JPH07253731A - 加熱装置、及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、及び画像形成装置

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JPH07253731A
JPH07253731A JP7000894A JP7000894A JPH07253731A JP H07253731 A JPH07253731 A JP H07253731A JP 7000894 A JP7000894 A JP 7000894A JP 7000894 A JP7000894 A JP 7000894A JP H07253731 A JPH07253731 A JP H07253731A
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JP
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heat
heating device
heating
film
heated
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JP7000894A
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Inventor
Tokuyoshi Abe
篤義 阿部
Daizo Fukuzawa
大三 福沢
Soji Sugita
壮志 杉田
Yoji Tomoyuki
洋二 友行
Kazuo Kishino
一夫 岸野
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱部材6と、加圧部材4との間に被加熱部
材を導入して加熱部材6の熱エネルギーを被加熱部材に
付与する加熱装置50において、非通紙部昇温現象を簡
単な手段構成にて抑制できるようにして非通紙部昇温に
起因する問題を解消すること。 【構成】 前記加圧部材4に放熱機構20を設けたこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱装置、及び画像形
成装置に関する。
【0002】より詳しくは、加熱部材と、加圧部材との
間に被加熱部材を導入して加熱部材の熱エネルギーを被
加熱部材に付与する加熱装置、あるいは固定支持された
加熱部材に耐熱性フィルムを介して加圧部材を接触さ
せ、その圧接ニップ部の耐熱性フィルムと加圧部材との
間に被加熱部材を導入して耐熱性フィルムと一緒に該圧
接ニップ部を移動させることで加圧部材の熱エネルギー
を耐熱性フィルムを介して被加熱部材に付与する加熱装
置に関する。
【0003】また、電子写真装置・静電記録装置等の画
像形成装置において、転写材・感光紙・静電記録紙等の
被記録材上に適宜の作像プロセス手段にて形成担持させ
た画像を加熱して、像定着や、つや等の表面性の改質、
仮定着等を行なう像加熱装置、ないしは該像加熱装置を
備えた画像形成装置に関する。
【0004】
【従来の技術】便宜上、電子写真を用いた複写機・プリ
ンタ・ファクシミリ等の画像形成装置(画像出力装置)
において被記録材上に形成担持させた画像(トナー像)
を被記録材面に加熱定着させる画像加熱定着装置(像加
熱装置)を例にして説明する。
【0005】従来、画像加熱定着装置としては熱ローラ
方式の装置が広く使われてきた。この装置は、内部にヒ
ータを備えた加熱部材としての金属製のローラ(熱ロー
ラ)と、それに圧接する加圧部材としての弾性を持つ加
圧ローラを基本構成として、この一対のローラの圧接ニ
ップ部(定着ニップ部)に被記録材を導入して該ローラ
対間を挟持搬送・通過させることにより、熱ローラの熱
とローラ対の加圧力でトナー像を加熱・加圧して被記録
材に定着させるものである。
【0006】一方、本出願人は先に特開昭63−313
182号公報・特開平2−157878号公報等で、薄
肉の耐熱性フィルムと、このフィルムの一方面側に固定
支持して配された加熱部材(以下、ヒータと記す)と、
他方面側に該ヒータに対向して配置され、ヒータに対し
てフィルムを介して画像定着すべき被記録材を密着させ
る加圧部材とから成っている構成のフィルム加熱方式の
加熱装置ないしは画像加熱定着装置を提案した。
【0007】このようなフィルム加熱方式の定着装置に
おける定着動作は、フィルムを挟んでヒータと加圧部材
との圧接で形成される定着ニップ部に被記録材をフィル
ムと一緒に通過させることにより、被記録材の顕画像担
持体面をフィルムを介してヒータで加熱して、未定着ト
ナー像に熱エネルギーを付与し、トナーを軟化・溶融さ
せることで行なわれる。
【0008】このようなフィルム加熱方式の定着装置
は、低熱容量のヒータを用いることができるため、熱ロ
ーラ方式の装置に比べ、ウェイトタイムの短縮化(クイ
ックスタート)が可能となる。また、クイックスタート
ができることにより、非プリント動作時のヒータの予熱
が必要なくなり、総合的な意味での省電力化も図ること
ができる。
【0009】また本出願人はこのようなフィルム加熱方
式の定着装置について、フィルムとしてエンドレスベル
ト状フィルムを用いた場合において該フィルムを余裕を
もって懸回して駆動することで、該フィルムの回転過程
におけるヒータ長手に沿う寄り移動力を小さくしてフィ
ルムの寄り移動制御手段を簡略化し、また駆動トルクも
小さくして、装置の簡素化、小型化、低コスト化等を図
った改善装置を提案している(テンションレスタイプ、
特開平4−44075〜44083号公報、特開平4−
204980〜204984号公報等)。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】上記のような加熱
装置としての熱ローラ方式の定着装置やフィルム加熱方
式の定着装置において、加熱部材としての熱ローラやヒ
ータはサーミスタ等の温度検知手段で温度検知がなさ
れ、その検知温度を一定に制御するように通電されるこ
とで所定の温度に温調制御される。
【0011】この場合、装置に通紙使用可能な大小各種
サイズのどのサイズの被記録材でも通紙部となるところ
の熱ローラ部分もしくはヒータ部分に温度検知手段とし
てのサーミスタを配置し、その熱ローラ部分もしくはヒ
