JPH07258682A - 油脂または脂肪酸の酸化抑制方法と酸化安定性にすぐれた油脂または脂肪酸組成物 - Google Patents

油脂または脂肪酸の酸化抑制方法と酸化安定性にすぐれた油脂または脂肪酸組成物

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JPH07258682A
JPH07258682A JP7041361A JP4136195A JPH07258682A JP H07258682 A JPH07258682 A JP H07258682A JP 7041361 A JP7041361 A JP 7041361A JP 4136195 A JP4136195 A JP 4136195A JP H07258682 A JPH07258682 A JP H07258682A
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正明 杉野
Hideto Yamamoto
秀人 山本
Takeshi Matsuo
武 松尾
Yoshihiro Ohata
好博 大畠
Isao Takayanagi
勇生 高柳
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油脂または脂肪酸に対し、抗酸化剤とオキシ
酸とを併用添加する際に、油脂または脂肪酸の品質低下
を招くことなく、簡便な操作でオキシ酸を溶解させて、
油脂または脂肪酸の酸化抑制効果を向上させる。 【構成】 油脂または脂肪酸に対して、抗酸化剤ととも
に、平均粒径200μm以下の微粒子状としたオキシ酸
を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油脂または脂肪酸の酸
化抑制方法、詳しくは、油脂または脂肪酸に抗酸化剤と
相乗剤としてオキシ酸を併用添加する際に、オキシ酸を
微粒子化し添加する酸化抑制方法に関し、またこの方法
で得られる酸化安定性にすぐれた油脂または脂肪酸組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油脂または油脂を含有する食品は、酸化
により、不快臭を発生したり、人体に悪影響を与える過
酸化物を生じる。また、動、植物油脂から得られる脂肪
酸およびその誘導体は、界面改質作用、潤滑作用、生理
活性を持ち、多くの産業分野において利用されている
が、脂肪酸、とくに不飽和脂肪酸は、酸化を受けやす
く、脂肪酸の着色と臭気の発生原因となる過酸化物を形
成する。この過酸化物の分解にて変質した脂肪酸および
その誘導体は、食品、化粧品、医薬品などの諸原料とし
ては望ましくない。
【0003】油脂または脂肪酸の酸化を防ぐには、一般
的に、抗酸化剤が使用される。しかし、酸素と触れ合う
系においては、抗酸化剤の消費が著しく、酸化抑制効果
が長続きしない。酸化抑制効力を強めるために、多量
(500ppm以上)の抗酸化剤を添加することは副作
用が生じ、望ましくない。たとえば、石鹸製造において
は、ケン化して得られた石鹸が著しく着色することが多
い。
【0004】そこで、抗酸化剤の使用量を必要最小限に
とどめ、なおかつ酸化抑制効果を高めるために、一般
に、相乗剤を併用することが実用されている。酸化抑制
作用を有する相乗剤としては、オキシ酸類、リン酸およ
びその誘導体、各種アミノ酸およびその誘導体、フラボ
ン誘導体、含硫化合物などが挙げられ、これらの中でも
オキシ酸類が最も広く使用されている。
【0005】脂肪酸の精製に、オキシ酸類を脂肪酸に添
加したのち蒸留する方法は、***公開特許第2,03
8,468号明細書に開示されている。しかしながら、
脂肪酸の酸化抑制には、十分な効果は得られていない。
また、オキシ酸類は油脂または脂肪酸に対して溶解度が
低いので、通常は水溶液またはアルコ―ル溶液として、
油脂または脂肪酸に添加し、減圧下で水またはアルコ―
ルを十分に留去したのち、析出してくる過剰分を取り除
く方法が採られている。しかし、完全に除去できずに残
存する溶剤による油脂または脂肪酸の品質低下や、これ
ら操作の多大の時間と手間を要するために、工業上有利
ではない。
【0006】また、油脂または脂肪酸に対する溶解度を
上げる目的で、オキシ酸とモノグリセライドとのエステ
ル誘導体が提案され、実用されているが、効果が不十分
であり、またオキシ酸に比べ高価となる。界面活性剤な
どを用いてオキシ酸の溶液を分散する技術も実用されて
いるが、これらの界面活性剤、溶剤などは、油脂または
脂肪酸に対して不純物となり、品質低下の原因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑み、油脂または脂肪酸に抗酸化剤とオキシ酸と
