JPH0726045A - 印刷性に優れた塗工ポリオレフィンフィルム - Google Patents

印刷性に優れた塗工ポリオレフィンフィルム

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JPH0726045A
JPH0726045A JP19523793A JP19523793A JPH0726045A JP H0726045 A JPH0726045 A JP H0726045A JP 19523793 A JP19523793 A JP 19523793A JP 19523793 A JP19523793 A JP 19523793A JP H0726045 A JPH0726045 A JP H0726045A
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JP
Japan
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weight
polyolefin film
film
ink
copolymer
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JP19523793A
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English (en)
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Isao Sunaga
勲 須長
Motoshi Henho
素志 辺保
Takashi Ohashi
隆 大橋
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Yupo Corp
Original Assignee
Yupo Corp
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 汎用のオフセットインキを用いて印刷を施し
ても、オフセットインキ中のビヒクルにより、フイルム
が凹凸になったり、カールしたりするのを防止した、印
刷性、筆記性に優れた塗工ポリオレフィンフイルムを提
供する。 【構成】 ポリオレフィンフィルムの片面又は両面に、
下記樹脂組成物の塗工層が設けられたポリオレフィンフ
ィルム。(A).アクリロニトリル等ニトリル化合物、
メタクリル酸メチル、特定のエステル、アクリル酸メチ
ル、ビニルエステル類より選ばれたソフトモノマーおよ
び上記以外のビニルモノマーの各特定量を共重合して得
られたガラス転移点が30℃以下の共重合体70〜92
重量%、(B).ポリビニルアルコール3〜10重量%
(C).無機微細粉末5〜20重量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフセット印刷を施し
ても、オフセットインキ中のビヒクルにより、フィルム
が凹凸になったり、カールしたりするのを防止した、印
刷性、筆記性に優れた塗工ポリオレフィンフィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】通常、オフセット印刷といわれているリ
ソグラフは、多色印刷が容易にできるので、紙、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、
塗工紙等の印刷に使用されている。特に、汎用の乾燥型
オフセットインキは、次に示す表1及び表2の組成より
構成されている。
【0003】
【表1】
【0004】
【表2】 上記ビヒクルは、印刷インキを構成する成分のうち液体
の部分で、顔料を分散させてインキに流動性を与え、印
刷機上で、インキ壺から各ローラー,版,ブランケット
を経て被印刷面へと円滑に移動させることと、印刷後に
は固体に変化して、顔料を印刷面に固着させるのが役目
であり、アマニ油型,アルキッド型,速乾性樹脂型,ヒ
ートセット型に分類されている。
【0005】特に、近年では、印刷速度を向上させるた
めに、オフセットインキの乾燥時間を早めることが要求
されているので、該インキのビヒクルとしての乾性油に
は樹脂と鉱油(高沸点石油系溶剤)を配合した速乾性イ
ンキが使用されている。しかしながら、これら速乾型の
オフセットインキを用いて、ポリオレフィンフィルムや
無機微細粉末含有ポリオレフィンフィルムの延伸物より
なる合成紙(特公昭46−40794号公報、特開昭6
1−279543号公報、同61−3748号公報等参
