JPH0725852A - 新規オニウム塩化合物及び重合開始剤 - Google Patents

新規オニウム塩化合物及び重合開始剤

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JPH0725852A
JPH0725852A JP19703093A JP19703093A JPH0725852A JP H0725852 A JPH0725852 A JP H0725852A JP 19703093 A JP19703093 A JP 19703093A JP 19703093 A JP19703093 A JP 19703093A JP H0725852 A JPH0725852 A JP H0725852A
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JP
Japan
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group
compound
alkyl
substituted
alkyl group
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JP19703093A
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English (en)
Inventor
Eiji Takahashi
栄治 高橋
Hiroo Muramoto
博雄 村本
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規オニウム塩化合物の重合開始剤を提供す
る。 【構成】化1又は化2のオニウム塩化合物及びその重合
開始剤。 【化1】 【化2】 〔式中、R1 ,R12は、置換されていてもよいアルキル
基又はフェニル基を表し、R2 ,R13は、フェニル基又
は硫黄原子のα位の炭素原子に置換基を有するアルキル
基を表し、R3 〜R6 ,R14〜R16は、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニト
ロ基、フェニル基、COOR7 、COR8、OCO
9 、CONR1011,COOR17、COR18、OCO
19、CONR2021のいずれかを表し、R5 とR
6 は、縮合して芳香環を形成してもよく、Xは、有機又
は無機のアニオン残基を表す。但し、R7 〜R11,R17
〜R21は、水素原子、アルキル基等を表す〕 【効果】カチオン重合性化合物及びラジカル重合性化合
物のどちらも容易に硬化することができる重合開始剤で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規オニウム塩化合物
およびそれを含有する重合開始剤に関するものである。
該重合開始剤を含有する組成物は、加熱または光により
短時間でカチオン重合性化合物を硬化することができ、
また、光により短時間でラジカル重合性化合物を硬化す
ることができる。得られた硬化物は、優れた物性を有し
ているため成型樹脂、注型樹脂、塗料、接着剤、インキ
等の材料として好適に用いられる。更に、該重合開始剤
を含有する組成物は、光により酸を発生することができ
るため、化学増感用フォトレジストとして使用すること
ができる。
【0002】
【従来の技術】熱潜在性カチオン重合開始剤及びその組
成物が記載されているものとして、特開昭58−370
03号、特開昭63−223002号、特開昭56−1
52833号、特開平2−178319号、特開平3−
17119号などが知られている。光カチオン重合開始
剤及びその組成物が記載されているものとして、特開昭
50−151997号、特開昭52−14279号など
が知られている。光ラジカル重合開始剤は、ベンジルジ
メチルケタールやベンゾフェノン等を代表として、数多
くのものが市販されている。化学増感用フォトレジスト
用の光酸発生剤としては、スルホン酸エステル等が使用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カチオン重合を利用し
た硬化系は、一般に硬化収縮が小さく、酸素による硬化
阻害を受けない等の利点を有するが、塩基性化合物等に
より、硬化阻害を受けることや、使用可能なモノマーや
開始剤の種類が少ない等の欠点がある。一方、ラジカル
重合を利用した硬化系は、塩基性化合物等により、硬化
阻害を受けないことや使用可能なモノマーや開始剤の種
類が多く、その組み合わせにほとんど制限がない等の利
点を有するが、硬化収縮が大きく、酸素による硬化阻害
を受ける等の欠点がある。
【0004】従って、これらの欠点を各々補うために、
カチオン重合とラジカル重合系のハイブリッドが行われ
る。しかし、カチオン重合用の開始剤ではラジカル重合
には使用できず、ラジカル重合用の開始剤ではカチオン
重合には使用できない。このことから、ハイブリッドで
は、両者の開始剤を同時に使用しなければならず、開始
剤の総量が増えることによるコストアップや硬化物の物
性の低下を招くことになる。
【0005】また、特開昭58−37003号に記載さ
れているスルホニウム塩系の熱潜在性カチオン重合開始
剤および、特開開平2−178319号に記載されてい
るピリジニウム塩系の熱潜在性カチオン重合開始剤で
は、カチオン重合性化合物を加熱処理により、膜厚に関
係無く硬化することは可能であるが、光硬化に見られる
ようなスピーディーな硬化は期待できない。
【0006】一方、特開昭50−151997号、特開
昭52−14279号などに記載されている光カチオン
重合開始剤を用いたエポキシ樹脂配合物などは、光照射
により、スピーディーな硬化が可能である。しかし、こ
れらの光カチオン重合開始剤は、熱潜在性カチオン重合
開始剤ではないため、通常使用される加熱処理により、
