JPH07256322A - 金属板の冷間圧延方法 - Google Patents

金属板の冷間圧延方法

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JPH07256322A
JPH07256322A JP6053865A JP5386594A JPH07256322A JP H07256322 A JPH07256322 A JP H07256322A JP 6053865 A JP6053865 A JP 6053865A JP 5386594 A JP5386594 A JP 5386594A JP H07256322 A JPH07256322 A JP H07256322A
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rolling
width
plate
shape
roll
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JP6053865A
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Ryuji Hamada
龍次 浜田
Koichi Sakamoto
浩一 坂本
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延材の形状の制約を受けずに板幅を制御す
ることができ、歩留まりの向上を図れる金属板の圧延方
法を提供する。 【構成】 水平方向に可撓な上下の作業ロールと、圧延
時に被圧延材の幅方向の板厚分布を変化させることによ
り圧延形状の変更を行うことが可能な少なくとも一つ以
上の形状変更手段とを有する圧延機によって、上下の作
業ロールのうちの少なくとも一つを水平方向に撓ませて
圧延を行い、形状変更手段の設定値および作業ロールの
水平撓み量を変更することにより被圧延材の平坦度と板
幅とを同時に制御する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属板の冷間圧延方法
に関し、さらに詳細には、被圧延材である金属板の形状
および板幅を変更する金属板の圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種材質の圧延によって製造され
た板材 (以下、これを「圧延板」という) の性状に対す
る需要家の要求はますます厳しくなっており、板形状お
よび板幅を高精度に制御することが望まれている。以
下、圧延板として金属板を例にとり説明する。
【0003】一般に金属板を圧延すると、板幅方向での
圧延方向(長手方向)の伸び歪の差異によって圧延後の
板には平坦不良が発生することがある。一般に、板端部
の長手方向伸びが中央部に比べて大きい場合を「耳
波」、反対に、中央部の伸びが板端部に比べて大きい場
合を「中伸び」と呼ぶ。
【0004】この平坦不良の原因となる圧延方向の伸び
歪は、上下作業ロールの圧下によって生じる板厚方向の
圧縮歪量と、板幅方向の塑性流動によって生じる歪量と
の関係によって決まる。現在、圧延時の平坦不良を防止
する方法としては、板幅方向で上下作業ロールの圧下量
を変化させ、板厚方向の圧縮歪量を制御することによっ
て、幅方向での圧延方向伸び歪の分布を適正化する方法
が数多く開発されており平坦度制御方法の主流となって
いる。例えば、作業ロールにイニシャルクラウンをつけ
ておく方法、ロールベンダーを用いる方法、中間ロール
や作業ロールを軸方向にシフトさせる方法、可変クラウ
ンロールを用いる方法およびロールクロス圧延法等があ
る。
【0005】図2は、圧延時の幅方向の板厚分布と圧延
形状との関係を示す図である。図2(a) 〜図2(c) は、
板端部が、板中央部より薄くなるように圧延した場合の
作業ロール20、20の撓み、被圧延材22の断面形状、そし
てその結果を示す被圧延材のそれぞれの説明図であり、
この場合には圧延形状は耳波24となる。また、図2(d)
〜図2(f) は板端部が板中央部より厚くなるように圧延
