JPH07256059A - プレート型pv膜モジュール及びpv膜分離装置 - Google Patents

プレート型pv膜モジュール及びpv膜分離装置

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JPH07256059A
JPH07256059A JP7379794A JP7379794A JPH07256059A JP H07256059 A JPH07256059 A JP H07256059A JP 7379794 A JP7379794 A JP 7379794A JP 7379794 A JP7379794 A JP 7379794A JP H07256059 A JPH07256059 A JP H07256059A
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JP
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chamber
plate
heat medium
liquid
supply
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JP7379794A
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Inventor
Hidekazu Nishikawa
英一 西川
Reiji Sato
礼二 佐藤
Kenji Shibata
憲司 柴田
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化、簡素化することが可能なプレート型
PV膜モジュール及びそのプレート型PV膜モジュール
を用いたPV膜分離装置を提供する。 【構成】 本発明のプレート型PV膜モジュールは、プ
レートにより分割された1個以上のユニットとなってお
り、その一つのユニットは熱媒を受入れ通過させること
ができる熱媒室、液体混合物を受入れ選択的に透過させ
非透過液体を通過させることができる供給液室、及び透
過された蒸気を排出することができる蒸気室からなる。
熱媒室と供給液室とは熱伝導性の材料の熱供給プレート
11で空間的に隔てられ、供給液室と、蒸気室とは選択
的透過性の材料を有するPV膜プレート12により隔て
られている。このようなユニットを複数個積層すること
によって、容易にスケールアップすることができ、しか
もそのプレート型PV膜モジュールの機構は簡素化され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パーベーパレーション
膜を用いたPV膜モジュール及びPV膜分離装置に関
し、特に、小型化が可能で、機構が簡素化されたプレー
ト型PV膜モジュール及びPV膜分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液体混合物の分離法としてパーベ
ーパレーション膜(略語:PV膜)を利用したプロセス
が注目されている。このPV膜を利用した分離法はパー
ベーパレーション法(略:PV法)(別名:浸透気化
法)と呼ばれ、膜の両側の圧力差を推進力として液体混
合物を分離し、一般的には膜の透過側(蒸気出口側)を
減圧することによって行なわれている。この方法は、蒸
留操作では難しい共沸混合物の分離、近沸点混合物の分
離に非常に有効である。PV膜に有機物選択性を有する
ものを使用すれば、有機物が蒸気となって透過され、水
が濃縮される。またPV膜に水選択性を有するものを使
用すれば、水が蒸気となって透過され、有機物が濃縮さ
れる。最近では、有機溶剤の回収にPV法を利用する検
討も活発に行なわれており、特に、水選択透過性PV膜
を利用したアルコール脱水はすでに国内外において実用
機が稼働している。
【0003】PV法は、液体混合物の透過成分がPV膜
を介して気体へと相変化を伴いながら移動することによ
り分離が行なわれるので、透過成分を蒸発させるための
蒸発潜熱に相当する熱量を供給する必要がある。特に水
を含む液体混合物で水を透過させる場合、水の蒸発潜熱
は特に大きく、非透過成分は大幅な温度低下をもたら
す。このような温度低下による透過性能の低下を防ぐた
めに、熱量を供給する加熱装置を用いることが従来行な
われている。
【0004】図1に、従来のPV膜分離プロセスのフロ
ーを示す。1はPV膜モジュールである。2は真空容器
であり、PV膜モジュール1へ供給する透過側を減圧に