を併用添加する際に、油脂または脂肪酸の品質低下を招
くことなく、簡便な操作でオキシ酸を分散または溶解で
き、これにより油脂または脂肪酸の酸化抑制効果を大幅
に向上しうる方法を提供すること、またこの方法で得ら
れる酸化安定性にすぐれた油脂または脂肪酸組成物を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、鋭意検討した結果、抗酸化剤と併
用添加するオキシ酸を微粒子状とすることにより、油脂
または脂肪酸への分散または溶解速度が飛躍的に増大す
ることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0009】すなわち、本発明の第1は、油脂または脂
肪酸に抗酸化剤と平均粒径200μm以下のオキシ酸と
を添加することを特徴とする油脂または脂肪酸の酸化抑
制方法に係るものであり、この方法によれば、オキシ酸
の添加が容易で、油脂または脂肪酸の品質低下を生じず
に、酸化抑制効果を大きく向上できる。
【0010】また、本発明の第2は、上記の方法により
得られる油脂または脂肪酸組成物として、油脂または脂
肪酸と抗酸化剤1〜500ppmと平均粒径200μm
以下のオキシ酸50〜2,000ppmとからなること
を特徴とする酸化安定性にすぐれた油脂または脂肪酸組
成物に係るものである。
【0011】
【発明の構成・作用】本発明において対象とする油脂と
しては、牛脂、豚脂、乳脂、パ―ム油、パ―ム核油、や
し油、大豆油、なたね油、綿実油、サフラワ―油、アマ
ニ油、ヒマワリ油、オリ―ブ油、コメ油、とうもろこし
油、桐油、椿油、魚油、ホホバ油またはこれらの水素化
精製、脱色、脱水、脱臭、蒸留された油脂などがある。
【0012】また、本発明において対象とする脂肪酸と
しては、動植物油を分解して得られる脂肪酸、たとえ
ば、牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、乳脂脂肪酸、パ―ム油脂
肪酸、パ―ム核油脂肪酸、やし油脂肪酸、大豆油脂肪
酸、なたね油脂肪酸、綿実油脂肪酸、サフラワ―油脂肪
酸、アマニ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、オリ―ブ油脂
肪酸、コメ油脂肪酸、とうもろこし油脂肪酸、桐油脂肪
酸、椿油脂肪酸、魚油脂肪酸、ホホバ油脂肪酸またはこ
れらの水素化精製、脱色、脱水、脱臭された脂肪酸など
のほか、これらの脂肪酸を分別または分留して得られる
オレイン酸、リノ―ル酸、エルカ酸、リノレン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸な
どがある。
【0013】本発明に用いる抗酸化剤は、とくに限定は
なく、フエノ―ル系抗酸化剤やアミン系抗酸化剤などの
合成抗酸化剤や、天然抗酸化剤などをいずれも使用でき
る。フエノ―ル系抗酸化剤には、4,4´−メチレンビ
ス(2,6−ジ−t−ブチルフエノ―ル)、2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾ―ル、1,6−ヘキサンジオ
―ルビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフエノ―ル)プロピオネ―ト、t−ブチルヒドロキ
シアニソ―ル、4,4´−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフエノ―ル)、4,4´−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフエノ―ル)、没食子酸
エステルなどがある。アミン系抗酸化剤には、エトキシ
キン(6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−
トリメチルキノリン)、N,N−ジフエニル−p−フエ
ニレンジアミン、フエニル−β−ナフチルアミンなどが
ある。天然抗酸化剤には、トコフエロ―ル、フラボノイ
ド誘導体、グアヤク脂、ノルジヒドログアヤレチツク酸
などがある。
【0014】これらの抗酸化剤の中でも、とくに、t−
ブチルヒドロキシアニソ―ル、2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾ―ル、トコフエロ―ルが好ましい。このよ
うな抗酸化剤の使用量は、油脂または脂肪酸に対し、1
〜500ppmの添加量とするのがよく、とくに好まし
くは、油脂に対し10〜300ppmの添加量、脂肪酸
に対し10〜200ppmの添加量とするのがよい。