カチオン重合性化合物を熱硬化することはできない。こ
のため、光が照射されない所や膜厚が厚い場合などは、
硬化することができない。
【0007】従って、光硬化および熱硬化の利点を生か
すためには、光硬化および熱硬化用の開始剤を同時に使
用しなくてはならず、開始剤の総量が増えることによる
コストアップや硬化物の物性の低下を招くことになる。
【0008】一方、化学増感用フォトレジスト用の光酸
発生剤として使用されるスルホン酸エステル等は、量子
収率が低いものや価格が高いものなどが多いという問題
点がある。
【0009】本発明は、前に述べた事情からみてなされ
たもので、カチオン重合性化合物およびラジカル重合性
化合物を加熱または光により、短時間に硬化させること
ができる新規なカチオン重合開始剤の提供および量子収
率が高く、安価な化学増感用の光酸発生剤を提供するこ
とを目的としている。
【0010】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、鋭意検討したところ、特定のオニウム
塩化合物からなる重合開始剤を用いることで、低温加熱
または光により、短時間にてカチオン重合性化合物を硬
化することができ、更にその硬化物特性に優れた性能を
与える新規重合開始剤を見出して本発明を完成するに至
った。即ち、本発明は、下記一般式化3又は化4で表さ
れるオニウム塩化合物である。
【0011】
【化3】
【0012】〔式中、R1 は、置換されていてもよいア
ルキル基又は置換されていてもよいフェニル基を表し、
2 は、置換されていてもよいフェニル基又は硫黄原子
のα位の炭素原子に置換基を有するアルキル基を表し、
3 ,R4 ,R5 ,R6 は、それぞれ水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ
基、フェニル基、COOR7 、COR8 、OCOR9
はCONR1011のいずれかを表し、R5 とR6 は、縮
合して芳香環を形成してもよく、Xは、有機又は無機の
アニオン残基を表す。但し、R7 ,R8 ,R9 ,R10
11はそれぞれ水素原子、アルキル基、フェニル基又は
ベンジル基のいずれかを表す〕
【0013】
【化4】
【0014】〔式中、R12は、置換されていてもよいア
ルキル基を表し、R13は、硫黄原子のα位の炭素原子に
置換基を有するアルキル基を表し、R14,R15,R
16は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、CO
OR17、COR18、OCOR19、CONR2021のいず
れかの置換基を表し、Xは、有機および無機のアニオン
残基を表す。但し、R17,R18,R19,R20,R21は、
それぞれ水素原子、アルキル基、フェニル基、ベンジル
基のいずれかを表す〕
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
オニウム塩化合物は上記化3又は化4で表されるが、上
記一般式化3中、R1 は、メチル,エチル,プロピル,
ブチル等のアルキル基、F,Cl,Br,I等のハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基,エトキシ基
等のアルコキシ基、フェニル基、アセチル基、ベンゾイ
ル基等で置換されていてもよいアルキル基、フェニル
基、アリル基、シンナミル基等のアルケニル基の群より
選ばれた基である。R2 は、フェニル基、硫黄原子のα
位の炭素原子にフェニル基、スチリル基等のアルケニル
基、メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基、アセチ
ル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、フェノキ
シカルボニル基等のアルカノイル基等で置換されている
アルキル基の群より選ばれた基であり、R3,R4 ,R
5 ,R6 は、水素原子、F,Cl,Br,I等のハロゲ
ン原子、メチルル,エチル,プロピル,ブチル等のアル
キル基、メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基、シ
アノ基、ニトロ基、フェニル基、COOR7 、CO
8 、OCOR9 、CONR1011基等の群より選ばれ
た基であり、また、R5 とR6 は、縮合して芳香環を形
成してもよい。但し、R7 ,R8 ,R9 ,R10,R
11は、水素原子、メチル,エチル,プロピル,ブチル等
のアルキル基、フェニル基及びベンジル基の群より選ば
れた基である。Xは、F,Cl,Br,I等のハロゲン
原子、R’−COO、R”−SO3 、SbF6 ,AsF
6 ,PF6 又はBF4 等である。但し、R’およびR”
は、メチル,エチル,プロピル,ブチル等のアルキル
基、F,Cl,Br,I等のハロゲン原子、ニトロ基、
シアノ基、メトキシ基,エトキシ基等のアルコキシ基等
で置換されていもよいアルキル基もしくはフェニル基を
表す。
【0016】上記一般式化4中、R12は、メチル,エチ
ル,プロピル,ブチル等のアルキル基、F,Cl,B
r,I等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メトキ
シ基,エトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基、アセ
チル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、フェノ
キシカルボニル基等のアルカノル基等で置換されていて
もよいアルキル基、アリル基、シンナミル基等のアルケ
ニル基の群より選ばれた基であり、R13は、硫黄原子の
α位の炭素原子にフェニル基、スチリル基等のアルケニ
ル基、メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基、アセ
