JPH07249829A - 分布帰還型半導体レーザ - Google Patents

分布帰還型半導体レーザ

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JPH07249829A
JPH07249829A JP3944294A JP3944294A JPH07249829A JP H07249829 A JPH07249829 A JP H07249829A JP 3944294 A JP3944294 A JP 3944294A JP 3944294 A JP3944294 A JP 3944294A JP H07249829 A JPH07249829 A JP H07249829A
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quantum well
layer
semiconductor laser
distributed feedback
feedback semiconductor
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JP3944294A
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Kazuhisa Uomi
和久 魚見
Tomonobu Tsuchiya
朋信 土屋
Makoto Okai
誠 岡井
Atsushi Nakamura
厚 中村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、広い温度範囲、例えば−4
0℃〜+85℃で安定に動作する光通信用分布帰還型半
導体レーザを提供することにある。 【構成】 歪量子井戸活性層5を有する分布帰還型半導
体レーザにおいて、活性層を構成する各量子井戸層の量
子井戸層膜厚、混晶組成歪量、あるいは歪量を変化させ
ることにより、各量子井戸層からの量子準位発光波長を
変化させ、さらに、井戸数、歪量、量子井戸膜厚等の構
造を適切に設定し、離調波長ΔGの温度依存性dΔG/
dTが極めて小さな分布帰還型半導体レーザを得る。 【効果】 離調波長ΔGの温度依存性dΔG/dTを極
めて小さくできるので、分布帰還型半導体レーザの安定
な広範囲温度動作に対して効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分布帰還型半導体レー
ザに係り、特に広い温度範囲、例えば−40℃〜+85
℃で安定に動作する光通信用分布帰還型半導体レーザに
関する。
【0002】
【従来の技術】来たるべく加入者系光通信システムの構
築に向けて、光伝送装置の低消費電力化、小型化、低価
格化は極めて重要である。この実現のためには広い環境
温度範囲、例えば−40℃〜+85℃において、温度制
御を不要とする半導体レーザの開発が不可欠である。特
に単一縦モードで発振する分布帰還型(DFB)レーザ
の広温度範囲動作が待望されている。これに対して、活
性層に圧縮歪MQW(多重量子井戸)構造を導入した
1.3μm帯DFBレーザの高温低電流動作が、第54
回応用物理学会学術講演会講演予稿集27p−H−12
(1993年9月)に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、+5℃〜+80℃の範囲の動作に限られて
おり、これは下記の問題に起因している。
【0004】一般にDFBレーザの発振波長λLDは、
媒質の屈折率n、回折格子の周期Λを用いて次式で表さ
れる。
【0005】
【数1】 λLD=2nΛ ……(1) 一方、量子井戸活性層の光学利得のピーク波長λgは量
子井戸膜厚、量子井戸組成等の量子井戸構造により、決
まる。従って、DFBレーザの発振波長λLDと光学利
得のピーク波長λgの間には、いわゆる次式で表される
離調波長ΔGが存在する。
【0006】
【数2】 ΔG=λLD−λg ……(2) そこで、一般に、ΔGが動作温度においてほぼ0になる
ように設定している。しかしながら、1.3μm帯、
1.55μm帯等の長波長帯半導体レーザにおいては、
レーザ発振波長λLDの温度依存性dλLD/dTは約
0.1nm/℃、光学利得ピーク波長λgの温度依存性