照)に印刷を施すと、速乾型オフセット印刷に用いられ
るオフセットインキのビヒクル(特に鉱油等の高沸点石
油系溶剤)によってポリオレフィンが膨潤され、印刷し
たフィルムの表面に部分的に凹凸を生じさせたり、或い
は、フィルム全面に印刷を施すと、フィルム全体がカー
ルが発生するなどの、いわゆる溶剤アタックが生ずるの
で、実際に使用するには困難であった。
【0006】従って、ポリオレフィンフィルム用のオフ
セット印刷インキには、速乾性を犠牲にした鉱油の配合
されていないポリオレフィンフィルム用の特殊オフセッ
トインキが実際には使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかるポリオ
レフィンフィルム用の特殊なオフセットインキは、乾燥
時間が長いことと、印刷所、インキ製造メーカーが限ら
れるため、汎用の酸化重合型(乾燥油型)のオフセット
インキを使用することができるポリオレフィンフィルム
の出現が望まれていた。すなわち、一般の印刷会社で
は、上質紙、コート紙などのパルプ系紙を印刷してお
り、一般に市販されている速乾性インキを用いてオフセ
ット印刷を施していることが普通であることから、ポリ
オレフィンフィルム或いは合成紙を印刷する場合にはそ
の時だけ、特殊な非吸収性素材用オフセットインキに切
り替えて印刷をしなければならない、といった不便さが
あった。それ故、このインキの切り替えに多大な時間と
人手がかかることから、一般の印刷会社では合成紙など
のポリオレフィン系フィルムの印刷を積極的に行なおう
とせず、このことがポリオレフィンフィルム或いは合成
紙のオフセット印刷用への普及を妨げる一つの要因にな
っていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕本発明は、ポリオレフィンフィルムの片
面又は両面に、下記樹脂組成物の塗工層が設けられた印
刷性に優れたポリオレフィンフィルムを提供する。 樹脂組成物 (A).(a) アクリロニトリル、メタクリロニトリル より選ばれたニトリル化合物 12〜45重量% (b) メタクリル酸メチル 10〜48重量% (c) 2〜16の炭素原子を有するアルコール とアクリル酸もしくはメタクリル酸とを 反応させて得られるエステル、アクリル 酸メチル、ビニルエステル類より選ばれ たソフトモノマー 20〜60重量% (d) 上記以外のビニルモノマー 0〜35重量% 上記(a)、(b)、(c)および(d)成分のビニルモノマーを共重合して 得られたガラス転移点が30℃以下の共重合体 〔但し、(a)、(b)、(c)および(d)成分の和100重量%中、(a) と(b)成分の和は35〜60重量%である。〕 70〜92重量% (B).ポリビニルアルコール 3〜10重量% (C).無機微細粉末 5〜20重量% 〔但し、(A)、(B)および(C)成分の和は、100重量%である。〕 〔作 用〕塗工層の(A)成分の共重合体が、耐油性に
優れるニトリル化合物を共重合成分とするものであるの
で、この(A)成分と(B)成分のポリビニルアルコー
ルの親水性高分子とのバランスのとれた配合により、溶
剤アタックが防止され、それによってインキ中のビヒク
ルにより印刷物に凹凸が発生したり、カールしたりする
ことが防止される。また、無機微細粉末(C)が配合さ
れているので油性インキペンは勿論のこと、水性インキ
ペン、鉛筆等による筆記も可能である。更に、(A)成
分の共重合体が、親油性に富むハードモノマーのメチル
メタクリレート(b)と、ソフトモノマー(c)を共重
合成分とするものであるから、オフセット印刷インキの
密着性が良好となる。
【0009】〔発明の具体的説明〕印刷性に優れたポリオレフィンフィルム (1) 構 造 本発明の印刷性に優れたポリオレフィンフィルムは、肉
厚が20〜700μm、好まくは60〜200μmのフ
ィルム(シートも含む)の片面又は両面に、上記塗工層
を設けたものである。ポリオレフィンフィルム 本発明の印刷性に優れたポリオレフィンフィルムの原材
料として用いられるポリオレフィンフィルムとしては、
ポリオレフィン系樹脂を、例えば、Tダイ法、カレンダ
ー法、キャスト法、インフレーション法等の各種フィル
ム成形加工法によりフィルム状に成形して得られた肉厚
が20〜700μmのフィルム(シートも含む)状のも
のである。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン・プロピレン共重合体樹脂,ポリブテン樹
脂などのポリオレフィン樹脂,エチレン・酢酸ビニル共