チル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、フェノ
キシカルボニル基等のアルカノイル基等で置換されてい
るアルキル基の群より選ばれた基であり、R14,R15
16は、水素原子、F,Cl,Br,I等のハロゲン原
子、メチル,エチル,プロピル,ブチル等のアルキル
基、メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基、シアノ
基、ニトロ基、フェニル基、COOR17、COR18、O
COR19、CONR2021等の群より選ばれた基であ
る。但し、R17,R18,R19,R20,R21は、水素原
子、メチル,エチル,プロピル,ブチル等のアルキル
基、フェニル基及びベンジル基からなる群より選ばれた
基である。Xは、F,Cl,Br,I等のハロゲン原
子、R’−COO、R”−SO3 、SbF6 ,As
6 ,PF6 又はBF4 等である。但し、R’および
R”は、メチル,エチル,プロピル,ブチル等のアルキ
ル基、F,Cl,Br,I等のハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基、メトキシ基,エトキシ基等のアルコキシ
基等で置換されていもよいアルキル基もしくはフェニル
基を表す。
【0017】本発明のオニウム塩化合物は、例えば、次
の方法で得ることができる。ベンジルブロマイド等のハ
ライド化合物、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸または
p−トルエンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル
化合物と2−ベンジチオピリジン等の2−置換アルキル
チオピリジン誘導体および2−エトキシカルボニルメチ
ルチオピリミジン等の2−置換アルキルチオピリミジン
誘導体とを等モルづつ、必要に応じてメタノール、アセ
トン、アセトニトリル等の溶媒存在下にて室温〜120
℃で数時間〜60日間反応させて得られる。また、必要
に応じてこれら得られた化合物を水もしくは水−メタノ
ール系等の水−有機溶媒系に溶解せしめ、六フッ化アン
チモン酸ナトリウム、スルホン酸ナトリウムやカルボン
酸ナトリウム等のアルカリ金属塩を加え激しく攪拌し、
析出した液状、固形物または溶解している生成物を濾
過、分離または抽出後、乾燥して得られる。
【0018】本発明の代表的なオニウム塩化合物とし
て、次の式化5〜化7に示されるものが例示される。但
し、式中のXはF,Cl,Br,I等のハロゲン原子、
R’−COO、R”−SO3 、SbF6 ,AsF6 ,P
6 又はBF4 等である。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】本発明において、重合開始剤である前記四
級アンモニウム塩化合物は、カチオン重合性化合物と配
合してカチオン重合組成物として用いられる。カチオン
重合性化合物としては、次のような化合物が挙げられ
る。 (a)エポキシ基を有する化合物として、1,1,3−
テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイ
ド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4
−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ
シクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)アジペート、フェニルグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化
ビスフェノールA型エポシキ樹脂、o−,m−,p−ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジル
エーテル等のエポキシ化合物
【0024】(b)ビニル化合物として、スチレン、α
−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン等のスチ
レン類;n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシ
ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;
アリルビニルエーテル、1−オクタヒドロナフチルビニ
ルエーテル等のアルケニルビニルエーテル類;エチニル
ビニルエーテル、1−メチル−2−プロペニルビニルエ
ーテル等のアルキニルビニルエーテル類;フェニルビニ
ルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル等の
アリールビニルエーテル類;ブタンジオールジビニルエ
ーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、シク
ロヘキサンジオールジビニルエーテル等のアルキルジビ
ニルエーテル類;1,4−ベンゼンジメタノールジビニ
ルエーテル、N−m−クロロフェニルジエタノールアミ
ンジビニルエーテル、m−フェニレンビス(エチレング
リコール)ジビニルエーテル等のアラルキルジビニルエ
ーテル類;ハイドロキノンジビニルエーテル、レゾルシ
ノールジビニルエーテル等のアリールジビニルエーテル
類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等
のカチオン重合性窒素含有化合物等
【0025】(c)ビシクロオルソエステル化合物とし
て、1−フェニル−4−エチル−2,6,7−トリオキ
サビシクロ〔2,2,2〕オクタン,1−エチル−4−
ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
〔2,2,2〕オクタン等
【0026】(d)スピロオルソカーボネート化合物と
して、1,5,7,11−テトラオキサスピロ〔5,
5〕ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,7,1
1−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等や1,
4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン,2−メチ
ル−1,4,6−トリオキサスピロ〔4,4〕ノナン,
1,4,6−トリオキサスピロ〔4,5〕デカン等のス
ピロオルソエステル化合物等である。
【0027】これらは、単独若しくは2種以上を併用し
て用いても差し支えない。(a)〜(d)の内で、殊に
(a)のエポキシ基を有する化合物が好んで使用され
る。
【0028】本発明にもちいる重合性化合物としては、
例えば、ラジカル重合性オリゴマーとして、エポキシア
クリレート、エポキシメタアクリレート、ポリエステル
アクリレート、ポリエステルメタアクリレート、ポリエ
ーテルアクリレート、ポリエーテルメタアクリレート、
ポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタアクリレ
ート、ポリブタジエンアクリレート、ポリブタジエンメ
タアクリレート等が例示することができる。
【0029】また、ラジカル重合性の反応希釈剤とし
て、アクリル酸、アクリル酸エステル等のアクリル酸エ
ステルモノマー;メタアクリル酸やメタアクリル酸メチ
ル等のメタアクリル酸エステルモノマー;スチレン等が
例示することができる。
【0030】本発明において、前記オニウム塩化合物と
カチオン重合性化合物との配合割合は、カチオン重合性
化合物100部に対し、オニウム塩化合物0.01〜2
0部、好ましくは0.1〜10部の割合で配合する。こ
のオニウム塩化合物量が少いと、カチオン重合性化合物
の硬化性が低下し、過剰であると硬化物の特性が低下す
る。
【0031】本発明において、前記オニウム塩化合物と
ラジカル重合性化合物との配合割合は、ラジカル重合性
化合物100部に対し、オニウム塩化合物0.01〜2
0部、好ましくは0.1〜10部の割合で配合する。こ
のオニウム塩化合物量が少いと、ラジカル重合性化合物
の硬化性が低下し、過剰であると硬化物の特性が低下す
る。
【0032】本発明のオニウム塩化合物を含有するカチ
オン重合性組成物は、加熱により容易に硬化できる。熱
硬化する場合は、30〜200℃、好ましくは、50〜
180℃の範囲で使用される。
【0033】また、オニウム塩化合物を含有するカチオ
ン重合性組成物は、α線、β線、γ線、中性子線、X
線、加速電子線のような電離性放射線によっても容易に
短時間で硬化することができる。電離性放射線による硬
化の場合は、通常0.5〜60Mradの線量の範囲が
使用でき、1〜50Mradの範囲が好ましい。なお、
電離性放射線および熱を併用して硬化させることも可能
である。
【0034】本発明のオニウム塩化合物を含有するカチ
オン重合性組成物およびラジカル重合性組成物は、光に
よっても容易に短時間で硬化することができる。光硬化
は、500nm以下の光、特に紫外線が好適に使用され
るため、光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧
水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、クセノ
ンランプ、カーボンアーク灯等が用いられるい。また、
レーザー光を用いることもできる。
【0035】本発明のオニウム塩化合物は、一般に単独
で使用されるが、他のカチオン重合開始剤やラジカル重
合開始剤と併用して用いることもできる。
【0036】また、前記(a)のエポキシ基を有する化
合物を用いる場合は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常
用いられている、フェノール系硬化剤、酸無水物類硬化
剤等の硬化剤を性能が損なわない範囲内で併用して用い
てもよい。
【0037】前記のカチオン重合性化合物に本発明の開
始剤を配合して使用する際に、必要に応じて反応性希釈
剤、硬化促進剤、溶剤、顔料、染料、カップリング剤、
無機充填剤、炭素繊維ガラス繊維、界面活性剤等を添加
して使用される。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により、更に
具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に
何等限定されるものではない。 実施例1:N−メチル−2−ベンジルチオピリジニウム
スルフェートの合成 ジメチル硫酸2.52gと2−ベンジルチオピリジン4.03g
を混合し、50℃で28時間反応させた。得られた化合
物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥した。 収
率:97%このもののスペクトルデータは下記のとおり
であった。 IR(KBr,cm-1):1615,1568,148
8,1454,1281,1255,1217,116
4,1030,771,717
【0039】実施例2:N−メチル−2−(2−エトキ
シカルボニル−2−プロピルチオ)ピリジニウムスルフ
ェートの合成 ジメチル硫酸4.41gと2−(2−エトキシカルボニル−
2−プロピルチオ)ピリジン6.76gを混合し、50℃で
4日間反応させた。得られた化合物をエーテルで洗浄
し、40℃で減圧乾燥した。 収率:98%このものの
スペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2986,1726,161
