JP2007012691A - 半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラッグ回折格子により規定される単一モード発振を広い温度範囲において実現可能な半導体レーザを提供する。
【解決手段】
半導体レーザ11の端面にはバンドリジェクト型の反射スペクトルを有する反射膜15がある。DFBモードにおける発振波長は、動作保証下限温度Tにおいて波長λ1で、動作保証上限温度Tで波長λ2で発光する波長温度依存性を持つ。半導体レーザ11の利得ピーク波長は、温度Tで波長λ1より短い波長λ3にあり、温度Tで波長λ2より長い波長λ4にある。波長λ3での反射膜15の反射率Rが波長λ1での反射膜15の反射率Rより小さい。波長λ4での反射膜17の反射率Rが波長λ2での反射膜15の反射率Rより小さい。波長λ3、λ4における反射膜15の反射率R、Rが波長λ1〜λ2までの波長範囲での反射膜15の最大反射率RMAXの半分以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体レーザに関する。
長距離/高速光ファイバ通信では、単一モード発振を得るためにブラッグ回折格子を有する半導体レーザが使用される。この半導体レーザとしては、例えば分布帰還型(DFB)レーザ、分布反射型(DBR)レーザ、外部共振器型レーザがある。
特許文献1には、半導体レーザ装置が記載されている。この半導体レーザ装置は、窒化シリコンの屈折率、膜厚のばらつきに依らず安定した低反射率を有する反射防止膜を提供し、分布帰還型半導体レーザの単一縦モード歩留まりを向上させることができる。この半導体レーザ装置は、この半導体のへき開面よりも高い反射率を与える後端面反射膜と、半導体のへき開面より低い反射率を与える反射防止膜とを備える。これら二つの膜は活性領域及びブラッグ回折格子を挟むように対向配置されている。
特開平10−51072号公報
通信用半導体レーザモジュールにおいては、この半導体レーザは、その温度を調整するためにペルチェ素子と共に用いられる。これにより、環境温度が大きく変動しても、限られたある温度範囲において、光出射面からブラッグ回折格子により選択された波長の光が単一モードで出射される。反射防止膜と反射膜及びこれらの間に位置するブラッグ回折格子とからなる分布帰還型半導体レーザを無温調動作させる場合、つまり、分布帰還型半導体レーザの温度制御を行わない場合、分布帰還型半導体レーザが分布帰還モード発振を維持できる温度範囲が存在し、これが、半導体レーザモジュールをより広い温度範囲で動作させることに対する制限となっている。一方、半導体レーザモジュールにペルチェ素子を設けると、構成部品の数及び組立コストが増大し、また消費電力も増大してしまう。そこで、ペルチェ素子を設けることなく無温調の半導体レーザモジュールを構成することが望まれている。
しかしながら、これまでの半導体レーザを無温調で使用すると、一例を示せば、環境温度が摂氏ゼロ度より低い温度(例えば、摂氏マイナス40度程度といった低温)の温度領域において、ファブリペロモード(FPモード) の利得ピーク値がブラッグ回折格子により規定される分布帰還モード(DFBモード)の利得ピーク値よりも大きくなり、その結果、分布帰還型半導体レーザはFP モードで発振してしまう。
本発明は、上記した課題を解決するために為されたものであり、ブラッグ回折格子により規定される単一モードの発振を広い温度範囲において実現可能な半導体レーザを提供することを目的とする。
本発明の一側面は、動作保証上限温度から動作保証下限温度までの温度範囲においてファブリペロモードを抑制し分布帰還モードで発振する半導体レーザに関する。半導体レーザは、(a)活性層と該活性層に光学的に結合されたブラッグ回折格子とを含み一端面および他端面を有する半導体領域と、(b)前記半導体領域の前記他端面に設けられた反射膜とを備え、前記ファブリペロモードは前記一端面と前記反射膜とを含む共振器に関連づけられており、前記分布帰還モードは前記ブラッグ回折格子に関連づけられており、前記分布帰還モードにおける発振波長は、前記動作保証下限温度において第1の波長となると共に前記動作保証上限温度において第2の波長となる波長温度依存性を有し、前記半導体レーザの利得ピーク波長は、前記動作保証下限温度において前記第1の波長より短い第3の波長にあると共に前記動作保証上限温度において前記第2の波長より長い第4の波長にある温度依存性を有しており、前記反射膜は、条件
(1)前記第3の波長における前記反射膜の反射率が、前記第1の波長における前記反射膜の反射率より小さいこと、
(2)前記第4の波長における前記反射膜の反射率が、前記第2の波長における前記反射膜の反射率より小さいこと、
(3)前記第3および第4の波長における前記反射膜の反射率が、前記第1の波長から前記第2の波長までの波長範囲における前記反射膜の最大反射率の70%以下であること、
を満たす反射スペクトルを有する。
発明者は、FPモード発振が、デチューニング量の大きい温度において生じることと、発振するFPモードの光波長がDFBモードの発振波長と異なることに着目した。さらに、反射膜による高い反射率を必要とするのはブラッグ回折格子のブラッグ波長近傍のみである一方で、ブラッグ波長以外の波長ではむしろ反射率を低くすることがFPモード発振の抑制に有効であることを見出した。そこで、このような波長依存性の反射特性を有する反射膜について検討した結果、反射膜は、第1の波長範囲において上記条件(1)〜(3)を満たすバンドリジェクト型の反射スペクトルを有することが好適であることを見いだした。この半導体レーザによれば、ブラッグ回折格子により規定される単一モード発振を広い温度範囲において実現可能な半導体レーザが提供される。