重合体樹脂,エチレン・アクリル酸エステル共重合体樹
脂などのエチレンに少量(1.8〜15重量%)の他の
共単量体成分を共重合させて得られたエチレン共重合体
などを、上記各種フィルム成形方法によって成形して得
られたポリオレフィンフィルム、或いは、該フィルムに
少量の無機微細粉末又は有機フィラーを混入させた後、
後記延伸工程により最終的に一軸或いは二軸延伸するこ
とによって得られ、フィルム内部にミクロボイドを有し
た不透明或いは半透明の合成紙(特公昭46−4079
4号、特公昭60−36173号、特公昭62−596
68号、特公昭63−64310号、特開平3−189
141号、米国特許第4318950号明細書、米国特
許第4420530号明細書、米国特許第490652
6号明細書、米国特許第4377616号明細書、米国
特許第4191719号明細書、米国特許第37736
08号明細書、米国特許第3765999号明細書など
の公報参照)などを挙げることができる。
【0010】これらポリオレフィンフィルムの中でも、
特にエチレン、プロピレン或いは両者を主成分として5
0重量%以上含有する単量体を重合もしくは共重合させ
て得られるポリオレフィン系樹脂中に無機微細粉末を8
〜65重量%、好ましくは16〜55重量%を含有させ
た無機微細粉末含有ポリオレフィンフィルムを、一軸或
いは二軸延伸させて得られた、不透明度が88〜100
%のいわゆる合成紙および不透明度が25〜50%のト
レース合成紙が給排紙性,文字の識別性の面で好適であ
る。塗工層 前記ポリオレフィンフィルムの表面に設けられる塗工層
は下記組成のものである。 (A).(a) アクリロニトリル、メタクリロニトリル より選ばれたニトリル化合物 12〜45重量% (b) メタクリル酸メチル 10〜48重量% (c) 2〜16の炭素原子を有するアルコール とアクリル酸もしくはメタクリル酸とを 反応させて得られるエステル、アクリル 酸メチル、ビニルエステル類より選ばれ たソフトモノマー 20〜60重量% (d) 上記以外のビニルモノマー 0〜35重量% 上記(a)、(b)、(c)および(d)成分のビニルモノマーを共重合して 得られたガラス転移点が30℃以下の共重合体 〔但し、(a)、(b)、(c)および(d)成分の和100重量%中、(a) と(b)成分の和は35〜60重量%である。〕 70〜92重量% (B).ポリビニルアルコール 3〜10重量% (C).無機微細粉末 5〜20重量% 〔但し、(A)、(B)および(C)成分の和は、100重量%である。〕 この塗工層は、通常、(A)成分の共重合体を乳化重合
して水性エマルジョンとし、これに(B)成分および
(C)成分を配合した塗工剤を調製し、この塗工剤をポ
リオレフィンフィルム表面上に固型分量で3〜30g/
2 、好ましくは5〜15g/m2 となるよう塗布し、
乾燥して水分を飛散させることにより一般的に形成され
る。
【0011】(A) 共重合体 (A)成分の共重合体は、(a)アクリロニトリルおよ
び/またはメタクリロニトリル 12〜45重量%、好
ましくは15〜35重量%、(b)メタクリル酸メチル
(このものの単独重合体のガラス転移点は約105℃)
10〜48重量%、好ましくは20〜45重量%、
(c)ソフトモノマー 20〜60重量%、好ましくは
35〜60重量%、および(d)これら(a)、(b)
および(c)のビニルモノマー以外のビニルモノマー
0〜35重量%、好ましくは0〜15重量%〔但し、
(a)成分と(b)成分との和は35〜60重量%であ
る。〕含有するビニル単量体100重量部を、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ、p−ノニルフェノールの硫
酸半エステル等のアニオン性界面活性剤、あるいはポリ
ビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン等の水溶性ポリマーからなる保護コロ
イド剤0.1〜5重量部を用い、水80〜1000重量
部に乳化させ、過硫酸カルシウム等の重合開始剤0.5
〜2重量部の存在下に乳化重合して得られる水性エマル
ジョン(乳化液)である。この水性エマルジョンは、消
泡剤、増粘剤、造膜助剤、可塑剤を含有していても良
い。
【0012】上記共重合体(A)の原料モノマーのニト
リル化合物(b)は、耐油性を付与するもので、溶剤の
アタック防止に寄与する。メタクリル酸メチル(b)お
よびソフトモノマー(c)は、親油性モノマーで印刷イ
ンキの塗工層への密着性をよくする。ソフトモノマー
