物Mの前室31への装入方法および後室32からの搬出方法に ついて図10および図11を参照して説明する。なお、本連続式熱処理炉は、ス イッチ(図示せず)を操作して装置を始動させると、制御装置(図示せず)によ り自動運転されるようになっている。
【0036】 図10、11の矢印は、移送装置および搬送装置33〜35のプッシャチルチ ング78a〜cの移動経路を示しており、図10に示すように、まず、被処理物 Mの載ったトレー60、60‥が前室31に装入される際には、前室31の装入 ドア36が開き、外部ローダ62により2個の連結状態のトレー60、60が( A)の位置から前室31の手前位置(B)まで押し込まれる。そして、後側トレ ー60の前部に形成されている開口部60aに、第1の移送装置33のプッシャ チルチング78aが掛合して(C)の位置からトレー1個分離れた前室31の定 位置(D)までトレー60、60が押し込まれる。ついで、ドッグプレート77 aが前室31後方の定位置(C)に戻される。
【0037】 つぎに、前室31が真空置換されて処理室30と均圧にされ、中間入口ドア3 7が開き、プッシャチルチング78aが(C)の位置から後方トレー60の後端 面に当接して2個のトレー60、60を第1の待機室90後方位置(E)まで移 動する。つまり、トレー60、60は2個分移動されることになる。 ついで、第1の待機室90の搬送装置34により、前記(C)から(D)への 移動と同様にして(F)から(G)にトレー60、60が押し込まれる。その後 、ドッグプレート77bは(F)の位置に戻されて、後方トレー60の後端部を 押圧しながら、(H)、(I)で示すようにトレー60、60を1個分ずつ搬送 する。
【0038】 つぎに、図11に示すように、処理の終了した被処理物Mが第2の待機室91 から後室32に搬出される際には、後室32を処理室30と均圧にした後、後室 32の中間出口ドア38が開かれ、プッシャチルチング78cが第2の待機室9 1内の(J)で示す位置まで導かれる。そして、後方トレー60の開口部60a にプッシャチルチング78cが掛合してトレー60、60が(J)から(K)に 引き出された後、中間出口ドア38が閉じられる。ついで、後室32を大気圧に 復圧後、搬出ドア39が開かれ、トレー60、60が(K)から(L)へ搬出さ れる。その後、外部アンローダ63で前方トレー60の開口部60bにプッシャ チルチングが引っ掛けられて、前後2個のトレー60、60が(M)から(N) に搬出される。
【0039】 前記構成の実施例では、処理室30の内部に多数の被処理物Mを並べて連続的 に移送していき、その間に所望の加熱、ホットプレス、冷却が行なえるため、同 時に多数の被処理物Mに対して処理を行なうことができる。 また、処理室30内部の加熱帯、ホットプレス帯、冷却ゾーンのそれぞれの炉 長を、その被処理物Mの加熱、ホットプレス、冷却の各工程に要する時間の割合 に応じた長さにすれば、被処理物Mを一定の速度で滞ることなく移送することが でき、被処理物Mが各室を前進している間に必要な処理を行なうことができるた め、生産効率を向上させることができる。
【0040】 上記のことから、本実施例では、サイクルタイムを被処理物Mを載せた1トレ ー60が移動する時間間隔(4分間)とすることができ、さらに、処理室30の 炉長を長くして処理室30内に並べることのできるトレー60、60‥数を増加 させれば、1トレー60、60‥の移動する時間間隔をさらに短縮することがで き、生産性を一層向上させることができる。
【0041】 処理室30には、処理室30内をさらに複数の室に区切るための開閉自在の断 熱式ドア51〜57が設けられた構成とされているため、加熱時のより厳格な温 度管理が可能である。また、各室の移送時に被処理物Mが低温雰囲気内を通るこ とがないため、温度降下を防ぐことができる。
【0042】 処理室30には、その入口側および出口側に、搬送された被処理物Mを一旦収 納して待機させておくための第1、第2の待機室90、91が設けられているた め、前室31、後室32において真空に置換するために要する時間が長くても被 処理物Mの移送が途絶えることがなく生産効率が落ちることがない。 また、図10に示すように、第1の待機室90が処理室30の入口側に設けら れ、被処理物Mの搬送時に第1の移送装置および搬送装置33、34が高温雰囲 気内に入ることがないため、同移送装置および搬送装置がダメージを受けること なく故障の可能性を低くすることができるとともに熱損失も防ぐことができる。
【0043】 さらに、本実施例の移送装置および搬送装置33〜35は、チェーンプッシャ 式を採用しているので、構造が容易であり小型であるため、その分装置全体を小 型にすることができる。
【0044】 また、ホットプレス帯49での押圧方式は、下部プレスラム69をプレスシリ ンダ68によって押し上げる、いわゆる下押し方式であり、被処理物Mが持ち上 げられた状態で押圧されるので、下部プレスラム69および上部プレスラム66 の両方による押圧効果が得られ、押圧力を被処理物M全体に均一に分布させる効 果を奏することができる。
【0045】 なお、本実施例においては、ホットプレス帯49に被処理物Mの押圧軸を4軸 設けたことにより単軸の場合に比べて生産効率は増加したが、この押圧軸をさら に多く設置してもよく、そのようにすれば、さらに生産効率を向上させる効果が ある。また、予備プレスやコールドプレスを行なう必要がある場合には、昇温帯 45、47や均熱帯46、48や保熱帯50に押圧軸を設けてもよい。
【0046】 さらに、本実施例では、下部プレスラム69をプレスシリンダ68によって押 し上げる下押しを行なうように構成したが、それに加えて、上部プレスラム66 をプレスシリンダによって押し下げるように構成し、上部プレスラム66による 上押しを行なったり、下部プレスラム69と上部プレスラム66の双方による両 押しを行なうことも可能である。