ータ部分の温度を検知して通電制御回路へフィードバッ
クさせるようになっている。即ち通紙部の検知温度に基
づいて該通紙部の温度が所定の一定の定着温度に保たれ
るように熱ローラやヒータに対する通電が制御される。
【0012】しかし、このような温調構成の装置におい
ては、装置に通紙使用可能な最大サイズ、例えばB4サ
イズやA3サイズの被記録材よりも小サイズ、例えばB
5サイズ紙や封筒・葉書のような小サイズの被記録材を
装置に連続通紙すると、熱ローラもしくはヒータの非通
紙部(熱ローラもしくはヒータの有効発熱全長域と通紙
した小サイズ被記録材のサイズ幅との差領域)は被記録
材の加熱に熱が消費されないにも拘らず通紙部に対応す
る部分と同様に単位長さ当たりの所定の発熱量をもって
発熱するので蓄熱を生じ、通紙部よりも温度が上昇する
いわゆる非通紙部昇温現象を生じる。
【0013】そしてこの非通紙部昇温により熱ローラや
ヒータに対向して圧接している加圧部材としての加圧ロ
ーラも通紙部対応部分と非通紙部対応部分とで温度差を
生じる。特に被記録材の通紙を熱ローラもしくはヒータ
の長手方向の左端側もしくは右端側のどちらかの基線に
寄せて導入するいわゆる片側基準搬送方式の装置の場合
は加圧ローラの通紙部対応部分と非通紙部対応部分とで
はその温度差がおよそ115deg(℃)程度にもなっ
てしまうこともある。
【0014】このような非通紙部昇温は、次に大サイズ
の被記録材が導入通紙されたとき小サイズ被記録材連続
通紙時における非通紙部に対応する部分が過熱状態にな
り定着むらを発生させる。
【0015】また小サイズ被記録材の連続通紙が長時間
続けられることによる過度の非通紙部昇温は熱ローラや
ヒータ、加圧ローラ、その他の部品、フィルム加熱方式
の装置にあってはフィルムに熱損を生じさせ、耐久低下
を生じさせる。
【0016】フィルム加熱方式の装置にあっては、小サ
イズ被記録材の連続通紙を続けると非通紙部昇温により
フィルムにねじれが発生し、最悪のケースではフィルム
がねじ切れ、装置が破損してしまう。このようなフィル
ムねじれの発生は前述のテンションレスタイプの装置に
顕著である。
【0017】フィルムにねじれが発生する主な要因とし
ては、加圧ローラの通紙部対応部分と非通紙部対応部分
の径の熱膨張差、フィルムのねじれに対する強度の温度
依存性(膜厚等)、フィルム表面(内面)の温度特性
(摩擦係数の温度による変化等)が考えられ、これらの
要因は全て温度依存性が有る。
【0018】加圧ローラの通紙部対応部分と非通紙部対
応部分の径の熱膨張差は、両部の温度差が100deg
で外径変化差はおよそ600μm程度となって両部に周
速差を生じてフィルムねじれの要因となり、またフィル
ムの膜厚を増加することにより非通紙部昇温によるフィ
ルムのねじれに対する強度が増すことも本発明者らの検
討により分かっている。また非通紙部対応部分の加圧ロ
ーラ温度又はフィルム温度を下げることがフィルムのね
じれの発生を防ぐことに顕著な効果が有ることが分かっ
ている。
【0019】非通紙部昇温の解決法として、ヒータの発
熱パターンを複数個設け、通紙する非記録材サイズにあ
わせて通紙領域だけ通電する方法(特開平3−1444
77号公報等)などがあるが、装置の制御方法が複雑に
なり、コストアップにつながる等の問題がある。
【0020】また加圧部材の長手方向の熱伝導率を上げ
非通紙部から通紙部への熱の流れを良くすることで非通
紙部の温度を下げることが可能だが、加圧部材の性能と
してどの程度の熱伝導率が必要なのかを具体的に規定し
たものは従来なかった。
【0021】そこで本発明はこの種の加熱装置において
非通紙部昇温現象を簡単な手段構成にて抑制できるよう
にして非通紙部昇温による上記のような問題を解消する
ことを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱装置、及び画像形成装置である。
【0023】(1)加熱部材と、加圧部材との間に被加
熱部材を導入して加熱部材の熱エネルギーを被加熱部材
に付与する加熱装置において、前記加圧部材に放熱機構
を設けたことを特徴とする加熱装置。
【0024】(2)固定支持された加熱部材に耐熱性フ
ィルムを介して加圧部材を接触させ、その圧接ニップ部
の耐熱性フィルムと加圧部材との間に被加熱部材を導入
して耐熱性フィルムと一緒に該圧接ニップ部を移動させ
ることで加圧部材の熱エネルギーを耐熱性フィルムを介
して被加熱部材に付与する加熱装置において、前記加圧
部材に放熱機構を設けたことを特徴とする加熱装置。
【0025】(3)加圧部材の断面積をa、装置へ通紙
可能な最大サイズの被加熱部材の端部から外側の放熱面
積をbとした場合、b≧5.0aの関係が得られること
を特徴とする(1)または(2)に記載の加熱装置。
【0026】(4)放熱機構を外部から冷却することを
特徴とする(1)または(2)に記載の加熱装置。
【0027】(5)放熱機構が加圧部材の軸受を介して
機能することを特徴とする(1)または(2)に記載の
加熱装置。
【0028】(6)装置へ通紙可能な最大サイズの被加
熱部材を導入して熱エネルギーを付与する場合は放熱機
構が機能せず、それよりも小サイズの被加熱部材を導入
して熱エネルギーを付与する場合のみ放熱機構が機能す
ることを特徴とする(1)または(2)に記載の加熱装
置。
【0029】(7)放熱機構に用いる放熱部材として熱
伝導率が0.04cal/cm・sec・deg以上の
材質の部材を用いたことを特徴とする(1)または
(2)に記載の加熱装置。
【0030】(8)加圧部材と、これに圧接するゴム弾
性層を有する加圧部材との間に被加熱部材を導入して加
熱部材の熱エネルギーを被加熱部材に付与する加熱装置
において、前記加圧部材のゴム弾性層の熱伝導率が、2
5℃において0.9×10-10 cal/cm・sec・
deg以上であり、かつ硬度がJIS−Aで35°以下
であることを特徴とする加熱装置。
【0031】(9)固定支持された加熱部材に耐熱性フ
ィルムを介してゴム弾性層を有する加圧部材を圧接さ
せ、その圧接ニップ部の耐熱性フィルムと加圧部材との
間に被加熱部材を導入して耐熱性フィルムと一緒に該圧
接ニップ部を移動させることで加熱部材の熱エネルギー
を耐熱性フィルムを介して被加熱部材に付与する加熱装
置において、前記加圧部材のゴム弾性層の熱伝導率が、