維持するためのPV膜モジュール1を収容しており、そ
の内部に複数のPV膜モジュール1が配置されている。
3は供給液を加熱するためのヒータ、4は供給液を貯蔵
している供給液タンク、5は供給液タンク4から供給液
を汲み出してPV膜モジュール1に送給するための供給
液ポンプ、6はPV膜モジュール1で濃縮されて排出さ
れる濃縮液を貯蔵するための濃縮液タンク、7はPV膜
モジュール1で濃縮された濃縮液の排熱を利用して供給
液と濃縮液とを熱交換して供給液を予め加熱するための
プレヒータ、8はPV膜モジュール1から排出される蒸
気状態の透過成分を冷却水により凝縮して液体とするた
めのコンデンサ、9はPV膜モジュール1の透過側を減
圧にするための真空ポンプ、10はコンデンサ8で凝縮
した透過液を貯蔵するための透過液タンクである。
【0005】前記PV膜モジュール1は容量を大きくす
るために多段に組み合わされている。この多段の組合せ
方は、上流側のPV膜モジュール1において、透過され
なかった供給液を下流に位置する次のPV膜モジュール
1へ供給できるように配置されている。複数のPV膜モ
ジュール1の供給側を常に一定の温度に維持するため
に、PV膜モジュール1に供給液を供給するパイプは、
前記ヒータ3内を巡り、PV膜モジュール1の供給液供
給口へ連結されている。そして、PV膜モジュール1の
供給液排出口に連結されているパイプは、再び前記ヒー
タ3内を巡り、前記と同様に下流に位置する次のPV膜
モジュール1の供給液供給口へ連結されている。このよ
うに供給液を加熱するためのヒータ3はPV膜モジュー
ル1と独立して存在し、供給液を一定の温度に加熱する
ためのパイプが両者の間に複雑に往復している。
【0006】上流側に配置された第1番目のPV膜モジ
ュール1において透過されなかった供給液は濃縮液とし
て排出され、前記ヒータ3内に導入され加熱されて再
び、次のPV膜モジュール1の供給液供給口へ導入され
る。同様な濃縮液の移動が引き続いて配置されたPV膜
モジュール1とヒータ3との間で順次繰り返される。P
V膜モジュールか1ら排出された濃縮液は、最終的に濃
縮タンク6に回収される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のPV膜分離
装置に使用されているPV膜モジュールは、透過側を減
圧するために複数個の膜モジュール全体が大きな真空容
器内に設置され、また供給液を加熱するための加熱装置
がPV膜モジュールの上流側に独立に設置されている構
成となっているため、PV膜分離プロセスが複雑化して
いた。そして、このような構造のPV膜分離装置でスケ
ールアップをする場合、PV膜面積を大きするためには
PV膜モジュール自体をスケールアップしなければなら
ず、大きな真空容器および大容量のヒータ等が必要とな
り、PV膜分離プロセスもさらに複雑化し、かつPV膜
分離装置も大型化するという問題があった。
【0008】そこで、本発明は、小型化、簡素化するこ
とが可能なPV膜モジュール及びそのPV膜モジュール
を用いたPV膜分離装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るために、本発明のプレート型PV膜モジュールは、熱
媒を受入れ通過させることができる熱媒室、液体混合物
を受入れ該液体混合物の透過成分を選択的に透過させ且
つ非透過液体を通過させることができる供給液室、及び
透過された蒸気を排出することができる蒸気室からなる
ユニットを有し、前記熱媒室と前記供給液室とは熱伝導
性の材料のプレートで空間的に隔てられ、且つ前記供給
液室と前記蒸気室とは選択的透過性の材料を有するプレ
ートにより空間的に隔てられていることを特徴とする。
【0010】本発明をこのように構成することにより、
従来のPV膜分離装置と比較して、供給液を加熱するた
めの独立した加熱装置が必要でなく、供給液を加熱する
ための配管が不要となり、またPV膜モジュール全体を
真空容器に収容する必要がないので、PV膜分離装置全
体として小型化、簡素化が可能となる。
【0011】また本発明のプレート型PV膜モジュール
は、上記ユニットが複数個積層されることが望ましい。
このように構成することにより、各プレート、特にPV
膜を有するプレートの交換や、またスケールアップのた
めの熱媒室、供給液室、蒸気室からなるユニットの追
加、変更も容易に行なうことができる。
【0012】また本発明のプレート型PV膜モジュール
の態様は上記の蒸気室と上記の熱媒室との間がプレート
により空間的に隔てられていることを特徴とする。