本発明に係る半導体レーザは、(a)活性層と該活性層に光学的に結合されたブラッグ回折格子とを含み一端面および他端面を有する半導体領域と、(b)前記半導体領域の前記他端面に設けられた反射膜とを備え、前記ファブリペロモードは前記一端面と前記反射膜とを含む共振器に関連づけられており、前記分布帰還モードは前記ブラッグ回折格子に関連づけられており、前記分布帰還モードにおける発振波長は、前記動作保証下限温度において第1の波長となると共に前記動作保証上限温度において第2の波長となる波長温度依存性を有し、前記半導体レーザの利得ピーク波長は、前記動作保証下限温度において前記第1の波長より短い第3の波長にあると共に前記動作保証上限温度において第4の波長にある温度依存性を有しており、前記反射膜は、条件
(1)前記第3の波長における前記反射膜の反射率が、前記第1の波長における前記反射膜の反射率より小さいこと、
(2)前記第3の波長における前記反射膜の反射率が、前記第1の波長から前記第2の波長までの波長範囲における前記反射膜の最大反射率の70%以下であること、
を満たす反射スペクトルを有する。
また、本発明に係る半導体レーザは、(a)活性層と該活性層に光学的に結合されたブラッグ回折格子とを含み一端面および他端面を有する半導体領域と、(b)前記半導体領域の前記他端面に設けられた反射膜とを備え、前記ファブリペロモードは前記一端面と前記反射膜とを含む共振器に関連づけられており、前記分布帰還モードは前記ブラッグ回折格子に関連づけられており、前記分布帰還モードにおける発振波長は、前記動作保証下限温度において第1の波長となると共に前記動作保証上限温度において第2の波長となる波長温度依存性を有し、前記半導体レーザの利得ピーク波長は、前記動作保証下限温度において第3の波長にあると共に前記動作保証上限温度において前記第2の波長より長い第4の波長にある温度依存性を有しており、前記反射膜は、条件
(1)前記第4の波長における前記反射膜の反射率が、前記第2の波長における前記反射膜の反射率より小さいこと、
(2)前記第4の波長における前記反射膜の反射率が、前記第1の波長から前記第2の波長までの波長範囲における前記反射膜の最大反射率の70%以下であること、
を満たす反射スペクトルを有する。
これらの半導体レーザによっても、ブラッグ回折格子により規定される単一モード発振を広い温度範囲において実現可能な半導体レーザが提供される。
本発明に係る半導体レーザでは、前記反射膜は、10層以上の誘電体膜を含む多層構造を有することが好ましい。この半導体レーザでは、誘電体膜を含む多層構造を用いると、所望の波長範囲を含む波長領域内で高い反射率を有すると共に、その外側においてむしろ低い反射率を有する反射膜を実現できる。
本発明に係る半導体レーザでは、前記反射膜は、複数の第1の誘電体膜および複数の第2の誘電体膜を含む多層構造を有しており、前記第1および第2の誘電体膜は交互に配置されており、前記第1の誘電体膜の屈折率は前記第2の誘電体膜の屈折率と異なり、各第1の誘電体膜の厚さは、n×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられており、各第2の誘電体膜の厚さは、n×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられており、該λは前記所定の波長範囲内の値を有する。
半導体レーザのレーザ光の波長が変化したときに反射膜の反射率が大きく変化しないように、従来の半導体レーザの反射膜に対して、反射率の波長依存性が小さくなるという要求があった。この要求を満たすために、従来の半導体レーザには、幅広い反射帯域幅を持つ反射膜を形成して、これにより所望の波長範囲において反射率の波長依存性を小さくしていた。一方、本発明に係る半導体レーザによれば、反射膜を構成する誘電体膜の膜厚がn×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられている。この反射膜の反射帯域は、λ/4の値に対応付けられている膜厚の誘電体膜から構成される反射膜の反射スペクトルに比べて狭く、またこの狭い反射帯域は、λ/4の値に対応付けられている膜厚の誘電体膜を多数積層することによっては達成されない。
本発明の更なる別の側面は、動作保証上限温度から動作保証下限温度までの動作保証温度範囲においてファブリペロモードを抑制し分布帰還モードで発振する半導体レーザである。半導体レーザは、(a)活性層と該活性層に光学的に結合されたブラッグ回折格子とを含み一端面および他端面を有する半導体領域と、(b)前記動作保証温度範囲において前記半導体領域の前記一端面の反射率より大きい反射率を有するフィルタ部とを備え、前記半導体領域は、前記他端面と前記フィルタ部との間に位置しており、前記ファブリペロモードは前記他端面および前記フィルタ部を含む共振器に関連づけられており、前記分布帰還モードは前記ブラッグ回折格子に関連づけられており、前記分布帰還モードにおける発振波長は、前記動作保証下限温度において第1の波長となると共に前記動作保証上限温度において第2の波長となる波長温度依存性を有し、前記半導体レーザの利得ピーク波長は、前記動作保証下限温度において前記第1の波長より短い第3の波長にあると共に前記動作保証上限温度において前記第2の波長より長い第4の波長にある温度依存性を有しており、前記フィルタ部は、条件