25℃において0.9×10-3cal/cm・sec・
deg以上であり、かつ硬度がJIS−Aで35°以下
であることを特徴とする加熱装置。
【0032】(10)加圧部材は内部に芯体を有し、該
芯体の熱伝導率が、25℃において5.0×10-1ca
l/cm・sec・deg以上であることを特徴とする
(8)または(9)に記載の加熱装置。
【0033】(11)加圧部材のゴム弾性層はその熱伝
導率が被加熱部材搬送方向に対して直交する方向で異な
ることを特徴とする(8)または(9)に記載の加熱装
置。
【0034】(12)加圧部材のゴム弾性層はその端部
の熱伝導率が他の部分よりも低いこと特徴とする(8)
または(9)に記載の加熱装置。
【0035】(13)被加熱部材が画像を担持させた被
記録材であり、該被記録材の画像を加熱処理する像加熱
装置であること特徴とする(1)乃至(12)の何れか
に記載の加熱装置。
【0036】(14)被記録材に画像を形成する画像形
成手段と、(1)乃至(12)の何れかに記載の加熱装
置を前記画像形成手段側からの被記録材上の画像を加熱
処理する像加熱装置として備えたことを特徴とする画像
形成装置。
【0037】
【作用】加圧部材に放熱機構を設けることにより非通紙
部の熱が積極的に放熱されて非通紙部昇温現象が抑えら
れる。
【0038】放熱機構を外部から冷却すること、あるい
は加圧部材の断面積をa、装置へ導入可能な最大サイズ
の被加熱部材の端部から外側の放熱面積をbとした場
合、b≧5.0aの関係が得られること、あるいは放熱
機構が加圧部材の軸受を介して機能すること、あるいは
放熱機構に用いる放熱部材として熱伝導率が0.04c
al/cm・sec・deg以上の材質の部材を用いた
こと、により放熱効果が向上して非通紙部昇温現象がよ
り効果的に抑制される。
【0039】装置へ通紙可能な最大サイズの被加熱部材
を導入して熱エネルギーを付与する場合は放熱機構が機
能せず、それよりも小サイズの被加熱部材を導入して熱
エネルギーを付与する場合のみ放熱機構が機能すること
により、最大サイズの被加熱部材の通紙時には放熱機構
が機能することによる不必要な加圧部材の降温による加
熱不良を防止することができ、また小サイズの被加熱部
材の通紙時には放熱機構が機能することで非通紙部昇温
を抑制できる。
【0040】また加圧部材をゴム弾性層を有する加圧部
材とし、そのゴム弾性層の熱伝導率が、25℃において
0.9×10-10 cal/cm・sec・deg以上と
し、かつ硬度をJIS−Aで35°以下とすることで、
加圧部材の長手方向の熱の移動を良くし、かつ加熱部材
との間に加圧部材のゴム弾性による所定の圧接ニップ部
を確保して、非通紙部昇温を抑制することができる。
【0041】加圧部材の芯体の熱伝導率を25℃におい
て5.0×10-1cal/cm・sec・deg以上に
すること、あるいは加圧部材のゴム弾性層はその熱伝導
率を被加熱部材搬送方向に対して直交する方向で異なら
せること、あるいは加圧部材のゴム弾性層はその端部の
熱伝導率を他の部分よりも低くすること、により加圧部
材の長手方向の熱の移動をより良くして非通紙部昇温を
より効果的に抑制することができる。
【0042】
【実施例】
〈実施例1〉(図1〜図5) (1)画像形成装置例 図1に画像形成装置の一例の概略構成を示した。本例の
画像形成装置は原稿台往復動型・回転ドラム型・転写式
・プロセスカートリッジ着脱方式の電子写真複写装置で
ある。
【0043】100は装置機筺、101はその装置機筺
の上面板102上に配設したガラス板等の透明板部材よ
りなる往復動型の原稿載置台であり、機筺上面板101
上を図面上右方a、左方a´に夫々所定の速度で往復移
動駆動される。
【0044】Gは原稿であり、複写すべき画像面側を下
向きにして原稿載置台101の上面に所定の載置基準に
従って載置し、その上に原稿圧着板103をかぶせて押
え込むことによりセットされる。
【0045】104は機筺上面板102面に原稿載置台
101の往復移動方向とは直角の方向(紙面に垂直の方
向)を長手として開口された原稿照明部としてのスリッ
ト開口部である。
【0046】原稿載置台101上に載置セットした原稿
Gの下向き画像面は原稿載置台101の右方aへの往動
移動過程で右辺側から左辺側にかけて順次にスリット開
口部104の位置を通過していき、その通過過程でラン
プ105の光Lをスリット開口部104、透明な原稿載
置台101を通して受けて照明走査され、その照明走査
光の原稿面反射光が像素子アレイ106によって感光ド
ラム107面に結像露光される。
【0047】感光ドラム107は例えば酸化亜鉛感光層
・有機半導体感光層等の感光層が被覆処理され、中心支
軸108を中心に所定の周速度で矢示bの時計方向に回
転駆動され、その回転過程で帯電器109により正極性
又は負極性の一様な帯電処理を受け、その一様帯電面に
前記の原稿画像の結像露光(スリット露光)を受けるこ
とにより感光ドラム107面には結像露光した原稿画像
に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0048】この静電潜像は現像器110により加熱で
軟化溶融する樹脂等より成るトナーにて順次に顕像化さ
れ、該顕像たるトナー画像が転写部としての転写放電器
111の配設部位へ移行していく。
【0049】Sは被記録材としての転写材シートPを積
載収納したカセットであり、該カセット内のシートが給
送ローラ112の回転により1枚宛繰出し給送され、次
いでレジストローラ113により、ドラム107上のト
ナー画像形成部の先端が転写放電器111の部位に到達
したとき転写材シートPの先端も転写放電器111と感
光ドラム107との間位置に丁度到達して両者一致する
ようにタイミングどりされて同期給送される。
【0050】そしてその給送シートの面に対して転写放
電器111により感光ドラム107側のトナー画像が順
次に転写されていく。
【0051】転写部でトナー画像転写を受けたシートは
不図示の分離手段で感光ドラム107面から順次に分離
され、搬送装置114によって像加熱装置(加熱定着装
置)50に導かれて担持している未定着トナー画像の加
熱定着を受け、画像形成物(コピー)として排出ローラ
116を通って排紙トレイ117上に排出される。
【0052】画像転写後の感光ドラム107の面はクリ