【0013】また本発明のプレート型PV膜モジュール
の別の態様は、前記の蒸気室が選択的透過性の材料、即
ちPV膜、を有するプレートの透過側(蒸気出口側)が
2枚向かい合って形成された空間であることを特徴とす
る。このように構成することにより、透過蒸気流路は、
供給液流路2個分に対してこれを1流路とすることがで
き、装置のコンパクト化、簡略化が可能となる。また、
このように配置されたユニットを複数個積層する場合に
は、熱媒流路も、供給液流路2個分に対して1流路とす
ることができ、プレート型PV膜モジュールをよりコン
パクト化することができる。
【0014】また本発明のプレート型PV膜モジュール
は、上記の各熱媒室に連通した各熱媒室に共通な熱媒入
口と熱媒出口を有し、上記の各供給液室に連通した各供
給液室に共通な供給液入口と供給液出口を有し、上記の
各蒸気室に連通した各蒸気室に共通な蒸気出口を有する
ことを特徴とする。
【0015】本発明のPV膜分離装置は、上記の熱媒
室、供給液室及び蒸気室を有するプレート型PV膜モジ
ュールが、その熱媒室に熱媒を供給する熱媒供給装置に
連絡されており、その供給液室に供給液を供給する供給
液供給装置に連絡されており、その蒸気室から排出され
る蒸気を凝縮させて液体とし回収する透過液回収装置と
連絡されており、その熱媒室から排出される濃縮液を回
収する濃縮液回収装置と連絡されていることを特徴とす
る。
【0016】
【作用】上記のように構成されたプレート型PV膜モジ
ュールに導入される供給液は、最初のユニットの供給液
室を流れる流れと、その下流側に配置される供給液室に
供給液を供給する流れとに別れて、プレート型PV膜モ
ジュール内の全ての供給液室に供給液が供給される。こ
のプレート型PV膜モジュールに導入される熱媒は、こ
の供給液の流れと同様に、最初のユニットの熱媒室を流
れる流れと、その下流側に配置される熱媒室に熱媒を供
給する流れとに別れて、プレート型PV膜モジュール内
の全ての熱媒室に熱媒が供給される。
【0017】前記各供給液室中の供給液の内、PV膜を
透過した透過成分は蒸気となって各蒸気室に集まり、プ
レート型PV膜モジュール内に形成された共通の配管に
よってプレート型PV膜モジュールの外へ排出される。
また透過されなかった供給液のその他の成分は、濃縮さ
れることになり、各供給液室から共通の配管によって、
プレート型PV膜モジュールの外へ排出される。また各
熱媒室に供給された熱媒は、各熱媒室から共通の配管に
よって、プレート型PV膜モジュールの外へ排出され
る。
【0018】
【実施例】
〔実施例1〕本発明のプレート型PV膜モジュールを図
面に基づいて説明する。
【0019】図2、図3、図4は、本発明のプレート型
PV膜モジュールを構成する3種類のプレートの形状を
示し、図2は熱供給プレート11、図3はPV膜プレー
ト12、図4は蒸気室プレート13である。図5は、本
発明のプレート型PV膜モジュールの一側面に設けら
れ、プレート型PV膜モジュールの外側に配置されるフ
レーム29の一側を示す。このフレーム29には、後記
に詳述するが、各種流体を導入するための入口、また排
出するための出口が形成されている。なお、もう一方の
側に配置されるフレームには、図示していないが、各流
体の供給口、排出口等の出入り口は無くてもよい。
【0020】本発明のプレート型PV膜モジュールは、
後記に詳述するようにこれら上記各プレートを2種又は
3種組み合わせることによって構成される。各プレート
11、12、13の周縁部付近には、隣接するプレート
(又はフレーム)を密着させ且つ各プレート間に部屋を
形成するための帯状突起物のガスケット14、15、1
6が突設されている。各プレートの組合せにより形成さ
れた3種類の空間は、それぞれ熱媒、供給液、透過蒸気
が流れる構造の熱媒室、供給液室、蒸気室となる。
【0021】図5に示す平板状のフレーム29には、プ
レート型PV膜モジュールに熱媒を導入するための熱媒
入口34、熱媒を排出するための熱媒出口35、供給液
を導入するための供給液入口30、供給液を排出するた
めの供給液出口31、PV膜を透過した透過蒸気をプレ
ート型PV膜モジュールから排出するための透過蒸気出
口36が開口して形成されている。
【0022】図2に示す熱供給プレート11は、熱媒と
供給液を隔て且つ供給液を加熱するために使用される。
この熱供給プレート11をフレーム29、129又は他
のプレートと組み合わせることにより、ガスケット14
の厚みの熱媒室が形成される。この熱供給プレート11