した場合の同じく作業ロール20、20の撓み、被圧延材22
の断面形状、そしてその結果を示す被圧延材の外観のそ
れぞれ説明図であり、この場合には圧延形状は中伸び26
となる。
【0006】このような平坦不良を上述の方法で修正す
るには、形状が耳波であれば、板端部の板厚が厚くなる
ようにベンダーなどのアクチュータを操作し、中伸びで
あれば、板端部の板厚が薄くなるようにアクチュータを
操作して、板厚方向の歪を変化させることによって長手
方向の伸び歪を均一化させる。
【0007】ところで、金属板の圧延においては、平坦
度および幅方向板厚分布の変動と共に、板の幅変動も生
じる。圧延によるこの幅変動には、圧延前後の幅方向板
厚分布 (板クラウン) の変化が大きく影響を及ぼすこと
が知られており、板厚分布変化量を予測し、それより板
幅変動量を目標値に調整する方法が提案されている (特
開昭62−296904号公報) 。その原理を図3を用いて説明
する。
【0008】図3は幅方向板厚分布 (以下、板クラウン
と呼ぶ) が異なる場合の被圧延材である金属板22の幅寸
法変化の説明図である。通常の操業条件で圧延したとき
の基準クラウン形状の金属板 (実線) の板幅をW、板厚
をtとすれば、幅方向端部の厚み(t')が基準クラウン条
件の金属板のそれよりも薄く圧延された場合 (t'<t)、
幅中央の板厚が同一の金属板 (破線) では、幅がΔWだ
け広がることになる。逆に、板幅端部の厚み(t')を厚く
なるように圧延すれば (t'>t)、圧延された金属板の板
幅は、基準条件の板幅に比べて狭くなる。
【0009】従って、圧延形状を修正する場合、上述の
方法では、平坦度は向上するものの、同時に板幅変動が
起こり板幅精度は悪化することになる。
【0010】一方、先に述べたように、圧延時の平坦不
良は、板幅方向の塑性流動によっても影響を受ける。こ
の幅方向塑性流動は、板端部で発生しやすく、その理由
は板端部において幅方向の拘束が小さいためである。そ
こで、前述の平坦不良を解消する手段の一つとして、こ
の板端部の幅方向への塑性流動を積極的に活用すること
が考えられる。
【0011】近年、冷間圧延の分野では、極小径の作業
ロールを用いた6段式圧延機 (通常、Universal-Crown
ミル、略してUCミルと呼ばれる) において、水平方向
の圧延反力やロール間に働く力および作業ロールのオフ
セット量の関係から、作業ロールが水平方向に撓み、圧
延形状に影響を及ぼすという現象が報告されている (平
成5年度、塑性加工春期講演会講演論文集、369 〜376
頁) 。この文献によれば、作業ロール中央部が前 (出
側) に突き出る方向に撓むと耳波、後 (入側) に突き出
る方向に撓むと中伸びとなるといわれている。
【0012】また、熱間圧延の分野で、作業ロールを水
平方向に撓ませる方式の圧延機 (通常、Minimum-Edgedr
opミル、略してMEミルと呼ばれる) が開発、実用化さ
れている (「塑性と加工」、Vol.31-352(1990)、632 〜
638 頁、第39回塑性加工連合講演会論文集 593〜596
頁) 。その圧延機は、小径の上側作業ロールをオフセッ
トさせ、それをサポートロールにより水平方向に撓ませ
て、上下作業ロール間の間隙分布を変化させ、幅方向の
板厚分布を制御することを目的とした圧延機であるが、
前述の文献には、水平方向の作業ロール撓みにより、板
幅方向に摩擦力が発生し、材料の圧延中の塑性流動が幅
方向に変化することが示されている。その結果、幅方向
の伸び偏差を制御することにより、圧延材の平坦度を良
好に保ちつつ幅方向の板厚分布を変更可能であることが
示唆されている。
【0013】その原理を図4を用いて説明する。図4は
作業ロール40の水平方向への撓みを示す平面図であり、
図中の矢印はロールの回転ベクトルの方向を示す。図4
(a) は作業ロール40が撓んでいない状態、図4(b) は作
業ロール40を圧延方向入側に撓ませた状態、図4(c) は
作業ロール40を圧延方向出側に撓ませた状態のそれぞれ
概略説明図である。この方法では、図4(b) あるいは図