(1)前記第3の波長における前記フィルタ部の反射率が、前記第1の波長における前記フィルタ部の反射率より小さいこと、
(2)前記第4の波長における前記フィルタ部の反射率が、前記第2の波長における前記フィルタ部の反射率より小さいこと、
(3)前記第3および第4の波長における前記フィルタ部の反射率が、前記第1の波長から前記第2の波長までの波長範囲における前記フィルタ部の最大反射率の70%以下であること、
を満たす反射スペクトルを有する。
本発明に係る半導体レーザでは、前記フィルタ部は、複数の第1の誘電体膜および複数の第2の誘電体膜を含む多層構造の反射膜を有しており、前記第1および第2の誘電体膜は交互に配置されており、前記第1の誘電体膜の屈折率は前記第2の誘電体膜の屈折率と異なり、各第1の誘電体膜の厚さは、n×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられており、各第2の誘電体膜の厚さは、n×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられており、該λは前記所定の波長範囲内の値を有する。
本発明に係る半導体レーザによれば、反射膜を構成する誘電体膜の膜厚がn×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられている。この反射膜の反射帯域は、λ/4の膜厚の誘電体膜から構成される反射膜の反射スペクトルに比べて狭く、またこの狭い反射帯域は、λ/4の値に対応付けられている膜厚の誘電体膜を多数積層することによっては達成されない。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、ブラッグ回折格子により規定される単一モード発振を広い温度範囲において実現可能な半導体レーザが提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の半導体レーザおよび光送信モジュールに係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、本実施の形態に係る分布帰還型半導体レーザの構造を示す図面である。図2は、図1に示された分布帰還型半導体レーザにおけるブラッグ波長および利得ピーク波長の温度依存性を示す。縦軸は波長であり、横軸は温度を示す。特性線C1は利得ピーク波長(近似的に、ファブリペロモードの発振波長となる)を示しており、特性線C2はブラッグ波長(近似的に、分布帰還モードの発振波長となる)を示している。図1に示されるように、分布帰還型の半導体レーザ11は、一端面13aおよび他端面13bを有する半導体領域13と、反射膜15と、反射防止膜17とを備える。半導体領域13は、第1のフィルタ部と第2のフィルタ部との間に位置している。第1のフィルタ部としては反射膜15があり、反射膜15は、例えば、半導体領域13の一端面13aに設けられている。このとき、反射膜15は第1のフィルタ部として働く。また、第2のフィルタ部としては反射防止膜17があり、反射防止膜17は、例えば、半導体領域13の他端面13bに設けられている。このとき、反射防止膜17は第2のフィルタ部として働く。半導体領域13は、p型クラッド層21とn型クラッド層23との間に設けられた活性層25と、該活性層25に光学的に結合されたブラッグ回折格子27とを含む。p型クラッド層21、n型クラッド層23および活性層25は、基板29上に設けられている。半導体レーザ11では、ファブリペロモード(以下、FPモードとして参照する)は反射膜15と反射防止膜17とにより規定され、分布帰還モード(以下、DFBモードとして参照する)はブラッグ回折格子27により規定される。DFBモードの波長は、ほぼブラッグ回折格子27の温度特性に従って変化する。図2に示されるように、半導体レーザ11のDFBモードにおける発振波長は温度依存性を有しており、この温度依存性により、半導体レーザ11は動作保証下限温度Tにおいて第1の波長λ1の光を発生すると共に動作保証上限温度Tにおいて第2の波長λ2の光を発生する。動作保証上限温度Tは摂氏85度よりも大きく、動作保証下限温度Tは摂氏ゼロ度よりも小さい。図2に示された一例では、Tは摂氏100度であり、Tは摂氏−40度である。
半導体レーザ11の利得ピーク波長は、動作保証下限温度Tにおいて第1の波長λ1より短い第3の波長λ3にあると共に動作保証上限温度Tにおいて第2の波長λ2より長い第4の波長λ4にある温度依存性を有している。反射膜15は、条件(1)〜(3)を満たすバンドリジェクト型の反射スペクトルを有する。(1)第3の波長λ3における反射膜15の反射率Rが、第1の波長λ1における反射膜15の反射率Rより小さい。(2)第4の波長λ4における反射膜15の反射率Rが、第2の波長λ2における反射膜15の反射率Rより小さい。(3)第3および第4の波長λ3、λ4における反射膜15の反射率R、Rが、第1の波長λ1から第2の波長λ2までの波長範囲における反射膜15の最大反射率RMAXの半分以下である。