には、さらに下流側に形成された熱媒室に熱媒を供給す
るための熱媒供給口17と、その下流側の熱媒室から排
出される熱媒を通過し排出させるための熱媒排出口18
がそれぞれ異なる端部付近に互いに距離を隔て開口して
設けられている。なお、下流側に熱媒室が無い場合に
は、この熱供給プレート11には熱媒供給口17及び熱
媒排出口18を設ける必要はない。図2中の矢印は、熱
媒室中における熱媒の流れを表す。
【0023】熱供給プレート11には、熱媒室と空間的
に隔てられた、透過蒸気管28、供給液供給管24及び
供給液排出管25が設けられており、それぞれの管には
ガスケット14が被覆されている。これらのガスケット
14に被覆された各管により、下流に配置された供給液
室へ供給液を供給することができ、また下流側の蒸気室
の透過蒸気をプレート型PV膜モジュールの外へ排出す
ることができる。
【0024】この熱供給プレート11を介して供給液に
熱を効率よく加えるためには、伝熱面には凹凸や伝熱フ
ィン等をつけることにより、伝熱効率を高めるようにし
てもよい。この熱供給プレート11の材料は、熱伝導性
のよいものであれば何でもよく、特に、熱伝導性及び耐
腐食性の観点から、ステンレス、真鍮、チタン、銅、ア
ルミニウム等の金属材料が好適である。
【0025】図3に示すPV膜プレート12は、供給液
中の透過成分を蒸気として選択的に透過させ、且つ供給
液と透過蒸気を隔てるために使用される。そのPV膜プ
レート12の中心部から周縁部に至る範囲に、無数の孔
22(例えば、パンチングメタル、焼結金属等による
孔)が形成されており、さらにこれらの孔22を覆うよ
うにPV膜23が貼着されている。このPV膜プレート
12を他のプレートと組み合わせることより、ガスケッ
ト15の厚みの供給液室が形成される。
【0026】このPV膜プレート12の供給液室側に供
給液供給口20と供給液排出口21がそれぞれ異なる端
部付近に互いに距離を隔てて開口して設けられており、
それらの開口を通じて、さらに下流側に形成された供給
液室に供給液を供給したり、下流側の供給液室から排出
される供給液をプレート型PV膜モジュールから排出す
ることができる。なお、下流側に供給液室が無い場合に
は、このPV膜プレート12には供給液供給口20と供
給液排出口21を設ける必要はない。図3における矢印
は供給液室中の供給液の流れを表す。
【0027】さらに、PV膜プレート12には供給液室
と空間的に隔てられた、透過蒸気管28、熱媒供給管2
6及び熱媒排出管27が設けられており、それぞれの管
にはガスケット15が被覆されている。これらのガスケ
ット15に被覆された各管により、下流に配置された熱
媒室へ熱媒を供給することができ、また下流側の蒸気室
の透過蒸気をプレート型PV膜モジュールの外へ排出す
ることができる。
【0028】図4に示す蒸気室プレート13は、PV膜
を透過した透過蒸気と熱媒とを隔て且つ、透過蒸気を排
出するために使用される。この蒸気室プレート13をP
V膜プレート12と組み合わせることにより、ガスケッ
ト16の厚みの蒸気室が形成される。この蒸気室プレー
ト13の蒸気室側に透過蒸気排出口19が開口して形成
されている。さらに、蒸気室プレート13には蒸気室と
空間的に隔てられた、供給液供給管24、供給液排出管
25、熱媒供給管26及び熱媒排出管27が設けられて
おり、それぞれの管にはガスケット16が被覆されてい
る。これらのガスケット16に被覆された各管により、
下流に配置された供給液室及び熱媒室へそれぞれ供給液
及び熱媒を供給することができ、また下流側の供給液室
及び熱媒室から排出される濃縮液及び熱媒をプレート型
PV膜モジュールの外へ排出することができる。
【0029】図6は、上記各プレート及びフレームを使
用して構成した本発明のプレート型PV膜モジュールの
一例を示す斜視図である。熱供給プレート11、PV膜
プレート12、蒸気室プレート13を用いて形成された
熱媒室、供給液室、蒸気室を一つのユニットとした複数
のユニットの組合せから構成されており、それらのユニ
ットは外側をフレーム29、129の間に挟まれ、ボル
ト32及びナット33を使用して締着固定されている。
前記ユニットの一方の端部のフレーム29に、供給液入
口30、供給液出口31、熱媒入口34、熱媒出口3
5、透過蒸気出口36が設けられているが、他方の端部
のフレーム129にはこのような出入口は設けられてお
らず、各流体の供給及び排出は一方のフレーム29側か
ら行なわれている。
【0030】図7は、PV膜プレート12が一枚の場合
