JPH1110147A - 造水装置 - Google Patents

造水装置

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JPH1110147A
JPH1110147A JP18300497A JP18300497A JPH1110147A JP H1110147 A JPH1110147 A JP H1110147A JP 18300497 A JP18300497 A JP 18300497A JP 18300497 A JP18300497 A JP 18300497A JP H1110147 A JPH1110147 A JP H1110147A
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JP
Japan
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raw water
seawater
membrane module
water flow
flow path
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JP18300497A
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Yoichi Sugiyama
洋一 杉山
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 造水の生産性を高めることができる造水装置
を提供する。 【解決手段】 蒸発部12と凝縮部15とで構成する膜
モジュール11を3段設ける。冷却管24Aの排出側か
らは海水送出管26が引き出され、温海水導入部13B
の導入側に接続され、温海水導入部13Bの排出側は冷
却管24Cの導入側に接続され第1原水流路を形成す
る。一方温海水導入部13A、冷却管24B、温海水導
入部13Cを第1原水流路と同順に直列接続し第2原水
流路を形成する。そして第2原水流路の先端と、第1原
水流路の終端とを加熱手段28を介して接続し造水装置
10を構成する。このような造水装置10では、蒸発部
12の入口温度から凝縮部15の入口温度を差し引いた
値の和が最大になりエネルギ効率を最大にすることがで
きるとともに、膜モジュール11の複数化により造水率
を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は海水、河川水等から
淡水を得る造水装置に係り、特に液体や懸濁物質の透過
を防止し水蒸気を透過させ疎水性多孔質膜(PV膜)を
用いて淡水を取り出す造水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、海水や河川水等から淡水を得る造
水方法の中には透過気化法といった方法が知られてい
る。図6は透過気化方法の造水原理を示した概念図であ
る。同図に示すように透過気化膜モジュール1では、温
海水室2と冷海水室3とが加熱装置4を介して連結され
ており、温海水室2と冷海水室3との間には生産水室5
が両室に挟まれるように設けられている。そして温海水
室2と生産水室5との間は、水蒸気を透過させつつ液体
や懸濁物質の透過を防止する疎水性多孔質膜(PV膜)
6にて仕切られており、また冷海水室3と生産水室5と
の間は、冷却板7にて仕切られている。このように構成
された透過気化膜モジュール1を稼働させると、温海水
室2に導入された海水から疎水性多孔質膜6前後の蒸気
圧差によって水蒸気が疎水性多孔質膜6の微細孔を透過
して生産水室5側へと移動する。そして生産水室5側に
移動した水蒸気は、冷海水と接している冷却板7からの
影響を受け凝縮され蒸留水(淡水)となり生産水室5か
ら外部へと送り出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述した透過気
化方法では、疎水性多孔質膜6前後におけるわずかな蒸
気圧差を用いて蒸留水を取り出しているので、そのエネ