発明者は、FPモードにおける発振が、利得ピークのFPモード波長とDFBモード波長との差であるデチューニング量の大きい温度において生じることと、発振するFPモードの光波長がDFBモードの発振波長と異なることに着目した。さらに、反射膜15による高い反射率を必要とするのはブラッグ回折格子27のブラッグ波長近傍のみであり、またブラッグ波長以外の波長ではむしろ反射率を低くすることがFPモード抑制には有効であることを見出した。そこで、このような波長依存性の反射特性を有する反射膜について検討した結果、反射膜15は、第1の波長範囲R1において上記条件(1)〜(3)を満たすバンドリジェクト型の反射スペクトルを有することが好適であることを見いだした。この半導体レーザ11は、無温調動作の光通信モジュールに好適である。
引き続いて、DFBモードとFPモードの双方が存在する半導体レーザの無温調動作を説明する。発明者の実験によれば、利得ピークとなるFPモードでの発振波長の温度に対するシフト量がDFBモードの発振波長の温度に対するシフト量と異なる、という点である。図2に示された温度特性を示すDFB型半導体レーザは、以下のような特性を有する。例えば、摂氏25度におけるデチューニング量(Δλ:利得のピーク波長とブラッグ波長の差であり、DFB半導体レーザの特性を決定する非常に重要な指標である)が+0.5nm、DFBモードの発振波長の温度変動が0.1nm/K、利得ピーク波長の温度変動が0.4nm/Kである。この半導体レーザを−40℃〜+100℃という温度範囲で使用すると、デチューニング量は−22nm(△λ1)〜+20nm(△λ2)の範囲で変化する。
DFBモードは、図1に示されるブラッグ回折格子27による分布帰還31を主な帰還のメカニズムとする発振モードであり、反射膜15および反射防止膜17による端面反射が存在する場合には、これら端面における反射33、35もDFBモードの発振に寄与する。DFBモードが発振するために必要な利得、つまり閾値利得は、反射防止膜17の反射率RAR、反射膜15の反射率RHR、ブラッグ回折格子27の結合係数κ、内部損失αi、レーザの共振器長Lで決定される。DFBモードにより発振する波長は、ブラッグ回折格子27の周期Λと半導体レーザの実効屈折率neffとにより決定されるブラッグ波長λbragg近傍(例えば、λbragg+2nm〜λbragg−2nmの範囲)に1つ乃至は2つある(より厳密には高次のモードも存在するが、いずれにせよλbragg近傍で発振する)。この波長は、例えばInP基板を用いて作製された通信用半導体レーザの場合、実効屈折率neffの温度変動を反映して、0.1nm/K程度の温度係数で変化する。半導体レーザ11は、前方光Lおよび背面光Lを出射する。
一方、FPモードは、図1に示される反射防止膜17および反射膜15での反射を主な帰還33、35のメカニズムとする発振モードである。反射防止膜17の反射率がゼロである様な理想的な半導体レーザでは、FPモードは存在しないが、現実の半導体レーザでは、反射防止膜の反射率をゼロとすることは困難であるので、FPモードは必ず存在し、FPモードで発振し得る波長は、共振器長に関連しており、また無限に存在する。例えば、光通信で用いる1.31マイクロメートル帯という波長付近で考えると、これらの波長は、例えばほぼ1nm程度の間隔で存在する。半導体レーザ11では、帯域内で所望の反射率が得られるバンドリジェクトフィルタとして作用する反射膜15を使用するので、動作保証温度範囲においてFPモード発振が抑制される。
図3は、利得係数と波長との関係を示す図面であり、横軸は発振波長であり、縦軸は利得係数である。図3において、特性線D1〜D5の順に、注入キャリアが増加している。半導体レーザの活性層の形態としては、バルク、量子井戸、量子ドット等種々のもの存在する。これらの活性層に対して、図3に示されるように、利得は波長の関数であり、特定の波長をピークとしてその波長から外れる程利得は減少する。また、キャリア注入が増えると利得は増加する。
このような利得係数の波長依存性とDFBモード発振およびFPモード発振、との関係について説明する。DFBモードの場合、発振波長はブラッグ回折格子の構造で決定されており、利得のピーク波長とブラッグ波長が一致する場合はもちろん、両者が一致しない場合でもブラッグ波長近傍の特定の波長で発振する。一致しない場合には、閾値利得を得るために必要なキャリア密度、つまり閾値キャリア密度が増大することになる。一方、FPモードで発振する場合、利得ピークにもっとも近いFPモードの波長において発振する。FPモードで発振し得る波長MFPは例えば約1nm間隔で無数に存在しているので、図4に示されるように、FPモードでの発振波長は、利得特性線GがピークとなるモードM0(波長)で決定される。実際には、利得ピーク近傍の複数の波長がまとまって発振することも多い。
図5(a)は、ゼロに近いデチューニング量を有する分布帰還型半導体レーザにおけるDFBモードとFPモードそれぞれの利得および波長を示し、図5(b)は、正のデチューニング量を有する分布帰還型半導体レーザにおけるDFBモードとFPモードそれぞれの利得および波長を示し、図5(c)は、負のデチューニング量を有する分布帰還型半導体レーザにおけるDFBモードとFPモードそれぞれの利得および波長を示す。図5(a)〜図5(c)において、“FP”はFPモード列とそのFPモードの利得閾値とを示している。図5(a)〜図5(c)には、それぞれ、利得特性線G1、G2、G3と、DFBモードおよびその利得閾値DFB1〜DFB3が示されている。