ーニング装置118により転写残りトナー等の付着汚染
物の除去を受けて繰り返して画像形成に使用される。
【0053】PCは装置本体100内のカートリッジ着
脱部120に着脱されるプロセスカートリッジであり、
本例の場合は、像担持体としての感光ドラム107、帯
電器109、現像器110、クリーニング装置118の
4つのプロセス機器を包含させて一括して装置本体10
0に対して着脱交換自在としてある。
【0054】(2)像加熱装置50 図2・図3は像加熱装置50の概略構成を示すの横断面
模型図と縦断面模型図である。本例の像加熱装置50は
特開平4−44075〜44083号公報、同4−20
4980〜204984号公報等に開示のテンションレ
スタイプのフィルム加熱方式の像加熱装置である。
【0055】このタイプの装置はフィルムの周長の少な
くとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わ
らない状態)とし、フィルムの走行移動は加圧部材の回
転駆動力から得るようにしたものであり、同じフィルム
加熱方式の装置でもフィルムを常に全周的にテンション
を作用させて張り状態で走行移動させるテンションタイ
プのものよりも、フィルムの駆動・走行等の制御・機構
が簡略化され、また駆動トルクを大幅に低減できる利点
がある。
【0056】1は耐熱性樹脂製の横長ステーであり、下
記のエンドレス耐熱性フィルム(定着フィルム)2の内
面ガイド部材となる。
【0057】エンドレスの耐熱性フィルム2は、加熱部
材としてのヒータ6を含む上記ステー1に外嵌させてあ
る。このエンドレスの耐熱性フィルム2の内周長とヒー
タ6を含むステー1の外周長はフィルム2の方を例えば
3mm程大きくしてあり、従ってフィルム2はヒータ6
を含むステー1に対して周長が余裕をもってルーズに外
嵌している。
【0058】フィルム2は熱容量を小さくしてクイック
スタート性を向上させるために、その膜厚は総厚100
μm程度とし、耐熱性・離型性・強度・耐久性等のある
PTFE・PFA・FEP等の単層、あるいはポリイミ
ド・ポリアミドイミド・PEEK・PES・PPS等の
外周表面にPTFE・PFA・FEP等をコーティング
した複合層フィルムを使用できる。本実施例ではポリイ
ミドフィルムの外周表面にPTFEをコーティングし
た、総厚60μmものを用いた。
【0059】ヒータ6は、アルミナ等でできた基板6a
の表面の略中央部に長手に沿って、例えばAg/Pd
(銀パラジウム)等の電気抵抗材料(発熱体)6bを厚
み約10μm、幅1〜3mmにスクリーン印刷等により
塗工し、その上に保護層7としてガラスやフッ素樹脂等
をコートしている。
【0060】4はヒータ6との間でフィルム2を挟んで
定着ニップ部Nを形成し、フィルム2を駆動する回転体
としてのフィルム加圧ローラであり、鉄・ステンレス等
の芯軸4aと、この軸に外装したシリコンゴム等の離型
性のよい耐熱ゴム弾性体からなるローラ部4bとからな
り、芯金4aの端部が駆動手段により駆動されることで
矢示の反時計方向に回転駆動される。加圧ローラ4が回
転駆動されることでエンドレスの耐熱性フィルム2も矢
示の時計方向に回転駆動される。
【0061】本例の加圧ローラ4は、外径10mmの芯
金4aと、長さ220mm、厚さ約3mmのシリコーン
ゴム層にフッ素ラテックスコート(ダイキン社製GLS
213にFEPを10ωt%混合したもの)を30μm
のコーティングして焼成した硬度50°(Asker C硬
度)のローラ部4bとからなり、芯金4aの両端部を図
3のように軸受15・16を介して装置フレーム17に
回転自由に、スラスト方向の移動は防止して保持させて
あり、芯金4aの一端部に固着した駆動ギア18に不図
示の駆動手段から動力が伝達されて加圧ローラ4が所定
の方向に所定の周速で回転駆動される。
【0062】エンドレスの耐熱性フィルム2は非駆動時
においてはヒータ6と加圧ローラ4とのニップ部Nに挾
まれている部分を除く残余の大部分の略全周長部分がテ
ンションフリーである。
【0063】加圧ローラ4が回転駆動されるとニップ部
Nにおいてフィルム2に回転加圧ローラ4との摩擦力で
移動力がかかり、フィルム2が加圧ローラ4の回転周速
と略同速度をもってフィルム裏面がヒータ6面(=保護
層7面)を摺動しつつ時計方向に回転駆動される。この
フィルム駆動時においてはニップ部Nとこのニップ部N
よりもフィルム移動方向上流側であって、このニップ部
近傍のフィルム内面ガイド部分とニップ部の間の部分の
みにおいてフィルムにテンションが加わる。
【0064】上記のフィルム駆動とヒータ6の発熱体層
6bへの通電を行なわせた状態において、未定着トナー
Tを担持した被記録材Pがニップ部Nの回転フィルム2
と回転加圧ローラ4との間に像担持面上向きで導入され
ると、被記録材Pはフィルム2と一緒にニップ部Nを通
過していき、該ニップ部Nにおいてフィルム裏面に接し
ているヒータ6の熱エネルギーがフィルム2を介して被
記録材Pに付与されて、またニップ部Nにおける加圧力
によりトナー像Tの熱定着がなされる。
【0065】ヒータ6は発熱体層6bの長手両端間に電
圧印加(電力供給)がなされることで該発熱体層6bが
発熱し、基板6aが加熱され、低熱容量であるヒータ6
全体が温度立ち上りよく急速昇温する。
【0066】ヒータ6の温度制御はヒータ6上に設けら
れたサーミスタ5の出力をA/D変換しCPU10に取
り込み、その情報をもとにトライアック11によりヒー
タ6の発熱体層6bに通電するAC電圧を位相・波数制
御等によりヒータ通電電力を制御することで行う。12
はAC電源である。
【0067】本実施例装置は被記録材Pを片側基準搬送
方式で導入する構成の装置であり、図3においてAはそ
の片側基準搬送基線である。大小各種サイズの被記録材
は何れも一方側の側端部がこの基線Aに沿って装置50
内に搬送導入される。
【0068】サーミスタ5の位置は、安定した定着性を
確保するために、搬送基準部付近として常に被記録材通
紙部の温度を検知させ、該サーミスタ5の検知温度が所
定の設定温度より低いとヒータ6が昇温するように、ま
た高い場合はヒータ6が降温するように通電を制御する
ことで、ヒータ6はその通紙部が定着時一定温調され
る。
【0069】13は画像形成装置の主制御回路であり、
複数枚の画像形成指令(プリント指令)による連続プリ