【0015】本発明に用いるオキシ酸には、乳酸、クエ
ン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、マンデル
酸、サリチル酸、タルトロン酸、グリコ―ル酸などがあ
り、これらの中でも、酒石酸、クエン酸、アスコルビン
酸、リンゴ酸が最も好ましい。このようなオキシ酸の平
均粒径は、200μm以下、好ましくは100μm以
下、より好ましくは70μm以下、とくに好ましくは4
0μm以下で、平均粒径が小さいほど、分散性または溶
解性は向上するが、5μm以下では粉砕に要する費用が
高くなるばかりで、分散性または溶解性の向上はほとん
どない。
【0016】オキシ酸をこのような微粒子とするには、
湿式粉砕、乾式粉砕のいずれの方法によつてもよい。粉
砕後の二次凝集を防ぐためには、湿式粉砕が望ましい。
乾式粉砕による場合は、微粉砕後のオキシ酸をあらかじ
め分散機により適宜の分散媒に分散させておき、この分
散体を油脂または脂肪酸に添加するのがよい。
【0017】湿式粉砕による場合、分散媒として、油脂
または脂肪酸類、とくにオキシ酸添加の対象となる油脂
または脂肪酸を用いるのが望ましい。粉砕機は、ボ―ル
ミル、サンドミル、ビ―ズミル、メジアミルなどのいず
れのタイプでもよく、たとえば、アシザワ(株)のパ―
ルミル、ス―パ―ミル、井上製作所のサンドミル、メジ
アミル、ス―パ―ミル、三井三池製作所のアトライナ、
ビ―ズミル、マイミルなどがある。また、材質について
は、セラミツク製またはセラミツクコ―テイングしたも
のが好ましい。粉砕時のオキシ酸の濃度は、分散媒中、
1〜40重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲で
あるのがよい。
【0018】このように微粒子化したオキシ酸を、前記
の抗酸化剤とともに、油脂または脂肪酸に添加すること
により、このオキシ酸が油脂または脂肪酸に対し良好に
分散または溶解する結果、酸化抑制効果が増大し、しか
も、その際に、従来の如き抗酸化剤の多量使用に起因し
た着色化の問題や、不純物などの混入による品質低下の
問題を生じる心配がない。ここで、微粒子化したオキシ
酸の使用量は、油脂または脂肪酸に対し、50〜2,0
00ppm、好ましくは100〜1,000ppm、と
くに好ましくは200〜800ppmの添加量とするの
がよい。
【0019】
【発明の効果】本発明では、抗酸化剤とともに添加併用
するオキシ酸を微粒子化したことにより、油脂または脂
肪酸への添加が容易で、着色化や品質低下などの問題を
生じることなく、酸化抑制効果を格段に向上できる。ま
た、この方法で得られる酸化安定性にすぐれた油脂また
は脂肪酸組成物を提供できる。
【0020】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にな
んら限定されるものではない。
【0021】なお、以下の各実施例で用いたオキシ酸
は、乾式粉砕品〔乾式粉砕機として日本ニユ―マチツク
工業(株)のジエツトミルを用いて所定の粒径に乾式粉
砕したもの〕か、湿式粉砕品〔湿式粉砕機としてアシザ
ワ(株)のパ―ルミルを、分散媒としてパ―ム油脂肪酸
を、それぞれ用いて、分散媒中20重量%濃度となる状
態で、所定の粒径に湿式粉砕したもの〕であつて、各オ
キシ酸の粒径は、日機装(株)のマイクロトラツクで測
定した。
【0022】実施例1 パ―ム油分解脂肪酸を蒸留して、パ―ム油脂肪酸(中和
価:207.5、ヨウ素価:53.2)を得、これにt
−ブチルヒドロキシアニソ―ル50ppmと、湿式粉砕
によつて平均粒径50μmまで微粒子化した酒石酸50
0ppmとを添加し、80℃、空気存在下に貯蔵し、基
準油脂分析試験法2.4.12−86にしたがつて、過
酸化物価を経日的に測定した。また、8日間貯蔵したの
ちの脂肪酸について、下記の方法で、脂肪酸を石鹸にし
たときの石鹸カラ―の測定と、DEA着色試験を行つ
た。これらの試験結果は、後記の表1(過酸化物価)、
表2(石鹸カラ―とDEA着色試験)に示されるとおり
であつた。
【0023】<石鹸カラ―の測定>脂肪酸に等モルの水
酸化ナトリウム水溶液(28重量%)を加え、双腕式混
練り機で混合し、水分を約15重量%まで乾燥し、押し
出し機で圧縮したのち、型押し機で成形した。得られた
石鹸につき、白色度(W)と黄色度(b)を、SMカラ
―コンピユ―タ〔スガ試験機(株)〕で測定した。
【0024】<DEA着色試験>脂肪酸に等モルのジエ
タノ―ルアミンとエタノ―ルを加え、沸騰湯煎中で20
分間反応させたのち取り出し、色相を測定した。この色
相の測定法は、APHA法(基準油脂分析試験法2.