0,1568,1495,1444,1281,125
6,1217,1158,1030,774
【0040】実施例3:N−メチル−4−カルボキシル
メチルチオピリジニウムスルフェートの合成 ジメチル硫酸4.41gと4−ピリジンチオ酢酸5.08gをジ
オキサン3gに溶解させ、90℃で5時間反応させた
後、50℃で4日間反応させた。得られた化合物をエー
テルで洗浄し、40℃で減圧乾燥した。 収率:98% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1738,1632,150
0,1484,1309,1264,1202,111
4,1002,762
【0041】実施例4:N−メチル−2−(2−ベンゾ
イル−2−プロピルチオ)ピリジニウムスルフェートの
合成 ジメチル硫酸3.15gと2−(2−ベンゾイル−2−プロ
ピルチオ)ピリジン5.15gを混合し、50℃で28時間
反応させた。得られた化合物をエーテルで洗浄し、40
℃で減圧乾燥した。 収率:97% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1670,1612,156
8,1494,14461261,1174,100
9,752,712
【0042】実施例5:N−メチル−2−ジフェニルメ
チルチオピリジニウムスルフェートの合成 ジメチル硫酸2.52gと2−ジフェニルメチルチオピリジ
ン5.55gを混合し、50℃で3日間反応させた。得られ
た化合物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥した。
収率:97% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1616,1565,149
3,1452,1254,1230,1162,101
1,752,708
【0043】実施例6:N−エチル−2−(2−エトキ
シカルボニル−2−プロピルチオ)ピリジニウムスルフ
ェートの合成 ジエチル硫酸5.40gと2−(2−エトキシカルボニル−
2−プロピルチオ)ピリジン6.76gを混合し、50℃で
4日間反応させた。得られた化合物をエーテルで洗浄
し、40℃で減圧乾燥した。 収率:97% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2982,1729,160
8,1568,1494,1466,1255,122
8,1160,1021,767
【0044】実施例7:N−ベンジル−2−ジフェニル
メチルチオピリジニウムブロマイドの合成 ベンジルブロマイド 3.42 gと2−ジフェニルメチルチ
オピリジン 5. 55gを混合し、50℃で3日間反応させ
た。得られた化合物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧
乾燥した。 収率:96% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1610,1556,149
4,1451,776,741,708,697
【0045】実施例8:N−(2,6−ジクロロベンジ
ル)−2’−エトキシカルボニルメチルチオピリジニウ
ムブロマイドの合成 2,6−ジクロロベンジルブロマイド 7.20 gと2−エ
トキシカルボニルメチルチオピリジン 5.92 gを混合
し、50℃で7日間反応させた。得られた化合物をエー
テルで洗浄し、40℃で減圧乾燥した。 収率:60% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1737,1610,155
4,1473,1435.1326,1205,119
0,1121,764
【0046】実施例9:N−シンナミル−2−エトキシ
カルボニルメチルチオピリジニウムブロマイドの合成 シンナミルブロマイド 3.94 gと2−エトキシカルボニ
ルメチルチオピリジン3.95 gを混合し、50℃で28
時間反応させた。得られた化合物をエーテルで洗浄し、
40℃で減圧乾燥した。 収率:99% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2980,1734,161
2,1562,1493,1450,1306,128
2,1184,1137,1024,975,751,
695
【0047】実施例10:N−メチル−2−シンナミル
チオピリジニウムスルフェートの合成 ジメチル硫酸3.78gと2−シンナミルチオピリジン6.82
gを混合し、50℃で3日間反応させた。得られた化合
物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥した。 収
率:98% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1617,1565,149
3,1451,1252,1229,1173,111
8,1011,743
【0048】実施例11:N−(4−ニトロベンジル)
−2−シンナミルチオピリジニウムブロマイドの合成 4−ニトロベンジルブロマイド4.32gと2−シンナミル
チオピリジン4.55gを混合し、50℃で3日間反応させ
た。得られた化合物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧
乾燥した。 収率:98% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1610,1562,152
0,1490,1450,1347,1280,105
8,972,752
【0049】実施例12:N−エトキシカルボニルメチ
ル−2−ベンジルチオピリジニウムブロマイドの合成 ブロモ酢酸エチル3.34gと2−ベンジルチオピリジン4.