dλg/dTは約0.4nm/℃と異なることから、離
調波長ΔGの温度依存性dΔG/dTは約−0.3nm
/℃と有限の値を取る。従って、広い環境温度範囲、例
えば−40℃〜+85℃の125℃を考えると、ΔGは
動作温度範囲において40nm近く変化することにな
る。
【0007】以上の点を、1.3μm帯DFBレーザを
例に取り、図式的にまとめたのが、図2であり、これを
用いて従来技術の問題点を説明する。まず、図2(a)
では、室温(25℃)において、ΔGが0になるように
設定した場合であるが、85℃でのΔGが−18nmと
なり、レーザ発振波長と光学利得ピーク波長がずれるの
で、85℃でのしきい電流が大幅に増大してしまう。こ
れにより、85℃動作時の効率も低く、初期特性のみで
なく、動作電流の増大により、素子の信頼性の劣化を招
く。そこで、85℃動作時にΔGが0になるように設定
した場合が、図2(b)である。この場合、85℃での
しきい電流の劣化は無いが、一方−40℃でのΔGが+
38nmとなり、光学利得のバンド幅から離れてしま
い、DFB動作が困難となり、いわゆるFP(Fabr
y−Perot)モードからなるマルチ縦モード発振と
なってしまう。
【0008】以上のように、従来のDFBレーザでは、
歪量子井戸構造により低しきい化を図ったとしてして
も、−40℃〜+85℃の広い環境温度範囲での動作を
実現することができなかった。
【0009】本発明の目的は、広い温度範囲、例えば−
40℃〜+85℃で安定に動作する光通信用分布帰還型
半導体レーザを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では多重量子井戸活性層の少なくとも1層の
量子井戸層の量子準位発光波長が他の量子井戸層の量子
準位発光波長と異なること、少なくとも1層の量子井戸
層の量子井戸膜厚が他の量子井戸層の量子井戸膜厚と異
なること、少なくとも1層の量子井戸層を形成する混晶
組成が他の量子井戸層を形成する混晶組成と異なるこ
と、歪量子井戸層から形成されている多重量子井戸構造
の少なくとも1層の歪量子井戸層の歪量が他の歪量子井
戸層の歪量と異なることのいずれかにより、達成され
る。特に、量子井戸層、歪量子井戸層の量子準位発光波
長の最大値と最小値の差が15〜45nmであること、
量子井戸層、歪量子井戸層の最大量子井戸膜厚のと最小
量子井戸膜厚の差が1.0〜3.5nmであること、量
子井戸層、歪量子井戸層の最大量子井戸膜厚が6nm、
最小量子井戸膜厚が4nmであること、量子準位発光波
長が、正孔の注入側が電子の注入側よりも長波長である
こと、井戸数が4〜8であること、半導体基板がp型I
nP基板で、かつ上記活性層がメサストライプ状に形成
され、該メサストライプ状の活性領域の側面がp/n/
p型の電流ブロック層で埋め込まれていること、室温で
の離調波長ΔGの値が−10〜+10nm、かつκL
(κ:共振器の軸方向での屈折率の摂動による光の結合
定数をκ、L:共振器長)の値が0.8〜1.5である
こと、量子井戸層、歪量子井戸層がInGaAsP層、
あるいはInGaAlAs層であることにより、達成さ
れる。
【0011】
【作用】以下、本発明の作用について図3を用いて説明
する。同図(a)は各量子井戸層間で量子準位発光波長
を変化させるために、各量子井戸層の量子井戸膜厚を変
化させた例である。量子井戸→→の順に量子井戸
膜厚が厚くなっており、それに伴い、量子準位発光波長
は同図(b)に示すように量子井戸→→の順に長
波長となっている。25℃においては、同図(b)に示
すように量子井戸からの発光強度が最も強い。一方、
85℃においては、量子井戸、、からの発光はそ
れぞれ長波長シフトするが、高温では、フェルミ・ディ
ラック分布がぼけるので、高エネルギー側、すなわち短
波長側の量子井戸からの発光が増大し、量子井戸から
の発光が最も強くなる。その結果、図3(b)に示すよ
うに25℃から85℃に温度を上げたときの発光ピーク
波長、すなわち光学利得ピーク波長λgの温度依存性は
極めて小さくなる。この時の光学利得ピーク波長λgの
温度依存性dλg/dTは約0.1〜0.2nm/℃と
(従来:0.4nm/℃)小さくなり、その結果、離調
波長ΔGの温度依存性dΔG/dTは約0.0〜−0.