は、そのモノマーの単独重合体のガラス転移点(Tg)
が30℃以下のものであり、具体的には、アクリル酸2
−エチルヘキシル(−85℃)、アクリル酸エチル(−
22℃)、アクリル酸イソプロピル(−5℃)、アクリ
ル酸n−プロピル(8℃)、アクリル酸n−ブチル(−
54℃)、メタクリル酸n−ブチル(20℃)、メタク
リル酸2−エチルヘキシル(−5℃),2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、酢酸ビニル(30℃)等が利用
できる。なお、ここで括弧内の温度は、これらビニルモ
ノマーの単独重合体のガラス転移点を示す。ちなみに、
アクリロニトリル単独重合体のガラス転移点は100
℃、メタクリル酸メチル単独重合体のガラス転移点は1
05℃である。
【0013】共重合体(A)に官能基を導入して密着性
を向上させるために、或いは、共重合体のガラス転移
点、造膜温度を調整するために上記(a)、(b)およ
び(c)成分以外のビニルモノマー(d)が共重合され
ることもあり、かかる(d)ビニル単量体としてはは、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン
酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、N
−メチロールアクリルアミド、エチレン,フェニルマレ
イミド等等が挙げられる。共重合体(A)におけるニト
リル化合物(a)の共重合成分比が12重量%未満で
は、耐溶剤アタック防止効果が十分でなく、逆に45重
量%を超えては、共重合が困難となる。
【0014】メタクリル酸メチル(b)は、ニトリル化
合物(a)と共にハードモノマーであって、塗工層の皮
膜に強靱性を付与すると共に、親油性であるのでインキ
の密着性の向上に役立つ。この一部を同じハードモノマ
ーであるスチレン(d)に置き換えるとインキの密着性
はより向上する。(c)成分のソフトモノマーは、塗工
層の皮膜に可撓性を付与し、基材のポリオレフィンフイ
ルムへの密着性を良好とする。20重量%未満では皮膜
が脆いものとなり、60重量%を超えては皮膜が粘着性
を帯びるので、塗工層が塵や埃で汚れ易くなる。(a)
と(b)成分のハードモノマーが共重合体(A)の原料
に占める割合は、塗工層の皮膜の可撓性と強靱性バラン
スから35〜60重量%である。共重合体(A)の共重
合成分のビニルモノマー(a)、(b)、(c)および
(d)の種類およびその使用量は更に、共重合体(A)
の乳化液の造膜温度(MFT)が30℃以下となるよう
に、いいかえれば共重合体(A)のガラス転移点(T
g)が30℃以下となるように選択する。それにより、
ポリオレフィンフイルムの表面に塗布した塗工層を常温
で乾燥させることができる。勿論、乾燥を速めるために
加熱乾燥して塗工層を形成させてもよい。この共重合体
(A)の水性エマルジョンの粒径は、0.01〜2μm
が一般的で、エマルジョン中の共重合体濃度は、20〜
60重量%のものが一般的である。
【0015】(B) ポリビニルアルコール ポリビニルアルコール(B)は、塗工層の光沢を低下
(テカテカと光り輝くのを防止)させ、かつ、塗工層の
水吸水性を向上させることによりオフセット印刷特性を
改善させるために配合される。ポリビニルアルコール
は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体で
あってもよく、重合度は500〜2000、ケン化度が
85〜100%のものが一般的に使用される。
【0016】(C) 無機微細粉末 (C)成分の無機微細粉末としては、炭酸カルシウム、
サチン白、シリカ、酸化チタン、アルミナ、クレー及び
硫酸アルミニウム等が挙げられるが、特に炭酸カルシウ
ム等のフイラー類及び酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄等の
顔料類等が好ましく、また、この無機微細粉末の粒径は
15μm以下、特に、0.1〜10μmが好ましい。塗工剤組成 塗工剤の組成は、固型分比で次の如き範囲である。 (A) 共重合体 70〜90重量% (B) ポリビニルアルコール 3〜10重量% (C) 無機微細粉末 5〜20重量% (B)成分のポリビニルアルコールの配合が少ないと、
塗工層の光沢が高すぎ、テカテカと光ったものとなり、
又、吸水性が悪くなるのでオフセット印刷特性(インク
の転移性)が悪くなる。10重量%を越えては、塗工層
の耐水性が悪くなる。(C)成分は、通常の塗工紙では