ント時には連続的に定着動作が実行される。また、プリ
ント指令を待つスタンバイ時はヒータ6への通電がオフ
され、メインスイッチのオンで更にプリント指令後にヒ
ータ6への通電が開始される。
【0070】(3)放熱機構 図3において、20は加圧ローラ4の芯金4aの片側基
準搬送基線A側とは反対側(以下、反基準側と記す)の
端部に接続した放熱部材である。
【0071】本実施例装置における該放熱部材20は放
熱効果を高めるために熱伝導性の良いアルミニウムを使
用した。形状は肉厚5mm・直径30mmの円板であ
る。
【0072】この放熱部材20があることで、小サイズ
被記録材の連続通紙時に非通紙部cに蓄熱しようとする
熱は芯金4aから該放熱部材20へ伝導して該放熱部材
20から放散されて通紙部bと非通紙部cの温度差が減
少され、非通紙部昇温が抑えられる。
【0073】具体的に、上記のように放熱部材20を具
備させた本実施例装置と、本実施例装置から放熱部材2
0を外した装置の両者における、小サイズ被記録材連続
通紙時の、加圧ローラ4の温度上昇測定と、フィルム2
のねじれについて実験を行なった。
【0074】即ち、ヒータ6の温度を155℃に制御
し、被記録材Pとして封筒(幅105mm×長さ241
mm)をプロセススピード11.4πmm/sec、紙
間296mmで連続通紙した場合の加圧ローラ4の通紙
部bと非通紙部cの温度推移を測定した。温度測定は熱
電対を加圧ローラ下部にパッドで押し当てて行なった。
測定ポイントは通紙側が片側基準搬送基線Aから11m
mのところ、非通紙側が207mmのところである。
【0075】図4にその結果を示した。(A)が放熱部
材20を具備させた本実施例装置の結果であり、(B)
が放熱部材20を外した装置の結果である。
【0076】放熱部材20を具備させた本実施例装置で
は、(A)のように連続通紙40枚目で加圧ローラ4の
通紙部bと非通紙部cの温度差ΔTはΔT=107de
gであり、フィルム2のねじれは発生しなかった。
【0077】一方、放熱部材20を外した装置では、
(B)のように通紙40枚目でΔT=115degであ
った。実験ではΔT≧110degになるとフィルム2
にシワが入りはじめ、ねじれが発生する。
【0078】即ち、本実施例装置では非通紙部昇温が抑
えられている。放熱部材20を具備させた本実施例装置
において非通紙部cの昇温が低減するのは、小サイズ被
記録材の連続通紙時に、被記録材により熱エネルギーを
奪われない非通紙部側の加圧ローラ部分に蓄積された熱
エネルギーが芯金4aを通じて放熱部材20に伝わり、
放熱されるためである。これは放熱部材20を取り付け
たことにより放熱面積が増加したことによる。
【0079】加圧ローラ4の断面積をa,反基準側の最
大サイズ被記録材端部から外側の放熱表面積をbとした
場合、本実施例の放熱表面積bはb=13.3aとな
る。
【0080】図5は放熱断面積bがb=2.6a、3.
6a、8.6a、13.3aのときの加圧ローラ温度差
をプロットしたもので、この図から、フィルムねじれを
起こさない加圧ローラ温度差110degを満足する条
件として、b≧5.0aが得られる。
【0081】本実施例では放熱部材20の材質としてア
ルミニウムを用いたが、放熱部材は熱伝導性の良いもの
ほど効果が大きく、熱伝導率が0.04cal/cm・
sec・deg(℃)以上であれば、加圧ローラ温度差
ΔTの低減に効果がある。
【0082】放熱部材20の形状は本実施例では円板状
のものを用いたが、放熱面積を大きくできる形状であれ
ば、フィン形状などの形状が有効であることは言うまで
もない。
【0083】このように本実施例装置は、加圧ローラ4
の芯金4aに放熱機構20を設けることにより、小サイ
ズ被記録材の連続通紙による非通紙部昇温の際に加圧ロ
ーラ4の非通紙部cの熱を放熱機構20より放熱させ、
通紙部bと非通紙部cの温度勾配を低減させる、即ち非
通紙部昇温を抑える効果があり、フィルムのねじれの発
生を防止し、非通紙部昇温及び該昇温によるフィルムの
ねじれ等に起因する、定着不良、通紙不良、さらにはフ
ィルム等の装置の熱損を防止できる。
【0084】〈実施例2〉(図6・図7) 本実施例は、実施例1の装置の放熱部材20に対して図
6のようにこれを更に積極的に冷却する外部冷却装置2
1を設けて、放熱効果を高くしたものである。これによ
り非通紙部昇温をさらに低減させることができる。
【0085】本実施例では外部冷却装置21に電動ファ
ンを用い、放熱部材20の空冷を行なっている。放熱部
材20を空冷するための風路22の断面は10mm×5
0mmの長方形であり、電動ファン21が取り付けられ
ている。
【0086】上記構成の加熱装置を用いて実施例1で行
なった実験と同じ条件で、加圧ローラ4の温度上昇と、
フィルム2のねじれについて実験を行なった。
【0087】図7の結果からわかるように、封筒の連続
通紙枚数が40枚で、加圧ローラ4の通紙部bと非通紙
部cの温度差ΔTはΔT=97degであり、定着フィ
ルム2のねじれは発生しなかった。
【0088】実施例1よりもΔTが小さくなったのは、
放熱部材20を空冷することにより1放熱部材20から
の放熱量が大きくなったためである。
【0089】本実施例では、放熱部材20の空冷を常時
行なっているが、最大サイズ被記録材を通紙する場合は
空冷せずに、小サイズ被記録材を通紙する場合のみ空冷
をする制御とすることもできる。
【0090】〈実施例3〉本実施例は、実施例1の装置
において放熱部材20を具備させる代りに反基準側の加
圧ローラ軸受15に熱伝導率の高い材質を用いることに
より、加圧ローラ4の非通紙部cに蓄積された熱エネル
ギーを該軸受15を介して加熱装置フレーム17または
本体フレーム(不図示)に逃す構成になっている。
【0091】これにより、放熱部材20を新たに配置す
る必要がないため、低コストで製造することができる。
本実施例では、軸受15の材質として熱伝導率の高いセ
ラミック(アルミナ)を用いた。
【0092】上記構成の加熱装置を用いて実施例1で行
なった実験と同じ条件で、加圧ローラ4の温度上昇と、
定着フィルムのねじれについての実験を行なった結果、
実施例1とほぼ同様の実験結果が得られた。
【0093】本実施例の加熱装置では小サイズ被記録材
通紙時の非通紙部昇温の低減を行え、定着フィルム2の