ルギ効率(性能比率、パフォーマンス比、造水比ともい
う)は決して高いものではなかった。このため生産水室
5側の圧力を負圧に設定し疎水性多孔質膜6前後の圧力
差を大きくすることで蒸留水の生産効率を高めようとの
検討もなされたが、透過気化膜モジュール1では温海水
室2と冷海水室3との間の熱通過率を向上させる目的か
ら疎水性多孔質膜6と冷却板7との距離を接近させてい
る。このため生産水室5の出口側から吸引を行っても疎
水性多孔質膜6が生産水室5の出口付近で冷却板7に密
着するだけで生産水室5の全体を負圧に設定することは
難しかった。
【0004】また透過気化膜モジュール1では、前述の
通り疎水性多孔質膜6と冷却板7との距離が接近してい
ることから生産水室5から蒸留水を送り出す場合にはか
なりの流動抵抗が発生し、この流動抵抗によって生産水
室5の圧力が上昇していた。そして生産水室5におい
て、熱交換が十分になされた温度の低い箇所では蒸気圧
差はもともと小さい。このためこうした箇所では流動抵
抗によって生じる圧力上昇の方が大きくなっている場合
も考えられる。
【0005】さらに生産水室5からの蒸留水の送り出し
には、疎水性多孔質膜6を介した温海水からの圧力が用
いられているので、この双方の圧力が生産水室5に加わ
り疎水性多孔質膜6前後におけるわずかな蒸気圧差を狭
め、エネルギ効率を一層悪いものにしていた。また蒸留
水の生産量を確保するため温海水の流量を増加し加熱前
の海水との温度差を大きくしていることもエネルギ効率
を悪くする要因になっていた。
【0006】また透過気化膜モジュール1の構造では、
生産水量を得るためには温海水室2の温度と冷海水室3
の温度との差が大きいほどよい。しかし両者の温度差を
大きくすることはエネルギ効率を下げることを意味す
る。しかもそのためには透過気化膜モジュール1を通過
する海水の流量を増加させなければならず、この海水の
流量を増加させることは造水率、すなわち汲み上げた海
水の量とそれから取り出せる淡水の量との比率が低下す
るという問題も生じさせた。
【0007】本発明は上記従来の問題点に着目し、エネ
ルギ効率と造水率とを向上させ淡水の生産性を高めるこ
とができる造水装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者等はエネルギ効率
の向上を図るため種々検討し、実験を行った結果、蒸発
部と凝縮部とを交互に複数接続し、その途中に加熱また
は冷却手段を一箇所設けた場合、その組み合わせの仕方
でエネルギ効率に差が生じることを見出した。
【0009】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
ので本発明に係る造水装置は、疎水性多孔質膜を介して
原水から水蒸気を取り出す蒸発部と、前記水蒸気を取り
込むとともに凝縮をなす凝縮部とからなる膜モジュール
を複数設け、初段の膜モジュールにて前記蒸発部と前記
凝縮部とのいずれか一方を選択した後は次段の膜モジュ
ールでその反対側を選択しこれを最終段の膜モジュール
まで繰り返して直列に接続し第1原水流路を形成すると
ともに、前記膜モジュールの残部側を前記第1原水流路
と同順に直列接続し第2原水流路を形成し、加熱または
冷却手段を介して前記第1原水流路と前記第2原水流路
とを直列に接続するように構成した。
【0010】そして前記膜モジュールは奇数段で構成す
るのが望ましく、また前記蒸発部を前記原水流路に沿っ
て複数段に仕切り、前記蒸発部と同数段だけ仕切られた
前記凝縮部に吸引手段を介して個々に連結するように前
記膜モジュールを構成した。
【0011】
【作用】発明者等の研究によると、膜モジュールの構造
を蒸発部と凝縮部とに分割したことから、疎水性多孔質
膜が凝縮部側に接触することがない。このため疎水性多
孔質膜の背面側の圧力を負圧に設定することが可能とな
り水蒸気の取り出しは疎水性多孔質膜前後の蒸気圧差以
上によって行われ、もって疎水性多孔質膜を通過する水
蒸気の量を増加させることができる。また蒸発部から凝
縮部へと移動するのは水蒸気(気体)であることから移