35〜65重量%と高含量に配合されるのが普通である
が、本発明においては、塗工層中、5〜20重量%しか
配合しない。5重量%未満では、オフセットインキの密
着性、鉛筆筆記性が不十分であり、20重量%を越えて
は、溶剤アタックを受け易い。
【0017】印刷 このようにして得られた本発明の印刷特性の優れたポリ
オレフィンフィルムは、通常の印刷機にてグラビアイン
キ、或いはオフセットインキを用い、それらインキをそ
のフィルム表面に付着させて印刷が施される。このよう
なオフセットインキとしては、一般に前記表1及び表2
に示すように、顔料とビヒクルとからなる主剤と、粘度
調整剤、乾燥調整剤及びその他などからなる助剤とから
基本的に構成されている。前記顔料としては、リソール
レッド、ベンジジンイエロー等のアゾ顔料、パーマネン
ト・グリン、パーマネント・ローダミン、パーマネント
・ブルー、レーキレッドC等のレーキ顔料、ブリリアン
トカーミン6B、フタロシアニンブルー等の有機顔料、
アルミナ、硫酸バリウム、ベンガラ、黄鉛、紺青、チタ
ンホワイト、カーボンブラック等の無機顔料等を挙げる
ことができる。
【0018】また、ビヒクルとしては、合成樹脂、植物
油(乾性油)、溶剤等を挙げることができ、これらビヒ
クルの具体例としては、 アマニ油、スタンド油などのアマニ油型や、乾性油
変性アルキッド樹脂等のアルキッド型、 ロジン変性フェノール樹脂を、アマニ油、キリ油の
混合液、または低粘度のアマニ油ワニス等に溶解し、沸
点範囲の狭い石油留分を加えて粘度を調整した樹脂ワニ
スを主とした速乾性樹脂型、 樹脂を沸点範囲の狭い石油留分を加えて溶解したワ
ニス等のヒートセット型、 などを挙げることができる。前記粘度調整剤としては、
溶剤、希釈ワニス、コンパウンド等を挙げることがで
き、また、前記乾燥調整剤としては、乾燥剤(ドライ
ヤ)乾燥抑制剤等が挙げることができる。その他成分と
しては、ワックス、被膜増強剤、裏付防止剤等が挙げら
れる。
【0019】本発明のオフセット印刷特性に優れた塗工
ポリオレフィンフィルムに前記オフセットインキを用い
てオフセット印刷するためには、市販のオフセット印刷
機を用いて通常のオフセット印刷と同様にして行なうこ
とができる。本発明の印刷特性に優れた塗工ポリオレフ
ィンフィルムは、オフセット印刷を施してオフセットイ
ンキをその表面に付着させても、印刷されたポリオレフ
ィンフィルム或いは合成紙の表面に凹凸が生じたり、フ
ィルム全体にカールが生じるといったことが発生し難
い。この塗工ポリオレフィンフィルムは、グラビア印刷
においても同様の効果がある。
【0020】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して本発明を
更に詳細に説明する。なお、例中の部および%は、特に
例記しない限り重量基準である。また、実施例および比
較例における評価は以下に示す評価方法によって評価し
た。評価方法 (1) カールの高さ 評価用フィルムにオフセット印刷機を使用して市販の乾
燥型オフセットインキである「ニューベストワンプロセ
ス墨M〔東華色素(株)製〕」を用いて転移量が1g/
2 となるように全面に印刷を施す。そして、その印刷
物を12cm×5cmの大きさに切断して平坦な机上に
て1日放置した後、その印刷物のカールの高さ(h)を
図1に示すようにして測定した。 (2) 凹凸の発生・アタックの有無 評価用フィルムにオフセット印刷機を使用して市販の乾
燥型オフセットインキである「ニューベストワンプロセ
ス墨M〔東華色素(株)製〕」を用いて転移量が1g/
2 となるよう全面印刷し、また、同一インキで一松模
様(1cm×1cm)となるように、部分的に印刷を施
した。
【0021】そして、印刷された部分と印刷されていな
い部分とで出来るフィルムの凹凸を官能評価で判定し
た。凹凸の無いものを○、凹凸が激しいものを×、その
中間を△とした。 (3) 鉛筆筆記性 三菱鉛筆(株)のHB9800の鉛筆を用いて筆記性を
評価した。 ○ ・・・ 筆記良好。 △ ・・・ 筆記できるが、ところどころかすれる。 × ・・・ 筆記不能。 (4) 耐水性 印刷物を、スガ試験機(株)製摩擦試験機を使用し、水
で湿らせた綿布で200回摩擦し、インキの剥がれ状態
を評価した。 ○:ほとんどインキが剥がれない。 △:ところどころ、インキの塗膜が剥がれる。 ×:インキが塗工層ごと全面が剥がれてしまう。 (5) インキの密着性 熊谷理機製インターナルボンドテスターを使用して、イ
ンキ被膜と塗工層の接着強度(25mm×25mmを剥