ねじれの発生を防止し、定着フィルム2のねじれによる
定着不良、通紙不良、定着フィルムがねじ切れてしまう
加熱装置の破損を防止できる。また、装置フレーム17
または本体フレームが放熱部材を兼ねるため、部品点数
を増やすことなく低コストで製造できるメリットがあ
る。
【0094】〈実施例4〉(図8) 本実施例は、実施例1の装置において放熱部材20を加
圧ローラ芯金4aの反基準側の端部に取り付けたことに
よる最大サイズ被記録材通紙時の加圧ローラの反基準側
の不必要な温度低下による定着不良を防ぐために、放熱
部材20を小サイズ被記録材通紙時のみ芯金4aに接触
するようにし、最大サイズ被記録材通紙時は芯金4aと
非接触となるように配置する。
【0095】実験では、放熱部材20を加圧ローラ芯金
4aの反基準側の端部に取り付けた状態で最大サイズ被
記録材を通紙した場合には、放熱部材20による放熱に
よって加圧ローラ4の反基準面側の温度が基準側の温度
よりも低くなり、反基準側に定着不良が起きることが確
認できた。
【0096】本実施例では図8のように放熱部材20を
加圧ローラ芯金4aの反基準側端部に対して移動手段2
3で接離自在の可動部材とし、装置50に導入される被
記録材Pのサイズを被記録材サイズセンサ25で検出さ
せ、小サイズであると検知されたときはレギュレータ2
4で移動手段23を放熱部材20が加圧ローラ芯金4a
に接触するように作動させ、最大サイズであると検知さ
れたときは放熱部材20を加圧ローラ芯金4aに対して
非接触に保たせるものである。
【0097】上記構成の加熱装置を用いて、実施例1で
行なった実験と同じ条件で小サイズ被記録材(封筒)連
続通紙時における、加圧ローラの温度上昇と、定着フィ
ルムのねじれについての実験を行なった結果、実施例1
と同様の実験結果が得られた。また、放熱部材20を実
施例2と同様の方法で空冷した結果、実施例2と同様の
実験結果が得られた。
【0098】本実施例の加熱装置では、最大サイズ被記
録材を通紙した場合には加圧ローラ芯金4aと放熱部材
20とは非接触に保たれて、反基準側に放熱部材20を
配置したことによる加圧ローラ4の反基準側の定着不良
を起こすことなく、また小サイズ被記録材通紙時の非通
紙部昇温の低減を行え、定着フィルムのねじれの発生を
防止し、定着フィルムのねじれによる定着不良、通紙不
良、定着フィルムがねじ切れてしまう加熱装置の破損を
防止できる。
【0099】〈実施例5〉(図9) 本実施例は、実施例4と同じく、放熱部材20を加圧ロ
ーラ芯金4aの反基準側の端部に取り付けることによる
最大サイズ被記録材通紙時の加圧ローラ反基準側の不必
要な温度低下による定着不良を防ぐために、芯金4aの
熱膨張を利用して放熱部材20を小サイズ被記録材通紙
時に非通紙部が昇温したときのみ芯金4aに接触させる
ようにし、最大サイズ被記録材通紙時は芯金4aと非接
触に保たれるようにしたものである。
【0100】本実施例の加熱装置は、図9に示すように
放熱部材20を芯金4aと非接触で配置してある。芯金
4aと放熱部材20との離間間隔αは約0.4mmで、
芯金温度が約120℃に達したとき芯金4aの熱膨張に
よって芯金4aと放熱部材20とが接触するように配置
されている。
【0101】上記構成の加熱装置を用いて、実施例1で
行なった実験と同じ条件で小サイズ被記録材(封筒)連
続通紙時における、加圧ローラの温度上昇と、定着フィ
ルムのねじれについての実験を行なった結果、実施例1
と同様の実験結果が得られた。また、放熱部材20を実
施例2と同様の方法で空冷した結果、実施例2と同様の
実験結果が得られた。
【0102】本実施例の加熱装置では、最大サイズ被記
録材を通紙した場合には、加圧ローラ芯金4aと放熱部
材20とは非接触に保たれて反基準側に放熱部材20を
配置したことによる加圧ローラ4の反基準側の定着不良
を起こすことなく、また小サイズ被記録材時の非通紙部
昇温の低減が行え、定着フィルムのねじれの発生を防止
し、定着フィルムのねじれによる定着不良、通紙不良、
定着フィルムがねじ切れてしまう加熱装置の破損を防止
できる。
【0103】〈実施例6〉本実施例は、加圧ローラ4の
弾性層4bについて、前述各実施例装置及び従来装置で
は熱伝導率が約0.6×10-3cal/cm・sec・
degのシリコーンゴムであったのに対して、その熱伝
導率を10×10-3cal/cm・sec・degに上
げたものを用いた。
【0104】即ち本発明者らの検討では非通紙部昇温に
対して必要最小限の効果を期待するためにはシリコーン
ゴムの熱伝導率を0.9×10-3cal/cm・sec
・deg以上とするのが好ましいということが判明し
た。
【0105】シリコーンゴムの熱伝導率を上げる方法と
しては、シリコーンゴムに良熱伝導性の粒子を分散させ
ることが考えられ、例えばアルミナ、窒化アルミ、石英
などがその材料として挙げられ、本実施例では酸化マグ
ネシウムを分散させている。
【0106】ところで、充填剤を加えれば加えるほどシ
リコーンゴムの熱伝導率は高くなるが、同時にゴムの硬
度も高くなるため、加熱装置としてはニップ部Nを確保
することが困難になる。これは定着能力の低下を引き起
こすため好ましくない。したがってゴムの硬度はある値
以上に抑える必要があり、本発明者らの研究では最高で
もJIS−Aで35°以下にすべきであるという結論が
得られた。本実施例では28°のゴムを用いている。
【0107】本実施例のようにローラ長手方向でゴムの
熱伝導率が高い加圧ローラを用いることにより、小サイ
ズ被記録材を連続通紙した際の非通紙部昇温に対して加
圧ローラ4の非通紙部cから通紙部bへの熱の流れが良
好になるため、加圧ローラ長手方向での温度ムラを均す
効果を得ることができる。
【0108】実施例1の装置において、加圧ローラ4と
して本実施例の熱伝導率を上げた加圧ローラ4を用いて
(放熱部材20は具備させない)、実施例1と同じ条件
で小サイズ被記録材(封筒)連続通紙時における、加圧
ローラの温度上昇と、定着フィルムのねじれについて実
験を行なった結果、加圧ローラ4の非通紙部cの最終到
達温度は208℃、非通紙部cと通紙部bの温度差ΔT
はΔT=103℃となり、加圧ローラの耐熱温度を満足
するとともにフィルムがねじれることもなかった。
【0109】このように本実施例では、加圧ローラ4の
シリコーンゴム層4bの熱伝導率を0.9×10-3ca