動時の流動抵抗を低減させることができ、さらに生産水
室からの蒸留水の送り出しには、疎水性多孔質膜を介し
た温海水からの圧力が用いられていないことから、疎水
性多孔質膜の前後の圧力差を狭める要因が無くなり、こ
のことからもエネルギ効率を高めることができる。
【0012】そして膜モジュールを複数設けたことで同
一原水から膜モジュールの設置数分だけ繰り返して淡水
の取り出しを行うことが可能となり、もって造水率の向
上を図ることができる。さらに第1原水流路の初段膜モ
ジュール側を第2原水流路の最終段膜モジュール側に、
もしくは第2原水流路の初段膜モジュール側を第1原水
流路の最終段膜モジュール側に接続されるよう設定すれ
ば、第1原水流路と第2原水流路との間で各膜モジュー
ルごとに交互に熱交換を行い蒸留作業を進めていくこと
から、各膜モジュールにおける蒸発部の入口温度から凝
縮部の入口温度を差し引いた値の和が、蒸発部と凝縮部
との接続の組み合わせの中で最大になり、最も高いエネ
ルギ効率を達成することができる。
【0013】そして膜モジュールの設置する数を奇数と
すれば、本装置における蒸発部と凝縮部との接続順序が
全て交互となるので加熱または冷却手段が原水に与える
作用が小さくて済む。このため加熱または冷却手段の負
担が軽減され、もってエネルギ効率を高めることができ
る。
【0014】また蒸発部を前記原水流路に沿って複数段
に仕切り、蒸発部と同数段だけ仕切られた凝縮部に吸引
手段を介して個々に連結するように膜モジュールを構成
すれば、吸引手段によって仕切られた個々の蒸発部の負
圧度合いを設定することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る造水装置の
具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】図2は膜モジュールの構造説明図である。
同図に示すように膜モジュール11(破線範囲内)は、
原水となる海水から水蒸気を取り出す蒸発部12と、前
記水蒸気を取り込み凝縮を行う凝縮部15とで構成され
ている。
【0017】蒸発部12では、水蒸気を透過させつつ液
体や懸濁物質の透過を防止する疎水性多孔質膜18(以
下PV膜と称す)によって2つの空間が形成されており
片側の空間となる温海水導入部13には入排水口が設け
られ加熱された海水(温海水)の導入および排出が可能
となっている。そして他方側となる水蒸気取出部14
は、温海水導入部13に沿って複数段に仕切られ(図中
では7段)、隣合う水蒸気取出部14との間で通流が発
生しないようになっている。こうして複数段に仕切られ
た水蒸気取出部14からは蒸気送出管20が個々に引き
出され、後述する水蒸気凝縮部へと接続可能になってい
る。
【0018】一方凝縮部15には水蒸気取出部14と同
段数だけ仕切られた水蒸気凝縮部17が設けられている
とともに、これら多段に設定された水蒸気凝縮部17を
貫くように冷却管24が設けられている。当該冷却管2
4の内部には加熱前の海水(冷海水)の導入が可能とな
っておりその導入方向は、蒸発部12における温海水の
導入方向と逆方向になっている。なお冷却管24の外側
には冷却用フィンが複数設けられ、水蒸気取出部14か
ら蒸気送出管20を介して送り込まれた水蒸気の凝縮効
率を高められるようになっている。また水蒸気凝縮部1
7には吸引手段となる吸引ポンプ22が接続されてお
り、当該吸引ポンプ22を稼働させることで水蒸気取出
部14側の負圧を個々に設定できるようにしている。な
お本実施の形態ではエネルギ効率向上の目的から吸引ポ
ンプ22を用いたが、造水効率向上の目的から吸引ポン
プ22の代わりにブロアを用い、当該ブロアの噴出口を
凝縮部15側に向け、もって水蒸気取出部14側を負圧
に設定してもよい。さらに水蒸気凝縮部17の底部から
は淡水取出パイプ11Aが引き出され、凝縮作用によっ
て得た蒸留水を膜モジュール11外部に取出可能として
いる。
【0019】図1は実施の形態に係る造水装置の構成を
示す連結説明図である。同図に示すように実施の形態に