3.2.5−71)にしたがい、色相がAPHA500
を超えるものについては、ガ―ドナ―法(基準油脂分析
法2.3.1.3−71)にしたがつた。
【0025】比較例1 実施例1と同様にして得たパ―ム油脂肪酸(中和価:2
07.5、ヨウ素価:53.2)にt−ブチルヒドロキ
シアニソ―ル50ppmのみを添加し、80℃、空気存
在下に貯蔵し、実施例1と同様にして、過酸化物価を測
定した。また、8日間貯蔵したのちの脂肪酸について、
実施例1と同様にして、脂肪酸を石鹸にしたときの石鹸
カラ―の測定とDEA着色試験を行つた。これらの試験
結果は、後記の表1および表2に示されるとおりであつ
た。
【0026】比較例2 実施例1と同様にして得たパ―ム油脂肪酸(中和価:2
07.5、ヨウ素価:53.2)にt−ブチルヒドロキ
シアニソ―ルを500ppmもの多量添加し、80℃、
空気存在下に貯蔵し、実施例1と同様にして、過酸化物
価を測定した。また、8日間貯蔵したのちの脂肪酸につ
いて、実施例1と同様にして、脂肪酸を石鹸にしたとき
の石鹸カラ―の測定とDEA着色試験を行つた。これら
の試験結果は、後記の表1および表2に示されるとおり
であつた。
【0027】実施例2 牛脂分解脂肪酸を蒸留して、牛脂脂肪酸(中和価:20
5.4、ヨウ素価:52.7)を得、これに2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾ―ル50ppmと、乾式粉砕
によつて平均粒径100μmまで微粒子化した酒石酸5
00ppmとを添加し、80℃、空気存在下に貯蔵し、
実施例1と同様にして、過酸化物価を測定した。また、
8日間貯蔵したのちの脂肪酸について、実施例1と同様
にして、脂肪酸を石鹸にしたときの石鹸カラ―の測定と
DEA着色試験を行つた。これらの試験結果は、後記の
表1および表2に示されるとおりであつた。
【0028】実施例3 パ―ム粗オレイン酸を蒸留して、パ―ム油オレイン酸
(中和価:199.1、ヨウ素価:90.8)を得、こ
れに4,4´−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチル
フエノ―ル)50ppmと、湿式粉砕によつて平均粒径
20μmまで微粒子化したクエン酸500ppmとを添
加し、80℃、空気存在下に貯蔵し、実施例1と同様に
して、過酸化物価を測定した。また、8日間貯蔵したの
ちの脂肪酸について、実施例1と同様にして、脂肪酸を
石鹸にしたときの石鹸カラ―の測定とDEA着色試験を
行つた。これらの試験結果は、後記の表1および表2に
示されるとおりであつた。
【0029】比較例3 実施例3と同様にして得たパ―ム油オレイン酸(中和
価:199.1、ヨウ素価:90.8)に4,4´−メ
チレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフエノ―ル)50
ppmと、微粒子化していない平均粒径350μmのク
エン酸500ppmとを添加し、80℃、空気存在下に
貯蔵し、実施例1と同様にして、過酸化物価を測定し
た。また、8日間貯蔵したのちの脂肪酸について、実施
例1と同様にして、脂肪酸を石鹸にしたときの石鹸カラ
―の測定とDEA着色試験を行つた。これらの試験結果
は、後記の表1および表2に示されるとおりであつた。
【0030】実施例4 パ―ム核油分解脂肪酸を蒸留して、パ―ム核油脂肪酸
(中和価:252.3、ヨウ素価:18.0)を得、こ
れにトコフエロ―ル50ppmと、湿式粉砕によつて平
均粒径50μmまで微粒子化したアスコルビン酸500
ppmとを添加し、80℃、空気存在下に貯蔵し、実施
例1と同様にして、過酸化物価を測定した。また、8日
間貯蔵したのちの脂肪酸について、実施例1と同様にし
て、脂肪酸を石鹸にしたときの石鹸カラ―の測定とDE
A着色試験を行つた。これらの試験結果は、下記の表1