【0047】 また、本実施例においては、冷却ゾーン44の冷却は水冷2重壁43の中で自 然冷却とする方式としたが、これに代えて、処理室30全体をガス雰囲気とする 場合、冷却ゾーン44ではガス雰囲気冷却が適用され、冷却時間を短縮できる。 さらに、循環ファンで冷却ガスを強制循環させれば中低温域での急速冷却も可 能である。この場合、循環ファンの取付位置は、炉体の側面に取付ける内部ファ ン方式、炉体のダクトを経由して循環させる外部ファン方式のいずれも適用可能 である。
【0048】
【考案の効果】
請求項1記載の連続式熱処理炉によれば、処理室の内部に多数の被処理物を並 べて連続的に移送していき、その間に所望のパターンで加熱、冷却処理を行なう ことができるため、同時に多数の被処理物に対して加熱、冷却処理を行なうこと ができる。
【0049】 請求項2記載の連続式熱処理炉によれば、処理室の加熱ゾーンにプレス装置が 設けられている構成とされているため、被処理物が連続して移送される一連の円 滑な流れの過程で加圧処理を行なうことができる。
【0050】 請求項3記載の連続式熱処理炉によれば、搬送装置としてチェーンプッシャ式 のものが採用されているため、同搬送装置の耐熱性、耐久性が向上するという効 果が得られる。また、チェーンプッシャ式搬送装置は構造が容易であり、小型で あるため、その分熱処理炉の装置全体が小型になるという効果が得られる。
【0051】 請求項4記載の連続式熱処理炉によれば、処理室には、処理室内をさらに複数 の室に区切るための開閉自在のドアが設けられた構成とされているため、特に、 加熱ゾーンを複数の室に区切ることにより、より厳格な温度管理が可能となると いう効果を奏することができる。
【0052】 請求項5記載の連続式熱処理炉によれば、処理室には、その入口側および出口 側に、それぞれ被処理物を一旦待機させておくための待機室が設けられた構成と されているため、前室と後室において処理室と同じ雰囲気に置換するために要す る時間の長さの如何に関わらず、被処理物の移送が途絶えることがなく、生産効 率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す正断面図である。
【図2】同実施例の前室部分を示す側断面図である。
【図3】同実施例の被処理物の移送方向後方部分の拡大
正断面図である。
【図4】同実施例のプレス装置部分を示す側断面図であ
る。
【図5】同実施例の被処理物の移送方向中央部分の拡大
正断面図である。
【図6】図5のA−A線矢視図である。
【図7】同実施例の被処理物の移送方向前方部分の拡大
正断面図である。
【図8】同実施例におけるチェーンプッシャ式搬送装置
の先端部を示す側面図である。
【図9】同正面図である。
【図10】前記第1および第2の搬送装置の動作手順を
示す図である。
【図11】前記第3の搬送装置の動作手順を示す図であ
る。
【図12】従来の熱処理炉の一例を示す正断面図であ
る。
【図13】従来の熱処理炉の処理工程を説明するための
図である。
【符号の説明】
30 処理室 31 前室 32 後室 33 第1の移送装置 34 搬送装置 35 第2の移送装置 42 加熱ゾーン 44 冷却ゾーン 49 ホットプレス帯(プレス装置) 51 第1昇温帯入口ドア(ドア) 52 第1の均熱帯入口ドア(ドア) 53 第2の昇温帯入口ドア(ドア) 54 第2の均熱帯入口ドア(ドア) 55 ホットプレス帯入口ドア(ドア) 56 保熱帯入口ドア(ドア) 57 保熱帯出口ドア(ドア) 90 第1の待機室(待機室) 91 第2の待機室(待機室) M 被処理物

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を密閉可能な処理室と、 該処理室の入口に連設して設けられ、その内部を処理室
    と同じ雰囲気に置換する前室と、 前記処理室の出口に連設して設けられ、その内部を前記
    雰囲気に置換する後室と、 前記前室から前記処理室に被処理物を移送する第1の移
    送装置と、 前記処理室から前記後室に被処理物を移送する第2の移
    送装置とを備えるとともに、 前記処理室は、その内部が加熱ゾーンと冷却ゾーンとに
    区画され、前室から搬入された被処理物を加熱ゾーンか
    ら冷却ゾーンにわたって列をなした状態で連続的に搬送
    する搬送装置が設けられていることを特徴とする連続式
    熱処理炉。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の連続式熱処理炉におい
    て、前記処理室の加熱ゾーンには、被処理物を加圧処理
    するためのプレス装置が設けられていることを特徴とす
    る連続式熱処理炉。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の連続式熱処理炉
    において、前記搬送装置は、チェーンプッシャ式の搬送
    装置が採用されていることを特徴とする連続式熱処理
    炉。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の連
    続式熱処理炉において、前記処理室には、該処理室内部
    をさらに複数の室に区切るための開閉自在のドアが設け
    られていることを特徴とする連続式熱処理炉。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の連
    続式熱処理炉において、前記処理室には、その入口側お
    よび出口側に、それぞれ前記第1の移送装置または搬送
    装置により搬送された被処理物を一旦収納して待機させ
    ておくための待機室が設けられていることを特徴とする
    連続式熱処理炉。
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