離する仕事量kg−cm)を測定した。 (6) インキの転移性 オフセット印刷機を使用して市販の乾燥型オフセットイ
ンキである「ニューベストワンプロセス墨M(東華色素
製)」を用いて転移量が1g/m2 となるように全面印
刷を施し、反射濃度計(マクベスRD−918)を使用
して濃度を測定した。
【0022】水性エマルジョンの合成例 (製造例1)温度調節器、いかり形攪拌器、還流冷却
器、供給容器、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器
内に、下記の原料を装入した。 水 200部 エチレンオキシド20モルと反応させたp−ノニルフェノール の硫酸半エステルのナトリウム塩(アニオン性乳化剤)の35 %水溶液 5部 エチレンオキシド25モルと反応させたp−ノニルフェノール (非イオン製乳化剤)の20%溶液 20部。 次いで、反応容器内を窒素ガスで置換したのち、次に示
す供給物1の10%を加え、混合物を90℃に加熱し
た。
【0023】 (供給物1) 水 200部 前記アニオン性乳化剤の35%水溶液 25部 アクリロニトリル 100部 メタクリル酸メチル 100部 アクリル酸n−ブチル 200部 更に、85部の水に2.5部の過硫酸カリウムを溶解し
たもの(供給物2)の10%を容器内に供給後、残りの
(供給物1)全ておよび(供給物2)の90%を3.5
時間かけて容器内に供給し、供給終了後、2時間、同温
度に保って(供給物1)を重合させて表3に示す組成の
アニオン性樹脂水性エマルジョンを得た。この樹脂水性
エマルジョンのMFTは約30℃であり、樹脂のガラス
転移点(Tg)は24℃である。 (製造例2〜8)ビニル単量体の組成を表3のように変
更する他は、製造例1と同様にしてアニオン性樹脂水性
エマルジョンを得た。
【0024】
【表3】
【0025】合成紙の製造例 (例 1) メルトインデックス(MI)0.8g/10分のポ
リプロピレン81重量%に、高密度ポリエチレン3重量
%、および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重
量%を配合した組成物(A)を、270℃の温度に設定
した押出機にて混練させた後、シート状に押し出し、冷
却装置により冷却して,無延伸シートを得た。そして、
この無延伸シートを155℃の温度に再度加熱した後、
縦方向に5倍延伸して、5倍延伸シートを得た。 MIが4.0g/10分のポリプロピレン50重量
%と、高密度ポリエチレン5重量%、平均粒径1.2μ
mの焼成クレイ45重量%を混合した組成物(B)を別
の押出機にて混練させた後、これをダイよりしーと状に
押し出し、これをの工程で得られた5倍延伸シートの
両面に積層し、三層構造の積層フィルムを得た。次い
で、この三層構造の積層フィルムを60℃の温度にまで
冷却した後、再び約175℃の温度にまで加熱して、テ
ンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃の温
度でアニーリング処理し、60℃の温度にまで冷却し、
コロナ放電処理した後、耳部をスリットして三層構造
(一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の、肉厚75μm
(B/A/B=16μm/43μm/16μm)不透明
度が約35%、ベック平滑度が110秒の半透明のトレ
ース合成紙を得た。
【0026】(例 2) メルトインデックス(MI)0.8g/10分のポ
リプロピレン79重量%と高密度ポリエチレン5重量%
の混合物に、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16
重量%を配合した組成物(a′)を、270℃の温度に
設定した押出機にて混練させた後、シート状に押し出
し、これを冷却装置により冷却して無延伸シートを得
た。次いで、この無延伸シートを140℃の温度に加熱
した後、縦方向に5倍延伸して、5倍延伸シートを得
た。 MIが4.0g/10分のポリプロピレン51重量
%に、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン4重量
%、および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム45重
量%を混合した組成物(a″)を270℃に設定した押
出機にて混練させた後、積層ダイスに導入し押し出し、
押し出したシートをの工程で得られた5倍延伸シート