図5(a)に示されるように、デチューニング量がゼロに近い分布帰還型半導体レーザでは、DFBモードとFPモードそれぞれの発振波長も近いので、波長依存性のある活性層から二つのモードが受ける利得は同等となる。この場合、DFBモードの方が閾値利得が小さいので、閾値キャリア密度も小さくなる。したがって、この半導体レーザはDFBモードで発振する。図5(b)および図5(c)に示されるように、デチューニング量が大きい値(−22nmや+20nm、或いはこれらの値よりさらに大きな絶対値)の半導体レーザでは、DFBモードに対する利得はピーク値より大幅に小さく、利得ピークの波長で発振するFPモードと比べて閾値キャリア密度が大きくなる。この場合、DFBレーザはその名に反して、より閾値キャリア密度の小さいFPモードで発振するので、DFB半導体レーザに必要な特性を満たさなくなってしまう。この現象によって、DFB半導体レーザの無温調動作が可能な温度範囲が制限される。
反射膜の反射率を下げてPFモードの閾値利得を大きくすれば、FPモード発振の抑制できるが、これによりDFBモードの閾値利得も増大してしまう。これ故に、FPモードおよびDFBモードの閾値利得の差を大きくできず、また閾値電流等の諸特性も劣化する。しかしながら、動作波長範囲の外側にあってデチューニング量が大きい波長領域において反射率が小さい反射膜を用いれば、無温調動作が可能な温度範囲を拡大できる。
無温調動作が可能な温度範囲を拡大するために、バンドリジェクトフィルタを用いる実施例を説明したけれども、これまでの説明から理解されるように、短波側透過フィルタ(Short wavelength pass filter)や長波長側透過フィルタ(Long wavelength pass filter)を用いても動作温度の広範囲化が実現可能である。
例えば、利得ピーク波長が動作保証下限温度において第1の波長λ1より短い第3の波長λ3にあると共に動作保証上限温度において第4の波長λ4にあるという温度依存性を示す分布帰還型半導体レーザでは、下記の条件
(1)第3の波長λ3における反射膜の反射率が、第1の波長λ1における反射膜の反射率より小さいこと
(2)第3の波長λ3における反射膜の反射率が、第1の波長λ1から第2の波長λ2までの波長範囲における反射膜の最大反射率の半分以下であること
を満たす反射スペクトルを有する反射膜を反射膜15に替えて用いることができる。
或いは、利得ピーク波長が動作保証下限温度において第3の波長λ3にあると共に動作保証上限温度において第2の波長λ2より長い第4の波長λ4にあるという温度依存性を示す分布帰還型半導体レーザでは、下記の条件
(1)第4の波長λ4における反射膜の反射率が、第2の波長λ2における反射膜の反射率より小さいこと
(2)第4の波長λ4における反射膜の反射率が、第1の波長λ1から第2の波長λ2までの波長範囲における反射膜の最大反射率の半分以下であること
を満たす反射スペクトルを示す反射膜を反射膜15に替えて用いることができる。
これらの半導体レーザによっても、ブラッグ回折格子により規定される単一モード発振を広い温度範囲において実現可能である。
発明者の知見によれば、分布帰還型半導体レーザの反射膜としては、図8に示したように、例えば発振波長を中心に200nm以上の波長範囲において80%以上の反射率、ピークで85%の反射率を有する誘電体多層膜が用いられている。
半導体レーザの動作保証温度範囲は、例えば摂氏−40度〜+100度といった温度範囲であるので、この温度範囲に対応するDFBモードの波長変動範囲(λ1〜λ2)は、InP系半導体レーザにおいて14nmであり、CWDMのシステムに置いて光源の波長バラつきとして想定される最悪の値に対応する片側3nmのマージンをこの範囲に加えて、製造のためにDFBモードの波長変動範囲(λ5〜λ6)とする。高歩留まりでDFB型半導体レーザをDFBモード発振させるためには、反射膜15の反射率の最低値が、上記の波長変動範囲において60%以上であることが好ましい。
一方、上述の波長変動範囲の外側の波長領域(例えば、波長λ7および/またはλ8)では、反射膜15は高い反射率を示す必要なく、PFモード発振を抑えるために反射膜15の反射率を下げることが好ましい。特に、動作温度範囲の下限における波長(DFBモードの波長変動範囲から−20nm離れた波長)および/または動作温度範囲の上限における波長(DFBモードの波長変動範囲から+22nm離れた波長)での反射率が、動作温度範囲内におけるピーク反射率の半分以下に抑制することが好ましい。
半導体レーザでは、反射膜15は、第1の波長λ1より3ナノメートル短い第5の波長λ5から第2の波長λ2より3ナノメートル長い第6の波長λ6までの波長範囲において60パーセント以上の反射率を有しており、また反射膜15は、第5の波長λ5より20ナノメートル短い第7の波長λ7において、第1の波長λ1から第2の波長λ2までの波長範囲における最小反射率より3dB抑制された反射率を有している。反射膜15は、第6の波長λ6より20ナノメートル長い第8の波長λ8において、第1の波長λ1から第2の波長λ2までの波長範囲における最小反射率より3dB抑制された反射率を示す。この半導体レーザでは、このような特性の反射膜を用いると、ファブリペロモードの抑制に好適な反射スペクトルが実現される。