および表2に示されるとおりであつた。
【0031】実施例5 パ―ム油分解脂肪酸(中和価:206.8、ヨウ素価:
52.5)をニツケル触媒の存在下、温度160〜20
0℃で、水素圧力3気圧で水素添加して、ヨウ素価を1
0低下させたのち、蒸留して得られたパ―ム油脂肪酸
に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ―ル50pp
mと、乾式粉砕によつて平均粒径50μmまで微粒子化
したクエン酸500ppmとを添加し、80℃、空気存
在下に貯蔵し、実施例1と同様にして、過酸化物価を測
定した。また、8日間貯蔵したのちの脂肪酸について、
実施例1と同様にして、脂肪酸を石鹸にしたときの石鹸
カラ―の測定とDEA着色試験を行つた。これらの試験
結果は、下記の表1および表2に示されるとおりであつ
た。
【0032】さらに、上記の脂肪酸から得られる石鹸の
安定性を評価するために、2,6−ジ−t−ブチル−p
−クレゾ―ルと微粒子化したクエン酸とを添加した製造
直後の脂肪酸に等モルの水酸化ナトリウム水溶液(28
重量%)を加えて、双腕式混練り機で混合し、水分を約
15重量%まで乾燥し、押し出し機で圧縮したのち、型
押し機で成形して石鹸を得、この石鹸をポリ袋〔(株)
生産日本社、ユニパツク〕で包装して、40℃において
経日的に白色度(W)と黄色度(b)を、SMカラ―コ
ンピユ―タ〔スガ試験機(株)〕で測定した。これらの
試験結果は、下記の表3に示されるとおりであつた。
【0033】比較例4 実施例5と同様に、パ―ム油分解脂肪酸(中和価:20
6.8、ヨウ素価:52.5)をニツケル触媒の存在
下、温度160〜200℃で、水素圧力3気圧で水素添
加して、ヨウ素価を10低下させたのち、蒸留して得ら
れたパ―ム油脂肪酸に、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾ―ル50ppmと、微粒子化していない平均粒径
350μmのクエン酸500ppmとを添加し、80
℃、空気存在下に貯蔵し、実施例1と同様にして、過酸
化物価を測定した。また、8日間貯蔵したのちの脂肪酸
について、実施例1と同様にして、脂肪酸を石鹸にした
ときの石鹸カラ―の測定とDEA着色試験を行つた。こ
れらの試験結果は、下記の表1および表2に示されると
おりであつた。
【0034】さらに、上記の脂肪酸から得られる石鹸の
安定性を評価するために、2,6−ジ−t−ブチル−p
−クレゾ―ルと微粒子化していないクエン酸とを添加し
た製造直後の脂肪酸に等モルの水酸化ナトリウム水溶液
(28重量%)を加えて、双腕式混練り機で混合し、水
分を約15重量%まで乾燥し、押し出し機で圧縮したの
ち、型押し機で成形して石鹸を得、この石鹸をポリ袋
〔(株)生産日本社、ユニパツク〕で包装して、40℃
において経日的に白色度(W)と黄色度(b)を、SM
カラ―コンピユ―タ〔スガ試験機(株)〕で測定した。
これらの試験結果は、下記の表3に示されるとおりであ
つた。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】実施例6 精製パ―ム油に、t−ブチルヒドロキシアニソ―ル20
0ppmと、湿式粉砕によつて平均粒径50μmまで微
粒子化した酒石酸500ppmとを添加し、基準油脂分
析試験法2.4.28.2−93にしたがつて、CDM
試験を行つた。この結果は、後記の表4に示されるとお
りであつた。
【0039】比較例5 実施例6と同様に、精製パ―ム油に、t−ブチルヒドロ
キシアニソ―ル200ppmのみを添加し、実施例6と
同様にして、CDM試験を行つた。この結果は、後記の
表4に示されるとおりであつた。
【0040】比較例6 実施例6と同様に、精製パ―ム油に、t−ブチルヒドロ
キシアニソ―ル200ppmと、微粒子化していない平