l/cm・sec・deg以上、ゴム硬度を35°以下
にすることで、非通紙部cの過昇温を抑えるとともに、
必要最低限以上の定着性を確保することができた。
【0110】〈実施例7〉本実施例の加熱装置の加圧ロ
ーラは、ローラ弾性層4bを構成するシリコーンゴムの
熱伝導率を0.9×10-3cal/cm・sec・de
g以上の1.0×10-3cal/cm・sec・de
g、ゴム硬度をJIS−Aで35°以下の28°とし、
さらに長手方向の熱伝導性を向上させるためにローラ芯
金4aに熱伝導率が5.0×10-1cal/cm・se
c・degのAl 6063合金を用いている。加熱装置
の他の構成は実施例6と同様である。
【0111】従来、加圧ローラ4の芯金4aにはステン
レスが広く使われてきたが、これは強度・価格の点から
選択されたものであり、ローラの熱伝導性はほとんど考
慮されてはいなかった。しかしながら本発明者らの実験
では芯金4aに熱伝導率の高いものを用いることは非通
紙部昇温時のローラ4の温度ムラの低減に劇的な効果が
あり、この観点ではローラ芯金4aの熱伝導率は5.0
×10-1cal/cm・sec・deg以上が必要との
結論を得た。
【0112】本実施例では芯金4aにアルミニウムを用
いているが強度的には特に問題はなかった。また芯金4
aの材質として、他に例えばジュラルミン銅、金、銀等
の高熱伝導性物質を使ってもよい。
【0113】本実施例のローラ4を用いた加熱装置で非
通紙部昇温の実験を行なったところ、加圧ローラ非通紙
部の最高到達温度は196℃、非通紙部と通紙部の温度
差ΔT=92℃となり、実施例6と比べて更に高い効果
を得ることができた。
【0114】〈実施例8〉(図10) 本実施例の加熱装置の加圧ローラ4は、図10に示すよ
うにローラ4の両端部4A・4Aと、それ以外の部分4
Bで弾性層4bの熱伝導率を異ならせている。ここで端
部4A・4Aは被記録材通紙時には非画像部にあたる部
分である。
【0115】弾性層4bは、例えば全体をシリコーンゴ
ムで構成し、部分4Bは 熱伝導率 1.0×10-3cal/cm・sec・de
g 部分4A・4Aは 熱伝導率 0.6×10-3cal/cm・sec・de
g にする。
【0116】シリコーンゴムの熱伝導はシリコーンゴム
に充填材を加えることでコントロールできるが、本実施
例のローラでは充填材の量を一体のシリコーンゴムの内
で部分4Bと部分4A・4Aでそれぞれ異ならせること
によって熱伝導率を他よりも低くしている。すなわち端
部4A・4Aの良熱伝導性粒子の分散量を他よりも少な
くすることで、この部分4A・4Aの熱伝導率を部分4
Bと変えている。これは充填材の種類を変えることでも
可能である。
【0117】ローラの構成としては上記のように一体の
ゴムによって弾性層4bを形成してもよいが、部分4B
と部分4A・4Aを別部材にして部分4Bを先にローラ
として芯金4a上に形成した後、両端から部分4A・4
Aをはめこんでもよい。また、この場合には部分4Bと
部分4A・4Aはそれぞれ全く異なる材料を使うことも
できる。
【0118】前述実施例6・同7のようにローラのシリ
コーンゴムに熱伝導率の高いものを用いた場合、ローラ
端部からの熱の逃げは熱伝導率の低いものと比べて大き
く、ニップ部N内の温度は端部が非常に低くなるため画
像端部において定着不良が発生する。しかし、本実施例
のように加圧ローラの熱伝導率を端部4A・4Aで低
く、それ以外の部分4Bでは高くすることで、非通紙部
昇温に対して加圧ローラの温度勾配を低減し、かつ端部
の放熱量を少なくすることができる。
【0119】〈その他〉図11〜図13はそれぞれフィ
ルム加熱方式の加熱装置の他の構成形態例を示したもの
である。
【0120】図11のものは、第1のフィルム懸回ロー
ラ31と、第2のフィルム懸回ローラ(テンションロー
ラ)32と、ヒータ6との互いに並行の3部材31・3
2・6間に、エンドレスベルト状の耐熱性フィルム2を
懸回張設し、フィルム2を挟んでヒータ6に圧接させて
加圧ローラ4を配設し、耐熱性フィルム2を第1のフィ
ルム懸回ローラ31、或いは加圧ローラ4をフィルム駆
動ローラとして回転搬送する構成のものである。第1の
フィルム懸回ローラ31を駆動ローラとしたときは加圧
ローラ10は従動回転する。8は断熱性の耐熱ヒータホ
ルダである。
【0121】図12のものはヒータ6と1本のフィルム
懸回ローラ33の2部材6・33間にドレスベルト状の
耐熱性フィルム2を懸回張設し、フィルム2を挟んで加
圧ローラ4をヒータ6に圧接させて配設し、耐熱性フィ
ルム2をフィルム懸回ローラ33、或いは加圧ローラ4
をフィルム駆動ローラとして回転搬送する構成のもので
ある。フィルム懸回ローラ33を駆動ローラとしたとき
は加圧ローラ10は従動回転する。
【0122】図13のものは、耐熱性フィルム2とし
て、エンドレスベルト状のものではなく、ロール巻きに
した長尺の有端フィルムを用い、これを繰り出し軸34
側からヒータ6を経由させて巻き取り軸35側へ掛け渡
し、フィルム2を挟んでヒータ6に加圧ローラ4を圧接
させ、フィルム2を巻き取り軸35側へ走行搬送する構
成のものである。加圧ローラ10をフィルム駆動ローラ
とすることもできる。
【0123】上記図11〜図13の何れの装置も本発明
を適用して前記実施例1乃至同8の場合と同様の効果を
得ることができる。
【0124】以上はフィルム加熱方式の加熱装置もしく
は該加熱装置を像加熱装置として備えた画像形成装置で
あるが、その他、熱ローラ方式の加熱装置、該装置を備
えた画像形成装置にも本発明を適用して非通紙部昇温、
該昇温に起因する問題を低減化、解消することができ
る。
【0125】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、加熱部材
と、加圧部材との間に被加熱部材を導入して加熱部材の
熱エネルギーを被加熱部材に付与する加熱装置につい
て、非通紙部昇温現象を簡単な手段構成で抑制すること
ができ、非通紙部昇温に起因する前述の問題を解消する
ことができ、所期の目的がよく達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像形成装置例の概略構成図
【図2】 使用した像加熱装置(画像加熱定着装置)の
概略構成を示す横断面模型図