1nm/℃と、従来に比べて1/3以下に抑制すること
ができた。これにより、図3(c)に示したように、例
えば、室温(25℃)において、ΔGが0になるように
設定した場合でも、85℃、−40℃でのΔGはそれぞ
れ−6nm、+6nmと極めて小さくなり、離調波長Δ
Gの温度依存性によるDFBレーザの特性の悪化を小さ
く抑えることができ、その結果広い温度範囲、例えば−
40℃〜+85℃で安定に動作する光通信用分布帰還型
半導体レーザを実現することができた。各量子井戸層の
混晶組成歪量の変化、歪量の変化により、各量子井戸層
間の量子準位発光波長を変化させても、全く同様に離調
波長ΔGの温度依存性dΔG/dTを小さく抑制でき
る。
【0012】さらに、本発明において、特に量子井戸
層、歪量子井戸層の量子準位発光波長の最大値と最小値
の差を15〜45nmに設定すること、量子井戸層、歪
量子井戸層の最大量子井戸膜厚のと最小量子井戸膜厚の
差を1.0〜3.5nmに設定すること、量子井戸層、
歪量子井戸層の最大量子井戸膜厚を6nm、最小量子井
戸膜厚を4nmに設定することにより、離調波長ΔGの
温度依存性dΔG/dTは0〜−0.2nm/℃の範囲
に抑え込むことができる。又、正孔が注入される側の量
子井戸層の量子準位発光波長を、電子が注入される側よ
りも長波長にすると、高温において正孔の高エネルギー
側の量子井戸への注入効果が促進されるので、離調波長
ΔGの温度依存性dΔG/dT抑制作用が大きくなる。
さらに、井戸数を4〜8に設定すると、高温での発振が
容易になるため、dΔG/dT抑制効果は大きい。又、
半導体基板がp型InP基板を用いてp/n/p型の電
流ブロック層で埋め込むと電流狭窄効果は大きく、高温
での発振が容易になるため、dΔG/dT抑制効果は大
きくなる。さらに、室温での離調波長ΔGを−10〜+
10nmに設定し、κLの値を0.8〜1.5とし高温
での発振が容易に保つと、+85℃でのΔGは−15n
m以上になるので、特性悪化は生じることはない。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1、図4を用い
て説明する。
【0014】(実施例1)図1は本発明をp型基板上
1.3μm帯分布帰還型半導体レーザに適用したもので
ある。同図(a),(b)に示すように、有機金属気相
成長法により、p−InP基板1上にp-InPクラッド
層2(キャリア濃度〜1×1018cm-3、厚さ〜2μm)
を成長した後、回折格子3を形成した。その後、有機金
属気相成長法により、p−InGaAsP光ガイド層
4、InGaAsP系歪多重量子井戸活性層5、n-InP
クラッド層6(キャリア濃度〜1×1018cm-3、厚さ
〜0.4μm)を成長する。この時、InGaAsP系歪多
重量子井戸活性層5の歪量子井戸層15a〜15eの歪
量は約1.0%とし、図1(c)の伝導帯のバンドダイ
アグラムに示したように、歪量子井戸層の層数は5であ
り、歪量子井戸膜厚はp−InGaAsP光ガイド層4
に近い側から、それぞれ、6.0nm、5.5nm、
5.0nm、4.5nm、4.0nmであり、InGa
AsP障壁層16の膜厚は7nmである。この時、最大
膜厚量子井戸層15aと最小膜厚量子井戸層15eから
の量子準位発光波長の差は30nmである。回折格子3
のκLは0.8〜1.5となるように、深さは15〜3
0nmに設定した。又、離調波長ΔGが室温において−
10〜+10nmとなるように、回折格子3の周期は約
202nmに設定した。
【0015】その後CVD法によりSiO2膜を被着しホ
トリソ工程を経た後、SiO2膜をマスクとしてウェット
エッチングにより図中に示されるような変曲点の無い滑
らかな側面を有するメサストライプを形成する。また活
性層幅は1.3〜1.8μm、メサ深さは2.5〜3.