4(c) に示すように、作業ロール40の回転方向のベクト
ルが、図4(a) の場合のような通常圧延に比べて、それ
ぞれ内向きあるいは外向きであり、板幅方向の速度ベク
トルが異なるので板幅方向に摩擦力が発生し、材料の塑
性流動が生じる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の形状
制御方法は、平坦度を制御するために幅方向のロール間
隙分布、すなわち被圧延材の幅方向板厚分布を変化させ
るという方法が採られている。しかし、この方法を用い
た場合、幅方向の板厚分布の変化に伴って、圧延後の板
幅も変化してしまうという問題がある。仮に、幅変動の
テーブル値を適正なものに設定していたとしても、母材
の幅方向板厚分布等が異なる場合には板幅変動量も異な
ることになるため、板幅精度が悪化し、目標値から外れ
た値となることが多い。
【0015】また、現状の操業においては、通板性等の
制約により圧延板の平坦度を重視した圧延が行われてお
り、板幅の変化に関しては、あまり省みられることはな
かった。
【0016】このため、板幅が変動しても最小幅部分を
製品幅以上とする必要があり、目標幅を余幅があるよう
に定めているので、圧延された金属板の幅方向両端部を
スリットして製品を採る際、その切り捨て部分が多くな
り歩留まりが悪かった。
【0017】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、被圧延材の形状の制約を受けずに板幅を制御
することができ、これにより歩留まりの向上を図れる金
属板の圧延方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは種々検討を重ねた結果、以下に述べる
ように作業ロールの水平方向の撓み量と幅方向の板厚分
布とを制御することにより前記課題を解決できることを
知見して本発明を完成した。
【0019】すなわち、本発明に係る金属板の冷間圧延
方法は、水平方向に可撓な上下の作業ロールと、圧延時
に被圧延材の幅方向の板厚分布を変化させることにより
圧延形状の変更を行うことが可能な少なくとも一つ以上
の形状変更手段とを有する圧延機による金属板の冷間圧
延方法において、前記上下の作業ロールのうちの少なく
とも一つを水平方向に撓ませて圧延を行い、形状変更手
段の設定値および作業ロールの水平撓み量を変更するこ
とにより被圧延材の平坦度と板幅とを同時に制御するこ
とを特徴とする。
【0020】なお、板幅の修正量に合わせて形状変更手
段の設定値及び作業ロールの水平撓み量の変更量を求
め、求められた2つの変更量に前記設定値及び水平撓み
量を変更して圧延してもよい。また、形状の修正量に合
わせ形状変更手段の設定値及び作業ロールの水平撓み量
の変更量を求め、求められた2つの変更量に前記設定値
及び水平撓み量を変更して圧延してもよい。
【0021】
【作用】以下、本発明の作用について説明する。まず、
作業ロールを水平方向に撓ませて圧延を行うことによ
り、圧延板の形状(平坦度) を変化させることができる
理由を詳細に説明する。
【0022】図5は作業ロール40の水平方向撓みと、圧
延板42に働く幅方向力と幅変動の方向および圧延後の形
状を示す図である。図5(a) 〜(c) は作業ロール40が前
(出側) に突き出る方向に撓んだ場合の作業ロール40の
撓み、圧延板42の断面形状、そしてその結果としての圧
延板42の外観のそれぞれ説明図であり、図5(d) 〜(f)
は作業ロール40が後 (入側) に突き出る方向に撓んだ場
合の作業ロールの撓み、圧延板42の断面形状、そしてそ
の結果としての圧延板42の外観のそれぞれ説明図であ
る。
【0023】図5(a) に示すようにロール42が出側に突
き出した場合、図5(b) に示す圧延板42には、幅方向の
外向きの力が働き幅広がりが起きる。そのため、材料は
板端部に集められ、図5(c) に示すように、板端部で伸
びが大きい状態、すなわち耳波44が生じた状態になる。
【0024】逆に図5(d) に示すように作業ロール42が