図6は、本実施の形態に係る分布帰還型半導体レーザのための反射膜の反射スペクトルの一例を示す図面である。この反射膜は、動作温度範囲が摂氏−40度から+100度である分布帰還型半導体レーザのために用いられる。
所望の特性が得られる反射膜は、
摂氏25度におけるブラッグ波長:1310nm
反射膜(誘電体多層膜):膜厚1.795μmのAl(屈折率1.64)と、膜厚1.3μmのTiO(屈折率2.27)を交互に全12層の積層
である。反射スペクトルは、1300nm〜1320nmの範囲(λ5〜λ6)で99%以上の反射率を示し、また1280nm(λ7)、1340nm(λ8)いずれの波長において99%の半分以下の反射率を示す。本実施例では設計を簡素に行うために高次のブラッグ反射を利用した誘電体多層膜を示しているけれども、高次のブラッグ反射を利用することが必須である訳ではない。誘電体膜としては、AlやTiOに限定されることなく、例えばSiNといったシリコン窒化物、SiOといったシリコン酸化物、Taといったタンタル酸化物を用いることができ、さらに、これらの材料を混合したものを用いることができる。また、反射膜は、10層以上の誘電体膜を含む多層構造を有することが好ましく、これにより、反射スペクトルは、本実施の形態に係る半導体レーザのための狭い反射帯域幅に対して好適な急峻な立ち上がりおよび立ち下がりを有する。
以上説明した半導体レーザは、光通信のための光送信モジュールのために用いることができる。光送信モジュールは、上記いずれかの半導体レーザと、この半導体レーザからの光を受けるレンズと、半導体レーザおよびレンズを支持する筐体とを備える。この光送信モジュールから出力される光は光導波路に入射する。その波長は、半導体レーザの分布帰還モードの温度特性に従って変化する温度依存性を有する。この光送信モジュールを用いると、より広い温度範囲を無温調でシングルモード発振を実現できる。筐体としては、同軸型キャンケース、バタフライ型パッケージ等を用いることができる。
引き続き、反射膜について説明する。以下の説明では、一例として1.3マイクロメートル帯の半導体レーザにおいて、λの値として、該半導体レーザの発振波長の範囲内の値、例えば1310nm、を用いる。好ましくは、λの値は、半導体レーザの発振波長の変動幅のほぼ中心に選ばれる。図7は、一例として示されたの反射膜の反射スペクトルAと反射膜の反射スペクトルBとを示す図面である。反射スペクトルBは、9×λ/4の膜厚の誘電体膜からなる誘電体多層構造を有する。この誘電体多層構造(全24層)は、
Al膜の屈折率:1.64
Al膜の膜厚:1795nm
TiO膜の屈折率:2.27
TiO膜の膜厚:1299.6nm
である。1300nm〜1320nmの範囲で99%以上の反射率を得ることができ、また1280nmと1340nmいずれの波長でも反射率は99%の半分以下であり、所望の特性が得られる。
一方、反射スペクトルAは、λ/4の膜厚の誘電体膜からなる誘電体多層構造を有する。この誘電体多層構造(全24層)は、
Al膜の屈折率:1.64
Al膜の膜厚:199.4nm
TiO膜の屈折率:2.27
TiO膜の膜厚:144.4nm
である。
また、図8は、反射スペクトルCを示す図面である。反射スペクトルCは、λ/4の膜厚の誘電体膜からなる誘電体多層構造を有する。この誘電体多層構造(全6層)は、
Al膜の屈折率:1.64
Al膜の膜厚:199.4nm
TiO膜の屈折率:2.27
TiO膜の膜厚:144.4nm
である。
まず、反射スペクトルAと反射スペクトルCとを比較すると、誘電体多層構造の誘電体膜の積層数を増やすと、反射スペクトルの立ち上がりおよび立ち下がりの急峻性は改善される。しかしながら、積層数を増加しても、反射スペクトルの反射帯域の幅は小さくなっていない。
次いで、反射スペクトルAと反射スペクトルBとを比較すると、誘電体多層構造の誘電体膜の積層数は共に24層であり、両反射スペクトルA、Bの立ち上がりおよび立ち下がりの急峻性は良好である。しかしながら、反射スペクトルBの反射帯域の幅は、反射スペクトルAの反射帯域の幅よりも著しく狭くなっている。例として示された反射スペクトルBの反射帯域の幅は20nm程度であるが、反射スペクトルAの反射帯域の幅は200nmよりも大きい。例えば、これまでは、反射率99%において100nm以下の反射帯域幅を持つ反射膜を半導体レーザに用いていない。
発明者の検討によれば、反射スペクトルBを示す反射膜を構成する第1の誘電体膜の厚さは、n×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられており、第2の誘電体膜の厚さは、n×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられている。第1および第2の誘電体膜の形成する際の許容される膜厚のバラツキは、例えば+/−20nm程度である。