03gを混合し、50℃で28時間反応させた。得られた
化合物をエーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥した。
収率:99% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2981,1742,161
4,1563,1493,1454,1306,122
5,1190,1022775,744,708
【0050】実施例13:N−フェノキシカルボニルメ
チル−2−(2,4−ジクロロベンジルチオ)ピリジニ
ウムブロマイドの合成 ブロモ酢酸フェニル6.45gと2−(2,4−ジクロロベ
ンジルチオ)ピリジン8.11gを混合し、50℃で28時
間反応させた。得られた化合物をエーテルで洗浄し、4
0℃で減圧乾燥した。 収率:99% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1767,1613,159
1,1562,1492.1474,1446,128
8,1191,1140,765
【0051】実施例14:N−メチル−2−(α−エト
キシカルボニルベンジルチオ)ピリジニウムスルフェー
トの合成 ジメチル硫酸2.52gと2−(α−エトキシカルボニルベ
ンジルチオ)ピリジン5.47gを混合し、50℃で3日間
反応させた。得られた化合物をエーテルで洗浄し、40
℃で減圧乾燥した。 収率:97% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2951,1731,161
1,1562,1496,1460,1273,123
3,1177,1011,778,752
【0052】実施例15:N−メチル−2−シンナミル
チオピリジニウム−p−トルエンスルホネートの合成 p−トルエンスルホン酸メチル5.59gと2−シンナミル
チオピリジン6.82gを混合し、90℃で1時間反応させ
た後、50℃で3日間反応させた。得られた化合物をエ
ーテルで洗浄し、40℃で減圧乾燥した。 収率:92
% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1614,1564,149
4,1451,1269,1297,1173,111
9,1032,1009,816,786,757,6
80,568
【0053】実施例16:1,4,6−トリメチル−2
−エトキシカルボニルメチルチオピリジニウムスルフェ
ートの合成 ジメチル硫酸3.78gと4,6−ジメチル−2−エトキシ
カルボニルメチルチオピリジン8.47gを混合し、50℃
で3日間反応させた。得られた化合物をエーテルで洗浄
し、40℃で減圧乾燥した。 収率:98% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1729,1615,154
2,1455,1381,1303,1283,125
5,1215,1155,1098,1030,760
【0054】実施例17:N−メチル−2−ベンジルチ
オピリジニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 実施例1の化合物3.27gを蒸留水20gに溶解させ、六
フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌し
て冷却した。析出した化合物を分別し、40℃で減圧乾
燥した。 収率:93% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1621,1568,149
2,1456,1276,1164,767,717,
657
【0055】実施例18:N−メチル−2−(2−エト
キシカルボニル−2−プロピルチオ)ピリジニウムヘキ
サフロロアンチモネートの合成 実施例2の化合物3.51gを蒸留水20gに溶解させ、六
フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌し
て冷却した。析出した化合物を濾別し、40℃で減圧乾
燥した。 収率:97% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2987,1727,161
5,1570,1496,1455,1273,115
4,1017,774,659
【0056】実施例19:N−メチル−4−カルボキシ
ルメチルチオピリジニウムヘキサフロ 実施例3の化合物2.95gを蒸留水20gに溶解させ、六
フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌し
て冷却した。析出した化合物を分別後、40℃で減圧乾
燥した。 収率:67% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1735,1631,159
0,1500,1487,1305,1204,111
5,774,658
【0057】実施例20:N−メチル−2−(2−ベン
ゾイル−2−プロピルチオ)ピリジニウムヘキサフロロ
アンチモネートの合成 実施例4の化合物3.83gを蒸留水20gに溶解させ、六
フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌し
て冷却した。析出した化合物を分離し、40℃で減圧乾
燥した。 収率:94% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1672,1613,156
8,1493,1446,1265,1164,77
2,711,659