【図3】 縦断面模型図
【図4】 (A)は実施例1の加熱装置の被記録材通紙
枚数と加圧ローラの通紙部分と非通紙部分の昇温推移グ
ラフ、(B)は比較例の装置についての同グラフ
【図5】 加圧ローラの放熱表面積と加圧ローラ温度差
ΔTの相関グラフ
【図6】 実施例2の像加熱装置の縦断面模型図
【図7】 該装置の被記録材通紙枚数と加圧ローラの通
紙部分と非通紙部分の昇温推移グラフ
【図8】 実施例4の像加熱装置の縦断面模型図
【図9】 実施例5の像加熱装置の縦断面模型図
【図10】 実施例8の像加熱装置の加圧ローラの構成
説明図
【図11】 フィルム加熱方式の加熱装置の他の構成例
の略図(その1)
【図12】 フィルム加熱方式の加熱装置の他の構成例
の略図(その2)
【図13】 フィルム加熱方式の加熱装置の他の構成例
の略図(その3)
【符号の説明】
1 ステー(フィルム内面ガイド部材) 2 定着フィルム 4 加圧ローラ(加圧部材) 4a 加圧ローラ芯金 4b 耐熱断性層 5 サーミスタ 6 ヒータ(加熱部材) 6a ヒータ基板 6b 発熱体層 7 保護層 10 CPU 11 トライアック 15・16 加圧ローラ軸受 17 装置フレーム 18 加圧ローラ駆動ギア 20 放熱部材 21 電動ファン 22 風路 25 紙サイズ検知センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 友行 洋二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岸野 一夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱部材と、加圧部材との間に被加熱部
    材を導入して加熱部材の熱エネルギーを被加熱部材に付
    与する加熱装置において、前記加圧部材に放熱機構を設
    けたことを特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 固定支持された加熱部材に耐熱性フィル
    ムを介して加圧部材を接触させ、その圧接ニップ部の耐
    熱性フィルムと加圧部材との間に被加熱部材を導入して
    耐熱性フィルムと一緒に該圧接ニップ部を移動させるこ
    とで加圧部材の熱エネルギーを耐熱性フィルムを介して
    被加熱部材に付与する加熱装置において、前記加圧部材
    に放熱機構を設けたことを特徴とする加熱装置。
  3. 【請求項3】 加圧部材の断面積をa、装置へ通紙可能
    な最大サイズの被加熱部材の端部から外側の放熱面積を
    bとした場合、b≧5.0aの関係が得られることを特
    徴とする請求項1または同2に記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 放熱機構を外部から冷却することを特徴
    とする請求項1または同2に記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】 放熱機構が加圧部材の軸受を介して機能
    することを特徴とする請求項1または同2に記載の加熱
    装置。
  6. 【請求項6】 装置へ通紙可能な最大サイズの被加熱部
    材を導入して熱エネルギーを付与する場合は放熱機構が
    機能せず、それよりも小サイズの被加熱部材を導入して
    熱エネルギーを付与する場合のみ放熱機構が機能するこ
    とを特徴とする請求項1または同2に記載の加熱装置。
  7. 【請求項7】 放熱機構に用いる放熱部材として熱伝導
    率が0.04cal/cm・sec・deg以上の材質
    の部材を用いたことを特徴とする請求項1または同2に
    記載の加熱装置。
  8. 【請求項8】 加圧部材と、これに圧接するゴム弾性層
    を有する加圧部材との間に被加熱部材を導入して加熱部
    材の熱エネルギーを被加熱部材に付与する加熱装置にお
    いて、前記加圧部材のゴム弾性層の熱伝導率が、25℃
    において0.9×10-10 cal/cm・sec・de
    g以上であり、かつ硬度がJIS−Aで35°以下であ
    ることを特徴とする加熱装置。
  9. 【請求項9】 固定支持された加熱部材に耐熱性フィル
    ムを介してゴム弾性層を有する加圧部材を圧接させ、そ
    の圧接ニップ部の耐熱性フィルムと加圧部材との間に被
    加熱部材を導入して耐熱性フィルムと一緒に該圧接ニッ
    プ部を移動させることで加熱部材の熱エネルギーを耐熱
    性フィルムを介して被加熱部材に付与する加熱装置にお
    いて、前記加圧部材のゴム弾性層の熱伝導率が、25℃
    において0.9×10-3cal/cm・sec・deg
    以上であり、かつ硬度がJIS−Aで35°以下である
    ことを特徴とする加熱装置。
  10. 【請求項10】 加圧部材は内部に芯体を有し、該芯体
    の熱伝導率が、25℃において5.0×10-1cal/
    cm・sec・deg以上であることを特徴とする請求
    項8または同9に記載の加熱装置。
  11. 【請求項11】 加圧部材のゴム弾性層はその熱伝導率
    が被加熱部材搬送方向に対して直交する方向で異なるこ
    とを特徴とする請求項8または同9に記載の加熱装置。
  12. 【請求項12】 加圧部材のゴム弾性層はその端部の熱
    伝導率が他の部分よりも低いこと特徴とする請求項8ま
    たは同9に記載の加熱装置。
  13. 【請求項13】 被加熱部材が画像を担持させた被記録
    材であり、該被記録材の画像を加熱処理する像加熱装置
    であること特徴とする請求項1乃至同12の何れかに記
    載の加熱装置。
  14. 【請求項14】 被記録材に画像を形成する画像形成手
    段と、請求項1乃至同12の何れかに記載の加熱装置を
    前記画像形成手段側からの被記録材上の画像を加熱処理
    する像加熱装置として備えたことを特徴とする画像形成
    装置。
JP7000894A 1994-03-14 1994-03-14 加熱装置、及び画像形成装置 Pending JPH07253731A (ja)

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