係る造水装置10は、上述した膜モジュール11(11
A、11B、11C)を奇数段(本実施の形態では3
段)設けた構成としている。
【0020】初段の膜モジュール11Aにおける冷却管
24Aの導入側(図中上側)には導入管30が接続さ
れ、造水装置10の外部に設けられた図示しないタンク
から冷海水を凝縮部15Aに導入可能にしている。そし
て冷却管24Aの排出側(図中下側)からは海水送出管
26が引き出され2段目の膜モジュール11Bにおける
温海水導入部13Bの導入側に接続され、続いて温海水
導入部13Bの排出側は3段目の膜モジュール11Cに
おける冷却管24Cの導入側に接続され、第1原水流路
を形成している。そして膜モジュール11の残部側とな
る初段の膜モジュール11Aの温海水導入部13A、2
段目の膜モジュール11Bの冷却管24B、3段目の膜
モジュール11Cの温海水導入部13Cを前述の第1原
水流路と同順に直列接続し第2原水流路を形成する。そ
して第2原水流路の先端となる温海水導入部13Aの導
入口と、第1原水流路の終端となる冷却管24Cの排出
口とを接続し造水装置10を構成する。なお温海水導入
部13Aの導入口と冷却管24Cの排出口との間には、
加熱装置28が接続され通過する海水を加熱可能にして
いる。
【0021】このように構成された造水装置10を用
い、海水から淡水を取り出す手順を説明する。まず導入
管30を用い海水を造水装置10に導入させると当該海
水は蒸発部12と凝縮部15とを交互に通過し、最終段
膜モジュール11Cにおける温海水導入部13Cの排出
側より吐出される。この状態において原水流路の途中に
設けられた加熱装置28を稼働させると、当該加熱装置
28を通過する海水の温度が上昇し蒸発部12と凝縮部
15との間に温度差が生じるようになる。図3は蒸発部
12および凝縮部15における入排水口位置での海水の
温度を示す温度状態図である。すなわち同図に示すよう
に造水装置10の内部に海水を導入させ加熱装置28を
稼働させると、初段の膜モジュール11Aでは当該膜モ
ジュール11Aを2回目に通過する海水が温海水導入部
13Aに導入され、新規の(冷却用の)海水が冷却管2
4Aへと導入される。ここで温海水導入部13Aに導入
される海水は前段に設けた加熱装置28によって加熱さ
れ、新規の海水との温度差が生じるようになっている。
【0022】膜モジュール11Aにおいては、温海水導
入部13Aおよび冷却管24Aに接する水蒸気取出部1
4と水蒸気凝縮部17とが複数段に仕切られていること
から、PV膜18を介した水蒸気の取り出しは各段によ
って独立して行われる。このため仕切られた部位での温
度勾配を小さくすることができるので水蒸気の取出効率
を高めることができる。なお前述したように複数段に仕
切られた水蒸気凝縮部17にはそれぞれ吸引ポンプ22
が設けられており独立した負圧設定が可能となってい
る。このため低温側(温海水導入部13Aの排出側)に
向かうほど吸引ポンプ22の吸引力を高め、温海水導入
部13Aの排出側の水蒸気取出部14ほど負圧に設定し
ていけば、低温側での蒸気圧差の不足を吸引ポンプ22
による負圧が補うので、水蒸気の取出効率を高めること
ができる。
【0023】ところでPV膜18を介した水蒸気の取り
出しは以下のようになる。温海水導入部13Aと冷却管
24Aとの間に温度差が生じると当該PV膜18の前後
に蒸気圧差が発生する(加えて吸引ポンプ22による負
圧も加わる)。このためPV膜18の微細孔を透過して
水蒸気が水蒸気取出部14Aへと移動する。水蒸気取出
部14A側に移動した水蒸気は蒸気接続管20を経由し
て水蒸気凝縮部17A側へと送り込まれる。そして当該
水蒸気凝縮部17Aに水蒸気が達すると当該水蒸気は、
冷却作用をなす冷却管24Aによって冷却され、凝縮作
用によって水蒸気凝縮部17から蒸留水として取り出さ
れる。なお水蒸気の凝縮により温海水導入部13と冷却
管24との間で熱交換がなされていくことから両者の相
対温度差は変わらないものの、温海水導入部13側では
導入口から排出口に進むにつれ海水の温度が低下し、冷