【0058】実施例21:N−メチル−2−ジフェニル
メチルチオピリジニウムヘキサフロロアンチモネートの
合成 実施例5の化合物4.04gを蒸留水20gに溶解させ、六
フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌し
て冷却した。析出した化合物を分離し、40℃で減圧乾
燥した。 収率:92% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2977,1618,156
6,1492,1452, 1273,1161,75
3,707,659
【0059】実施例22:N−エチル−2−(2−エト
キシカルボニル−2−プロピルチオ)ピリジニウムヘキ
サフロロアンチモネートの合成 実施例6の化合物3.80gを蒸留水20gに溶解させ、六
フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌し
て冷却した。析出した化合物を濾別し、40℃で減圧乾
燥した。 収率:97% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2988,1729,161
1,1569,1493,1468,1273,115
8,1021,780,659
【0060】実施例23:N−ベンジル−2−ジフェニ
ルメチルチオピリジニウムヘキサフロロアンチモネート
の合成 実施例7の化合物4.48gを蒸留水5gとメチルエチルケ
トン(以下、MEKと言う)2gの混合溶液に溶解さ
せ、六フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく
攪拌した。この溶液に、蒸留水45g加え、よく攪拌し
冷却した。析出した化合物を分離し、40℃で減圧乾燥
した。 収率:93% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):3089,1611,156
2,1490,1454,771,748,707,6
97,660
【0061】実施例24:N−(2,6−ジクロロベン
ジル)−2’−エトキシカルボニルメチルチオピリジニ
ウムヘキサフロロアンチモネートの合成 実施例8の化合物 4.37 gを蒸留水5gとMEK2gの
混合溶液に溶解させ、六フッ化アンチモン酸カリウム
3.30 gを加え、よく攪拌した。この溶液に、蒸留水4
5g加え、よく攪拌して冷却した。析出した化合物を分
離し、40℃で減圧乾燥した。 収率:99% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1741,1615,156
5,1476,1441,1302,1248,119
2,1127,766,656
【0062】実施例25:N−シンナミル−2−エトキ
シカルボニルメチルチオピリジニウムヘキサフロロアン
チモネートの合成 実施例9の化合物 3.94 gを蒸留水20gに溶解させ、
六フッ化アンチモン酸カリウム 3.30 gを加え、よく攪
拌して冷却した。析出した化合物を分別後、40℃で減
圧乾燥した。 収率:92% 1このもののスペクトルデータは下記のとおりであっ
た。 IR(KBr,cm-1):2986,1737,161
5,1565,1491,1452,1307,128
3,1189,1136,1024,975,752,
695,659
【0063】実施例26:N−メチル−2−シンナミル
チオピリジニウムヘキサフロロアンチモネートの合成 実施例10の化合物3.53gを蒸水20gに溶解させ、六
フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌し
て冷却した。析出した化合物を分離し、40℃で減圧乾
燥した。 収率:98% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1620,1568,149
2,1451,1275,1163,1118,97
6,765,657
【0064】実施例27:N−(4−ニトロベンジル)
−2−シンナミルチオピリジニウムヘキサフロロアンチ
モネートの合成 実施例11の化合物4.43gを蒸留水5gとMEK2gの
混合溶媒に溶解させ、六フッ化アンチモン酸カリウム3.
30gを加え、よく攪拌した。この溶液に蒸 留水45g
を加え、よく攪拌して冷却した。析出した化合物を分離
し、40℃で減圧乾燥した。 収率:95% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1613,1563,152
3,1489,1452,1349,1282,106
0,974,755,659
【0065】実施例28:N−エトキシカルボニルメチ
ル−2−ベンジルチオピリジニウムヘキサフロロアンチ
モネートの合成 実施例12の化合物3.68gを蒸留水20gに溶解させ、
六フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌
し、冷却した。析出した化合物を分離し、40℃で減圧
乾燥した。 収率:99% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2987,1746,161
6,1566,1490,1455,1230,119
0,1022,770,660
【0066】実施例29:N−フェノキシカルボニルメ
チル−2−(2,4−ジクロロベンジルチオ)ピリジニ
ウムヘキサフロロアンチモネートの合成 実施例13の化合物4.85gを蒸留水5gとMEK2gの
混合溶媒に溶解させ、六フッ化アンチモン酸カリウム3.