入側に突き出した場合、図5(e) に示す圧延板42には、
幅方向に内向きの力が働き幅縮みが起きる。そのため、
材料は板中央部に集められ、図5(f) に示すように、板
中央部で伸びが大きい状態、すなわち中伸び46が生じた
状態となる。
【0025】ところで、このようなロールを水平方向に
撓ませることにより形状を変更することができるもの
の、幅方向の塑性流動が変化するため、同時に幅変動も
起きることになる。しかしながら、水平方向のロールの
撓みによって生じる幅変動は、板厚分布の変化によって
生じる幅変動に比べると、非常に小さく、本発明の効果
を阻害するものではないことを実験により確認してい
る。
【0026】すなわち、同一の圧延条件で幅方向板厚分
布のみを変化させた場合と、ロール水平方向撓みのみを
付与した場合の圧延板の形状と幅変動の関係を比較し
た。結果を図6(a) 、図6(b) にグラフで示す。
【0027】本例では、図7(a) 、(b) に示すように作
業ロール70、70、中間ロール72、72、補強ロール74、74
から構成されワークロールベンダー76および水平サポー
トロール78を備えた6段式圧延機を用い、1パスにて圧
延を行った。ここで、作業ロール径100mm 、中間ロール
径 420mm、補強ロール径 980mm、ロール胴長は1200mm、
圧延材は板厚2.6 mm、板幅1000mm、圧下率は30%とし
た。
【0028】幅方向板厚分布の変更手段、つまり形状変
更手段として図7(a) の圧延機に装備されたロールベン
ダー76を用い、ベンダ力を変化させることにより、形状
を耳波から中伸びまで変化させた。また、作業ロールを
水平方向に撓ませる手段としては図7(b) およびその詳
細を図8に示す入、出側一対の水平たわみサポートロー
ル78を用い、このサポートロール78の押し込み量を変化
させることによりたわみ量を変化させた。
【0029】図6(a) 、図6(b) に圧延後の圧延形状と
板幅変動量との関係、圧延形状と板クラウン量との関係
をそれぞれ示す。ここで、圧延形状は板端から10mmの位
置と板中央部の伸び差を急峻度に換算して表し、耳波を
正、中伸びを負とした。板幅変動量は圧延前後の幅の差
をとり、幅広がりを正、幅縮みを負とした。また、板ク
ラウン量は幅中央部の板厚から板端より10mm位置での板
厚を引いたもので表した。
【0030】図6(a) に示す結果より圧延形状が耳波か
ら中伸びへと変化すると、板幅変動量は幅広がりから端
縮みへと変化しているが、ロールベンダーにより板厚分
布を変化させたもの (図中○印) に比べ、水平方向の撓
みを与えたもの (図中△印)では幅変動量がかなり小さ
いことがわかる。
【0031】また、図6(b) に示す結果より、ロールベ
ンダーを用いた圧延 (図中○印) で、圧延形状が耳波か
ら中伸びへと変化すると板クラウン量は正から負へと変
化しているのに対し、水平方向撓みを与えたもの (図中
△印) では板クラウン量はほとんど変化していない。た
だし、小さい量ではあるが、板厚分布を変化させた条件
と定性的には一致しており、これは幅方向塑性流動が変
化したことによって、圧延圧力分布が若干変化し、ロー
ルの垂直方向の撓みおよび偏平に影響を与えたためと思
われる。
【0032】これらの結果より、ロールベンダー等の形
状変更手段により板厚分布を変化させる方法と、作業ロ
ールを水平方向に撓ませ塑性流動を変化させる方法とで
は、圧延後の形状に与える影響はほぼ等価であるが、幅
変動に対する影響としては、板厚分布を変化させる方法
に比べ、水平方向の撓みを与える方法ではきわめて小さ
いことがわかる。
【0033】次に、ここで得られた知見に基づき、本発
明の基本となる考え方について説明する。形状、幅変動
に対する板厚変動を伴う形状変更手段 (ここでは、ロー
ルベンダーを例にとる。従って、制御要素としては、ロ
ールベンド圧力) と水平方向撓み量との相関をそれぞれ
コイルの寸法諸元に合わせてコイル毎に、例えば、下式
に示す如き関係式として求めておく。