7μmである。次に、SiO2膜を被着したまま、有機金
属気相成長法により、メサストライプの側面をp-InP
埋込層7(キャリア濃度〜1×1018cm-3、厚さ0.5
〜1μm)、n-InP埋込層8(キャリア濃度〜2×10
18cm-3、厚さ0.5〜1μm)、p-InP埋込層9(キ
ャリア濃度〜2×1018cm-3、厚さ1〜3μm)、n-
InP層10(キャリア濃度〜2×1018cm-3、厚さ〜
0.5μm)で埋め込んだ。以上のようにして埋め込んだ
構造においては、リ−ク電流の要因であるn-n接続の
無い理想的なブロック層構造となった。次に、SiO2
を除去した後、有機金属気相成長法によりn-InP平坦
化層11(キャリア濃度〜1.5×1018cm-3、厚さ
〜2μm)、n-InGaAs(P)キャップ層12(キャリ
ア濃度>5×1018cm-3、厚さ〜0.3μm)で平坦
に埋め込んだ。以上の有機金属気相成長法において、n
型不純物はSi(但し、キャップ層12のみSe)、p
型不純物はZnを用いた。その後SiO2膜13で電流狭
窄を行った後n電極14を形成、更に基板側を研磨して
ト−タル膜厚100μm程度にした後p電極17を蒸着
により形成し、素子化を行った。その後、共振器長15
0〜400μmに劈開し、前端面に反射率1%の低反射
率膜20、後端面に反射率80%の高反射率膜21を施
した。
【0016】本実施例によるDFBレ−ザでは、発振波
長1.30μmにおいて、室温でのしきい電流は5〜1
0mA、スロ−プ効率は0.45〜0.60mW/mAが得
られ、室温においてのΔGは典型的に−10nmから+
10nmの範囲であった。又、85℃でのしきい電流は
15〜25mA、スロ−プ効率0.35〜0.45mW/m
Aの素子が高歩留りで得られ、600Mbit/sの変
調が十分に可能であった。さらに、−40℃においても
安定にDFB発振し、−40℃〜+85℃の温度範囲に
おいて、副モード抑圧比は35〜45dBを維持した。
又、−40℃〜+85℃の温度範囲におけるΔGの変化
量は約10nmと極めて小さかった。 (実施例2)図4は本発明をp型基板上1.55μm帯
分布帰還型半導体レーザに適用したものである。同図
(a),(b)に示すように、有機金属気相成長法によ
り、p−InP基板1上にp-InPクラッド層2(キャ
リア濃度〜1×1018cm-3、厚さ〜2μm)を成長し
た後、アンドープInGaAsP系歪多重量子井戸活性層
18、n-InGaAsP光ガイド層19(キャリア濃度
〜1×1018cm-3、厚さ〜0.2μm)を成長する。
この後、回折格子3を形成し、有機金属気相成長法によ
りn-InPクラッド層6(キャリア濃度〜1×1018
m-3、厚さ〜0.4μm)を成長する。この時、アンド
ープInGaAsP系歪多重量子井戸活性層18の歪量子
井戸層22a〜22dの量子井戸膜厚は5nmとした。
又、図4(c)の伝導帯のバンドダイアグラムに示した
ように、歪量子井戸層の層数は4であり、歪量子井戸層
の歪量はp-InPクラッド層2に近い側から、それぞ
れ、+1.5%、+1.43%、+1.36%、+1.
29%であり、この歪量の変化と共に伝導帯でのエネル
ギーが変化する。InGaAsP障壁層23の膜厚は1
0nmである。この時、最大膜厚量子井戸層22aと最
小膜厚量子井戸層22dからの量子準位発光波長の差は
25nmである。回折格子3のκLは0.8〜1.5と
なるように、深さは15〜30nmに設定した。又、離
調波長ΔGが室温において−10〜+10nmとなるよ
うに、回折格子3の周期は約201nmに設定した。
【0017】その後、実施例1と同様のメサストライプ
を形成した後、有機金属気相成長法により、メサストラ
イプの側面をp-InP埋込層7(キャリア濃度〜1×1
18cm-3、厚さ0.5〜1μm)、n-InP埋込層8
(キャリア濃度〜2.5×101 8cm-3、厚さ0.5〜1
μm)、p-InP埋込層9(キャリア濃度〜2×1018
m-3、厚さ1〜3μm)、n-InP層10(キャリア濃度
〜2×1018cm-3、厚さ〜0.3μm)で埋め込んだ。
次に、SiO2膜を除去した後、有機金属気相成長法によ
りn-InP平坦化層11(キャリア濃度〜2.0×10
18cm-3、厚さ〜2μm)、n-InGaAs(P)キャッ
プ層12(キャリア濃度>7×1018cm-3、厚さ〜
0.3μm)で平坦に埋め込んだ。その後SiO2膜13
で電流狭窄を行った後n電極14を形成、更に基板側を