のプレート型PV膜モジュールの構成例であり、各流体
の流れを模式的に示す。熱供給プレート11とPV膜プ
レート12をフレーム29とフレーム129が挟んでお
り、熱媒室、供給液室、蒸気室から構成される単一のユ
ニットとなっている。このとき、PV膜プレート12の
PV膜23側は熱供給プレート11に面している。この
プレート型PV膜モジュールにおいて、熱媒はフレーム
29と熱供給プレート11との間に形成された空間の熱
媒室を流れ、供給液は熱供給プレート11とPV膜プレ
ート12との間に形成された空間の供給液室を流れ、供
給液は熱供給プレート11により加熱されて供給液中の
透過成分が蒸発して透過蒸気となりPV膜プレート12
を選択的に透過して蒸気室に集まり排出される。
【0031】〔実施例2〕図8は、PV膜プレート12
が二枚以上の場合のプレート型PV膜モジュールの構成
例であり、各流体の流れを模式的に示す。図8のプレー
ト型PV膜モジュールは、図7の説明で示したプレート
型PV膜モジュールにおいて、PV膜プレート12とフ
レーム129との間に、蒸気室プレート13、続いて熱
供給プレート11とPV膜プレート12とが配され、同
様な順で各プレートが続いている。この蒸気室プレート
13は透過蒸気と熱媒とを隔てており、図7に示した熱
媒室、供給液室、蒸気室からなる単一のユニットを2個
以上の多段に構成する場合に使用される。図8に示すよ
うに、蒸気室プレート13を隣合うユニットの蒸気室と
熱媒室の間に入れることにより、隣接するユニットの境
が形成される。2個以上のユニットが積層された両側に
はフレーム29、129の間に挟まれ、ボルト及びナッ
トによって締付固定されている。
【0032】そのフレーム29、129の少なくとも一
方には、熱媒及び供給液をそれぞれ供給し、排出するた
めの、また透過した蒸気を排出するための、熱媒入口、
熱媒出口、供給液入口、供給液出口、及び透過蒸気出口
を有し、それらの入口及び出口は、各熱媒室に連通した
各熱媒室に共通な熱媒入口と熱媒出口、各供給液室に連
通した各供給液室に共通な供給液入口と供給液出口、さ
らに各蒸気室に連通した各蒸気室に共通な蒸気出口が形
成される。
【0033】〔実施例3〕図9は、透過側が特に高真空
度を必要としない場合のプレート型PV膜モジュールを
示し、このプレート型PV膜モジュールの構成は、互い
のPV膜プレート12、112の透過側を向かい合わせ
て配置された点に特徴を有し、熱媒室、供給液室、蒸気
室からなるユニットを2個有するプレート型PV膜モジ
ュールの構成例である。このプレート型PV膜モジュー
ルにおいては、蒸気室は隣合うユニットに共通な一つと
なっているので、両ユニット間には図8に示す蒸気室プ
レート13は必要ない。
【0034】本実施例3のPV膜プレート12,11
2、及び熱供給プレート11に形成される熱媒供給管、
熱媒排出管、透過蒸気管、供給液供給管、供給液排出管
等の配置位置は、互いのPV膜プレート12,112の
向かい合った時に連結される位置に形成される。
【0035】このプレート型PV膜モジュールの両側
は、前記実施例2と同様にフレーム29、129が配置
され、各ユニットを締付固定している。また、フレーム
29、129には、前記実施例2と同様に、熱媒入口、
熱媒出口、供給液入口、供給液出口、及び透過蒸気出口
が形成されている。
【0036】このプレート型PV膜モジュールにおい
て、熱媒はフレーム29と熱供給プレート11との間、
及びフレーム129と熱供給プレート111との間にそ
れぞれ形成された空間の熱媒室を流れ、供給液は熱供給
プレート11とPV膜プレート12、及び熱供給プレー
ト111とPV膜プレート112との間にそれぞれ形成
された空間の供給液室を流れ、供給液は熱供給プレート
11、111により加熱されて供給液中の透過成分が蒸
発して透過蒸気となりPV膜プレート12、112を通
過して蒸気室に集まり排出される。
【0037】〔実施例4〕図10は、前記図9に配置さ
れるような透過側を向かい合わせて配置されたPV膜プ
レート12、112を有し、熱媒室、供給液室、蒸気室
からなるユニットが3個以上積層された場合のプレート
型PV膜モジュールの構成例を示す。図10中に、各流
体の流れを併せて模式的に示すが、各流体は前記実施例
3と同様な流れとなってプレート型PV膜モジュールか
ら排出される。
【0038】このように各ユニットを3個以上重ね合わ
せることによって熱媒1流路当たり、2流路の供給液へ
の加熱が可能となる。また透過蒸気流路は、供給液流路
2個分に対してこれを1流路とすることができ、さらに