【0034】 ε1 =a1 +b1 P ・・・・ (1) ε2 =a2 +b2 Y ・・・・ (2) W1 =c1 +d1 P ・・・・ (3) W2 =c2 +d2 Y ・・・・ (4) ε1 ,ε2 :あるロールベンダー圧力,水平方向撓み量
での板形状 (幅方向の任意の位置と幅方向中央位置での伸び差) W1 ,W2 :あるロールベンダー圧力,水平方向撓み量
での板幅 P :ロールベンド圧力 Y :作業ロールの水平方向撓み量 a1 ,b1 ,c1 ,d1 及びa2 ,b2 ,c2 ,d2
コイル毎に決まるパラメータ(既知量) ここで、(4) 式は、水平方向撓みによって生じる等価な
ロールクラウンの板厚分布に与える影響を考慮したもの
である。
【0035】仮に、圧延中に板幅をWとすると、板幅W
は(3) 式と(4) 式との和によって下式(5) として表され
る。 W=c1 +c2 +d1 P+d2 Y ・・・ (5) 同様に、圧延中に形状をεとすると、板形状εは(1) 式
と(2) 式との和によって下式(6) として表される。 ε=a1 +a2 +b1 P+b2 Y ・・・ (6) 従って、上式(5) 、(6) を連立させて解くことにより、
圧延板の形状と板幅を同時に目標値へと修正することが
可能である。
【0036】図1は本発明の原理の説明図であり、板厚
分布変化により形状を制御する手段としてのアクチュー
タの値と作業ロールの水平撓み量との関係を示すグラフ
である。横軸には形状制御アクチュータの値 (ここで
は、例としてロールベンド圧力P) を、また縦軸には作
業ロールの水平撓み量Yをとっており、グラフ中RE
(6) 式で表される圧延形状に対するロールベンド圧力−
作業ロール水平撓み量の関係を示す曲線、RW は(5) 式
で表される板幅修正量に対するロールベンド圧力−作業
ロール水平撓み量の関係を示す曲線を示しており、両者
の交点が(5) 式と(6) 式とを満足する連立解を表してい
る。従って、目標とする板幅及び形状変更量に関して、
E とRW とが交わる点での横軸と縦軸の値を変更量と
して用いれば、形状と板幅を同時に修正することができ
る。
【0037】したがって、本発明の好適態様によれば、
板幅の修正量に合わせて前記形状変更手段の設定値及び
前記作業ロールの水平撓み量の変更量を求め、求められ
た2つの変更量に前記設定値及び水平撓み量を変更して
圧延するようにしてもよく、また形状の修正量に合わせ
前記形状変更手段の設定値及び前記作業ロールの水平撓
み量の変更量を求め、求められた2つの変更量に前記設
定値及び水平撓み量を変更して圧延するようにしてもよ
い。
【0038】本発明では、板厚分布変化により形状を制
御する手段であるアクチュータとしてロールベンド圧を
用いているが、ロールシフトや可変クラウンロールを用
いる場合、あるいはロールクロス圧延等に関しても本発
明が有効なのは言うまでもないことであり、さらに、ロ
ールクロス圧延のようなアクチュータの応答性が遅いよ
うな圧延では、例えば、図1のRE で示される関係を保
持しつつRW との交点までアクチュータを変化させれ
ば、幅修正の過渡状態での平坦不良を防止することがで
きる。
【0039】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明の効果を説明
する。 (実施例1)圧延形状を変更したときの板幅の変化につい
て本発明方法とロールベンダのみで制御をしワークロー
ルの水平たわみを制御しない場合 (比較例) の結果を比
較した。実験は、図7の圧延機を使って前記実験と同じ
条件で行い、圧延形状が所定の値となるように圧延を行
い、本実施例の場合には、板幅変動量が零となるように
制御した。
【0040】このときの急峻度と板幅変動量との関係を
図9にグラフで示す。ここで、急峻度は板端部から10mm
の位置と中央部との伸び差から換算した値を用い、板幅
変動量は母材幅を基準値として、そこからの偏差をとっ
た。急峻度は耳波形状を正、中伸び形状を負とし、ま
た、幅変動量は基準値よりも幅広がりを正、幅縮みを負
とした。
【0041】図9からわかるように、本発明方法 (図中
●印) を用いれば中伸び、耳波の形状とも幅変動は±0.