研磨してト−タル膜厚100μm程度にした後p電極1
7を蒸着により形成し素子化を行った。その後、共振器
長150〜350μmに劈開し、前端面に反射率1%の
低反射率膜20、後端面に反射率90%の高反射率膜2
1を施した。
【0018】本実施例によるDFBレ−ザでは、発振波
長1.55μmにおいて、室温でのしきい電流は5〜9m
A、スロ−プ効率は0.38〜0.55mW/mAが得ら
れ、室温においてのΔGは典型的に−10nmから+1
0nmの範囲であった。又、85℃でのしきい電流は1
3〜25mA、スロ−プ効率0.33〜0.40mW/mA
の素子が高歩留りで得られ、600Mbit/sの変調
が十分に可能であった。さらに、−40℃においても安
定にDFB発振し、−40℃〜+85℃の温度範囲にお
いて、副モード抑圧比は38〜45dBを維持した。
又、−40℃〜+85℃の温度範囲におけるΔGの変化
量は10nm以下と極めて小さかった。
【0019】以上の実施例では半導体レ−ザへの適用に
ついて説明したが、本発明は、他の波長帯の半導体レー
ザについても適用可能であることは自明である。又、n
型半導体基板状に形成したDFBレーザ、活性層をIn
GaAlAs系の量子井戸構造で形成したDFBレー
ザ、リッジ型等の他のストライプ構造を有したDFBレ
ーザについても、適用可能であることはいうまでもな
い。さらに、歪量子井戸層の歪量が+0.5%〜+1.
8%、あるいは−2.0%〜−0.7%の範囲内のDF
Bレーザ、井戸数が4〜8のDFBレーザでも、ほぼ同
様の効果が得られた。さらに、本実施例では、単体の半
導体レーザ素子への適用に行いて説明したが、光インタ
コネクト、波長多重通信などに使用する半導体レーザア
レイについても、適用可能であることはいうまでもな
い。
【0020】
【発明の効果】本発明では、各量子井戸層の量子井戸層
膜厚、混晶組成歪量、あるいは歪量を変化させることに
より、各量子井戸層からの量子準位発光波長を変化させ
ることができるので、離調波長ΔGの温度依存性dΔG
/dTが極めて小さなDFBレーザを提供できる。従っ
て、広い温度範囲、例えば−40℃〜+85℃での光通
信用分布帰還型半導体レーザの安定動作に対して効果が
ある。さらに、井戸数、歪量、量子井戸膜厚等の構造を
適切に設定することにより、その離調波長ΔGの温度依
存性dΔG/dTの低減の度合いは大きく、尚一層のD
FBレーザの広範囲温度動作に対して効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例を表す構造図、(b)は(a)
のA−A’線光軸方向断面図、(c)は量子井戸活性層の
伝導帯のバンドダイアグラム。
【図2】従来技術によるDFBレーザの離調波長の温度
依存性を示す図。
【図3】本発明の手段と作用を示す図。
【図4】(a)は本発明の実施例を表す構造図、(b)は(a)
のA−A’線光軸方向断面図、(c)は量子井戸活性層の
伝導帯のバンドダイアグラム。
【符号の説明】
1…p-InP基板、2…p-InPクラッド層、3…回折
格子、4、19…光ガイド層、5、18…歪量子井戸活
性層、6…n-InPクラッド層、7…p-InP埋込層、
8…n-InP埋込層、9…p-InP層、11…n-InP
平坦化層、12…n-InGaAsPキャップ層、13…S
iO2膜、14…n電極、17…p電極、16、23…障
壁層、15a〜15e、22a〜22d…歪量子井戸
層。
フロントページの続き (72)発明者 中村 厚 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に、少なくとも光を発生する
    活性層、光を閉じ込めるクラッド層と共振器の軸方向に
    屈折率の摂動を有する分布帰還型半導体レーザにおい
    て、上記活性層が少なくとも2層の量子井戸層を有し、
    少なくとも1層の量子井戸層の量子準位発光波長が他の
    量子井戸層の量子準位発光波長と異なることを特徴とす
    る分布帰還型半導体レーザ。
  2. 【請求項2】半導体基板上に、少なくとも光を発生する
    活性層、光を閉じ込めるクラッド層と共振器の軸方向に
    屈折率の摂動を有する分布帰還型半導体レーザにおい
    て、上記活性層が少なくとも2層の量子井戸層を有し、
    少なくとも1層の量子井戸層の量子井戸膜厚が他の量子
    井戸層の量子井戸膜厚と異なることを特徴とする分布帰
    還型半導体レーザ。