却管24側では導入口から排出口に進むにつれ海水の温
度が上昇する。
【0024】初段の膜モジュール11Aに導入された温
海水導入部13A側の海水および冷却管24B側の海水
は、初段の膜モジュール11Aを通過した後、2段目の
膜モジュール11Bへと導入される。ここで2段目の膜
モジュール11Bでは、温海水導入部13A側の海水が
冷却管24B側へと導入され、冷却管24A側の海水が
温海水導入部13B側へと導入され、両者の間の熱交換
によって初段の膜モジュール11Aと同様、蒸留水を取
り出すことができる。そして以降の膜モジュール11に
おいても温海水導入部13側と冷却管24側との間で交
互に熱交換を行っていけば、蒸留水を取り出すことが可
能となる。
【0025】このように構成された造水装置10では、
同一膜モジュール11における蒸発部12と凝縮部15
との温度差にて水蒸気が発生し蒸留水が取り出されるた
め、三段に設けた膜モジュール11全てから蒸留水を取
り出すことができる。そして造水装置10に導入された
海水はPV膜18によって膜モジュール11増設分だけ
水蒸気の取り出しが行われるので造水率を向上させるこ
とができる。なお造水率の上限はPV膜18の耐久性お
よび造水装置10の耐腐食性も考慮して50%程度に設
定するのが望ましく、造水装置10の構成時は、この数
値に見合うだけの膜モジュール11の数を設定すればよ
い。
【0026】ところで図1においては3段に設けられた
膜モジュール11の蒸発部12と凝縮部15との組み合
わせを示したが、この組み合わせ接続例以外にも他の組
み合わせが存在する。図4は膜モジュール11を3段設
けた際の蒸発部と凝縮部との組み合わせを示した接続例
の説明図である(図1の組み合わせを除く)。なお同図
に示すように膜モジュール11を3段設け、蒸発部を上
段側から順番に1、2、3とするとそれぞれの連結され
る凝縮部の組み合わせ数は、以下の計算式で表される。
【数1】3!/1!=3*2*1/1=6(通り)
【0027】そして発明者は、このように組み合わされ
た蒸発部12と凝縮部15との間に加熱装置28を一箇
所だけ設け(初段の蒸発部の直前)、造水装置10全体
の簡略化を図るとともに最もエネルギ効率の高い組み合
わせを実験によって確認した。その結果、各膜モジュー
ル11における蒸発部12導入側の海水温度から凝縮部
15導入側の海水温度を減じた値を各膜モジュール11
毎に加算していくと図1に示した組み合わせの例が、6
通りの組み合わせの中で最も数値が大きくなりエネルギ
効率が最大であることが判明した。なお図1に示した組
み合わせの効果は、3段をこえても変わらないことが確
認されている。
【0028】図5は膜モジュール11を偶数段(4段)
設けた造水装置の構成を示す説明図である。同図に示す
ように膜モジュール11を偶数段に設定した場合では、
第1原水流路と第2原水流路とを接続させようとすると
凝縮部15Aと凝縮部15Dとが連続する。このように
膜モジュール11が偶数段のときは凝縮部15Aと凝縮
部15Dとの間に冷却装置32を設け、蒸発部12Dに
より加熱された凝縮部15Dの海水を冷却させ凝縮部1
5Aに導入させればよい。なお導入管30が凝縮部15
A側に接続されている構成においては、冷却装置32の
代わりに加熱装置28が適用されることはいうまでもな
い。
【0029】なお本実施の形態では、造水装置10の構
成を蒸発部12と凝縮部15との分割したことから、蒸
発部12におけるPV膜18の構成を問わない。このた
めPV膜18の構成をスパイラル方式や積層型等形式と
いうように用途によって方式を自在に設定することがで
きる。一方凝縮部でも冷却管24の形状を設定するのに
PV膜18の影響を考慮しなくてもよいことから、例え
ば冷却管24のフィン形状を自由に設定することができ
る。
【0030】また本実施の形態では、導入管30を凝縮
部15Aに接続し冷海水を送り込むこととしたが、導入
管30を蒸発部12Aへと接続し、当該蒸発部へ加熱さ
れた海水を送り込んでもよい。このように造水装置10
を構成しても本実施の形態と同様の効果を得ることがで