装置のコンパクト化、簡略化が可能となる。
【0039】〔実施例5〕図11は、本発明のプレート
型PV膜モジュールを組み込んだPV膜分離装置におけ
る、熱媒、供給液、透過蒸気、透過液、濃縮液の流れを
示したフロー図である。
【0040】103は、熱媒室、供給液室、蒸気室から
なるユニットが、複数層積層された本発明のプレート型
PV膜モジュールである。104は供給液を貯蔵してい
る供給液タンク、105は供給液タンク104から供給
液を汲み出してプレート型PV膜モジュール103に送
給するための供給液ポンプ、106はプレート型PV膜
モジュール103で濃縮されて排出される濃縮液を貯蔵
するための濃縮液タンク、107はプレート型PV膜モ
ジュール103で濃縮された濃縮液の排熱を利用して供
給液と濃縮液とを熱交換して供給液を予め加熱するため
のプレヒータ、108はプレート型PV膜モジュール1
03から排出される蒸気状態の透過液を冷却水により凝
縮して液体とするためのコンデンサ、109はプレート
型PV膜モジュール103の透過側を減圧にするための
真空ポンプ、110はコンデンサ108で凝縮した透過
液を貯蔵するための透過液タンクである。
【0041】前記PV膜分離装置の運転を供給液として
エタノール水溶液を例にして説明する。供給液タンク1
04から供給液ポンプ105により汲み出されたエタノ
ール水溶液はプレヒータ107で予め熱交換されて温め
られ、プレート型PV膜モジュール103の各供給液室
に導入され、同時に熱媒がプレート型PV膜モジュール
103の各熱媒室に導入される。この時PV膜プレート
に貼着されているPV膜は、水選択性透過膜であるポリ
ビニルアルコールからなる膜である。このPV膜プレー
トの透過側は真空ポンプ109により減圧されており、
エタノール水溶液中の透過成分である水が水蒸気となっ
て蒸気室に透過する。
【0042】透過した水蒸気は吸引されてコンデンサ1
08に導入され、ここで冷却水に冷却されることにより
凝縮して水となり、透過液タンク110に貯蔵される。
一方、透過しなかったエタノールは、ほとんどの水分が
取り除かれているので高純度のエタノールとなってプレ
ート型PV膜モジュール103から排出され、プレヒー
タ107で供給液と熱交換された後、濃縮液タンク10
6に回収される。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下の効果を有する。
【0044】本発明のプレート型PV膜モジュールは、
熱媒室と供給液室と蒸気室がそれぞれプレートにより空
間的に隔てられているので、熱媒の流路、供給液の流
路、透過蒸気の流路をそれぞれプレート型PV膜モジュ
ール内に形成することができ、従来のPV膜分離装置と
比較して、供給液を加熱するための独立した加熱装置が
必要でなく、供給液を加熱するための配管が不要とな
り、PV膜モジュール全体を真空容器に収容する必要が
ないので、PV膜分離装置全体として小型化、簡素化が
可能となる。
【0045】本発明のプレート型PV膜モジュールは、
各種プレートを重ね合わせてフレームで締め付ける構造
であるため各プレート、特にPV膜を有するプレートの
交換や、スケールアップのための熱媒室、供給液室、蒸
気室からなるユニットの追加、変更も容易に行なえる。
【0046】透過側を向かい合わせて配置されたPV膜
プレートを有する本発明のプレート型PV膜モジュール
は、各ユニットを重ね合わせることによって熱媒1流路
当たり、2流路の供給液への加熱が可能となり、透過蒸
気流路は、供給液流路2個分に対してこれを1流路とす
ることができるので、さらに装置のコンパクト化、簡略
化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のPV膜分離プロセスのフローを示す。
【図2】本発明のプレート型PV膜モジュールを構成す
る熱供給プレートを示す。
【図3】本発明のプレート型PV膜モジュールを構成す
るPV膜プレートを示す。
【図4】本発明のプレート型PV膜モジュールを構成す
る蒸気室プレートを示す。
【図5】本発明のプレート型PV膜モジュールの外側に
配置されるフレームの一側を示す。
【図6】本発明のプレート型PV膜モジュールの一例を
示す斜視図である。
【図7】PV膜プレートが一枚の場合のプレート型PV
膜モジュールの構成例を示す。
【図8】PV膜プレートが二枚以上の場合のプレート型
PV膜モジュールの構成例を示す。
【図9】互いのPV膜プレートの透過側を向かい合わせ