  3. 【請求項3】半導体基板上に、少なくとも光を発生する
    活性層、光を閉じ込めるクラッド層と共振器の軸方向に
    屈折率の摂動を有する分布帰還型半導体レーザにおい
    て、上記活性層が少なくとも2層の量子井戸層を有し、
    少なくとも1層の量子井戸層を形成する混晶組成が他の
    量子井戸層を形成する混晶組成と異なることを特徴とす
    る分布帰還型半導体レーザ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の分布帰還
    型半導体レーザにおいて、上記量子井戸層の格子定数が
    上記半導体基板の格子定数と異なる歪量子井戸層を有
    し、歪量子井戸層の歪量が+0.5%〜+1.8%、あ
    るいは−2.0%〜−0.7%であることを特徴とする
    分布帰還型半導体レーザ。
  5. 【請求項5】半導体基板上に、少なくとも光を発生する
    活性層、光を閉じ込めるクラッド層と共振器の軸方向に
    屈折率の摂動を有する分布帰還型半導体レーザにおい
    て、上記活性層が少なくとも2層の歪量子井戸層を有
    し、少なくとも1層の歪量子井戸層の歪量が他の歪量子
    井戸層の歪量と異なることを特徴とする分布帰還型半導
    体レーザ。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の分布帰還
    型半導体レーザにおいて、上記量子井戸層、歪量子井戸
    層の量子準位発光波長の最大値と最小値の差が15〜4
    5nmであることを特徴とする分布帰還型半導体レー
    ザ。
  7. 【請求項7】請求項1、2又は4に記載の分布帰還型半
    導体レーザにおいて、上記量子井戸層、歪量子井戸層の
    最大量子井戸膜厚のと最小量子井戸膜厚の差が1.0〜
    3.5nmであることを特徴とする分布帰還型半導体レ
    ーザ。
  8. 【請求項8】請求項1、2又は4に記載の分布帰還型半
    導体レーザにおいて、上記量子井戸層、歪量子井戸層の
    最大量子井戸膜厚が6nm、最小量子井戸膜厚が4nm
    であることを特徴とする分布帰還型半導体レーザ。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の分布帰還
    型半導体レーザにおいて、上記量子井戸層、歪量子井戸
    層の量子準位発光波長が、正孔の注入側が電子の注入側
    よりも長波長であることを特徴とする分布帰還型半導体
    レーザ。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の分布帰
    還型半導体レーザにおいて、上記量子井戸層、歪量子井
    戸層の井戸数が4〜8であることを特徴とする分布帰還
    型半導体レーザ。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の分布
    帰還型半導体レーザにおいて、上記半導体基板がp型I
    nP基板で、かつ上記活性層がメサストライプ状に形成
    され、該メサストライプ状の活性領域の側面がp/n/
    p型の電流ブロック層で埋め込まれていることを特徴と
    する分布帰還型半導体レーザ。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載の分布
    帰還型半導体レーザにおいて、レーザ発振波長をλL
    D、しきい電流の0.9倍の注入電流での光学利得ピー
    ク波長をλg、共振器の軸方向での屈折率の摂動による
    光の結合定数をκ,共振器長をLと定義したときに、室
    温での(λLD−λg)の値が−10〜+10nm、か
    つκLの値が0.8〜1.5であることを特徴とする分
    布帰還型半導体レーザ。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれかに記載の分布
    帰還型半導体レーザにおいて、上記量子井戸層、歪量子
    井戸層がInGaAsP層、あるいはInGaAlAs
    層であり、かつレーザ発振波長が1.25〜1.60μ
    mであることを特徴とする分布帰還型半導体レーザ。
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