均粒径350μmの酒石酸500ppmとを添加し、実
施例6と同様にして、CDM試験を行つた。この結果
は、下記の表4に示されるとおりであつた。
【0041】
【表4】
【0042】以上のように、実施例1〜5および比較例
1〜4による脂肪酸の酸化安定性試験(表1,2に示す
過酸化物価、石鹸カラ―およびDEA着色試験)と、実
施例6および比較例5,6による油脂の酸化安定性試験
(表4に示すCDM試験)と、さらに実施例5および比
較例4による誘導体である石鹸の安定性試験(表3に示
す石鹸カラ―)とからも明らかなように、本発明の方法
は、油脂または脂肪酸の酸化抑制効果にすぐれており、
しかも石鹸などの誘導体を生成する際の着色化などの問
題が少なく、さらに石鹸などの誘導体の安定性の面でも
すぐれており、工業的に有用な酸化抑制方法であること
がわかる。
【0043】本発明の方法により上記の如きすぐれた酸
化抑制効果が得られるのは、主に、微粒子化したオキシ
酸が油脂または脂肪酸に対してすぐれた分散性を示すこ
とに基づくが、この点を、オキシ酸としてアスコルビン
酸を、分散媒としてパ―ム油脂肪酸を、それぞれ用いた
以下の分散性試験にて、明らかにする。
【0044】<分散性試験>アスコルビン酸として、平
均粒径約350μmの市販品からなる未粉砕品と、これ
を乾式粉砕または湿式粉砕によつて平均粒径が100μ
m以下となるように粉砕した下記4種の粉砕品とを用意
した。 乾式粉砕品1 : 平均粒径約70μm 乾式粉砕品2 : 平均粒径約40μm 湿式粉砕品1 : 平均粒径約20μm 湿式粉砕品2 : 平均粒径約 5μm
【0045】上記の未粉砕品と4種の粉砕品とを、それ
ぞれパ―ム油脂肪酸に500ppm添加し、緩い撹拌条
件(容器径の約2分の1のタ―ビンバネを使用し回転数
30rpmに調整)下で、分散または溶解している状態
を観察し、下記の判定基準にて、分散性または溶解性を
評価した。この試験結果は、後記の表5に示されるとお
りであつた。 ○:液が完全に透明で、十分に溶解している △:液が白濁しており、分散しているが溶解が不十分で
ある ×:底部に沈殿し、ほとんど分散していない
【0046】
【表5】
【0047】上記の表5の結果から明らかなように、粉
砕したオキシ酸は、未粉砕のものに比べて分散性にすぐ
れており、とくに湿式粉砕により平均粒径を小さくすれ
ばするほど良好な分散性が得られていることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 武 兵庫県西宮市東鳴尾町1−1−13−408 (72)発明者 大畠 好博 埼玉県久喜市清久町5 株式会社資生堂久 喜工場内 (72)発明者 高柳 勇生 埼玉県久喜市清久町5 株式会社資生堂久 喜工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂または脂肪酸に抗酸化剤と平均粒径
    200μm以下のオキシ酸とを添加することを特徴とす
    る油脂または脂肪酸の酸化抑制方法。
  2. 【請求項2】 平均粒径200μm以下のオキシ酸が、
    油脂または脂肪酸を分散媒とした湿式粉砕により調製さ
    れたものである請求項1に記載の油脂または脂肪酸の酸
    化抑制方法。
  3. 【請求項3】 抗酸化剤の添加量が1〜500ppm、
    オキシ酸の添加量が50〜2,000ppmである請求
    項1または請求項2に記載の油脂または脂肪酸の酸化抑
    制方法。
  4. 【請求項4】 油脂または脂肪酸と抗酸化剤1〜500
    ppmと平均粒径200μm以下のオキシ酸50〜2,
    000ppmとからなることを特徴とする酸化安定性に
    すぐれた油脂または脂肪酸組成物。
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