の両面に積層し、次いで60℃の温度にまで冷却した
後、再び162℃の温度にまで加熱してテンターで横方
向に7.5倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処
理し、60℃の温度にまで冷却し、耳部をスリットして
3層〔(a″)/(a′)/(a″):肉厚15/30
/15μm〕構造の肉厚60μmの微細なボイドを有す
る不透明の合成紙を得た(空孔率33%、不透明度96
%)。この合成紙の両表面をコロナ放電処理した。
【0027】(実施例1)上記例1で得たトレース合成
紙の片面に、製造例1で得た固型分濃度が50重量%の
水性エマルジョン170部(固型分量85部)、重合度
1200、ケン化度98%のポリビニルアルコール5
部、および粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末10重
量部よりなる塗工剤を塗布し、乾燥(塗工層の肉厚4μ
m)して塗工合成紙を得た。得られた塗工合成紙の塗工
層面に、オフセット印刷機で市販の乾燥型オフセットイ
ンキである「ニューベストワンプロセス墨M〔東華色素
(株)製〕」を、転移量が1g/m2 となるように全面
に印刷を施した。これを前記評価方法に従って評価し、
その結果を表4に示す。 (実施例2、比較例1〜6)水性エマルジョンとして、
製造例1のエマルジョンの代りに、製造例2〜8で得た
エマルジョンを用いる他は実施例1と同様にして塗工合
成紙を製造した。評価結果を表4に示す。
【0028】
【表4】 (実施例3〜4、比較例7〜11)実施例1において、
塗工剤の組成比を表5のように変更する他は同様にして
塗工合成紙を得た。評価結果を同表に示す。
【0029】
【表5】 (実施例5〜6、比較例12)実施例1と2、または比
較例1において、用いる合成紙として例2で得た不透明
合成紙を用いる他は同様にして塗工合成紙を得た。この
ものの評価結果を表6に示す。
【0030】
【表6】
【0031】
【発明の効果】本発明の印刷性に優れた塗工ポリオレフ
ィンフィルムは、インクの密着性、転移性が良好で、鉛
筆筆記が可能で、かつ、溶剤アタックのない優れたフィ
ルムである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の印刷物のカール高さの測定方
法を表す斜視図である。
【符号の説明】
1 印刷物 2 平板 h カール高さ(cm)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンフィルムの片面又は両面
    に、下記樹脂組成物の塗工層が設けられた印刷特性に優
    れたポリオレフィンフィルム。 樹脂組成物 (A).(a) アクリロニトリル、メタクリロニトリル より選ばれたニトリル化合物 12〜45重量% (b) メタクリル酸メチル 10〜48重量% (c) 2〜16の炭素原子を有するアルコール とアクリル酸もしくはメタクリル酸とを 反応させて得られるエステル、アクリル 酸メチル、ビニルエステル類より選ばれ たソフトモノマー 20〜60重量% (d) 上記以外のビニルモノマー 0〜35重量% 上記(a)、(b)、(c)および(d)成分のビニルモノマーを共重合して 得られたガラス転移点が30℃以下の共重合体 〔但し、(a)、(b)、(c)および(d)成分の和100重量%中、(a) と(b)成分の和は35〜60重量%である。〕 70〜92重量% (B).ポリビニルアルコール 3〜10重量% (C).無機微細粉末 5〜20重量% 〔但し、(A)、(B)および(C)成分の和は、100重量%である。〕
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0828608A1 (en) * 1995-06-02 1998-03-18 Mobil Oil Corporation Heat sealable film

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0828608A1 (en) * 1995-06-02 1998-03-18 Mobil Oil Corporation Heat sealable film
EP0828608A4 (en) * 1995-06-02 1998-06-10 Mobil Oil Corp HEAT-SEALABLE FILM

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