30gを加え、よく攪拌した。この溶液に蒸留水45gを
加え、よく攪拌して冷却した。析出した化合物を分離
し、40℃で減圧乾燥した。 収率:97% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1768,1616,159
1,1564,1490,1475,1451,128
7,1211,1192,765,661
【0067】実施例30:N−メチル−2−(α−エト
キシカルボニルベンジルチオ)ピリジニウムヘキサフロ
ロアンチモネートの合成 実施例14の化合物3.99gを蒸留水30gに溶解させ、
六フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌
して冷却した。析出した化合物を分別後、40℃で減圧
乾燥した。 収率:93% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):2987,1735,161
8,1568,1493,1456,1272,122
5,1160,1020,767,733,661
【0068】実施例31:1,4,6−トリメチル−2
−エトキシカルボニルメチルチオピリジニウムヘキサフ
ロロアンチモネートの合成 実施例16の化合物3.52gを蒸留水30gに溶解させ、
六フッ化アンチモン酸カリウム3.30gを加え、よく攪拌
して冷却した。析出した化合物を分離し、40℃℃で減
圧乾燥した。 収率:88% このもののスペクトルデータは下記のとおりであった。 IR(KBr,cm-1):1748,1617,154
7,1463,13761307,1197,115
9,1093,1022,751,661
【0069】実施例32〜59 <硬化性能テスト>実施例6,11,16および実施例
17から31で合成した化合物をプロピレンカーボネー
トに溶解させ、ERL−4221(UCC社製脂環型エ
ポキシ)またはトリメチロールプロパントリアクリレー
ト(TMPT−A)に純分として2.5 部になるように添
加し、配合物を調整した。この配合物についてDSCお
よびUV−DSC測定を行い、DSC測定では、発熱ピ
ークのトップ温度、UV−DSC測定では、光照射から
発熱のトップピークまでの時間を求めた。なお、DSC
測定条件およびUV−DSC測定条件は下記の通りであ
り、その測定結果を表1〜表3に示した。
【0070】 DSC測定条件 DSC測定機器 : DSC220C(セイコー電子工
業社製) 雰 囲 気 : 窒素ガス気流中 30ml/分 昇温温度 : 10℃/分 サンプル量 : 0.3〜0.8mg UV−DSC測定条件 DSC測定機器 : DSC220C(セイコー電子工
業社製) UV照射器 : 超高圧水銀灯 雰 囲 気 : 窒素ガス気流中 30ml/分 測定温度 : 50℃ サンプル量 : 0.1〜0.3mg 膜 厚 : 2〜10μm 照 度 : 10mW/cm2 (365nm)
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】比較例1、3、5 対比用試料1として、N−ベンジル−N−メチル−N−
エチルアニリニウムヘキサフロロアンチモネートを開始
剤に用い、実施例と同様にERL−4221(UCC社
製脂環型エポキシ)およびTMPT−Aに添加して配合
物を調整し、DSCおよびUV−DSC測定を行った。
これらの結果を前記の表1から表3に示した。
【0075】比較例2、4、6 対比用試料2として、ベンジル−4−シアノピリジニウ
ムヘキサフロロアンチモネートを開始剤に用い、実施例
と同様にERL−4221(UCC社製脂環型エポキ
シ)およびTMPT−Aに添加して配合物を調整し、D
SCおよびUV−DSC測定を行い、DSC測定では、
発熱ピークのトップ温度、UV−DSC測定では、光照
射から発熱のトップピークまでの時間を求めた。これら
の結果を纏めて前記の表1〜表3に示した。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の新規オニ
ウム塩化合物は、カチオン重合性化合物の重合開始剤と
して有効であり、表1に見られるように、加熱処理によ
り、極めて迅速かつ低温で重合、硬化させることができ
る。また、表2および表3に見られるように、光反応性
にも優れており、カチオン重合性化合物およびラジカル
重合性化合物を光硬化することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式化1又は化2で表されるオニウム塩
    化合物。 【化1】 〔式中、R1 は、置換されていてもよいアルキル基又は
    置換されていてもよいフェニル基を表し、R2 は、置換
    されていてもよいフェニル基又は硫黄原子のα位の炭素
    原子に置換基を有するアルキル基を表し、R3 ,R4
    5 ,R6 は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アル
    キル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、フェニル
    基、COOR7 、COR8 、OCOR9 又はCONR10
    11のいずれかを表し、R5 とR6 は、縮合して芳香環
    を形成してもよく、Xは、有機又は無機のアニオン残基
    を表す。但し、R7 ,R8 ,R9 ,R10,R11はそれぞ
    れ水素原子、アルキル基、フェニル基又はベンジル基の
    いずれかを表す〕 【化2】 〔式中、R12は、置換されていてもよいアルキル基を表
    し、R13は、硫黄原子のα位の炭素原子に置換基を有す
    るアルキル基を表し、R14,R15,R16は、それぞれ水
    素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シ
    アノ基、ニトロ基、フェニル基、COOR17、CO
    18、OCOR19又はCONR2021のいずれかを表
    し、Xは、有機又は無機のアニオン残基を表す。但し、
    17,R18,R19,R20,R21はそれぞれ水素原子、ア
    ルキル基、フェニル基又はベンジル基のいずれかを表
    す〕
  2. 【請求項2】請求項1に記載のオニウム塩化合物の少な
    くとも一種を含有することを特徴とする重合開始剤。
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