以上説明したように、半導体レーザのレーザ光の波長が変化したときに反射膜の反射率が大きく変化しないように、従来の半導体レーザの反射膜に対して、反射率の波長依存性が小さくなるという要求があった。この要求を満たすために、従来の半導体レーザには、反射スペクトルCによって示されるような幅広い反射帯域幅を持つ反射膜を形成していた。一方、本実施の形態に係る半導体レーザによれば、反射膜を構成する誘電体膜の膜厚がn×λ/4(n:奇数、n≧3)の値に対応付けられている。この反射膜の反射帯域は、λ/4の値に対応付けられている膜厚の誘電体膜から構成される反射膜の反射スペクトルに比べて狭く、またこの狭い反射帯域は、λ/4の値に対応付けられている膜厚の誘電体膜を多数積層することによっては達成されない。そこで、単層の層厚をλ/4ではなく、例えば9×λ/4を用いる。多層膜の各層における位相遅延量の波長分散が大きいほど、反射率スペクトルにおける帯域は狭くなるので、n×λ/4においてn(n:奇数、n≧3)を大きな値とすることが好適である。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではなく、誘電体多層膜以外にも、DBRミラーやファイバグレーティング等を反射フィルタとして用いることによっても実現可能である。また、半導体レーザは、本実施の形態に開示された特定の構造に限定されるものではなく、例えば、活性層自身が回折格子として作用する構造であってもよい。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1は、本実施の形態に係る分布帰還型半導体レーザの構造を示す図面である。 図2は、半導体レーザにおけるブラッグ波長および利得ピーク波長の温度依存性を示す。 図3は、利得係数と波長との関係を示す図面である。 図4は、FPモードでの発振波長と利得特性線Gとの関係を示す図面である。 図5(a)はゼロに近いデチューニング量の半導体レーザにおけるDFBモードとFPモードそれぞれの利得および波長を示す図面である。図5(b)は大きなプラスのデチューニング量の半導体レーザにおけるDFBモードとFPモードそれぞれの利得および波長を示す図面である。図5(c)は大きなマイナスのデチューニング量の半導体レーザにおけるDFBモードとFPモードそれぞれの利得および波長を示す図面である。 図6は、本実施の形態に係る分布帰還型半導体レーザのための反射膜の反射スペクトルの一例を示す図面である。 図7は、膜厚λ/4の誘電体膜からなる誘電体多層構造の反射膜の反射スペクトルAと、膜厚9λ/4の誘電体膜からなる誘電体多層構造の反射膜の反射スペクトルBとを示す図面である。 図8は、膜厚λ/4の誘電体膜からなる誘電体多層構造の反射膜の反射スペクトルCを示す図面である。
符号の説明
11…半導体レーザ、13a…半導体レーザの一端面、13b…半導体レーザの他端面、15…反射膜、17…反射防止膜、21…p型クラッド層、23…n型クラッド層、25…活性層、27…ブラッグ回折格子、29…基板、T…動作保証下限温度、T…動作保証上限温度、λ1、λ2、λ3、λ4、λ5、λ6、λ7、λ8…波長

Claims (7)

  1. 動作保証上限温度から動作保証下限温度までの温度範囲においてファブリペロモードを抑制し分布帰還モードで発振する半導体レーザであって、
    活性層と該活性層に光学的に結合されたブラッグ回折格子とを含み一端面および他端面を有する半導体領域と、
    前記半導体領域の前記一端面に設けられた反射膜と
    を備え、
    前記ファブリペロモードは前記他端面と前記反射膜とを含む共振器に関連づけられており、前記分布帰還モードは前記ブラッグ回折格子に関連づけられており、
    前記分布帰還モードにおける発振波長は、前記動作保証下限温度において第1の波長となると共に前記動作保証上限温度において第2の波長となる波長温度依存性を有し、
    前記半導体レーザの利得ピーク波長は、前記動作保証下限温度において前記第1の波長より短い第3の波長にあると共に前記動作保証上限温度において前記第2の波長より長い第4の波長にある温度依存性を有しており、
    前記反射膜は、条件
    (1)前記第3の波長における前記反射膜の反射率が、前記第1の波長における前記反射膜の反射率より小さいこと、
    (2)前記第4の波長における前記反射膜の反射率が、前記第2の波長における前記反射膜の反射率より小さいこと、
    (3)前記第3および第4の波長における前記反射膜の反射率が、前記第1の波長から前記第2の波長までの波長範囲における前記反射膜の最大反射率の70%以下であること、
    を満たす反射スペクトルを有する、ことを特徴とする半導体レーザ。
  2. 動作保証上限温度から動作保証下限温度までの温度範囲においてファブリペロモードを抑制し分布帰還モードで発振する半導体レーザであって、
    活性層と該活性層に光学的に結合されたブラッグ回折格子とを含み一端面および他端面を有する半導体領域と、
    前記半導体領域の前記一端面に設けられた反射膜と
    を備え、
    前記ファブリペロモードは前記他端面と前記反射膜とを含む共振器に関連づけられており、前記分布帰還モードは前記ブラッグ回折格子に関連づけられており、
    前記分布帰還モードにおける発振波長は、前記動作保証下限温度において第1の波長となると共に前記動作保証上限温度において第2の波長となる波長温度依存性を有し、
    前記半導体レーザの利得ピーク波長は、前記動作保証下限温度において前記第1の波長より短い第3の波長にあると共に前記動作保証上限温度において第4の波長にある温度依存性を有しており、
    前記反射膜は、条件