2 mm以内の範囲に治まっており、幅精度は向上している
が、ロールベンダのみの比較例では、形状の変化に伴い
板幅も変化し、本試験条件の範囲では最大で±0.8 mm程
度変動している。
【0042】(実施例2)本例では実施例1を実操業で繰
り返した。図10に、5スタンドの冷間タンデム圧延ライ
ンでの実操業時の板幅変動量の度数分布図を示す。図10
(a) に本実施例の結果を、図10(b) に比較例の結果を示
す。なお、板幅変動量は幅設計テーブルの目標板幅との
差をとった。
【0043】この結果より、本発明方法を用いることに
より、サイズ等によらず、板幅のばらつきを最小化する
ことができ、寸法精度の良好な製品を製造可能であるこ
とがわかった。
【0044】
【発明の効果】本発明方法によれば、圧延時の形状と板
幅を同時に制御することができ、母材寸法等の影響を排
除して形状、板幅精度とも優れた金属板の製造が可能で
あり、歩留りの向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の原理説明図である。
【図2】図2(a) 〜(f) は圧延時の幅方向板圧分布と板
形状との関係を示したものであり、図2(a) 〜(c) は耳
波が生じる場合を、図2(d) 〜(f) は中伸びの生じる場
合を表している説明図である。
【図3】圧延時の幅方向板圧分布と板幅変動との関係を
示したものである。
【図4】作業ロールの水平撓みの状態と、圧延板に作用
する摩擦力の状態とを示し、図4(a) は作業ロールが撓
んでいない状態、図4(b) は作業ロールを圧延方向入側
に撓ませた状態、図4(c) は作業ロールを圧延方向出側
に撓ませた状態のそれぞれ概略説明図である。
【図5】作業ロールの水平撓みにより圧延板の形状が変
化することを説明するものであり、図5(a) 〜(c) は耳
波が生じる場合を、図5(d) 〜(f) は中伸びが生じる場
合を表わしている説明図である。
【図6】ロールベンダーと作業ロール水平方向撓みの効
果をそれぞれ単独で表す図であり、図6(a) は圧延板の
端部から10mmの位置と中央部との延伸差から換算して求
めた急峻度と圧延前後での幅変動量の関係を図示したも
のであり、図6(b) は圧延板の端部から10mmの位置と中
央部との延伸差から換算して求めた急峻度と中央部の板
厚から端部から10mmの位置での板厚を引いた板クラウン
量との関係を図示したものである。
【図7】図7(a) は本発明例で用いた圧延機の構造を示
す正面図、および図2(b) は側面図である。
【図8】ワークロールを水平方向に撓ませるサポートロ
ールを示した平面図である。
【図9】圧延板の端部ら10mmの位置と中央部との延伸差
から換算して求めた急峻度と圧延前後での幅変動量との
関係を図示したものである。
【図10】板幅目標値と実績値の差によって板幅変動量
との偏差の分布を図示したものであり、図10(a) は本発
明例の、図10(b) は比較例の結果をそれぞれ示すグラフ
である。
【符号の説明】
40:作業ロール 44 : 耳波 42:圧延板 46 : 中伸び
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21B 37/22 8315−4E B21B 37/00 122 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向に可撓な上下の作業ロールと、
    圧延時に被圧延材の幅方向の板厚分布を変化させること
    により圧延形状の変更を行うことが可能な少なくとも一
    つ以上の形状変更手段とを有する圧延機による金属板の
    冷間圧延方法において、前記上下の作業ロールのうちの
    少なくとも一つを水平方向に撓ませて圧延を行い、形状
    変更手段の設定値および作業ロールの水平撓み量を変更
    することにより被圧延材の平坦度と板幅とを同時に制御
    することを特徴とする金属板の冷間圧延方法。
  2. 【請求項2】 板幅の修正量に合わせて前記形状変更手
    段の設定値及び前記作業ロールの水平撓み量の変更量を
    求め、求められた2つの変更量に前記設定値及び水平撓
    み量を変更して圧延する請求項1に記載の金属板の圧延
    方法。
  3. 【請求項3】 形状の修正量に合わせ前記形状変更手段
    の設定値及び前記作業ロールの水平撓み量の変更量を求
    め、求められた2つの変更量に前記設定値及び水平撓み
    量を変更して圧延する請求項1に記載の金属板の圧延方
    法。
JP6053865A 1994-03-24 1994-03-24 金属板の冷間圧延方法 Withdrawn JPH07256322A (ja)

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JP6053865A JPH07256322A (ja) 1994-03-24 1994-03-24 金属板の冷間圧延方法

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