て配置された点に特徴を有し、熱媒室、供給液室、蒸気
室からなるユニットが2個有するプレート型PV膜モジ
ュールの構成例を示す。
【図10】図9に配置されるような透過側を向かい合わ
せて配置されたPV膜プレートを有し、熱媒室、供給液
室、蒸気室からなるユニットが3個以上積層された場合
のプレート型PV膜モジュールの構成例を示す。
【図11】本発明のプレート型PV膜モジュールを組み
込んだPV膜分離装置における、熱媒、供給液、透過蒸
気、透過液、濃縮液の流れを示したフロー図である。
【符号の説明】
11 熱供給プレート 12 PV膜プレート 13 蒸気室プレート 14,15,16 ガスケット 17 熱媒供給口 18 熱媒排出口 19 透過蒸気排出口 20 供給液供給口 21 供給液排出口 22 孔 23 PV膜 24 供給液供給管 25 供給液排出管 26 熱媒供給管 27 熱媒排出管 28 透過蒸気管 29,129 フレーム 30 供給液入口 31 供給液出口 32 ボルト 33 ナット 34 熱媒入口 35 熱媒出口 36 透過蒸気出口 103 プレート型PV膜モジュール 104 供給液タンク 105 供給液ポンプ 106 濃縮液タンク 107 プレヒータ 108 コンデンサ 109 真空ポンプ 110 透過液タンク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)熱媒を受入れ通過させることがで
    きる熱媒室、液体混合物を受入れ該液体混合物の透過成
    分を選択的に透過させ且つ非透過液体を通過させること
    ができる供給液室、及び透過された蒸気を排出すること
    ができる蒸気室からなるユニットを有し、 (2)前記熱媒室と前記供給液室とは熱伝導性の材料の
    プレートで空間的に隔てられ、且つ前記供給液室と前記
    蒸気室とは選択的透過性の材料を有するプレートレート
    により空間的に隔てられていることを特徴とするプレー
    ト型PV膜モジュール。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱媒室、供給液室、及び
    蒸気室からなるユニットが、複数個積層されていること
    を特徴とするプレート型PV膜モジュール。
  3. 【請求項3】 前記蒸気室と前記熱媒室との間が、プレ
    ートにより空間的に隔てられていることを特徴とする請
    求項1又は2記載のプレート型PV膜モジュール。
  4. 【請求項4】 前記蒸気室が、選択的透過性の材料を有
    するプレートの透過蒸気出口側が2枚向かい合って形成
    された空間であることを特徴とする請求項1又は2記載
    のプレート型PV膜モジュール。
  5. 【請求項5】 各前記熱媒室に連通した各前記熱媒室に
    共通な熱媒入口と熱媒出口を有し、各前記供給液室に連
    通した各前記供給液室に共通な供給液入口と供給液出口
    を有し、各前記蒸気室に連通した各前記蒸気室に共通な
    蒸気出口を有することを特徴とする請求項1、2、3又
    は4記載のプレート型PV膜モジュール。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載のプレ
    ート型PV膜モジュールは、熱媒室、供給液室、及び蒸
    気室からなる一個以上のユニットが、フレームによって
    締付固定されていることを特徴とするプレート型PV膜
    モジュール。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    熱媒室、供給液室及び蒸気室を有するプレート型PV膜
    モジュールは、 その熱媒室に、熱媒を供給する熱媒供給装置が連絡され
    ており、 その供給液室に、供給液を供給する供給液供給装置が連
    絡されており、 その蒸気室に、該蒸気室から排出される蒸気を凝縮させ
    て液体とし回収する透過液回収装置が連絡されており、 その熱媒室に、該熱媒室から排出される濃縮液を回収す
    る濃縮液回収装置が連絡されていることを特徴とするP
    V膜分離装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040046589A (ko) * 2002-11-28 2004-06-05 (주)필러바이오텍 평막을 이용한 연속액체여과장치모듈

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