    (1)前記第3の波長における前記反射膜の反射率が、前記第1の波長における前記反射膜の反射率より小さいこと、
    (2)前記第3の波長における前記反射膜の反射率が、前記第1の波長から前記第2の波長までの波長範囲における前記反射膜の最大反射率の70%以下であること、
    を満たす反射スペクトルを有する、ことを特徴とする半導体レーザ。
  3. 動作保証上限温度から動作保証下限温度までの温度範囲においてファブリペロモードを抑制し分布帰還モードで発振する半導体レーザであって、
    活性層と該活性層に光学的に結合されたブラッグ回折格子とを含み一端面および他端面を有する半導体領域と、
    前記半導体領域の前記一端面に設けられた反射膜と
    を備え、
    前記ファブリペロモードは前記他端面と前記反射膜とを含む共振器に関連づけられており、前記分布帰還モードは前記ブラッグ回折格子に関連づけられており、
    前記分布帰還モードにおける発振波長は、前記動作保証下限温度において第1の波長となると共に前記動作保証上限温度において第2の波長となる波長温度依存性を有し、
    前記半導体レーザの利得ピーク波長は、前記動作保証下限温度において第3の波長にあると共に前記動作保証上限温度において前記第2の波長より長い第4の波長にある温度依存性を有しており、
    前記反射膜は、条件
    (1)前記第4の波長における前記反射膜の反射率が、前記第2の波長における前記反射膜の反射率より小さいこと、
    (2)前記第4の波長における前記反射膜の反射率が、前記第1の波長から前記第2の波長までの波長範囲における前記反射膜の最大反射率の70%以下であること、
    を満たす反射スペクトルを有する、ことを特徴とする半導体レーザ。
  4. 前記反射膜は、10層以上の誘電体膜を含む多層構造を有する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載された半導体レーザ。
  5. 前記反射膜は、複数の第1の誘電体膜および複数の第2の誘電体膜を含む多層構造を有しており、
    前記第1および第2の誘電体膜は交互に配置されており、
    前記第1の誘電体膜の屈折率は前記第2の誘電体膜の屈折率と異なり、
    各第1の誘電体膜の厚さは、n×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられており、
    各第2の誘電体膜の厚さは、n×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられており、
    該λは前記所定の波長範囲内の値を有する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載された半導体レーザ。
  6. 動作保証上限温度から動作保証下限温度までの動作保証温度範囲においてファブリペロモードを抑制し分布帰還モードで発振する半導体レーザであって、
    活性層と該活性層に光学的に結合されたブラッグ回折格子とを含み一端面および他端面を有する半導体領域と、
    前記動作保証温度範囲において前記半導体領域の前記一端面の反射率より大きい反射率を有するフィルタ部と
    を備え、
    前記半導体領域は、前記他端面と前記フィルタ部との間に位置しており、
    前記ファブリペロモードは前記他端面および前記フィルタ部を含む共振器に関連づけられており、前記分布帰還モードは前記ブラッグ回折格子に関連づけられており、
    前記分布帰還モードにおける発振波長は、前記動作保証下限温度において第1の波長となると共に前記動作保証上限温度において第2の波長となる波長温度依存性を有し、
    前記半導体レーザの利得ピーク波長は、前記動作保証下限温度において前記第1の波長より短い第3の波長にあると共に前記動作保証上限温度において前記第2の波長より長い第4の波長にある温度依存性を有しており、
    前記フィルタ部は、条件(1)〜(3)を満たす反射スペクトルを有する、
    (1)前記第3の波長における前記フィルタ部の反射率が、前記第1の波長における前記フィルタ部の反射率より小さく、
    (2)前記第4の波長における前記フィルタ部の反射率が、前記第2の波長における前記フィルタ部の反射率より小さく、
    (3)前記第3および第4の波長における前記フィルタ部の反射率が、前記第1の波長から前記第2の波長までの波長範囲における前記フィルタ部の最大反射率の70%以下である、ことを特徴とする半導体レーザ。
  7. 前記フィルタ部は、複数の第1の誘電体膜および複数の第2の誘電体膜を含む多層構造の反射膜を有しており、
    前記第1および第2の誘電体膜は交互に配置されており、
    前記第1の誘電体膜の屈折率は前記第2の誘電体膜の屈折率と異なり、
    各第1の誘電体膜の厚さは、n×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられており、
    各第2の誘電体膜の厚さは、n×λ/4(nは3以上の奇数)の値に対応付けられており、
    該λは前記所定の波長範囲内の値を有する、ことを特徴とする請求項6に記載された半導体レーザ。
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