きる。なおこうした造水装置を構成する際には加熱装置
28の代わりに冷却装置32を同位置に設ければよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、疎
水性多孔質膜を介して原水から水蒸気を取り出す蒸発部
と、前記水蒸気を取り込むとともに凝縮をなす凝縮部と
からなる膜モジュールを複数設け、初段の膜モジュール
にて前記蒸発部と前記凝縮部とのいずれか一方を選択し
た後は次段の膜モジュールでその反対側を選択しこれを
最終段の膜モジュールまで繰り返して直列に接続し第1
原水流路を形成するとともに、前記膜モジュールの残部
側を前記第1原水流路と同順に直列接続し第2原水流路
を形成し、加熱または冷却手段を介して前記第1原水流
路と前記第2原水流路とを直列に接続したことから、エ
ネルギ効率と造水率とを向上させ淡水の生産性を高める
ことが可能になる。
【0032】そして前記蒸発部を前記原水流路に沿って
複数段に仕切り、前記蒸発部と同数段だけ仕切られた前
記凝縮部に吸引手段を介して個々に連結するように前記
膜モジュールを構成したことから、仕切られた個々の蒸
発部の負圧度合いを設定することが可能になり、蒸気圧
差の小さい低温側で負圧度合いを大きくすれば淡水の生
産性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る造水装置の構成を示す連結説
明図である。
【図2】膜モジュールの構造説明図である。
【図3】蒸発部12および凝縮部15における入排水口
位置での海水の温度を示す温度状態図である。
【図4】膜モジュール11を3段設けた際の蒸発部と凝
縮部との組み合わせを示した接続例の説明図である(図
1の組み合わせを除く)。
【図5】膜モジュール11を偶数段(4段)設けた造水
装置の構成を示す説明図である。
【図6】透過気化方法の造水原理を示した概念図であ
る。
【符号の説明】
1 透過気化膜モジュール 2 温海水室 3 冷海水室 4 加熱装置 5 生産水室 6 疎水性多孔質膜(PV膜) 7 冷却板 10 造水装置 11 膜モジュール 12 蒸発部 13 温海水導入部 14 水蒸気取出部 15 凝縮部 16 冷海水導入部 17 水蒸気凝縮部 18 疎水性多孔質膜(PV膜) 20 蒸気送出管 22 吸引ポンプ 24 冷却管 26 海水送出管 28 加熱装置 30 導入管 32 冷却装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性多孔質膜を介して原水から水蒸気
    を取り出す蒸発部と、前記水蒸気を取り込むとともに凝
    縮をなす凝縮部とからなる膜モジュールを複数設け、初
    段の膜モジュールにて前記蒸発部と前記凝縮部とのいず
    れか一方を選択した後は次段の膜モジュールでその反対
    側を選択しこれを最終段の膜モジュールまで繰り返して
    直列に接続し第1原水流路を形成するとともに、前記膜
    モジュールの残部側を前記第1原水流路と同順に直列接
    続し第2原水流路を形成し、加熱または冷却手段を介し
    て前記第1原水流路と前記第2原水流路とを直列に接続
    したことを特徴とする造水装置。
  2. 【請求項2】 前記膜モジュールは奇数段だけ設けられ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の造水装置。
  3. 【請求項3】 前記蒸発部を前記原水流路に沿って複数
    段に仕切り、前記蒸発部と同数段だけ仕切られた前記凝
    縮部に吸引手段を介して個々に連結するように前記膜モ
    ジュールを構成したことを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の造水装置。
JP18300497A 1997-06-24 1997-06-24 造水装置 Withdrawn JPH1110147A (ja)

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